以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電子カメラの回路システム構成を示すブロック図である。図1は、一眼レフの電子スチルカメラを例にして用いている。本発明は、電子スチルカメラだけでなく、ビデオカメラ、カメラ付携帯電話、カメラ付情報通信端末等にも適用することが可能である。
電子カメラには、カメラ全体を制御する制御回路10が設けられている。制御回路10は、各制御部を制御することで、各種機能やメニュー、操作方法を実現することができる。本実施形態の電子カメラでは、ユーザ毎に設定されてユーザ仕様設定メモリ80に記憶された仕様設定に関する情報に応じて、各種機能やメニュー、操作方法についての仕様設定を行う。
制御回路10は、入力回路12を通じて各種入力デバイスから入力される指示に応じて、各種機能の制御や設定等を実行する。入力回路12は、例えばシャッタ半押しスイッチ13、シャッタスイッチ14、ダイアル15、カーソルキー16、その他入力部17、座標入力部55(タッチパネル)等からの入力を制御回路10に通知する。
制御回路10は、絞り制御部24、シャッタ制御/ミラー制御部25、ズーム制御部26、焦点制御部27、測距制御部37、露出制御部38、フラッシュ制御部70等を通じて撮影動作を制御する。絞り制御部24は、撮影レンズ20(交換レンズ)のレンズ光学系21に設けられた絞り22を制御し、ズーム制御部26及び焦点制御部27は、それぞれレンズ駆動部28、レンズ駆動部29を通じてレンズ位置を駆動制御する。シャッタ制御/ミラー制御部25は、ハーフミラー30の角度制御及びシャッタ34を開閉駆動を制御する。
レンズ光学系21、絞り22を通じて受光される被写体の光は、ハーフミラー30、ペンタプリズム31などを通じて光学ファインダ32に導入される。また、被写体の光は、タイミング発生部41及びドライバ42による走査駆動制御に従いCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子40によって光電変換され、サンプルホールド(S&H)/オートゲインコントローラ(AGC)44、A/D回路45を通じてデジタルデータ化されて入力される。
制御回路10は、撮影時では、A/D回路45を介して入力されるデジタルデータに対して画像信号処理部57によりデータ圧縮等の処理を施して、画像メモリ(半導体メモリ)58に撮影画像として記録する。また、制御回路10は、撮像系(シャッタ34〜A/D回路45)を通じて入力される画像データを表示メモリ50に記録し、表示メモリ50に記録された画像データに基づいた表示を表示駆動部52によりタッチパネル/表示モニタ54(タッチパネル54a、表示モニタ54b(LCDモニタ))において表示させて、電子ファインダとして画像をリアルタイムに表示する。
測距制御部37及び露出制御部38は、レンズ光学系21、ミラー35a,35bを介して入力される光をもとにした測光測距検出部36による測光、測距に応じた測距制御、露出制御をそれぞれ実行する。
フラッシュ制御部70は、制御回路10の制御により、シャッタスイッチ14に対するシャッタ操作に応じて、フラッシュ駆動部72によりフラッシュ73を閃光駆動させる。フラッシュ駆動部72は、ストロボ駆動が設定されている場合に、電源駆動部75を介して電池78からの電力を図示せぬフラッシュ用大容量コンデンサに充電させた上でフラッシュ73を閃光駆動する。
また、制御回路10は、外部I/Oインタフェース60を通じて外部接続コネクタ61に接続された外部の機器、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、プリンタ機器、他の電子カメラとの間で、画像メモリ58に記録された画像データの転送などの通信を実行することができる。また、カードインタフェースI/F62を通じて、図示せぬメモリスロットを通じて装着される着脱式の外部メモリ63に対して画像データを記録し、また外部メモリ63に記録された画像データを読み出して画像メモリ58に記録する。
また、制御回路10は、外部I/Oインタフェース60を介してだけでなく、無線通信/LANインタフェース65を通じて、ベースバンド部66、送受信部67、及びアンテナ68により無線通信によって他の機器との間で画像データ等の送受信をすることができる。
制御回路10は、電源スイッチ76による操作により起動される。制御回路10は、電源駆動部75を通じて電池78から供給される電力を制御する。
図1に示す構成では、撮像素子40を利用して被写体を電子撮影し、画像メモリ58や着脱式の外部メモリ63に記録し、撮影された画像を内蔵されたタッチパネル/表示モニタ54や、あるいは外部I/Oインタフェース60(外部接続コネクタ61)または無線通信/LANインタフェース65(送受信部67、ベースバンド部66)を介して接続される外部の機器(パーソナルコンピュータ、プリンタ等)で再生出力できるようにしている。
また、測光測距検出部36により測光して露出条件や絞りの開閉量や、シャッタ速度、ホワイトバランスや撮像感度などを自動調整したり、PSD(Position Sensitive Detector)センサなど測距センサにより被写体との距離に合わせてレンズ位置を自動的に駆動制御するオートフォーカス機構や、多焦点のズームレンズ駆動機構を実現することができる。
図2は、本発明の実施の形態におけるユーザ別仕様設定をする場合の基本構成部のみを抽出したブロック図を示している。図2に示すように、制御回路10には、各機能制御部10a、操作入力部10b、ユーザ識別部10c、及びユーザ別カスタム仕様設定部10dが設けられる。
各機能制御部10aは、操作入力部10b及び入力回路12を通じて、各種の入力デバイスをユーザが操作することにより入力される指示に応じて各種機能を制御する。
操作入力部10bは、入力回路12からの各種入力デバイスからの入力を制御し、各機能制御部10aに通知する。
