以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる携帯型HDDビデオ再生装置の外観を示す斜視図、図2は同じくこの携帯型HDDビデオ再生装置100を正面から示した平面図、図3は同じくその断面図、図4は同じくこの携帯型HDDビデオ再生装置を上から見た平面図である。
この携帯型HDDビデオ再生装置100は、片手で持てる程度のサイズの筐体1を有する。筐体1の正面側には、LCDの画面部2と、キー操作部3と、操作ボタン4と、各種状態を表示するためのLED(Light Emitting Diode)表示部5とが設けられている。
キー操作部3は、図2に示すように、互いに同芯で配置され、各々個別に操作可能な3つのキー31,32,33で構成されている。中心にあるキーは選択/実行を指定するためのENTERキー31である。このENTERキー31の外側のキーはメニュー選択時において使用されるメニュー選択関連キー32である。さらにその外側のキーは再生時に使用される再生関連キー33である。
メニュー選択関連キー32および再生関連キー33はそれぞれ、ENTERキー31を中心とする上下左右の各々の位置が押下されることによって、対応するキーコマンドが発生するようになっている。メニュー選択関連キー32が発生するキーコマンドは、後述する各種メニュー画面の中での項目を選択するためのフォーカスの位置の上下左右へのシフトなどである。再生関連キー33が発生するキーコマンドは、再生の早送り、巻き戻し、オーディオボリュームの増減などである。
操作ボタン4には、各種設定用の画面を呼び出すためのSETUPボタン41、ビデオ・ストリームの再生経過(残り)時間などを表示するためのDISPLAYボタン42、再生開始と一時停止を指示するための再生ボタン43、再生停止を指示するための停止ボタン44などがある。
LED表示部5には、パワーオン状態を表示するパワーオン表示部51、バッテリ充電中を表示する充電表示部52、ストリーム転送中などのビジィ状態を表示するビジィ表示部53などがある。
筐体1の一方の側面部には、上から順にDC電源接続のためのDCINジャック6、USB(Universal Serial Bus)接続のためのUSBコネクタ7、AV出力用のAVOUTジャック8が設けられている。また、ストラップ取り付け部9も設けられている。筐体1の他方の側面部には主電源のON/OFF操作のためのPWRキー(図示省略)が設けられている。筐体1の上面部には、図4に示すように、ヘッドフォン用ジャック10と、スリット状の多数の排気穴11が並べて設けられている。筐体1の下部には、スリット状の多数の吸気穴12が並べて設けられている。
図5は、図3の断面図における筐体1のみを示した図である。同図に示すように、筐体1は正面側の筐体部品1A,中間の筐体部品1B,背面側の筐体部品1Cで構成されている。正面側の筐体部品1Aと背面側の筐体部品1Cはそれぞれ携帯型HDDビデオ再生装置100の外形の主に正面と背面を形成する筐体部品である。中間の筐体部品1Bは携帯型HDDビデオ再生装置100の外形の上部側面と左右側面となる部分を有しており、この筐体1の上部側面となる部分には、図4に示したように上記の排気穴11が設けられている。正面側の筐体部品1Aと背面側の筐体部品1Cは中間の筐体部品1Bを挟んで互いに接合されている。筐体1の下部には半円断面形状部15が形成されており、この半円断面形状部15では正面側の筐体部品1Aと背面側の筐体部品1Cは互いに直接突合せで接合されている。また、この半円断面形状部15の正面側の筐体部品1Aの側に上記の吸気穴12が設けられている。中間の筐体部品1Bの下部は筐体1の下部の半円断面形状部15に倣って断面U字状に曲折されている。この部分を中間の筐体部品1Bの曲折部14と呼ぶ。
また、筐体1の正面側には、LCDの画面部2および操作ボタン4を覆うことのできる透明なアクリルカバー35の着脱が可能となっており、このアクリルカバー35によってLCDの画面部2の傷や埃の付着などからの保護を図っている。このアクリルカバー35には、キー操作部3の部分を露出する開口36が設けられており、アクリルカバー35を装着した状態でのキー操作部3の操作が可能となっている。
