JP4290648B2 - オキサゾール誘導体及びインスリン感作物質としてのそれらの使用 - Google Patents

オキサゾール誘導体及びインスリン感作物質としてのそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、インスリン感作物質、特にPPARアクチベーターとして有用な、新規なオキサゾール誘導体に関する。
本発明は、特に、式I
Figure 0004290648
〔式中、
1はアリールであり;
2は、水素、アルキル又はシクロアルキルであり;
3は、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル−S(O)2−又はアリール−S(O)2−であり;
4はアラルキルであり;
5、R6、R7及びR8は独立して、水素、アルキル又はシクロアルキルから選択され;
nは1、2、3、4又は5である〕
の化合物、並びにそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。
式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルは新規であり、有用な薬理学的性質を有する。これらの化合物はインスリン感作物質であり、特にPPARアクチベーターである。
ペルオキシソーム増殖活性化レセプター(PPAR)は、遺伝子発現を制御するリガンド活性化転写因子である核ホルモンレセプタースーパーファミリーのメンバーである。それらの種々のサブタイプは同定され、クローン化されている。これらとしては、PPARα、PPARβ(これはPPARδとしても知られる)、及びPPARγが挙げられる。PPARγの少なくとも2つの主なイソ型が存在する。PPARγ1はほとんどの組織中で遍在的に発現するが、さらに長いイソ型PPARγ2は、脂肪細胞中にほとんどもっぱら見いだされる。対照的に、PPARαは肝臓、腎臓及び心臓で主に発現する。PPARは、グルコースホメオスタシス及び脂質ホメオスタシス、細胞分化、炎症性応答及び心臓血管事象を含む種々の身体応答を調整する。
糖尿病は、患者がインスリンの作用に対して適切に応答する能力を部分的に失ったため、血中のグルコース濃度を制御する能力が損なわれる疾患である。先進国における糖尿病患者の80〜90%を苦しめるII型糖尿病(T2D)(しばしばインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)と称される)において、膵臓中のランゲルハンス島はなおインスリンを産生する。しかし、標的臓器(主に、筋肉、肝臓及び脂肪組織)は、インスリン刺激に対して顕著な抵抗性を示し、身体は非生理学的に高いレベルのインスリンを産生することによって補う。しかし、疾患の後半段階において、インスリン分泌は、膵臓の消耗に起因して減少する。それに加えて、T2Dは、代謝−心臓血管疾患症候群である。T2Dに関連する合併症のうちで、例えば、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、高血圧、内皮機能不全及び炎症性アテローム性動脈硬化症である。
糖尿病のための現在の最初の処置は、一般的に、低脂肪及び低糖の食事並びに運動を含む。しかし、コンプライアンスは中程度であり、疾患が進むにつれて、血糖降下剤(例えば、スルホニルウレア又はメトホルミン)を用いた処置が必要になる。患者を患者自身のインスリン(インスリン感作物質)に再感作させ、それにより血中グルコースレベル及びトリグリセリドレベルを正常に戻し、ひいては外因性インスリンの必要性をなくすか又は少なくとも減らす、有望な新規な種類の薬剤が最近導入されてきた。ピオグリタゾン(Actos(登録商標))及びロシグリタゾン(Avandia(登録商標))はPPARγ−アゴニストのチアゾリジンジオン(TZD)種に属し、これらは、いくつかの国で、NIDDMのために承認された最初の代表例である。しかし、これらの化合物は、まれではあるが(トログリタゾンと用いて見られるような)重篤な肝臓毒性を含む副作用を与えることになり、またヒトにおいて体重を増加させる。それ故に、NIDDMを処置するための新規な、より良好な、より効果的な薬物が緊急に必要である。最近の研究は、PPARα及びPPARγに共に作用させることにより、治療的に高い潜在能力を有する、すなわち、グルコースレベル及びインスリンレベルの正常化に加えて改良された脂質プロフィール効果を有する化合物をもたらすという証拠を提供する(Keller及びWahli: Trends Endocrin.Metab.1993; 4: 291〜296ページ、Macdonald及びLane: Current Biology、第5巻、618〜621ページ(1995年))。
本発明の新規化合物は、PPARα及びPPARγの両方に同時にかつ非常に効率よく結合し活性化させるため、当該技術分野で公知の化合物に勝る。それ故に、これらの化合物は、PPARγ活性化の抗血糖効果と、PPARα活性化の抗脂質代謝異常効果とを併せ持つ。結果として、血漿グルコース及びインスリンは減少し(=インスリン感作)、トリグリセリドは減り、HDLコレステロールは増加する(改良された脂質プロフィール)。それに加えて、このような化合物は、LDLコレステロールをさらに下げ、血圧を下げ、炎症性アテローム性硬化症を改善することもできる。T2D疾患症候群の複数の面は、PPARα及びγの共アゴニストによって対処されるので、それらは当該分野で既に知られている化合物と比較して高められた治療潜在能力を有すると予想される。
それ故に、式Iの化合物は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群の予防及び/又は治療において使用可能である。
本発明の目的は、式Iの化合物及びそれらの上述の薬学的に許容されうる塩およびエステルそれ自体;及び治療的に活性な基質としてのそれらの使用;上記化合物の製造方法;中間体;医薬組成物;上記化合物、それらの薬学的に許容されうる塩及びエステルを含む医薬;疾病を予防及び/又は治療するための、特に糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群の治療及び/又は予防における、とりわけインスリン非依存性糖尿病を予防及び/又は治療するための上記化合物、エステル及び塩の使用;及び疾病の予防及び/又は治療用の、特に糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、上記化合物、塩及びエステルの使用である。
本明細書の記載において、用語「アルキル」は、単独又は組み合わせて、1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は分枝鎖アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は分枝鎖アルキル基、特に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は分枝鎖アルキル基を表す。直鎖及び分枝のC1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体のペンチル、異性体のヘキシル、異性体のヘプチル及び異性体のオクチルであり、好ましくはメチル及びエチルであり、最も好ましくはメチルである。
用語「シクロアルキル」は、単独又は組み合わせて、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル環を表し、好ましくは、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を表す。C3〜C8シクロアルキルの例は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、シクロブチル、メチル−シクロブチル、シクロペンチル、メチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−シクロヘキシル、ジメチル−シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルであり、好ましくはシクロプロピルである。
用語「アルコキシ」は、単独又は組み合わせて、用語「アルキル」が上に与えられた意味を有する式アルキル−O−で示される基を表し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシであり、好ましくはメトキシ及びエトキシであり、最も好ましくはメトキシである。
用語「アリールオキシ」は、単独又は組み合わせて、用語「アリール」が上に与えられた意味を有する式アリール−O−で示される基を表し、例えばフェニルオキシである。
用語「アリール」は、単独又は組み合わせて、フェニル又はナフチル基を表し、好ましくはハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、シアノ、カルバモイル、アルコキシカルバモイル、メチレンジオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ニトロ等からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基を場合により有するフェニル基を表し、例えば、フェニル、クロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、クロロフルオロフェニル、アミノフェニル、メチルカルボニルフェニル、メトキシフェニル、メチレンジオキシフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルである。好ましくは、フェニル、3−クロロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−アミノフェニル、4−メチルカルボニルフェニル、4−メトキシフェニルであり、特にフェニルである。