ユーザ識別部10cは、入力回路12からの各種入力デバイスからの入力に応じて、ユーザ別仕様設定の対象とするユーザを識別する。ユーザ識別部10cは、予め決められたタイミング、例えば電源スイッチ76が押された直前(あるいは直後)の入力、または複数の入力デバイスが同時操作(あるいは決められた順番による操作)されたことによる入力をもとにして対象ユーザを識別することができる。
ユーザ別カスタム仕様設定部10dは、ユーザ識別部10cによって識別された対象ユーザについて、入力回路12を通じて入力される各種入力デバイスからの指示に応じて、ユーザ仕様設定メモリ80に仕様設定に関する情報、すなわち各種仕様のそれぞれについての設定内容についての設定値のデータ(詳細については後述する(図4参照))を記憶させる。また、ユーザ別カスタム仕様設定部10dは、ユーザ識別部10cによって識別された対象ユーザに対応する仕様設定に関する情報を選択して、各機能制御部10aに提供して各機能部を制御させる。
各機能制御部10aは、ユーザ別カスタム仕様設定部10dによって選択された仕様設定に関する情報に応じて、各制御部に対して仕様設定することでユーザ別の仕様を提供する。
なお、この場合、ユーザ仕様設定メモリ80には、図2に示すように、ユーザ別(ユーザA、ユーザB、…)に、複数の使用の項目(項目1、項目2、…)のそれぞれについて設定値のデータ(仕様1a、仕様2a、…)が記憶される。
図3は、本発明の実施の形態におけるユーザ別仕様設定をする場合の構成部のみを抽出したブロック図を示している。図3に示すように、制御回路10は、各機能制御部10a、操作入力部10b、ユーザ識別部10c、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10e、質問選択肢出力部10f、回答入力部10g、及びユーザ特性識別部10hが設けられている。なお、図2に示すブロック図と同様の構成部分については同一符号を付して説明を省略する。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、ユーザ識別部10cによって識別された対象ユーザについて、入力回路12を通じて入力される各種入力デバイスからの指示に応じて、ユーザ仕様設定メモリ80に仕様設定に関する情報、すなわち各種仕様のそれぞれについての設定内容についての設定値のデータ(詳細については後述する(図4参照))を記憶させる。ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、第1及び第2実施形態では、質問選択肢出力部10fにより出力された質問に対して回答入力部10gにより入力された回答に応じて仕様設定に関する情報をユーザ仕様設定メモリ80に記憶させる。また、第3実施形態では、ユーザ特性識別部10hによって判別されるユーザの特性を表す複数の分類それぞれに対応する仕様設定に関する情報をユーザ仕様設定メモリ80に記憶させる。また、ユーザ別カスタム仕様設定部10dは、ユーザ識別部10cによって識別された対象ユーザに対応する仕様設定に関する情報を選択して、各機能制御部10aに提供して各機能部を制御させる。
質問選択肢出力部10fは、ユーザ別の仕様設定に関する情報を記録するために、表示駆動部52により表示モニタ54bにおいて、質問と、この質問に対する回答選択肢を表示させる。第1実施形態では、撮影用途についての質問と同質問に対する回答選択肢を表示出力させ、第2実施形態では、カメラに対する好みについての質問と同質問に対する回答選択肢を出力する。第3実施形態では、アンケートの形式によって複数の質問と同回答に対する回答選択肢(この場合、回答選択肢としては「Yes/No」「1〜4」など)を出力する。
回答入力部10gは、質問選択肢出力部10fによって表示出力された質問に対して、各種入力デバイスを用いて指定された回答選択肢を入力する。
ユーザ特性識別部10hは、第3実施形態において、回答入力部10gによって入力された回答選択肢をもとにユーザの特性を表す分類を判別する。
ユーザ仕様設定メモリ80には、仕様設定に関する情報として、ユーザ別の撮影用途(第1実施形態)、あるいはカメラに対する好み(第2実施形態)についての質問に対する回答選択肢のそれぞれに対応する仕様設定に関する情報が記憶される。また、ユーザに対する質問(アンケート)に対する回答に応じて判別されるユーザ特性の分類それぞれに対応する仕様設定に関する情報が記憶される(第3実施形態)。
図4は、本実施形態における電子カメラがユーザからの指示に応じて設定(カスタマイズ)できる仕様と設定値の具体例について示す図である。
例えば、電子カメラでは、設定可能な仕様として、「メモリカード未装填時のレリーズ操作」「LCDモニタの表示」「撮影画像の確認表示」…等についての設定が可能となるように構成されている。例えば、「メモリカード未装填時のレリーズ操作」については「禁止する」(設定値=0)、「許可する」(設定値=2)が設定可能であり、「LCDモニタの表示」については「自動パワーオフ」(設定値=0)、「オン」(設定値=1)、「オフ」(設定値=2)が設定可能である。その他の仕様の項目についてもそれぞれ複数の設定が可能となっている。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、「カメラの撮影用途」についての質問と回答選択肢を表示し、回答入力を要求して、ユーザに選択させることで、入力した回答に応じてメニューや操作仕様などをユーザ別の仕様に自動設定するための仕様設定に関する情報をユーザと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に設定する。
質問と回答入力は、例えば電源ON直後の起動画面などで行い、一度設定した後は、対象ユーザの指定だけで、自動的にそのユーザに該当する登録された仕様設定に関する情報(カスタム仕様)を読み出して、カメラの機能や操作仕様やメニュー表示項目などを、該当するカスタム仕様に自動的に設定し、ユーザ毎の撮影用途に適した仕様でカメラを利用できるようにする。
図5は、第1実施形態におけるユーザ別の仕様設定の制御を説明するためのフローチャートである。ここでは、図3に示すブロック図を参照しながら説明する。
