JP4293313B2 - 置換シクロアルカンおよびカチオン重合のための開始剤としての該置換シクロアルカンの使用 - Google Patents

置換シクロアルカンおよびカチオン重合のための開始剤としての該置換シクロアルカンの使用 Download PDF

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Description

本発明は、脱離基を第三級環状炭素原子上に有する置換シクロアルカン、その製造法およびカチオン重合、殊にイソブテンのカチオン重合のための開始剤としての該置換シクロアルカンの使用に関する。
イソブテンポリマーをカチオン重合(”リビングカチオン重合”とも呼ばれる)によって製造する場合には、ルイス酸およびルイス酸と一緒にカルボカチオンまたは陽イオン原複合体を形成する有機化合物を含む開始剤系が使用される。
後加工のためには、例えばパッキング材料およびシール材料のため、または接着剤(接着剤原料)、特に適当なイソブテンポリマーは、両端二官能性であり、即ち2個以上の反応性末端基を有する。前記末端基は、なかんずくさらに官能化させることができる炭素−炭素二重結合であるか、または停止剤で官能化された基である。即ち、欧州特許出願公開第713883号明細書には、少なくとも二官能性の開始剤、例えば塩化ジクミルを使用しながら両端二官能性イソブテンポリマーを製造することが記載されている。公知方法の欠点は、記載された芳香族開始剤がインダニル基またはジインダン基に反応しうることであり(Cr. Pratrap, S.A. Mustafa, J.P. Heller, J. Polym. Sei. Part A, Polym. Chem. 1993, 31, 第2387-2391頁参照)、このことは、定義されたイソブテンポリマーの合成を損なう。
カチオン重合のためには、新規の開始剤が常に必要とされる。従って、本発明の課題は、カチオン重合、殊にイソブテンのカチオン重合のための新規の開始剤を提供することであった。この開始剤は、先に述べた欠点を有さず、簡単に製造可能であり、貯蔵安定性である。
この課題は、
Figure 0004293313
〔式中、Rは、C〜C−アルキルを表わし、
Xは、ハロゲン、ORまたはOCORを表わし、この場合Rは、C〜C−アルキルを表わし、
nは、2または3を表わし、
mは、少なくとも1、特に少なくとも2の値を有する整数を表わす〕で示される式Iの7〜12員の炭素環を含む置換シクロアルカンによって解決される。
X、Rおよびmは、全ての繰返し単位中で種々の意味を有することができる。特に、XとRは、全ての繰返し単位中で同じ意味を有する。
〜C−アルキルの表現は、1〜6個の炭素原子を有する線状または分枝鎖状のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第二ブチル、イソブチル、第三ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルを表わす。
ハロゲンは、特に塩素、臭素または沃素、特に有利に塩素または臭素、特に塩素を表わす。
好ましくは、Rは、C〜C−アルキル、特にメチルまたはエチル、殊にメチルを表わす。
Xは、特にハロゲン;アセチルオキシまたはプロピオニルオキシ;メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ、特に有利にハロゲン、殊に塩素を表わす。
式Iのシクロアルカンは、7〜12員の炭素環、特に7、8または9員の炭素環である。特に好ましいのは、8員の環である。
基Xを有する第三級炭素原子は、少なくとも1個のメチレン基、特に少なくとも2個のメチレン基によって分離されている。
式Iの好ましいシクロアルカンは、次の式Ia〜Ic:
Figure 0004293313
〔式中、o=1およびp=2、または
o=1または2、p=2または3およびo+p=4、または
o=1または2、p=3または4およびo+p=5〕で示されるシクロアルカンである。
式Iの特に好ましい置換シクロアルカンは、次の式IdまたはIe:
Figure 0004293313
〔式中、Rはメチルを表わし、XはClを表わす〕で示される1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタンおよび1,4−ジクロロ−1,4−ジメチルシクロオクタンである。
式Iの本発明による置換シクロアルカンは、種々の方法で、例えば二重結合にそれぞれC〜C−アルキル置換基を有するシクロアルカンジエンまたはシクロアルカントリエンに化合物HXを付加することによって得ることができる。一次付加生成物は、場合によってはさらに誘導体化されてよい。
従って、さらに本発明の対象は、式Iの置換シクロアルカンの製造法であり、
この場合式II:
Figure 0004293313
〔式中、符号R、X、mおよびnは、既に記載した意味を有する〕で示されるシクロアルカポリエンは、40℃未満の温度で化合物HXと反応される。
符号
Figure 0004293313
は、2個の水素原子の中の1個がC=C−二重結合上で”R”によって置換されていることを意味する。
好ましくは、式IIのシクロアルカポリエン中で全ての二重結合がシス配置を有する。二重結合は、有利に積み重ねられておらず、有利に共役されていない。
式Iの好ましいシクロアルカンは、次の式IIa〜IIc:
Figure 0004293313
〔式中、o=1およびp=2、または
o=1または2、p=2または3およびo+p=4、または
o=1または2、p=3または4およびo+p=5〕で示されるシクロアルカンである。
式IIの特に好ましいシクロアルカポリエンは、式IIdおよびIIe:
Figure 0004293313
で示される1,5−ジアルキルシクロオクタ−1,5−ジエンまたは1,6−ジアルキルシクロオクタ−1,5−ジエンである。
大抵の場合に好ましいのは、1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンまたは1,6−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンである。
式IIのシクロアルカポリエンの混合物、有利に同じ環の大きさおよび同じ数の二重結合の前記混合物が使用されてもよい。殊に、含まれる化合物は、単に二重結合上の置換基Rの位置によって区別される。特に、1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンまたは1,6−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエン、またはその混合物が使用される。
式IIのシクロアルカポリエンおよびその製造法は、公知である。例示的に、イソプレンの二量体化による1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンまたは1,6−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンの製造が挙げられる(G.A. Tolstikov et al., J. Chem. USSR (Engl. Transl.);46, 1976,第188-192;G.S. Hammond et al., J. Org. Chem., 28. 1963.第3297-3303頁参照)。
化合物HXは、有利にハロゲン化水素または有機カルボン酸RCOOHである。適当なハロゲン化水素の例は、塩化水素、臭化水素および沃化水素である。適当な有機カルボン酸RCOOHの例は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸およびカプロン酸である。
特に、化合物HXとしては、ハロゲン化水素、殊に塩化水素が使用される。ハロゲン化水素は、特にガス状または有機溶剤中の溶液の形で使用され、例えば脂肪族エーテルまたは環式エーテル、例えばジエチルエーテル、メチル−第三ブチル−エーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン中の塩化水素または臭化水素のエーテル性溶液が使用される。しかし、特に好ましいのは、ガス状ハロゲン化水素、殊にガス状塩化水素の使用である。
化合物HXは、シクロアルカポリエン中に含有された二重結合に対して少なくとも化学量論的量で、有利に1.1〜10倍のモル量の過剰量で使用される。
反応は、一般に−25〜+25℃、特に−5〜+10℃の温度で行なわれる。反応は、常圧下ならびに過圧下で行なうことができる。特に、圧力は、1〜10バールである。
反応は、溶剤の存在で行なうことができる。適当な誘電特性を有し、抽出可能なプロトンを有さず、反応条件下で液状である全ての溶剤またはその混合物がこれに該当する。このための例は、脂肪族炭化水素、例えば4〜8個、特に5〜8個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびその異性体、ハロゲン化アルカン、例えば塩化メチル、臭化メチル、塩化メチレン、臭化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタンおよびトリクロロエタン、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカン、例えばシクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロオクタン、さらに芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンである。
しかし、特に、反応は、溶剤の不在下で行なわれる。
所望の場合には、式IIのシクロアルカポリエンと化合物HXとの反応は、触媒、例えばルイス酸および/またはブレンステッド酸の存在下で行なうことができる。
適当なルイス酸は、塩化アルミニウム、三弗化硼素、三弗化硼素アルコラートまたは三弗化硼素エーテレート、三塩化硼素、四塩化チタンおよび四塩化錫である。
適当なブレンステッド酸は、化合物HXよりも強い酸強度を有するものである。ブレンステッド酸は、無機酸、例えば硫酸、燐酸または沃化水素3−イソシアナトプロピルであることができるかまたは強有機酸、例えばトリフルオロ酢酸またはトリフルオロメタンスルホン酸であることができる。有機酸は、結合した形で、例えばイオン交換樹脂として存在していてもよい。
式IIのシクロアルカポリエンと化合物HXとの反応は、常法により行なうことができる。即ち、例えばシクロアルカポリエンは、場合によっては溶剤中で、場合によっては触媒と一緒に、反応温度で存在することができ、化合物HXが添加される。化合物HXの添加は、前記化合物の性質に応じて行なわれる。即ち、ガス状で使用されるハロゲン化水素は、装入されたエダクトまたはその溶液を通過することができる。選択的に、1つの圧力容器中で作業されることができ、この場合には、使用することができるハロゲン化水素の全体量が導入され、反応混合物は必要とされる反応時間の間、放置されるかまたは混合される。選択的に、ハロゲン化水素は、次第に、場合によっては使用量に応じて圧力容器中に導入されてよい。ハロゲン化水素溶液を使用する場合、このハロゲン化水素溶液は、1回または有利に少量ずつかまたは連続的に式IIのシクロアルカポリエンまたはその溶液に添加されることができる。有機カルボン酸HXは、それ自体としてまたは溶液で使用されてよい。