用語「アラルキル」は、単独又は組み合わせて、1個以上、好ましくは1個の水素原子が上に定義されたアリール基に交換されている、上に定義されるようなアルキル又はシクロアルキル基を表す。好ましくは、ベンジルであり、ヒドロキシ、アルコキシ又はハロゲンで置換されたベンジルであり、好ましくはフッ素で置換されたベンジルである。特に好ましくはベンジルである。
用語「アミノ」は、単独又は組み合わせて、窒素原子を介して結合する一級、二級又は三級アミノ基を表し、その二級アミノ基はアルキル又はシクロアルキル置換基を有し、その三級アミノ基は、2個の同じ若しくは異なるアルキル若しくはシクロアルキル置換基を有するか、又は2個の窒素置換基が共に環を形成し、例えば、−NH2、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチル−エチルアミノ、ピロリジン−1−イル又はピペリジノ等であり、好ましくは、アミノ、ジメチルアミノ、及びジエチルアミノであり、特に一級アミノである。
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表し、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素である。
用語「カルボニル」は、単独又は組み合わせて、−C(O)−基を表す。
用語「シアノ」は、単独又は組み合わせて、−CN基を表す。
用語「薬学的に許容されうる塩」は、生物学的有効性を保持し、また生物学的ではないか又はそうでなければ所望ではない遊離塩基若しくは遊離酸の性質を保持する、それらの塩をいう。上記塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、好ましくは塩酸)及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等)を用いて形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基若しくは有機塩基を遊離酸に添加することによって調製してもよい。無機塩基から誘導される塩としては、限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。有機塩基から誘導される塩としては、限定されないが、一級、二級及び三級アミンの塩、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)の塩、環状アミンの塩、塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリミン樹脂の塩等が挙げられる。式Iの化合物は、双性イオンの形態で存在することもできる。特に好ましい式Iの化合物の薬学的に許容されうる塩は、塩酸塩である。
式Iの化合物は、溶媒和、例えば水和可能である。溶媒和は、一連の製造工程中で行われるか、又は式Iの最初は無水の化合物の吸湿性の結果として起こる(水和)ことができる。薬学的に許容されうる塩という用語は、生理学的に許容されうる溶媒和物も含む。
「薬学的に許容されうるエステル」は、一般式(I)の化合物が官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に戻すことが可能な誘導体を提供することを意味する。このような化合物の例としては、生理学的に許容されうる、代謝的に不安定なエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルが挙げられる。さらに、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容されうる等価体は、代謝的に不安定なエステルと同様、インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができ、本発明の範囲内にある。
用語「リパーゼインヒビター」は、リパーゼ(例えば、胃リパーゼ及び膵臓リパーゼ)の作用を阻害できる化合物をいう。例えば、米国特許第4,598,089号に記載されるオルリスタット及びリプスタチン(lipstatin)は、リパーゼの強力なインヒビターである。リプスタチンは、微生物起源の天然産物であり、オルリスタットは、リプスタチンの水素化の結果物である。他のリパーゼインヒビターとしては、パンクリシン(panclicin)と通常称される種類の化合物が挙げられる。パンクリシンはオルリスタットの類似体である(Mutohら、1994)。用語「リパーゼインヒビター」は、例えば、PCT国際出願第WO99/34786号(Geltex Pharmaceuticals Inc.)に記載されるポリマー結合リパーゼインヒビターのこともいう。これらのポリマーは、リパーゼを阻害する1つ以上の基で置換されていることを特徴とする。用語「リパーゼインヒビター」は、さらに、これらの化合物の薬学的に許容されうる塩も含む。用語「リパーゼインヒビター」は、好ましくはオルリスタットをいう。
オルリスタットは、肥満及び高脂血症の制御又は予防のために有用な既知の化合物である。オルリスタットの製造方法も開示する米国特許第4,598,089号(1986年7月1日発行)、及び適切な医薬組成物を開示する米国特許第6,004,996号を参照のこと。さらに適切な医薬組成物は、例えば、PCT国際出願第WO00/09122号及び同第WO00/09123号に記載される。オルリスタットのさらなる調製方法は、欧州特許出願第185,359号、同第189,577号、同第443,449号、及び同第524,495号に開示される。
オルリスタットは、好ましくは、1日あたり60〜720mgを、分割した用量で、1日あたり2〜3回経口投与される。好ましくは、1日あたり180〜360mg、最も好ましくは1日あたり360mgのリパーゼインヒビターを、分割した用量で、好ましくは1日2回、特に1日3回被検体に投与する。被検体は、好ましくは肥満又は過体重のヒト、すなわち、肥満度指数が25以上のヒトである。一般的に、脂肪含有食の摂取の約1又は2時間以内にリパーゼインヒビターを投与することが好ましい。一般的に、上に定義されるようにリパーゼインヒビターを投与することについて、肥満の強い家族暦をもち、肥満度指数が25以上得られたヒトに処置を施すことが好ましい。
オルリスタットは、従来の経口組成物、例えば、錠剤、コーティング錠、硬ゼラチンカプセル剤及び軟ゼラチンカプセル剤、乳濁剤又は懸濁剤で、ヒトに投与可能である。
錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセル剤のために使用可能な担体の例は、ラクトース、その他の糖類、及びソルビトール、マンニトール、マルトデキストリンのような糖アルコール、又は他の賦形剤;ラウリル硫酸ナトリウム、Brij 96、又はTween 80のような界面活性剤;ナトリウムデンプングリコール、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体のような崩壊剤;ポビドン、クロスポビドンのようなポリマー;タルク;ステアリン酸又はその塩等である。軟ゼラチンカプセル剤のために好適な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体ポリオール及び液体ポリオール等である。さらに、薬学的調製物は、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変動させるための塩、バッファー、コーティング剤、及び酸化防止剤を含有することができる。これらの薬学的調製物は、他の治療的に有用な物質もさらに含有することができる。処方は、単位用量形態で簡便に存在してもよく、薬学分野において公知の方法によって調製されてもよい。好ましくは、オルリスタットは、実施例及び米国特許第6,004,996号のそれぞれにおいて示される処方にしたがって投与される。
式Iの化合物は、いくつかの不斉中心を含有することが可能で、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えばラセミ体)、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
好ましくは、式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容されうる塩であり、特に式Iの化合物である。
さらに好ましくは、R1がフェニルである式Iの化合物である。
本発明の好ましい実施形態は、R2がアルキル、好ましくはメチルである式Iの化合物である。
3が、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル−S(O)2−又はアリール−S(O)2−である式Iの化合物もまた好ましい。さらに好ましくは、R3がメチル、プロピル、ベンジル、メチルカルボニル、フェニルカルボニル、メチル−S(O)2−、フェニル−S(O)2−、フェニル、又はアルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル及びアルコキシから独立して選択される1つ以上の、好ましくは1つ又は2つの置換基で置換されたフェニルである上記化合物である。
本発明のさらに好ましい局面は、R3がアルキル又はフェニルであり、ここでフェニルが場合によりハロゲンで一置換又は二置換されている式Iの化合物である。特に好ましくは、R3がプロピル、フェニル、フルオロフェニル又はジフルオロフェニルである式Iの化合物である。
4がアリールメチルである式Iの化合物がさらに好ましい。R4が、カルボキシで置換され、そして場合によりフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル又はアルコキシでさらに置換されたベンジルである、式Iの化合物が特に好ましい。
