JP4293372B2 - マルテンサイト鋳造材、マルテンサイト鋳造品の製造方法ならびにマルテンサイト鋳造品 - Google Patents

マルテンサイト鋳造材、マルテンサイト鋳造品の製造方法ならびにマルテンサイト鋳造品 Download PDF

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本発明は、低減された工程数並びに消費エネルギーによって得られるマルテンサイト鋳造材、該マルテンサイト鋳造材を利用したマルテンサイト鋳造品の製造方法ならびに該マルテンサイト鋳造材によって製造される鋳造品に関するものである。
各種装置類及び機械類等の構成材、構造材、可動部材等には多くの鋳鉄や鋳鋼による鋳造材が用いられる。例えば、高精度の要求される精密装置の架台、支持材、駆動部構成材、鋳造用金型、プラスチックの射出成形用金型等にあっては、熱膨張係数の低い安定した鋳造材が必要となる。特に、寒冷地や高温地域で使用される精密装置類では、熱膨張の影響を最小限に止めることが要求される。このような安定した鋳造材としては少なくとも部分的にマルテンサイト変態を経ている材料が用いられ、これを仕上げ加工したものが多く用いられる。
このような技術的要求に応えるために、特許文献1は、引張強度(TS)が900MPa以上の低温靭性に優れた超高強度熱間圧延鋼の製造に用いられる鋳片の製造方法および得られた鋳片を用いた超高強度鋼の製造方法を開示している。ここでは、ベイナイト及びマルテンサイト組織を90%以上含有する鋳片をAc1点以下の温度で焼戻し処理を行うこと、そしてベイナイト及びマルテンサイト組織を90%以上含有する鋳片を昇温速度が7℃/min以上でAc1点以下の温度に再加熱後、熱間圧延することを開示している。ここでは、鋳片に対してAc1点以下の温度で焼戻し処理、再加熱、熱間圧延等を行い、天然ガス・原油等輸送パイプライン用の管材、圧力容器、溶接構造材などに適する各種溶接用鋼材を開示している。
特許文献2に開示の技術は、寒冷地等の低温下で使用あるいは保管した場合の低熱膨張鉄合金の寸法精度の低下や熱膨張係数の増大を抑制し、低熱膨張鉄合金からなる精密装置用部品の部品設計における寸法精度の確保を容易にすることを目的としている。特許文献2では、このような要求に沿う素材として、炭素C、珪素Si、マンガンMn、マグネシウムMg、ニッケルNi、コバルトCoを所定割合で含み、残部が鉄Feおよび不可避不純物である低熱膨張鉄合金に対して、243K以下の温度まで冷却する、いわゆるサブゼロ処理を施すことにより、低熱膨張鉄合金の一部をマルテンサイト変態させた後、この低熱膨張鉄合金を所望の部品形状に仕上げ加工して得られる精密装置用部品を開示している。このような材料は、Niの少ない範囲でサブゼロ処理により部分的にマルテンサイト変態が生じるものの、基本的にはオーステナイト主体の材料であり、寒冷地における低温によりマルテンサイト変態が生じることは不都合であるため、前以ってマルテンサイト変態を生起させておくことを前提とするものである。したがって、この場合のサブゼロ処理は、寒冷地で想定される最低温度よりも僅かに低い−30℃で行われるものである。
特許文献3は、炭素C、珪素Si、マンガンMn、ニッケルNi、クロムCr、モリブデンMo、タングステンW、銅Cu、バナジウムV、ニオブNb、タンタルTa、アルミニウムAl、ホウ素B、チタンTi、ジルコニウムZr、硫黄S、セレンSe、テルルTe、鉛Pb、ビスマスBi、カルシウムCaを含み、残部が鉄Feおよび不可避不純物からなり、プラスチック成型用金型に適する合金鋼を開示している。このような組成による鋼は、鍛造による金型製造に適し、全体的にマルテンサイトまたはベイナイト組織となるように通常の熱処理を行い、所望硬度を達成しているものである。また、焼き戻し(アニール)処理は、500℃以上、好ましくは550℃以上で鋼のAc1点以下で行うことを開示している。
特開2003−201519号公報 特開平10−237595号公報 特開平10−96049号公報
本発明は、所定組成比により得られる鋳造品を処理エネルギーの少ない深冷(サブゼロ)処理のみにより大部分をマルテンサイト変態させることができるマルテンサイト鋳造材、該マルテンサイト鋳造材による鋳造品の製造方法ならびに該マルテンサイト鋳造材から得られる鋳造品を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feおよび不可避不純物からなり、マルテンサイト変態完了温度(Mf点)が氷点下であるマルテンサイト鋳造材であることを特徴とする。なお、ここに示した「マルテンサイト鋳造材」とは、炭素Cの含有量からみて鋳鋼から鋳鉄までをカバーする概念として使用しているが、鋳鉄においては、不可避不純物内にマグネシウムMgを極微量、例えば0.1mass%以下程度包含することがある。