次に、この携帯型HDDビデオ再生装置100の内部の構造について説明する。
図3に示すように、筐体1内の部品は、携帯型HDDビデオ再生装置100の高さ方向において上寄りの位置に収容された部品群と下寄りの位置に収容された部品群とに配置上分けられている。上寄りの位置に収容された部品群としてはバックライト付のLCD21、メイン基板22、HDD基板23、HDD24、冷却ファン25などがあり、下寄りの位置に収容された部品群としては複合インバータ基板26、バッテリパック27などがある。上寄りの位置に収容された、LCD21、メイン基板22、HDD24は、携帯型HDDビデオ再生装置100内の主な発熱源であり、その発熱量を比較すると、LCD21>メイン基板22>HDD24の順となることが一般である。また、HDD基板23には落下などによる衝撃を受けることを予測検出する加速度センサ111が設けられている。
この携帯型HDDビデオ再生装置100では、これら主な発熱源である部品を、正面側から背面側に向けて、発熱量の高いものから順に配置している。このような配置の選定によって、背面側の筐体部品1Cの加熱を他の並び順に比べて最も低く抑えることができる。この携帯型HDDビデオ再生装置100はユーザが手に持ってビデオ鑑賞を楽しめるように設計されたものであり、鑑賞時にはユーザの手が背面側の筐体部品1Cに最も広い面で接触することとなるので、背面側の筐体部品1Cの温度上昇を最小限に抑えられることで、熱による不快感をユーザに与える度合を軽減できる。
また、筐体1内の熱は、筐体1内の最上部に配置された冷却ファン25がうみだす、筐体1の下部に設けられた吸気穴12から、図4に示す筐体1の上部の排気穴11を通じての気流によって外部に放出されるようになっている。これにより、筐体1内の発熱源は効率的に空冷されるので、ユーザへの熱問題はより一層軽減されることになる。
中間の筐体部品1BのU字状の曲折部14の内側には、これに包囲されるようにして電源用のバッテリパック27が配置されている。また、この曲折部14の先端側にある平坦な面の正面側(画面側)には複合インバータ基板26が支持されている。すなわち、バッテリパック27と複合インバータ基板26とは中間の筐体部品1Bの曲折部14によって隔てられている。ここで、複合インバータ基板26とは、操作ボタン4やキー操作部3の動作に関連する部品や、LCD21のバックライトを駆動するためのインバータなどが実装された基板である。このように、バッテリパック27と複合インバータ基板26とが中間の筐体部品1Bの曲折部14によって隔てられていることで、バッテリパック27からの液漏れによる複合インバータ基板26への影響を回避できるとともに、キー操作部3が操作された際の圧力がバッテリパック27に直接加わることを回避してバッテリパック27の保護を図ることができる。
なお、バッテリパック27は大きな熱源とはならないので、ユーザの手が最も密に触れる機会の多い下部背面寄りに配置しても問題ない。また、バッテリパック27は筐体1内の部品の中で最も比重が高く重量が大きいので、筐体1の最下部に配置することによって、鑑賞中にユーザが携帯型HDDビデオ再生装置100を手で保持しているときの安定感が良好になる。
なお、この実施形態の携帯型HDDビデオ再生装置100では、図3に示したように、筐体1の下部に吸気穴12を設けたが、図12に示すように、筐体1の背面側のバッテリパック27のすぐ上の位置に吸気穴12を設けてもよい。
図13は、この携帯型HDDビデオ再生装置100の内部構造を層ごとに示した平面図である。LCD21のバックライトは接続配線131を通じて複合インバータ基板26の画面側面に固定されたコネクタ132と接続され、この接続配線131を通じて複合インバータ基板26からLCD21のバックライトにその点灯と制御に必要な信号が供給される。また、LCD21は接続配線133を通じてメイン基板22の画面逆側面に固定されたコネクタ134と接続され、この接続配線133を通じてメイン基板22からLCD21に必要な信号が供給される。