JP4292787B2 - 中性点クランプ式pwmインバータ装置 - Google Patents

中性点クランプ式pwmインバータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ等の交流電動機の可変速駆動や系統連係をおこなうインバータ等の電力変換装置に関し、特に直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電動機の回転速度の制御を行うためにPWMインバータ制御装置が広く用いられている。一般的なPWMインバータ制御装置は、正、負の2レベル間で出力電圧を切り替えることにより交流電動機の制御を行っている。これに対して、発生する高調波成分を削減することを目的として、正、中間電位、負の3つのレベルの間で出力電圧を切り替える中性点クランプ式PWMインバータ制御装置が提案されている。
【0003】
このような中性点クランプ式PWMインバータ装置の一般的な構成を図5に示す。
【0004】
この図5に示された中性点クランプ式PWMインバータ装置は、コントローラ1と、電流検出回路2と、直流電源3と、平滑コンデンサ11、12と、スイッチング素子101〜112と、フリーホイールダイオード201〜212と、中間レベル出力用クランプダイオード301〜306とから構成されている。
【0005】
コントローラ1は、各スイッチング素子101〜112のゲートに入力されているゲート信号を制御することにより、各スイッチング素子101〜112のオン/オフのタイミングを制御している。電流検出回路2は、PWMインバータ制御装置からの出力電流の電流値を測定している。
【0006】
このPWMインバータ制御装置では、各相毎に4つのスイッチング素子が直列接続されていて、例えば4つのスイッチング素子101〜104により構成される回路においては、スイッチング素子101、102がオンされた場合、正の電圧が出力され、スイッチング素子102、103がオンされた場合、中間電位が出力され、スイッチング素子103、104がオンされた場合、負の電圧が出力される。
【0007】
以降の説明においては、スイッチング素子101〜112のうちの直列接続された4つのスイッチング素子の組を1相として、上側よりS1、S2、S3、S4とすると、上側2つのスイッチング素子S1とS2がオンしている状態を直流母線電圧のプラスレベルを出力するP状態、真中2つのスイッチング素子S2、S3がオンしている状態をコンデンサ分圧された中性点電圧を出力するO状態、下側2つのスイッチング素子S3、S4がオンしている状態を直流母線のマイナスレベルを出力するN状態として表現する。
【0008】
コントローラ1は、通常動作中においては各相の状態をそれぞれP、N、Oのいずれかの状態にすることによりモータへの出力電圧を制御している。
【0009】
表1に電圧ベクトルと、その時のスイッチング状態、中性点電位の変化を示す。
【0010】
【表1】
Figure 0004292787
また、スイッチング状態はU、V、Wの順に示していて、例えばOPNは、U相はO状態、V相はP状態、W相はN状態であることを表現している。
【0011】
一般的に表1の各電圧ベクトルを2次平面に書くと図6に示す様に書く事ができる。図6において、例えば、POOというベクトルと、ONNというベクトルは、出力に接続された負荷から線間電圧を見ると同じであるが、中性点電位をそれぞれ上昇させたり、下降させたりと、逆の作用を及ぼすベクトルであり、表1の中性点電位の変化に対応している。
【0012】
このような、中性点クランプ式PWMインバータ装置では、通常の動作状態の場合には、各スイッチング素子101〜112の両端には直流電源3の半分の電圧しか印加されない。そのため、各スイッチング素子101〜112の耐圧は直流電源3の電圧の半分の電圧しかなく、直流電源3の電圧VPNがそのまま両端に印加されると過電圧破壊を起こしてしまう。
【0013】
中性点クランプ式PWMインバータ装置では、中性点であるC点はフローティング状態であるため、この中性点に電流が流れ込むとその電位が上昇し、電流が流れ出すと電位が下降する。そのため、コンデンサ分圧によって作られた中性点電位VCN(C点の電位)は、負荷の電流とPWMスイッチングにより選択される電圧ベクトルの状態で変動し、かならずしも直流母線電圧VPNの2分の1にはならない。しかし、中性点電位が直流母線電圧VPNの2分の1の電圧から大きくずれると、コンデンサ11、12やスイッチング素101〜112に過電圧がかかり、寿命低下・破壊事故を招く恐れがある。
【0014】