該マルテンサイト鋳造材は、請求項2に記載するように、マルテンサイト変態がサブゼロ(深冷)処理のみに依存する特性を有することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前段落におけるサブゼロ処理温度が−50℃以下の温度であり、ロックウェル硬さCスケールで20〜50HRCの鋳放し鋳造材から、前記サブゼロ処理により50〜60HRCの硬さに変化する特性を有するマルテンサイト鋳造材であることを特徴とする。かくして得られたマルテンサイト鋳造材は、請求項4に記述するように、その後行われる焼き戻し処理により30〜60HRCの範囲の所望硬さとなるように調整可能である特性を有するものである。
請求項5に記載の発明は、ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feとなるように成分調整された原材料を溶解し、製品に近い形状の鋳造品を作成し、該鋳造品に対して仕上げ処理を施し、該仕上げ処理の施された鋳造品に対して温度0℃〜−200℃のサブゼロ処理を施し、その後、所要温度で焼き戻し処理を行うマルテンサイト鋳造品の製造方法であることを特徴とする。すなわち、鋳造材を予め製品形状に加工した後、サブゼロ処理によってマルテンサイト変態を生じさせ、その後所望硬さを実現するための焼き戻し処理を行うものである。
請求項6に記載の発明は、ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feとなるように成分調整された原材料を溶解し、得られた鋳造材インゴットに対して温度0℃〜−200℃のサブゼロ処理を施し、その後、所望温度で焼き戻し処理を行い、該焼き戻しされた鋳造材を加工して所望の製品を得るマルテンサイト鋳造品の製造方法であることを特徴とする。この方法では、成分調整後溶解して得られた鋳造材をサブゼロ処理によりマルテンサイト変態を生じさせ、次いで焼き戻し処理後に所望製品に加工するものである。この場合のサブゼロ処理温度としては、請求項7に記載の発明のように−50℃以下が適当であり、また焼き戻し処理温度としては、請求項8に記載の発明のように、温度100℃〜700℃の範囲で、製品の種類、所要特性等に応じて選定される。
請求項9に記載の発明は、前記マルテンサイト鋳造材を鋳込む際に、電熱ヒーター、測温その他センサー類、温調管等の所望部材を鋳包むことにより所要製品を得るマルテンサイト鋳造品の製造方法であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、使用されるワイヤロープ強度を考慮して決定される硬さに調整された昇降機用シーブであることを特徴とし、請求項11に記載の発明は、上記と同様の処理を行ない、仕上げ品の硬さが50〜55HRCに調整された昇降機用ウェッジであることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが45〜55HRCに調整された鋼板プレス加工用ロケートピンであることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解して、所望形状の鋳型により金型を鋳造する際に、金型全体の温度分布を最適化する形状の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行った温調管付き金型であることを特徴とし、請求項14に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解して、所望形状の鋳型によりエンジン部品を鋳造する際に、温調水管、潤滑油配管等の金属製管路を予め鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行ったエンジン部品であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解して、所望形状の鋳型により高温の金属加熱、金属蒸気生成、半導体加熱等に使用される炉体を鋳造する際に、温度調節用の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行った温調管付き炉体であることを特徴とする。請求項16に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解して、所望形状の鋳型により半導体加工等精密加工機用の高速摺動部、軸受部、外部からの高温に曝される部材等の自己発熱ないし他部材から高温の伝熱を受ける機械部材を鋳造する際に、温度調節用の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行った耐高温機械部材であることを特徴とする。なお、半導体加工等精密加工機用の摺動部、軸受部は精密温調により熱膨張・収縮を抑えることによって更に寸法精度を向上させることができる。