メイン基板22と複合インバータ基板26とは各々の画面側面に固定されたコネクタ135,136とコネクタ135,136間に接続された接続配線137を通じて電気的に接続され、相互に必要な信号の通信を行う。さらに、メイン基板22の画面側面には2つの冷却ファン25,25に駆動信号を供給するための接続配線138,139の一端がそれぞれ接続された2つのコネクタ140,141が設けられている。メイン基板22とHDD基板23とは、メイン基板22の画面逆側面に設けられたコネクタ142とHDD基板23の画面側面に設けられたコネクタ143との間を接続する接続配線144によって相互に通信が行えるようになっている。メイン基板22には、DC(直流)INジャック6、USBコネクタ7、AV出力用のAVOUTジャック8、ヘッドフォン用ジャック10が設けられている。HDD基板23にはシステムをリセットするためのスイッチ145が設けられている。バッテリパック27から引き出された接続配線146はメイン基板22の画面側面に設けられたコネクタ147に接続されている。HDD24はHDD基板23の画面逆側面に設けられたコネクタ148を通じてHDD基板23と電気的に接続されている。
次に、この携帯型HDDビデオ再生装置100の電気的な構成について図6を用いて説明する。同図は主にメイン基板22に実装された回路の構成を示すものである。
同図において、システムコントローラ61には、操作用の各種キー3,4の操作、PWRキー62の操作、AC(交流)電源の接続(AC検出)63、リセットIC64の出力、バッテリ65の電圧、温度センサ66、加速度センサ111の監視を行い、監視結果に応じた処理を実行する。リセットIC64はリセットSW67が操作されたときにリセット操作信号を発生するICである。
システムコントローラ61はPWRキー62が押されたことを検知すると、システムの起動処理を行い、各デバイスを動作可能な状態に初期設定する。また、パワーオン表示部51を点灯するように制御を行う。システム稼動中にPWRキー62が押されたことを検知した場合にはシステムの終了処理を行う。
システムコントローラ61はリセットIC64よりリセット操作信号を受信すると、システムをリセット処理すなわち終了処理に続いて起動処理を行う。
システムコントローラ61はAC電源の接続(AC検出)63を検知すると電源回路68の制御を行い、バッテリ65の充電制御を行う。電源回路68はその近傍に配置された温度センサ69の出力に基づき、たとえば設定温度以上の高温が検出された場合に自動的にオフするようになっている。
システムコントローラ61はバッテリ電圧の監視結果に基づいてバッテリ65の残量を計算して画面上のバッテリ残量表示を制御する。
システムコントローラ61は温度センサ66の出力に基づいて冷却ファン25の回転数を制御する。すなわち、温度に対して比例的に冷却能力を高めるように制御する。
また、システムコントローラ61は、キー操作部3および操作ボタン4のキー操作を監視して、操作されたキーの種類に応じたイベント処理を行う。
システムコントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)71、RAM(Random Access Memory)72、ROM(Read Only Memory)73、A/D変換回路74、シリアルPWM(Pulse Width Modulation)制御回路75、レジスタ112などで構成され、これらはバス76を通じて接続されている。CPU71はROM73に記憶されているファームウェアによりRAM72を作業領域に用いて各種の演算処理と制御を実行する。レジスタ112には、加速度センサ111の出力の最大値、このセンサ出力最大値の評価用の閾値、再転送フラグ、および落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタの情報などが保持されるようになっている。
A/D変換回路74は、上記した操作用の各種キー3,4の操作、PWRキー62の操作、AC電源の接続(AC検出)63、リセットIC64の出力、バッテリ65の電圧、温度センサ66などの監視結果であるアナログ値をデジタル値に変換する部分である。シリアルPWM制御回路75はヘッドフォン81のミュート制御、LCD21のバックライト82の輝度を制御するPWM信号をインバータ83に供給する。