まず、制御回路10は、入力回路12を通じて入力操作を受け付けると(ステップA1)、この入力操作が予め決められた特定の入力操作であるかを判別する(ステップA2)。例えば電源スイッチ76やMENUスイッチ(図示せず)を押す直前あるいは直後のスイッチ操作であるか、または予め決められた複数(例えばシャッタ、Play/Rec、カーソルキー等)の入力デバイスに対する同時操作(スイッチの同時押しなど)であるかを判別する。つまり、操作入力部10bは、入力デバイスを用いた、仕様設定の対象とするユーザや、ユーザ別に設定済みの仕様設定を選択するための入力操作が行われたかを判別する(ステップA3)。
なお、入力デバイスに対する同時操作だけでなく複数の入力デバイス、好ましくは3個あるいは4個の入力デバイス(例えば、電源スイッチ76、MENU、シャッタ、Play/Rec、カーソルキー等)を予め決められた特定の順序で指定する入力操作としてもよい(2つの入力デバイスを対象として場合には誤操作の可能性が高くなるため)。このように、特定の入力操作によってユーザ(あるいは仕様設定)を指定することで、スイッチの追加やパスワード入力なしで、ユーザ指定や仕様選択を簡単に行うことができる。
例えば、電子カメラが家族(父、母、兄、妹)で共用されている場合、カーソルキーの上キーを押したまま電源スイッチ76が押されると、ユーザA(お父さん)が指定されたものと判別する。同様に、カーソルの右キーを押したまま電源スイッチ76を押すとユーザB(お母さん)の指定、左キーを押したまま電源スイッチ76を押すとユーザC(お兄さん)の指定、下キーを押したまま電源スイッチ76を押すとユーザD(妹)の指定がされたものとして判別する。
ユーザ識別部10cは、入力回路12から入力される入力操作が、ユーザ(あるいは設定済みの仕様設定)を指定する場合、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eに通知する。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、指定されたユーザについての仕様設定に関する情報がユーザ仕様設定メモリ80に設定済みであるか確認する(ステップA4)。
ここで、例えば、ユーザ選択して電源ONする入力操作であった場合、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、仕様設定に関する情報の新規登録であると判別し(ステップA4、No)、質問選択肢出力部10fにより仕様設定のための質問とこの質問に対する回答選択肢を表示出力させる(ステップA5)。
なお、起動画面で「カスタマイズ仕様で利用しますか?」「カスタマイズ仕様の設定をしますか?」「設定を解除しますか?」などの選択肢を表示出力して選択させ、この選択に従って動作するようにしても良い。また、前述した説明では、初めにユーザ指定をさせているが、以下に説明する仕様設定の登録手順の中でユーザ指定のためのスイッチ操作(複数の入力デバイスに対する操作)を受け付けるようにしてもよい。
第1実施形態では、質問選択肢出力部10fは、撮影用途についての質問と同質問に対する回答選択肢を表示出力させる。例えば、図6(a)に示すように、質問Q1として「何を撮影することが多いですか」「カメラをどのように利用しますか?」を表示させると共に、この質問に対する複数の回答選択肢「A1〜A4」を表示させる。図6(a)に示す例では、「A1.旅行や家族の記念写真のみ。」「A2.気軽に人物や街のスナップ写真を撮る。」「A3.個人ホームページに掲載したり、他人に公開する。」「A4.作品として発表したり、仕事として利用する。」の回答選択肢が用意されている。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、質問選択肢出力部10fによって表示される各回答選択肢に対して、回答選択肢のそれぞれに対応する仕様設定に関する情報を用意している。
例えば、「A1.旅行や家族の記念写真のみ。」の回答選択肢に対しては、初心者用にシャッタを押して撮影する機能に徹した、フルオートの単純機能で簡単操作の仕様設定(→初心者用、簡単操作)、「A2.気軽に人物や街のスナップ写真を撮る。」の回答選択肢に対しては、クイック操作で撮影条件の設定や構図選択も機動性にできる仕様設定(→機動性優先、クイック操作/カスタム操作)、「A3.個人ホームページに掲載したり、他人に公開する。」の回答選択肢に対しては、画質優先の標準操作の仕様設定(→画質優先、標準操作)、「A4.作品として発表したり、仕事として利用する。」回答選択肢に対しては、画質優先の詳細操作の仕様設定(→画質優先、詳細操作/カスタム操作)を示す情報が用意されている。
図7(a)には、質問Q1に対する回答選択肢(A1〜A4)に対して設定される、撮影用途別のユーザ仕様設定の内容を示している。図7(a)に示すように、ユーザ仕様設定では、機能仕様、操作仕様、カスタム仕様、その他、…についての設定内容が決められている。例えば、機能仕様では、初心者用、ヘビーユーザ用、一般用、プロ/業務用などのカスタム仕様が用意されており、回答選択肢に応じたユーザカスタム仕様が設定されている。
図8には、図7(a)に示すユーザカスタム仕様ごとに決められた仕様の項目(図4参照)のそれぞれについての設定値を示している。例えば、機能仕様についてのカスタム仕様(初心者用)に対しては、仕様の項目「ボタン操作照明の設定」「スポット測光設定」「手ぶれ防止機能」についての設定値のみが「1」であり、その他の仕様の項目については設定値を「0」とすることで決められている。同様にして、機能仕様のカスタム仕様2(一般用)、カスタム仕様3(プロ用)…などのそれぞれについて、仕様の項目についての設定値が決められている。また、操作仕様(簡易操作、クイック操作、フル操作…)、カスタム仕様、その他についても、同様にして各仕様の項目についての設定値が決められているものとする。
なお、図8に示すように、ユーザからの仕様設定の指示がない場合などに用いられるデフォルト仕様についても、各仕様の項目についての設定値が定義されているものとする。
