JP4293277B2 - 硬化性組成物およびその硬化方法 - Google Patents

硬化性組成物およびその硬化方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペルヒドロポリシラザン、ラジカル反応性官能基を有する機能性添加剤および紫外線の照射により活性ラジカルを生成する光開始剤を必須成分とし、耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れ、かつ種々の機能を付与された硬化被膜を高い生産性で形成できる硬化性組成物およびその硬化方法に関する。
高度の耐熱性、耐摩耗性、耐食性を得るためには、有機系塗料では不充分であり、セラミックス系コーティングが用いられる。従来、セラミックス系コーティングの形成方法には、乾式法としてPVD法(スパッタ法等)およびCVD法等、湿式法としてポリチタノカルボシラン系塗料、ポリ(ジシル)シラザン系塗料、ポリシラザン系塗料またはポリメタロシラザン系塗料等の塗工およびゾル−ゲル法等が知られている。
上述のセラミックス系コーティング法はいずれも問題がある。
すなわち、PVD法およびCVD法は装置が高価であり、ゾル−ゲル法は焼成温度が500℃以上と高い。ポリチタノカルボシラン系塗料は低温焼成(400℃以下)における表面強度が不充分である。ポリ(ジシル)シラザン系塗料は施工が難しくクラックが発生しやすい。ポリシラザン系塗料およびポリメタロシラザン系塗料は200〜500℃で焼成できるが、300℃未満の焼成では膜質が必ずしも良好でない。
また、これらポリシラザンに金属の微粒子を酸化触媒として添加することで、150〜350℃という比較的低温での焼成ができる(特開平7−196986)。しかし、この条件でも実生産を考えると決して効率的な塗料とはいい難い。さらに、こうした高度の耐熱性、耐摩耗性、耐食性を備え、かつ、紫外線吸収、赤外線吸収、可視光の吸収、光安定化、酸化防止、帯電防止、撥水性といった他の機能を発現させることは非常に困難であった。
本発明は上述の欠点を解消しようとするものである。すなわち、焼成工程を経ることなく、耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れ、かつ紫外線吸収、赤外線吸収、光安定化、酸化防止、帯電防止、撥水性といった機能を有する塗膜を与える硬化性組成物とその硬化方法の提供を目的とする。さらに、紫外線照射による硬化という特徴により、従来不可能であった、電子部品、プラスチック等への応用を可能とする。
本発明者らは、上記課題の解決を目的として検討した結果、ペルヒドロポリシラザンにラジカル反応性官能基を有する機能性添加剤と光開始剤とを添加することにより、塗膜に活性エネルギ線を照射するのみで、ペルヒドロポリシラザンがラジカル反応を経由して硬化し、従来の焼成工程なしでも良好な硬化物が形成されることを見出した。本発明はこの硬化性組成物およびその硬化方法にかかわる下記発明である。
ペルヒドロポリシラザン、ラジカル反応性官能基を有する下記機能性添加剤および波長300〜390nmの紫外線の照射により活性ラジカルを生成する光開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
機能性添加剤:紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、染料、帯電防止剤および撥水剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤。
本発明の硬化性組成物は、耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れ、基材との密着性の良い被覆が、従来にない簡便な工程で得られる。しかも、被膜自体に紫外線吸収、赤外線吸収、光安定化、酸化防止、着色、帯電防止、撥水性といった様々な機能を発現させることができる。本発明の組成物は、ガラス、金属、セラミックス等のみならず、高温処理に不適なプラスチック材料、電子部品等の表面高機能化被覆材として好適である。
本発明において用いるペルヒドロポリシラザンは、分子内に少なくともSi−H結合、またはN−H結合を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザン単独でもよく、ポリシラザンと他のモノマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合物との混合物も利用できる。
ペルヒドロポリシラザンとしては、鎖状、環状もしくは架橋構造を有する重合体、または分子内にこれらの複数の構造を有する重合体からなる
ペルヒドロポリシラザンの分子量は、数平均分子量で100〜5万が好ましく、特に500〜1万が好ましい。分子量が小さすぎると硬化時の収率が低く実用的でない。一方分子量が大きすぎると溶液の安定性が低く良好な塗膜が得られない。
本発明の硬化性組成物はラジカル反応性官能基を有する紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、染料、帯電防止剤および撥水剤といった機能性添加剤を必須成分とする。このラジカル反応性官能基はポリシラザン由来の活性ケイ素ラジカルとの反応性を有するものならば何でもよい。例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、塩素原子や臭素原子、メルカプト基、アルキルチオ基等が好ましい。
なお、本明細書では、アクリロイルとメタクリロイルを総称して(メタ)アクリロイル基と記し、(メタ)アクリロイルオキシなどの他の名称についても同様に記す。
ラジカル反応性官能基を持たない添加剤を用いた場合、ペルヒドロポリシラザンから形成される硬化物に取り込まれないため、長期の使用においてこの機能性添加剤がブリードアウトして減少したり、ペルヒドロポリシラザンとの相溶性が低く添加自体ができないといった不具合が生じる。
具体的な機能性添加剤としては以下の化合物が好ましい。
紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等。
光安定化剤としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ピペリジン等。