USB端子85が接続されたUSBブリッジ86、HDD24、DMA(Direct Memory Access)転送回路87はIDE(Integrated Drive Electronics)バス88を通じて相互に接続されており、USB端子85に接続されたPCから転送されたビデオ・ストリームなどのデータはUSBブリッジ86からIDEバス88を通じてHDD24に記録されるようになっている。
DMA転送回路87は、HDD24から読み出されたデータをMPEG2デコーダ89に転送する回路である。DMA転送回路87は4つのセレクタ90,91,92,93とDMAコントローラ94とを有している。第1のセレクタ90は、IDEバス88のデータを選択するためのセレクタであり、システムコントローラ61がHDD24をアクセスするためのATA(AT Attachment)コマンドに基づいてDMA転送回路87をIDEバス88と接続状態にする。第1のセレクタ90は、バッファメモリ95に接続された第2のセレクタ91と第1のDMA伝送路96で接続されている。したがって、第1のセレクタ90によりIDEバス88から抽出されたデータは第1のDMA伝送路96、第2のセレクタ91を通じてバッファメモリ95に転送される。
このHDD24からバッファメモリ95へのデータ転送において、システムコントローラ61は第1のセレクタ90に出力するATAコマンドの発行タイミングを制御して、HDD24からのデータの読み出しが間欠的に行われるようにしている。具体的には、たとえば所定の再生時間分のビデオ・ストリームの単位でHDD24からデータを読み出してバッファメモリ95に転送し、バッファメモリ95のデータが空になったところで、HDD24から次の再生時間分のビデオ・ストリームを読み出すように、システムコントローラ61から第1のセレクタ90に対してATAコマンドが発行される。これにより、HDD24に対するアクセスは間欠的に行われることになり、HDD24の発熱量の低減および消費電力の低減を図ることができる。
バッファメモリ95に蓄積されたビデオなどのデータは、バッファメモリ95に所定の再生時間分のビデオ・ストリームが蓄積されたところで第2のセレクタ91によって読み出され、第2のセレクタ91とMPEG2デコーダ89とを接続する第2のDMA伝送路97を通じてMPEG2デコーダ89に転送される。MPEG2デコーダ89は、MPEG2で符号化されたビデオ・ストリームをハードウェアで復号する回路である。SDRAM98はこのMPEG2デコーダ89の作業領域として用いられるランダムアクセス可能なメモリである。
MPEG2デコーダ89の出力のうちビデオデータはLCDコントローラ99に送られ、このLCDコントローラ99によってLCD21の駆動が制御されることによってビデオの再生が行われる。一方、MPEG2デコーダ89より出力されたオーディオデータはD/Aコンバータ101によってアナログ信号に変換された後、ヘッドフォン端子10に接続されたヘッドフォンに送られる。また、AVOUT端子102には外部のテレビジョンなどが接続できるようになっており、AVOUT端子102に外部のテレビジョンが接続されているときには、D/Aコンバータ101のアナログ信号はリニアアンプ103にて必要なレベルに増幅されるようになっている。
DMA転送回路87の第3のセレクタ92は、システムコントローラ61およびフラッシュROM104が接続されているバス105との間で通信を行うものである。第3のセレクタ92はシステムコントローラ61から発生したATAコマンドをバス105から抽出して制御線106を通じて第1のセレクタ90に通知する。
HDD24には、読み出し専用のデータとして、タイトルリスト、メニュー、設定画面などの構成要素であるビットマップや文字コードなどのデータが格納されている。システムコントローラ61は、このビットマップおよび文字コードをHDD24から読み出す場合には、第3のセレクタ92を通じてDMAコントローラ94にその旨を通知する。DMAコントローラ94は、この通知を受けると、第3のセレクタ92と第2のセレクタ91とのDMA伝送路96を有効にするとともに、第4のセレクタ93を制御して、第2のセレクタ91とMPEG2デコーダ89とを接続する第3のDMA伝送路107を有効にする。
