JP4291143B2 - 分析物ポリヌクレオチドを定量するためのアフィニティーシフトしたプローブ - Google Patents

分析物ポリヌクレオチドを定量するためのアフィニティーシフトしたプローブ Download PDF

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Description

(関連出願)
本願は、2001年8月31日に出願された、米国仮出願番号60/316,770、および2002年3月26日に出願された米国仮出願番号60/368,072の利益を主張する。これらの先の出願の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、分析物の検出および定量の分野に関する。より具体的には、本発明は、拡張したダイナミックレンジにわたって分析物を定量するための、複数のプローブの使用に関する。
(発明の背景)
インビトロでポリヌクレオチドテンプレートを増幅する能力は、機会と挑戦との両方を代表する。初期のアッセイは、多量のアンプリコンを合成する増幅反応の能力を利用したが、ポリヌクレオチドテンプレートの最初の量を、その反応において生成するアンプリコンの量に関連付け得なかった。増幅反応が指数関数的増幅の初期期間によって特徴付けられ得るという事実は、反応効率の小さな変化が、その反応において生成される特定の生成物の量の、比例しない大きな変化として反映され得ることを意味する。このことは、2つの反応の効率が異なる場合、投入した出発物質の量と、合成される特定の生成物の量との間の関係を混乱させる。
少数のポリヌクレオチドテンプレートを定量するために使用され得る増幅アッセイに、最近注意が向いている。これらの技術は、抗ウイルス治療を受けている患者におけるウイルス負荷をモニタリングするため、化学療法後の癌細胞集団の動力学を測定するため、公共の水源の品質を評価するため、および食品の安全性を保証するための、重要な道具を代表する。ある定量的増幅アッセイは、集団における異なるポリヌクレオチドの比を測定する。あるものは、ポリヌクレオチド分子の絶対数を測定する。
定量的増幅アッセイの価値は、CD4+ T細胞の数ではなく血漿ウイルス負荷が、AIDSの進行および死のよりよい予測物であるという知見により、説明された(Science 272:1167(1996))。実際に、HIV−1ウイルス負荷試験、またはHIV−RNA血液レベルの測定は、抗レトロウイルス薬物治療の有効性を判断するため、および疾患の進行をモニタリングするために、次第に使用されるようになっている。このことは、定量的な結果のみを提供するアッセイを使用しては、可能ではなかった。
特定の細胞型によって合成される、少数の転写産物を定量する能力は、同様に、残留する疾患または腫瘍の荷重をモニタリングする役に立つ。例えば、Johanssonらは、Clinical Chemistry 46:921(2000)において、酵素をコードするmRNAを定量することによって血液中に循環する黒色腫細胞の数をモニタリングする方法を記載する。この手順は、内部標準を増幅して較正曲線を作成することを包含した。この方法の成功は、チロシナーゼがメラノサイト(通常は血液中に存在しない細胞型)において独特に発現されるという事実に依存した。結果は、核酸試験を使用して、循環するメラノサイトについて血液を定量的にモニタリングすることにより、転移の臨床的証拠が明らかになる前に、疾患の進行の変化を検出し得ることを示した。Maxらは、Melanoma Research 11:371(2001)において、循環するメラノサイトを検出するための定量的アッセイの重要性を確認し、そしてチロシナーゼ転写産物を定量するために、リアルタイム増幅がどのように使用され得るかを示した。
分析物ポリヌクレオチドテンプレートの増幅前の量を定量するための異なる方法が、異なる状況で有用であることは、明らかであるようである。核酸増幅反応を分析するために使用された、初期の半定量的アプローチは、限定希釈技術を使用することによって、投入テンプレートの数を操作し、従って、これらの反応自体をハイスループットアッセイにしなかった。定量的情報を得るために反応条件を操作することを包含する方法は、公開された国際特許出願WO01/07661ならびに米国特許第5,705,365号および同第5,710,029号に開示されている。増幅後に分析物ポリヌクレオチドを定量するためのさらに他のアプローチは、試験管間での増幅効率の変動をよりよく考慮するために、外部標準または内部標準を使用した。分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を決定するための、より最近の手順は、時々「分子ビーコン」ハイブリダイゼーションプローブを使用する、アンプリコン形成のリアルタイムのモニタリングに基づく(Tyagiら、Nature Biotechnology 14:303(1996)を参照のこと)。
分子ビーコンとは、溶液中の特定の核酸の存在を報告するために使用され得る、単一の一本鎖オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブである。これらのプローブは、「ステムおよびループ」の構成を有し、そして内部消光される発蛍光団を含む。分子ビーコンのループ部分は、標的ポリヌクレオチドに相補的なプローブ配列である。ループに隣接するアーム配列は、互いに相補的であり、従って、アニールして螺旋状のステム構造を形成する。発蛍光団部分は、一方のアームの末端に共有結合しており、そしてクエンチャー部分は、他方の末端に共有結合している。結合した標的の非存在下では、このステムは、これらの2つの部分を接近させて近位に維持し、その結果、クエンチャーは、発蛍光団の蛍光を消す。標的分子に遭遇すると、分子ビーコンのループ部分は、ステムより安定なハイブリッドを形成する。次いで、この分子ビーコンは、同時のコンホメーション再構成を起こし、ステムのアームを分離し、これによって、発蛍光団とクエンチャーとを分離する。その結果、蛍光シグナルが、消光の非存在下で発蛍光団から発生され得る。ハイブリダイズしていない分子ビーコンは、有意に蛍光を発生させないので、プローブ結合事象を検出するためのこれらのビーコンを除去する必要はない。米国特許第6,103,476号(この開示は、本明細書中に参考として援用される)は、分子ビーコンプローブの作製および使用の方法を、完全に記載する。
ポリヌクレオチドを定量するためのいくつかの異なるアプローチの利用可能性にかかわらず、種々のアッセイ系(ポリヌクレオチド増幅を使用する系が挙げられる)と組み合わせて使用され得る単純化された方法に対する必要性が残っている。さらに、増幅生成物の陽性のキャリーオーバー夾雑物から生じる、偽陽性の結果の機会を最小にする技術に対する必要性が存在する。理想的には、これらの技術は、ハイスループットアッセイに適合可能であるべきである。本発明は、これらの必要性の全てに取り組む。
(発明の要旨)
本発明の第1の局面は、分析物ポリヌクレオチドの量を定量するために、少なくとも3つの可能な形態の1つをとり得るプローブ試薬に関する。第1の実施形態において、このプローブ試薬は、分析物ポリヌクレオチド内に含まれる第1の分析物配列に相補的な第1のプローブ(この第1のプローブは、第1のオリゴヌクレオチド配列を有する)、および分析物ポリヌクレオチド内に含まれる第2の分析物配列に相補的な第2のプローブ(この第2のプローブは、第2のオリゴヌクレオチド配列を有する)を含む。この第1の実施形態に従って、第1の分析物配列および第2の分析物配列は、互いに隣接しており、そして少なくとも1つのヌクレオチド位置を共通で共有している。さらに、第1のプローブは、第1の親和性で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、そして第2のプローブは、第2の親和性(これは、第1の親和性とは異なる)で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする。第2の実施形態において、このプローブ試薬は、分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第1の分析物配列に相補的な、ある量の第1のプローブ(この第1のプローブは、第1のオリゴヌクレオチド配列を有する)、および分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第2の分析物配列に相補的な、ある量の第2のプローブ(この第2のプローブは、第2のオリゴヌクレオチド配列を有する)を含む。この第2の実施形態に従って、第1のプローブは、第1の親和性で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、そして第2のプローブは、第2の親和性で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、ここで、第1の親和性は、第2の親和性より大きく、そして第1のプローブの量は、第2のプローブの量以上である。第3の実施形態において、このプローブ試薬は、分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第1の分析物配列に相補的な、ある量の第1のプローブ(この第1のプローブは、第1のオリゴヌクレオチド配列および第1の比活性を有する)、ならびに分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第2の分析物配列に相補的な、ある量の第2のプローブ(この第2のプローブは、第2のオリゴヌクレオチド配列および第2の比活性を有する)を含む。この第3の実施形態に従って、第1のプローブは、第1の親和性で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、第2のプローブは、第2の親和性(これは、第1のプローブの第1の親和性とは異なる)で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする。さらに、第1のプローブの量が第2のプローブの量以上である場合、第1のプローブの比活性は、第2のプローブの比活性以上である。
プローブ試薬のこれら3つの主要なバージョンのいずれが使用されるかにかかわらず、本発明の試薬の各バージョンに等しく適用される、多数のバリエーションが存在する。例えば、1つの実施形態に従って、第1のプローブおよび第2のプローブは、可溶性プローブまたは固定されたプローブのいずれかであり得る。いずれの例においても、第1のオリゴヌクレオチド配列は、第1の分析物配列の相補体を含み得るか、あるいはさらなる配列なしで、第1の分析物配列の相補体そのものを有し得る。別の例において、2つのプローブが可溶性であるか固定されているかにかかわらず、第1のオリゴヌクレオチド配列および第2のオリゴヌクレオチド配列は、互いに同一であり得る。この場合、2つのプローブのうちの少なくとも一方が、ヌクレオチドアナログを含み得る。再度、2つのプローブが可溶性であるか固定されているかにかかわらず、第1のオリゴヌクレオチド配列および第2のオリゴヌクレオチド配列は、互いに異なり得る。この例において、第1のプローブおよび第2のプローブは、各々、検出可能な標識を含む自己レポーティング(self−reporting)プローブであり得る。1つの実施形態において、これら2つの自己レポーティングプローブの検出可能な標識は、同一の検出可能な標識であり得る。再度、これら2つのプローブが可溶性であるか固定されているかにかかわらず、第1のプローブは、第1の検出可能な標識をさらに含み得、そして第2のプローブは、第2の検出可能な標識をさらに含み得る。この場合、これら2つの検出可能な標識は、化学発光部分または発蛍光団を含み得る。2つの検出可能な標識が、化学発光部分である場合、これらの化学発光部分は、同一の型であり得る。特定の場合において、これらの同一の化学発光部分としては、アクリジニウムエステルが挙げられる。別の実施形態に従って、第1のプローブおよび第2のプローブが、共に可溶性プローブである場合、それらのプローブは、直線状の構造を有する可溶性プローブである。異なる実施形態に従って、両方のプローブが、固定化プローブである場合、それらのプローブは、分子ビーコンプローブであり得る。異なる実施形態に従い、そしてまた2つのプローブが、可溶性であるか固定されているかに関わらず、第1のプローブおよび第2のプローブは、第1の自己レポーティング(self−reporting)プローブおよび第2の自己レポーティングプローブであり得る。この場合、第1の自己レポーティングプローブおよび第2の自己レポーティングプローブは、第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンであり得る。本発明の代替の実施形態において、第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンは各々、ステム部分およびループ部分を含み、そして第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンのいずれかは、それらの個々のステム部分の長さ、またはそれらの個々のループ部分の長さにおいて互いに異なる。さらに別の実施形態において、2つの分子ビーコンのうち少なくとも1つは、少なくとも1つのヌクレオチドアナログを含む。
本発明の別の局面は、下限量から上限量に広がる範囲にわたってサンプル中に含まれる分析物ポリヌクレオチドの量を定量するための方法に関する。本発明のこの局面に従って、上記の発明の実施形態のいずれかに従って、プローブ試薬を提供するための第1の工程がある。次いで、プローブ試薬と、サンプル中に存在し得る分析物ポリヌクレオチドのいずれかとをハイブリダイズするための工程がある。ハイブリダイゼーション工程において、ハイブリッド二本鎖形成の規模を示すシグナルを測定するための工程がこれに続き、次いで測定されたシグナルから、サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの量を定量するための工程が続く。本発明の異なる実施形態に従い、本発明の試薬の第1のプローブおよび第2のプローブは共に可溶性プローブであるか、または本発明の試薬の第1のプローブおよび第2のプローブは共に固定化プローブであるかのいずれかである。別の実施形態において、定量工程は、測定されたハイブリダイゼーションシグナルを、標準曲線と比較する工程を包含する。さらに別の実施形態において、測定工程は、光学的に測定を実施する工程を包含する。この場合、測定工程は、代替的に発光光度法の実施または蛍光光度法による測定を包含し得る。
本発明のさらに別の局面は、分析物ポリヌクレオチドを定量するためのプローブ試薬を作製する方法に関する。この方法に従い、分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第1の分析物配列に相補的な第1のオリゴヌクレオチドプローブを選択するための工程がある。この第1のオリゴヌクレオチドプローブは、分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、第1の親和性を有する第1の二本鎖を形成し得る。分析物ポリヌクレオチド中にまた含まれる第2の分析物配列に相補的な第2のオリゴヌクレオチドプローブを選択するための工程がこれに続く。この第2のオリゴヌクレオチドプローブは、分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズして、第2の親和性を有する第2の二本鎖を形成し得る。第1の親和性および第2の親和性は、互いに異なる。異なるオリゴヌクレオチドプローブが異なる親和性でそれらの各々の分析物配列にハイブリダイズすることを確実にする1つの試験は、2つのプローブ:標的ハイブリッドが、同一の緩衝条件ならびにプローブ濃度および標的濃度下で測定される場合に、異なるTmを有することを確実にすることである。本発明に従って、第1の分析物配列および第2の分析物配列は、互いに連続的であり、そして少なくとも1つのヌクレオチド位置を共通で共有する。プローブが選択された後、次にそれらは、組み合わされる。1つの実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドプローブは、第1の検出可能な標識を含み、そして第2のオリゴヌクレオチドプローブは、第2の標識を含む。特定の実施形態において、第1の検出可能な標識および第2の検出可能な標識は、同一である。本発明の方法の異なる実施形態において、組み合わされたプローブを固体支持体に固定するためのさらなる工程がある。
(定義)
本開示の目的の上で、以下の用語は、本明細書中にそうではないと明白に述べられない限り、以下の意味を有する。
本明細書中で使用される場合、「試験サンプル」は、分析物ポリヌクレオチドの存在または量について分析される核酸を含むことが推測されるサンプルである。試験サンプルの核酸は、任意の生物学的な起源(ヒト由来の任意の組織またはポリヌクレオチド含有材料を含む)の核酸であり得る。例えば、試験サンプルの核酸は、以下のうちの1つ以上を含み得る生物学的サンプルに由来し得る:末梢血、血漿、血清、骨髄、リンパ節を含む生検組織、呼吸器の組織または滲出液、胃腸組織、子宮頸部スワブ(cervical swab)サンプル、精液または他の体液、組織あるいは材料。生物学的サンプルは、組織または細胞の構造を粉砕するように処理され得、その結果、酵素、緩衝液、塩、界面活性剤などを含有し得る溶液中に細胞内構成要素が放出され得る。代替の核酸供給源としては、微生物の存在を示す特定の分析物ポリヌクレオチドの存在について試験される水または食品サンプルが挙げられ得る。
本明細書中で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、すくなくとも2つ(一般的に約5と約100との間)の化学的サブユニットのポリマー鎖であり、各サブユニットは、ヌクレオチドの塩基部分、糖部分、およびサブユニットを直線の空間的配置で結合する連結部分を含む。一般的ヌクレオチド塩基部分は、グアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)であるが、水素結合し得る他の稀なヌクレオチド塩基または改変ヌクレオチド塩基が、当業者に周知である。オリゴヌクレオチドは、天然に存在する供給源から精製され得るが、好ましくは、種々の周知の酵素による方法または化学的方法のうちの任意のものを使用して合成され、そしてヌクレオチドアナログを含み得る。この用語は、天然に存在するヌクレオチドのアナログを含むポリマーを含み、そして特にリボースの2’位にメトキシ基(OMe)を有するアナログを含む。
本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNAのいずれかを、配列中に存在し得、そして相補配列を有する第2の分子とのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを抑制しない任意の合成ヌクレオチドアナログまたは他の分子と共に意味する。この用語は、天然に存在するヌクレオチドのアナログを含むポリマーを含み、そして特にリボースの2’位にメトキシ基(OMe)を有するアナログを含む。
「分析物ポリヌクレオチド」は、核酸増幅プロセス(例えば、下記のTMAプロトコル)によって検出、定量または複製されるべき標的ポリヌクレオチドである。
本明細書中で使用される場合、「検出可能標識」は、検出され得るか、または検出可能な応答を導き得る化学種である。本発明に従う検出可能標識は、直接的にか、または間接的にかのいずれかでプローブに連結され得る。分子ビーコンまたは他の自己レポーティングプローブに特に関連して、検出可能標識が相互作用的標識対のメンバーであることが好ましい。標識対の一方のメンバーが発蛍光団であり、そして標識対の他方のメンバーがクエンチャーであることが、非常に好ましい。発蛍光団およびクエンチャーの例は、米国特許第6,037,130号の5欄に示される。
ハイブリダイゼーションプローブを用いる「均一性」アッセイ様式は、正確に特異的プローブ結合の程度を決定するために、ハイブリダイズしていないプローブの除去を必要としない。このようにして、核酸の合成は、増幅反応を中断することまたはさらなる操作を実施することなく、密封したチューブ中で、それが生じるにつれてモニタリングされ得る。
「均一性検出可能標識」は、標識が、標的配列にハイブリダイズされたプローブ上にあるかどうかを決定することによって、均一な様式で検出され得る標識をいう。すなわち、均一性検出可能標識は、ハイブリダイズしていない形態の標識または標識化プローブから、ハイブリダイズしている形態の標識または標識化プローブを物理的に取り出すことなく検出され得る。
本明細書中で使用される場合、検出可能に標識されたプローブの「比活性」は、プローブ1単位あたりの検出可能標識の量の尺度である。例えば、化学発光標識を有するポリヌクレオチドプローブの比活性は、1ピコモルのプローブあたりの化学発光の光カウントの数(Berthold Clinilumat)によって示され得る。
本明細書中で使用される場合、「増幅」あるいは「核酸増幅」または「ポリヌクレオチド増幅」は、複数コピーの標的核酸配列、その相補体またはそのフラグメントを得るためのインビトロ手順をいう。
「アンプリコン」は、増幅反応において生成されるポリヌクレオチド生成物である。
「分析物アンプリコン」は、分析物ポリヌクレオチドが、ポリヌクレオチドコピーまたは増幅生成物の合成のためのテンプレートとして機能する増幅反応のポリヌクレオチド生成物である。
「標的」または「標的ポリヌクレオチド」は、プローブまたは増幅プライマーによってハイブリダイズされ得る標的核酸塩基配列を含む、特異的なデオキシリボヌクレオチド分子またはリボヌクレオチド分子を意味する。例示的な標的としては、ウイルスポリヌクレオチド、細菌ポリヌクレオチド(たとえば、rRNA)、および真核生物mRNAが挙げられる。核酸増幅反応との関連において、標的ポリヌクレオチドは、複製される標的配列を含み、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得、そして標的配列に加えて、配列を含み得る(さらなる配列は、増幅されないかもしれない)。