回答入力部10gは、質問選択肢出力部10fによって表示出力された質問に対する回答、すなわち複数の回答選択肢の何れかの指定(選択)を入力する(ステップA6)。
ここで、回答入力部10gにより有効な回答が得られなかった場合(無効回答または未回答)、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、登録(設定)作業を解除する、または図8に示すようなデフォルト仕様に設定する(ステップA8)。なお、デフォルト仕様に設定するだけでなく、前回の起動時に指定されたユーザの仕様設定を行うようにしても良い。
一方、有効な回答が得られた場合(ステップA7、Yes)、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、回答内容に従って、対応するカスタム仕様を該当するユーザと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に登録(設定)する(ステップA9)。また、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、該当キー操作を該当ユーザの選択操作として登録し(ステップA10)、ユーザ登録を終了する(ステップA11)。
そして、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、ユーザ仕様設定メモリ80に設定された該当ユーザ(ここでは新規登録されたユーザ)の仕様設定に関する情報を読み出して各機能制御部10aに提供する(ステップA12)。
各機能制御部10aは、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eから提供された仕様設定に関する情報をもとにして、カメラの各機能、メニュー表示、操作方法等を含む各制御部に対する仕様設定を行う(ステップA13)。これにより、ユーザ仕様の設定を終了する。
ところで、ステップA4において、指定されたユーザについての仕様設定に関する情報がユーザ仕様設定メモリ80に設定済みであると判別された場合(ステップA4、Yes)、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、ユーザ仕様設定メモリ80に設定された該当ユーザ(ここでは新規登録されたユーザ)の仕様設定に関する情報を読み出して各機能制御部10aに提供し、前述と同様にして各機能制御部10aにより各制御部に対して仕様設定を実行させる(ステップA12〜A14)。
なお、ステップA2において、入力操作が予め決められた特定の入力操作でないと判別された場合、ユーザ仕様に関係しない入力操作であれば(ステップA15、No)、各機能制御部10aは、該当する処理を実行させる(ステップA19)。
また、ユーザ仕様に関係する入力操作であれば(ステップA15、Yes)、各機能制御部10aは、ユーザ仕様が設定済みであれば、設定済みのユーザ仕様に従い、各入力操作を該当する機能、表示、操作等に割り当て(ステップA18)、該当処理を実行させる(ステップA19)。
また、ユーザ仕様設定メモリ80にユーザ仕様が設定されていない場合には、各操作をデフォルト仕様で割り当てて(ステップA17)、該当処理を実行させる(ステップA19)。
このようにして、第1実施形態では、電子カメラの撮影用途を簡易なQ&A画面で選択させ、選択入力された回答に合わせて、利用する機能や、メニューの表示項目やスイッチ操作仕様等を自動設定できるようにしたので、設定メニューで逐一設定したり、操作に習熟しなくても、ユーザの用途や嗜好、レベル、特性に合わせた機能仕様や操作仕様に、簡単にカスタマイズ設定できる。また、複数ユーザで共用する場合にも、個人毎の特性に合わせた操作環境を提供できる。
また、電源ONやMENUスイッチを押す直前や直後に押すスイッチ、または、同時押しするスイッチにより、設定済ユーザの指定やカスタマイズ仕様の選択をする、あるいは、特定のスイッチを押す順序で指定選択できるようにしたので、スイッチの追加やパスワード入力等なしに、ユーザの指定や登録済み仕様選択が簡単、かつ、迅速にできる利点がある。
さらに、メーカ側にとっても、仕様を複雑にしたり、コストを大幅に上げることなく、用途や嗜好、ユーザ特性の異なる広範なユーザに対して、利用できるユーザ層を広げ、あるいは、各ユーザ毎の用途や好みに適した使いやすい仕様の製品を提供できる利点がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、「カメラに対する好み」や「カメラに対する要求」、あるいは「カメラに対する習熟度」についての質問と回答選択肢を表示し、回答入力を要求して、ユーザに選択させることで、入力した回答に応じてメニューや操作仕様などをユーザ別の仕様に自動設定するための仕様設定に関する情報をユーザと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に設定する。
なお、第2実施形態は、第1実施形態におけるユーザに対して提示する質問とこの質問に対する回答選択肢が異なるだけで、その他の処理については図5に示すフローチャートと同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図5に示すフローチャートのステップA5において、質問選択肢出力部10fは、「カメラに対する好み」(あるいは要求)についての質問と回答選択肢を表示出力する。
例えば、図6(b)に示すように、質問Q2として「どんなカメラが好みですか?」「機械の操作に強いほうですか?」を表示させると共に、この質問に対する複数の回答選択肢「A1〜A4」を表示させる。図6(b)に示す例では、「A1.失敗なく簡単に撮れればよい。」「A2.機械操作には弱いが、色々撮りたい。」「A3.機動力が大事、素早く撮りたい。」「A4.画質や撮影条件にはこだわる。」「A5.多機能が好き、色々いじるのが楽しい。」の回答選択肢が用意されている。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、質問選択肢出力部10fによって表示される各回答選択肢に対して、回答選択肢のそれぞれに対応する仕様設定に関する情報を用意している。