5が水素である式Iの化合物もまた好ましい。
6が水素である式Iの化合物がさらに好ましい。
本発明の別の好ましい局面は、R7が水素である式Iの化合物である。
8が水素である式Iの化合物もまた好ましい。
式Iの特に好ましい化合物は、R5、R6、R7及びR8が水素である化合物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、nが1、2又は3である、式Iの化合物である。特に好ましい式Iの化合物は、nが2である化合物である。
式(I)の好ましい化合物の例を以下に示す。
1. 2−〔(アセチル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
2. 2−〔(ベンゾイル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
3. 2−〔(メタンスルホニル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
4. 2−〔(ベンゼンスルホニル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
5. 2−〔(メチル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
6. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−プロピル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
7. 2−〔(ベンジル−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
8. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−o−トリル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
9. 2−〔((3−フルオロ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
10. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−m−トリル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
11. 2−{〔{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ〕−メチル}−安息香酸;
12. 2−〔((4−フルオロ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
13. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−p−トリル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
14. 2−〔((4−メトキシ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
15. 2−〔((3,4−ジメチル−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
16. 2−〔((3,4−ジフルオロ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
17. 2−〔((4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
18. 3−フルオロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
19. 3−クロロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
20. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−3−トリフルオロメチル−安息香酸;
21. 3−メトキシ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
22. 4−クロロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
23. 4−メトキシ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;24. 5−フルオロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
25. 2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;及び
26. 2−メトキシ−6−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸。
式(I)の特に好ましい化合物の例を以下に示す。
2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−プロピル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
2−〔((3−フルオロ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
2−〔((3,4−ジフルオロ−フェニル)−{4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−アミノ)−メチル〕−安息香酸;
3−フルオロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸;及び
5−フルオロ−2−〔({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル〕−安息香酸。
式Iの化合物の製造方法は、本発明の1つの目的である。
本工程の以下の記載において使用される置換基及び指数は、逆の意味で示されないかぎり、上述の定義を有する。
1、R2、R4〜R8及びnが上に定義されるとおりであり、R3が水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル−S(O)2−又はアリール−S(O)2−である一般式Iの化合物は、スキームI及びIIに従って調製可能である:
Figure 0004290648
Bocはtert−ブトキシカルボニルを意味する。
オキサゾールエーテル(3)は、アルコール(1)と一保護されたアニリン(2)とを、THF中Mitsunobu条件下でカップリングさせることによって調製可能である(O.Mitsunobu, Synthesis, 1, 1981)。
(4)を用いた(3)のアルキル化は、DMSO中のKOHを用いた後、CF3COOHを用いてBoc基を脱保護し、化合物(5)を得ることによって達成可能である。
Figure 0004290648
R’はアルキル又はアリールであり、
R”はアルキル又はアリールであり、
R”’はアルキル又はアラルキルである。
アミン(5)のアシル化及びスルホニル化は、対応する塩化物を用いて行うことが可能である。(5)のアルキル化は、好ましくは対応するヨウ化アルキル又は臭化ベンジルを必要とする。全ての反応は、塩基(例えばTHF中のNEt3)の存在下で行われ、エステルとして(I)の前駆体を得ることが可能である。第2のステップにおいて、上記エステルを、THF、MeOH及び水の溶媒混合物中でLiOHを用いて加水分解し、目的化合物(I)を得ることが可能である。アミン(5)のアリール化は、Lamの方法に従って、対応するボロン酸を用いて行うことが可能であり(P.Y.S.Lam ,G.Vincent, C.G.Clark, S.Deudon, P.K.Jadhav, Tetrahedron Lett.42, 3415, 2001)、上述のように加水分解可能な(I)の前駆体をエステルとして得る。
遊離カルボキシ基が、例えば、置換基R4に存在する場合には、このカルボキシ基は、当該技術分野で公知の方法により、例えば、エチルエステルとして保護することが可能である。存在するOH残基は、適切な保護基を用いて、例えば、エチルエステルとして保護可能である。
あるいは、R1、R2、R4〜R8及びnが上に定義されるとおりであり、R3が水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル−S(O)2−又はアリール−S(O)2−である一般式Iの化合物は、スキームIIIに従って調製可能である:
Figure 0004290648
スキームIIIによる(I)の代替的な調製は、R3が固定され、R4がスキームI及びIIにおいて記載されるような同じ種類の反応に従って変わる場合、優先的に使用される。
遊離カルボキシ基が、例えば置換基R4に存在する場合には、このカルボキシ基は、当該分野で公知の方法によって、例えばエチルエステルとして保護することが可能である。
出発化合物(1)は、例えば、スキームIV又はVに従って得ることができる:
Figure 0004290648
アルデヒド(1a)は、市販されているか又は公知である。アルデヒド(1a)を、文献中の手順に従ってジケト−モノオキシム(2a)と、強酸(典型的にはHCl)の存在下、AcOHのような極性溶媒中で縮合させ(Goto, Y.; Yamazaki, M.; Hamana, M.; Chem Pharm Bull(1971年), 19, 2050)、オキサゾール−N−オキシド(3a)を得る(ステップa)。次いで、還流下でジクロロメタン中のPOCl3を用いて処理し、対応する一級塩化物(4a)を得る(Goto, Y.; Yamazaki, M.; Hamana, M.; Chem Pharm Bull(1971), 19, 2050, ステップb)。これらの中間体は、いずれもそれ自体使用され、十分に確立された方法に従って、対応するアルコール、又はメシレート若しくはトシレートのような活性化アルコールへと変換されるか、又は臭化物若しくはヨウ化物へと変換されるか、又はNaCNを用いたS2−反応を介して、ニトリル5(ステップc)を介して、完全に加水分解され(ステップd)、例えばテトラヒドロフラン中のボランを用いて還元され(ステップe)、ビルディングブロック(7a)が最終的に合成される。
