JP4292519B2 - 透明ガスバリア積層基板 - Google Patents

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Description

本発明は液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの部材として適した水蒸気バリア性を有する透明ガスバリア積層基板およびその製造方法に関する。
近年、各種ディスプレイ、表示装置において、液晶素子を用いた表示装置や有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置が実用化され、いわゆるフラットパネルディスプレイとして従来のCRTを用いた表示装置を置き換えていく状況にある。
ここで用いられる表示素子は主にガラス基板上に形成され、特に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と呼ぶ)の場合は、素子自体が極度に水分に弱いので、水蒸気バリア性が重視されるために、前記素子はガラス基板間あるいはガラス基板−金属間に封止されていた。しかし、ガラスは重量が重く、衝撃によって割れやすいという欠点があるため、特に持ち運び可能な表示装置への適用にはガラスに替わる透明樹脂素材を基板に用いた表示体の形成が望まれていた。
これらガラスに替わる透明樹脂素材にはガラス基板とほぼ同等の、高い水蒸気バリア性、透明性、および耐熱性が要求されるので、市販のプラスチック材料をそのまま使用するだけでは、これらの要求性能を全て満足することは非常に困難である。そこで、これまで種々の検討がなされてきた。一例を挙げると、透明樹脂フィルム基材上に珪素単体ターゲットの窒素含有雰囲気中スパッタリングにより窒化ケイ素膜を形成した積層基板(例えば、特許文献1参照)、樹脂基材上に酸窒化ケイ素層を2層積層し、2層間の窒素/酸素組成比が異なることを特徴とする積層基板(例えば、特許文献2参照)などが挙げられる。
また、特許文献3には、透明樹脂層と、ケイ素酸化物とマグネシウム酸化物とからなる無機層との間に、シランカップリング剤とエポキシ樹脂の混合物から得られる密着層を形成させ、透明樹脂層と無機層の密着性を向上させた基板なども開示されている。
特開2004−42502号公報 特開2003−206361号公報 特開平10−339869号公報
しかしながら、前記の文献に記載の基板(バリアフィルム)は、フィルム形成初期の水蒸気バリア性は優れるものの、液晶素子、有機EL素子での電極用透明金属膜成膜工程やカラーフィルター層作成工程などにおいて、前記バリアフィルム自体に150℃以上の加熱工程を経た場合、無機膜にクラックが入り、ガスバリア性が著しく低下するといった問題があった。
本発明の目的は、液晶素子装置または有機EL素子装置用の部材として、好適な水蒸気バリア性を有し、かつ液晶素子装置製造プロセス又は有機EL素子装置製造プロセスにおける加熱工程によっても、水蒸気バリア性の劣化が少ない透明ガスバリア積層基板を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、透明プラスチック基板上に、特定の積層構造を形成せしめた積層基板が、上記従来技術で示した水蒸気バリア性の素子製造プロセスでの劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の[1]〜[7]に示す透明ガスバリア積層基板を提供する。
[1]下記のA層、B層、C層をそれぞれ1層以上備える透明ガスバリア積層基板。
A層 :ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択された少なくとも1種の透明樹脂からなる層
B層 :(a)下記式(1)で表されるシラン変性エポキシ樹脂と、(b)ポリカルボン酸系硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂コーティング組成物を、硬化して得られる層
Figure 0004292519
(式中、nは1〜10の整数を表わし、X1、X2はそれぞれ、下記式(2)で示す群から選ばれ、nが複数の場合、X1は互いに異なっていてもよい。X3は水素原子または式(1a)で示される基であり、nが複数の場合、X3の中で少なくとも1つは式(1a)で示される基である。)
Figure 0004292519
(式中、R1 5 はメチル基またはエチル基を表し、R2はメチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表す。mは1〜10の整数を表し、mが複数の場合は、R1、R2は互い異なっていてもよい。)
Figure 0004292519
(式中、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を表す。)
C層 :真空成膜法で得られる透明無機層
[2]B層が、前記シラン変性エポキシ樹脂の式(1a)で示されるアルコキシシリル基間の脱アルコール縮合反応を起こした後に、さらに温度を上げてエポキシ基と、前記ポリカルボン酸系硬化剤の活性水素基との反応が生じるようにする2段階加熱乾燥を経て形成された層である[1]の透明ガスバリア基板
]B層の層厚が0.5〜500μmの範囲である前記[1]または[2]記載の透明ガスバリア積層基板。
]C層の層厚が10〜500nmの範囲である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
]C層が、触媒化学気相堆積法を用いて得られる透明無機層である前記[1]〜[]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
]C層が、触媒化学気相堆積法を用いて得られる、酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素からなる透明無機層である前記[]に記載の透明ガスバリア積層基板。