例えば、「A1.失敗なく簡単に撮れればよい。」の回答選択肢に対しては、簡易機能、簡単操作、フルオート、フェイルセーフの仕様設定、「A2.機械操作には弱いが、色々撮りたい。」の回答選択肢に対しては、実用機能、簡単操作、標準オートの仕様設定、「A3.機動力が大事、素早く撮りたい。」の回答選択肢に対しては、実用機能、クイック操作、標準オートの仕様設定、「A4.画質や撮影条件にはこだわる。」の回答選択肢に対しては、撮影系フル機能、標準操作の仕様設定、「A5.多機能が好き、色々いじるのが楽しい」の回答選択肢に対しては、ファイル機能、ファイル操作、ファイルカスタム設定の仕様設定を示す情報が用意されている。
図7(b)には、質問Q2に対する回答選択肢(A1〜A5)に対して設定される、撮影用途別のユーザ仕様設定の内容を示している。図7(b)に示すように、ユーザ仕様設定では、機能仕様、操作仕様、自動制御、…についての設定内容が決められている。例えば、操作仕様では、簡単操作、クイック操作、標準操作、フル操作などのカスタム仕様が用意されており、回答選択肢に応じたユーザカスタム仕様が設定されている。
図8には、図7(b)に示すユーザカスタム仕様ごとに決められた仕様の項目(図4参照)のそれぞれについての設定値を示している。例えば、操作仕様についてのカスタム仕様(クイック操作)に対しては、仕様の項目「メモリカード未装填時のレリーズ操作」「シャッタボタン半押しによるAEロック」「シャッタスピード、絞り値の設定の操作」についての設定値のみが「1」であり、その他の仕様の項目については設定値を「0」とすることで決められている。同様にして、操作仕様の簡易操作、フル操作…などのそれぞれについて、仕様の項目についての設定値が決められている。また、機能仕様、自動制御等についても、同様にして各仕様の項目についての設定値が決められているものとする。
このようにして、第2実施形態では、第1実施形態における効果に加えて、「カメラに対する好み」や「カメラに対する要求」についての質問に対して、複数の回答選択肢から何れかを選択することで、その回答選択肢に適合するように簡単に仕様設定することができるようになる。
なお、前述した第1実施例では、カメラの撮影用途について回答選択肢から選択させ、第2実施例では、カメラに対する好みや要求を同様にして回答選択肢から選択回答させるようにしたが、ユーザのカメラの利用方法、撮影する対象またはユーザの嗜好や好みなどに関して、その他の質問項目や選択操作を設けたり、用途、被写体、利用機能、操作性などを項目別に質問したり、複数の質問や選択をさせて、回答や選択操作に合わせてメニューや操作を自動設定するようにしてもよい。
図9及び図10には電子カメラの外観と操作仕様の設定の一例を示している。
図9は、電子スチルカメラ/ビデオカメラの例を示す図である。図9に示すように、電子スチルカメラ/ビデオカメラには、例えばモードスイッチ17b、電子ダイアル17d、ダイアル15、ジョグダイアル17c、ボタン(1)17e、カーソルキー16(ONキー)、ボタン(2)17a、タッチパネル/表示モニタ54等が設けられている。
ユーザAに対しては、質問に対して選択した回答選択肢に応じて初心者用の操作仕様が設定され、同様にしてユーザBに対してはクイック操作、ユーザCに対してはフル仕様が設定されている。従って、ユーザA、ユーザB、ユーザCのそれぞれに応じて、各入力デバイスについて異なる操作仕様を設定することができる。
図10は、カメラ付携帯電話/カメラ付情報通信端末の例を示す図である。図10に示すように、カメラ付携帯電話/カメラ付情報通信端末には、例えば表示モニタ(1)96、表示モニタ(2)97、ボタン1,2、カーソルキー&ONキー98、カメラ切替えボタン(ボタンA)94、シャッタ(ボタンB)95等が設けられている。
ユーザAに対しては、質問に対して選択した回答選択肢に応じてメール優先+縦型カメラの操作仕様が設定され、同様にしてユーザBに対しては横型カメラ優先+通話が設定されている。従って、ユーザA、ユーザBのそれぞれに応じて、各入出力デバイスについて異なる操作仕様を設定することができる。この場合、電子カメラを縦型カメラあるいは横型カメラとして使用できるようにしているので、それぞれの使用形態において入出力デバイスの操作が容易となるように、操作使用を設定することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、ユーザのプロファイルに関して、アンケート形式で複数の質問を表示して、入力された回答群(例えばYes/No、選択肢を示す1〜4あるいは記号等)から、ユーザのプロファイルやユーザ特性を判別して、ユーザ特性に合わせた機能やメニュー画面などをユーザ別の仕様に自動設定するための仕様設定に関する情報をユーザと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に設定する。
質問と回答入力は、例えば電源ON直後の起動画面などで行い、一度設定した後は、対象ユーザの指定だけで、自動的にそのユーザに該当する登録された仕様設定に関する情報(カスタム仕様)を読み出して、カメラの機能や操作仕様やメニュー表示項目などを、該当するカスタム仕様に自動的に設定し、ユーザ毎の撮影用途に適した仕様でカメラを利用できるようにする。
図11は、第3実施形態におけるユーザ別の仕様設定の制御を説明するためのフローチャートである。なお、図11に示すステップB1〜B4、B17〜B21は、前述した第1及び第2実施形態において説明した図5に示すフローチャートのステップA1〜A4、ステップA15〜A19にそれぞれ対応し、同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