後処理は、常法で行なわれる。即ち、過剰のハロゲン化水素は、例えば不活性ガス、例えば窒素でのストリッピングによってかまたは蒸留により、例えば減圧下で除去されることができる。反応を溶剤不含で触媒なしに実施した場合には、しばしば生成物のさらなる後処理は、不要である。溶液中での反応の場合、一般に溶剤は、ハロゲン化水素の除去後に除去され、このことは、例えば蒸留により行なうことができる。酸RCOOHを化合物HXとして使用する場合またはルイス酸またはブレンステッド酸の存在下での反応の場合には、前記酸は、多くの場合に抽出により、例えば反応混合物を水または水性塩基で抽出することによって除去される。
引続き、生成物は、常法により、例えば蒸留により、殊に減圧下で後処理されることができる。しかし、本発明による方法によれば、反応生成物は、しばしば後処理なしでも、他の使用にとって十分な純度で得ることができる。
更に、Xが基ORを表わすような化合物Iは、Xがハロゲンを表わすような式Iの置換シクロアルカンを当業者に公知の求核置換の条件下でアルコールROHと反応させることにより、得ることができる。
更に、本発明は、カチオン重合可能なエチレン系不飽和モノマーを式Iの置換シクロアルカンおよびルイス酸の存在下で重合させるようなカチオン重合の方法に関する。式Iの置換シクロアルカンに応じて、線状ポリマー(但し、n=2)または星状ポリマー(但し、n=3)を得ることができる。
カチオン重合可能なエチレン系不飽和モノマーとしては、なかんずくイソブテン、ビニル芳香族化合物、例えばスチレンおよびα−メチルスチレン、または5〜10個の炭素原子を有するイソオレフィン、例えば2−メチルブテン−1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1、2−エチルヘキセン−1および2−プロピルヘプテン−1がこれに該当する。好ましくは、イソブテンを単独重合、共重合またはブロック共重合させることによって製造する方法が使用される。
ルイス酸として、共有結合の金属ハロゲン化物及び電子対ギャップを有する半金属ハロゲン化物がこれに該当する。この種の化合物は、例えばJ.P. Kennedy他、米国特許第49468890号明細書、米国特許第4327201号明細書、米国特許第5169914号明細書、欧州特許出願公開第206756号明細書、欧州特許出願公開第265053号明細書ならびにJ.P. Kennedy, B. Ivan, "Designed Polymers by Carbocationic Macromolecular Engineering", Oxford University Press, New Yorl, 1991の記載から当業者に公知である。イソブテン重合のために特に好ましいルイス酸は、四塩化チタン、三塩化硼素および三弗化硼素、殊に四塩化チタンである。
前記重合を電子供与体の存在下で実施することが有効であることが証明された。電気供与体としては、窒素、酸素または硫黄原子上に存在する遊離電子対を有する非プロトン性有機化合物がこれに該当する。好ましい供与体化合物は、ピリジンの中、例えばピリジンそれ自体、2,6−ジメチルピリジン、ならびに立体障害ピリジン、例えば2,6−ジイソプロピルピリジンおよび2,6−ジ−第三ブチルピリジン;アミド、殊に脂肪族または芳香族カルボン酸のN,N−ジアルキルアミド、例えばN,N−ジメチルアセトアミド;ラクタム、殊にN−アルキルラクタム、例えばN−メチルピリドン;エーテル、例えばジアルキルエーテル、例えばジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテル、環式エーテル、例えばテトラヒドロフラン;アミン、殊にトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン;エステル、殊に脂肪族C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、例えばエチルアセテート;チオエーテル、殊にジアルキルチオエーテルまたはアルキルアリールチオエーテル、例えばメチルフェニルスルフィド;スルホキシド、殊にジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド;ニトリル、殊にアルキルニトリル、例えばアセトニトリルおよびプロピオニトリル;ホスフィン、殊にトリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィン、例えばトリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチル−ホスフィンおよびトリフェニルホスフィン、および酸素により結合された少なくとも1個の有機基を有する重合不可能な非プロトン性珪素有機化合物から選択される。
前記供与体の中で、ピリジンおよび立体障害ピリジン誘導体ならびに殊に珪素有機化合物は、好ましい。この種の好ましい化合物の例は、ジメトキシジイソプロピルシラン、ジメトキシイソブチルイソプロピルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジメトキシジシクロペンチルシラン、ジメトキシイソブチル−2−ブチルシラン、ジエトキシイソブチルイソプロピルシラン、トリエトキシトルイルシラン、トリエトキシベンジルシランおよびトリエトキシフェニルシランである。
ルイス酸は、開始剤複合体の形成に十分な量で使用される。ルイス酸と開始剤とのモル比は、一般に10n:1〜1n:1、殊に2.5n〜1n:1であり、この場合nは、開始剤の官能基を表わす。