]前記シラン変性エポキシ樹脂が、前記式(1)に示すX1、X2がいずれも−C(R3)(R4)−基[ただし、R3、R4は前記式(2)と同等の定義である]である前記[1]〜[]のいずれに記載の透明ガスバリア積層基板。
さらに、本発明は、好ましい実施形態として、下記の[8]〜[13]に記載の透明ガスバリア積層基板を提供する。
[8]A層、B層、C層を、この順で備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
[9]C層、B層、A層、B層、C層を、この順で備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
[10]C層、B層、A層、B層、C層、B層、C層を、この順で備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
[11]C層、B層、C層、B層、A層、B層、C層、B層、C層を、この順で備える積層された前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
[12]C層、A層、C層、B層、C層を、この順で備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
[13]C層、B層、C層、A層、C層、B層、C層を、この順で備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
また、本発明は前記[1]〜[13]において、下記[14]の透明ガスバリア積層基板であると好ましい。
[14]JIS K7129Aの感湿センサー法に準拠し、40℃/90%RHの条件下にて測定した水蒸気透過度が1.5g/m2/Day以下である透明ガスバリア積層基板。
さらに、本発明は、[15]上記[1]〜[14]の透明ガスバリア積層基板からなる表示装置用部材、を提供する。
本発明によれば、透明性および水蒸気バリア性が良好であり、さらに表示装置製造プロセスにおける、加熱工程においても水蒸気バリア性が、従来の透明ガスバリア基板よりも劣化が著しく低い基板(積層基板)が得られる。当該透明ガスバリア積層基板は、液晶素子や有機EL素子用の部材として好適に用いることができ、工業的に有用である。
以下、本発明の好適な実施形態を、必要に応じて図を参酌して詳細に説明する。
本発明の透明ガスバリア基板は、下記のA層、B層、C層をそれぞれ1層以上備える透明ガスバリア積層基板である。
A層 :ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択された少なくとも1種の透明樹脂からなる層
B層 :(a)下記式(1)で表されるシラン変性エポキシ樹脂と、(b)ポリカルボン酸系硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂コーティング組成物を、硬化して得られる層
Figure 0004292519
(式中、nは1〜10の整数を表わし、X1、X2はそれぞれ、下記式(2)で示す群から選ばれ、nが複数の場合、X1は互いに異なっていてもよい。X3は水素原子または式(1a)で示される基であり、nが複数の場合、X3の中で少なくとも1つは式(1a)で示される基である。)
Figure 0004292519
(式中、R1 5 はメチル基またはエチル基を表し、R2はメチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表す。mは1〜10の整数を表し、mが複数の場合は、R1、R2は互い異なっていてもよい。)
Figure 0004292519
(式中、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を表す。)
C層 :真空成膜法で得られる透明無機層
ここで透明であるとは、可視光に対する透過度が70%以上であることを示すものである。
本発明の透明ガスバリア積層基板を構成するB層の層厚は、0.5μm〜500μmが好ましく、さらに好ましくは1μm〜100μmである。B層の層厚のコントロールは、前記の式(1)で表されるシラン変性エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂コーティング組成物を塗工する際の、塗工条件や前記シラン変性エポキシ樹脂コーティング組成物の配合比によって決定される。
一方、本発明の透明ガスバリア積層基板を構成するC層の層厚は10nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは20nm〜200nmの範囲内である。10nm未満の厚さではバリア性が不十分となる傾向があり、膜厚が500nmを超える場合は、成膜中に発生する内部応力が原因でクラックが生じたり、成膜後の光線透過率が大きく低下することがあり、好ましくない。
本発明の透明ガスバリア積層基板における、B層の形成方法について説明する。
まず、前記エポキシ樹脂コーティング組成物を被塗工体に塗工する。塗工としては、例えば、ダイレクトグラビア法、リバースグラビア法、マイクログラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法等のロールコーティング法、ドクターナイフ法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、バーコーティング法等、または、これらを組み合わせたコーティング法などの通常工業的に用いられる塗工方法により行うことができる。
続いて、塗工されたエポキシ樹脂コーティング組成物からなる塗工層を熱硬化および/または光硬化せしめてB層を形成させるが、操作が簡便な点から熱硬化が好ましい。熱硬化としては、前記塗工層を加熱乾燥せしめて、当該層から揮発性化合物を除去するともに、前記(a)シラン変性エポキシ樹脂を熱硬化させることが好ましい。該加熱乾燥は、熱風乾燥、赤外線乾燥等の各種方法により行うことが出来る。加熱乾燥させる条件は80℃〜200℃の温度範囲で、30分〜5時間といった時間行うことができる。
