JP4293510B2 - メタルマスクの洗浄方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はメタルマスクに付着した有機物、特には、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記載)を製造する蒸着塗り分け工程で用いられたメタルマスクに付着した有機EL材料を取り除く洗浄工程において、亜臨界流体を用いて、有機EL材料を取り除き、その洗浄廃液を大幅に減量する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL基板の製造に関しては、有機EL基板の裏面に磁石配置し、表面にメタルマスクを配備するとメタルマスクは磁石によって有機EL基板に吸着する。その状態で、複数の発光材料を個々の蒸気圧に合わせて真空蒸着する。そこで、所定の発光層が形成されるが、同時に当該メタルマスクに余剰の有機物である有機EL材料が多く付着する。このメタルマスクに蒸着した余剰の有機EL材料を除去する洗浄については人手により有機溶剤を用いてなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Niおよびその合金やステンレスからなるメタルマスクは高精度加工された薄板形状であるため、取り扱いが困難であり、メタルマスクを損傷することが多発していた。また、メタルマスクの細孔部等に付着した有機EL材料を洗浄するのは困難であった。また、人手による有機溶剤洗浄の為その洗浄剤を処理するのが大変であった。
【0004】
本発明は、従来の損傷が多発していた人手による洗浄作業から、亜臨界流体を用いてメタルマスク洗浄を行うことにより、メタルマスクの損傷を防ぐ。また、亜臨界流体は、洗浄槽からメタルマスクを取り出すときに直ちに気化するため、従来のリンス、乾燥工程を減らすことが可能となる。
【0005】
【課題を解決する手段】
上記目的を達成するために、発明者は亜臨界流体が溶解性を持つことを活用し、有機物である有機EL材料が付着したメタルマスクに、亜臨界流体を接触させることにより溶解して、メタルマスクの有機EL材料を回収することに着目した。その流れとして、流体(例えばCO)に圧力および/または温度を付加して、亜臨界流体とし、有機物である有機EL材料が付着したメタルマスクに接触させ、前記有機物である有機EL材料を溶解しメタルマスクから取り除く。
【0006】
本発明におけるCOにおける亜臨界状態とは圧力5MPa〜7.4MPa、且つ、温度は15℃〜60℃の領域のことをいう。
【0007】
また、ここでいう有機EL材料とは、有機ELディスプレイにおける低分子発光材料の有機発光層のことである。有機発光層の主要を占めるホスト材料の主なものに、アルミノキノリノール錯体(Alq3)、ベンゾキノリノールベリリュウム錯体(Bebq2)、アルミノベンゾキノリノール誘導体(Alph3)、オキサジアゾール誘導体(EM2)、ピラゾロキノリン(PZ10)、シロール誘導体(2PSP)、ペリノン誘導体(PI)、オリゴチオフェン誘導体(BMA−3T)、ペリレン誘導体(t−Bu−PTC)、ジスチリルアリーレン(DSA)誘導体、ベリリウム錯体(Bebq2)、キノリノール錯体(Znq2)、ベンゾキサゾール錯体(Zn(BOX)2)、ベンゾチアゾール錯体(Zn(BTS)2)等が挙げられる。
【0008】
上記の場合は亜臨界流体の組成成分が1種類の場合を記載したが、プロセスとしては同じ方法で、複数の流体を混合して亜臨界流体とし、上記同様、複数の流体に圧力および/または温度を付加して、亜臨界流体とし、有機物である有機EL材料が付着したメタルマスクに接触させ、前記有機物である有機EL材料を溶解しメタルマスクから取り除く。この場合でも、組成成分としては主成分をCOとする。
【0009】
また、亜臨界流体の溶解度そのものを増大させる為、モデファイアを添加することにより、亜臨界流体の溶解度が制御され、亜臨界流体の分離特性が上がり、より短時間の接触時間でメタルマスクから有機物である有機EL材料を溶解させることが可能となった。
【0010】
ここでいうモディファイアとは、特に指定はしないが、主なものにエタノール、メタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、エチレングリコール、塩酸、硝酸、硫酸、エーテル、代替フロン等が挙げられる。