イソブテン使用物質として、イソブテン自体並びにイソブテン含有のC炭化水素流、例えばCラフィネート、イソブテン脱水素からのC留分、蒸気分解炉からのC留分、FCC分解炉(FCC:Fluid Catalyzed Cracking)からのC留分は、その中に含まれる1,3−ブタジエンが十分に除去されている限り適している。
本発明による適当なC炭化水素流は、一般にブタジエンを500ppm未満、有利に200ppm未満含有する。使用材料としてC留分を使用する場合に、イソブテンとは異なる炭化水素が不活性溶剤の役割を担う。
また、イソブテンのモノマー混合物は、カチオン重合条件下でイソブテンと共重合しうるオレフィン系不飽和モノマーと反応されてよい。更に、本発明による方法は、カチオン重合条件下で重合しうるエチレン系不飽和コモノマーとイソブテンとのブロック共重合に適している。イソブテンのモノマー混合物を適当なコモノマーと重合させる場合には、モノマー混合物は、イソブテンを特に80質量%超、殊に90質量%超、特に有利に95質量%超およびコモノマーを20質量%未満、特に10質量%未満、殊に5質量%未満含有する。
共重合可能なモノマーとして、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン及びC〜C−アルキルスチレン、例えば2−メチルスチレン、3−メチルスチレン及び4−メチルスチレン、並びに4−第三ブチルスチレン、5〜10個のC原子を有するイソオレフィン、例えば2−メチルブテン−1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1、2−エチルヘキセン−1及び2−プロピルヘプテン−1がこれに該当する。更に、コモノマーとして、シリル基を有するオレフィン、例えば1−トリメトキシシリルエテン、1−(トリメトキシシリル)プロペン、1−(トリメトキシシリル)−2−メトキシプロペン−2、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]エテン、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]プロペン及び1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]−2−メチルプロペン−2がこれに該当する。
重合は、通常、溶剤中で実施される。溶剤として、適当な誘電特性を有し、抽出可能なプロトンを有さず、重合条件下で液状である全ての低分子量有機化合物またはその混合物がこれに該当する。好ましい溶剤は、炭化水素、例えば2〜8個、特に3〜8個の炭素原子を有する非環式炭化水素、例えばエタン、イソプロパンおよびn−プロパン、n−ブタンおよびその異性体、n−ペンタンおよびその異性体、n−ヘキサンおよびその異性体、ならびにn−ヘプタンおよびその異性体、ならびにn−オクタンおよびその異性体、5〜8個の炭素原子を有する環式アルカン、例えばシクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、特に2〜8個の炭素原子を有する非環式アルケン、例えばエテン、イソプロペンおよびn−プロペン、n−ブテン、n−ペンテン、n−ヘキセンおよびn−ヘプテン、環式オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロヘプテン、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ならびにハロゲン化炭化水素、例えばハロゲン化脂肪族炭化水素、例えばクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロエタン、1,2−ジクロロエタンおよび1,1,1−トリクロロエタンおよび1−クロロブタンならびにハロゲン化芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼンおよびフルオロベンゼンである。溶剤として使用されるハロゲン化炭化水素は、ハロゲン原子が第二級炭素原子または第三級炭素原子上にある化合物を含まない。
特に好ましい溶剤は、芳香族炭化水素であり、その中でトルエンが特に好ましい。同様に、好ましいのは、少なくとも1つのハロゲン化炭化水素および少なくとも1つの脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を含む溶剤混合物である。殊に、この溶剤混合物は、ヘキサンおよびクロロメタンおよび/またはジクロロメタンを含む。この場合、炭化水素とハロゲン化炭化水素との体積比は、特に1:10〜10:1の範囲内、特に有利に4:1〜1:4の範囲内、殊に2:1〜1:2の範囲内にある。
一般に、カチオン重合は、0℃以下、例えば0〜−140℃の範囲内、特に−30〜−120℃の範囲内、特に有利に−40〜−110℃の範囲内の温度で実施される。反応圧力は、あまり重要ではない。
反応熱は、常法で、例えば壁面冷却によっておよび/または沸騰冷却を利用しながら導出される。この場合、殊にエテンおよび/またはエテンと有利に上記された溶剤との混合物を使用することは、有効であることが実証された。
ブロック共重合体を製造するために、遠位の鎖末端、即ち得られたイソブテンポリマーの、開始剤から離れた端部は、コモノマー、例えば上記した、例えばビニル芳香族化合物と反応されてよい。即ち、例えば最初にイソブテンを単独重合させることができ、引続きコモノマーを添加することができる。この場合、新たに生成されるコモノマーの主要な反応性鎖末端は、失活されるかまたは次に記載された実施態様の1つによれば、官能性末端基の形成下に終結されるかまたは高級ブロック共重合体の形成のために再びイソブテンと反応される。
