JP4293277B2 - 硬化性組成物およびその硬化方法 - Google Patents
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Description
すなわち、PVD法およびCVD法は装置が高価であり、ゾル−ゲル法は焼成温度が500℃以上と高い。ポリチタノカルボシラン系塗料は低温焼成(400℃以下)における表面強度が不充分である。ポリ(ジシル)シラザン系塗料は施工が難しくクラックが発生しやすい。ポリシラザン系塗料およびポリメタロシラザン系塗料は200〜500℃で焼成できるが、300℃未満の焼成では膜質が必ずしも良好でない。
機能性添加剤:紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、染料、帯電防止剤および撥水剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤。
具体的な機能性添加剤としては以下の化合物が好ましい。
撥水剤としては、ポリフルオロアルキル部位を有する(メタ)アクリルエステル、ポリフルオロアルキル部位とメルカプト基とを分子内に有する化合物等。
機能性添加剤の添加量は、ペルヒドロポリシラザン100重量部に対して0.01〜100重量部、特に0.1〜50重量部が好ましい。
活性ラジカルがペルヒドロポリシラザンの硬化反応を加速する理由は、該ラジカルがケイ素上の水素をラジカル的に引き抜き、生じたケイ素ラジカルが分子状の酸素と反応することでシリカが形成される。さらに、ペルヒドロポリシラザンの硬化反応と競争的に、生じたケイ素ラジカルが機能性添加剤のラジカル反応性官能基へと連鎖移動し、機能性添加剤がペルヒドロポリシラザンの硬化物であるシリカマトリクスに組み込まれると考えられる。
光開始剤としては、アリールケトン系光開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など)、含イオウ系光開始剤(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、アシルホスフィンオキシド系光開始剤、ジアシルホスフィンオキシド系光開始剤、その他の光開始剤がある。特に、アシルホスフィンオキシド系光開始剤およびジアシルホスフィンオキシド系光開始剤の使用が好ましい。また、光開始剤はアミン類などの光増感剤と組み合わせて使用することもできる。具体的な光開始剤としては、たとえば以下のような化合物がある。
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド。
硬化性組成物をコーティング材として用いる場合、それが適用される基材としては特に限定されず、ガラス、金属、セラミックス、プラスチックス等のいずれでもよい。コーティング方法としては通常の塗布方法を用いることができ、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り等が用いられる。また、塗布前に基材をヤスリがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理すると硬化性組成物の付着性能が向上する。
例1〜14についての各種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その結果を表1に示した。
また各種機能性添加剤の機能毎の評価をそのつど実施した。
[初期曇価、耐磨耗性]
JIS−R3212における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ100回転させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定した。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4ケ所で行い、平均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験前曇価)の値(%)を示す。
[耐候性]
サンシャインウエザーメータを用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥48分のサイクルで1000時間暴露後、外観の評価を行った。
[基材]
厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)。
ペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分20重量%、数平均分子量Mn≒700、東燃社製商品名「V120」)100gに2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンを0.60g添加し、さらに2−(2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(以下HMBという)2.0gを添加して室温で窒素雰囲気下60分撹拌して被覆用組成物(以下、塗工液1という)を得た。
一方、石英ガラス上に同様にして透明硬化物層を形成したサンプルについて、紫外部の光スペクトルを測定したところ380nm以下の光がすべて吸収されていた。
HMBの代わりに2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールを用いた(この被覆組成物を以下、塗工液2という)以外は例1と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を行った。
一方、塗工液2を石英ガラス上に同様にして透明硬化物層を形成したサンプルについて、紫外部の光スペクトルを測定したところ380nm以下の光がすべて吸収されていた。
HMB2.0gの代わりに2,2,6,6−テトラメチル−4−(2−メタクリロイルオキシエチル)ピペリジン(以下、TMPという)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
TMPの代わりにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートを用いた以外はすべて例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
HMB2.0gの代わりに酢酸銅のメタクリル酸配位錯体1gを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて赤外部の光スペクトルを測定したところ、耐候試験前後共に700〜950nmの光が効果的に吸収されていた。
酢酸銅のメタクリル酸配位錯体の代わりに銅フタロシアニンを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて赤外部の光スペクトルを測定したところ、耐候試験前は700〜800nmの光が効果的に吸収されていたが、耐候試験後は700〜800nmの吸収ピークがほとんど消失していた。
有機基含有ヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分20重量%、Mn ≒700、東燃社製商品名「V720」)100gにHMBを添加し、さらに2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(以下、BMAという)0.4gを添加して室温で窒素雰囲気下60分撹拌して被覆用組成物(以下、塗工液3という)を得た。
またこのサンプルを120度のオーブンに1ケ月保持する耐熱試験を実施したところ、外観変化は全く見られなかった。
[例8](酸化防止剤の比較例)
BMAの代わりに2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を用いた以外は例7と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルを120度のオーブンに1ケ月保持する耐熱試験を実施したところ、硬化被膜が黄変していた。
HMB2.0gの代わりに2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3−メチルベンゾキサゾリウムヨージド(以下DMIという)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
このサンプルについて耐候試験前後の色差を測定したところ、X、Yともに0.01以下であった。
DMIの代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないニトロ染料であるナフトールイエローSを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
このサンプルについて耐候試験前後の色差を測定したところ、X、Yともに0.1以上であった。
HMBの代わりにポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(分子量1000)(以下POMという)1gを用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて耐候試験前後の表面固有抵抗を測定したところ、耐候試験前は1.5×1011Ω、耐候試験後は2.3×1011Ωであった。
POMの代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないポリオキシエチレングリコール(分子量1000)を用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
またこのサンプルについて耐候試験前後の表面固有抵抗を測定したところ、耐候試験前は1.3×1011Ω、耐候試験後は>1013Ωであった。
HMBの代わりに含フッ素化合物C8F17C2H4OCOCH=CH2を1g用いた以外は例1と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
耐候試験前後の水に対する接触角を測定したところ、耐候試験前は105度、耐候試験後は102度であった。
例13の含フッ素化合物の代わりに分子内にラジカル反応性官能基を持たないパーフルオロヘキサンを用いた以外は例13と同様にした。このサンプルについて前記測定を行った。
耐候試験前後の水に対する接触角を測定したところ、耐候試験前は90度、耐候試験後は70度であった。
Claims (2)
- ペルヒドロポリシラザン、ラジカル反応性官能基を有する下記機能性添加剤および波長300〜390nmの紫外線の照射により活性ラジカルを生成する光開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
機能性添加剤:紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、染料、帯電防止剤および撥水剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤。 - 請求項1記載の硬化性組成物に波長300〜390nmの紫外線を照射することにより該組成物を硬化させることを特徴とする硬化方法。
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