【0011】
亜臨界流体をメタルマスクに接触させる方法であるが、メタルマスクの長手方向に位置し、亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に略平行に流し、接触させることで、通常の有機溶剤で溶かす場合に比べ充分効果が上がる。また、メタルマスクは有機物である有機EL材料を蒸着させる段階である面に多く付着する。従い、その有機物である有機EL材料が多く付着する面に亜臨界流体が若干の衝撃をもって当たり、有機物である有機EL材料の溶解効率が上がる様に工夫した。
【0012】
また、更に、亜臨界流体を亜臨界流体処理室にメタルマスクを納め処理室をメタルマスクで2分し、亜臨界流体の流路を2分して、メタルマスクの有機物である有機EL材料が多く付着する面により多くの亜臨界流体が流れる様にすることにより、より亜臨界流体の接触による有機物である有機EL材料の溶解の効率を上げようとするものである。メタルマスクには、有機EL材料を有機EL基板の必要な箇所に蒸着させる為にパターン孔があいているので、亜臨界流体を多く流す側の面から、当該パターン孔を通じて亜臨界流体の少なく流す側に流れる。従いパターン孔を亜臨界流体が通ることにより、パターン孔周辺の有機物である有機EL材料を更に効率よく溶解することができる。
【0013】
亜臨界流体を用いてメタルマスクの有機物である有機EL材料を溶解することにより、60℃以下(望ましくは40℃以下)という比較的低温での処理が可能となり、メタルマスクそのものの熱変形を防止することができ、安定した状態で、精度の高いメタルマスクそのものも再利用できる。
【0014】
一連の亜臨界流体を用いてメタルマスクに付着した有機物である有機EL材料を溶解し、抽出する一連のプロセスの装置を考案した。まず、亜臨界流体をメタルマスクに接触させる為に、亜臨界流体処理室を設ける。そこへメタルマスクを位置する。次に、ボンベに該当する単独または複数の流体を納め、加圧ポンプを用いて、加圧し、亜臨界流体を形成する。亜臨界流体処理室へ圧力が下がり亜臨界流体が亜臨界状態を失わない様にバルブを調整して亜臨界流体処理室に送る。亜臨界流体処理室では、メタルマスクに亜臨界流体が接触し、有機物である有機EL材料が溶解される。
【0015】
亜臨界流体処理室で、メタルマスクに充分に亜臨界流体が接触するように、亜臨界流体をメタルマスクに接触させる方法であるが、メタルマスクの長手方向に位置し、亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に略平行に流し、接触させる様に構成する。また、メタルマスクは有機物である有機EL材料を蒸着させる段階である面に多く付着する。従い、その有機物である有機EL材料が多く付着する面に亜臨界流体が若干の衝撃をもってあたり、有機物である有機EL材料の溶解効率が上がる様にメタルマスクそのものを長手方向に亜臨界流体の流れる方向と適度な角度を持つ様に位置する構成にした。
【0016】
また、更に、亜臨界流体を亜臨界流体処理室にメタルマスクを納める亜臨界流体処理室をメタルマスクで2分し、亜臨界流体の流路を2分して、メタルマスクの有機物である有機EL材料が多く付着する面により多くの亜臨界流体が流れる様に構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態にかかる亜臨界流体を用いた洗浄装置を簡略的に示すものである。図1に示す様に、有機EL材料8が付着したメタルマスク1に付着している有機EL材料8は1種類単独でも2種類以上混合されている場合もある。当該洗浄装置での亜臨界流体の経路はボンベ3より流体が供給され、その流体を加圧ポンプ4により亜臨界状態とし、当該亜臨界流体はヒーター9aにて反応温度に加熱され、亜臨界流体処理室2に入り、メタルマスク1に接触して、メタルマスク1に付着している有機EL材料8を溶解し、溶解された有機EL材料8は亜臨界流体とともに抽出室5に運ばれる。抽出室5では溶解された有機EL材料8を含む亜臨界流体が減圧ポンプ6にて圧力および/または温度制御により亜臨界流体の亜臨界状態を解くことにより、溶解していた有機EL材料8と亜臨界流体および/または亜臨界状態を解かれた流体を抽出する。流体の流路にはバルブ7aから7eが配設され、それぞれ流体が亜臨界状態を保つ圧力、亜臨界状態を解く圧力に設定されるように図示していないが制御コントローラーを用いて開閉制御される。