反応の停止のために、活性を保持している鎖末端は、例えばプロトン性化合物の添加、殊に水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノールまたは第三ブタノール、またはこれらと水との混合物の添加によって失活される。
二官能性または三官能性(両端二官能性)イソブテンポリマーを得るために、遠位の鎖末端は、エチレン系不飽和基の形成下に停止し、この場合例えば反応性鎖末端は、鎖末端にエチレン系不飽和基を付加する停止試薬と反応するかまたは適当に処理され、反応性鎖末端をこのような基に変換する。
1つの実施態様において、鎖末端は、トリアルキルアリルシラン化合物、例えばトリメチルアリルシランの添加によって停止される。アリルシランの使用は、ポリマー鎖末端でのアリル基の導入下に重合の停止を生じる。
更に、実施態様において、反応性鎖末端は、熱的に、例えば70〜200℃の温度への加熱または塩基での処理によってメチリデン二重結合に変換される。適した塩基は、例えばアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、及びカリウム−第三ブタノラート、塩基性の酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物、たとえは水酸化ナトリウム、及び第三アミン、例えばピリジン又はトリブチルアミンである。Kennedy et al., Polymer Bulletin 1985, 13, 435-439参照。有利には、ナトリウムメタノラートが使用される。
もう1つの実施態様において、反応性鎖末端は、共役結合ジエン、例えばブタジエンと反応される。ドイツ連邦共和国特許出願公開第4025961号明細書参照。
もう1つの実施態様において、カップリング剤の添加により2つ以上のリビングポリマー鎖は、カップリングされる。「カップリング」は、前記反応鎖末端間での化学結合の形成を意味し、したがって2つ以上のポリマー鎖は1つの分子に結合する。
適したカップリング剤は、例えば少なくとも2つの、同一又は異なる二重結合に対してアリル位に配置した逃電子性脱離基、例えばトリアルキルシリル基を有し、したがって、脱離基が離脱し及び前記二重結合がシフトする協奏反応において、反応性鎖末端の前記カチオン中心は付加されてよい。別のカップリング剤は少なくとも1つの共役系を有し、これに、反応性の鎖末端の前記カチオン中心が安定したカチオンの形成下で求電子的に付加してよい。更に、脱離基、例えばプロトンの離脱によって、前記共役系の再形成下で、前記ポリマー鎖に対する安定なσ−結合が生じる。前記共役系の複数は不活性なスペーサーによって相互に結合していてよい。
適したカップリング剤には、次のものが挙げられる:
(i)酸素、硫黄および窒素から選択されたヘテロ原子を有する少なくとも2つの5員の複素環を有する化合物、例えば少なくとも2個のフラン環を有する有機化合物、例えば
Figure 0004293313
上記式中、Rは、C〜C10−アルキレン、特にメチレンまたは2,2−プロパンジイルを表わす;
(ii)少なくとも2個のアリル位のトリアルキルシリル基を有する化合物、例えば1,1−ビス(トリアルキルシリルメチル)エチレン、例えば1,1−ビス(トリメチルシリルメチル)エチレン、
ビス[(トリアルキルシリル)−プロペニル]ベンゼン、例えば
Figure 0004293313
(上記式中、Meは、メチルを表わす)、
(iii)それぞれ2個の芳香環に対して共役されて配置された少なくとも2個のビニリデン基を有する化合物、例えばビス−ジフェニルエチレン、例えば
Figure 0004293313
適したカップリング剤の記載は、次の刊行物中に見出され;
カップリング反応は、その刊行物中に記載された反応と同様に実施されうる:R.Faust,S.Hadjikyriacou,Macromolecules 2000,33,730-733;R.Faust,S.Hadjikyriacou,Macromolecules 1999,32,6393-6399;R.Faust,S.Hadjikyriacou,Polym.Bull.1999,43,121-128;R.Faust,Y.Bae,Macromolecules 1997,30,198;R.Faust,Y.Bae,Macromolecules 1998,31,2480;R.Storey,Maggio,Polymer Preprints 1998,39,327-328;WO99/24480;US5,690,861及びUS5,981,785。
前記カップリングは、一般にルイス酸の存在下で行われ、その際、前記の本来の重合反応の実施のためにも使用可能であるルイス酸が適する。更に、前記カップリング反応の実施のためには、前記の本来の重合反応の実施のために使用される同様の溶剤及び温度も適する。
従って、有利には、前記カップリングは、ワンポット反応として、前記重合反応に引き続き、同一の溶剤中で、前記重合のために使用したルイス酸の存在下で実施されてよい。通常は、カップリング剤のカップリング位置の数によって除された、式Iの開始剤の重合に使用されるモル量の商にほぼ相当するカップリング剤のモル量が使用される。
カップリングの停止後、一般に溶剤は、適当な装置中、例えばロータリーエバポレーター、落下型膜蒸発器または薄膜蒸発器中で除去されるかまたは反応溶液の放圧によって除去される。
本発明による方法により製造されたイソブテン−ポリマーは、狭い分子量分布を有する。この場合、多分散性指数PDI=M/Mは、特に1.40未満、特に有利に1.35未満である。
両端二官能性ポリイソブテンは、次の誘導体化反応の1つにかけることができる:
芳香族化合物の求電子置換反応