「標的配列」は、相補的検出プローブまたは増幅プライマーによってハイブリダイズされ得る、標的ポリヌクレオチドの特定のヌクレオチド配列をいう。
本明細書中で使用される場合、1つのポリヌクレオチド中に含まれる2つの配列は、その2つの配列の間に介在ヌクレオチドがない場合に、互いに「連続」であるといわれる。より大きい配列中に共に含まれ、そして互いに連続である2つの配列は、その2つのポリヌクレオチド配列の間に重複がある場合にのみ、「ヌクレオチドの位置を共通に共有する」といわれる。
本明細書中で使用される場合、連続配列は、「重複」または「非重複」のいずれかであり得る。2つの重複する連続配列の例は、少なくとも1つのヌクレオチドの位置、少なくとも3つのヌクレオチドの位置、少なくとも5つのヌクレオチドの位置、少なくとも10のヌクレオチドの位置、またはそれらの全長に広がる全てのヌクレオチドを共通に共有する2つの連続配列である。非重複である2つの連続配列の例は、一本鎖ポリヌクレオチドの骨格の切断に起因し得るような、互いに末端と末端で隣接する2つの配列である。
本明細書中で使用される場合、プローブは、分析物ポリヌクレオチド中に含まれる「分析物配列」に相補的な配列を含む。「分析物配列」が塩基対形成によるハイブリッド2本鎖形成に参与する分析物ポリヌクレオチドの部分のみをいうことが、明らかであるべきである。プローブの配列は、分析物配列に厳密に相補的な長さおよび配列を有し得、この場合、プローブ配列は、分析物配列の相補体「からなる」、といわれる。あるいは、プローブは、分析物ポリヌクレオチド中にその相補体が無いさらなる配列を含み得る。例えば、このさらなる配列は、二次構造形成に参与し得る。互いに相補的であるが、分析物ポリヌクレオチドの配列に相補的でない「アーム」配列の対を含む分子ビーコンは、この後者の選択肢を例示する。この場合、プローブ配列は、分析物配列の相補体を「含む」といわれる。
「転写関連増幅」は、RNAポリメラーゼを使用して、核酸テンプレートから複数のRNA転写物を生成する、任意の型の核酸増幅を意味する。「転写媒介増幅」(TMA)と呼ばれる転写関連増幅法の1例では、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、およびプロモーター−テンプレート相補的オリゴヌクレオチドを一般的に使用し、必要に応じて、1つ以上の類似のオリゴヌクレオチドを含み得る。TMAのバリエーションは、Burgら、米国特許第5,437,990号;Kacianら、米国特許第5,399,491号および同5,554,516号;Kacianら、PCT番号WO 93/22461;Gingerasら、PCT番号WO 88/01302; Gingerasら、PCT番号WO 88/10315;Malekら、米国特許第5,130,238号;Urdeaら、米国特許第4,868,105号および同5,124,246号;McDonoughら、PCT番号WO 94/03472;ならびにRyderら、PCT番号WO 95/03430に詳細に開示されるように、当該分野で周知である。本明細書中に開示される型の核酸増幅手順を実施するために、Kacianらの方法が好ましい。
「ダイナミックレンジ」は、アッセイされるサンプル中に存在する分析物のレベルと分析物の存在を示すために使用される標識から得られるシグナル量との間の直線性の対応または予測可能に正確な対応を意味する。
本明細書中で使用される場合、「アレイ」は、サンプルの規則的な空間配置物である。アレイは、塩基対形成法則に基づいて、既知の核酸サンプルと未知のサンプルとを一致させるため、ならびに未知のサンプルの同定および/または定量のプロセスを自動化するための媒体を提供する。本発明との関連において有用であるアレイは、それらに含まれる任意の数の空間的に隔てられたサンプルまたは「スポット」を有し得るが、特定の好ましいアレイは、1〜100個のスポット、より好ましくは2〜64個のスポット、より好ましくは3〜12個のスポット、そしてなおより好ましくは3〜9個のスポットを有する。
本明細書中で使用される場合、「分子ビーコン」または「分子ビーコンプローブ」は、ハイブリダイゼーションを促進して、検出可能なハイブリッドを形成させる条件下で、標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする、ステム−および−ループ構造を有する核酸塩基プローブである。分子ビーコンは、米国特許第6,103,476号に記載されている。
分子ビーコンまたは他のプローブに関して、「固定された」は、プローブが直接的または間接的に固体支持体に連結するように運搬することを意味する。固定されたプローブは、共有結合または非共有結合の相互作用によって固体支持体に連結され得る。
本明細書中で使用される場合、「測定可能結合相互作用」は、検出可能なシグナルを生じる標的配列とプローブとの間の相互作用である。
「結合アフィニティー」は、2つの結合パートナー間の相互作用の強度の尺度を意味する。結合パートナーが、少なくとも部分的に相補的な核酸である場合、結合アフィニティーは、規定の核酸ハイブリダイゼーション条件下での水素結合の強度の尺度である。核酸結合アフィニティーの簡便な尺度はTmであり、これは、上記の2つの鎖の50%が、二本鎖またはハイブリダイズした形態である温度である。
改変オリゴヌクレオチドが、「増大した」または「より大きい」アフィニティーまたは比を有するとされる場合、改変オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの比またはアフィニティーが、同じ標的に対して同じ長さおよび塩基配列の非改変オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション比または結合アフィニティーより大きいことを意味する。
本明細書中で使用される場合、「クエンチング比」は、まず分子ビーコンおよび標的ポリヌクレオチドを含むサンプルについて測定されたシグナルからネガティブコントロール反応(例えば、緩衝液コントロール)について測定されたシグナルを減算し、次いでその結果を、分子ビーコンのみを含むサンプルについて測定されたシグナルからネガティブコントロール反応について測定されたシグナルを減算することによって得られた値で除算することによって算出される、補正されたシグナル対ノイズ比である。
本明細書中で使用される場合、用語「ハイブリダイゼーションプロフィール」は、プローブハイブリダイゼーションの範囲とハイブリダイゼーション反応に含まれる標的ポリヌクレオチドの量との間の関係をいう。ハイブリダイゼーションプロフィールは、x軸に標的の量およびy軸にハイブリダイゼーションシグナルを有するプロットにおいてグラフで簡便に表される。得られる曲線は、特徴的なS字形状を有する。
本明細書中で使用される場合、「アフィニティーシフトプローブ試薬」は、異なるアフィニティーで分析物ポリヌクレオチド種にハイブリダイズし得る、少なくとも2つのプローブを含む。これらのプローブは、可溶性プローブまたは固定されたプローブであり得る。定量的プローブアレイは、固定されたアフィニティーシフトプローブを含む構築物である。
本明細書中で使用される場合、「拡張されたダイナミックレンジアッセイ」は、アッセイ中に1つより多くのプローブを含むアフィニティーシフトプローブ試薬を使用し、ここでアフィニティーシフトプローブ試薬は、サンプル中の分析物量の範囲に亘って分析物の検出および定量を可能にし、この量は、アフィニティーシフトプローブ試薬中に存在するいずれか一方の標識プローブによって検出され得る分析物の量より多い。
「から本質的になる」は、本発明の基本的かつ新規の特徴を実質的に変えないさらなる成分、組成物、または方法工程が、本発明の組成物またはキットまたは方法に含まれ得ることを意味する。このような特徴としては、生物学的サンプル(例えば、全血または血漿)中の分析物ポリヌクレオチドを選択的に検出および定量する能力が挙げられる。本発明の基本的かつ新規の特徴に重大な影響を有する任意の成分、組成物、または方法工程は、この用語の範囲外である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、臨床試験研究施設の必要性のために適切な様式で分析物ポリヌクレオチドを定量するための組成物、方法およびデバイスを提供する。本発明は、必要に応じて、1つの特徴を組み込み、これにより定量的アッセイのダイナミックレンジ(このアッセイにおいて確実に測定され得る分析物濃度または分析物量の範囲を意味する)は、有利に改良または「拡張」される。本発明は、可溶性プローブまたは固定されたプローブのいずれかを使用して実施され得る。1つの実施形態において、このプローブは、本明細書中で「定量的プローブアレイ」と呼ばれるものを製造するために、アレイ形式またはマイクロアレイ形式で固定される。
本発明の拡張されたダイナミックレンジの局面は、複数のプローブ(各々が、一本鎖分析物ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な結合相互作用を有する)が、広い範囲の濃度または量にわたって分析物を定量するために用いられ得るという本発明者らの発見から生じている。本明細書中に開示されるように、化学発光部分または発蛍光団/クエンチャー対のいずれかで標識された、複数のポリヌクレオチドプローブは、可溶性プローブ形式かまたは固定されたプローブ形式のいずれかを用いてポリヌクレオチド分析物を定量するために用いられている。
本発明の非常に好ましい実施形態では、異なるセットの2つの標識されたプローブが、可溶性形態で、既知量の標的ポリヌクレオチド、または既知量のテンプレートポリヌクレオチドを用いて行われた核酸増幅反応の生成物のいずれかを定量するために用いられた。両方の場合で、標的ポリヌクレオチドを定量するために用いられた2つの核酸プローブの各々の量は、定量され得る分析物ポリヌクレオチドの量の上限よりも、実質的に低かった。例えば、以下の実施例1に開示されるように、0.5fmolの可溶性26マープローブは、1000fmolと同じくらい多い標的分析物ポリヌクレオチドの量を測定するために有用であることが示された。同様に、26マーの配列の中に全体が含まれる配列を有する、0.5fmolの可溶性20マープローブは、100,000fmolと同じくらい多い標的分析物ポリヌクレオチドの量を測定するために有用であった。この量は、アッセイに用いられるプローブの量よりも200,000倍多い量であった。本発明に従って、ハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジは、アッセイに用いられるいずれのプローブの量よりも多い上限までの、アフィニティーシフトプローブ試薬の使用により拡張され得る。
本発明の別の非常に好ましい実施形態では、複数の固定されたプローブ、より好ましくは、固定された自己レポーティングプローブ、さらにより好ましくは、固定された分子ビーコンプローブは、広い範囲の濃度または量にわたる分析物ポリヌクレオチドを定量するために高められた能力を有する、定量的プローブアレイを作製するために用いられ得る。例えば、一本鎖分析物ポリヌクレオチドの同じまたは異なる標的領域に対して、異なるアフィニティーを有する2つの分子ビーコンは、この目的のために用いられ得る。以下に示されるように、分析物ポリヌクレオチドは、試験サンプルが、検出可能なシグナルを作製するために十分に多い数のこれらの分子を含む場合、直接定量された。しかし、可溶性プローブ形式および定量的プローブアレイの両方はまた、核酸増幅反応と共に用いられる場合、非常に少ない数の分析物ポリヌクレオチドを定量するために有用であった。
実際、本発明は、核酸増幅の特徴と、臨床診断試験に適切な形式で分析物ポリヌクレオチドを定量するためのシステムとを有利に組み合わせる。サンプルをポジティブに増幅することから起こり得るキャリーオーバー汚染を避けるために、必要に応じて、検出工程および/または定量工程を実行するために、異なる容器の間での増幅反応後の混合物の物理的移動を伴う、任意の工程を排除するかまたは行うことが特別な目的であった。増幅反応中にハイブリダイゼーションプローブを含み、それにより、増幅手順および検出/定量手順を組み合わせることが好適であるように最初は考えられたが、本発明者らは、いくつかの増幅反応が、ハイブリダイゼーションプローブの存在により阻害され得ることを発見した。より詳細には、本発明者らは、ハイブリダイゼーションプローブに相補的なアンプリコンを作製する等温増幅反応が、時折、ハイブリダイゼーションプローブの存在により阻害され得ることを発見した。従って、等温増幅反応に含まれるハイブリダイゼーションプローブの影響を最小限にすることが本発明の更なる目的であった。
上記のように、ハイブリダイゼーションプローブの存在下で行われた等温増幅反応は、時折、低下した増幅効率を示した。特定の理論に縛られることは望まないが、プローブ:標的複合体を特徴付ける二重鎖構造の領域は、標的ポリヌクレオチドがまた、増幅反応におけるテンプレートとして働く場合、ポリメラーゼ酵素の合成活性を阻害し得ることが可能である。熱サイクル手順に基づく増幅反応は、当然、ハイブリダイゼーションプローブをその標的から分離する高温工程を用いるので、熱サイクル反応混合物中のプローブの存在は、等温反応において観察されたのと同じ有害な効果を有するとは予想されない。等温増幅システムを固有に特徴づけ得る要求に応じて作製されるが、本発明はまた、熱サイクルに基づく増幅反応と組み合わせて使用され得る。実際、本発明は、一般的に、任意の数の異なる増幅プロトコルを用いる分析物ポリヌクレオチドを定量するために有用である。
本明細書中で開示される定量的プローブアレイは、さもなければ、より慣習的な定量方法において用いられる、わずかな画分の量のプローブのみを有利に用い得る。ピコモル量の分子ビーコンプローブは、溶液中の分析物ポリヌクレオチドを定量するために、以前に用いられ、本明細書中に記載されるアプローチは、結果の整合性を犠牲にすることなく、10,000〜100,000倍少ないプローブを有利に用い得る。より少ない量のハイブリダイゼーションプローブを用いて、良好な定量結果を達成するためのこの能力によって、等温増幅反応を、定量的プローブアレイのハイブリダイゼーションプローブと接触して実行することが実際に可能である。結果として、増幅手順、検出手順および/または定量手順は、全体的に閉じた形式で行われ得る。これは、ポジティブに増幅する反応において生じるアンプリコンによる、ネガティブな試験サンプルのキャリーオーバー汚染の可能性を最小限にする。
任意の定量技術の能力を最高に活用するために、広い範囲の濃度または量にわたって分析物ポリヌクレオチドの量の差異を検出することが望ましい。これは、一般的に、実験分野において、広範な「ダイナミックレンジ」といわれる。従って、本発明の別の利点は、一本鎖ハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジを拡張し、それにより、数オーダーの規模の広範な範囲にわたって、分析物ポリヌクレオチドを定量するための能力を増大させる能力である。定量的ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジを拡張する代替の方法は、以前に記載されている。
例えば、Nelsonの米国特許第6,180,340号は、いくつかの重要な観点において本発明と異なる方法を記載する。より具体的には、本発明は、たとえ標識されたプローブの比活性がこのアッセイに用いられるプローブの量に反比例しないとしても、そしてアッセイにおけるプローブの量が定量される標的ポリヌクレオチドの量よりも少ないとしても、分析物ポリヌクレオチドを定量するために用いられる複数のプローブを標識するために、同一の区別できない標識を用い得る。本発明は、同一の標識を保有する異なるプローブが、異なる比活性を有さなければならないこと、または、任意の他の手段により区別可能でなければならないということさえも必要としない。実際に、本発明の特定の実施形態に従って、区別不可能な標識を保有する2つの異なるプローブが、可溶性プローブを用いる単一のハイブリダイゼーション反応と組合され得るか、またはアレイ内の単一のスポットであり得、そして良好な定量的結果を与える。Nelsonにより記載される方法とは対照的に、ポリヌクレオチドの定量は、重複配列、または単一の分析物ポリヌクレオチド内の同一の配列さえも結合する、複数の異なるプローブを用いて本発明に従って実行され得る。単一標的領域とのハイブリダイゼーションのための異なるプローブの間での競合は、本発明の定量能力に対して実質的にネガティブな影響を有さない。さらに別の異なる観点では、本発明は、一般的に、ハイブリダイゼーション手順に用いられるプローブの量が、アッセイにおいてこのプローブにより検出および定量される、分析物ポリヌクレオチドの量または濃度から、かなり少ないときでさえも、分析物ポリヌクレオチドについて、定量的な情報を提供する。
ハイブリダイゼーションプロトコルを用いて分析物ポリヌクレオチドを定量するための任意のアッセイにおいて、ハイブリダイゼーションシグナルの大きさについて、S字型標準コントロール曲線の実質に直線の部分内にあることが好適である。当業者は、標準曲線が、第1の軸上のポリヌクレオチドの量および第2の軸上のハイブリダイゼーションシグナルの強度に関係することを理解する。ハイブリダイゼーションシグナルの大きさが、標準コントロール曲線の非直線部分内にあるか、またはハイブリダイゼーションシグナル強度が、漸増量の標的ポリヌクレオチドに関して実質的にプラトーに達している標準コントロール曲線の部分内にある場合、ハイブリダイゼーションシグナル強度における小レベルの不確定性度は、望ましくないほど強調され得るか、または、さもなければ、サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの量についての不確実性を導入し得る。正確な定量的測定を容易にするために、実質的に直線の様式で増加する延長された領域により特徴付けられる、利用可能な1つ以上の標準コントロール曲線を有することが非常に好適である。
(ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジを拡張するための基準)
可溶性プローブかまたは固定プローブのいずれかを用いて行ったアッセイのダイナミックレンジは、複数のハイブリダイゼーションプローブ(異なるプローブの各々は、同じ分析物ポリヌクレオチドとの、異なる測定可能な相互作用を有する)の使用を通して拡張される。本発明の状況において、異なる測定可能な相互作用は、2つの異なるプローブが、分析物量または分析物濃度の範囲にわたって分析物ポリヌクレオチドスタンダードとハイブリダイズされる場合に、異なるハイブリダイゼーションプロフィールを有するようにする任意の特徴である。これらのハイブリダイゼーションプロフィールは、高レベルの分析物ポリヌクレオチドでの飽和を示す、特徴的なシグモイド形状を有する。
特定の標的ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な相互作用を有するプローブのセットは、プローブの間の任意の数の構造的差異から生じ得る。例えば、2つのプローブは、重複配列または非重複配列を有し得、そして/または、さもなければ同じであるプローブ配列においてさえも、ヌクレオチドアナログへの従来のデオキシリボヌクレオチドの置換により異なり得る。プローブが分子ビーコンである場合、分子ビーコンのセットは、同一の標的相補的ループ配列を有し得るが、それらのステム領域の配列または長さにおいて異なる。分子ビーコンのセットは、同一のステム領域を有し得るが、それらの標的−相補的ループ配列の、配列、長さ、または二次構造において異なる。
本発明の拡張されたダイナミックレンジ特性の下にある概念は、以下の実施例により例証される。2つのプローブが、異なるアフィニティーで、単一の種の分析物ポリヌクレオチド単一の種をハイブリダイズする場合、より高いアフィニティーのプローブは、分析物ポリヌクレオチドの任意の所定のレベルで、より低いアフィニティーのプローブよりも優先して、分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする。結果として、各プローブは、異なるS字型曲線を生じる範囲の濃度にわたって分析物ポリヌクレオチドと相互作用し、この異なるS字型曲線は、第1の軸上の分析物ポリヌクレオチドの量または濃度、および第2の軸上のプローブハイブリダイゼーションの程度の尺度に関係する。重要なことに、2つのプローブの異なるハイブリダイゼーション特徴の結果として、個々のプローブのハイブリダイゼーションを表すS字型曲線は、重ならず、そしてプロットの第1の軸上で、互いに対してシフトされる。異なるハイブリダイゼーションプローブの応答を表す2つの曲線が、例えば、単純な追加のプロセスにより、第2の軸上に合わされる場合、結果は、個々の曲線のいずれかと比較した場合に、拡張したダイナミックレンジにより有利に特徴付けられる複合曲線である。複数のハイブリダイゼーションプローブの中の個々の応答を表す複数のS字型曲線が合わされる場合、このことがあてはまる。より具体的には、得られた複合曲線は、任意の構成曲線と比較した場合、拡張したダイナミックレンジにより特徴付けられる。
異なるプローブが、同一の検出可能な標識を保有する場合、このプローブからのハイブリダイゼーションシグナルは、区別され得る。ある量の分析物ポリヌクレオチドを含む試験サンプルは、2つの異なるハイブリダイゼーションプローブとハイブリダイズし、これらの各々が、分析物に対して異なるアフィニティーを有し、そして同一の検出可能な標識、または検出工程の間に区別されない検出可能な標識を保有する場合、測定されたハイブリダイゼーションシグナルは、2つの異なるプローブから得られるシグナルの複合物である。従って、本発明の特定の好ましい実施形態では、定量的プローブアレイを含む、アフィニティーシフトしたプローブ試薬中に含まれる複数のプローブは、ハイブリダイゼーションシグナル強度を検出するために工程の間に互いが区別されない検出可能な標識を有する。本発明の方法を用いる場合、成功を達成するために、異なるプローブに起因したハイブリダイゼーションシグナルを区別する必要はない。