【0018】
図2は、亜臨界流体処理室2の内部において、メタルマスク1に亜臨界流体を接触させる場合の第1の例を示す。この場合は、メタルマスク1の長手方向と亜臨界流体の流路とを略平行に位置した例であり、循環する亜臨界流体に有機EL材料8が接触し溶解し、バルブ7cを通り、抽出室5に送る。
【0019】
図3は、亜臨界流体処理室2の内部において、メタルマスク1に亜臨界流体を接触させる場合の第2の例を示す。この場合は、有機物である有機EL材料8が蒸着させる段階でメタルマスク1の片面に多く付着するので、その有機EL材料8が多く付着している面に亜臨界流体が若干の衝撃をもってあたり有機物である有機EL材料8の溶解効率が上がる様にメタルマスク1の長手方向を亜臨界流体の流れる方向と一定の角度αを持たせて位置し、メタルマスク1に亜臨界流体を接触させ、循環する亜臨界流体に有機EL材料8が接触し溶解させ、バルブ7cを通り、抽出室5に送る。
【0020】
図4は、亜臨界流体処理室2の内部において、メタルマスク1に亜臨界流体を接触させる場合の第3の例を示す。この場合は、亜臨界流体を亜臨界流体処理室2に設けられたホルダー11a,11bを用いてメタルマスク1の長手方向が亜臨界流体の流れ方向になるように位置する。メタルマスク1そのものによって亜臨界流体処理室2が2分される。メタルマスク1の表面に有機物である有機EL材料8が多く付着している面により多くの亜臨界流体が流れる様に亜臨界流体を送るポンプ10aを配備し、同様、メタルマスク1の表面に有機物である有機EL材料8が少なく付着している面により少ない亜臨界流体が流れる様に亜臨界流体を送るポンプ10bを配備する。ここで、ポンプ10aの容量がポンプ10bの容量よりも大なる様に設定する。バルブ7bから送られて来る亜臨界流体を2分して亜臨界流体処理室2に送ることにより、より亜臨界流体の接触による有機物である有機EL材料8の溶解の効率を上げることができる。メタルマスク1には、有機EL材料8を有機EL基板の必要な箇所に蒸着させる為にパターン孔12が空いているので、亜臨界流体の流れを示す矢印13の様に亜臨界流体を多く流す側の面から、当該パターン孔12を通じて亜臨界流体の少なく流す側に流れる。従いパターン孔12を亜臨界流体が通ることにより、パターン孔12周辺の有機物である有機EL材料8を更に効率よく溶解する。
【0021】
【実施例1】
実施例1として、図1に示す亜臨界流体を用いた洗浄装置において有機EL材料の洗浄を行った例を示す。亜臨界処理室2の形状詳細は図2のようになっている。メタルマスク1に付着している有機EL材料8の付着量は0.1gである。付着している有機EL材料はアルミノキノリノール錯体(Alq3)である。亜臨界処理室2の内容積は500cmである。亜臨界処理室2の内部において、有機EL材料8に接触する亜臨界流体はCOである。このときモディファイアは加えなかった。亜臨界処理室2の圧力を25MPa、温度を60℃に設定し、亜臨界流体をメタルマスク1に平行に流れるように接触させ、有機EL材料8の洗浄を行った。亜臨界流体の流速は3.6g/minとした。COは25MPa、60℃の状態と常温、常圧の状態では相が異なり、体積が大幅に異なるため本出願においては、流速をg/minで表した。メタルマスク1の高精度加工部分から完全に有機EL材料8を溶解させるために所要した時間は240分だった。洗浄後、溶解した有機EL材料8を減圧ポンプ6により亜臨界状態を解くことにより、抽出室5において抽出した。亜臨界状態を解かれたCOはバルブ7eの操作により大気解放された。廃液は出なかった。また、洗浄されたメタルマスク1はリンス、乾燥工程を行うことなく、蒸着に使用することができた。
【0022】
【実施例2】