ポリイソブテンは、アルキル化触媒の存在下で(ヘテロ)芳香族化合物と反応させることができる。適当な芳香族化合物およびヘテロ芳香族化合物、触媒および前記の所謂フリーデル−クラフツ−アルキル化(Friedel-Crafts-Alkylierung)の反応条件は、例えばJ. March, Advanced Organic Chemistry, 第4版, Verlag John Wiley & Sons, 第534−539頁に記載されており、この場合これは、参考のために本明細書中に記載されている。
1、2または3個のOH基を有するフェノール性化合物が特に好適であり、この場合このフェノール性化合物は、場合によっては少なくとも1個の他の置換基を有していてよい。
好ましい他の置換基は、メチルおよびエチルである。特に好ましいのは、フェノール、クレゾール異性体、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フルオログルシノールおおびキシレノール異性体である。殊に、フェノール、o−クレゾールおよびp−クレゾールが使用される。
適した触媒は、例えばAlCl、AlBr、BF、BF・2COH、BF[O(C、TiCl、SnCl、AlCCl、FeCl、SbClおよびSbFである。
前記のアルキル化触媒は、助触媒、例えばエーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテルまたはテトラヒドロフランと一緒に使用されてよい。反応は、プロトン酸、例えば硫酸、燐酸、トリフルオロメタンスルホン酸で促進されてもよい。
適当なプロトン酸は、ポリマー結合形で、例えばイオン交換樹脂として存在していてもよい。ゼオライトならびに無機ポリ酸も適当である。
アルキル化は、溶剤を含まないで実施されてもよいし、溶剤中で実施されてもよい。適当な溶剤は、例えばn−アルカンおよびその混合物、およびアルキル芳香族化合物、例えばトルエン、エチルベンゼンおよびキシレンならびにそのハロゲン化誘導体である。
更に、官能化のために、得られたポリイソブテニルフェノールは、マンニヒ反応の範囲内で少なくとも1つのアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、および少なくとも1個の第一級アミン官能基または第二級アミン官能基を有する少なくとも1つのアミンとの反応にかけることができ、この場合には、ポリイソブテンでアルキル化され、付加的に少なくとも部分的にアミノアルキル化された化合物を得ることができる。アルデヒドおよび/またはアミンの反応生成物および/または縮合生成物が使用されてもよい。このような化合物の製造は、WO 01/25293およびWO 01/25294に記載されており、この場合これらは、参考のために本明細書中に記載されている。
エポキシ化
ポリイソブテンは、ペルオキシド化合物でエポキシ化されてよい。エポキシ化に適した方法は、J. March, Advanced Organic Chemistry, 第4版, Verlag John Wiley & Sons, 第826〜829頁に記載されており、この場合この刊行物は、参考のために明細書中に記載されている。特に、ペルオキシド化合物としては、少なくとも1つの過酸、例えばm−クロロペル安息香酸、過蟻酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸および3,5−ジニトロ過安息香酸が使用される。過酸は、原位置で相応する酸およびHから、場合によっては鉱酸の存在下で製造することができる。更に、適当なエポキシ化試薬は、例えばアルカリ性過酸化水素、分子状酸素およびアルキルペルオキシド、例えば第三ブチルヒドロペルオキシドである。エポキシ化に適した溶剤は、例えば通常の非極性溶剤である。特に好適な溶剤は、炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ヘキサンまたはヘプタンである。引続き、形成されたエポキシドは、水、酸、アルコール、チオール、または第一級アミンまたは第二級アミンと開環反応されてよく、この場合には、なかんずくジオール、グリコールエーテル、グリコールチオエーテルおよびアミンを得ることができる。
疎水化
ポリイソブテンは、(場合によっては原位置で製造された)ボランと反応されてよく、この場合には、少なくとも部分的にヒドロキシル化されたポリイソブテンを得ることができる。疎水化に適した方法は、J. March, Advanced Organic Chemistry, 第4版, Verlag John Wiley & Sons, 第783〜789頁に記載されており、この場合この刊行物は、参考のために明細書中に記載されている。適当な疎水化試薬は、例えば一般に原位置で硼水素化ナトリウムとBF−エーテレートとの反応によって製造されるジボラン、ジイサミルボラン(ビス−[3−メチルブト−2−イル]ボラン)、1,1,2−トリメチルプロピルボラン、9−ボルビシクロ[3.3.1]ノナン、相応するアルケンとジボランとのヒドロ硼素化によって得ることができるジイソカンフェニルボラン、クロロボラン−ジメチルスルフィドである。アルキルジクロロボランまたはHB−N(C
通常、形成されたアルキルボランは、単離されずに次の反応によって直接価値のある生成物に変換される。アルキルボランの極めて重要な反応は、特に形式的にアルケンの抗マルコヴニコフ水和(Anti-Markovnikov-Hydratisierung)に形式的に相当するアルコールを維持しながらのアルカリ性過酸化水素との反応である。更に、得られたアルキルボランは、臭化物の維持下にヒドロキシドイオンの存在下で臭素との反応にかけられてよい。
エン反応