そのため、従来は、特許文献1(中性点クランプ形インバータ)に開示されるように、中性点電位の異常を検出後、その時のコンデンサ中性点への電流の流れる方向から力行、回生を判断し、中性点電位を上昇、下降させるスイッチングパターンを選択して出力する方法が用いられてきた。しかし、この従来の方法では中性点電位を上昇、下降させるモードを単純に切り替えるのみであるため、中性点電位を安定に維持するには不十分である。
【0015】
また、図7に示すような回路を用いて中性点電位を検出して、中性点の電位が直流母線電圧VPNの2分の1となるような制御を行うものもあった。
【0016】
この図7に示した回路では、減算器71により、直流母線電圧の2分の1であるVref(VPNの2分の1)と、直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位VCNとの差を算出し、中性点電位制御回路72ではこの差がゼロとなるように、つまりVCNがVrefと一致するような中性点電位制御指令を生成して出力する。この中性点電位制御指令は、スイッチング素子101〜112を制御するためのコントローラ1に入力される。そして、中性点電位制御指令を入力したコントローラ1は、中性点電位を安定な方向へ制御するスイッチングパターンとなるようなゲート信号を生成して出力する。具体的には、出力するパルスの時間割合を変化させ、指令発生回路で計算されたベクトルとなるよう、パルス比を調整する。
【0017】
ここでは、中性点電位制御回路72は、前述したPWMスイッチングパターンの特性を生かし、中性点電位を上昇するパターン、下降させるパターンを組み合わせ、中性点電位の偏差量にあわせてそれぞれのパターンを出力する時間割合を変化させて制御を行っていた。
【0018】
しかし、このような従来の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、中性点電位の制御を行う場合、図8に示すようにPWM周期ta1、ta2中の出力電流が一定と仮定でき、そのため中性点電流の平均値も一定であるものと仮定して制御を行っていた。しかし、運転周波数が高く、キャリア周波数が低い場合、すなわち、運転の周期がキャリア周期に較べ十分に大きくない場合や、負荷が急変した場合、PWM周期中の出力電流が変動し中性点電流が一定とならず、そのため中性点電位が制御出来なくなるという問題があった。
【0019】
【特許文献1】
特開平8−331863号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、PWM周期中の出力電流は一定であるとの仮定の基に制御を行っているため、運転の周期がキャリア周期に較べ十分に大きくない場合や、負荷が急変した場合、PWM周期中の出力電流が変動し中性点電流が一定とならず、中性点電位の制御の精度が悪化するという問題を有している。
【0021】
本発明の目的は、運転周波数が高い等の理由によりPWM周期中で中性点電流が変動した場合でも、中性点電位を精度良く制御することができる中性点クランプ式PWMインバータ装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
中性点を流れる中性点電流の電流値を検出する中性点電流検出回路と、
前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の、中性点に流れ込む量と中性点から流れ出る量の差である中性点電流の偏差量に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラと
を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、PWM周期中の中性点電流の偏差を検出し、この偏差量に基づいて中性点電位の制御を行うようにしているので、PWM周期中で中性点電流が変動した場合でも、中性点電位を精度良く制御できる。
【0024】
また、本発明の他の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、中性点電流を直接する中性点電流検出回路の替わりに、ある特定のベクトルを出力した際に中性点に接続される相電流を検出することにより中性点電流の予測電流値を算出する中性点電流算出手段を備えるようにしてもよい。
【0025】
本発明によれば、中性点電流検出回路が不要となるため、回路構成の簡略化やコスト削減を図ることができる。
【0026】
さらに、本発明の他の中性点クランプ式PWMインバータ装置は、直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
中性点を流れる中性点電流の電流値を検出する中性点電流検出回路と、
中性点電位と直流母線電圧の2分の1の電圧である基準電圧との差を算出して、差電圧として出力する減算器と、
前記減算器により検出された差電圧が、予め設定された設定値以上となった場合に、中性点電位を制御するための指令を出力する中性点電位制御回路と、