実施例2として、図1に示す亜臨界流体を用いた洗浄装置において有機EL材料の洗浄を行った例を示す。亜臨界処理室2の形状詳細は図2のようになっている。メタルマスク1に付着している有機EL材料8の付着量は0.1gである。付着している有機EL材料8はアルミノキノリノール錯体(Alq3)である。亜臨界処理室2の内容積は500cmである。亜臨界処理室2の内部において、有機EL材料8に接触する亜臨界流体はCOである。このときモディファイアとしてエタノールを添加した。エタノールは、COに対し重量パーセントで5%となる量を添加した。亜臨界処理室2の圧力を25MPa、温度を60℃に設定し、亜臨界流体をメタルマスク1に平行に流れるように接触させ、有機EL材料8の洗浄を行った。亜臨界流体の流速は3.6g/minとした。メタルマスク1の高精度加工部分から完全に有機EL材料8を溶解させるために所要した時間は90分だった。洗浄後、溶解した有機EL材料8は、減圧ポンプ6で亜臨界状態を解くことにより、亜臨界流体中に溶解していたエタノールと共に、抽出室5において抽出させた。エタノールの抽出重量は17gであった。洗浄された有機EL材料8とエタノールは廃液として処理された。亜臨界状態を解かれたCOはバルブ7eの操作により大気解放された。また、洗浄されたメタルマスク1はリンス、乾燥工程を行うことなく、蒸着に使用することができた。
【0023】
【実施例3】
実施例3として、図1に示す亜臨界流体を用いた洗浄装置において有機EL材料の洗浄を行った例を示す。亜臨界処理室2の形状詳細は図3のようになっている。メタルマスク1に付着している有機EL材料8の付着量は0.1gである。付着している有機EL材料8はアルミノキノリノール錯体(Alq3)である。亜臨界処理室2の内容積は500cmである。亜臨界処理室2の内部において、有機EL材料8に接触する亜臨界流体はCOである。このときモディファイアとしてエタノールを添加した。エタノールは、COに対し重量パーセントで5%となる量を添加した。亜臨界処理室2の圧力を25MPa、温度を60℃に設定し、亜臨界流体をメタルマスク1の長手方向に一定の角度をもって接触させ、有機EL材料8の洗浄を行った。亜臨界流体の流速は3.6g/minとした。メタルマスク1の高精度加工部分から完全に有機EL材料8を溶解させるために所要した時間は45分であった。洗浄後、溶解した有機EL材料8を、減圧ポンプ6で亜臨界状態を解くことにより、亜臨界流体中に溶解していたエタノールと共に、抽出室5において抽出した。エタノールの抽出重量は12gであった。洗浄された有機EL材料8とエタノールは廃液として処理された。亜臨界状態を解かれたCOはバルブ7eの操作により大気解放された。また、洗浄されたメタルマスク1はリンス、乾燥工程を行うことなく、蒸着に使用することができた。
【0024】
【実施例4】
実施例4として、図1に示す亜臨界流体を用いた洗浄装置において有機EL材料の洗浄を行った例を示す。亜臨界処理室2の形状詳細は図4のようになっている。メタルマスク1に付着している有機EL材料8の付着量は0.1gである。付着している有機EL材料8はアルミノキノリノール錯体(Alq3)である。亜臨界処理室2の内容積は500cmである。亜臨界処理室2の内部において、有機EL材料8に接触する亜臨界流体はCOである。このときモディファイアとしてエタノールを添加した。エタノールは、COに対し重量パーセントで5%となる量を添加した。亜臨界流体のトータル流速は3.6g/minとした。亜臨界処理室2の圧力を25MPa、温度を60℃に設定し、亜臨界流体をメタルマスク1の有機EL材料の多く付着している面に沿う側の亜臨界流体の流量が、付着していない面に沿う側の流量より多くなるようにして、有機EL材料8の洗浄を行った。図4の方法では、メタルマスク1に高精度加工されているパターン孔12を亜臨界流体が通るため、有機EL材料8を溶解させるために所要した時間は20分だった。洗浄後、溶解した有機EL材料8は、減圧ポンプ6で亜臨界状態を解くことにより、亜臨界流体中に溶解していたエタノールと共に、抽出室5において抽出させた。エタノールの抽出重量は6.5gであった。洗浄された有機EL材料8とエタノールは廃液として処理された。亜臨界状態を解かれたCOはバルブ7eの操作により大気解放された。また、洗浄されたメタルマスク1はリンス、乾燥工程を行うことなく、蒸着に使用することができた。
【比較例1】
比較例1として、メタルマスク1に付着した有機EL材料8を人手によりアセトンを使用して慎重に洗浄を行った。メタルマスク1に付着している有機EL材料8の付着量は0.1gである。付着している有機EL材料8はアルミノキノリノール錯体(Alq3)である。有機EL材料8が付着したメタルマスク1をアセトンが入った洗浄槽に浸した。洗浄槽のの内容積は500cmである。その洗浄槽に20分放置した後、別の洗浄槽で液滴が残らないよう10分間リンスし、乾燥工程を経て、洗浄したメタルマスクを蒸着に使用した。洗浄に使用したアセトンは総重量で200gだった。洗浄された有機EL材料8とアセトンは廃液として処理された。