ポリイソブテンは、求電子置換反応された二重結合を有する少なくとも1つのアルケンと、エン反応で反応されてよい(例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4319672号明細書またはH. MarchおよびP. Rath, "Lubrication Science II (1999),"第175-185頁参照、この場合これは、参考のために本明細書中に記載されている)。エン反応の場合、エンと呼ばれる、アリル位の水素原子を有するアルケンは、求電子アルケン、所謂エノフィル(Enophil)と、炭素−炭素結合形成、二重結合シフトおよび水素転移を含むペリサイクリック反応で反応される。存在する場合には、ポリイソブテンは、エンとして反応する。
適当なエノフィルは、ディールス−アルダー反応でジエノフィル(Dienophile)としても使用される化合物である。好ましくは、無水マレイン酸がエノフィルとして使用される。この場合には、少なくとも部分的に無水コハク酸基(Succinanhydridgruppen)で官能化されたポリイソブテンが生じる。
無水コハク酸基で誘導されたポリイソブテンは、次の反応:
α)少なくとも部分的にスクシンイミド基および/またはスクシンアミド基で官能化されたポリイソブテンを維持しながらの少なくとも1つのアミンとの反応、
β)少なくとも部分的にスクシンエステル基で官能化されたポリイソブテンを維持しながらの少なくとも1つのアルコールとの反応および
γ)少なくとも部分的にスクシンチオエステル基で官能化されたポリイソブテンを維持しながらの少なくとも1つのチオールとの反応から選択される連続反応にかけることができる。
次の実施例につき本発明を詳説する。
実施例
例1:塩化メチレン中での1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンと塩化水素との反応
500mlの四口フラスコ中に塩化メチレン200ml中の1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエン100g(0.73モル)を装入した。0〜5℃の内部温度に冷却しながら、常圧下で4時間で塩化水素60g(1.64モル)を導入した。引続き、未反応の塩化水素を窒素でのストリッピングによって除去した。その後に、溶剤を減圧下で完全に除去した。最終的に、生成物を蒸留により精製し(2ミリバールで沸点:85〜88℃)、1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタン137.1g(理論値の90%)を無色の液体として得た。
H−NMR(CDCl;500MHz):2.40-2.25(m); 2.20-1.95 (m); 1.8-1.7 (m); 1.7-1.5 (m)。13C(H)−NMR(CDCl;400MHz):74.6 (s. 2C); 42.4 (s, 4C); 34.5 (s, 2C); 21.5 (s, 2C)。
例2:1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンと塩化水素ガスとの反応
2 lの四口フラスコ中に1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエン250g(1.83モル)を装入した。0〜10℃の内部温度に冷却しながら、常圧下で8時間で塩化水素140g(3.84モル)を導入した。引続き、未反応の塩化水素を真空中で除去し、生成物を蒸留により精製し(2ミリバールで沸点:85〜88℃)、1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタン357.6g(理論値の93%)を無色の液体として得た。
H−NMR(CDCl;500MHz):2.40-2.25 (m); 2.20-1.95 (m); 1.8-1.7 (m); 1.7-1.5 (m)。13C(H)−NMR(CDCl;400MHz):74.5 (s, 2C); 42.3 (s, 4C); 34.5 (s, 2C); 21.6 (s. 2C)。
例3:1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエン(84%)と1,6−ジメチルシクロオクタ−1,6−ジエン(16%)とからなる異性体混合物と塩化水素ガスとのヘキサン中での反応
500mlの四口フラスコ中にヘキサン200ml中の異性体混合物150g(1.10モル)を装入した。5〜10℃の内部温度へ冷却しながら、常圧下で5.5時間で塩化水素79g(2.16モル)を導入した。引続き、未反応の塩化水素および溶剤を減圧下で完全に除去し、1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタン(A)と1,4−ジクロロ−1,4−ジメチルシクロオクタン(B)とからなる混合物191.2g(理論値の91%)を無色の液体として得た。最終的に生成物を蒸留により精製した(2ミリバールで沸点:83〜88℃)。
H−NMR(CDCl;500MHz):2.40-2.25 (m); 2.20-1.95 (m); 1.8-1.7 (m); 1.7-1.5 (m)。13C(H)−NMR(CDCl;400MHz):74.6 (s, 2C, A); 74.5 (s, 2C, B); 42.4 (s, 4C, B); 42.3 (s. 4C. A); 34.7 (s. 2C. B); 34.5 (s. 2C, A); 21.6(s,2C.A);20.9(s,2C.B)。
例4:1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエン(84%)と1,6−ジメチルシクロオクタ−1,6−ジエン(16%)とからなる異性体混合物と塩化水素ガスとの反応