これらの概念は、図1に表される実験結果により例証される。この図は、高アフィニティープローブ(すなわち、26マー)および低アフィニティープローブ(すなわち、20マー)のハイブリダイゼーションプロフィールを表すS字型プロットが、ハイブリダイゼーション反応が、当量の2つのプローブを含んでいた場合に、複合曲線を生じるように組み合わされたグラフを示す。複合曲線は、プローブを個別に用いて得られた結果を表す、孤立成分曲線のいずれかに関する拡張したダイナミックレンジによって特徴付けられた。拡張したダイナミックレンジの利点は、たとえ、異なるプローブが、同じハイブリダイゼーション反応において用いられなかったとしても、そしてたとえ、これらが、互いに混合されなかったとしても、単一の位置でアレイ中に配置されないとしても達成され得る。
顕著に、分析物ポリヌクレオチドの絶対量は、プローブが過剰な条件よりもむしろ、標的が過剰な条件下で、可溶性プローブまたは定量的プローブアレイ中に固定されたプローブを含む固定化プローブのいずれかを用いて決定され得る。実際、定量的手順は、アレイ形式において、異なるハイブリダイゼーションプローブの各々の非常に少量を用いて実行され得る。
以下に表される作業実施例に例示されるように、拡張したダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイは、可溶性プローブまたは固定化プローブのいずれかを用いて、行われ得る。核酸増幅プロトコルと組み合わせて用いられる場合、これらのプローブ型のいずれかを用いるアッセイは、増幅反応の終りに行われ得る(すなわち、終点アッセイ)か、または増幅反応が進行しながら時間依存様式で行われ得る。後者の場合、等温増幅反応の間、またはPCRもしくは熱サイクル増幅手順のサイクルの間に、プローブハイブリダイゼーションの大きさを周期的にモニタリングすることを包含し得る。
実施例1は、可溶性プローブを用いる拡張したダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイの一般的特徴を例示する。実施例2は、アッセイの別の例示を提供し、ここで、可溶性プローブは、実施例1に記載される手順に実質的に類似した手順に従って核酸増幅反応の産物にハイブリダイズされた。本明細書中に提供される引き続く実施例は、拡張したダイナミックレンジにわたって分析物ポリヌクレオチドを定量するための固定されたプローブの使用を記載する。実際に、本発明は、アレイ形式またはマイクロアレイ形式で固定されたプローブを用いて実施され得る。分子ビーコンは、プローブの非常に好ましい例であり、このプローブは、可溶性プローブ形式または固定されたプローブ形式のいずれかで用いられ得る。本発明のこれらの実施形態の各々は、ハイスループットアッセイ形式を用いて実施され得る。
2つ以上の可溶性プローブの組み合わせが、分析物ポリヌクレオチドを定量するために用いられる場合、プローブを、好ましくは、合わし、そして共に、単一のハイブリダイゼーション反応において用いて、ハイブリダイゼーション工程および検出工程を単純化する。このことは、定量される物質の量が、制限される場合、または液体サンプルを複数のアリコートに分けることが、非現実的であるか、もしくは禁じられている場合に、特に好適である。例えば、これは、頻繁に、キャリーオーバー汚染の危険性を最小限にするための増幅後の反応混合物の物理的移動を避けるために有益である。従って、異なるアフィニティーで同じ標的ポリヌクレオチドをハイブリダイズする2つ以上のプローブが合わされ得、同時に、増幅後の反応混合物に添加され得、この混合物中に含まれる標的アンプリコンとハイブリダイズされ得、そして、引き続いて、プローブハイブリダイゼーションの大きさが検出され得る。本発明のこの実施形態の基礎を成す手順は、以下の実施例1および2に例示される。
複数の異なるハイブリダイゼーションプローブの使用から生じる拡張したダイナミックレンジの利点は、固定されたプローブ形式およびアレイ形式に拡張され得る。サンプル中の実質的に全ての分析物ポリヌクレオチドが、プローブによりハイブリダイズされる条件を使用する必要はないので、プローブの量は、従来技術の方法と比較した場合、劇的に減少され得る。異なるハイブリダイゼーションプローブが、アレイ形式における単一の位置または「スポット」で合わされ得るか、または別々の位置に固定され得る。特定の好ましい実施形態では、分析物を定量するための複数の異なるハイブリダイゼーションプローブが、アレイ中の単一のスポットで組み合わされる。他の好ましい実施形態では、分析物を定量するための複数のハイブリダイゼーションプローブは、アレイ内の異なるスポットに配置される。実際、アレイ内の異なる位置で同じ分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする異なるプローブを固定することに利点がある。
例えば、あるプローブからのハイブリダイゼーションシグナルが、ハイブリダイゼーションシグナル強度 対 投入した標的量のS字型プロットの直線範囲内にあるが、異なるプローブについてのシグナルが、等価なプロットの非直線範囲内にある場合、区別可能な位置で異なるプローブを用いることが好適であり得る。分析物ポリヌクレオチドが、高アフィニティープローブのシグナル発生能力を飽和するのに十分な量で試験サンプル中に存在し、アレイ内の同じ位置にスポットされた低アフィニティープローブについての標準曲線の実質的に直線の部分内にあることがなおも適切である場合、高アフィニティープローブからのシグナルは、低アフィニティープローブの寄与を反映する領域内の複合曲線のバックグラウンドシグナルを有効に増大させる。違う言い方をすれば、特に、飽和した非直線応答を生じる別のプローブからのシグナルを読取ることなく、1つ以上のS字型曲線の直線部分内にある、ハイブリダイゼーションシグナルを検出することが好適であり得る。このことは、区別可能な標識を有するかまたはアレイ内の異なるスポットに固定される別々のハイブリダイゼーションプローブからの個別のシグナルを読み取ることにより、達成され得る。
(定量的プローブアレイにおいて用いられ得るプローブの一般的性質)
本発明に従って、プローブのために好ましい検出可能な標識は、同種アッセイ系において検出可能である。これらの標識の例としては、化学発光部分、蛍光部分、発光部分、および電子検出法に受け入れられるレドックス活性部分が挙げられる。定量的プローブアレイにおける使用に特に好ましいプローブは、自己レポーティングハイブリダイゼーションプローブである。
上に示されるように、自己レポーティングハイブリダイゼーションアッセイプローブの1つの例は、「分子ビーコン」と一般にいわれる構造である。これらのプローブは、標的相補配列を有する核酸分子、標的核酸配列の非存在下で閉じたコンホメーションでプローブを保持するアフィニティー対(または核酸「アーム」)、およびプローブが閉じたコンホメーションにある場合に相互作用する標識対を含む。標的核酸および標的相補配列のハイブリダイゼーションは、アフィニティー対のメンバーを分離し、それにより、このプローブを開いたコンホメーションにシフトする。開いたコンホメーションへのシフトは、標識対(これらは、例えば、発蛍光団(例えば、フルオレセインおよびCy5)およびクエンチャー(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る)の相互作用の低下に起因して検出可能である。分子ビーコンは、米国特許第5,925,517号(その開示は、上記の本明細書中で参考として援用される)に完全に記載されている。
本発明と組み合わせて用いられ得る、第2の型の自己レポーティングプローブはまた、ある程度の自己相補性を示す。より詳細には、「分子トーチ」といわれる構造は、連結領域により接続され、そして所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、互いにハイブリダイズする、自己相補性の別々の領域(造語「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」)を含むように設計される。変性条件に曝露される場合、分子トーチの2つの相補性領域(これらは、完全に相補的でも、部分的に相補的でもよい)は、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が復元される場合に、標的配列へのハイブリダイゼーションのために利用可能である標的結合ドメインを残して、融解する。分子トーチは、標的結合ドメインが、標的閉鎖ドメインよりも標的配列へのハイブリダイゼーションを好むように設計される。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが標的核酸にハイブリダイズされる場合とは対照的に、分子トーチが自己ハイブリダイズされる場合に、異なるシグナルが生じ、それにより、それらと関係する実行可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で、試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を可能にするように配置された相互作用する標識(例えば、蛍光/クエンチャー)を含む。分子トーチは、米国特許第6,361,945号に完全に記載される(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)。
好ましい電子標識および電子検出のアプローチは、米国特許第5,591,578号および同第5,770,369号、ならびに公開された国際特許出願WO98/57158(これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)に開示される。本明細書中の標識として有用なレドックス活性部分としては、遷移金属(例えば、Cd、Mg、Cu、Co、Pd、Zn、FeおよびRu)が挙げられる。
(拡張ダイナミックレンジアッセイにおいて使用される可溶性プローブの一般的特徴)
広く種々の検出可能な標識は、可溶性プローブの標識形態を使用する本発明の実施形態において首尾よく使用され得る。例えば、本発明の実施のために使用される複数のプローブは、放射性同位体、化学発光部分、蛍光部分、酵素、ハプテン、またはさらに独特のオリゴヌクレオチド配列で標識され得る。拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用される可溶性プローブを標識するために使用される他の非常に好ましい検出可能な標識は、標識プローブのハイブリダイズ型および非ハイブリダイズ型を物理的に分離することなく検出され得る、一様な検出可能なプローブを含む。自己レポーティングプローブ(発蛍光団およびクエンチャー部分を含む分子ビーコンのようなプローブを含む)は、本明細書中に開示される本発明の可溶性プローブ形態および固定化プローブ形態の両方について非常に好ましい。
本発明の実施のために使用され得るいくつかの同種の検出可能な標識の例は、Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Woodheadら、米国特許第5,656,207号;およびNelsonら、米国特許第5,658,737号によって詳細に記載される。同種のアッセイにおける使用のための好ましい標識としては、化学発光化合物(例えば、Woodheadら、米国特許第5,656,207号;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;およびArnold,Jr.ら、米国特許第5,639,604号を参照のこと)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい化学発光標識は、アクリジニウムエステル(「AE」)化合物(例えば、標準AEまたはその誘導体(例えば、ナフチル−AE、オルト−AE、1−メチル−AEまたは3−メチル−AE、2,7−ジメチル−AE、4,5−ジメチル−AE、オルト−ジブロモ−AE、オルト−ジメチル−AE、メタ−ジメチル−AE、オルト−メトキシ−AE、オルト−メトキシ(シナミル)−AE、オルト−メチル−AE、オルト−フルオロ−AE、1−メチル−オルト−フルオロ−AEまたは3−メチル−オルト−フルオロ−AE、1−メチル−メタ−ジフルオロ−AEまたは3−メチル−メタ−ジフルオロ−AE、および2−メチル−AE))である。標識の合成および標識を核酸に結合する方法ならびに標識を検出する方法は、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989),第10章;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;Woodheadら、米国特許第5,656,207号;Hoganら、米国特許第5,547,842号;Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Kourilskyら、米国特許第4,581,333号;およびBeckerら、欧州特許出願番号0 747 706を参照のこと)。好ましくは、化学発光AE化合物で標識された検出プローブは、米国特許第5,585,481号;および同第5,639,604号(特に、欄10第6行〜欄11第3行および実施例8)に実質的に記載されるリンカーを介してプローブ配列に結合される。これらの特許文書に包含される開示は、参考として本明細書中に援用される。
本明細書中に示されるように、サンプル中の分析物ポリヌクレオチドの量を定量するハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジは、複数の可溶性プローブまたは表面固定化プローブのいずれかを使用することによって拡張され得る。これらの適用(定量的プローブアッセイを含む)において有用な固定化プローブの特徴は、以下に議論される。拡張されたダイナミックレンジアッセイにおいて互いに組み合わせて使用され得る2つ以上の可溶性プローブは、分析物ポリヌクレオチドと、異なる測定可能な相互作用を示す。これらの異なる測定可能な相互作用の例としては、異なるプローブ:標的結合相互作用の動力学、および分析物ポリヌクレオチドに対する異なるプローブの親和性が挙げられる。親和性における差異は、異なるプローブ:標的ハイブリッド二重鎖についての異なる融解温度(Tm)によって都合よく示され得る。
アフィニティーシフトプローブ試薬において有用な可溶性プローブは、実質的に線状であるか、または二次構造を有し得る。可溶性プローブにおける二次構造は、相補的塩基対形成相互作用を介して分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズするプローブの配列の外側にある配列を含み得る。例えば、本発明を実施するために有用な可溶性プローブは、分析物ポリヌクレオチド内に含まれる分析物配列に相補的である標的相補的配列およびその標的相補的配列と分子内塩基対形成し、5塩基対長(またはより好ましくは5〜10塩基対長)を有する二重鎖領域を形成し得るさらなる配列を含み得る。
分析物ポリヌクレオチドの量が、アフィニティーシフトプローブの量が過剰である場合、アフィニティーシフトプローブ試薬に含まれる異なるプローブの配列は、重複配列または非重複配列のいずれかを有し得る。本発明の背景において、2つのポリヌクレオチドプローブにおける「重複配列」は、同じ標的ポリヌクレオチド配列に対して、相補的塩基対を介する結合について互いに競合する能力を有する配列である。二重鎖ハイブリッドのみがプローブと標的との相補的塩基対形成によって形成される場合、重複配列を共有する2つのプローブのうちただ1つの少なくとも一部は、プローブ飽和の条件下で、単回で標的とハイブリダイズし得る。例えば、第1のプローブが標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド位置1−25とハイブリダイズし得る場合、そして第2のプローブが同じ標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド位置20−44とハイブリダイズし得る場合、これら2つのプローブは、重複配列を有するといわれる。なぜなら、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド位置20−25は、2つのプローブの間で共通であるからである。各プローブの少なくとも1つのヌクレオチド位置が分析物ポリヌクレオチド配列内の1つの位置に対して相補的であるために、2つのプローブがその全長にわたって同じ標的ポリヌクレオチド配列に同時にハイブリダイズし得ない場合、これら2つのプローブは、標的ポリヌクレオチドへの結合について互いに「競合」する能力を有するといわれる。
拡張されたダイナミックレンジアッセイを実施するために使用されるプローブは、少なくとも1つの構造的特徴が2つのプローブを区別する限り、同一または異なるヌクレオチド配列を有し得る。例えば、プローブは、これらの標的相補的配列が異なり得る。1つのプローブの標的相補的配列は、別のプローブの標的相補的配列と重なり得るか、または1つのプローブの標的相補的配列は、別のプローブの標的相補的配列を示す連続的塩基のサブセットであり得る。この後者の場合は、1つのプローブの配列がアッセイにおいて使用される別のプローブの配列内に含まれる完全に含まれる場合、例示される。あるいは、プローブは、このプローブの標的相補的配列の外側にある核酸塩基の存在に由来する異なる二次構造を有し得るが、この二次構造は、このプローブの標的相補的配列の部分を含むステムアンドループ構造またはヘアピン構造を形成し得る。なお別の代替に従って、拡張されたダイナミックレンジにおいて使用されるプローブは、同一の核酸塩基配列を有し得るが、核酸アナログ成分(プローブを構成する、骨格、糖および/または塩基のアナログを含む)の相対的存在または非存在によって異なる。任意のこれらの構造的差異は、プローブの対またはプローブのセットを作製するために使用され得、これらのプローブは、拡張されたダイナミックレンジアッセイにおいて定量される分析物ポリヌクレオチドと、異なる測定可能な結合相互作用を示す。
拡張されたダイナミックレンジアッセイの好ましい実施形態において、少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含む1つのプローブは、改変されたヌクレオチドを欠失する別のプローブと比較して、改変プローブとハイブリダイゼーションアッセイにおいて定量される分析物ポリヌクレオチドとの間のハイブリッド二重鎖のTmを上昇するかまたは減少させる。このような改変プローブは、窒素塩基に結合される少なくとも1つの2’−O−メチルリボフラノシル部分を含むオリゴヌクレオチドを含む。しかし、改変プローブ:標的ハイブリッドのTmを上昇または減少させる他の改変は、同様にハイブリダイゼーションの速度の差異に対して寄与することが適度に予期される(Majlessiら、Nucleic Acids Res.26:2224(1998)を参照のこと)。このような改変は、デオキシリボフラノシル部分またはリボフラノシル部分(2’ハライド置換)の2’位置(または他の位置)で、窒素塩基(例えば、N−ジイソブチルアミノメチリデン−5−(1−プロピニル)−2’−デオキシシチジン;シチジンアナログ、または5−(1−プロピニル)−2’−デオキシウリジン);チミジンアナログ、または結合部分で同様に生じ得る。従って、本明細書中で特定の参考が2’−メトキシ改変に対してなされる一方、同一の塩基配列の非改変プローブを含むハイブリッドに対して改変プローブ:標的ハイブリッドのTmの上昇または低下を導く他の改変は、異なる測定可能な結合相互作用を有する同じ分析物ポリヌクレオチドに対して標的化されるプローブを作製するために同様に有用であることが期待される。
2’糖位置でメトキシ基の置換を含む改変は、RNAを含む分析物ポリヌクレオチドを定量する拡張されたダイナミックレンジについて有用であるプローブを区別するために特に好ましい。これらの2’改変オリゴヌクレオチドは、Tmおよびハイブリダイゼーション動力学の両方に関して、RNA標的(TがUに置換されているが)に同一の配列を有するDNAよりRNAに対して優先性を示す。特定のプローブが、分析物ポリヌクレオチドに対して所定の親和性を有する場合、デオキシリボフラノシル(またはリボフラノシル)環の2’位置に改変を有するヌクレオチドアナログの置換は、出発プローブに比べて得られたプローブの、相補的分析物ポリヌクレオチドに対する親和性を変更し得る。この理由のために、2’−メトキシアナログの存在および非存在によって区別されるプローブは、転写ベースの核酸増幅反応のアンプリコン生成物を定量する、拡張されたダイナミックレンジハイブリダイゼーションアッセイを実施するために非常に有用である。
本発明に関連して使用され得る2つのプローブを構造的に区別するために使用され得る骨格アナログの例としては、「ペプチド核酸」(PNA)が挙げられる。これらは、リン酸二エステル骨格ではなくペプチド骨格に連結されたリガンドを含む化合物である。代表的なリガンドとしては、適切なリンカーを介してペプチド骨格に結合される、4つの主要な天然に存在するDNA塩基(すなわち、チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン)または他の天然に存在する核酸塩基(例えば、イノシン、ウラシル、5−メチルシトシンまたはチオウラシル)または人工塩基(例えば、ブロモチミン、アザアデニンまたはアザグアニンなど)が挙げられる。PNAは、ssDNA鎖およびRNA鎖に相補的に結合し得る。PNAを作製および使用するために方法は、米国特許第5,539,082号に開示される。