請求項17に記載の発明は、本発明に係るマルテンサイト鋳造材として成分調整された原材料を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが35〜55HRCに調整された半導体ウェハ研磨用ラップ板であることを特徴とし、請求項18に記載の発明は、上記と同様の処理により、使用条件に応じて硬さが35〜55HRCに調整された刃物類であることを特徴とする。
本発明により特定された成分比によって得られるマルテンサイト鋳造材は、従来の手法によって必要とされていた、高温による焼入れ処理を経ずに、0℃以下の温度で行われるサブゼロ(深冷)処理のみによりマルテンサイト組織への変態を生起させることができる。
サブゼロ処理によるマルテンサイト変態は、処理温度にのみ依存し、保持時間とは直接関係しないものと解され、対象物の実体温度がマルテンサイト変態完了温度(Mf点)以下になっていればそれ以上の変態は進行しない。このようなマルテンサイト変態は、対象となる鋳造品がMf点に達すれば完了することになり、鋳造品の肉厚の差や冷却速度の差等による硬さのばらつきはほとんど生じない。したがって、予め予想される形状および寸法に近似する形状として鋳込み簡潔な仕上げ加工によって仕上げ品形状とする、いわゆるニアネットシェイプ造形が適用可能であるため、軽微な仕上げ処理によって所望の製品が得られることになり、工程数削減ならびに製品歩留まりの向上等の観点から有利であることはもとより、高温度による焼入れ処理が不要となることから大幅な省エネルギーが達せられる。このような焼入れ用の高温加熱に要するエネルギーは、大型部材を大量に製造するようなケースにあっては膨大なものとなるため、本発明が省エネルギーに資する効果は大きい。したがって、地球温暖化の元凶とされる二酸化炭素排出量の低減にも大きく寄与することが期待される。
また、焼入れのための加熱処理は、製品に対して熱歪や熱変形をもたらす可能性が大きく、焼入れ処理後における仕上げ処理や修正が必要となる可能性があったが、本発明で採用するサブゼロ処理にあっては、このような不都合はほとんど生じない。そのため、鋳造および仕上げ加工をした後にサブゼロ処理によりマルテンサイト変態が生ずるから、その後の修正加工は不要であるかまたは極めて軽微な作業で足り、工程数および所要工数の削減、ひいては製造コストの大幅な削減が可能となる。なお、本発明に係るマルテンサイト鋳造材は、鋳造されたインゴットをマルテンサイト変態させた後、焼き戻しを行ない、必要な加工を行うことも可能である。
本発明に係るマルテンサイト鋳造材によりサブゼロ処理以前に加工を行う用途例を挙げれば、プレス用金型、射出成形用金型、所定レベル以上の硬さや精度が要求される治具類、歯車類、車両用足回りやシャフト等の鍛造製品、軌条走行用車両の部品、アイボルト、工作機械のベッド及び摺動部材、精米機や脱穀機等農業用機械器具類の部品、建設機械類の爪部および切削部等、草刈機、除雪機等の刃または固定刃、無限軌道(キャタピラ)用部品などに応用することができる。
また、焼き戻し処理後のインゴットを加工する用途を挙げれば、銅合金のプレートや摺動部に用いられるウェアプレート、半導体ウェハ研磨用ラップ板、挟み、ニッパー、剃刀刃、包丁・ナイフ等汎用刃物、シュレッダー、裁断機等の事務用機械刃物、リード線用カッター、プラスチック加工用ペレタイザー、粉砕機、紙加工機等の産業用機械の刃物、射出成形用金型、土木・建設機械部品、水車・ポンプ等流体機械のインペラやランナ等が挙げられる。
また、保護管付き電熱ヒーター、各種センサ類、温調管等の所要部材を鋳包む用途としては、プラスチックの溶融混練用押出機のバレル、スクリュー、加熱または冷却により精確な温度制御を必要とする射出成形用金型等に利用可能である。さらに、直管はもとより、曲折した温調配管を鋳込む用途としては、黒体炉、PVD・CVD・ドライエッチング、ウエットエッチング等の炉体、プラズマ発生装置、半導体加工装置炉体、半導体マスク製造用ステッパー、アライナー、精密加工装置の摺動面の精密温度調節機構、シリンダライナー、エンジンブロックなどの各種エンジン用鋳造部品の温調配管または潤滑油配管等がある。これらの冷却、温度調節、潤滑等の各種配管が容易に鋳込めることから、製造および加工の各工程において、大幅な工数低減、歩留まりの向上、使用エネルギーの節減が可能となる。