HDD24から読み出されてバッファメモリ95にビットマップとともに保持された文字コードは、第2のセレクタ91、第3のセレクタ92、バス105を通じてシステムコントローラ61に送られる。システムコントローラ61は、この文字コードに対応するビットマップデータをフラッシュROM104から読み出して第3のセレクタ92に返す。DMAコントローラ94はシステムコントローラ61より応答された文字コードに対応するビットマップデータを第3のセレクタ92から第4のセレクタ93に送り、バッファメモリ95から第2のセレクタ91を通じて読み出されたビットマップと合成してMPEG2デコーダ89に出力するように制御を行う。
なお、第3のDMA伝送路107はビットマップ伝送用に第2のDMA伝送路97よりも広いバス幅を有している。たとえば、第2のDMA伝送路97は8本のデータ線と4本の制御線とで構成されるのに対し、第3のDMA伝送路107は16本のデータ線、24本のアドレス線、3本の制御線で構成されている。これにより、ビデオ・ストリームの再生時とビットマップの再生時との間でユーザの体感速度に大きな差が生じないようにしている。
HDD24からのデータ転送は、1回の転送として所定数のセクタから成るセクタ群毎に読み出しを管理して転送を行っている。
また、DMA転送回路87には、HDD24とバッファメモリ95との間で転送データ量をセクタの単位でカウントしてシステムコントローラ61に通知する転送データ量計測部113が設けられている。
システムコントローラ61は、レジスタ112の保持情報を読み込み、センサ出力最大値が閾値より大きいことを判断すると、その時点で転送データ量計測部113から得られたセクタ数のカウント値から、落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタを判断し、そのセクタの情報をレジスタ112に書き込むとともに、レジスタ112に再転送フラグを書き込む。
一方、HDD24は、1乃至複数毎のプラッターを支持して回転駆動するディスク支持回転機構と、個々のプラッターの面に磁気的に信号の読み書きを行う1乃至複数の磁気ヘッドと、この磁気ヘッドをプラッターの半径方向に移動させるヘッド移動機構などで構成されている。ディスク記録面への信号の読み書きは、セクタと呼ばれる所定のブロック長の単位で行われる。また、HDD24には、落下等による衝撃を受ける可能性あるいは衝撃そのものを独自の加速度センサにより検出し、閾値を超える加速度が検出されたときに、データ転送中ならばこれを中断し、磁気ヘッドをディスク面との衝突を回避可能な位置に移動させる保護機構が設けられている。これにより、データ転送が失敗に終わったことを示すエラーフラグが内部のレジスタ114にセットされるようになっている。システムコントローラ61は、このHDD24内部のレジスタ114の内容を読み込み、データ転送に成功したか失敗したかを認識することができる。
なお、磁気ヘッドを安全な場所に退避させる方式としては、たとえば、ディスク面上のCSSゾーン(Contact Start Stop zone)と呼ばれる領域に 磁気ヘッドを退避させるCSS方式、ディスクの最外周の記録領域外に配置されたランプと呼ばれる傾斜部分に磁気ヘッドを退避させるロード/アンロード方式などがある。
次に、この携帯型HDDビデオ再生装置100を利用するためにPC(Personal Computer)に適用される転送アプリケーションについて説明する。
図7はこの転送アプリケーションによってPCに表示される録画コンテンツの表示ウインドウ201を示している。この録画コンテンツの表示ウインドウ201には、PCに録画された、あるいは録画予約された各ビデオ・ストリームの、名前、作成日時、録画済みかどうかの状態などの一覧が、録画順/録画予約順にたとえば上から下に表示されている。