ここでは、第3実施形態に特徴的なステップB5〜B13の処理について説明する。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、仕様設定に関する情報の新規登録であると判別すると(ステップB4、No)、質問選択肢出力部10fにより仕様設定のための複数のアンケート(質問)を表示出力させる(ステップA5)。ここでは、アンケートに対する回答として、Yes/Noが指定されるものとする。
第3実施形態では、質問選択肢出力部10fは、ユーザのプロファイルやユーザ特性に対する複数のアンケート(質問)を表示出力させる。例えば、図12に示すように、アンケートQ1「外や街にでかけるのが好きなほうだ。」、Q2「スポーツや体を動かすのが好きだ。」、Q3「絵を描いたり、工作や手芸で何かを作るのが好きだ。」…のように、複数のアンケートを表示させる。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、質問選択肢出力部10fによって表示されるアンケートに対する回答をもとに判別される特性を表す分類(後述するクラスタ分類)のそれぞれに対応する仕様設定に関する情報を用意している。
回答入力部10gは、質問選択肢出力部10fによって表示出力された複数のアンケートに対する回答、すなわち各アンケートに対するYes/Noの何れかの指定(選択)を入力する(ステップB6)。
ここで、回答入力部10gにより有効な回答が得られなかった場合(無効回答または未回答)、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、登録(設定)作業を解除する、またはデフォルト仕様に設定する(ステップB8)。なお、デフォルト仕様に設定するだけでなく、前回の起動時に指定されたユーザの仕様設定を行うようにしても良い。
一方、有効な回答が得られた場合(ステップB7、Yes)、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、回答内容からユーザ特性を評価分析し、特性指標値を算出する(ステップB9)。そして、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、該当ユーザの特性指標値と既存クラスタの代表値との距離(差)を算出し、最も近いクラスタ分類を所属クラスタとして判定する(ステップB10)。
図13は、ステップB9における特性指標値の算出について説明するための図である。
図13(a)に示すように、複数のアンケートQ1,Q2…に対して「Yes」の回答をユーザ特性の指標値、例えば外向志向、自然志向、専門志向、情報志向、芸術志向、自律志向…に対する特性指標値に換算する(「+」値を追加する。回答が「No」の場合には「−」値)。例えば、アンケートQ1に対して「Yes」の回答があった場合には、外向志向と情報志向に対して「++」とし、アンケートQ2に対しては、同様にして、外向志向、自然志向、及び専門志向に対しては「+」、自律志向に対しては「++」とする。以下、同様にして、各アンケートに対する回答を該当する特性指標値に変換する。
そして、図13(b)に示すように、ユーザ特性の指標値(外向志向、自然志向、…)を集計して求める。すなわち、(+)計、(−)計、その差し引きの値を求める。図13(b)では、各ユーザについての各特性指標値の集計結果を示している。
図14は、ステップB10における所属クラスタの判定について説明するための図である。
図14では、例えば上方向が芸術志向、下方向が自律志向、左方向が情報志向、右方向が専門志向のユーザ特性の特性指標値が高いことを表し、既存クラスタ分類1〜5と代表値(図中「×」で表す)が定義されている。ここで、図13(b)に示すようにして求められた該当ユーザの特性指標値と既存クラスタ1〜5の代表値とのそれぞれ距離(差)を算出し、最も近いクラスタ分類を所属クラスタとして判定する。例えば、図14中に示すユーザAの特性指標値の場合には、クラスタ2の代表値との距離が最も近いので、クラスタ2を所属クラスタとして判定する。同様にして、ユーザBの特性指標値の場合には、クラスタ1の代表値との距離が最も近いので、クラスタ1を所属クラスタとして判定する。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、複数のアンケートについての回答をもとに判別されたユーザ特性を表すクラスタ分類が判定されると、所属クラスタに合わせたカスタム仕様を該当するユーザと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に登録(設定)する(ステップB11)。また、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、該当キー操作を該当ユーザの選択操作として登録し(ステップB12)、ユーザ登録を終了する(ステップB13)。
図15には、クラスタ分類に合わせたカスタム仕様の一例を示している。
例えば既存クラスタとして、「C1.初心者」「C2.写真マニア」「C3.HP志向」「C4.プロ志向」「C5.スナップ志向」…が定義されている。そして、各既存クラスタに対して、機能仕様、操作仕様、その他…のそれぞれに対する仕様設定が決められている。例えば「C1.初心者」のクラスタ分類に対しては、機能仕様については簡易機能、操作仕様については簡単操作、その他についてはフェイルセーフ…が決められている。
ここで、ユーザBが「C1.初心者」のクラスタ分類と判定された場合には、このクラスタ分類に対して定義された仕様設定に関する情報がユーザBと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に記憶される。同様にして、ユーザAが「C2.写真マニア」のクラスタ分類と判定された場合には、このクラスタ分類に対して定義された仕様設定に関する情報がユーザAと対応づけてユーザ仕様設定メモリ80に記憶される。