【0025】
上記実施例、比較例の結果を表1にまとめ記載する。
表1
Figure 0004293510
【0026】
【発明の効果】
液体と気体の中間の状態にある亜臨界流体が高い溶解性を持つことを活用し、有機EL材料が付着したメタルマスクに、亜臨界流体を接触させることにより溶解して有機EL材料を取り除くメタルマスクの洗浄方法により、メタルマスクの損傷を防ぎ、且つ、従来のリンス、乾燥工程を減らすことができる。また、メタルマスクに亜臨界流体が最適な状態で接触させることにより、さらに効率良く有機物である有機EL材料を亜臨界流体に溶解できる。
亜臨界流体を用いてメタルマスクの有機EL材料を溶解することにより、60℃以下(望ましくは40℃以下)という比較的低温での処理が可能となり、メタルマスクそのものの熱変形を防止することができ、安定した状態で、精度の高いメタルマスクを再利用できる。
【0027】
また、廃液として出る有機溶媒も従来法に比べ少なくなる。有機EL材料が付着したメタルマスクから、亜臨界流体を用いて有機EL材料を溶解する一連のプロセスのサイクルにより、洗浄時間の大幅な短縮ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスを表す全体図である。
【図2】亜臨界流体処理室のメタルマスクと亜臨界流体の接触の第1の例を示す図である。
【図3】亜臨界流体処理室のメタルマスクと亜臨界流体の接触の第2の例を示す図である。
【図4】亜臨界流体処理室のメタルマスクと亜臨界流体の接触の第3の例を示す図である。
【符号の説明】
1 メタルマスク
2 亜臨界流体処理室
3 ボンベ
4 加圧ポンプ
5 抽出室
6 減圧ポンプ
7a,7b,7c,7d,7e バルブ
8 有機EL材料
9a ヒーター
10a,10b ポンプ
11a,11b ホルダー
12 パターン孔
13 流れを示す矢印

Claims (6)

  1. 有機物が付着したメタルマスクに、亜臨界流体を接触させることにより、前記有機物が溶解するメタルマスク洗浄方法において、
    亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に略平行に流れる様に接触させることを特徴とするメタルマスク洗浄方法。
  2. 亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に一定の角度をもって接触させることを特徴とする請求項1に記載のメタルマスク洗浄方法。
  3. メタルマスクの有機物の多く付着している面に沿う側の亜臨界流体の流量が、少なく付着している面に沿う側の流量より多いことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のメタルマスク洗浄方法。
  4. 有機物が付着したメタルマスクに、亜臨界流体を接触させることにより、前記有機物が溶解するにおいて、流体を亜臨界状態に変動する手段と亜臨界流体を接触させる亜臨界流体処理手段と前記亜臨界流体の圧力および/または温度を変動し、溶解した前記有機物と亜臨界流体および/または亜臨界状態を解かれた流体を抽出する抽出手段とを設けたメタルマスク洗浄装置において、
    前記亜臨界流体を接触させる亜臨界流体処理手段において、亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に略平行に流れる様に接触させる構成としたことを特徴とするメタルマスク洗浄装置。
  5. 前記亜臨界流体を接触させる亜臨界流体処理手段において、亜臨界流体をメタルマスクの長手方向に一定の角度をもって接触させる構成としたことを特徴とする請求項4に記載のメタルマスク洗浄装置。
  6. メタルマスクの有機物の多く付着している面に沿う側の亜臨界流体の流量が、少なく付着している面に沿う側の流量より多くなるように構成したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のメタルマスク洗浄装置。
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