携帯型HDDビデオ再生装置100に所望のビデオ・ストリームを転送したい場合には、転送用のウインドウ202を呼び出し、録画コンテンツの表示ウインドウ201の中の所望のビデオ・ストリームをマウスのドラッグアンドドロップなどの操作によって、転送用のウインドウ202内の転送ビデオ・ストリームの一覧表示ボックス203に落し込む。これにより、転送ビデオ・ストリームの一覧表示ボックス203にビデオ・ストリームに関する情報が表示される。この後、転送用のウインドウ202内の転送ボタン204をマウスでクリックすることによって、PCに携帯型HDDビデオ再生装置100が接続されていればPCから携帯型HDDビデオ再生装置100へのビデオ・ストリームの転送が直ちに開始される。転送ボタン204をマウスでクリックした時点でPCに携帯型HDDビデオ再生装置100が接続されていない場合は、携帯型HDDビデオ再生装置100が接続されると直ちにビデオ・ストリームの転送が開始されるようになっている。
ここで、PCに蓄積されるビデオ・ストリームにはAVI(Audio Video Interleaved)、WMV(Windows(登録商標) Media Video)など、様々なフォーマットが知られている。携帯型HDDビデオ再生装置100はMPEG2フォーマットのビデオ・ストリームをデコードして再生する仕様となっているので、転送アプリケーションは、PCから携帯型HDDビデオ再生装置100へのビデオ・ストリームの転送前に、ビデオ・ストリームのフォーマットをMPEG2に自動変換し、MPEG2に変換されたビデオ・ストリームをPCから携帯型HDDビデオ再生装置100に自動転送する。
以上は、ユーザが手動で所望のビデオ・ストリームを転送する場合の動作であるが、このビデオコンテンツは容量が数G(ギガ)のものもあり、データ転送にはかなりの時間が見込まれる。そこで、この転送アプリケーションには転送予約機能が設けられている。この転送予約機能を用いる場合には、転送用のウインドウ202内の自動転送ボタン205をマウスでクリックする。すると、自動転送を開始する時刻を指定するためのウインドウが表示されるので、ここにユーザが希望する転送開始時刻を入力して決定すればよい。転送アプリケーションは、ユーザにより指定された転送開始時刻を記憶し、時計の時刻と比較して、指定された時刻になったなら、転送用のウインドウ202の転送ビデオ・ストリームの一覧表示ボックス203に表示されているビデオ・ストリームを一つずつPCから携帯型HDDビデオ再生装置100へフォーマット変換を通じて転送する。
なお、転送用のウインドウ202の転送ビデオ・ストリームの一覧表示ボックス203に表示されているビデオ・ストリームは上から順に転送されるようになっている。このビデオ・ストリームの表示順位は順位変更ボタン206、207をマウスでクリックすることによって自在に変更することができる。すなわち、順位を変更したいビデオ・ストリームをマウスで選択後、順位変更ボタン207を一回クリックすることで、選択ビデオ・ストリームの順位が一つ上に移動し、逆に順位変更ボタン206を一回クリックすることで、選択ビデオ・ストリームの順位が一つ下に移動するようになっている。さらに、削除したい選択ビデオ・ストリームをマウスで選択後、削除ボタン208をクリックすることで、転送ビデオ・ストリームの一覧表示ボックス203から選択ビデオ・ストリームが削除されて転送対象から外すことも可能である。
次に、この携帯型HDDビデオ再生装置100の操作と操作画面について説明する。図14はパワーオンからビデオ再生が開始までの処理手順である。
この携帯型HDDビデオ再生装置100のPWRキーがユーザによって押されるると、このことがシステムコントローラ61によって検出され、システムコントローラ61はROM73に格納されたファームウェアに従って各デバイスの初期化を行う(ステップ1401)。この後、内蔵タイマーが起動される(ステップ1402)。続いて、USBで接続されているPCから携帯型HDDビデオ再生装置100にビデオ・ストリームの転送が開始され、転送が完了すると、携帯型HDDビデオ再生装置100はPCから転送完了通知を外部割り込みとして受ける(ステップ1403)。携帯型HDDビデオ再生装置100は、外部割り込みを受けると、画面に表示するメニューを作成して表示するメニュー処理を開始する(ステップ1404)。