拡張されたダイナミックレンジハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用される2つ以上の可溶性プローブが分子ビーコンである場合、これらの分子ビーコンは、異なる測定可能な相互作用で、同じ分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする。本明細書中に示されるように、これらの異なる測定可能な相互作用は、1つの分子ビーコンの構造を他に対して改変することがら生じる。実際に、2つ以上の可溶性分子ビーコンは、分子ビーコンに関連して以下に記載される様式において、互いに異なり得る。この分子ビーコンは、定量的なプローブアッセイの産生において有用である。例えば、可溶性分子ビーコンは、これらの標的相補的ループ領域の配列において、またはこれらのステム領域において、互いに異なり得る。1つの可溶性分子ビーコンの標的相補的ループ領域は、同じアッセイにおいて使用される第2の分子ビーコンの標的相補的ループ領域によって示される、より大きな配列内に含まれる連続塩基のサブセットであり得る。あるいは、拡張されたダイナミックレンジアッセイにおいて使用される分子ビーコン種は、配列が同じポリヌクレオチド内に含まれる限り、分析物に含まれる重複配列または非重複配列にハイブリダイズし得る。もちろん、2つ以上の可溶性分子ビーコンは、これらのステム領域においてのみ、またはさらに異なり、異なる測定可能な相互作用を生じる方法で、分析物ポリヌクレオチドと相互作用するプローブのセットを生じる。より高いTmによって特徴付けられるステム配列を有する1つの分子ビーコンは、同一の標的相補的ループ配列およびより低いTmによって特徴付けられるステム領域を有する異なる分子ビーコンと比較した場合、標的配列に対してそれほど堅くは結合しない。従って、これらのステム配列および/または標的相補的ループ配列において互いに異なる2つ以上の分子ビーコンは、拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイのための可溶性プローブとして互いに組み合わせて有用である。本発明の特定の好ましい実施形態において、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用される1つの分子ビーコン上に示される標識は、プローブハイブリダイゼーション工程に続く検出工程の間の同じアッセイにおいて使用される別の分子ビーコン上に示される標識と区別されない。これは、各プローブ上の同じ標識を使用することによって、または検出手順および測定手順の間、同じ器具を使用して検出可能である、互いに十分類似する標識を使用することによって達成され得る。
(定量的プローブアッセイにおいて有用な固定化プローブの一般的特徴)
拡張されたダイナミックレンジを有する定量的プローブアッセイは、少なくとも2つのプローブ(好ましくは、自己レポーティングプローブ(例えば、分子ビーコン))を使用し、これらのプローブは、同種の分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし得、そして分析物ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な相互作用を有する。上記されるように、これらの異なる測定可能な相互作用は、1つのプローブの構造を他のプローブに対して改変することから生じる。例えば、アレイにおける異なる分子ビーコン種は、これらの標的相補性ループ領域またはこれらのステム領域が異なり得る。アレイにおける1つの分子ビーコンの標的相補的ループ領域は、同じアレイにおける第2の分子ビーコンの標的相補的ループ領域によって示されるより大きな配列内に含まれる連続塩基のサブセットであり得る。定量的プローブアレイにおける少なくとも2つの分子ビーコンは、これらの標的領域が同じポリヌクレオチド内に含まれる限り、重複標的領域または非重複標的領域にハイブリダイズすることがまた、可能である。本発明の背景において、そして上記されるように、2つの分子ビーコンが、重複する標的相補的配列を有する場合、2つの配列が、同じ標的ポリヌクレオチドの全長にわたって同時にハイブリダイズし得ないことを意味する。実際、2つのプローブの標的相補的配列は、共通して1つの核酸位置程度共有し得るが、「重複」すると考えられるこれらの全長にわたって同一であり得る。定量的プローブアレイを使用して実施するハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジを拡張するために有用な分子ビーコンは、異なる標的相補的ループ配列を有することが必要とされない。
実際、より高いTmによって特徴付けられるステム配列を有する1つの分子ビーコンは、より低いTmによって特徴付けられる同一の標的相補的ループ配列およびループ領域を有する異なる分子ビーコンと比較する場合、標的配列にそれほど堅くは結合しない。下に示されるように、これらの可能性は、分析物ポリヌクレオチドまたはアンプリコンを定量するために有用な定量的プローブアレイを産生するために使用され得る。もちろん、これらのステム配列および標的相補的ループ配列の両方において、互いに異なる分子ビーコンはまた、本発明と関連して有用である。
分子ビーコンがその標的ポリヌクレオチドを結合する親和性および/またはハイブリダイゼーションは、一般的に、分子ビーコンのループ部分の長さが増加するにつれてか、またはこの分子ビーコンのステム部分の安定性が減少するにつれて、増加する。定量的プローブアレイを使用するハイブリダイゼーションによって定量される標的ポリヌクレオチドの濃度が低い場合、標的に対してより高い親和性を有する分子ビーコンは、より低い親和性を有する分子ビーコンに優先的に結合する。従って、これらの標的相補的ループ領域の長さが異なる分子ビーコンが溶液中の標的の濃度に依存する種々の程度まで、標的ポリヌクレオチドを結合する。従って、単一のポリヌクレオチド標的をハイブリダイズし得る、異なる標的相補的ループ配列を有する2つ以上の分子ビーコンのセット、または同一のループ配列を有するがこれらのステムが異なる2つ以上の分子ビーコンのセット、の相対的結合応答は、拡張されたダイナミックレンジにわたって標的ポリヌクレオチドを定量するために使用され得る。
一般的に、プローブ−標的相互作用の程度は、これらのポリヌクレオチド標的に対する分子ビーコンの親和性が増加するにつれて、増加する。この相関は、本発明において活用され、その結果、同じ標的ポリヌクレオチドに対して異なる親和性を有する分子ビーコンのアレイ化セットは、定量的に異なるレベルの標的の結合を示す。従って、標的ポリヌクレオチドは、同じ標的ポリヌクレオチドに対して異なる親和性を有する少なくとも2つの分子ビーコンの相対的ハイブリダイゼーションシグナルを比較することによって定量され得る。
定量的プローブアレイにおける分子ビーコンの個々の種が一般的な発蛍光団/クエンチャー組み合わせを使用し得るという事実は、検出手順を単純化する。このことは、ハイブリダイゼーションシグナルの最適な測定が、一定の励起波長および放出波長で実施され得、それによって分析装置の要件を単純化する。
(定量される分析物ポリヌクレオチドの性質)
可溶性プローブまたは固定化プローブを結合し、それからの検出可能な応答を刺激し得る、分析物ポリヌクレオチドは、本明細書中に記載される手順を使用して定量され得る。分析物ポリヌクレオチドは、試験サンプルが検出可能なシグナルを生成する十分に大きい数のこれらの分子を含む場合、直接定量され得る。あるいは、非常に低いレベルで試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドは、分析物のアンプリコンを産生する核酸増幅反応におけるテンプレートを提供し得る。次いで、得られたアンプリコンは、可溶性プローブまたは固定化プローブ(定量的プローブアレイに固定化されたプローブ)のいずれかを使用して検出され得、そして試験サンプル中の分析物ポリヌクレオチドの前増幅量についての情報は、定量的結果から決定される。
可溶性プローブまたは固定化プローブが本明細書中に開示される方法に従って分析物ポリヌクレオチドを定量するために使用されるかどうかに関わらず、これらのプローブは、最も効率的に、一本鎖標的と自然に相互作用する。従って、定量される分析物ポリヌクレオチドまたは分析物アンプリコンは、これらが、本発明のアフィニティーシフトプローブとハイブリダイズする場合、一本鎖形態であることが好ましい。従って、二重鎖核酸は、本発明のプローブとハイブリダイゼーションする前に、熱変性する必要があり得る。
本明細書中に記載される定量的方法は、分析物ポリヌクレオチドの起源に関わらず、増幅反応を実施するために使用され得る。好ましい分析物ポリヌクレオチドとしては、疾患原因生物(ウイルス、細菌、真菌および原生動物)由来の核酸を含む。ウイルス由来の非常に好ましい分析物ポリヌクレオチドの例としては、ヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV−1およびHIV−2)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびヒトパルボウイルスB19由来の核酸が挙げられる。本明細書中に開示される方法に従って定量され得る、細菌、真菌および原生動物由来の好ましい分析物ポリヌクレオチドとしては、リボソームRNA(rRNA)が挙げられる。定量的プローブアッセイを使用して検出され得る分析物ポリヌクレオチドの供給源として非常に好ましい細菌の例としては、Chlamydia trachomatis(細胞内器官内に生息するグラム陰性細菌)、Campylobacter属のメンバー(C.jejune、C.coli、C.laridis),Enterococcus属のメンバー(E.avium、E.casseliflavus、E durans、E.faecalis、E.faecium、E.gallinarum、E.hirae、E.mundtii、E.pseudoavium、E.malodoratus、およびE.raffinosus)、Haemophilus influefzzae、Listeria momocytogenes、Neisseria gonorrhoeae、Staphylococcus aureus、Streptococci B群、Streptococcus pneumoniae、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium avium、Mycobacterium intracellulare、Mycobacterium gordonae、Mycobacterium kansasii。分析物ポリヌクレオチドの供給源として非常に好ましい真菌の例としては、以下が挙げられる:Blastomyces dermatitidis、Candida属のメンバー(C.albicans、C.glabrata、C.parapsilosis、C.diversus、C.tropicalis、C.guilliermondii、C.dubliniensis)、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis。分析物ポリヌクレオチドの供給源として非常に好ましい原生動物の例としては、血液原生動物および組織原生動物(例えば、Plasmodium属のメンバー(P.malariae、P.falciparum、P.vivax))および胃腸管に感染する原生動物(例えば、Giardia lambliaおよびCryptosporidium parvum)が挙げられる。
アフィニティーシフトプローブ試薬(定量的プローブアッセイを含む)はまた、ヒト起源の核酸(例えば、疾患状態(癌を含む)で過剰発現されるかまたは過小発現されるmRNA)を定量するために使用され得る。乳腺癌および卵巣腺癌における増加したコピー数で存在する遺伝子の1つの例は、HER−2/neuオンコジーンであり、これは、上皮増殖因子(EFGR)と共通する特定の特徴を有するチロシンキナーゼをコードする。米国特許第4,968,603号は、HER−2/neu遺伝子または新生物形成疾患状態を決定するためのツールとしてHER−2/neu mRNAのコピー数の増加の尺度の値を記載する。従って、例えば、本明細書中に記載される方法は、定量的な核酸増幅プロトコルで使用され得、それによって、HER−2/neuポリヌクレオチドの細胞含量が決定される。
実際、本明細書中に記載される方法は、広範に適用され、そして試験サンプル中の任意の所定の分析物ポリヌクレオチドを定量する手順に容易に適合され得る。
(標準コントロール曲線の使用)
アフィニティーシフトプローブ試薬を用いて得た測定結果(定量的プローブアレイを含む)を、従来通り、1つ以上の「標準曲線」と比較し、その結果、試験サンプルに存在する分析ポリヌクレオチド標的の量を、決定し得る。可溶性プローブまたは固定プローブを既知の量の分析ポリヌクレオチドに接触させることによって標準曲線を作成する。これらのプローブが固定プローブである場合、固定プローブが自己レポーティングプローブ(self−reporting probe)(例えば、分子ビーコン)であることが好ましい。可溶性プローブまたは固定プローブのいずれを用いるかに関わらず、これらの手順は、試験サンプル(非増幅)に対して直接的に実行され得るか、または核酸増幅反応において生成される単位複製配列を用いて実行され得る。
試験サンプルにおける分析ポリヌクレオチドを、直接定量する場合、既知の量の分析ポリヌクレオチド標準を含む一連のハイブリダイゼーション反応は、分析ポリヌクレオチドを含むことが推測される試験サンプルを含むハイブリダイゼーション反応と平行して実施され得る。例えば、この手順が、マイクロタイタープレートのウェル中で調製される可溶性アフィニティーシフトプローブ試薬または定量的プローブアレイのいずれかを含む場合、プローブ試薬の分離アリコート、またはマイクロタイタープレートの分離ウェルが、各々の異なる量のポリヌクレオチド標準のハイブリダイゼーションのために使用され得、1つのアリコートまたはマイクロタイターウェルが、試験サンプルのハイブリダイゼーションのために用いられる。所定時間の終わりにおいて、ハイブリダイズしたプローブに会合した検出可能なシグナルは、この手順において用いられるポリヌクレオチド標準の各々の量について測定され得、その結果をグラフ上にプロットした。1種類のプローブが、アレイ内の複数のスポットに固定される特定の実施形態において、同じプローブを表す異なるスポットからの検出可能なシグナルは、平均化され、次いでグラフ上にプロットされ得る。必要に応じて、任意の特定の量の標準で異なるプローブを使用したときに得られる数値的な結果は、互いに数学的に比較され得(例えば、比率の形成)、その結果をグラフにプロットした。例えば、定量的プローブアレイが、標的ポリヌクレオチドに対する第1のアフィニティーを有する第1プローブの5つのサンプル、および標的ポリヌクレオチドに対する第2のアフィニティーを有する第2プローブの5つのサンプルを含む場合、5つのサンプルの各セットからの蛍光シグナルは、個別に平均化され得、その後、2つの結果の値を比較した。
前述の検討から、標準曲線が、この試験サンプルに存在する分析ポリヌクレオチド量の決定のための道具に相当することは明らかである。より詳細には、試験サンプルを用いて行われた試行において得られるハイブリダイゼーションシグナルは、標準曲線の第1の軸上に位置付けられ得、試験サンプルに存在する分析ポリヌクレオチドの相当する量は、同じ標準曲線の第2の軸から決定された。サンプル標準曲線は、本明細書中の実施例に記載される。
核酸の増幅反応は、その反応に投入された分析ポリヌクレオチドの数と、合成される分析の単位複製配列の数との間の量的関係を特徴づけ得るので、試験サンプル中に存在する分析ポリヌクレオチドのプレ増幅量はまた、アフィニティーシフトプローブ試薬(定量的プローブアレイを含む)を用いて作成される標準曲線を用いて決定され得る。例えば、既知の量の分析ポリヌクレオチド標準を含む複数の増幅反応が、数の分からない分析ポリヌクレオチドを含む試験サンプルを用いて調製した増幅反応と平行して実施され得る。好ましい増幅方法としては、転写媒介増幅(TMA)反応、核酸配列ベースの増幅(NASBA)反応、鎖組換え増幅(SDA)反応、リガーゼ鎖反応(LCR)、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられる。転写媒介増幅が、非常に好ましい。
もちろん、標準コントロール曲線は、アフィニティーシフトプローブの可溶性バージョンまたは固定バージョンのいずれかを用いて作成され得る。この手順が、可溶性アフィニティーシフトプローブのハイブリダイゼーションを含む場合、核酸増幅反応は、初めに、増幅反応を促進する適切な試薬とともに、試験サンプルのアリコートまたは既知の量の標準分析ポリヌクレオチドを用いて行われ得る。増幅反応の終了時に、異なるアフィニティーで分析の単位複製配列にハイブリダイズする少なくとも2種類の可溶性プローブを含むアフィニティーシフトプローブ試薬は、増幅産物にハイブリダイズし得る。この手順が、マイクロタイタープレート形式に固定されるプローブとの接触による核酸増幅を含む場合、分析の単位複製配列に結合し得る少なくとも2種類の分子ビーコンプローブのアレイセットを各々含む、異なるウェルは、増幅反応を促進する適切な試薬とともに試験サンプルのアリコートまたは既知の量の標準分析ポリヌクレオチドを受け入れ得る。増幅反応の終了時に、測定した各ウェル中のスポットからの蛍光シグナルが、決定され得る。プレ増幅量の分析ポリヌクレオチド標準を有するグラフィカル標準曲線を、第1軸にプロットし、次いで第2軸上の対応するポスト増幅蛍光シグナルを作製した。次いで、試験反応について測定したポスト増幅シグナルを、標準曲線のポスト増幅軸上に配置する。曲線の他の軸上の対応する値は、試験反応に存在した分析ポリヌクレオチドのプレ増幅量を表す。平均の測定したシグナルの比を、必要に応じて決定し、そして比較のためにグラフ上にプロットし得る。従って、試験サンプル中に存在する分析ポリヌクレオチドの分子数の決定は、標準曲線を調べることによってか、またはより詳細には、標準曲線と試験サンプルについて得られる定量的結果を比較することによって達成される。
特に、アフィニティーシフトプローブ試薬を用いて得られる結果の精度が、受容可能なほど高い場合、分析の手順が実施されるたびに曲線を作製する必要がないように、前もって標準曲線を作製しておくことが所望される。標準曲線を作製するために使用した結果は、試験結果と標準を用いて得られる結果との比較を自動化し得るように、印刷したグラフまたは電子フォームで保存され得る。このアプローチは、試験サンプルを分析するたびに、既知の量のポリヌクレオチド標準を用いる実験室の手順を実行する必要性を有利に削除する。本発明の好ましい実施形態において、標準の結果は、表形式またはグラフ形式のいずれかで、分析機器の記憶媒体に電子的に保存される。試験サンプルの分析から得られる結果を記憶デバイスに保存された標準曲線と比較し、試験サンプル中に存在する分析ポリヌクレオチドの量が決定され得る。
(定量的プローブアレイの作製および使用のための手段)
マイクロアレイ製造技術は、現在、十分に進歩しており、予め形成された核酸の沈着によってアレイを作製するのに有用なデバイスが市販されている。例えば、機械マイクロスポットデバイスまたはロボットマイクロスポットデバイスを、GeneMachines(San Carlos,CA)、BioRobotics Ltd.(Cambridge,UK)、Cartesian Technologies,Inc.(Irvine,CA)、およびPackard BioScience Co.(Meriden,CT)から購入し得る。これらのデバイスは、平面な表面上に分子ビーコンまたは他のポリヌクレオチドのアレイスポットを作製することが可能である。
本発明に関して用いられ得る代替的アレイ形式は、光ファイバーまたはミクロスフェアを含む。例えば、光ファイバーをベースとする公開された国際出願PCT/US00/13753(表題「Combinatorial Decoding of Random Nucleic Acid Arrays」)に記載される型の核酸検出器は、定量的プローブアレイを収容するのに容易に適合し得る非平面アレイ形式に相当する。本発明に関連した使用に適合し得るミクロスフェアに結合したオリゴヌクレオチドプローブを用いた組成および方法は、米国特許第6,057,107号に開示される。
アレイした分子ビーコンによって発せられる蛍光シグナルを検出するための装置もまた、市販されている。例えば、ハイブリダイズしたアレイの結果を分析するためのスキャナーは、Molecular Dynamics(Piscataway,NJ)から購入し得る。
(定量的プローブアレイに組み込まれるデバイス)
本明細書中で開示した方法に従って分析ポリヌクレオチドまたは分析単位複製配列を検出および定量するデバイスは、互いの特定の構造的関連および機能的関連によって特徴付けられる多数のハイブリダイゼーションプローブを含む。便利な形式において、このプローブは、固体支持体上に固定したアレイとして配置される。最も単純な形態において、定量的プローブアレイデバイスの1つの実施形態は、同じ分析ポリヌクレオチドに異なる測定可能な相互作用でハイブリダイズする、固定した2つの異なるプローブを有する。重要なことに、定量的プローブアレイに含まれる任意のプローブの量を、ハイブリダイゼーションの手順において検出される分析ポリヌクレオチドの上限の量より低くし得る。例えば、本明細書中の実施例4では、2,000pmol相当の合成分析ポリヌクレオチドの量を測定するために、5つの異なるプローブの、各々20pmolの使用が記載される。これは、アッセイで使用されるプローブ量よりも、100倍多い分析ポリヌクレオチドの量を表す。このデバイスを、増幅手順の後の分析ポリヌクレオチドの定量のために使用する場合、アレイ中に陽性コントロールプローブを含むことが好ましい。必要に応じて、陰性コントロールプローブがまた、アレイに含まれ得る。アレイ中の異なるプローブは、固体支持体上に固定され、そして固定プローブは、好ましくは、互いに流体連絡している。単一の分析ポリヌクレオチドに対して相補的である異なる量のハイブリダイゼーションプローブの数(この構造的特徴が、定量的プローブと分析ポリヌクレオチドとの間の異なる測定可能な相互作用を与え得る)、ならびに検出および定量し得る異なる分析ポリヌクレオチドの数は、全て本発明の局面である。