前記加熱乾燥させる方法としては、まず、比較的低温で、シラン変性エポキシ樹脂同士において、式(1a)で示されるアルコキシシリル基間の脱アルコール縮合反応を起こした後に、温度を上げてエポキシ基と活性水素基との反応が生じるように2段階加熱乾燥させることが好ましい。このようにすると、脱アルコール縮合反応で生じたアルコールが、急激に気泡として発生することで、B層にピンホール、気泡等が発生するのを防止できるため、好ましい。該2段階加熱の方法としては、1段階目の加熱乾燥条件としては80℃〜120℃で30分〜2時間、2段階目の加熱乾燥条件は130℃〜200℃で30分〜3時間といった条件が好ましい。
ここで、前記(a)シラン変性エポキシ樹脂の製造方法について説明する。
前記(a)は、下記の式(3)で示されるビスフェノールと、エピクロロヒドリンとを縮合することで、該ビスフェノールの中で、1つのフェノール性水酸基を2,3−エポキシプロピルオキシ基に転換したエポキシ化合物を得、さらに当該エポキシ化合物を予備縮合することで、エポキシ樹脂(式(4))を得る。ここで、予備縮合は、前記エポキシ化合物を単独で縮合してもよいし、2種以上を縮合してもよい。
Figure 0004292519
(式(3)中、X1は前記式(1)と同等の定義である。)
Figure 0004292519
(式(4)中、X1、X2、nは前記式(1)と同等の定義である。)
前記エポキシ樹脂は、次いで、下記式(5)に示すアルコキシシランを部分縮合せしめて、部分縮合物を得、さらに当該部分縮合物と、式(4)で示されるエポキシ樹脂とを脱アルコール縮合反応させることで、式(1)に示すシラン変性エポキシ樹脂を得ることができる。
Figure 0004292519

(式(5)中、R1、R2は前記式(1a)と同等の定義であり、Y1、Y2は、メチル基またはエチル基を表す。)
ここで、脱アルコール縮合反応について詳細を説明すると、前記式(4)に示すエポキシ樹脂と、前記アルコキシシランの部分縮合物とを該エポキシ樹脂中の水酸基当量と、前記アルコキシシランの部分縮合物中のアルコキシ基当量との比が、水酸基当量/アルコキシ基当量=0.1〜0.6の範囲内になるように配合し、溶剤存在下または無溶剤下で、反応温度50℃〜130℃、反応時間1〜15時間といった条件が例示できる。
上記脱アルコール縮合反応において、反応時間を短くするために、減圧下で反応を行ったり、必要に応じて反応を促進する触媒を添加することも可能である。ここで触媒としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属、これらの金属の、酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシドなどが例示でき、中でも有機錫化合物、有機酸錫化合物が好ましい。
本発明の(a)シラン変性エポキシ樹脂中には、未反応の式(4)で示されるエポキシ樹脂や、未反応のアルコキシシラン部分縮合物、さらには前記エポキシ樹脂中に含まれる残存エポキシ化合物、あるいは前記ビスフェノールとエピクロロヒドリンとの反応で生じるビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)化合物等が一部含まれる場合もあるが、本発明の効果を損なわない限り、これらの化合物が含まれていても良い。
本発明の(a)シラン変性エポキシ樹脂の中でも、とりわけ好ましくは、式(1)で示されるX1、X2が、いずれも−C(R3)(R4)−基[ただし、R3、R4は前記式(2)と同等の定義である]であるシラン変性エポキシ樹脂であり、特に好ましくは、式(1)で示されるX1、X2が、いずれも−C(CH32−基である。このような、シラン変性エポキシ樹脂は、市場から安価に調達できるビスフェノールから製造することができ、特に、X1、X2が、いずれも−C(CH32−基である場合のビスフェノールは、いわゆるビスフェノールAと呼ばれ、ビスフェノールAから誘導されたエポキシ樹脂は、接着剤添加物としても市販されているため、これを用いて、本発明のシラン変性エポキシ樹脂を製造することができる。
前記(b)は、ポリカルボン酸系硬化剤である。該ポリカルボン酸系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などが例示できる。
このポリカルボン酸系硬化剤は、シラン変性エポキシ樹脂同士の、アルコキシシリル基間で脱アルコール縮合反応が生じる温度領域においては反応活性が低く、該脱アルコール縮合反応が生じる温度以上で、エポキシ基との反応を開始する潜在性を持つものであり、また、硬化反応後のB層が、より透明になる。
前記(a)シラン変性エポキシ樹脂と前記(b)エポキシ樹脂硬化剤との配合比については、シラン変性エポキシ樹脂のエポキシ基当量とエポキシ硬化剤の活性水素基当量との割合が、活性水素基当量/エポキシ基当量=0.5〜1.2になるように配合することが好ましい。配合比が前記範囲から逸脱する場合には、硬化反応不良により、所定の物性値が得られないことや、未反応成分が硬化反応物からブリードアウトする恐れがある。
さらに本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応を促進する硬化促進剤、コーティング時の粘度、作業性を調整する各種溶剤、基材表面濡れ性を改善する表面処理剤等の添加剤、フィラー等を本発明の効果を損なわない程度に添加することができる。
硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどの3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどホスフィン類が例示できる。
溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のセロソルブ類、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類の単独あるいは2種以上の混合溶剤が適宜選択可能である。
添加剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の表面処理剤、レベリング剤、難燃剤、可塑剤、消泡剤、安定剤、各種フィラーなどが例示され、これらの添加剤は本発明の効果を著しく損なわない範囲で選択することができる。
次に、C層の形成方法について説明する。
C層は、真空成膜法で得られる透明無機膜であり、透明であれば、金属酸化物、金属酸窒化物、金属窒化物等の無機物からなる単層あるいは2層以上の積層であり、積層させる場合には各層の元素組成比は同じであって異なっていても良い。
金属酸化物、金属酸窒化物、金属窒化物等において、好ましい金属成分について例示すると、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、錫、インジウム、亜鉛、ジルコニウムが例示でき、中でもケイ素、アルミニウムが好ましく、ケイ素またはアルミニウムの酸化物、酸窒化物、窒化物が透明性、ガスバリア性、有機基材との密着性の点で好ましい。
前記真空成膜法については、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、スパッタリング法等の真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等通常工業的に用いられる方法のいずれも用いることが可能であるが、CVD法が好ましい。
本発明のC層の形成方法は、前記CVD法の中でも、触媒化学気相堆積法がとりわけ好ましい。触媒化学気相堆積法とは、ガス分子を加熱した触媒体表面で接触分解することにより発生する活性種を用いたCVD法であり、近年注目されている成膜方法である。とりわけ、触媒化学気相堆積法によって得られる、ケイ素の酸化物、窒化物または酸窒化物からなる透明無機膜が好ましい。
触媒化学気相堆積法の一例を挙げると、窒化ケイ素膜を成膜する場合には、ケイ素源としてシランガス、窒素源としてアンモニアガスを用い、成膜を行う材料を予め真空チャンバー下部にセットしておき、一旦10-4Pa程度まで真空にした後、チャンバー上部に備えたタングステン線に電流を流して、抵抗加熱によりタングステン線表面温度を2000℃程度まで加熱しながら、チャンバー最上部に設けたシャワーヘッドから原料ガスを導入して、ガスをタングステン線表面で接触分解させて得られる活性種を、材料表面に堆積させる。
上記方法により成膜される窒化ケイ素膜の厚さの制御は、原料ガス導入時間および流量、タングステン線と成膜したい材料間の距離、チャンバー内の制御圧力等により容易に行うことができる。また原料ガスについて上記例示にはシランガス、アンモニアガスを挙げたが代わりにジシランガス、ヒドラジンガス等を用いることもできる。さらに希釈ガスとして水素ガスを任意の割合で混合することも可能である。
また、酸窒化ケイ素膜を成膜する場合には上記窒化ケイ素膜の成膜と同様の装置を用い、原料ガスに上記窒化ケイ素膜の場合に用いたシランガス、アンモニアガス以外に新たにHeガスで希釈された酸素ガスを用い、当該希釈酸素ガスのみチャンバー上部のタングステン線近くに設置されたガスリングから導入する以外は窒化ケイ素膜成膜時と同じ条件で成膜することができる。
酸化窒化珪素膜中の酸素含有比率についてはガスリングから導入するHe希釈の酸素ガス流量で調整することが可能である。
触媒化学気相堆積法を用いて、例えば酸窒化ケイ素膜および窒化ケイ素膜を順次成膜する場合、2種類の膜を逐次成膜しても連続で成膜しても良い。逐次成膜法では、まず酸窒化ケイ素膜の成膜を行った後、チャンバー内の残存ガスを所定の減圧度まで真空排気してから窒化ケイ素膜の成膜を行うことで実施できる。一方連続成膜法では、酸窒化ケイ素の成膜終了後、タングステン線への電力供給を止めることなくチャンバー内に導入していたHeガス希釈の酸素ガス流量を0sccmにして、連続して窒化ケイ素膜の成膜を行うことにより容易に実施できる。
また、触媒化学気相堆積法を用いると、100℃以下の低温で広い面積に渡り均一な無機膜を堆積することが出来、特に本発明のように、プラスチック基板に成膜する場合において、好適である。さらにプラスチックをロールのまま装置内に設置して連続的に成膜を行う「Roll to Roll方式」において特に好ましい。
次にA層について説明する。
本発明の透明ガスバリア積層基板を構成するA層である透明樹脂基板を構成する樹脂としては、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群より選ばれる透明樹脂である。
さらにこれら透明樹脂基板の表面に、表面平滑性、無機膜との密着性向上を目的としてアンダーコート処理を行うこともできる。
本発明の透明ガスバリア積層基板は、前記に示すA層、B層およびC層を備えるものであり、それらの積層順、あるいはそれらの積層層数は特に限定されるものではないが、下記にとりわけ好ましい実施形態について説明する。
本発明の好ましい第1の実施形態は、前記の、A層、B層、C層を、この順で備える透明ガスバリア積層基板であり、図1に、当該積層基板の断面の模式図を示す。まず、透明樹脂基板(A層)1上に、前記(a)シラン変性エポキシ樹脂と、前記(b)エポキシ樹脂硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂コーティング組成物を塗工し、加熱乾燥することで熱硬化せしめて、B層2を形成し、さらに該B層2上に、真空成膜法を用いてC層3を製造することで透明ガスバリア積層基板100を得ることができる。