最初に、図8に示すようなアクションメニュー301が作成されて表示される。このアクションメニュー301には、最後に再生されたビデオ・ストリームのタイトル名、作成日時、録画時間などのビデオ・ストリームに関する情報302と、選択可能なアクションの種類を示す項目303〜307が表示されるようになっている。アクションの種類には「タイトル一覧表示に戻る」「続きから再生」「最初から再生」「削除」「ツメを折る」などがある。これらの項目303〜307のうちの一つにフォーカス308が位置しており、ユーザはキー操作部3のメニュー選択関連キー32を操作することによって自在にフォーカス308の位置を上下にシフトさせることができる。フォーカス308の初期位置は常に「続きから再生」の項目にあり、前回再生を中断した時刻からのビデオ・ストリームの鑑賞をフォーカス308のシフト操作無しで即座に開始できるようにしている。すなわち、ユーザはシステムの起動直後にアクションメニュー301が表示された後、そのままキー操作部3のENTERキー31を押すことによって前回再生を中断した時刻からのビデオ・ストリームを鑑賞することができる。
「タイトル一覧表示に戻る」の項目にフォーカスをシフトさせてキー操作部3のENTERキー31が押された場合には、図9に示すようなタイトル一覧401がアクションメニュー301に代わって表示される。このタイトル一覧401には携帯型HDDビデオ再生装置100のHDD24に記録されているすべてのビデオ・ストリームのタイトルの項目402〜408が表示される。これらのタイトルの項目402〜408のうちの一つにフォーカス409が位置しており、ユーザはキー操作部3のメニュー選択関連キー32を操作することによって自在にフォーカス409の位置を上下にシフトさせることができる。フォーカス409の初期位置は常に最後に再生したタイトルの項目にあり、最後に鑑賞したタイトルをユーザが認識できるようにしている。このタイトル一覧401の中からユーザは鑑賞したいタイトルの項目にメニュー選択関連キー32の操作によってフォーカスを移動させ、ENTERキー31を押すことによって別のタイトルを鑑賞することができる。
さて、図14のフローチャートに戻り、上記のようにして鑑賞したいタイトルがユーザによって選択されると(ステップ1405)、そのタイトルビデオ・ストリームのHDD24からの読み込みが開始される(ステップ1406)。そしてHDD24から読み込まれたビデオ・ストリームの再生処理が行われる(ステップ1407)。すなわち、HDD24から読み出されたビデオ・ストリームはバッファメモリ95にDMA転送されてバッファリングされた後、MPEG2デコーダ89にDMA転送されて復号される。LCDコントローラ99はMPEG2デコーダ89から出力されたビデオデータに基づきLCD21を駆動し、これによってビデオがLCD21の画面に表示される。一方、MPEG2デコーダ89によって復号されたオーディオデータはD/Aコンバータ101によってアナログ信号に変換された後、ヘッドフォン端子10に接続されたヘッドフォンに送られる(ステップ1407)。
アクションメニュー301で「最初から再生」の項目305がユーザにより選択された場合には、最後に再生したタイトルのビデオ・ストリームが最初から再生される。
アクションメニュー301で「削除」の項目306がユーザにより選択された場合には、最後に再生したタイトルのビデオ・ストリームがHDD24が削除される。すなわち、鑑賞し終わったタイトルのビデオ・ストリームなどを、少ない操作でHDD24から削除することができる。
アクションメニュー301で「ツメを折る」の項目307がユーザにより選択された場合には、HDD24に記録されている該当するビデオ・ストリームに対して削除禁止の保護がかけられることになる。