2が水素である4−クロロメチル−2−アリール又は2−ヘテロアリール−オキサゾール(4a)は、好ましくは、例えば、Bioorg.Med.Chem.Lett.(2000), 10(17), 2041〜2044に記載されるように、対応するアリール又はヘテロアリールカルボキサミド及び1,3−ジクロロアセトンから調製される。
nが1である式(I)の化合物は、スキームIIIにおいて示される反応と類似する、式4aの化合物と式6の化合物との反応によって得ることができる。
Figure 0004290648
N−アシル−グリシンエステル(1b)は、市販であるか、公知であるかのいずれかであるか、又はN−アシル化の標準的な操作によって調製可能である。モノ−アリル化エステル(2b)は、THFのような非プロトン性溶媒中で、LiHMDSのような強い非求核性の塩基を用いて、典型的には−78℃で(1b)を二重に脱保護し、続いて臭化アリルで処理して選択的にC−アルキル化生成物(2b)を得ることによって容易に得ることができる(ステップa)。標準的な加水分解は、中間体の酸(3b)を生成し(ステップb)、次いでこの中間体の酸(3b)は、十分に確立された文献の手順に従って、化合物(4b)へと変換される(J.Med.Chem.(1996), 39, 3897)(ステップc)。トリフルオロ酢酸及びトリフルオロ酢酸無水物を試薬として用いるオキサゾールへの閉環により、鍵中間体(5b)を生成し(ステップd)、これを、最後に、例えばTHF中の9−BBNを用い、そしてH22及びNaOHで確実に酸化することで、ヒドロホウ素化を介して目的アルコール(6b)を合成する(ステップe)。
nが4である式(1)の出発化合物は、以下のように得ることができる:
1)式(6b)の化合物のメシル化
2)対応するニトリルを得るための、NaCNを用いたSN2反応
3)ニトリルの加水分解
4)例えばボランを用いた、還元
nが5である式(I)の出発化合物は、以下のように得ることができる:
1)nが4である式Iの化合物のメシル化
2)対応するニトリルを得るための、NaCNを用いたSN2反応
3)ニトリルの加水分解
4)例えばボランを用いた、還元
出発化合物(2)及び(6)は公知であるか、又は当該技術分野で公知の方法、例えば、硫酸及び硝酸(salpetric-acid)を用いてフェノールをニトロ化し、続いて触媒的水素化又は塩酸中の鉄を用いて対応するニトロフェノールに還元することによって合成可能である。一級アミンのBoc保護は、ピリジン中のBoc無水物を用いて(2)を得るか、あるいは、Lamによって開発されたアリール化手順(P.Y.S.Lam, G.Vincent, C.G.Clark, S.Deudon, P.K.Jadhav, Tetrahedron Lett42, 3415, 2001)を用いて、非保護アニリンを化合物(6)に変換することにより達成可能である。
式(4)の化合物及び対応する保護された類似体は、以下のように調製可能である:置換されたトルオールカルボン酸を、周知の手順、例えば、アルコールと塩酸とを用いたエステル化を用いて、エステルとして保護する。さらに、メチル基の臭素化を、十分に確立された手順、例えばCCl4のようなハロゲン化溶媒中でN−ブロモコハク酸イミド及び触媒量のジベンゾイルペルオキシドを用いて行う。
式Iの化合物の薬学的に許容されうる塩への変換は、このような化合物を、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸等を用いて、又は有機酸、例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸若しくはp−トルエンスルホン酸を用いて処理することによって行うことができる。対応するカルボキシレート塩は、生理学的に適合性の塩基で処理することによって式Iの化合物から調製することもできる。
式Iの化合物の薬学的に許容されうるエステル又はアミドへの変換は、例えば、分子中に存在する適切なアミノ基又はヒドロキシル基をカルボン酸(例えば酢酸)で、縮合試薬、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)又はN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)で処理することによって行うことができ、カルボン酸エステル又はカルボン酸アミドを生成する。
さらに好ましいのは、以下の反応のうち1つを含む、式Iの化合物の製造方法である:
a)式Iの化合物を得る目的で、式(5)
Figure 0004290648
の化合物をR3−Halの存在下で反応させた後、水酸化物、好ましくはLiOHの存在下で反応させること(Halは塩素、臭素又はヨウ素を意味し、R1〜R8及びnは上に定義されるとおりである)。R3がアルキルカルボニル又はアリールカルボニルを意味し、Halが塩素を意味する上記の反応が特に好ましい。R3がアルキル又はアラルキルを意味し、Halが臭素又はヨウ素を意味する上記の反応がさらに好ましい。
b)式Iの化合物を得る目的で、式(5)の化合物を(HO)2B−アリールの存在下で反応させた後、水酸化物、好ましくはLiOHの存在下で反応させること(R1、R2、R4〜R8及びnは上に定義されるとおりである)。
c)式Iの化合物を得る目的で、式(7)
Figure 0004290648
の化合物をR4−Halの存在下で反応させた後、水酸化物、好ましくはLiOHの存在下で反応させること(Halは塩素、臭素又はヨウ素を意味し、R1〜R8及びnは上に定義されるとおりである)。Halが臭素を意味する上記反応が好ましい。
好ましい中間体は以下のようになる:
{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
2−[(tert−ブトキシカルボニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステル
2−({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニルアミノ}−メチル)−安息香酸エチルエステル、及び
{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミン。
治療的に活性な物質として使用するための上述の式Iの化合物は、本発明のさらなる目的である。好ましいのは、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群、特に好ましくはインスリン非依存性糖尿病を予防及び/又は治療するための治療的に活性な物質としての使用である。
また、本発明の1つの目的は、PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患の予防及び/又は治療用の医薬を調製するための、好ましくは、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群、特に好ましくはインスリン非依存性糖尿病の予防及び/又は治療用の医薬を調製するための、上述の化合物である。
同様に、本発明の1つの目的は、上述の式Iの化合物と、治療的に不活性な担体とを含む医薬組成物である。本発明の別の目的は、治療的に有効量のリパーゼインヒビター(特に、リパーゼインヒビターがオルリスタットである)をさらに含む、上述の医薬組成物である。
また、本発明の1つの目的は、医薬を調製するための、特にPPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患、とりわけ、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群、特に好ましくはインスリン非依存性糖尿病の処置及び/又は予防用の医薬を調製するための、上述の化合物の使用である。
本発明のさらなる目的は、リパーゼインヒビターを用いた処置も受けている患者において、PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患の治療及び/又は予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用である。リパーゼインヒビターがオルリスタットである、上述の使用が好ましい。特に好ましくは、疾患が、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群、特に好ましくはインスリン非依存性糖尿病である、上記疾患を治療及び/又は予防するための上述の使用である。
本発明のさらなる目的は、記載された方法の1つによって製造される化合物を含む。
本発明のさらなる目的は、PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患、好ましくは、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群、特に好ましくはインスリン非依存性糖尿病を治療及び/又は予防するための方法であり、この方法により、有効量の式Iの化合物が投与される。本発明の別の目的は、治療的に有効量のリパーゼインヒビター(特に、リパーゼインヒビターがオルリスタットである)をヒトに投与することをさらに含む、上記の方法である。同時投与、分離投与又は連続投与のための上述の方法もまた、本発明の1つの目的である。
(アッセイ手順)