本発明の好ましい第2の実施形態は、前記の第1の形態で示した透明ガスバリア積層基板100において、B層2ならびにC層3を形成した透明樹脂基板(A層)1の裏面に、前記B層2と同様にB層4を製造し、さらに当該B層4の透明樹脂基板と接していない面にC層5を製造することで得られる、透明ガスバリア積層基板200である(図2を参照)。すなわち、透明ガスバリア積層基板200は、C層3、B層2、A層1、B層4、C層5が、この順で積層された積層基板であり、ここでC層3とC層5は、前記のC層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよく、B層2とB層4も、前記のB層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよい。
また、B層、C層の製造順は特に限定されるものではなく、透明樹脂基板1の両面に前記B層を形成させ、B層2、B層4を予め製造し、さらにB層2の透明樹脂基板1と接していない側にC層3を、B層4の透明樹脂基板1と接していない側にC層5を製造する方法でも差し支えない。
また、本発明の好ましい第2の実施形態の透明ガスバリア積層基板は、前記の順のように備えたものであれば、積層する順番は特に限定されない。例えば、透明樹脂基板(A層)の両面にB層2、B層3を先に形成し、次いで形成されたB層2、B層3のA層と接していない面に、C層3、C層5をそれぞれ形成することでも、本発明の、好ましい第2の形態の透明ガスバリア積層基板を得ることができる。
本発明の、好ましい第3の実施形態は、前記の第2の実施形態で示した透明ガスバリア積層基板200において、C層3またはC層5のいずれかにおいて、B層と接していない面に、新たに、B層、さらにC層を備えた透明ガスバリア積層基板である。図3に、前記第2の実施形態における透明ガスバリア積層基板200のC層3側に、B層6と、C層7をこの順で積層せしめた透明バリア積層基板300を例示する。すなわち、第3の実施形態によって得られる透明ガスバリア積層基板300は、C層5、B層4、A層1、B層2、C層3、B層6、C層7が、この順で備えた積層基板となる。ここでC層3、C層5及びC層7は、前記のC層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよく、B層2、B層4及びB層6も、前記のB層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよい。
また、本発明の好ましい第3の実施形態の透明ガスバリア積層基板は、前記の順のように備えたものであれば、積層する順番は特に限定されないものではない。
本発明の、好ましい第4の実施形態は、前記の第2の実施形態で示した透明ガスバリア積層基板200において、C層3及びC層5の、B層と接していない面に、新たに、B層、さらにC層を備えた透明ガスバリア積層基板である。図4に、第4の実施形態の透明ガスバリア基板400を示す。C層3に、B層6とC層7とを、この順に積層し、さらに、C層5に、B層8とC層9とを、この順に積層することで透明ガスバリア積層基板400が得られる。ここで、第4の実施形態によって得られる透明ガスバリア積層基板400は、C層9、B層8、C層5、B層4、A層1、B層2、C層3、B層6、C層7が、この順で備えた積層基板となる。ここでC層3、C層5、C層7及びC層9は、前記のC層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよく、B層2、B層4、B層6及びB層8も、前記のB層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよい。
また、本発明の好ましい第4の実施形態の透明ガスバリア積層基板は、前記の順のように備えたものであれば、積層する順番は特に限定されないものではない。
前記のように、透明樹脂基板からなるA層に対し、B層とC層とを交互に積層ささることにより、ガスバリア性に優れる透明積層基板を得ることができる。
本発明の、好ましい第5の実施形態は、透明樹脂基板の両面に、C層とB層とを、この順に積層させた透明ガスバリア積層基板である。図5を参酌して説明すると、透明樹脂基板(A層)1の両面にC層11及びC層12を積層し、次いで、C層11のA層と接していない面に、B層13を製造し、さらにB層13にC層14を形成することで透明ガスバリア積層体500が得られる。すなわち、第5の実施形態によって得られる透明ガスバリア積層体500は、C層12、A層1、C層13、B層14、C層15が、この順で備えた積層基板となる。ここでC層12、C層13とC層15は、前記のC層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよい。
また、本発明の好ましい第5の形態の透明ガスバリア積層基板は、前記の順のように積層されたものであれば、積層する順番は特に限定されないものではない。
例えば、透明樹脂基板(A層)1の片面にC層11を積層した後、該C層11のA層と接していない面にB層13、さらにB層13にC層14を形成し、透明樹脂基板の一方の面の積層構造を形成させた後、透明樹脂基板の、前記積層構造を形成した面とは逆の面にC層12を形成させることでも、本発明の好ましい第5の実施形態の透明ガスバリア積層基板を得ることができる。
本発明の、好ましい第6の実施形態は、透明樹脂基板の両面に、予めC層を積層させた積層体の両面のC層において、該透明樹脂基板に接していない面に、B層と、C層とを、この順で積層させた透明ガスバリア積層基板である。図6を参酌して説明すると、透明樹脂基板(A層)1の両面にC層11及びC層12を積層し、次いで、C層11のA層と接していない面に、B層13を製造し、さらにB層13にC層14を形成する。さらに、C層12のA層と接していない面に、B層15を製造し、さらにB層15にC層16を形成することで透明ガスバリア積層基板600が得られる。すなわち、第6の形態によって得られる透明ガスバリア積層基板600は、C層16、B層15、C層12、A層1、C層13、B層14、C層15が、この順で積層された積層基板となる。ここでC層12、C層13、C層15及びC層16は、前記のC層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよく、B層14及びB層15も、前記のB層の製造方法に係る範囲であれば互いに異なっていてもよい。また、本発明の好ましい第6の実施形態の透明ガスバリア積層基板は、前記の順のように積層されたものであれば、積層する順番は特に限定されないものではない。