赤外線吸収剤としては、1−エチル−4−[3−(1−エチル−4(1H)−キノリニリデン)−1−プロペニル]キノリニウムヨージド、1−エチル−2−[5−(1−エチル−2(1H)−キノリニリデン)−1,3−ペンタジエニル]キノリニウムヨージド、2−[7−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドリリデン)−1,3,5−ヘプタトリエニル−3H−インドリウムパークロレート、2−[7−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3,5−ヘプタトリエニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムヨージド、2−[7−(1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−エチル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3,5−ヘプタトリエニル]−3,3−ジメチル−1−エチル−3H−インドリウムヨージド、2−[7−[1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−5−スルホ−1−(4−スルホニル)−2H−インドール−2−イリデン]−1,3,5−ヘプタトリエニル]−3,3−ジメチル−5−スルホ−1−(4−スルホブチル)−3H−インドリウムヒドロキシド(内部3ナトリウム塩)、酢酸銅の(メタ)アクリル酸配位錯体、酢酸銅のリン酸ビス{(メタ)アクリロイルオキシエチル)}酸配位錯体等。
酸化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等。
染料としては、その多くが分子内に不飽和結合を有するため、この部分がラジカル反応基として働き(硬化後の発色状態の変化はありうる)、そのほとんどが本系で使用できる。具体的には、3−エチル−2−[3−(3−エチル−2(3H)−ベンゾキサゾリデン)−1−プロペニル]ベンゾキサゾリウムヨージド等のシアニン色素、3−エチル−5−[2−(3−メチル−2−チアゾリジニリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジノン等のメロシアニン系色素、2−[[3−アリル−5−[2−(5,6−ジメチル−3−プロピル−2(3H)−ベンゾチアゾリデン)エチリデン]−4−オキソ−2−チアゾリジニリデン]メチル]−3−エチル−4,5−ジフェニルチアゾリウムヨージド等のローダシアニン系色素、4−[3−[3−カルボキシ−5−ヒドロキシ−1−(4−スルホフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−プロペニリデン]−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1−(4−スルホフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸2カリウム塩等のオキソノール系色素、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3−メチルベンゾキサゾリウムヨージド等のスチリル系色素等。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート等。
撥水剤としては、ポリフルオロアルキル部位を有する(メタ)アクリルエステル、ポリフルオロアルキル部位とメルカプト基とを分子内に有する化合物等。
機能性添加剤の添加量は、ペルヒドロポリシラザン100重量部に対して0.01〜100重量部、特に0.1〜50重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物は光開始剤を必須成分とする。紫外線の照射により、光開始剤由来の活性ラジカルがペルヒドロポリシラザンの硬化反応を加速する。
活性ラジカルがペルヒドロポリシラザンの硬化反応を加速する理由は、該ラジカルがケイ素上の水素をラジカル的に引き抜き、生じたケイ素ラジカルが分子状の酸素と反応することでシリカが形成される。さらに、ペルヒドロポリシラザンの硬化反応と競争的に、生じたケイ素ラジカルが機能性添加剤のラジカル反応性官能基へと連鎖移動し、機能性添加剤がペルヒドロポリシラザンの硬化物であるシリカマトリクスに組み込まれると考えられる。
一方で通常のポリシラザンの酸化反応はイオン的な反応であるため、何らかの触媒の添加および加熱等の操作が必要となる。このため本発明の方法では通常のイオン的な硬化反応に比べ、その硬化の速さおよび硬化方法の簡便さが達成されると考えられる。
光開始剤としては、公知または周知のものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好ましい。硬化性組成物において複数の光開始剤を使用してもよい。
光開始剤としては、アリールケトン系光開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など)、含イオウ系光開始剤(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、アシルホスフィンオキシド系光開始剤、ジアシルホスフィンオキシド系光開始剤、その他の光開始剤がある。特に、アシルホスフィンオキシド系光開始剤およびジアシルホスフィンオキシド系光開始剤の使用が好ましい。また、光開始剤はアミン類などの光増感剤と組み合わせて使用することもできる。具体的な光開始剤としては、たとえば以下のような化合物がある。
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン。
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラキス(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、メチルフェニルグリオキシレート。
4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン。
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド。
光開始剤の量はペルヒドロポリシラザン100重量部に対して001〜20重量部、特に0.1〜10重量部が好ましい。
硬化性組成物は溶剤に溶解してコーティング等に用いるのが好ましい。溶剤は硬化性組成物を硬化させる前に硬化性組成物から除去される。溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。好ましい溶媒は、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類等である。