式Iの化合物の活性を決定するために、以下の試験を使用することができる。
行われるアッセイについての背景情報は、以下に見出すことができる:Nichols JSら、「Development of a scintillation proximity assay for peroxisome proliferator-activated receptor gamma ligand binding domain」, (1998)Anal.Biochem.257:112〜119。
ヒトPPARα及びマウスPPARγのための全長cDNAクローンを、ヒトの脂肪及びマウス肝臓のcRNAからそれぞれRT−PCRによって得て、プラスミドベクターへとクローン化し、DNA配列決定によって確認した。微生物及び哺乳動物の発現ベクターを構築し、グルタチオン−s−トランスフェラーゼ(GST)並びにPPARγのリガンド結合ドメイン(LBD)(aa174〜476)及びPPARαのLBD(aa167〜469)に融合させたGal4 DNA結合ドメインタンパク質を産生した。このことを達成するために、LBDをコードするクローン化配列の一部分を、PCRによって全長クローンから増幅し、次いで、プラスミドベクターへとサブクローン化した。最終的なクローンをDNA配列決定分析によって確認した。
GST−LBD融合タンパク質の導入、発現、及び精製を、標準的な方法によって、E.coli株BL21(pLysS)細胞中で行った(参照:Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Press, Ausubelら編)。
(放射リガンド結合アッセイ)
PPARαレセプター結合をTKE10(10mM Tris−HCl、pH8、50mM KCl、2mM EDTA、0.1mg/ml脂肪酸フリーのBSA、及び10mM DTT)中でアッセイした。各96ウェルについて、2.4ug当量のGST−PPARα−LBD融合タンパク質及び放射リガンド、例えば、2(S)−(2−ベンゾイル−フェニルアミノ)−3−{4−[1,1−ジトリチオ−2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピオン酸40000dpmを、100ul体積中で、室温で2時間インキュベートした。結合したリガンドを、製造者の推奨に沿ってSG25 80ulで充填されたMultiScreenプレート(Millipore)を用いて、固相分離によって結合していないリガンドから除去した。
PPARγレセプター結合をTKE50(50mM Tris−HCl、pH8、50mM KCl、2mM EDTA、0.1mg/ml脂肪酸フリーのBSA、及び10mM DTT)中でアッセイした。各96ウェル反応について、140ng当量のGST−PPARγ−LBD融合タンパク質を、攪拌することによって、最終体積50ulで、SPAビーズ(Pharmacia Amersham)10ugに結合させた。得られたスラリーを室温で1時間インキュベートし、1300gで2分間遠心分離した。結合していないタンパク質を含有する上澄みを除去し、レセプターで被覆されたビーズを含有する半乾燥ペレットをTKE50ulに溶解した。放射リガンド結合のために、例えば、50ul中の2(S)−(2−ベンゾイル−フェニルアミノ)−3−{4−[1,1−ジトリチオ−2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピオン酸10000dpmを添加し、反応物を室温で1時間インキュベートし、シンチレーション近接計測を行った。全ての結合アッセイを96ウェルプレート中で行い、結合リガンドの量をOpti Plates(Packard)を用いたPackard Top Countで測定した。10-4Mの標識されていない化合物の存在下で非特異的な結合を決定した。10-10M〜10-4Mの濃度範囲内で、用量応答曲線を三重に作成した。
(ルシフェラーゼ転写リポーター遺伝子アッセイ)
子ハムスター腎臓細胞(BHK21 ATCC CCL10)を、10%FBSを含有するDMEM培地中で、95%O2:5%CO2雰囲気中、37℃で増殖させた。細胞を105細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートに接種し、次いで、pFA−PPARγ−LBD又はpFA−PPARα−LBD発現プラスミドのいずれかと、pFR−lucリポータープラスミド及び正常コントロールとしてアルカリホスファターゼ(SEAP)の分泌可能な形態をコードする発現プラスミドとを用いてバッチトランスフェクトした。示唆されたプロトコルに従って、Fugene6試薬(Roche Molecular Biochemicals)を用いてトランスフェクションを達成した。トランスフェクションの6時間後、トリプシン化によって細胞を収穫し、96ウェルプレートに104細胞/ウェルの密度で接種した。細胞の結合を可能にするために24時間後、培地を除去し、試験物質又はコントロールリガンド(最終0.1%DMSO)を含有するフェノールレッドが存在しない培地100ulと交換した。細胞を物質とともに24時間インキュベーションした後、上澄み50ulを回収し、SEAP活性について分析した(Roche Molecular Biochemicals)。上澄みの残りを捨て、PBS50ulを各ウェルに添加した後、Luciferase Constant-Light試薬(Roche Molecular Biochemicals)1体積部を添加し、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ反応を開始した。Packard TopCount中で、SEAP及びルシフェラーゼの両方について発光を測定した。ルシフェラーゼ活性をSEAPコントロールに対して正規化し、試験物質の存在下での転写活性を、物質の非存在下でインキュベートした細胞の活性の倍数として表した。XLfitプログラム(ID Business Solutions Ltd.UK)を用いてEC50値を計算した。
本発明の化合物は、PPARα及びPPARγについて、0.1nM〜50μM、好ましくは1nM〜10μM、特に1〜3500nM、さらに好ましくは1〜500nMのIC50値を示す。上記化合物はさらに、PPARα及びPPARγについて、0.1nM〜50μM、好ましくは1nM〜10μM、さらに好ましくは1〜3500nM、特に、1〜500nMのEC50値を示す。
Figure 0004290648
式Iの化合物並びにそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルは、例えば、経腸投与、非経口投与又は局所投与のための薬学的調製物の形態で、医薬として使用可能である。これらは、例えば、経口で(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬ゼラチン及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳濁剤又は懸濁剤の形態で)、直腸に(例えば、坐剤の形態で)、非経口で(例えば、注射剤、又は輸液の形態で)、又は局所的に(例えば、軟膏剤、クリーム剤又はオイルの形態で)投与可能である。
薬学的調製物の調製は、上述の式Iの化合物並びにそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルを、適切な、無毒性の、不活性な、治療的に適合性の固体又は液体の担体物質とともに、所望な場合、一般的な薬学的佐剤とともに、ガレヌス製剤投与形態にすることによって、当業者によく知られた様式で行うことが可能である。
好適な担体物質は、無機担体物質のみならず、有機担体物質である。従って、例えば、ラクトース、コーンスターチ若しくはそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸若しくはその塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のための担体物質として使用可能である。軟ゼラチンカプセル剤のための好適な担体物質は、例えば、植物油、ワックス、脂肪及び半固体ポリオール及び液体ポリオールである(しかし、活性成分の性質によって、軟ゼラチンカプセル剤の場合には担体は必要とされない)。液剤及びシロップ剤を調製するための好適な担体物質は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖等である。注射剤のための好適な担体物質は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。坐剤のための好適な担体物質は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、脂肪及び半液体ポリオール又は液体ポリオールである。局所的調製物のための好適な担体物質は、グリセリド、半合成グリセリド及び合成グリセリド、水素添加油、液体ワックス、液体パラフィン、液体脂肪族アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
通常の安定化剤、保存剤、湿潤剤及び乳化剤、稠度向上剤、香味向上剤、浸透圧を変動させるための塩、バッファー物質、可溶化剤、着色剤及びマスキング剤、並びに酸化防止剤が、薬学的佐剤として考慮される。
式Iの化合物の用量は、制御される疾患、患者の年齢及び個々の状態、並びに投与の様式に依存して広い限定の範囲内で変動可能であり、もちろん、それぞれの特定の症例における個々の必要性に合わせられる。成人患者のために、1日の用量は、約1〜約1000mg、特に約1〜約100mgが考慮に入れられる。この用量に依存して、数投与単位で1日分の投与量を投与することが簡便である。
本薬学的調製物は、簡便には、式Iの化合物を約0.5〜500mg、好ましくは0.5〜100mg含有する。