定量的プローブアレイは、分析ポリヌクレオチドを検出し定量するための、少なくとも2種類の異なるハイブリダイゼーションプローブを含む。確かに、定量的プローブアレイが、2種類の異なるプローブ、3種類の異なるプローブ、4種類の異なるプローブ、または5種類の異なるプローブを含み得ることが所望され、これら全ての異なるプローブは、定量される同じ分析ポリヌクレオチドに対して相補的である。もちろん、異なる分析ポリヌクレオチドの複合検出のために使用することが企図されるデバイスは、比例的に多い数の異なるハイブリダイゼーションプローブを有する。例えば、2つの異なる分析ポリヌクレオチドの定量のための定量的プローブアレイは、4つの異なるハイブリダイゼーションプローブ(2つのプローブは、第1分析ポリヌクレオチドと相補的であり、残りの2つは、第2分析ポリヌクレオチドと相補的である)を含む。もちろん、任意の数の異なるプローブが、デバイス中に含まれ得る。しかし、分析ポリヌクレオチドを定量するためのアッセイが、単一のプローブによって提供される定量範囲を超える、拡張したダイナミックレンジを有する場合、1より多いハイブリダイゼーションプローブが、検出および定量される分析ポリヌクレオチドをハイブリダイズするために使用される。
定量的プローブアレイは、分析ポリヌクレオチドに結合し得る、1より多い異なるハイブリダイゼーションプローブを含む場合、各々の異なるプローブは、分析ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な結合相互作用を有する。プローブを識別する異なる測定可能な相互作用は、アフィニティー(異なるプローブと分析ポリヌクレオチドとの相互作用)の差異に起因し得る。プローブ:標的 複合体のTm、またはプローブ:標的 複合体の50%が変成する温度は、標的に対するプローブのアフィニティーの反映であり、この容易に決められるパラメータは、候補プローブが、分析ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な結合相互作用を有することを確立するために使用され得る。プローブ:標的 複合体のTmを決定する方法は、当該分野で周知である。従って、Tmは、本明細書中に記載される拡張されたダイナミックレンジのアッセイにおいて、分析ポリヌクレオチドの定量のために用いられ得るプローブを識別する、異なる測定可能な結合相互作用を評価するために用いられ得るパラメータの一例である。これと同じ試験を、可溶性プローブ形式および固定プローブ形式において用いられ得るアフィニティーシフトプローブに適用し得る。
異なるプローブと単一の分析ポリヌクレオチドとの間の、異なる測定可能な相互作用をもたらす構造的な特徴は、分析ポリヌクレオチドと相補なプローブ配列の長さを含み得る。例えば、第1プローブは、第2プローブによってハイブリダイズされる標的配列のサブセットのみとハイブリダイズするという点で、第2プローブと異なり得る。1つのプローブは、別のプローブによってハイブリダイズされる内在するサブセットの配列にハイブリダイズし得る。あるいは、このプローブは、重複配列にハイブリダイズし得る。別の代替の2つのプローブが、同じ分析ポリヌクレオチド内に含まれる、異なる配列および非重複配列にハイブリダイズするものである。異なる測定可能な結合相互作用はまた、同じ標的相補プローブ配列(これらのプローブの1つは、さらに標的相補プローブ配列のサブユニットに対して相補的な配列を含む)を用いることにより、達成し得る。この方法で、異なる2次構造によって、2つのプローブが識別される。
さらに他の定量的プローブアレイは、同じ核酸塩基配列を有するプローブを用いるが、そのプローブは、ヌクレオチドアナログ置換を差次的に含む。例えば、2’−OMeアナログを含むプローブは、デオキシリボヌクレオチドのみを用いて調製したプローブと比較すると、標的分析ポリヌクレオチドに対するアフィニティーが増強されている。定量的プローブアレイにおいて拡張されたダイナミックレンジを付与するために有用なプローブは、異なる量の分析ポリヌクレオチド標準に個々のプローブをハイブリダイズさせる手順における、ハイブリダイゼーションプローブ 対 標的ポリヌクレオチドのインプットのプロットの非相同なS字曲線を与える。この手順(本明細書中の実施例に記載される)は、同じ分析ポリヌクレオチドとの異なる測定可能な相互作用を有するプローブを選択するための、便利であるが厳密な試験として用いられ得る。
核酸増幅反応とともに用いられる定量的プローブアレイは、代表的には、増幅反応の忠実度を確認するための「コントロール」プローブを含む。従来、陽性コントロールプローブによって生じるシグナルは、有効と考えられる増幅反応のための上記のいくつかの閾値レベルより上でなければならない。例えば、分析ポリヌクレオチドを増幅するための反応は、さらに、分析ポリヌクレオチドを増幅するために用い得る、同じプライマーセットによって増幅され得る、内在するコントロールテンプレートを含み得る。この内在性コントロールテンプレートは、分析ポリヌクレオチドを増幅する、同じプライマーセットによって増幅される「偽標的」であり得るが、分析の単位複製配列を検出するために用いられるハイブリダイゼーションプローブを用いて独立した検出を可能にする(国際特許出願番号WO01/07661)、混在した内在性配列を含む。従って、定量的プローブアレイ中の陽性コントロールプローブは、内部コントロールテンプレートの増幅産物とハイブリダイズするが、分析ポリヌクレオチドに対応する単位複製配列にはハイブリダイズしない。上記のように、いくつかの定量的プローブアレイは、無関係の標的にハイブリダイズする陰性コントロールプローブを含み得るが、分析ポリヌクレオチドも分析単位複製配列も含まない。
本発明で発明した定量的プローブアレイの個々のプローブ種は、好ましくは、固体支持体に固定される。様々な固体支持体が用いられ得る一方で、本発明の特定の好ましい実施形態は、固定されたプローブを受けるために、固体支持体としてマイクロタイターウェルの平面な、内部表面を用いる。この受容表面は、ガラスまたはプラスチックのいずれかからなり得る。拡張されたダイナミックレンジにわたる分析ポリヌクレオチドを定量するために用いられる、これらの異なるプローブは、互いに区別可能または区別不可能な検出可能な標識を有し得る。好ましい実施形態において、これらの異なるプローブは、同じ検出可能な標識を有するが、ハイブリダイゼーションシグナル強度の検出および測定のために用いられる装置によって互いに区別されない、異なる検出可能な標識を有し得る。本発明の特定の好ましい実施形態において、同じ検出レベルを提供するプローブが、アレイ内の異なるスポットに、独立して固定される。これらの例において、プローブは、互いと異なり得る他の好ましい実施形態において、同じ検出可能標識、または異なる検出可能標識を有する異なるプローブ(互いに区別されない)を、アレイ内の単一のスポットに固定する。これらのアプローチのいずれが続くかは、本発明を実施するための選択の問題である。何故ならば、これらの各アプローチは、拡張されたダイナミックレンジにわたる良好な定量結果を与えるからである。これらの全ての場合において、本発明のプローブが分子ビーコンである場合、定量的プローブアレイ中の異なる全ての分子ビーコンに対して、同じフルオロホアおよび失活剤の対の使用が可能である。
上記のように、定量的プローブアレイに組み込まれる特定の好ましいデバイスが、ガラスまたはプラスチックのマイクロタイタープレート、スライドまたは固体支持体としての同様のデバイスを用いて準備される。標準的な96ウェルマイクロタイタープレートまたは384ウェルマイクロタイタープレートの平面な内部表面は、市販のアレイデバイスを用いて、空間的に分離したサンプルのアレイの調製にほぼ適している。本発明者らは、96ウェルマイクロタイタープレートの単一のウェルの平面な内部表面上のアレイ配置に、空間的に分離したサンプルを100まで配列した。マイクロタイタープレート中のウェルの厳格に固定された配置は、液体試薬の便利な手動または自動添加、そしてさらに、核酸増幅反応および分析ポリヌクレオチドまたは分析単位複製配列の検出を、単一の反応器内で実行することを有利に可能にする。さらに、マイクロタイタープレートの平面な底の表面は、アレイの個々のスポットから放射される蛍光シグナルの定量のために用いられ得る、市販の検出機器に適合する。マイクロタイタープレートのウェル内での量的プローブアレイの作製の利点の一つは、アレイしたウェル内での核酸増幅の実行能力に関わる。このことは、アッセイの定量部分のために第1反応コンテナから第2コンテナへの増幅サンプルを移動させるあらゆる必要性を排除する。もちろん、定量的プローブアレイが、マイクロタイターウェルを用いて作製される場合、アレイのプローブスポットは、互いに流体連絡するである。このことは、アレイ中の各プローブを同じ増幅反応に供することを、有利に可能にする。
本発明の好ましい実施形態において、定量的プローブアレイの固定プローブは、自己レポーティングプローブであり、非常に好ましい実施形態において、この自己レポーティングプローブは分子ビーコンである。定量的プローブアレイのこのプローブは、共有結合または非共有結合のいずれかを介して固体支持体に固定され得る。このプローブが、分子ビーコンである場合、分子ビーコンは、2つのアーム配列の1つ、アームの1つが標的相補ループ配列を満たすアームループ接合部または標的相補ループ配列を介して結合し得る。これらのアプローチのうちの任意の1つを用いて、受容可能な結果を達成し得るが、分子ビーコンを、標的相補ループ配列内に位置する場所で固体支持体に固定することが非常に好ましい。より詳細には、本発明の分子ビーコンを、標的相補ループの配列内に配置するヌクレオチドリンカーを介して固体表面に結合することが非常に好ましい。このアプローチは、相補的な標的ポリヌクレオチドの非存在下で、プローブが閉じたコンホメーションのままであることを可能にすることによって、特に良好な結果を与え、それによって、低いバックグランドシグナルを実現する。さらに、この配置は、相補的な標的ポリヌクレオチドとの効率的な相互作用を促進し、そして強いシグナルの生成を促進した。従って、標的相補ループを介した分子ビーコンの固定は、低いバックグランドおよび標的結合反応に応答した効率的なシグナル生成を、有利に与えた。
非共有結合で分子ビーコンを固体表面に結合するための好ましい方法としては、ビオチン化分子ビーコンおよび、アビジンコーティング表面またはストレプトアビジンコーティング表面の組み合わせが挙げられる。ビオチンは、非ヌクレオチドリンカーを介して、分子ビーコンと結合し得る(例えば、Arnoldらによって開示される、米国特許第5,696,251号)。共有結合で分子ビーコンを固体支持体に結合するための好ましい方法もまた、分子ビーコンの標的相補ループ領域(例えば、この非ヌクレオチドリンカーまたは類似の非ヌクレオチドリンカー)を介した架橋を含む。プローブの固体支持体への共有結合は、多数の任意の技術で、当業者に周知の技術を用いて達成され得る。例えば、分子ビーコンを表面に結合するために用いられ得る化学物質の結合の説明は、米国特許第6,171,797号で見出され得る。
本発明の特定の実施形態に従いかつ定量結果の統計学的分析を容易にするために、定量的プローブアレイを組み込んだデバイスに、固定化プローブの多量な収集物を用いることが好ましい。そのプローブが分子ビーコンであるいくつかの実施形態において、各分子ビーコン種は、他の分子ビーコン種と無関係のアレイに固定化される。実際には、分子ビーコンの単一種が、このアレイ内の複数の位置に配置され得る。このアレイ内の複数の独立したスポットからのハイブリダイゼーションシグナルの検出は、それらの結果の統計学的分析を容易にし、それによってそれらの信頼度が改善される。好ましくは、同じ分子ビーコンが、2〜10倍(2〜10個の位置またはスポットを意味する)、なおより好ましくは2〜5倍、なおより好ましくは3〜5倍存在する。この同じ分子ビーコンが、5倍、なおより好ましくは4倍、なおより好ましくは3倍、そして最も好ましくは2倍、単一アレイ内に存在することが、非常に好ましい。しかし、他の実施形態において、分子ビーンの各種は、単一アレイ内に一回だけ存在することができる。
定量的プローブアレイのなお他の構造的特徴は、単一プローブアレイ内の複製スポットプローブ(replicate spotted probe)間のスポット間変化をモニタリングするための任意のコントロールに関する。より詳細には、複製スポッティングを使用してハイブリダイゼーション結果の統計学的分析の基礎を提供する際に、そのデータを補正して、異なるスポッティング効率の効果を正規化するためのいくつかの手段を有することが望ましい。言い換えると、スポットから読み出されたいかなるシグナルもが、存在するプローブの量について正規化され得るように、アレイ内のそれらのスポットにて存在するプローブの量を測定し得ることが望ましい。これは、独立して検出され得るプローブと第2のオリゴヌクレオチドとを同時に固定化することによってか、またはそのプローブの構造内に、プローブとその相補的な分析物ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションから得られる標的依存性シグナルとは無関係に検出され得る第2の標識を組み込むことのいずれかによって、達成され得る。例えば、この固定化プローブが発蛍光団−クエンチャー対を含む分子ビーコンである場合、この分子ビーコンは、クエンチャーによってクエンチされず、そしてプローブ結合を示す発蛍光団と識別可能な発光スペクトルを有する、異なる発蛍光団を組み込むように構成され得る。これらの例は、定量的プローブアレイがどのように構築され得、それによってアレイ内のスポットにて存在している固定化プローブの量ついての多数の指標が、容易に決定され得ることを示す。
図4は、定量的プローブアレイを組み込んだ種々のデバイスを表す、整列されたマイクロタイターウェルを概略的に示す。図4Aは、2つのスポットのアレイを示しており、各々が、単一の分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし得る異なるプローブを表している。図4Bは、単一遺伝子座にて組み合わせられたパネルAからの2つのプローブの組み合わせを示す。図4Cは、単一分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする、固定化された第1のプローブおよび第2のプローブを独立して含み、かつ内部コントロールアンプリコンにハイブリダイズするポジティブコントロールプローブをさらに含む、アレイを示す。定量的プローブアレイのこの実施形態は、増幅反応の完全性を実証するための内部コントロールテンプレートを含む核酸増幅アッセイと併用するのに適している。図4Dは、パネルCにおいて示される実施形態と類似の実施形態を示しているが、これはさらに、ネガティブコントロールプローブを含む。この実施形態は、増幅反応の完全性を実証するための内部コントロールテンプレートを含み、かつ十分に正確なので分析物ポリヌクレオチド標準を使用する並列増幅反応を実施するのが不必要である、核酸増幅アッセイと併用するのに適合される。図4Eは、パネルCにおいて示される実施形態と類似の実施形態を示しているが、これはさらに、第2の分析物アンプリコンを定量するための2つのプローブセットを含む。この実施形態は、多重増幅系に適しており、この系にて、単一核酸増幅反応において2つの異なる分析物ポリヌクレオチドが増幅、検出および定量され得る。
(アレイ内の共通位置における異なるプローブの同時固定)
広範なダイナミックレンジによって特徴付けられるアッセイを行うのに有用な特定の定量的プローブアレイは、分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする1より多いプローブ種を、アレイ内の単一位置にて固定化している。例えば、2つのプローブ(これらの各々は、他のものとは異なるハイブリダイゼージョンプロフィールを有する)を、定量的プローブアレイ内の単一スポットにて固定化することが望ましくあり得る。もちろん、これらの異なるハイブリダイゼーションプロフィールは、同じ分析物ポリヌクレオチドとの測定可能な異なる結合相互作用から生じる。プローブ:分析物の相互作用を特徴付けする異なるTmは、測定可能な異なる結合相互作用の例である。分析物ポリヌクレオチドと固定化プローブとの結合を示す検出可能な標識は、同時固定化プローブについて同じであっても異なっていてもよい。この同時固定化プローブが分子ビーコンである場合、異なる分子ビーコンは、同じ発光蛍−クエンチャー対を有し得る。好ましくは、この同時固定化プローブは、ハイブリダイゼーションシグナルを検出および測定するための工程において識別不可能であるか、または互いに識別されない、検出可能な標識を共有する。
定量的プローブアレイ内の単一遺伝子座にて同時に固定化された異なるプローブ種の相対量は、互いに異なっていてもよい。例えば、同じ分析物ポリヌクレオチドとの検出可能な異なる結合相互作用を有する2つの分子ビーコン種が、アレイ内の単一遺伝子座にて同時に固定化される場合、これら2つの分子ビーコンは、等量ではない割合で存在することが可能である。例えば、第1の分子ビーコンは、アレイ内の同じスポットにおける第2の分子ビーコンの量の2倍程度の量で存在し得る。この例において、第1の分子ビーコンは、その位置における固定化プローブの総量の3分の2を表す。2つのプローブが定量的プローブアレイ内の単一スポットにて同時に固定化される場合、これら2つのプローブのうちの1つによって表される固定化プローブ総量の割合は、モル濃度基準で、全固定化プローブの約2分の1、約2分の1〜約3分の1、または約3分の1〜約4分の1であり得る。
単一位置に固定化された1より多いプローブの異なる割合を有する定量的プローブアレイは、核酸増幅反応と併用して使用される場合、特定の利点を提供する。これは特に、標的ポリヌクレオチドのより低い量または濃度で優先的な結合力を示すプローブ(すなわち、「高親和性プローブ」)の量が、標的ポリヌクレオチドのより高い量または濃度で結合力を示すプローブ(すなわち、「低親和性プローブ」)の量よりも大きい場合に、当てはまる。より高い割合の高親和性プローブが固定化される場合、そのプローブからのハイブリダイゼーションシグナルの複合シグナルへの寄与が、強調され得る。これは、低い標的量に対応する曲線の領域において全ハイブリダイゼーションシグナルを表すS字型の複合曲線の傾きの増加によって反映される。アンプリコンサン生成における最も高い不確実性は低レベルの投入したテンプレートにて生じるので、このことは重要である。従って、低レベルの投入テンプレートに対応する曲線の一部において増大した傾きを有するS字型プロットを作成することが、有利である。異なる同時固定化プローブの相対量を変化させることによって、核酸増幅反応において(特に、分析物テンプレートの開始量が非常に低い場合に)得られる定量的結果の信頼度を増加させる方法が提供される。
もちろん、独立して固定化された異なるプローブ種を有する定量的プローブアレイはまた、そのアレイ内の異なるスポットにて固定化される、異なる相対量のプローブを有し得る。さらに、これら2つのプローブのうちの1つによって表される全固定化プローブ量の割合は、モル濃度基準で、全固定化プローブの約2分の1、約2分の1〜約3分の1、または約3分の1〜約4分の1であり得る。
(未標識プローブを有する定量的プローブアレイ)
定量的プローブアレイは、未標識の固定化ポリヌクレオチドプローブを使用して構築され得る。これらの定量的プローブアレイ(これらは、インビトロでの核酸増幅反応において合成される標識されたアンプリコンの量を検出および測定するために使用され得る)は、測定可能な異なる結合相互作用で単一の分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする2つ以上の固定化ポリヌクレオチドプローブを含む。これらの固定化プローブは、分析物ポリヌクレオチドとハイブリダイズされる場合、一貫して、異なるハイブリダイゼーションプロフィールを示す。標識化ポリヌクレオチド(例えば、標識化ヌクレオチド三リン酸もしくはデオキシリボヌクレオチド三リン酸(triphosptate)、または標識化プライマーを使用して合成されるアンプリコン)と接触される場合、定量的プローブアレイの固定化プローブは、標識化分析物に結合する。そのアレイ中の異なるプローブについて測定されるハイブリダイゼーションシグナルは、標準曲線と比較され得る。このように、検出可能に標識されたアンプリコンを合成した増幅反応中でテンプレートとしての役割を果たすポリヌクレオチドの開始量を定量することは可能である。もちろん、偽標的のようなポジティブコントロールテンプレートもまた、増幅反応に含まれ得、そして偽標的アンプリコンをハイブリダイズするが、テンプレートとして分析物ポリヌクレオチドを使用して合成されたアンプリコンはハイブリダイズしない固定化プローブを使用して検出され得る。これらの実施形態において、ハイブリダイゼージョンの程度を定量するために使用される検出可能標識は、定量的プローブアレイ中の固定化プローブによるよりむしろ、定量されるべきポリヌクレオチドによって提供される。
(アフィニティーシフトプローブ試薬/定量的プローブアレイの作製方法)
アフィニティーシフトプローブ試薬および定量的プローブアレイは、選択されたプローブが、異なる選択可能結合相互作用で分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることを条件として、まず定量化されるべき分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする2つ以上のプローブを選択することにより作製される。例えば、これらの2つのプローブは、分析物ポリヌクレオチドとハイブリダイズされる場合、異なる親和性または異なるTmを示し得る。慣習的に、これらのプローブのうちの1つは、より高い親和性で分析物ポリヌクレオチドとハイブリダイズする一方、他方のプローブは、より低い親和性で分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする。結果として、これらの2つのプローブは、分析物ポリヌクレオチドを結合するための異なるハイブリダイゼージョンプロフィールを有する。可溶性試薬中で使用され得るプローブおよび定量的プローブアレイの一般的な特徴は、上記されている。