これらの溶剤を使用する場合、ペルヒドロポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、複数の種類の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量は採用するコーティング方法、膜厚およびペルヒドロポリシラザンの平均分子量、分子量分布、構造などによって異なるが、硬化性組成物溶液中の溶剤量は固形分濃度で99重量%以下が好ましく、特に3〜50重量%の範囲で調製することが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて適宜充填剤を添加してもよい。充填剤のとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マイカ等の酸化物系無機物または炭化ケイ素、窒化ケイ素等の非酸化物系無機物の微粉等が好ましい。また用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅等の金属粉末も好ましい。
好ましい具体的な充填剤としては、ケイ砂、石英、ノバキュライトおよびケイ藻土などのシリカ系、合成無定形シリカ、カオリナイト、雲母、滑石、ウォラストナイト、アスベスト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、ガラス粉末、ガラス球、中空ガラス球、ガラスフレークおよび泡ガラス球等のガラス体、窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化チタン、窒化チタンおよび炭化チタン等の非酸化物系無機物、炭酸カルシウム等の炭酸塩、酸化亜鉛、アルミナ、マグネシア、酸化チタンおよび酸化ベリリウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、フッ化炭素その他無機物、アルミニウム、ブロンズ、鉛、ステンレススチールおよび亜鉛等の金属粉末、カーボンブラック、コークス、黒鉛、熱分解炭素および中空カーボン球等のカーボン体等が挙げられる。
これら充填剤は、針状(ウィスカーを含む)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独でまたは2種以上添加できる。また、充填剤の粒子の大きさは1回に塗布可能な膜厚よりも小さいことが望ましい。また充填剤の添加量はペルヒドロポリシラザン1重量部に対して0.05〜10重量部の範囲が好ましく、特に0.2〜3重量部の範囲が好ましい。充填剤の表面をカップリング剤処理、蒸着、メッキ等で表面処理して用いてもよい。
硬化性組成物には、必要に応じて顔料、レベリング剤、消泡剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ止め剤、前記ラジカル反応性官能基を有する機能性添加剤以外の機能性添加剤(たとえば、帯電防止剤、紫外線吸収剤など)を適宜配合して用いてもよい。
本発明の硬化性組成物はコーティング材、接着剤、層間絶縁膜用材料、等の用途に適用でき、特にコーティング材として有用である。
硬化性組成物をコーティング材として用いる場合、それが適用される基材としては特に限定されず、ガラス、金属、セラミックス、プラスチックス等のいずれでもよい。コーティング方法としては通常の塗布方法を用いることができ、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り等が用いられる。また、塗布前に基材をヤスリがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理すると硬化性組成物の付着性能が向上する。
外線源としてはキセノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等が使用できる。
硬化性組成物を用いて形成される硬化物の層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましい。この層厚が50μm超では、紫外線による硬化が不充分になり基材との密着性が損なわれやすく好ましくない。また、0.01μm未満では、この層の耐摩耗性、耐食性が不充分となるおそれがある。より好ましい層厚は0.1〜30μmである。
以下、本発明を実施例(例1、3、5、9、11、13)比較例(例2、4、6、8、10、12、14)、参考例(例7)により説明する。
例1〜14についての各種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その結果を表1に示した。
また各種機能性添加剤の機能毎の評価をそのつど実施した。
[初期曇価、耐磨耗性]
JIS−R3212における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ100回転させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定した。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4ケ所で行い、平均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験前曇価)の値(%)を示す。
[耐候性]
サンシャインウエザーメータを用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥48分のサイクルで1000時間暴露後、外観の評価を行った。
[基材]
厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)。
[例1]
ペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分20重量%、数平均分子量M≒700、東燃社製商品名「V120」)100gに2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンを0.60g添加し、さらに2−(2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(以下HMBという)2.0gを添加して室温で窒素雰囲気下60分撹拌して被覆用組成物(以下、塗工液1という)を得た。
そして、基材にバーコータを用いてこの塗工液1を塗工(ウエット厚み3μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2(波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同じ)の紫外線を照射し、膜厚0.6μmの透明硬化物層を形成した。このサンプルについて前記測定を行った。
一方、石英ガラス上に同様にして透明硬化物層を形成したサンプルについて、紫外部の光スペクトルを測定したところ380nm以下の光がすべて吸収されていた。
[例2](紫外線吸収剤の比較例)