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に示すために付される。しかし、以下の実施例は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定することを意図しない。
(実施例)
(実施例1〜17の出発物質の調製)
a){4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
THF100ml中の(4−ヒドロキシ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル5.00g、2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エタン−1−オール7.28g及びトリフェニルホスフィン9.40gの溶液に、0℃で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート7.25gのTHF50ml溶液を30分かけて添加し、攪拌を22℃で16時間続けた。THF10ml中のトリフェニルホスフィン1.88g及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート1.45gを0℃でさらに添加し、攪拌を22℃で2時間続け、その時間経過後には転化が完結していた。混合物を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(SiO2、n−ヘキサン/AcOEt4:1)によって精製し、表題化合物7.5gを無色固体として得た。MS:(M+H)+395.4。
b)2−[(tert−ブトキシカルボニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステル
DMSO110ml中の粉末状KOH3.41g懸濁液に、{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}カルバミン酸tert−ブチルエステル6.00gを22℃で添加し、懸濁液を25分攪拌した。2−ブロモメチル−安息香酸エチルエステル7.40gのDMSO10ml溶液を、温度を15〜20℃に維持しながらゆっくりと添加し、攪拌を22℃で2.5時間続けた。暗色混合物を、NH4Cl飽和水溶液500mlとAcOEt200mlとの間で分配し、有機層をNH4Cl飽和水溶液及び水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(SiO2、n−ヘキサン/AcOEt4:1)によって精製し、表題化合物7.96gを淡黄色油状物として得た。MS:(M+H)+557.3。
c)2−({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニルアミノ}−メチル)−安息香酸エチルエステル
2−[(tert−ブトキシカルボニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステル7.00gのジクロロメタン40ml溶液に、トリフルオロ酢酸9.6mlを添加し、攪拌を22℃で2.5時間続けた。混合物をNa2CO3飽和水溶液とジクロロメタンとの間で分配し、有機層を乾燥させ、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(SiO2、n−ヘキサン/AcOEt4:1)によって精製し、表題化合物3.14gを淡黄色油状物として得た。MS:(M+H)+457.5。
(実施例1〜7を調製するための一般的な記載)
上述のように調製した2−({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニルアミノ}−メチル)−安息香酸エチルエステル0.2mmol及びトリエチルアミン0.4mmolのTHF2ml溶液に、対応するアシルクロライド若しくはスルホクロライド0.22mmol又はヨウ化アルキル若しくは臭化ベンジル0.22〜2mmolを添加した後、転化が遅い場合には、触媒量のジメチルアミノピリジンを添加した。転化が完結するまで、反応混合物を22〜55℃で攪拌した。懸濁液をろ過し、ろ液を蒸発させ、分取HPLCクロマトグラフィー(RP−18、CH3CN/H2O勾配)によって残渣を精製して、生成物をエステルとして得た。
エステル(0.1mmol)を、THF1ml、MeOH0.5ml及び水0.5ml中でLiOH・H2O0.3mmolを用いて加水分解した後、分取HPLCクロマトグラフィー(RP−18、CH3CN/H2O勾配)を用いて精製した。
(実施例1)
2−[(アセチル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として66%収率で得た。MS:(M+H)+499.3。加水分解後、2−[(アセチル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を白色結晶として61%収率で得た。MS:(M−H)469.2。
(実施例2)
2−[(ベンゾイル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを無色ゴム状物として65%収率で得た。MS:(M+H)+561.4。加水分解後、2−[(ベンゾイル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を白色結晶として71%収率で得た。MS:(M−H)531.1。
(実施例3)
2−[(メタンスルホニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを黄色ゴム状物として57%収率で得た。MS:(M+H)+535.3。加水分解後、2−[(メタンスルホニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を白色結晶として75%収率で得た。MS:(M−H)505.2。
(実施例4)
2−[(ベンゼンスルホニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として89%収率で得た。MS:(M+H)+597.1。加水分解後、2−[(ベンゼンスルホニル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を白色結晶として66%収率で得た。MS:(M−H)567.1。
(実施例5)
2−[(メチル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを褐色ゴム状物として29%収率で得た。MS:(M+H)+471.1。加水分解後、2−[(メチル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として64%収率で得た。MS:(M+H)+443.4。
(実施例6)
2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを黄色ゴム状物として59%収率で得た。MS:(M+H)+499.3。加水分解後、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として83%収率で得た。MS:(M+H)+471.3。
(実施例7)
2−[(ベンジル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として55%収率で得た。MS:(M+H)+547.2。加水分解後、2−[(ベンジル−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として59%収率で得た。MS:(M+H)+519.3。
(実施例8〜17を調製するための一般的な記載)
P.Y.S.Lamら、Tetrahedron Letters 42, 3415, 2001によって記載される方法に従って、対応するボロン酸0.44mmol及びモレキュラーシーブ0.25gのジクロロメタン3ml中の懸濁液を、続けて、上に記載されるように調製される2−({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニルアミノ}−メチル)−安息香酸エチルエステル0.22mmol、酢酸銅(II)0.22mmol、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)0.24mmol及びNEt30.44mmolを用いて続けて処理し、フラスコを密閉することなく(酸素を必要とした)混合物を22℃で6時間攪拌した。混合物をシリカ小片上でろ過し、ろ液を分取HPLCクロマトグラフィー(RP−18、CH3CN/H2O勾配)によって精製して、生成物をエステルとして得た。このエステルを上述のように加水分解した。
(実施例8)
2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−o−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを褐色ゴム状物として22%収率で得た。MS:(M+H)+547.3。加水分解後、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−o−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として78%収率で得た。MS:(M+H)+519.3。
(実施例9)
2−[((3−フルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として22%収率で得た。MS:(M+H)+551.1。加水分解後、2−[((3−フルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として29%収率で得た。MS:(M+H)+523.2。