次に、これらのプローブが可溶性試薬形式中で使用される場合、2つ以上の選択されたプローブは合わされるかまたは固体支持体に固定化される。好ましくは、この固体支持体は、核酸増幅反応の実施に適合する材料から作製される。例えば、この固体支持体は、マイクロタイタープレート中に含まれる個々のウェルであり得る。この固定化プローブは、マイクロタイタープレート中の1つ以上のウェルの内部底面上に均一に固定化され得るか、あるいは、アレイ形式でスポッティングされ得る。必要に応じて、これらのプローブは固定化手段の前に合わされ、その結果アレイ中の単一スポットは、1つより多いプローブを含む。この固定化プローブが標識されたプローブである場合、異なるプローブは、検出工程の間に互いに区別されないかそうでなければ区別不可能である標識を含むことが実際に好ましくあり得る。
(ポリヌクレオチドを定量するためのキット)
可溶性アフィニティーシフトプローブ試薬を使用して分析物ポリヌクレオチドを定量化するためのキットは、測定可能な異なる結合相互作用によって分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし得る、少なくとも2つのプローブを含む。好ましい実施形態において、これらの測定可能な異なる結合相互作用は、分析物とこれらのプローブのいずれかとの間に形成される独立したハイブリッド二重鎖についての異なるTmによって検出可能な、異なる親和性によって示される。別の好ましい実施形態において、異なる測定可能結合相互作用は、異なる結合動力学によって示され、これはプローブの1つが別のプローブよりも早く分析物ポリヌクレオチドに結合することを意味する。これらのプローブは、少なくとも1つの構造特徴がプローブを互いに区別する限り、重複しないか、重複するか、または同一でさえある核酸塩基配列を有し得る。例えば、これらのプローブは、ヌクレオチドアナログの存在または非存在によって区別され得るか、または異なるプローブ中の異なる第2の構造の形成を促進する配列の存在によって区別され得る。さらに、可溶性アフィニティーシフトプローブの各々が、検出可能標識で標識されることが好ましい。特定の好ましい実施形態において、これらの検出可能標識は、互いに同一である。しかし、他の好ましい実施形態において、これらの検出可能標識は、互いに異なるが、異なる標識から生じるシグナルを区別しない様式において、検出され得る。なお他の好ましい実施形態において、異なる可溶性プローブ上の標識は、互いに区別可能である。このキットは、定量化されるべき分析物ポリヌクレオチドを増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーをさらに含み得る。必要に応じて、このキットはまた、増幅反応においてテンプレートとして作用し得、そして偽標的であり得る、ポジティブコントロールポリヌクレオチドを含み得る。ポジティブコントロールアンプリコンは、好ましくは、分析物ポリヌクレオチドを定量化するために使用されるプローブとは異なるハイブリダイゼージョンプローブによって検出可能である。あるいは、ポジティブコントロールポリヌクレオチドを含むよりもむしろ、このキットは、代わりに、増幅反応中に含まれ得るポリヌクレオチド標準を含み得る。ポリヌクレオチド標準から作製されるアンプリコンは、分析物ポリヌクレオチドを定量化するために使用される同一のプローブによって検出可能である。さらに別の代替手段において、このキットは、ポジティブコントロールポリヌクレオチドとポリヌクレオチド標準の両方を含み得る。また、必要に応じて、このキットは、ポリヌクレオチド増幅反応を実施するための試薬をさらに含み得る。例えば、これらの試薬は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸を含み得る。DNA重合化酵素は、逆転写酵素であり得、これもまた、含まれ得る。ヌクレオチドトリホスフェートおよびRNAポリメラーゼは、キットに含まれ得る、さらに他の試薬である。
定量的プローブアレイを使用してポリヌクレオチドを定量するためのキットは、定量的プローブアレイ、および分析物ポリヌクレオチドを増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。このキットは、必要に応じて、増幅反応中でテンプレートとして作用し得かつ偽標的であり得るポジティブコントロールポリヌクレオチド、または増幅反応中に含まる、添加され得る標準のいずれかを含み得る。特定のキットにおいて、ポジティブコントロールポリヌクレオチドとポリヌクレオチド標準の両方が含まれる。核酸増幅反応後にポリヌクレオチドを定量するためのキットは、さらにポリヌクレオチド増幅反応を実施するための試薬を含み得る。キットに含まれる試薬は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸を含み得る。DNA重合化酵素は、逆転写酵素であり得、これもまた、含まれ得る。ヌクレオチドトリホスフェートおよびRNAポリメラーゼは、このキットに含まれ得るさらに他の試薬である。
(発明の好ましい実施形態)
以下の実施例は、本発明を実施するためのいくつかの方法を示す。実施例1は、分析物を検出するためにプローブを使用する定量的アッセイのダイナミックレンジを延長するための一般的な手段を記載する。この例において、化学発光標識をつないだ可溶性ハイブリダイゼージョンプローブは、モデル分析物ポリヌクレオチドを定量するために使用された。実施例2は、どのような手段が、広い範囲にわたる分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を定量するために、核酸増幅と組み合わせて使用されるかを示す。実施例3および4において、固定化プローブは、マイクロタイタープレートの異なるウェル中に間隔を空けて分けられ、これらは互いに流体連絡しなかった。その後の実施例は、アレイ形式中のマイクロタイタープレートの同じウェル内に固定化された異なるプローブを使用する手順を記載する。これらの手順において、間隔をあけて分けられ、固定化されたプローブは、互いに流体連絡した。分子ビーコンプローブは、アレイ形式中の手順を開示する実施例において使用されたが、他の型のプローブが等しく良好な結果で使用され得ることが理解され、そしてこれら分子ビーコンプローブは、本発明の範囲内に包含される。例えば、上記の分子トーチは、その種々の実施形態において本発明を実施するために使用され得る代替の自己レポーティングプローブを示す。
当業者は、延長されたダイナミックレンジが、プローブの結合する程度および標的量の投入に関連するS字型プロットの延長された線形部分によって証明されることを理解する。例として核酸ハイブリダイゼージョンを使用することで、ハイブリダイゼージョンシグナル強度 対 標的ポリヌクレオチドの投入量のグラフプロットは、同じ標的ポリヌクレオチドをハイブリダイズする異なるプローブについて、異なる曲線を与える。S字型曲線のより大きい線形部分を生じるアッセイは、より広い範囲の分析物ポリヌクレオチドの量または濃度を定量するために有用であり、延長されたダイナミックレンジによって特徴付けられる。
同一の分析物種を結合し得る複数のプローブを使用する定量的方法を参照すると、アッセイの最大定量能は、個々のプローブが最小限にのみ重なる有用な定量的範囲を有する場合に達成される。例えば、それぞれ、10〜10範囲および10〜10単位の範囲にわたって分析物ポリヌクレオチドを検出し得る2つのプローブを使用するよりもむしろ、10〜10範囲および10〜10単位の有用な検出範囲を有する2つのプローブを使用することがより望ましい。本発明のこの特徴についての基礎は、実施例1の結果を良く調べることでより明らかとなる。
以下の実施例は、本発明が、測定可能な異なる相互作用によって同一の分析物種を結合する複数の異なるプローブを使用して、延長されたダイナミックレンジにわたって分析物を定量するためにどのように使用され得るかを示す。本発明は、タンパク質、核酸および炭水化物を含む、生物学的高分子の定量に適用され得る。さらに、本発明は、ペプチドおよびステロイドホルモンを含む、生物学的低分子を定量するために適用され得る。確かに、本明細書中に開示される定量方法は、測定可能な異なる相互作用を有する少なくとも2つのプローブに対して、任意の分析物を定量するために適用され得る。以下の実施例において、6ヌクレオチドで長さが異なる2つのプローブは、標的量の範囲にわたって同一の標的ポリヌクレオチドでハイブリダイズされる場合に、異なるハイブリダイゼージョンプロフィールを示した。
実施例1は、2つの異なるプローブ(この各々は、同じモデル分析物ポリヌクレオチドについて結合特異性を有し、そして区別不可能な化学発光標識で標識されている)が、延長されたダイナミックレンジにわたって分析物ポリヌクレオチドを定量するためにどのように使用されるかを示すために使用される方法を記載する。これらの手順において、得られたプロットは、この分析物ポリヌクレオチドを示す、既知の量の投入された標的を使用して、作製された標準コントロール曲線を示す。このモデル分析物ポリヌクレオチドの配列は、この実施例において使用され、E.coli rRNA配列由来である。
(実施例1)
(検出可能標識を有する、区別不可能な複数の標識されたプローブを使用する、定量的アッセイのダイナミックレンジの延長)
本発明の根底にある定量的アプローチとの基礎を示すために、3つの型のハイブリダイゼージョン反応(各反応は、それ自身のダイナミックレンジによって特徴付けられている)を使用して実験を行なった。この手順においてモデルポリヌクレオチドを表す標的RNAは、以下の配列を有した:
Figure 0004291143
第1のプローブは、配列
Figure 0004291143
を有する26マーの合成DNA分子であり、1.31×10rlu/pmoleの比活性に対して、アクリジニウムエステル(AE)で標識された。第2のプローブは、配列
Figure 0004291143
を有する20マーの合成DNA分子であり、9.37×10rlu/pmoleの比活性に対して、AEで標識された。この第1のプローブおよび第2のプローブを、それぞれ16位と17位との間の部分および10位と11位との間の部分でAEで標識した。各々の場合、AE標識を、基本的にはArnoldら、米国特許第5,696,251号に記載されるように、非ヌクレオチドリンカーを介してプローブに連結した。80μlの容積を有するハイブリダイゼージョン反応を、リチウムラウリルスルフェートを含有するリチウムスクシネート緩衝溶液中で65℃にて8分間実施した。3つの反応は、0〜200,000fmolの範囲の量のモデル分析物ポリヌクレオチドを含む。ハイブリダイゼージョン反応物の第1のセットは、0.5fmolの26マーのプローブを含んだ。ハイブリダイゼージョン反応物の第2のセットは、0.5fmolの20マーのプローブの各々を含んだ。ハイブリダイゼージョン反応物の最後のセットは、0.5fmolの26マーのプローブおよび20マーのプローブを含んだ。ハイブリダイゼージョン反応の結果において、結合されたプローブの程度は、Mazumderら、Nucleic Acids Res.26:1996(1998)に記載される付加物保護アッセイを使用して評価された。この手順において、ハイブリダイゼージョン反応物の化学発光は、100μlの42mMのホウ酸緩衝液(pH8.8)中の14mM NaSOの注入、その後の100μlの1.5M NaOHおよび0.12% Hの溶液の注入によって測定された。分析物ポリヌクレオチド標的に結合するプローブの程度を反映する発光を、発光定量法(luminometry)で、相対光度単位(RLU)において測定した。
図1に示される画像の結果は、各ハイブリダイゼーション反応が分析物ポリヌクレオチドを定量するために、異なる有用範囲によって特徴付けられたことを示す。より具体的には、26マーおよび20マーのハイブリダイゼーションプローブは、分析物ポリヌクレオチドを定量するために、それぞれ、10〜10fmolの範囲、および10〜10fmolの範囲にわたって、個々に有用であった。従って、別々のプローブを使用するアッセイは、分析物ポリヌクレオチドの量を、約100倍に及ぶ範囲にわたって測定し得た。しかし、2つのプローブの組み合わせを使用して行われる反応は、有利には、10〜10fmolの分析物ポリヌクレオチドの有用な定量範囲または約10,000倍に及ぶ有用な定量範囲を示した。他の反応に対して、互いに重複し、かつ6ヌクレオチドのみ長さが異なるプローブ配列を使用して、同じ分析物ポリヌクレオチド種を結合した複数のハイブリダイゼーションプローブを使用して行われるハイブリダイゼーション反応は、有利に、拡張されたダイナミックレンジを提示した。
上記に示されるように、図1に示される結果は、分析物ポリヌクレオチドの既知の定量法を使用して用意された、標準コントロール曲線を示す。未知量の分析物ポリヌクレオチドを含む試験サンプルを使用して行われる、平行したハイブリダイゼーション反応をまた実施し得、そしてこの手順より得られた結果を、試験サンプル中に含まれる分析物ポリヌクレオチドの量を決定するために、標準曲線と比較した。等モル量の2つのプローブを上記の手順において使用したが、異なる量の2つ以上のプローブもまた、定量アッセイのダイナミックレンジを拡張するために使用し得る。
前出の結果は、2つの異なるプローブ(各々は区別できない標識に係留され(harbor)、そして異なる測定可能な相互作用によって同じ分析物に結合する)どのように使用して拡張されたダイナミックレンジにわたって分析物を定量し得るかを例示した。ポリヌクレオチド分析物は例示的な手段において使用されたが、定量手順の背景にある原理はまた、非ポリヌクレオチド分析物を定量するためにも使用され得る。
可溶性プローブを使用してアンプリコンを定量するための拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイは、リアルタイム様式で行われ得るが、以下の実施例は、増幅反応の結果に行われたハイブリダイゼーションアッセイを記載する。より具体的には、この手順において、2つの可溶性プローブ(HCV特異的直鎖オリゴヌクレオチドプローブ)を含む、拡張されたダイナミックレンジのプローブ試薬を、核酸増幅反応の生成物を定量するために使用した。この2つのプローブは、各々22ヌクレオチド長であり、そしてチミンおよびウラシルのDNA/RNA等価塩基の置き換えを除いて同一の核酸塩基配列を有した。2つのプローブ間の重要な差異は、一方はDNAにおいて標準的であるデオキシリボース塩基部分を含み、そして他方がリボース部分の2’位置にメトキシ基を有するアナログ(2’−OMe)を含むことであった。2’−OMeアナログの存在は、プローブ:標的のハイブリッドのTmを増加させ、これによって2つのプローブの結合特性を区別した。分析物アンプリコンに対するメトキシプローブBの親和性は、同じ分析物アンプリコンに対するデオキシプローブAの親和性より高かった。特に、拡張されたダイナミックレンジのプローブ試薬に含まれるデオキシプローブおよびメトキシプローブは、それぞれ、「プローブA」および「プローブB」として簡潔に参照される。この2つのプローブ種は、別々に使用されるかまたは組み合せて使用され、そして分析物アンプリコンとハイブリダイズした。プローブの両方は、化学発光標識で標識され、これらの標識は、標識を区別せずに発光検出法(luminometry)によって同時に検出した。
実施例2は、同じ分析物ポリヌクレオチド中の同一の標的配列にハイブリダイズした2つのプローブを、拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイにおいて、核酸増幅産物を定量するためにどのように使用されるかを例示する。C型肝炎ウイルス(HCV)ゲノムの一部は、この手順において、増幅を受ける分析物ポリヌクレオチドとして役立った。このハイブリダイゼーションプローブを、化学発光標識で標識し、この標識は、プローブハイブリダイゼーションの大きさを検出および定量する発光検出法工程において、互いに区別されなかった。
(実施例 2)
(核酸増幅および拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイを使用した、HCVの定量)
HCVゲノム配列を含むHCV−1a ARMORED RNA(Ambion,Inc.;Austin,TX)は、この手順において増幅されるテンプレート核酸として役立った。ARMORED RNA(登録商標)技術を、特異的RNA配列とウイルスコートタンパク質とを擬似ウイルス粒子に組み立てることによって、リボヌクレアーゼ耐性RNAコントロールおよび標準品を生成するために使用した。テンプレート核酸は、テンプレートがHIV特異的オリゴヌクレオチドよりもむしろHCV特異的オリゴヌクレオチドを使用して捕捉されたこと以外は、本質的に、公開された国際特許出願第PCT/US2000/18685に開示された手順に従って、標本処理および標的捕捉を受けた。これらの手順を、5コピー/ml〜5×10コピー/mlまでにわたるHCVテンプレート濃度を有する、500μlのアリコートのストックサンプルを使用して行った。増幅プライマー結合部位および標的捕捉オリゴヌクレオチド結合部位に対応する配列を含むHCV偽標的はまた、米国特許第6,294,338号に従うプローブ結合部位に対応するスクランブル(scrambled)配列と一緒に、サンプルの処理および標的捕捉処理の間に含まれた。HCV偽標的もここから生じるアンプリコンのいずれも、プローブAやプローブBのいずれにもハイブリダイズできなかった。TMA反応を行うための試薬(HCV配列に特異的なアンプリコンプライマーを含む)を、HCVテンプレート/偽標的の混合物と合わせ、そして60℃で10分間プレインキュベートしてプライマーアニーリングさせた。次いで、この混合物を、本質的にKacianらによる米国特許第5,399,491号および同5,554,516号に記載されるように、41.5℃で10分間冷まし、その後MMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼ酵素を添加した。TMA反応を41.5℃で60分間進行させた。増幅したHCV標的配列を、実質的に以前に記載されるように、AE標識化プローブ試薬を使用して検出および定量した(米国特許第5,658,737号の25カラム27〜46行目;Nelsonら、Biochem.35:8429(1996))。より具体的には、アンプリコン生成物を、3つのプローブ試薬のうちの1つと60℃で15分間ハイブリダイズさせた。全ての場合において、デオキシプローブAを標準的なアクリジニウムエステルで標識し、一方、メトキシプローブB上の標識はアクリジニウム環の2位にメトキシ基を有した(2−メチル−AE)。最初の例において、この反応混合物を、1.5×10rlu/pmoleの比活性まで標識した、4pmoleのデオキシプローブAとハイブリダイズさせた。反応混合物の平行した組を、1.4×10rlu/pmoleの比活性に標識した、0.1pmoleのメトキシプローブBとハイブリダイズさせた。反応混合物の対応する別の組を、4pmoleの標識化デオキシプローブAおよび0.1pmoleの標識化メトキシプローブBを含む拡張されたダイナミックレンジの試薬とハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの後、本質的にArnoldら、米国特許第5,283,174号(この開示は本明細書により参考として援用される)に示された手順に従って、非ハイブリダイズプローブに結合した標識を不活性化させ、そして特異的にハイブリダイズしたプローブを、発光検出法によって定量した。非ハイブリダイズプローブに結合した任意のAE標識を不活性化するための選択工程の後、このサンプルを10〜60分間室温まで冷まし、そして総相対光単位(RLU)を、当業者に良く知られた標準的手順に従って、LEADER HCルミノメーター(Gen−Probe Incorporated;San Diego、CA)および2秒間の読み取り時間を使用して決定した。
図2Aおよび2Bに図示された結果は、このハイブリダイゼーションおよび検出アッセイのダイナミックレンジが、別々に測定可能な結合相互作用で、同じ分析物ポリヌクレオチドとハイブリダイズする、2つのプローブの使用により、有利に拡張されることを確認にした。図に示されるように、デオキシプローブAのみを使用して行われたハイブリダイゼーションアッセイは、下限約50〜500の間の投入コピー/mlから、上限約5,000,000投入コピー/ml(すなわち、4〜5logの範囲)にわたる範囲で、増幅した標的を区別し得た。同様に、メトキシプローブBのみを使用して行われたハイブリダイゼーションアッセイは、約5未満の投入コピー/ml〜約5,000投入コピー/ml(すなわち、3logの範囲)にわたる範囲で、増幅した標的を区別し得た。しかし、この2つのプローブの組み合わせは、約5投入コピー/ml〜約5,000,000投入コピー/ml(すなわち、6logの範囲)にわたる、有用なダイナミックレンジを提供した。注目すべきことに、このアッセイにおいて、より多量で使用されたプローブは、より少量で使用されたプローブの比活性より、高い比活性を有した。このことは、拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイを行う場合、アフィニティーシフトプローブの量と、それらの比活性との間の反比例関係を使用することは必ずしも必要ではなかったをことを例示する。
図2Aおよび図2Bに示されるグラフの調査は、デオキシプローブAが、単独で使用される場合、試験された高濃度範囲でアンプリコンを定量するのに優れており、そしてメトキシプローブBが、試験された低濃度範囲でアンプリコンを定量するのに優れていたことを示す。例えば、2つのプローブを組み合わせて使用して得られた混合物(composite)の結果は、5コピー/mlの有用なより低い検出限界を有し、一方、メトキシプローブBは、単独で使用される場合、5コピー/ml未満を定量する能力を有した。従って、別々に測定可能な結合相互作用で、同じ分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする複数のプローブからのハイブリダイゼーションシグナルを別個にモニタリングすること(例えば、区別され得るマイクロアレイ様式または別々の標識が生成するシグナルを使用すること)は、なおさらにハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジを拡張し得る。