このようにして、第3実施形態では、第1及び第2実施形態における効果に加えて、アンケート式の簡単な複数の質問と回答入力から、ユーザのプロファイルや特性を判別して、ユーザ特性に適合するように簡単に仕様設定することができるようになる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、ユーザが実際に行った操作手順や操作頻度、撮影画像の履歴等の使用状況から、ユーザの特性を判別、評価、学習し、ユーザ特性に適したメニューや項目、表示順等に仕様設定の内容を順次更新する。
図16は、第4実施形態におけるユーザ別の仕様設定の制御を説明するためのフローチャートである。なお、図16に示すステップC1〜C4、C14〜C18、C11〜C13は、前述した第1及び第2実施形態において説明した図5に示すフローチャートのステップA1〜A4、ステップA15〜A19、A12〜A14にそれぞれ対応し、同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、仕様設定に関する情報の新規登録であると判別すると(ステップC4、No)、ユーザ仕様設定メモリ80に当該ユーザに対する仕様設定に関する情報として予め決められたデフォルト設定、あるいはユーザからの各種機能等に対する機能選択の指示に応じた選択仕様に初期設定する(ステップC5)。
また、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、該当ユーザについての履歴統計データを初期化する(ステップC6)。なお、履歴統計データは、例えばユーザ仕様設定メモリ80において記憶して管理するもので、ユーザの操作に伴う仕様状況、例えば入力操作についての操作頻度、各種機能の利用頻度、画像を撮影した際の撮影条件、撮影画像についてのデータが含まれる。
また、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、入力回路12を介して入力された入力操作(キー操作)を該当ユーザの選択操作として登録しておく(ステップC7)。これにより、ユーザ登録を終了する(ステップC8)。
一方、ステップC2において、入力操作が予め決められた特定の入力操作でないと判別された場合、各機能制御部10aは、ユーザ仕様に関係しない入力操作であれば(ステップC14、No)、該当する処理を実行させ(ステップC18)、また、ユーザ仕様に関係する入力操作であれば(ステップC14、Yes)、ユーザ仕様が設定済みであれば(ステップC15、Yes)、設定済みのユーザ仕様に従い、各入力操作を該当する機能、表示、操作等に割り当て(ステップC17)、該当処理を実行させる(ステップC18)。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、入入力操作に応じて、ユーザの操作頻度、機能の利用頻度の履歴統計データを更新する(ステップC19)。また、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、各機能制御部10aの制御により画像の撮影が行われたかを判別し(ステップC20)、画像の撮影が行われていた場合には、画像撮影を行う際に各機能に対して設定された仕様の内容を撮影条件データとして記録し、履歴統計データを更新する(ステップC21)。さらに、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、撮影画像のサイズ、撮影画像の輝度分布や画質関連データを記録し、履歴統計データを更新する(ステップC22)。
こうして、ユーザによる入力操作、あるいは画像撮影が実行された場合には、入力操作についての操作頻度、各種機能の利用頻度、画像を撮影した際の撮影条件、撮影画像についてのデータが履歴統計データとして順次記録されていく。
ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部10eは、指定されたユーザについての仕様設定に関する情報がユーザ仕様設定メモリ80に設定済みであった場合(ステップC4、Yes)、履歴統計データ(該当ユーザの各入力操作や機能の利用頻度、撮影条件、撮影画像データの画質関連データ等)をもとにユーザ特性を評価する(ステップC9)。
そして、評価した特性に合わせて、カスタム仕様を更新(仕様設定に関する情報を選択)し、該当ユーザについてユーザ仕様設定メモリ80に記憶された仕様設定に関する情報を登録(変更)する(ステップC10)。
このようにして、第4実施形態では、ユーザによる操作手順や機能の利用頻度、撮影条件や撮影画像の画質特性などを履歴統計データとして、その都度更新し、履歴統計データやその統計量からユーザの特性を順次再評価して、ユーザ特性に適した機能仕様や操作仕様、メニュー表示(表示項目や操作の表示順)等を自動的に更新するように仕様設定を変更するので、ユーザが特別な設定操作を行うことなく、簡単に使いやすい仕様設定を提供することができる。
なお、第4実施形態は、第1乃至第3実施形態の何れかと組み合わせて実行することも可能である。例えば、第3実施形態と組み合わせて実行する場合、履歴統計データとして記録されたデータを、アンケートに対する回答と同様にして扱うことでユーザ特性に対する分類を判定し、この判定された分類について定義された仕様設定に関する情報をユーザに対して設定する。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、撮影画像をDCFやDPOF規格等で記録する画像メモリ媒体に、カスタマイズ設定仕様、ユーザ特性等の仕様設定に関する情報を画像データと合わせて記録するものである。
図17は、第5実施形態における電子カメラ(デジタルカメラ機器100)と撮影画像を記録するための画像メモリ媒体(着脱式メモリ媒体163)、及び画像メモリ媒体に記録された撮影画像を出力する機器(再生機器200)を示すブロック図、図18はデジタルカメラ機器100の詳細な構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ機器100は、前述した第1乃至第4実施形態に示す電子カメラの機能を有しているものとする。図17では、制御回路110(制御回路10)、各機能制御部110a(各機能制御部10a)、操作入力部111(操作入力部10b、入力回路12を含む)、撮像系制御部114(図1に示す各撮像系制御部)、ユーザ仕様設定メモリ180(ユーザ仕様設定メモリ80)、及び着脱式メモリ媒体163(外部メモリ63)を示している。なお、各部の詳細については、第1乃至第4実施形態の説明に代えて省略する。