(実施例10)
2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−m−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として33%収率で得た。MS:(M+H)+547.2。加水分解後、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−m−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として43%収率で得た。MS:(M+H)+519.3。
(実施例11)
2−{[{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として19%収率で得た。MS:(M+H)+601.1。加水分解後、2−{[{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸を淡黄色ゴム状物として31%収率で得た。MS:(M+H)+573.1。
(実施例12)
2−[((4−フルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として17%収率で得た。MS:(M+H)+551.3。加水分解後、2−[((4−フルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として70%収率で得た。MS:(M+H)+523.2。
(実施例13)
2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−p−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として31%収率で得た。MS:(M+H)+547.2。加水分解後、2−[({4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ〕−フェニル}−p−トリル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として81%収率で得た。MS:(M+H)+519.2。
(実施例14)
2−[((4−メトキシ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として37%収率で得た。MS:(M+H)+563.4。加水分解後、2−[((4−メトキシ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として43%収率で得た。MS:(M+H)+535.3。
(実施例15)
2−[((3,4−ジメチル−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として31%収率で得た。MS:(M+H)+561.4。加水分解後、2−[((3,4−ジメチル−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として12%収率で得た。MS:(M+H)+533.3。
(実施例16)
2−[((3,4−ジフルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色ゴム状物として9%収率で得た。MS:(M+H)+569.2。加水分解後、2−[((3,4−ジフルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色ゴム状物として57%収率で得た。MS:(M+H)+541.2。
(実施例17)
2−[((4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを黄色ゴム状物として10%収率で得た。MS:(M+H)+565.4。加水分解後、2−[((4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸を白色固体として39%収率で得た。MS:(M+H)+537.5。
(実施例18〜26の出発物質の調製)
{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミン
4−ヒドロキシ−フェニルアニリン0.50g、2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エタン−1−オール0.83g及びトリフェニルホスフィン1.06gのTHF20ml溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート0.82gのTHF10ml溶液を0℃で30分かけて添加し、攪拌を22℃で5時間続けた。混合物を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(SiO2、n−ヘキサン/AcOEt6:1)によって精製して、表題化合物0.62gを無色固体として得た。MS:(M+H)+371.4。
(実施例18〜26を調製するための一般的な記載)
DMSO2.5ml中の粉末状KOH0.76mmol懸濁液に、アミン0.19mmolを22℃で添加し、懸濁液を5分間攪拌した。対応する臭化ベンジル0.38mmolのDMSO0.5ml溶液を、温度を15〜20℃に維持しながらゆっくりと添加し、転化が完結するまで攪拌を22℃で続けた。ギ酸を用いて反応混合物のpHを2〜3に調整し、生成物を分取HPLCクロマトグラフィー(RP−18、CH3CN/H2O勾配)によって精製して、生成物をエステルとして得た。
このエステルを実施例1〜7に記載されるように加水分解した。
(実施例18)
アミン及び2−ブロモメチル−3−フルオロ−安息香酸メチルエステルから出発して、3−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを淡黄色油状物として55%収率で得た。MS:(M+H)+537.3。加水分解後、3−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡褐色固体として90%収率で得た。MS:(M+H)+523.1。
(実施例19)
アミン及び2−ブロモメチル−3−クロロ−安息香酸メチルエステルから出発して、3−クロロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを淡黄色油状物として43%収率で得た。MS:(M+H)+553.1及び555.3(Cl同位体)。加水分解後、3−クロロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を無色固体として74%収率で得た。MS:(M−H)537.1及び539.3(Cl同位体)。
(実施例20)
アミン及び2−ブロモメチル−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルから出発して、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルを無色油状物として59%収率で得た。MS:(M+H)+587.2。加水分解後、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−3−トリフルオロメチル−安息香酸を無色固体として87%収率で得た。MS:(M−H)571.0。
(実施例21)
アミン及び2−ブロモメチル−3−メトキシ安息香酸メチルエステルから出発して、3−メトキシ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを無色油状物として36%収率で得た。MS:(M+H)+549.2。加水分解後、3−メトキシ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色固体として77%収率で得た。MS:(M−H)533.2。
(実施例22)
アミン及び2−ブロモメチル−4−クロロ−安息香酸メチルエステルから出発して、4−クロロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを淡黄色油状物として15%収率で得た。MS:(M+H)+553.2及び555.1(Cl同位体)。加水分解後、4−クロロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を黄色固体として72%収率で得た。MS:(M−H)537.1及び539.2(Cl同位体)。
(実施例23)
アミン及び2−ブロモメチル−4−メトキシ−安息香酸メチルエステルから出発して、4−メトキシ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを無色油状物として14%収率で得た。MS:(M−H)+549.2。加水分解後、4−メトキシ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡褐色固体として93%収率で得た。MS:(M−H)533.2。
(実施例24)
アミン及び2−ブロモメチル−5−フルオロ安息香酸メチルエステルから出発して、5−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを無色油状物として44%収率で得た。MS:(M+H)+537.3。加水分解後、5−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を淡黄色泡状物として96%収率で得た。MS:(M−H)521.1。
(実施例25)
アミン及び2−ブロモメチル−安息香酸エチルエステルから出発して、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを淡黄色油状物として48%収率で得た。(M+H)+533.4。加水分解後、2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を無色固体として29%収率で得た。(M−H)503.2。