前記の第1〜第6の好ましい実施形態を含む、本発明の透明ガスバリア積層基板は、JIS K7129Aの感湿センサー法に準拠し、40℃/90%RHの条件下にて測定した水蒸気透過度が1.5g/m2/Day以下であると好ましい。こうすると、前記の表示装置に使用される部材として、充分な水蒸気バリア性を有するばかりか、さらに表示装置製造工程を経ても、水蒸気バリア性の劣化が著しく低い透明ガスバリア積層基板となる。
本発明の透明ガスバリア積層基板は、透明性、耐熱性に優れ、さらに水蒸気バリア性が通常の表示装置製造工程における熱履歴によっても、劣化しないという特徴を有する。それゆえ、本発明の透明ガスバリア積層基板は液晶表示装置、有機EL表示装置に使用される部材として好適である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例により限定されるものでない。
実施例1
シラン変性エポキシ樹脂(コンポセランE103A、荒川化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とメチルトリメトキシシラン部分縮合物との反応物、エポキシ当量1400g/eq、ジプロピレングリコールジメチルエーテル溶媒50.4%含有)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(HN−5500、日立化成工業(株)製)12重量部、オクチル酸錫1重量部を秤取し、攪拌混合してエポキシ樹脂コーティング組成物とした。ポリエーテルサルフォン基板(厚さ100μm)を100mm角の大きさに切り出し、スピンコーターを用いて該エポキシ樹脂コーティング組成物を3000rpmで10秒間の塗布条件にてポリエーテルサルフォン基板上に塗布した。通風乾燥器にて100℃で30分間、ついで150℃で1時間乾燥させ、膜厚約3μmの均一なB層をポリエーテルサルフォン基板上に形成した。当該有機層付きポリエーテルサルフォン基板を有機層面が表側になる様にガラス板に固定し、ターボ分子ポンプ、ロードロック機構、ガス導入シャワーヘッド、He/O2混合ガス導入ガスリング、外部取り出し電極端子付タングステン線触媒張り掛け機構を有する真空チャンバー内に導入し、チャンバー内を10-4Pa以下まで真空引きを行った。この時、触媒タングステン線と基板を支持するガラス板との距離はおよそ200mmであった。その後、シャワーヘッドよりシランガス、アンモニアガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、20sccm、400sccmずつ導入し、チャンバー内圧を20Paに制御しながら、タングステン線に100V程度の電圧をかけ、300秒間保持して基板上へ窒化ケイ素膜をおよそ50nm堆積した。窒化ケイ素膜の厚さは同条件で堆積したSiウエハー上の膜厚をエリプソメトリ法にて測定することで算出した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度を、JIS K7129Aの感湿センサー法に準拠した水蒸気透過度測定装置LYSSY社製「PERMEABILITY TESTER L80−4000」を用いて、40℃/90%RHの条件下にて測定した。なお、当該装置の水蒸気透過度検出下限値は0.03g/m2/Dayであった。
また、熱処理後の水蒸気バリア性は上記透明ガスバリア基板を通風乾燥器中で150℃×10分処理した後、上記の装置を用いて40℃/90%RHの条件下にて水蒸気透過度を測定することで評価した。結果を表−1に示す。
実施例2
実施例1で用いたエポキシ樹脂コーティング組成物を、厚さ100μm、100mm角の大きさのポリエーテルサルフォン基板上にスピンコータ−を用いて実施例1と同じ条件で塗布、乾燥した後、塗布されていない反対側の面にも全く同じ方法で塗布、乾燥することでポリエーテルサルフォン基板の両面に厚さ約3μmのB層を形成した。次いで当該基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例1と同じ方法で基板の片面に窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例3
実施例1で用いたエポキシ樹脂コーティング組成物を、厚さ100μm、100mm角の大きさの環状ポリオレフィン基板(ARTON−Fタイプ、ジェイエスアール(株)製)の片面に塗布、乾燥して膜厚が約3μmの有機層を形成した。塗布、乾燥条件は実施例1と同じ条件を用いた。有機層面を表側にしてガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入し、チャンバー内を10-4Pa以下まで真空引きを行った。この時、触媒タングステン線と基板を支持するガラス板との距離はおよそ200mmであった。その後、シャワーヘッドよりシランガス、アンモニアガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、20sccm、400sccmずつ、ガスリングよりO2混合比2%のHe/O2混合ガスを200sccm導入し、チャンバー内圧を20Paに制御しながら、タングステン線に100V程度の電圧をかけ、900秒間保持して基板上へ酸窒化ケイ素膜をおよそ70nm堆積した。酸窒化ケイ素膜の厚さは同条件で堆積したSiウエハー上の膜厚をエリプソメトリ法にて測定することで算出した。