前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の中性点電流の偏差量および前記中性点電位制御回路から出力された指令に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラとを備えたことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、PWM周期中の中性点電流の偏差量だけでなく、中性点電位の基準電圧からの変位量をも考慮して中性点電位制御指令を生成するようにしているので、より高精度の中性点電位制御を行うことができる。
【0028】
また、前記指令発生回路に、前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の中性点電流を用いて、PWM周期の前半分の期間における中性点電流の平均電流をIs、後半分の期間における中性点電流の平均電流をIeとした場合の、Ie/Isの値を中性点電位制御パラメータとして、電流の極性によって該中性点電位制御パラメータを前記中性点電位制御指令に乗算または除算する回路をさらに備えるようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置の構成を示すブロック図である。図1において、図5中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
【0031】
本実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置は、図1に示されるように、図5に示した中性点クランプ式PWMインバータ装置に対して、中性点電流検出回路4と、指令発生回路5を新たに設け、コントローラ1は、指令発生回路5により生成された中性点電位制御指令に基づいて、中性点電位を安定な方向へ制御するスイッチングパターンとなるようなゲート信号を生成して出力する。このコントローラ1が、中性点電位制御指令を入力して、中性点電位を安定な方向へ制御する方法は従来例で説明したのと同様な方法により行われる。
【0032】
中性点電流検出回路4は、中性点(C点)に流れる中性点電流Icの電流値を検出する。ここで、中性点電流Icは、C点から流れ出す方向を正(プラス)方向とし、C点に流れ込む方向を負(マイナス)方向とする。
【0033】
指令発生回路5は、中性点電流検出回路4により検出されたPWM周期中の中性点電流の偏差量に基づいて、中性点電位が直流母線電圧VPNの2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する。ここで、PWM周期中の中性点電流の偏差量とは、PWM周期中における中性点電流の正方向の電流量と負方向の電流量との差をいう。
【0034】
そして、本実施形態においてもコントローラ1は、この中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させる。
【0035】
指令発生回路5において行われる具体的な制御を下記の表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004292787
この表2のように、中性点電流Icを検出し、その割合が例えば、「+方向:−方向=6:4」であったなら、中性点電位はわずかに下降するため、「ap:an=6:4」、「bp:bn=6:4」というように、ap:an、bp:bnの割合を調整し、その指令を元に、ゲートを制御するコントローラ1で最終的なパルスの時間を制御する。
【0037】
指令発生回路5からの中性点電位制御指令の具体的な例としては、中性点電位制御パラメータαiという定数を設定し、ap:an、bp:bnの割合が等しい場合は0.5となるようなパラメータを用いることができる。
【0038】
【表3】
Figure 0004292787
例えば、「ap:an=6:4」、「bp:bn=6:4」となるように設定したい場合、指令発生回路5は、中性点電位パラメータαiを0.6と設定する。そして、この中性点電位制御パラメータαiを中性点電位指令として、ゲート制御を行うコントローラ1で最終的なパルスの時間が制御される。
【0039】
次に、本実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置の動作を図2、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
【0040】
