JP4292726B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン回転数、アクセル開度、および変速位置に対応する噴射量の燃料を噴射ノズルからエンジンの燃料供給路内に噴射する燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴射量に対する車速の応答性が敏感な低速走行時等においては、アクセル開度に伴い噴射量が急変することでギクシャク感が現れる場合がある。
この様な不具合の回避には、従来より以下の技術が用いられている。
【0003】
図2に示す様に、なまし制御条件が成立する場合(ステップS1でYES)には、なまし量を算出する(ステップS2)。
エンジン回転数、アクセル開度、シフトポジション、および車速からなまし量を算出し、そのなまし量に基づいて噴射量を増減させ、アクセル開度から算出された狙い噴射量まで除変する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は、荷物の積載状態や道路勾配などの走行負荷が変化した場合には、良好なドライバビリティが確保できないという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、積載量や道路状態の変化により走行負荷が増減しても良好なドライバビリティが確保できる燃料噴射装置の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[請求項1、3について]
基準なまし量算出手段は、エンジン回転数、アクセル開度、および変速位置から基準なまし量を算出する。
基準噴射量算出手段は、エンジン回転数および変速位置から基準噴射量を算出する。
【0007】
走行負荷算出手段は、基準噴射量と現在の噴射量とを比較して走行負荷の大きさを算出する。
最終なまし量算出手段は、算出された走行負荷が大きい場合には基準なまし量が大きくなる様に補正し、走行負荷が小さい場合には基準なまし量が小さくなる様に補正して最終なまし量を算出する。
なお、基準噴射量と現在の噴射量との差、または現在の噴射量と基準噴射量との差が大きいほど補正量を大きくするのが好ましい。
【0008】
制御器は、エンジン回転数、アクセル開度、および変速位置に対応する噴射量の燃料が噴射ノズルからエンジンの燃料供給路内に噴射される様に噴射アクチュエータを制御する。
この際、現在の噴射量を、最終なまし量算出手段が算出した最終なまし量で目標噴射量に到達させる。
【0009】
走行負荷が小さい場合には最終なまし量が基準なまし量より小さくなり噴射量の急変が抑えられる。
また、走行負荷が大きい場合には最終なまし量が基準なまし量より大きくなり噴射量変化の応答性を良くする。
これにより、荷物の積載状態や道路勾配などの走行負荷が変化しても良好なドライバビリティが確保できる。
なお、ディーゼルエンジンの場合に特に効果がある。
【0010】
[請求項2について]
変速位置毎に、エンジン回転数に対する噴射量を、通常走行状態における基準噴射量として予め設定しておく。
これにより、基準噴射量算出手段は、通常走行状態における基準噴射量を、エンジン回転数および変速位置から算出することができる。
なお、通常走行状態とは、例えば、1/2積載で平坦路を定速走行させる状態である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例(請求項1〜3に対応)を図1に基づいて説明する。
ディーゼル燃料を噴射ノズルからディーゼルエンジンの燃料供給路内に噴射する燃料噴射装置は、図1に示す様に作動する。
【0012】
ステップs1で、なまし制御条件が成立するか否かを判別し、成立する場合にはステップs2に進む。
また、成立しない場合にはステップs7に進む。この場合、なまし量負荷係数は1となり、最終なまし量=基準なまし量となる。
ステップs2で、エンジン回転数NE、アクセル開度、およびシフトポジションから基準なまし量を算出する。
【0013】
ステップs3で、エンジン回転数NEおよびシフトポジションから基準噴射量を算出する。
なお、シフトポジション毎に、エンジン回転数に対する噴射量を、通常走行状態における基準噴射量として予め設定しておく。
通常走行状態とは、1/2積載で平坦路を定速走行させる状態である。
【0014】
ステップs4で、基準噴射量と現在の噴射量とを比較する。
基準噴射量>現在の噴射量である場合(YES)にはステップs5に進み、基準噴射量≦現在の噴射量である場合(NO)にはステップs6に進む。
【0015】
基準噴射量に対し、現在の噴射量が少ない場合は負荷が小さいと判別し、ステップs5で、なまし量負荷係数を1以下の値に設定する。
具体的には、基準噴射量と現在の噴射量との差が小さいほどなまし量負荷係数を小さい値に設定する。
【0016】
基準噴射量に対し、現在の噴射量が多い場合は負荷が大きいと判別し、ステップs6で、なまし量負荷係数を1を越える値に設定する。
具体的には、現在の噴射量と基準噴射量との差が大きいほどなまし量負荷係数を大きい値に設定する。
【0017】
ステップs7で、最終なまし量を下記の様にして算出し、現在の噴射量をこの最終なまし量で目標噴射量に到達させる。
最終なまし量=基準なまし量×なまし量負荷係数
(負荷が小さい場合)
最終なまし量を基準なまし量以下にして、噴射量の急変を抑える。
(負荷が大きい場合)
最終なまし量を基準なまし量より大きくして噴射量変化の応答性を良くする。
【0018】
本実施例の燃料噴射装置は以下の利点を有する。
[ア]走行状態の負荷に応じたなまし量が算出でき、良好なドライバビリティが得られる。
【0019】
[イ]基準なまし量の適合が通常走行状態のなまし量の適合のみで可能となるので、適合係数の大幅な削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る燃料噴射装置の作動を示すフローチャートである。
【図2】従来の燃料噴射装置の作動を示すフローチャートである。

Claims (3)

  1. エンジン回転数、アクセル開度、および変速位置に対応する噴射量の燃料が噴射ノズルからエンジンの燃料供給路内に噴射される様に制御器が噴射アクチュエータを制御する燃料噴射装置において、
    前記制御器は、前記エンジン回転数、前記アクセル開度、および前記変速位置から基準なまし量を算出する基準なまし量算出手段と、
    前記エンジン回転数および前記変速位置から基準噴射量を算出する基準噴射量算出手段と、
    前記基準噴射量と現在の噴射量とを比較して走行負荷の大きさを算出する走行負荷算出手段と、
    算出された走行負荷が大きい場合には前記基準なまし量が大きくなる様に補正し、走行負荷が小さい場合には前記基準なまし量が小さくなる様に補正して最終なまし量を算出する最終なまし量算出手段とを備え、
    現在の噴射量を前記最終なまし量で目標噴射量に到達させることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 変速位置毎に、前記エンジン回転数に対する噴射量を、通常走行状態における基準噴射量として予め設定しておくことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 基準噴射量と現在の噴射量との差、または現在の噴射量と基準噴射量との差が大きいほど補正量を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料噴射装置。
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