次に、本発明に係るマルテンサイト鋳造材の内容および特性、さらにこのようなマルテンサイト鋳造材の製造方法について開示する。本発明に係るマルテンサイト鋳造材の組成比は、図1のステップS1のように、ニッケルNi:3〜18mass%、好ましくは5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、好ましくは1〜2mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、好ましくは1〜3mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feとなるように成分調整を行い、高周波誘導炉等のよく知られた溶解装置により溶解する(ステップS1)。
このように成分調整および溶解工程を経て得られる溶湯は、あらかじめ用意されている所望製品の鋳型に所定量注湯され、鋳放しの鋳造製品(硬さ20〜40HRC)が得られる(ステップS2)。このようにして得られた鋳造品に対して、本発明において重要な意義を有するサブゼロ(深冷)処理を、機械加工以前に実施する手法をとるか、あるいは設計仕様に合わせて機械加工を行った後に実施する手法とするかについて、鋳造品の用途、特性、形状、寸法等を勘案して選択される(ステップS3)。サブゼロ処理後に機械加工を行う手法が選ばれた場合には、0℃〜−200℃によって45〜60HRCとするサブゼロ処理(ステップS4)および100℃〜700℃により30〜60HRCの所望硬さに調整する焼き戻し処理(ステップS5)を行った後に設計仕様に従って機械加工が行われ(ステップS6)、所望特性ならびに形状・寸法の鋳造品が得られる。他方、ステップS3においてサブゼロ処理を行う前に機械加工を行う手法が選ばれた場合には、設計仕様に合わせて鋳造品の機械加工(ステップS7)が行われ、その後0℃〜−200℃によって45〜60HRCとするサブゼロ処理(ステップS8)、100℃〜700℃により30〜60HRCの所望硬さに調整する焼き戻し処理(ステップS9)を実行して所望特性ならびに寸法・形状の鋳造品が得られる。
上述の組成比範囲によって得られた鋳造材は、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)が室温付近にあり、マルテンサイト変態完了温度(Mf点)が氷点下となっている。したがって、工業上容易に実現可能な冷熱源である通常の冷凍機によって達成可能な、例えば−60℃〜−80℃の温度範囲においてサブゼロ処理を行うことが可能であり、簡易な工程ならびに低減されたエネルギー消費のもとでマルテンサイト鋳造品を得ることができる。
図2は、焼入れ処理なしでサブゼロ処理と焼戻し処理を行う場合の温度変化を概念的に例示したものである。従来技術における通常の焼入れ処理は800℃以上の温度で行う必要があるため、鋳造品の熱容量に応じて多大の熱エネルギーが必要であるが、本発明に係るマルテンサイト鋳造材では焼入れ処理に伴う膨大な熱エネルギーが節減できる。
本発明に係るマルテンサイト鋳造材の組成について、改めて検討する。図3は、横軸にニッケル(Ni)当量〔%Ni+2.5%Mn〕を、そして縦軸にロックウェル硬さ(HRC)を取ったグラフである。このグラフは、ニッケル当量を調整することにより、下側の鋳放し硬さ曲線からサブゼロ処理を経てマルテンサイト変態を生ぜしめた結果、上側のサブゼロ処理硬さ曲線のような所望特性が得られることを概念的に示すものである。
図4は、横軸にニッケルNi含有量〔mass%〕を、そして縦軸にマンガンMn含有量〔mass%〕をとり、−80℃でのサブゼロ処理後に得られる組織の状態を示すものである。ニッケルが少ない領域ではパーライト、ニッケル、マンガン共に多い右上領域ではオーステナイト、その下方に右下がりの細長い領域はオーステナイトとマルテンサイトの混在領域で、確実にマルテンサイト鋳造材を示したのは斜線を付した領域であり、この結果よりニッケルNi:3〜18mass%、好ましくは5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、好ましくは1〜2mass%が適正範囲であることが特定されたものである。なお、ここで示されていない珪素Si:0.01〜7mass%は、含有量が多い方がより高温でのサブゼロ処理のために有利となることが実験的に確かめられている。しかし、多過ぎる場合は脆くなる可能性があり、3mass%は上限と考えられる。また、炭素C:0.15〜4mass%は、十分な硬さのマルテンサイト組織を得るためには必要な量と考えられる。0.15mass%以下ではマルテンサイト鋳造材として不十分である。
図5は、ニッケル含有量が5mass%の場合、図6はニッケル含有量が7.5mass%の場合、そして図7はニッケル含有量が10mass%の場合、におけるマンガン含有量の変化によるサブゼロ処理温度(横軸目盛)と硬さ(縦軸目盛)の関連を図示したグラフを示すものである。