(実施例26)
アミン及び2−ブロモメチル−6−メトキシ−安息香酸エチルエステルから出発して、2−メトキシ−6−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸エチルエステルを無色油状物として67%収率で得た。(M+H)+563.3。加水分解後、2−メトキシ−6−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸を無色油状物として29%収率で得た。(M+H)+535.3。
(実施例A)
以下の成分を含む錠剤は、従来の様式で製造することができる。
成分 錠剤あたり
式Iの化合物 10.0〜100.0mg
ラクトース 125.0mg
トウモロコシデンプン 75.0mg
タルク 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
(実施例B)
以下の成分を含むカプセル剤は、従来の様式で製造することができる。
成分 カプセルあたり
式Iの化合物 25.0mg
ラクトース 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
(実施例C)
注射剤は以下の組成を有することができる。
式Iの化合物 3.0mg
ゼラチン 150.0mg
フェノール 4.7mg
注射溶液のための水 全量を1.0mlにする量

Claims (24)


  1. Figure 0004290648
    〔式中、
    1はアリールであり;
    2は、水素、 −C アルキル又は −C シクロアルキルであり;
    3は、水素、 −C アルキル、場合によりヒドロキシ、C −C アルコキシ又はハロゲンで置換されたベンジル、アリール、 −C アルキルカルボニル、アリールカルボニル、 −C アルキル−S(O)2−又はアリール−S(O)2−であり;
    4カルボキシで置換され、場合によりさらにフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル又はC −C アルコキシで置換されたベンジルであり;
    5、R6、R7及びR8は独立して、水素、 −C アルキル又は −C シクロアルキルから選択され;
    nは1、2、3、4又は5であり、
    ここで、R 1 及びR のアリール又はR のアリールカルボニル若しくはアリール−S(O) 2 −のアリール部分は、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、C −C アルキル、C −C アルコキシ、C −C アルキルカルボニル、シアノ、カルバモイル、C −C アルコキシカルバモイル、メチレンジオキシ、カルボキシ、C −C アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C −C アルキルアミノカルボニル、ジC −C アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ及びニトロからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基を場合により有するフェニル又はナフチルである
    の化合物、並びにそれらの薬学的に許容されうる塩及びメトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル又はピバロイルオキシメチルエステルから選択されるエステル。
  2. 1がフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 2 −C アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 2がメチルである、請求項3に記載の化合物。
  5. 3 −C アルキル又はフェニルであり、ここで、フェニルが場合によりハロゲンで一置換又は二置換されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 3がプロピル、フェニル、フルオロフェニル又はジフルオロフェニルである、請求項5に記載の化合物。
  7. 5、R6、R7及びR8が水素である、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
  8. nが2である、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 以下から選択される請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物:
    2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸;
    2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピル−アミノ)−メチル]−安息香酸;
    2−[((3−フルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸;
    2−[((3,4−ジフルオロ−フェニル)−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アミノ)−メチル]−安息香酸;
    3−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸;及び
    5−フルオロ−2−[({4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−アミノ)−メチル]−安息香酸。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の反応:
    a)請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を得る目的で、式(5)
    Figure 0004290648
    の化合物をR3−Halの存在下で反応させた後、水酸化物の存在下で反応させること(Halは塩素、臭素又はヨウ素を意味し、R1〜R8及びnは請求項1に定義されるとおりである)を含む方法
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の反応:
    b)請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を得る目的で、請求項10に記載の式(5)の化合物を(HO)2B−アリールの存在下で反応させた後、水酸化物の存在下で反応させること(アリール、R1、R2、R4〜R8及びnは請求項1に定義されるとおりである)を含む方法
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の反応:
    c)請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を得る目的で、式(7)
    Figure 0004290648
    の化合物をR4−Halの存在下で反応させた後、水酸化物の存在下で反応させること(Halは塩素、臭素又はヨウ素を意味し、R1〜R8及びnは請求項1に定義されるとおりである)
    含む方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物と治療的に不活性な担体とを含む、医薬組成物。
  14. 治療的に有効量のリパーゼインヒビターをさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. リパーゼインヒビターがオルリスタットである、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患の治療及び/又は予防用の医薬を調製するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  17. 請求項10〜12に記載の方法に従って製造される、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
  18. PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患の治療及び/又は予防用の、請求項13〜15のいずれか1項に記載される医薬組成物。
  19. リパーゼインヒビターによる処置も受けている患者において、PPARαアゴニスト及び/又はPPARγアゴニストによって調整される疾患の治療及び/又は予防用の医薬の製造における、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  20. 前記リパーゼインヒビターがオルリスタットである、請求項19に記載の使用。
  21. 前記疾患が、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群である、請求項16、19及び20のいずれか1項に記載の使用。
  22. 前記疾患がインスリン非依存性糖尿病である、請求項21に記載の使用。
  23. 前記疾患が、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血圧、増加した脂質レベル及びコレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症又は代謝症候群である、請求項18に記載の医薬組成物
  24. 前記疾患がインスリン非依存性糖尿病である、請求項23に記載の医薬組成物
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