代替の手順において、核酸増幅反応の生成物は、より少量の低親和性プローブと組み合せて、より多量のより高い親和性プローブを含む、アフィニティーシフトプローブ試薬とハイブリダイズされた。この手順において、プローブBを、1.25×10の比活性まで標準AEで標識し、そしてプローブAを、1.85×10の比活性まで2−メチル−AEで標識した。これら2つのプローブを別個に使用するかまたは組み合せて使用して、本質的に上記のように合成したHCVアンプリコンをハイブリダイズするための、アフィニティーシフトのあるプローブ試薬を作製した。各ハイブリダイゼーション反応は、0.6pmoleのプローブB、または0.3pmoleのプローブA、または0.6pmoleのプローブBおよび0.3pmoleのプローブAのいずれかを含んだ。前出のように、プローブAと比較する場合、プローブBは分析物アンプリコンにより高い親和性を示した。これらの手順からの結果は、繰り返し、ハイブリダイゼーションアッセイのダイナミックレンジが、1対のアフィニティーシフトのあるプローブを使用することにより拡張されたことを示した。
より具体的には、図3Aおよび3Bに図示された結果は、繰り返し、ハイブリダイゼーションアッセイおよび検出アッセイのダイナミックレンジが、別々に測定可能な結合相互作用で同じ分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする2つのプローブの使用によって、有利に拡張されたことを示した。図に示されるように、デオキシプローブAのみを使用して行われたハイブリダイゼーションアッセイは、約50投入コピー/mlの下限〜約5,000,000投入コピー/mlの上限にわたる範囲(すなわち、5logの範囲)で、増幅された標的を区別可能であった。同様に、そして50投入コピー/mlから離れたデータ点を無視すると、メトキシプローブBのみを使用して行われるハイブリダイゼーションアッセイは、約5投入コピー/ml未満〜約5,000投入コピー/mlおよび50,000投入コピー/mlの間にわたって(すなわち、約3〜4logの範囲)、増幅された標的を区別可能であった。しかし、2つのプローブの組み合せは、約5投入コピー/ml〜約5,000,000投入コピー/mlにわたる範囲(すなわち、6logの範囲)の有用なダイナミックレンジを提供した。注目すべきことに、このアッセイにおいて、より多量で使用されるプローブは、より少量で使用されるプローブの比活性より、低い比活性を有した。これらの結果は、驚くべきことに、拡張されたダイナミックレンジのハイブリダイゼーションアッセイが、より低親和性のプローブと同量以上の量より高親和性のプローブを使用して実行され得ることを実証した。言い換えると、より多量の分析物を定量するために使用されるプローブ量は、より少量の同じ分析物を定量するために使用されるプローブ量より少なくあり得る。
前出の実証に従って、特定の好ましいアッセイは、第1プローブ量が第2プローブの同量以上であり、かつ第1プローブの比活性が第2プローブの比活性に同等以上である条件下で、プローブによってハイブリダイズされる分析物配列が、重複しているかまたは非重複であるかどうかに関わらず、分析物ポリヌクレオチドに対して異なる親和性を有する2つのハイブリダイゼーションプローブを使用する。
以下のいくつかの実施例は、HIV−1アンプリコンの検出を包含する手順を記載する。この手順において使用されるプローブは、全体で21〜26ヌクレオチド長を有する分子ビーコンであった。これらのプローブは、配列GGGGUACAGUGCAGGGG(配列番号16)に由来する連続した12〜17塩基を含み、HIV−1アンプリコンに相補的であった。全てのプローブを、標的−分子ビーコンの相補的ループ領域を介する連結によって固体支持体に固定した。
実施例3は、異なる親和性で同じ分析物ポリヌクレオチド種をハイブリダイズするプローブ集団(collection)を使用して、分析物を定量し得ることを実証するために使用される方法を記載する。この手順において、マクロタイタープレートの異なるウェルに別個に固定された分子ビーコンの集団を、標的が過剰な条件下で、既知量の精製分析物ポリヌクレオチドと接触させた。
(実施例 3)
(単一標的ポリヌクレオチドに対して異なる親和性を有する分子ビーコンは、異なる標的濃度で差示的な結合を示す)
配列番号4〜8の配列を有する分子ビーコンプローブを、Perkin−Elmer(Foster City,CA)EXPEDITEモデル8909自動合成機で、3’DABCYLが連結した、規定孔(controlled pore)のガラス、および5’フルオレセイン標識ホスロラミダイトを使用して、固相亜リン酸3エステル化学反応によって、独立して合成した。分子ビーコンの全てを、2’−メトキシヌクレオチドアナログを使用して構築した。ビオチン部分を、Glen Research Corporation(Sterling,VA)から購入したビオチンホスホラミダイトを使用して、分子ビーコン配列のループ部分(図5に示される)に導入した。合成後、これらのプローブを脱保護し、そして60℃で2時間の濃水酸化アンモニウム(30%)での処理によって、固体支持体マトリクスから切断した。次に、これらのプローブを、当業者に良く知られた標準的手順を使用して、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、その後HPLCを使用して精製した。
ストレプトアビジンでコーティングされた96ウェルプラスチックマイクロタイタープレート(Laboratory Systems/Roche Diagnostics Corp.)の個々のウェルを、100μlの結合緩衝液(100mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1M NaCl、0.2mM EDTAおよび0.2% ラウリル硫酸リチウム)中で、室温で1時間の間、20pmoleの、5つのプローブのうちの1つと別個に接触させた。この固定化工程の終了時に、固定化プローブを含有する各ウェルを100μlの結合緩衝液で3回洗浄した。次いで、各ウェルを、結合緩衝液に溶解した、配列5’UAUUCUUUCCCCUGCACUGUACCCCCCAAU 3’(配列番号9)を有する200pmolのRNA標的を含む100μlアリコートと、接触させた。このRNA標的は、これらの手順においてモデル分析物ポリヌクレオチドとして役立った。このプレートを、室温で1時間インキュベートし、モデル分析物ポリヌクレオチドおよび固定化プローブのハイブリダイゼーションを可能にした。各ウェルについて、495nmの波長での励起後、525nmでの蛍光発光を(相対蛍光単位、すなわちRFUで)測定した。これらの測定から計算されるクエンチング比を、表1に提示する。この表の第1カラムが、分子ビーコンプローブの配列および標的配列−相補ループ配列の長さに、特に一致することに注目するべきである。表1で「閉じた」と標識されたカラムおよび「開いた」と標識されたカラムは、それぞれ、相補的な分析物ポリヌクレオチドの不在下および存在下での分子ビーコンプローブの予想される構造をいう。
(表1)
(一定レベルの分析物ポリヌクレオチドでのシグナル定量)
Figure 0004291143
表1に提示される結果は、分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズした各分子ビーコンプローブについてのクエンチング比が、標的配列−相補ループ配列の長さに関連することを示した。興味深いことに、配列番号8の配列を有する分子ビーコンを使用して得られた結果を除き、表1の残りのデータ点は、標的配列−相補ループ配列の長さとクエンチング比との間の直線関係と、実質的に一致した。より特定すると、ループ配列の長さと、9ヌクレオチド長、10ヌクレオチド長、11ヌクレオチド長および14ヌクレオチド長を有する分子ビーコンについて決定されたクエンチング比との間に、ほぼ直線関係があった。16ヌクレオチド長の標的−相補ループを有する分子ビーコンを使用して得られた結果のみ、この傾向に一致しなかった。この分子ビーコン(しかし、他のいずれかの分子ビーコンではない)のルーブ部分の二次構造(図5に示される)を、Mathewsら、J.Mol.Biol.288:911(1999)によって開示された方法に基づくソフトウェアを使用して、コンピューター分析によって予測した。この発見は、これらのプローブの配列の差異および/またはこれらのプローブの二次構造が、プローブポリヌクレオチドと分析物ポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションについてのパラメータにどのように影響し得るかを実証する。
前出の結果は、固定化自己レポーティングプローブから発光された蛍光シグナルの大きさが、標的配列−相補配列の長さに関連し、そしてその標的ポリヌクレオチドに対する各プローブの親和性に関係することを立証した。
異なるプローブが、同じ標的ポリヌクレオチドをハイブリダイズし、そして分析物ポリヌクレオチドのレベルで差示的なシグナルを提示することを示したので、次に、標的ポリヌクレオチドの単一レベルの範囲にまたがる、分子ビーコン各種からのシグナルの大きさを調査した。
実施例4は、同じ標的配列と差示的に相互作用する、複数の固定化分子種が、広範な標的ポリヌクレオチドレベルにわたって異なるシグナルを示すことを確立するために使用される方法を記載する。経時的プロトコルを使用して、ハイブリダイゼーション手順の定量の局面に対する、インキュベーション時間の可能性ある効果を評価した。
(実施例 4)
(試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの定量)
ウェルの平坦な内表面に一様に固定された分子ビーコンプローブを有するマイクロタイタープレートを、本質的に実施例3に記載されるように調製した。より具体的には、マイクロタイターウェルプレートの35ウェルを、1組あたり7ウェルの5組に分割した。各ウェルのセットは、実施例3に記載される手順を使用して、図5に示される分子ビーコンの1つを受容した。洗浄し、固定化されなかったプローブを除去した後、マイクロタイターウェルプレートの各ウェルを、結合緩衝液単独、または、緩衝液中に溶解した配列番号9の配列を有する、0.02pmol、0.2pmol、2pmol、20pmol、200pmolおよび2,000pmolのモデル分析物ポリヌクレオチドのいずれかを含む、100μlのアリコートと接触させた。既知量の分析物ポリヌクレオチドを使用して行われた試験は「標準品」を表し、これは、試験サンプルを使用して得られた結果との比較のための基準を提供した。これらの標準試験に加え、異なる分子ビーコンプローブの各々についての1ウェルを、試験サンプルを表す100μlアリコートと接触させた。このプレートを、室温で1時間、2時間、3時間、5時間および7時間の間インキュベートして、分析物ポリヌクレオチドと固定化プローブとのハイブリダイゼーションを可能にした。蛍光測定は、これらの時間の各点で行った。蛍光測定から計算されたクエンチング比(分子ビーコンプローブと分析物ポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションの程度を示す)を、全ての標準試験について、図6に図示する。表2は、1時間の時点での全ての標準品および1回の試験サンプルについての多くの結果を示す。表に列挙された分子ビーコンプローブを、括弧で示される標的配列−相補ループ配列の長さを有する配列識別物(identifier)によって識別した。
(表2)
(1時間の時点で測定したクエンチング比)
Figure 0004291143
これらの手順からの結果は、これらの標的配列−相補配列中で互いから異なる複数の固定化分子ビーコンが、マイクロタイターウェル中に存在する標的ポリヌクレオチドの量に定量的に関連する蛍光シグナルを、迅速に与えることを確認した。より具体的には、図6に示される各々のグラフのS字型曲線は、試験された標的ポリヌクレオチドの実質的に全てのレベルで、互いから異なっている。さらに、図6に示されるグラフの比較は、固定化分子ビーコンによって生成される実質的に全ての蛍光シグナルが、最初の1時間以内のインキュベーションで、試験された分析物ポリヌクレオチドの最も高レベルで生成されることを示した。例えば、配列番号7の配列を有する分子ビーコンプローブについて7時間の時点で測定された最大蛍光シグナルの80%近くが、1時間のみのインキュベーション後に既に存在していた。より少量の標準ポリヌクレオチドを使用して行われた試験は、1時間の時点と7時間の時点との間のハイブリダイゼーションシグナルの増加を示した。明らかに、1時間のインキュベーションからの結果は、試験サンプル中の分析物ポリヌクレオチドの定量を可能にするのに十分だった。このことは、本明細書中で開示される、プローブ集団および方法を使用する、分析物ポリヌクレオチドの定量が、有利には、非常に速やかであったことを示す。
迅速な処理時間の簡便さに加えて、複数のプローブの使用はまた、試験サンプル中の分析物ポリヌクレオチドの量の正確な測定を可能にした。表2に提示される「未知」試行のクエンチング比について得られた多くの結果が、図6Aに示される曲線のそれぞれについて第1軸上に配置される場合、対応する標的量は、第2軸を調べ、次いで、平均化することによって決定され、この結果は、試験サンプルが9.6pmolを含んだことを示した。実際に、モデル試験サンプルは、10pmolの分析物ポリヌクレオチドを含んだ。上記方法を使用して測定された分析物ポリヌクレオチドの量と、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの実際の量との間のこの密接な一致は、定量的なプローブアレイの有用性を確認した。驚くべきことに、この定量化システムにおける差示的なシグナル伝達を達成するために過剰なプローブを確実にする必要はない。実際には、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの絶対量は、分析物ポリヌクレオチドの量が、プローブの量をかなり超えた場合に、正確に決定された。
上記結果は、同じ分析物ポリヌクレオチドをハイブリダイズする複数の異なるプローブからの蛍光シグナルが、試験サンプル中の分析物ポリヌクレオチドの絶対量を正確に決定するために使用され得ることを確認した。これらの結果は、マイクロタイタープレートの異なるウェルにおいて別々に固定化された分子ビーコンを使用して得られた。従って、実施例3および4に記載される手順で使用されるプローブは、空間的に分離し、そして互いに流体連絡していなかった。以下の実施例は、分子ビーコンプローブが低密度アレイ形式でマイクロタイタープレートの同じウェル内で固定された手順を記載する。この手順で得られた結果は、同じ分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズする複数の異なるプローブが、アレイ形式にどれだけ適合し得るかを示した。さらに、以下の実施例は、定量的プローブアレイがどのように核酸増幅反応とともに使用されて、異なる開始レベルのテンプレートを使用して実施される増幅反応の終わりに差示的ハイブリダイゼーションシグナルを生じ得るかを記載する。
本明細書中に記載される手順は、本発明の定量的プローブアレイを使用して得られる増幅後結果を解釈することによって、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を定量化するために容易に使用され得る。複数のコントロール増幅反応が、分析物ポリヌクレオチド標準の分子の既知数を使用して開始され、そして試験反応が、未知数の分析物ポリヌクレオチド分子を使用して開始される場合、各々の反応において増幅後ハイブリダイゼーションシグナルを測定した後に、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチド分子の数を決定することが可能になる。増幅反応へ入れられる分析物ポリヌクレオチド標準の分子の数と、増幅反応の間または増幅反応の終わりに測定されるアンプリコン特異的シグナル強度との間の関係は、最も簡便には、グラフ的に提示される。試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの数を決定することは、簡単には、測定される分析物アンプリコンシグナル強度に対応する分析物ポリヌクレオチド分子の数を、1つ以上の標準コントロール曲線から決定することである。これは、分析物ポリヌクレオチド標準が、試験サンプル中に含まれる分析物ポリヌクレオチドの増幅前量を定量化するために、ポリヌクレオチド増幅反応においてどのように使用され得るかを示す。これらの同じ手順が、定量的プローブアレイとともに使用するために容易に適合される。
以下の実施例は、標的相補性ループ配列の長さにおいて1ヌクレオチドだけ互いに異なる(すなわち、配列番号10および配列番号12を比較する)か、またはステム形成に関与するアーム部分の配列において互いに異なる(すなわち、配列番号10および配列番号11を比較する)かのいずれかである3分子ビーコンの使用を記載する。以下に示されるように、これらの変量の変更は、相補的分析物ポリヌクレオチドとの差示的な相互作用を有する分子ビーコンを作製するのに十分である。従って、異なるステム構造または異なる標的相補性ループ配列を有する分子ビーコンの収集物は、本発明に従って、分析物ポリヌクレオチドを定量化するために使用され得る。
実施例5は、ポリヌクレオチドアンプリコンの検出および定量化を実証するために使用された方法を記載する。この例において、核酸増幅反応は、定量的プローブアレイの存在下で実施された。
(実施例5)
(定量的分子ビーコンアレイを使用する、核酸アンプリコンの検出および定量化)
3分子ビーコンプローブは、基本的に、実施例3に記載されるように調製される。3つのプローブは、以下である:
Figure 0004291143
3つ全てのプローブが、実施例3において記載された方法に従って、2’−メトキシヌクレオチドアナログを使用して合成され、そして、位置13と14との間(配列番号10について)、位置12と13との間(配列番号11について)、または位置13と14との間(配列番号12について)でビオチン化された。プローブは、5’末端において、Cy5発蛍光団標識(Pharmacia Corp.;Peapack,NJ)と、そして3’末端において、BLACK HOLE QUENCHERTM部分(Biosearch Technologies;Novato,CA)と化学的に連結する。分子ビーコンプローブは、Packard Bioscience Co.(Meriden,CT)からのBIOCHIP ARRAYERTMを使用して、単一の12スポットアレイで別々にアレイされたスポットとして、ストレプトアビジンコートされた96ウェルプラスチックマイクロタイタープレート(Roche Diagnostics Corp.;Indianapolis,IN)に固定した。アレイの各スポットは、約0.4fmolの単一プローブ種を表した。スポッティング後、アレイウェルを、TENT緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.3M NaCl、0.1M EDTA、0.2%の非イオン性湿潤剤TWEEN−20(ICI Americas,Inc.の登録商標)で2回洗浄した。これによって、プローブアレイの調製を完了させた。
並んだ(side−by−side)TMA反応を、pol遺伝子の配列を含んだHIV−1 RNAテンプレートポリヌクレオチドの0、300、3000、または30,000コピーを使用して、アレイしたマイクロタイタープレートで実施した。この手順に使用された増幅プライマーは、Beeら、公開された国際特許出願番号PCT/US00/18685によって記載されている。増幅反応を実施するために使用される方法は、基本的に、Kacianら、米国特許第5,399,491号に記載される通りであった。簡単に述べると、プライマー、NTPおよびdNTP反応物を含む緩衝化溶液の75μlのアリコートを、アレイしたマイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。各ウェルは、さらに、エバポレーションを制御するために、不活性なオイルの75μlのオーバーレイを受容した。次いで、HIV−1テンプレートポリヌクレオチドを、1〜1.5μlの容積に0〜30,000コピーの範囲のレベルでウェルに添加した。プレートを60℃で30分間、次いで、42℃で15分間インキュベートした。各ウェルは、反応混合を完了するために、MMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼを含んだ酵素試薬混合物の25μlアリコートを受容した。プレートのウェルを、耐久性接着フィルムでカバーすることによってシールし、次いで、温度制御されたシェーカー内で、42℃で1時間、インキュベートした。反応の終わりに、マイクロタイタープレートを、室温にし、そしてアレイの各スポットから発せられた蛍光シグナルを定量化するために、TYPHOON 8600イメージャー(Molecular Dynamics;Piscataway,NJ)を使用して走査した。次いで、プレートを、20分間攪拌しながら、65℃でインキュベートし、20分間、室温(約23℃)に冷却し、そして再び走査した。この最後の手順は、本明細書中において、「加熱/冷却工程」と呼ばれる。加熱/冷却工程の前に走査手順からの平均化された定量的結果は、表3に提示される。加熱/冷却工程に続く走査手順からの平均化された定量的結果は、表4に提供される。全ての場合において、クエンチング比は、特定の標的コピーレベルからのシグナルを、0標的コピーレベルにおいて測定されたシグナルによって除算することによって計算された。
Figure 0004291143
Figure 0004291143