ニッケル含有量5mass%の場合、図5のようにマンガン2mass%では−60℃において60HRCの十分な硬さを示す。マンガン含有量1mass%では−80℃において約55HRCの硬さを示す。しかし、マンガン無添加(0mass%)の場合は、マルテンサイト変態に至らず、鋳放しの硬さに止まっている。本実施例によれば、ニッケル5mass%の場合、マンガンが2mass%のとき最良の結果が得られ、1mass%では硬さがやや不足し、またマンガン無添加では所期の効果が得られないことを示す。
ニッケル含有量7.5mass%の場合、図6のようにマンガン含有量0〜1mass%では−60℃において約60HRCの十分な硬さが得られることを示す。しかし、マンガン含有量2mass%では−80℃において60HRC弱であるものの、マルテンサイト変態が生起するため、用途によっては利用可能である。
ニッケル含有量10mass%の場合、図7のようにマンガン含有量0〜1mass%では−80℃において約58HRC程度の硬さが得られることを示す。また、マンガン含有量2mass%では−80℃において約55HRC弱であるものの、マルテンサイト変態が生起するため、用途次第では十分利用可能である。
=加熱・冷却配管付き温調金型= 本発明にかかるマルテンサイト鋳造材は、ほぼ最適の形状としての鋳込みができる、いわゆるニアネットシェイプ造形によりプラスチックの射出成形用金型を得ることができる。この種の金型では、所望範囲の温度調節が可能であれば成形品の表面性状を大幅に改善し得ることが知られている。このような温度調節は、通常、金型内に設けられた温調用配管に対して外部の温調機から水または熱媒体油を循環させることによって行われる。しかし、従来の鋼材を使用する金型にあっては、金型に対して外部からドリル加工を行うことにより温調用配管を形成しなければならなかった。したがって、直線状の温調配管のみとなり、キャビティに沿って微細な温度調節を行う任意形状の温調配管を得ることはできず、温度ムラを的確に解消することはできなかった。これに対して、本発明にかかるマルテンサイト鋳造材は、鋳型内に配置された金属管を鋳込むようにして任意形状の温調配管が形成でき、金型全体に対して温度ムラの生じない射出成形用金型を得ることができる。本実施例においては、所望形状に曲げ加工された温調管を鋳型内に配置し、約1510℃の鋳鋼溶湯(0.8%C、2.6%Si、1.0%Mn、7.5%Ni)を注湯することにより、所望部位に温調管の埋設された射出成形用金型が得られた。温調管の素材は、当然ながらかかる注湯によって損傷や変形を被らない材質を選ぶ必要がある。本実施例では低炭素鋼パイプを使用したが、前記条件を考慮して他の金属管を使用することができる。
=エレベータ用シーブ= 本発明に係るマルテンサイト鋳造材は、ニアネットシェイプ造形により任意の形状の鋳造品が得られ、かつ適宜温度によりサブゼロ処理を行うことにより所望硬さの製品が得られる。かかる特性を利用して、エレベータのワイヤロープを懸架するためのシーブ(綱車)を形成することができる。エレベータ用シーブは、一対のシーブによりエレベータケージとカウンターウェイトとを水平方向に一定間隔離隔させて、両者のすれ違いの際の接触を防止するための重要な機能を有する。シーブの傾斜溝(V字溝)にはワイヤロープが側面接触状態で架けられるから、シーブの硬さが勝るとワイヤロープの摩耗が早まるため寿命を短縮し、反対にシーブの硬さが不足すると安定的運用が損なわれる。通常は、ワイヤロープはエレベータ寿命に合わせて強度が決定されていることが多く、シーブは定期点検時に摩耗が所定量進行している場合には交換するように運用される。したがって、シーブの硬さは、溝に架かるワイヤロープを損傷させることなく、予定年数の間は円滑な運用が可能な範囲の硬さが必要となる。現在のシーブは通常の球状黒鉛鋳鉄やねずみ鋳鉄であるが、超高層ビル用の高速かつ大型昇降機(エレベータ)では、強度を高めながら細径化させたワイヤロープを高速運動させることになり、さらに屋上の機械室を小型化しさらには機械室レス化の要請からシーブの小型化が求められる傾向にあり、従来方式のシーブで全ての要求を満たすことは困難になっている。本発明に係るマルテンサイト鋳造材は、鋳放し状態では機械加工が容易で、約−80℃の冷却により硬さが増し、焼き戻しによって硬さ調節が可能であるから、上述の事情を考慮してより相応しいエレベータ用シーブを提供することができる。
=エレベータ用ウェッジ= エレベータ用ウェッジ(楔)は、エレベータケージの案内レールと対峙する部位に配置されていて、ワイヤロープが切断した場合等のケージが落下する異常事態発生時に、ウェッジを案内レールに食い込ませて緊急停止させる最終安全装置である。実際にケージが停止するまでにはウェッジは摩擦熱により異常な高温になる。そのため、通常の鋼材または鋳鋼材による素材を焼入れしたウェッジでは焼き戻されてしまい、所要硬さが維持できない。従来は、1回の停止が確実に行えれば足りたが、規制強化により3回の作動が求められるようになっている。本発明に係るウェッジでは仕上げ品の硬さが50〜55HRCであり、赤熱状態で焼き戻されても冷却によって回復するため、3度の作動にも十分耐えることができる。