引き続き、チャンバー内をターボ分子ポンプで2分間真空引きして、チャンバー内の残存原料ガスを抜き取り、再度シャワーヘッドよりシランガス、アンモニアガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、20sccm、400sccm導入して、チャンバー内を20Paに制御しながらタングステン線に100V程度の電圧をかけ、300秒間保持して酸窒化ケイ素膜上に窒化ケイ素膜をおよそ50nm堆積した。窒化珪素膜の厚さは同条件で堆積したSiウエハー上の膜厚をエリプソメトリ法で測定することで算出した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例4
実施例1のエポキシ樹脂コーティング組成物を実施例3の環状ポリオレフィン基板上にスピンコータ−を用いて実施例1と同じ条件で塗布、乾燥した後、塗布されていない反対側の面にも全く同じ方法で塗布、乾燥することで前記環状ポリオレフィン基板の両面に厚さ約3μmの有機層を形成した。次いで当該基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で基板の片面に酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例5
厚さ100μm、100mm角の大きさのポリエーテルサルフォン基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で基板の片面に酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。両面に無機層を成膜した当該ポリエーテルサルフォン基板に実施例1のエポキシ樹脂コーティング組成物を実施例1と同じ条件で塗布、乾燥し、片側にB層を形成した。
当該基板をB層面が表側になる様にガラス板に固定し、再び実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例6
厚さ100μm、100mm角の大きさのポリエーテルサルフォン基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で基板の片面に酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。両面に無機層を成膜した当該ポリエーテルサルフォン基板に実施例1のエポキシ樹脂コーティング組成物を実施例1と同じ条件で塗布、乾燥した後、塗布されていない反対側の面にも全く同じ方法で塗布、乾燥することで基板両面に厚さ約3μmのB層を形成した。
当該基板をガラス板に固定し、再び実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例7
実施例1で用いたエポキシ樹脂コーティング組成物を、厚さ100μm、100mm角の大きさのポリエーテルサルフォン基板上にスピンコータ−を用いて実施例1と同じ条件で塗布、乾燥した後、塗布されていない反対側の面にも全く同じ方法で塗布、乾燥することでポリエーテルサルフォン基板両面に厚さ約3μmのB層を形成した。当該基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で基板の片面に酸窒化ケイ素膜を約70nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm成膜した。さらに当該基板に実施例1で用いたエポキシ樹脂コーティング組成物を、スピンコータ−を用いて実施例1と同じ条件で塗布、乾燥した後、塗布されていない反対側の面にも全く同じ方法で塗布、乾燥することで基板両面に厚さ約3μmの有機層を形成した。再び当該基板をガラス板に固定し、実施例1と同じ真空チャンバーを備えた成膜装置内に導入した。実施例3と同じ方法で基板の片面に酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した後、基板を大気中に取り出して成膜面と反対側の面が表になるようにガラス板に再び固定し、前記同様の方法で酸窒化ケイ素膜を約70nm、次いで窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
実施例8
実施例7で用いたポリエーテルサルフォン基板の代わりに実施例3で用いた環状ポリオレフィン基板を用いる事以外は全く同様の方法で、基板側からB層、酸窒化ケイ素層、B層、酸窒化ケイ素層、窒化ケイ素層の順に積層し、これを両面に形成させた。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
比較例1
透明プラスチック基板としてポリエーテルサルフォン(厚さ100μm)を用い、実施例1と同じ成膜装置、成膜条件を用いて基板片側に窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
比較例2
透明プラスチック基板として実施例3の環状ポリオレフィン基板(厚さ100μm)を用い、実施例1と同じ成膜装置、成膜条件を用いて基板片側に窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
比較例3
透明プラスチック基板として実施例3のポリノルボルネン(厚さ100μm)を用い、実施例1と同じ成膜装置、成膜条件を用いて基板両側に窒化ケイ素膜を約50nm成膜した。
このようにして得られた透明ガスバリア基板の水蒸気透過度及び150℃×10分処理後の水蒸気透過度を実施例1と同様に測定した。結果を表−1に示す。
Figure 0004292519
なお、実施例1〜8および比較例1〜3の透明ガスバリア積層体の可視光領域における光線透過率はいずれも70%以上であった。