中性点電流Icを直接検出して指令発生回路5に入力する場合、出力される電流がPWM周期の期間一定であれば、図2の点線で示すように中性点に流れ込む電流、流れ出す電流の平均値は一定である。これに対し、PWM周期中の負荷電流変動が大きくなると、apベクトル出力時の中性点電流Ic1とanベクトル出力時の中性点電流Ic2の比、又はbpベクトル出力時の中性点電流Ic3とbnベクトル出力時の中性点電流Ic4の比が変化し、中性点に流れ込む電流、流れ出す電流の平均値は一定とならず、期間ta1での平均値、期間ta2での平均値が変動してしまう。そのため図2の実線で示すように中性点電位の平均値が変動してしまう。そこで、本実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、中性点に流れ込む電流、流れ出す電流の平均値が一定となるようPWMパターンを制御する。その様子を図3に示す。
【0041】
図3に示すように、bp、apのパルス幅を狭め、bn、anのパルスを広げ、中性点に流れる電流の量を、平均的にゼロとなるような制御を行う。また、前回の周期中に変動した分を、次の周期で補うように計算して出力する。
【0042】
つまり、表1に示したように、図6中の同じ電圧ベクトルで2つのパターンが存在するため、その2つの時間配分を制御する事で、中性点電流の変動の平均値を一定とする事ができ、中性点電位の変動を抑制できる。
【0043】
また、PWM周期の前半分の期間における中性点電流の平均電流をIs、後半分の期間における中性点電流の平均電流をIeとした場合の、Ie/Isの値を中性点電位制御パラメータとして、電流の極性によってこの中性点電位制御パラメータを中性点電位制御指令に乗算または除算する回路を指令発生回路5に設けるようにすれば、より高精度な制御が実現できる。
【0044】
図2の場合を用いて説明すると、PWM周期の前半の期間ta1中の平均電流値Isはマイナス(コンデンサに電流が流れ込み、中性点電位が上昇する傾向になる)となり、その期間の中性点電位の平均値は、プラス側に偏っている。後半の期間ta2中の平均電流値Ieはプラス(コンデンサから電流が流れ出し、中性点電位が下降する傾向になる)となり、その期間の中性点電位の平均値は、マイナス側に偏っている。しかし、この2つの期間を比べてみると、図8に示す状態では、IsとIeは等しく、長い周期で見ると一定とみなせる。しかし、図3の場合には、IsとIeは等しくなく、長い周期で見ると、電流がマイナス方向へ変化し、中性点電位が徐々に上昇していることがわかる。そこで、この差を次の周期で安定状態へと戻すべく、図3に示すように、パルス幅を変化させ、中性点電位VCNを徐々に下降させて、平均値を安定状態へ変化させる。
【0045】
上述したように、中性点電流の変化の状態(急激に変化しているのか、それとも緩やかに変化しているのか)を考慮して、次の周期において急激に中性点を電位を安定に向かわせるべきなのか、緩やかでも大丈夫なのかを判定し、その指令を中性点電位制御指令としてコントローラ1に出力する。
【0046】
このように、中性点電流の変化状態および中性点電流の状態(安定させる方向か、不安点にする方向か)という状態をも加味することにより、高精度な中性点電位の制御を行うことができる。
【0047】
例えば、現在の状況が、「中性点電流の平均値がプラス方向へ急激に変化」していても、次の周期で検出した電流がマイナス方向へ変化させる電流であれば、中性点電位制御指令は緩やかにマイナス方法へ変化させるものとすることができる。また、逆に、「中性点電流の平均値がプラス方向へ緩やかに変化」していても、次の周期で検出した電流がプラス方向へ変化させる電流であれば、中性点電位制御指令はやや大きめにマイナス方向へ変化させるだけにすることができる。
【0048】
ここで、回路構成の簡略化やコスト削減のため、中性点電流検出回路4を設けずに、出力電流Iu(又はIv−Iw、もしくはPWMパターンによりそれら2つの出力電流を検出)を入力して中性点電流を予測演算する中性点電流算出手段を用いるようにしても良い。この場合、中性点電流算出手段は、an、bpベクトルを出力した際に中性点に接続される相電流のPWM周期開始時と終了時の電流比を用いて制御する。図3に示すように、PWM周期ta1開始時のbpベクトルによる中性点電流の値Ic3と、PWM周期ta1終了時のbnベクトルによる中性点電流の値Ic2を検出し、その比または差の絶対値が設定値以上になると、指令発生回路5は中性点電位の変動と中性点電流の変動を次のPWMキャリア周期ta2間で抑制するよう演算し、中性点電位制御指令を出力する。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置について説明する。
【0050】