=鋼板プレス用ロケートピン= 自動車ボディなど厚みのある鋼板により大型部材をプレス加工する際は、予め鋼板の位置決めを行いかつ固定するためのロケートピンが不可欠となる。このロケートピンの硬さは45〜55HRCが要求される。従来は鋼材を機械加工後焼入れ焼き戻しにより製造していたが、本発明に係るマルテンサイト鋳造材では二アネットシェイプで機械加工が軽減され、硬化処理もサブゼロ処理のみで足りるため、大幅なコストダウンが可能となる。
=半導体ウェハ研磨用ラップ板= 半導体ウェハ表面は、後続する半導体製造工程を効率よくかつ高い歩留まりで実現するために極度に精確な研磨処理が求められている。本発明に係るマルテンサイト鋳造材では二アネットシェイプでラップ板が形成されることから機械加工が軽減され、さらに硬化処理もサブゼロ処理のみで足りるため、大幅なコストダウンが可能となる。
本発明に係るマルテンサイト鋳造材は、所定割合の組成比の鋳造材を用いて製品を鋳造し、仕上げ加工後、焼入れ処理を行うことなしに氷点下の温度に冷却するサブゼロ処理によって十分な硬さを得ることができる。また、上記組成比によって得られる鋳造材インゴットを焼き戻し後製品として加工し、その後サブゼロ処理を行うことも可能である。
したがって、鋳造品として所定範囲以上の硬さを必要とする広範な用途、例えばプレス型、射出成形用金型、所定レベル以上の硬さや精度が要求される治具類、歯車類、車両用足回りやシャフト等の鍛造品、軌条走行用車両の車輪、アイボルト、工作機械のベッド及び摺動部材、精米機、脱穀機等農業用機械器具類の部品、建設機械類の爪部および切削部等、草刈機、除雪機等の刃または固定刃などに応用することができる。
また、焼き戻し処理後に加工する用途としては、銅合金のプレートや摺動部に用いられるウェアプレート、水車・ポンプ等流体機械のインペラやランナ等が挙げられる。また、保護管付き電熱ヒーター、熱電対や測温抵抗その他の各種センサ類、温調管等を鋳包む用途としては、プラスチックの溶融混練用押出機のバレル、スクリュー、冷却および過熱の組合わせにより精確な温度制御を行う射出成形用金型等への活用が期待できる。これら応用範囲において従来は膨大な熱エネルギーを要していた焼入れ処理が不要となり、大幅な省エネルギーが可能となる。したがって、環境破壊に大きな影響を及ぼすとされる二酸化炭素排出削減にも大きな効果が期待できる。
本発明に係るマルテンサイト鋳造品の製造方法の主要工程を示すフロー図である。 本発明に係るサブゼロ処理および焼き戻し処理の典型的温度変化図である。 本発明に係るニッケルNi当量〔%Ni+2.5%Mn〕とロックウェル硬さの関係を示すグラフである。 本発明に係るサブゼロ処理による組織範囲の説明図である。 本発明に係る鋳造材のサブゼロ処理温度と硬さの関係を示す実施例1の結果を示すグラフである。 本発明に係る鋳造材のサブゼロ処理温度と硬さの関係を示す実施例2の結果を示すグラフである。 本発明に係る鋳造材のサブゼロ処理温度と硬さの関係を示す実施例3の結果を示すグラフである。

Claims (18)

  1. ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feおよび不可避不純物からなり、マルテンサイト変態完了温度(Mf点)が氷点下であることを特徴とするマルテンサイト鋳造材。
  2. 前記マルテンサイト変態が、サブゼロ(深冷)処理のみに依存する特性を有することを特徴とする、請求項1記載のマルテンサイト鋳造材。
  3. 前記サブゼロ処理温度が−50℃以下の温度であり、ロックウェル硬さCスケールで20〜50HRCの鋳放し鋳造材から、前記サブゼロ処理によって50〜60HRCの硬さに変化する特性を有することを特徴とする、請求項2記載のマルテンサイト鋳造材。
  4. サブゼロ処理後に行われる焼き戻し処理により30〜60HRCの範囲の所望硬さとなるように調整可能である特性を有することを特徴とする、請求項3に記載のマルテンサイト鋳造材。
  5. ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feとなるように成分調整された原材料を溶解し、製品に近い形状の鋳造品を作成し、該鋳造品に対して仕上げ処理を施し、該仕上げ処理の施された鋳造品に対して温度0℃〜−200℃のサブゼロ処理を施し、その後、所要温度で焼き戻し処理を行うことを特徴とする、マルテンサイト鋳造品の製造方法。