本発明の第1の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図 本発明の第2の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図 本発明の第3の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図 本発明の第4の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図 本発明の第5の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図 本発明の第6の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板の断面模式図
符号の説明
1 A層
2,4,6,13,15 B層
3,5,7,9,12,14,16 C層
100 第1の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板
200 第2の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板
300 第3の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板
400 第4の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板
500 第5の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板
600 第6の好適な実施形態である透明ガスバリア積層基板

Claims (15)

  1. 下記のA層、B層、C層をそれぞれ1層以上備える透明ガスバリア積層基板。
    A層 :ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択された少なくとも1種の透明樹脂からなる層
    B層 :(a)下記式(1)で表されるシラン変性エポキシ樹脂と、(b)ポリカルボン酸系硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂コーティング組成物を、硬化して得られる層
    Figure 0004292519
    (式中、nは1〜10の整数を表わし、X1、X2はそれぞれ、下記式(2)で示す群から選ばれ、nが複数の場合、X1は互いに異なっていてもよい。X3は水素原子または式(1a)で示される基であり、nが複数の場合、X3の中で少なくとも1つは式(1a)で示される基である。)
    Figure 0004292519
    (式中、R1 5 はメチル基またはエチル基を表し、R2はメチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表す。mは1〜10の整数を表し、mが複数の場合は、R1、R2は互い異なっていてもよい。)
    Figure 0004292519
    (式中、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を表す。)
    C層 :真空成膜法で得られる透明無機層
  2. B層が、前記シラン変性エポキシ樹脂の式(1a)で示されるアルコキシシリル基間の脱アルコール縮合反応を起こした後に、さらに温度を上げてエポキシ基と、前記ポリカルボン酸系硬化剤の活性水素基との反応が生じるようにする2段階加熱乾燥を経て形成された層である請求項1記載の透明ガスバリア基板
  3. B層の層厚が0.5〜500μmの範囲である請求項1または2に記載の透明ガスバリア積層基板
  4. C層の層厚が10〜500nmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板
  5. C層が、触媒化学気相堆積法を用いて得られる透明無機層である請求項1〜4のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板
  6. C層が、触媒化学気相堆積法を用いて得られる、酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素からなる透明無機層である請求項5に記載の透明ガスバリア積層基板
  7. 前記シラン変性エポキシ樹脂が、前記式(1)に示すX 1 、X 2 がいずれも−C(R 3 )(R 4 )−基[ただし、R 3 、R 4 は前記式(2)と同等の定義である]である請求項1〜5のいずれに記載の透明ガスバリア積層基板
  8. A層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
  9. C層、B層、A層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の記載の透明ガスバリア積層基板。
  10. C層、B層、A層、B層、C層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
  11. C層、B層、C層、B層、A層、B層、C層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
  12. C層、A層、C層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
  13. C層、B層、C層、A層、C層、B層、C層を、この順で備える請求項1〜7のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の透明ガスバリア積層体であって、JIS K7129Aの感湿センサー法に準拠し、40℃/90%RHの条件下にて測定した水蒸気透過度が1.5g/m2/Day以下である透明ガスバリア積層基板。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の透明ガスバリア積層基板からなる表示装置用部材。
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