上記で説明した第1の実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、検出した中性点電流の偏差量のみに応じて中性点電位制御指令を生成するものであったが、中性点電位自体の検出を行っていないため現在の中性点電位が直流電源3の電圧であるVPNの2分の1からどれくらいはずれているかは考慮されていなかった。そこで、本実施形態では、中性点電流の偏差量および中性点電位の基準電圧からのずれ量の両方に基づいて中性点電位制御指令を生成するようにしてより精度の高い中性点電位の制御を行うようにしたものである。
【0051】
本実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置は、図1に示した中性点クランプ式PWMインバータ装置に対して、指令発生回路5を、図4に示すような減算器17と、中性点電位制御回路16と、指令発生回路15に置き換えた構成となっている。
【0052】
減算器17は、中性点電位VCNと直流電源3の電圧VPNの2分の1の電圧である基準電圧Vrefとの差を算出して、差電圧Vdifとして出力する。
【0053】
中性点電位制御回路16は、減算器17により検出された中性点電位VCNと基準電圧Vrefの差電圧Vdifが、予め設定された設定値以上となった場合に、中性点電位を制御するための指令Sinを出力する。このSinも、αiと同様に、スイッチング状態の割合を制御しやすいように、Sin=1.0〜0.5〜0.0という範囲で設定すれば、例えば安定した状態では0.5、中性点電位VCNが基準電圧Vrefから10Vの下降していることが検出された場合0.1加算した0.6とし、中性点電位制御パラメータαiと同様に上昇作用のあるスイッチング状態の時間を長くするという動作を行う。
【0054】
指令発生回路15は、中性点電流検出回路4により検出されたPWM周期中の中性点電流の偏差量および中性点電位制御回路16から出力された指令に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する。
【0055】
指令発生回路15では、中性点電流Icに基づいて算出した中性点電位制御パラメータαiと、中性点電位制御回路16から入力された指令Sinの異なる2つの指令が存在することになるが、例えば中性点電位制御パラメータαiは中性点電位を上昇させる指令、Sinは中性点電位を下降させる指令だったとしても、それらの指令の割合によって最終的に中性点電位の上昇、下降を行うかが決定される。また、どちらの指令も中性点電位を上昇させる旨の指令だったとしても、それが急激に上昇させるべきか、ゆっくり上昇させるべきかを、2つの指令より判断することができる。
【0056】
尚、この中性点電位制御回路16は入力される差電圧Vdifの変化に応じて指令発生回路15へ指令Sinを出力するが、差電圧Vdifの大きさの他に差電圧Vdifの時間変化、運転周波数に対する変化等も考慮に入れた計算を行い、指令Sinを出力するようにしても良い。
【0057】
本実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置では、PWM周期中の中性点電流の偏差量だけではなく、中性点電位と基準電圧との差をも考慮して中性点電位の制御を行うようにしているので、より高精度な中性点電位の制御を行うことが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、中性点クランプ式PWMインバータ装置において、PWM周期中の中性点電流の偏差を検出し、この偏差量に基づいて中性点電位の制御を行うことにより、PWM周期中で中性点電流が変動した場合でも、中性点電位を精度良く制御できる中性点クランプ式PWMインバータ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置の構成を示す回路図である。
【図2】中性点電流が変動している場合の中性点電位の変動を表す図である。
【図3】中性点電位の変動を抑制するための制御を表す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の中性点クランプ式PWMインバータ装置において用いられる減算器17、中性点電位制御回路16、指令発生回路15を示す図である。
【図5】中性点クランプ式PWMインバータ装置の回路図である。
【図6】中性点クランプ式PWMインバータ装置のベクトル図である。
【図7】従来の中性点クランプ式PWMインバータ装置において中性点電位制御を行うための回路例である。
【図8】中性点電流がPWM周期中において一定である場合の中性点電位の変動を表す図である。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 電流検出回路
3 直流電源
4 中性点電流検出回路
5 指令発生回路
11、12 分圧コンデンサ
15 指令発生回路
16 中性点電位制御回路
17 減算器
71 減算器
72 中性点電位制御回路
101〜112 スイッチング素子