これらの手順の結果は、3つの異なるプローブの各々が、投入テンプレートの各レベルにおいて定量的に異なるシグナルを生じたことを確認した。幅広い範囲の投入テンプレートレベルにわたってさえ、増幅反応の終わりにおいて差示的シグナル伝達を達成するために、固定化プローブを互いに分離して維持することは、必要ではなかった。この結果は、さらに、標的相補性ループ配列、またはステム領域の配列のいずれかにおいて異なる分子ビーコンの対が、定量的プローブアレイの文脈の関連で有用である差示的シグナル伝達を達成するために使用され得ることを確認した。驚くべきことに、増幅反応は、阻害の証拠無しに、アレイしたプローブの存在下で実施され得る。最後に、表3の結果と、表4の対応するエントリーとの比較は、増幅反応の終わりに任意の加熱/冷却工程が、試行の全てについてクエンチング比を有利に増加したことを示した。総合すると、これらの結果は、増幅反応が、アレイ化自己レポーティングプローブの存在下で実施され得、そして自己レポーティングプローブによって生成されるシグナルが、分析物ポリヌクレオチドの開始レベルを定量化するために有用であることを示した。
実施例6は、2つの異なるプローブ種を含む定量的プローブアレイを調製するために使用された方法を記載する。以下に記載される例示的アレイにおいて使用される2つの分子ビーコンは、それらの標的相補性ループ領域において3ヌクレオチドのみ、互いとは異なった。この小さく見える差異にもかかわらず、アレイは、少なくとも1000倍の範囲にわたって増大する投入テンプレートレベルを使用して行われたTMA反応について差示的シグナル生成を示した。
(実施例6)
(2つのプローブ種を有する定量的プローブアレイ)
2つの分子ビーコンプローブを、基本的に、実施例3に記載されるように調製した。2つのプローブは、以下であった:
Figure 0004291143
この分子ビーコンは、実施例5に記載されるように、発蛍光団およびクエンチャー部分で標識された。プローブは、2’−メトキシヌクレオチドアナログを使用して合成され、そしてヌクレオチド13と14との間(配列番号13について)、またはヌクレオチド12と13との間(配列番号14について)に配置された非ヌクレオチドリンカーを介して結合されたビオチン残基を組み込んだ。プローブは、アレイ形式でストレプトアビジンでコーティングしたプラスチックマイクロタイタープレートの底にスポットされ、そして増幅反応が、実施例5に記載される方法に従って、アレイ化ウェルで実施された。増幅反応の終わりに、プレートを、任意の加熱/冷却工程に曝し、次いで、ハイブリダイゼーションの程度を定量化するために走査した。投入テンプレートポリヌクレオチドの各レベルでの結果に対するクエンチング比を計算した。5複製(0、30、300、3000のテンプレートコピーについて)または4複製(30,000テンプレートコピーについて)の平均化した結果を、表5に提示する。注目すべきことに、表の最後の欄は、投入テンプレートの各レベルにおいて異なるプローブについて測定されたクエンチング比の相加から得られた複合値を示す。表に示された値は、図7にグラフで提示される。
Figure 0004291143
表5および図7に提示される結果は、既知量の分析物ポリヌクレオチドテンプレートを使用し、そしてアレイしたプローブの存在下で実施された増幅反応が、増幅後ハイブリダイゼーションシグナルおよび分析物ポリヌクレオチドの増幅前量に関連する標準曲線をどのように生じるかを示した。実際に、図7に示されるデータは、未知の投入テンプレートコピー数を使用して実施された増幅反応において得られた結果との比較のための標準的なコントロールとして役立ち得る。驚くべきことに、この手順で固定化プローブアレイを使用して作製された標準曲線は、シグナル強度が、プローブ構造に依存し、そして2つの異なるプローブが、期待されるように、異なるハイブリダイゼーションプロフィールを与えたことを確認した。
これらの手順からの結果は、さらに、アレイで異なるプローブについて測定されたハイブリダイゼーションシグナルの重なりによって作製される複合曲線が、どのように、拡張ダイナミックレンジに導くかを示す。図7に示される複合曲線は、別々に配列された両方のプローブが、代わりに、アレイにおいて1つのスポットで組み合わされ、次いで、同じ増幅反応に供された場合に、期待されるハイブリダイゼーションシグナルの大きさを表す。複合曲線は、単独で使用される場合、プローブのいずれかを表す曲線について増加の割合よりも大きな範囲のテンプレート投入量にわたって有利に増加した。これは、複数の自己レポーティングハイブリダイゼーションプローブが、どのように、アレイ形式において実施されるアッセイを使用して拡張されたダイナミックレンジにわたって定量的情報を得るために使用され得るかを示す。
実施例7は、上記定量的プローブアレイが、試験サンプルに存在する分析物ポリヌクレオチドの量を決定するためにどのように使用され得るかを示す。この例において、先の実施例の標準曲線が、未知数のHIV−1分析物ポリヌクレオチドを含む試験サンプルを使用して実施されるアッセイにおいて得られる定量的結果を解釈するために使用される。
(実施例7)
(定量的プローブアレイの存在下での増幅による、分析物ポリヌクレオチドの定量)
未知量のHIV−1ポリヌクレオチドを含む試験サンプルを最初に得る。アレイ化分子ビーコンプローブを含むマイクロタイタープレートは、実施例6に記載されるように調製される。増幅反応は、実施例6にも記載されるように、1〜1.5μlの容量で分配されるHIV−1 RNA標準の0、300、3000または30000コピーを使用して、マイクロタイタープレートの別々のアレイしたウェルにおいて調製される。マイクロタイタープレート内の1つのアレイしたウェルを、1〜1.5μlの試験サンプルを使用して調製する。MMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼを含む酵素試薬混合物の追加に続いて、マイクロタイタープレートをシールし、次いで、温度制御シェーカーにおいて42℃で1時間インキュベートした。反応の終わりに、マイクロタイタープレートを、任意の加熱/冷却工程に供し、次いで、アレイの各スポットから発せられる蛍光シグナルを定量化するためにTYPHOON 8600イメージャーを使用して走査した。シグナル対ノイズ比を、イメージから得られたデータを使用して各試行について計算した。
走査手順からの結果は、増幅反応が、ウェルの各々において行われたことを確認する。既知量のHIV−1 RNA標準を使用して実施される試行を、グラフにプロットし、そして図7に示されるように標準コントロール曲線を正確に生じた。試験サンプルを使用して実施された試行は、WT016分子ビーコンについて約9.5、WT013分子ビーコンについて約2.0のクエンチング比を与える。これらの値は、図7にグラフの垂直軸で配置され、そしてサンプル中に存在するHIV−1ポリヌクレオチドのコピーの対応する数は、グラフの水平軸から決定した。試験サンプルは、約1000コピーのHIV−1分析物ポリヌクレオチドを含む。これは、定量的プローブアレイが、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの量を決定するために、どのように、ポリヌクレオチド増幅反応と組み合わせて使用され得るかを示す。
この手順の別のバージョンにおいて、標準コントロール曲線は、高度に再現性であり、そして標準を使用する増幅反応を実施するが必要でない。代わりに、標準コントロール曲線を表すデータを、電子メモリデバイスに保存する。増幅反応を、上記手順に従って試験サンプルを使用して実施する。試験サンプルを使用して得られた結果は、WT016分子ビーコンについて約9.5、WT013分子ビーコンについて約2.0のクエンチング比を与える。これらの値は、入力端末に入力され、そしてメモリデバイスに保存される標準曲線と電気的に比較される。電気的に生成された出力は、試験サンプルが1000コピーのHIV−1分析物ポリヌクレオチドを含むことを示す。これは、標準コントロールを使用して増幅反応を実施することが必要でない本発明の実施形態を示す。
異なる分子ビーコンから発せられたシグナルの計算された比の比較のみに依存するポリヌクレオチドを定量化するための代替方法は、絶対的なシグナル値についての特定の知識無しに、このような決定が曖昧さ無しになされ得る。この代替的な方法は、同じポリヌクレオチドについての結合特異性を有する分子ビーコンの2つより多くの異なる種を使用し、そして複数のシグナル比の比較に依存する。この方法は、以下に説明される。
実施例8は、テンプレートポリヌクレオチドの量を曖昧さ無く決定するために有用なコントロール曲線を作成するために使用された方法が、核酸増幅反応より前のサンプルであることを記載する。さらに詳細には、以下の手順は、3つの異なる分子ビーコンを使用して得られる結果が、分析物ポリヌクレオチドの開始レベルを曖昧さ無く決定するためにいかに使用され得るかを示す。
(実施例8)
(2つより多くの種の分子ビーコンを有する定量的プローブアレイ)
配列
Figure 0004291143
を有するWT015dCG分子ビーコンを、ストレプトアビジンコーティングプラスチック96ウェルマイクロタイタープレートのいくつかのウェルの底に、アレイ形式で別々のスポットとして、上記WT016分子ビーコンおよびWT013分子ビーコンとともに、配置した。WT015dCG分子ビーコンの配列は、1ヌクレオチドだけ、WT015分子ビーコンとしての配列と異なり、その結果、WT015分子ビーコンのステムのGU塩基対が、GC塩基対で置換された。さらに、WT015dCG分子ビーコンは、位置5および21(これらは、デオキシリボヌクレオチドによって占められた)を除いて、全ての位置で2’−メトキシヌクレオチドアナログを使用して合成された。ビオチン部分は、上記手順を使用して、位置13と14との間でプローブに連結された。アレイしたウェルを、上記のように洗浄した。次いで、TMA反応を、HIV−1テンプレートポリヌクレオチドの30〜30,000コピーを使用して、上記のように、アレイしたウェルで実行した。クエンチング比を、各試行について計算した。次いで、これらの値を、投入テンプレートの特定のレベルで分子ビーコンプローブの異なる組合せについて「比の比(ratio of ratio)」を計算するために使用した。表6に提示される要約された結果は、WT016/WT013、WT016/WT015dCG、およびWT015dCG/WT013の組合せについてのシグナル比を示す。WT016/WT013およびWT016/WT015dCGの比のデータを、図8にグラフで提示する。WT015dCG/WT013の比は、表6に列挙される他の比から決定可能であるので、それらの結果は、図から省略した。
Figure 0004291143
これらの手順からの結果は、同じ標的ポリヌクレオチドに結合する複数の分子ビーコンについて決定されたシグナル比を比較することによって、増幅の前に、サンプル中に存在するテンプレートポリヌクレオチドの量を決定する単純で曖昧さのない方法を提供した。明らかに、3つの分子ビーコンを使用して得られたシグナル比の分析は、開始テンプレートコピー数を独自に同定した。これは、3つほどの少ない異なる分子ビーコンのハイブリダイゼーションシグナル間の比較が、どのようにして分析物ポリヌクレオチドの増幅前テンプレートコピー数を独自に決定し得るかを示す。
この実施例に記載される様式で得られたデータが、試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの量を決定するために使用され得ることが、当業者に明らかである。例えば、上記標準コントロールと並行して実施される試験サンプルが、それぞれ約4.1および約2.2のWT016/WT013シグナル比およびWT015dCG/WT013シグナル比を与えた場合、図8に示されるグラフの調査は、サンプルが約100コピーのテンプレートポリヌクレオチドを含むことを曖昧さ無く示す。これは、自己レポーティングプローブの固定化アレイが、低い投入テンプレートコピー数を定量化するためにいかに使用され得るかを示す。
本発明は、その多くの特定の実施例および実施形態を参照して記載された。もちろん、本発明の多くの異なる実施形態は、先の詳細な説明を吟味して当業者に示唆される。従って、本発明の真実の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1は、26マー(白丸)プローブおよび20マー(白四角)プローブのハイブリダイゼーションプロフィールを表すS字曲線を示すグラフである。組み合わせて使用される2つのプローブのハイブリダイゼーションにより生じる相加効果を表す複合曲線(黒三角)もまた示される。 図2A〜2Bは、3つのTMA反応中への漸増量のテンプレートポリヌクレオチド投入の関数としてのハイブリダイゼーションシグナル強度を示すグラフである。プローブA(黒四角)は、DNAプローブであり、一方プローブB(黒三角)は、2’−OMeアナログを含み、そして分析物アンプリコンに対するより高いアフィニティーを示す。プローブBとの組合せにおける、ハイブリダイゼーションしているプローブAからの相加効果を表す複合曲線(黒丸)もまた示される。両方のプローブは、分析物アンプリコン中の同一の配列にハイブリダイズする。図2Aにプロットしたデータを、log−logスケールを用いて図2Bに再プロットする。 図3A〜3Bは、3つのTMA反応中への漸増量のテンプレートポリヌクレオチドの投入の関数としてのハイブリダイゼーションシグナル強度を示すグラフである。プローブA(黒四角)は、DNAプローブであり、一方プローブB(黒三角)は、2’−OMeアナログを含み、そして分析物アンプリコンに対するより高いアフィニティーを示す。プローブBとの組合せにおける、ハイブリダイゼーションしているプローブAからの相加効果を表す複合曲線(黒丸)もまた示される。両方のプローブは、分析物アンプリコン中の同一の配列にハイブリダイズする。図3Aにプロットしたデータを、log−logスケールを用いて図3Bに再プロットする。 図4A〜4Eは、一連の整列されたマイクロタイターウェルの概略表現である。 図5は、分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブの集まりをそれらの閉じたコンホメーションで図式的に例示する。発蛍光団部分およびクエンチャー部分は、図から省く。 図6A〜6Eは、1時間後(図6A)、2時間後(図6B)、3時間後(図6C)、5時間後(図6D)および7時間後(図6E)の、ポリヌクレオチド標的濃度の範囲に亘る一連の5つの分子ビーコンプローブについてのハイブリダイゼーション結果を示す線グラフの集まりである。この手順において使用されたプローブは、9マー(黒丸)、10マー(白四角)、11マー(白菱形)、14マー(+)、および16マー(×)であった。 図6A〜6Eは、1時間後(図6A)、2時間後(図6B)、3時間後(図6C)、5時間後(図6D)および7時間後(図6E)の、ポリヌクレオチド標的濃度の範囲に亘る一連の5つの分子ビーコンプローブについてのハイブリダイゼーション結果を示す線グラフの集まりである。この手順において使用されたプローブは、9マー(黒丸)、10マー(白四角)、11マー(白菱形)、14マー(+)、および16マー(×)であった。 図6A〜6Eは、1時間後(図6A)、2時間後(図6B)、3時間後(図6C)、5時間後(図6D)および7時間後(図6E)の、ポリヌクレオチド標的濃度の範囲に亘る一連の5つの分子ビーコンプローブについてのハイブリダイゼーション結果を示す線グラフの集まりである。この手順において使用されたプローブは、9マー(黒丸)、10マー(白四角)、11マー(白菱形)、14マー(+)、および16マー(×)であった。 図7は、定量的プローブアレイと接触して実施される、2つの異なる分子ビーコンプローブを使用したポリヌクレオチド増幅反応についてのハイブリダイゼーション結果(クエンチング比)を、HIV分析物ポリヌクレオチドテンプレートのコピー数の関数として示すグラフである。グラフ中に示される曲線は、WT016(黒菱形)分子ビーコンおよびWT013(黒四角)分子ビーコンからの結果を表す。個々のプローブのハイブリダイゼーションシグナルの合計から生じる複合曲線(黒三角)がまた、グラフ上に示される。 図8は、分子ビーコンプローブの2つの異なる組合せについてのシグナル比を、HIV分析物ポリヌクレオチドテンプレートのコピー数の関数として示すグラフである。グラフ中に示される曲線は、WT016/WT013(白菱形)プローブ、およびWT015dCG/WT013(白三角)プローブの比を示す。
配列表
Figure 0004291143
Figure 0004291143
Figure 0004291143
Figure 0004291143

Claims (18)

  1. 試験サンプル中に存在する分析物ポリヌクレオチドの量を、分析物ポリヌクレオチドの下限量から分析物ポリヌクレオチドの上限量にわたる範囲にわたって定量する方法であって、以下の工程:
    (a)該分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第1の分析物配列に相補的な、第1のプローブであって、該第1のプローブは、第1のオリゴヌクレオチド配列を含む、第1のプローブ;および
    該分析物ポリヌクレオチド中に含まれる第2の分析物配列に相補的な、第2のプローブであって、該第2のプローブは、第2のオリゴヌクレオチド配列を含む、第2のプローブ、
    を含み、
    ここで、該第1の分析物配列および該第2の分析物配列は、互いに隣接しており、そして少なくとも1つのヌクレオチド位置を共通して共有しており、そして
    該第1のプローブは、第1の親和性で該分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、そして該第2のプローブは、第2の親和性で該分析物ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、該第1の親和性および第2の親和性は、互いに異なる、プローブ試薬を提供する工程;
    (b)該プローブ試薬を、該試験サンプル中に存在し得る該分析物ポリヌクレオチドのいずれかにハイブリダイズさせる工程;
    (c)工程(b)におけるハイブリッド二重鎖形成の程度を示すシグナルを測定する工程;および
    (d)工程(c)において測定されたシグナルから、該試験サンプル中に存在する該分析物ポリヌクレオチドの量を定量する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記測定する工程が、光学的に測定する工程を包含する、請求項に記載の方法。
  3. 前記測定する工程が、発光定量法を実施する工程を包含する、請求項に記載の方法。
  4. 前記測定する工程が、蛍光定量法によって測定する工程を包含する、請求項に記載の方法。
  5. 前記第1のプローブおよび前記第2のプローブが、可溶性プローブであるか、または前記第1のプローブおよび前記第2のプローブが、固定されたプローブである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1のオリゴヌクレオチド配列および前記第2のオリゴヌクレオチド配列が、互いに同一である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1のプローブおよび前記第2のプローブのうちの少なくとも一方が、ヌクレオチドアナログを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1のプローブが、第1の検出可能な標識をさらに含み、そして前記第2のプローブが、第2の検出可能な標識をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1の検出可能な標識および前記第2の検出可能な標識の各々が、化学発光部分を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1の検出可能な標識および前記第2の検出可能な標識の各々が、発蛍光団を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記第1の検出可能な標識の前記化学発光部分および前記第2の検出可能部分の前記化学発光部分が、同一の化学発光部分である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記同一の化学発光部分が、アクリジニウムエステルを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1のプローブおよび前記第2のプローブ試薬が、第1の直鎖プローブおよび第2の直鎖プローブである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記第1のプローブおよび前記第2のプローブが、第1の自己レポーティングプローブおよび第2の自己レポーティングプローブである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記第1の自己レポーティングプローブおよび第2の自己レポーティングプローブが、第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンの各々が、ステム部分およびループ部分を含み、そして該第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンが、それらのそれぞれのステム部分の長さが互いに異なる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンの各々が、ステム部分およびループ部分を含み、そして該第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンが、それらのそれぞれのループ部分の長さが互いに異なる、請求項15に記載の方法。
  18. 前記第1の分子ビーコンおよび第2の分子ビーコンのうちの少なくとも一方が、少なくとも1つのヌクレオチドアナログを含む、請求項15に記載の方法。
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