また、図18に示すように、制御回路110には、図3に示す制御回路10と同様の機能(110a〜110h)が設けられている(詳細な説明を省略する)。ただし、制御回路110には、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部110eの制御のもとで、カードインタフェース115を介して着脱式メモリ媒体163に対するアクセスを制御する外部メモリ制御部110jが設けられている。
着脱式メモリ媒体163は、ソケット(カードI/F62)により装着されることで、ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部110eにより外部メモリ制御部110j、カードインタフェース115を通じて、撮影画像データの他、各種情報についてのデータが記録される。着脱式メモリ媒体163は、図17(b)に示すように、コントローラ163a、画像メモリ163b、端子163cが設けられている。
第5実施形態では、着脱式メモリ媒体163に対して画像データと共に、同画像データが撮影された際のユーザ仕様設定メモリ180(ユーザ仕様設定メモリ80)に記憶されていた仕様設定に関するデータ(ユーザ仕様設定データ)、第3及び第4実施形態で説明した方法により判定したユーザ特性やクラスタ分類を示すデータ、あるいは画像情報(画像ファイル形式や画像フォーマット、画像サイズ、撮影日時、撮影者など)、さらには電子カメラ(デジタルカメラ機器100)の機器情報(メーカー名、機種名、機器の仕様情報など)等を記録する。なお、前述したデータの全てではなく選択的に必要とするデータを画像データと共に記録するようにしても良い。
再生機器200は、例えば他のデジタルカメラ(電子スチルカメラ/ビデオカメラ)、画像ビュアー、パーソナルコンピュータ、プリンタ機器等、画像を表示あるいは印刷して出力することができる機器である。
再生機器200の制御部210は、着脱式メモリ媒体163が装着されると、着脱式メモリ媒体163に記録された画像データを読み出して、図示せぬメモリに記録する。また、画像データと共に記憶されているユーザ仕様設定データやユーザ特性など、前述した各データをユーザ仕様設定メモリ280に記録する。
再生機能制御部285は、操作入力部212からの入力操作により画像の出力が指示されると、制御部210の制御のもとで、レンズ駆動部280に記録されたユーザ仕様設定データやユーザ特性などに応じて、機器の仕様や再生方法を自動的に設定する。そして、再生機能制御部285は、メモリに記録された画像データについて、画像再生出力部286により表示出力、あるいはプリンタ290により印刷出力する。
このようにして、第5実施形態では、画像を撮影する電子カメラにおいて設定された仕様設定に関する情報(ユーザ仕様設定データ)の他、ユーザ特性や分類、画像情報、機器仕様情報なとのデータを、画像データと共に可搬型のメモリ媒体に記録することで、画像データを再生出力する側の機器において、メモリ媒体から画像を読出し再生出力する際には、仕様設定を示す情報などをもとに機器の仕様や再生方法を自動的に設定することができるので、電子カメラで設定されたユーザの好みや特性に合わせた利用方法が容易に実現できる。
なお、前述した各実施形態の説明では、一眼レフ電子カメラ(図1)を対象にして説明しているが、ビデオカメラ、カメラ付携帯電話など、複数の仕様(機能)の設定が可能なカメラ機能が搭載された各種機器に対して適用することが可能である。
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…制御回路、10a,110a…各機能制御部、10b,110b…操作入力部、10c,110c…ユーザ識別部、10d…ユーザ別カスタム仕様設定部、10e,110e…ユーザ別/特性別カスタム仕様設定部、10f,110f…質問選択肢出力部、10g,110g…回答入力部、10h,110h…ユーザ特性識別部、110j…外部メモリ制御部、12…入力回路、13…シャッタ半押しスイッチ(SW)、14…シャッタスイッチ(SW)、15…ダイアル、16…カーソルキー、17…その他入力部、20…撮影レンズ、21…レンズ光学系、22…絞り、24…絞り制御部、25…シャッタ制御/ミラー制御部、26…ズーム制御部、27…焦点制御部、28,29…レンズ駆動部、30…ハーフミラー、31…ペンタプリズム、32…光学ファインダ、34…シャッタ、35a,35b…ミラー、36…測光測距検出部、37…測距制御部、38…露出制御部、40…撮像素子、41…タイミング発生部41、42…ドライバ、44…サンプルホールド(S/H)/オートゲインコントローラ(AGC)、45…A/D回路、50…表示メモリ、52…表示駆動部、54…タッチパネル/表示モニタ、55…座標入力部、57…画像信号処理部、58…画像メモリ、60…外部I/Oインタフェース、61…外部接続コネクタ、62…カードインタフェース(I/F)、63…外部メモリ、65…無線通信/LANインタフェース、66…ベースバンド部、67…送受信部、68…アンテナ、70…フラッシュ制御部、72…フラッシュ駆動部、73…フラッシュ、75…電源駆動部、76…電源スイッチ、78…電池、80…ユーザ仕様設定メモリ、90…撮影レンズ、91…光学ファインダ、92…ストロボ、94…カメラ切替えボタン、95…シャッタ、98…カーソルキー、100…デジタルカメラ機器、110…制御回路、114…撮像系制御部、120…光学系、163…着脱式メモリ媒体、180…ユーザ仕様設定メモリ、163a…コントローラ、163b…画像メモリ、163c…端子、200…再生機器、210…制御部、212…操作入力部、285…再生機能制御部、286…画像再生出力部、290…プリンタ。