201〜212 フリーホイールダイオード
301〜306 クランプダイオード

Claims (5)

  1. 直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
    中性点を流れる中性点電流の電流値を検出する中性点電流検出回路と、
    前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の、前記中性点に流れ込む量と前記中性点から流れ出る量の差である中性点電流の偏差量に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
    前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラと、
    を備えたことを特徴とする中性点クランプ式PWMインバータ装置。
  2. 直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
    ある特定のベクトルを出力した際に中性点に接続される相電流を検出することにより中性点電流の予測電流値を算出する中性点電流算出手段と、
    前記中性点電流算出手段により算出された、前記中性点に流れ込む量と前記中性点から流れ出る量の差である中性点電流の偏差量に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
    前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラと、
    を備えたことを特徴とする中性点クランプ式PWMインバータ装置。
  3. 直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
    中性点を流れる中性点電流の電流値を検出する中性点電流検出回路と、
    中性点電位と直流母線電圧の2分の1の電圧である基準電圧との差を算出して、差電圧として出力する減算器と、
    前記減算器により検出された差電圧が、予め設定された設定値以上となった場合に、中性点電位を制御するための指令を出力する中性点電位制御回路と、
    前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の、前記中性点に流れ込む量と前記中性点から流れ出る量の差である中性点電流の偏差量および前記中性点電位制御回路から出力された指令に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
    前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラと、
    を備えたことを特徴とする中性点クランプ式PWMインバータ装置。
  4. 直流母線の正負間に直列に接続されたコンデンサの中性点電位を直流母線電圧の2分の1とする中性点クランプ式PWMインバータ装置において、
    ある特定のベクトルを出力した際に中性点に接続される相電流を検出することにより中性点電流の予測電流値を算出する中性点電流算出手段と、
    中性点電位と直流母線電圧の2分の1の電圧である基準電圧との差を算出して、差電圧として出力する減算器と、
    前記減算器により検出された差電圧が、予め設定された設定値以上となった場合に、中性点電位を制御するための指令を出力する中性点電位制御回路と、
    前記中性点電流算出手段により算出された、前記中性点に流れ込む量と前記中性点から流れ出る量の差である中性点電流の偏差量および前記中性点電位制御回路から出力された指令に基づいて、中性点電位が直流母線電圧の2分の1に近づくように、中性点電位を上昇させるスイッチング状態と中性点電位を下降させるスイッチング状態との割合を算出し中性点電位制御指令として出力する指令発生回路と、
    前記中性点電位制御指令に基づいてスイッチング素子を制御するためのゲート信号を変化させるコントローラと、
    を備えたことを特徴とする中性点クランプ式PWMインバータ装置。
  5. 前記指令発生回路が、前記中性点電流検出回路により検出されたPWM周期中の中性点に流れ込む量と流れ出る量の差である中性点電流を用いて、PWM周期の前半分の期間における中性点電流の平均電流をIs、後半分の期間における中性点電流の平均電流をIeとした場合の、Ie/Isの値を中性点電位制御パラメータとして、電流の極性によって該中性点電位制御パラメータを前記中性点電位制御指令に乗算または除算する回路をさらに備えている請求項1から4のいずれか1項記載の中性点クランプ式PWMインバータ装置。
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