  6. ニッケルNi:5〜15mass%、マンガンMn:0.01〜5mass%、珪素Si:0.01〜7mass%、炭素C:0.15〜4mass%、残部が鉄Feとなるように成分調整された原材料を溶解し、得られた鋳造材インゴットに対して温度0℃〜−200℃のサブゼロ処理を施し、その後、所望温度で焼き戻し処理を行い、該焼き戻しされた鋳造材を加工して所望の製品を得ることを特徴とする、マルテンサイト鋳造品の製造方法。
  7. 前記サブゼロ処理温度が、−50℃以下に設定されることを特徴とする、請求項5又は6のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造品の製造方法。
  8. 前記焼き戻し処理温度が、温度100℃〜700℃の範囲内で、製品の種類、所要特性等に応じて選定されることを特徴とする、請求項5又は6のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造品の製造方法。
  9. 前記マルテンサイト鋳造材を鋳込む際に、電熱ヒーター、測温その他センサー類、温調管等の所望部材を鋳包むことにより所望鋳造品を得ることを特徴とする、請求項5ないし8のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造品の製造方法。
  10. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、使用されるワイヤロープの強度および硬さを考慮して決定される硬さに調整されたことを特徴とする、昇降機用シーブ。
  11. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが50〜55HRCに調整されたことを特徴とする、昇降機用ウェッジ。
  12. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ機械加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが45〜55HRCに調整されたことを特徴とする、鋼板プレス加工時に使用されるロケートピン。
  13. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解して、所望形状の鋳型により金型を鋳造する際に、金型全体の温度分布を最適化する形状の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行ったことを特徴とする、温調管付き金型。
  14. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解して、所望形状の鋳型によりエンジン部品を鋳造する際に、温調水管、潤滑油配管等の金属製管路を予め鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行ったことを特徴とする、エンジン部品。
  15. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解して、所望形状の鋳型により高温の金属加熱、金属蒸気生成、半導体加熱等に使用される炉体を鋳造する際に、温度調節用の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行ったことを特徴とする、温調管付き炉体。
  16. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解して、所望形状の鋳型により半導体加工等精密加工機用の高速摺動部、軸受部、外部からの高温に曝される部材等の自己発熱ないし他部材から高温の伝熱を受ける機械部材を鋳造する際に、温度調節用の金属製温調管を鋳型内に配置して同時に鋳込んだ後に、−50℃以下のサブゼロ処理を行ったことを特徴とする、耐高温機械部材。
  17. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解し、仕上げ品に近似する形状として鋳込まれ、仕上げ加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが35〜55HRCに調整されたことを特徴とする、半導体ウェハ研磨用ラップ板。
  18. 請求項1ないし4のいずれかに記載のマルテンサイト鋳造材を溶解し、汎用刃物、事務機向け刃物、農業用刃物、産業機械用刃物等の刃物類を仕上げ品に近似する形状として鋳込み、仕上げ加工の後に−50℃以下のサブゼロ処理を行い、仕上げ品の硬さが当該刃物類の使用条件に応じて35〜55HRCに調整されることを特徴とする、前記いずれかの刃物類。
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