HMBの代わりに2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールを用いた(この被覆組成物を以下、塗工液2という)以外は例1と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を行った。
一方、塗工液2を石英ガラス上に同様にして透明硬化物層を形成したサンプルについて、紫外部の光スペクトルを測定したところ380nm以下の光がすべて吸収されていた。
[例3]
HMB2.0gの代わりに2,2,6,6−テトラメチル−4−(2−メタクリロイルオキシエチル)ピペリジン(以下、TMPという)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
[例4](光安定剤の比較例)
TMPの代わりにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートを用いた以外はすべて例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
[例5]
HMB2.0gの代わりに酢酸銅のメタクリル酸配位錯体1gを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて赤外部の光スペクトルを測定したところ、耐候試験前後共に700〜950nmの光が効果的に吸収されていた。
[例6](赤外線吸収剤の比較例)
酢酸銅のメタクリル酸配位錯体の代わりに銅フタロシアニンを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて赤外部の光スペクトルを測定したところ、耐候試験前は700〜800nmの光が効果的に吸収されていたが、耐候試験後は700〜800nmの吸収ピークがほとんど消失していた。
[例7]
有機基含有ヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分20重量%、M ≒700、東燃社製商品名「V720」)100gにHMBを添加し、さらに2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(以下、BMAという)0.4gを添加して室温で窒素雰囲気下60分撹拌して被覆用組成物(以下、塗工液3という)を得た。
そして、基材にバーコータを用いてこの塗工液3を塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cmの紫外線を照射し、膜厚1.2μmの透明硬化物層を形成した。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルを120度のオーブンに1ケ月保持する耐熱試験を実施したところ、外観変化は全く見られなかった。
[例8](酸化防止剤の比較例)
BMAの代わりに2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を用いた以外は例7と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルを120度のオーブンに1ケ月保持する耐熱試験を実施したところ、硬化被膜が黄変していた。
[例9]
HMB2.0gの代わりに2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3−メチルベンゾキサゾリウムヨージド(以下DMIという)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
このサンプルについて耐候試験前後の色差を測定したところ、X、Yともに0.01以下であった。
[例10](染料の比較例)
DMIの代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないニトロ染料であるナフトールイエローSを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
このサンプルについて耐候試験前後の色差を測定したところ、X、Yともに0.1以上であった。
[例11]
HMBの代わりにポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(分子量1000)(以下POMという)1gを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて耐候試験前後の表面固有抵抗を測定したところ、耐候試験前は1.5×1011Ω、耐候試験後は2.3×1011Ωであった。
[例12](帯電防止剤の比較例)
POMの代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないポリオキシエチレングリコール(分子量1000)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて耐候試験前後の表面固有抵抗を測定したところ、耐候試験前は1.3×1011Ω、耐候試験後は>1013Ωであった。
[例13]
HMBの代わりに含フッ素化合物C17OCOCH=CHを1g用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
耐候試験前後の水に対する接触角を測定したところ、耐候試験前は105度、耐候試験後は102度であった。
[例14](撥水性付与剤の比較例)
例13の含フッ素化合物の代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないパーフルオロヘキサンを用いた以外は例13と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
耐候試験前後の水に対する接触角を測定したところ、耐候試験前は90度、耐候試験後は70度であった。
Figure 0004293277

Claims (2)

  1. ペルヒドロポリシラザン、ラジカル反応性官能基を有する下記機能性添加剤および波長300〜390nmの紫外線の照射により活性ラジカルを生成する光開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
    機能性添加剤:紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、染料、帯電防止剤および撥水剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤。
  2. 請求項1記載の硬化性組成物に波長300〜390nmの紫外線を照射することにより該組成物を硬化させることを特徴とする硬化方法。
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