オートクレーブ中に異性体混合物380g(2.79モル)を装入した。3時間で塩化水素210g(5.76モル)を、内圧が5バールであり、内部温度が25℃を超えないように導入した。引続き、未反応の塩化水素を窒素でのストリッピングによって除去した。最終的に、生成物を蒸留により精製し(2ミリバールで沸点:83〜88℃)、1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタン(A)と1,4−ジクロロ−1,4−ジメチルシクロオクタン(B)とからなる混合物568.7g(理論値の97%)を無色の液体として得た。
H−NMR(CDCl;500MHz):2.40-2.25 (m); 2.20-1.95 (m); 1.8-1.7 (m); 1.7-1.5 (m)。13C(H)−NMR(CDCl;400MHz):74.5 (s, 2C, A); 74.5 (s, 2C, B); 42.4 (s. 4C. B); 42.3 (s. 4C. A); 34.7 (s. 2C, B); 34.6 (s, 2C, A); 21.6 (s. 2C. A); 21.0 (s. 2C, B)。
例5:5000g/モルの平均分子量を有するイソブテンオリゴマーの重合
乾燥した窒素で不活性化した2 lのフラスコ中に一晩中モレキュラーシーブ(3Å)により前乾燥させたn−ヘキサン300mlを装入した。引続き、ジクロロメタン300mlを酸化アルミニウム玉で充填された滴下漏斗を介して添加した。この溶液にスパチュラの先端部での量のフェナントレンを添加し、−40℃に冷却した。この温度で、存在する残存量の水をn−ブチルリチウムで褐色に変色するまで滴定した。更に、この混合物を加熱し、乾燥させた溶剤をイェーガー弁(Jaegerventil)を備えたテフロン管を介して先に乾燥された窒素で不活性化された固有の反応フラスコ中に移した。再び溶剤を冷却した(−70℃)。イソブテン400mlをガス状でモレキュラーシーブ(3Å)を介して導入し、その際に乾燥させ、反応フラスコ上に差し込まれた、ドライアイス/アセトンで冷却された滴下漏斗中に縮合導入し、引続き反応フラスコ中に排出した。次に、−70℃で攪拌しながらフェニルトリエトキシシラン1.475gおよび開始剤10.46gを反応フラスコ中に供給した。引続き、反応を開始させるためにTiCl 4.93gを添加した。−50℃への温度上昇が観察された。反応を2時間に亘って−50℃で連続させ、次にエタノールで停止させた。その後に、反応フラスコを室温に加熱し、内容物を振盪型漏斗中で1リットルの脱塩水で洗浄した。相分離後、水相を廃棄し、有機相をさらに数回1リットルの水で洗浄した。水相を再び分離した後、有機相をシリカゲルを介して吸い取り、180℃および3ミリバールで蒸発濃縮して乾燥させた。無色の高粘稠なポリマーが残存した。
分析:GPC:ゲル透過クロマトグラフィーを実施するために、2個のシュティラゲルカラム(Styragelsaelen)(1000および10000Å)の組合せを使用した。較正は、イソブテン標準により行なわれた。Mn:5700g/モル、Mw:10249g/モル;D:1.7;Mp:63635g/モル。

Claims (11)

  1. Ia、Ib、Ic:
    Figure 0004293313
    〔式中、Rは、C〜C−アルキルを表わし、
    Xは、ハロゲン、ORまたはOCORを表わし、この場合Rは、C〜C−アルキルを表わし、
    o=1およびp=2、または
    o=1または2、p=2または3およびo+p=4、または
    o=1または2、p=3または4およびo+p=5である〕で示される置換シクロアルカン。
  2. Rがメチルを表わす、請求項1記載の化合物。
  3. Xが塩素を表わす、請求項1または2記載の化合物。
  4. 1,4−ジクロロ−1,4−ジメチルシクロオクタン、1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタンおよびその混合物から選択された、請求項1記載の化合物。
  5. 請求項1記載の式Ia、IbまたはIcの置換シクロアルカンの製造法において、式IIa、IIbまたはIIc
    Figure 0004293313
    〔式中、符号R、X、およびは、請求項1記載の意味を有する〕で示されるシクロアルカポリエンを40℃未満の温度で化合物HXと反応させることを特徴とする、請求項1記載の式Ia、IbまたはIcの置換シクロアルカンの製造法。
  6. 化合物HXとしてガス状塩化水素を使用する、請求項5記載の方法。
  7. 式IIのシクロアルカポリエンとして1,5−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンおよび/または1,6−ジメチルシクロオクタ−1,5−ジエンを使用する、請求項5または6記載の方法。
  8. 反応を溶剤の不在下または非プロトン性溶剤の存在下で行なう、請求項5から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. カチオン重合可能なエチレン系不飽和モノマーを請求項1記載の式Iの置換シクロアルカンおよびルイス酸の存在下で重合させるカチオン重合方法。
  10. 式Iの化合物が1,5−ジクロロ−1,5−ジメチルシクロオクタンおよび/または1,4−ジクロロ−1,4−ジメチルシクロオクタンである、請求項9記載の方法。
  11. カチオン重合可能なエチレン系不飽和モノマーがイソブテンを含む、請求項9または10記載の方法。
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