次に、環境設定用の画面について説明する。図10はこの環境設定用の画面501を示している。この環境設定用の画面501は、たとえばSETUPボタン41を押すことによって呼び出すことができる。環境設定用の画面501には、表示に関する各種の設定、オーディオに関する各種の設定、その他を行うことができる。この環境設定用の画面501には、表示設定用のアイコン502、オーディオ設定用のアンコン503、その他のアイコン504などが表示されており、各アイコン502〜504のうちの一つをメニュー選択関連キー32の操作によるフォーカスの移動とENTERキー31によって指定することができるようになっている。表示の設定に関しては、バックライトの輝度調整505、色合い506、色の濃さ507、ピクチャ508、コントラスト509、アラーム510などがある。各々の設定項目の選択も、メニュー選択関連キー32の操作によるフォーカスの移動とENTERキー31によって行うことが可能である。
ここで、アラーム510とは、ユーザによって任意の設定された残り時間をタイマーにセットし、図11に示すように、ビデオ・ストリームの再生中などに、残り時間511を常に画面の一部に表示し、残り時間がゼロになったところで、たとえばアラームオーディオなどをビデオ再生時のオーディオに合成して出力する機能である。テレビ放送などには放送中の時刻の文字が挿入されている場合があるので、携帯型HDDビデオ再生装置100での鑑賞時にユーザが現在時刻を間違え、電車などでの乗り過ごしが起き易くなることが考えられる。上記のアラーム機能を利用することによって、ユーザはビデオコンテンツの鑑賞に没頭する中で、設定時間の経過をアラームで知ることとなり、電車などでの乗り過ごしの防止を図れる。
図11は、ビデオ・ストリームの再生経過(残り)時間601を表示する画面602の例を示している。このビデオ・ストリームの再生経過(残り)時間601は、たとえばDISPLAYボタン42を押すことによって、再生中のビデオ・ストリームの上に、数値604とイメージ603とで表示されるようになっている。
また、ビデオ・ストリームの再生中は、再生関連キー33の操作によって再生の早送り、巻き戻し、オーディオボリュームの増減などを行うことができる。再生関連キー33は、図2に示したように、右側の位置を押すことによって早送り再生が実行され、左側の位置を押すことによって巻き戻し再生が行われる。再生関連キー33の向かって右側の位置を一度押した場合には、決められた一定時間分(たとえば15秒)の早送り再生が実行され、一定時間以上押し続けることによって、押されている間の連続早送り再生が実行されるようになっている。さらに、連続早送り再生が開始されてからさらに一定時間続けて押された場合には、早送り速度がアップするようになっている。具体的には、最初の連続早送り再生の速度は15倍速とされ、次に60倍速への切り替えが行われるようになっている。
また、再生関連キー33の向かって左側の位置を一度押した場合には、決められた一定時間分(たとえば15秒)の巻き戻し再生が実行され、一定時間以上押し続けることによって、押されている間の連続巻き戻し再生が実行されるようになっている。さらに、連続巻き戻し再生が開始されてからさらに一定時間続けて押された場合には、巻き戻し速度がアップするようになっている。具体的には、最初の連続巻き戻し再生の速度は15倍速とされ、次に60倍速への切り替えが行われるようになっている。
次に、この携帯型HDDビデオ再生装置100において、HDD24とバッファメモリ95との間でのデータ転送を、加速度センサ111によって検出された加速度と、転送データ量計測部113によって計測された転送セクタ数とに基づき制御する方法について説明する。
ところで、動画ストリームなどの大量のデータを連続して読み出すとき、例えば、1つのMPEG2フォーマットのビデオ・ストリームをデコードして再生するとき、HDD24から所定数のセクタから成るセクタ群毎に読み出してバッファメモリ95にデータが転送される。
図16は、この1つのセクタ群のデータ転送の制御の流れを示すフローチャートである。
システムコントローラ61は、HDD24とバッファメモリ95との間でのデータ転送を開始するのに先立ち、まず、レジスタ112内のセンサ出力最大値をリセットする(ステップ1601)。続いて、レジスタ112内の再転送フラグを読み込み(ステップ1602)、再転送フラグが立っていなければ、次の転送対象となるセクタ群の先頭セクタを開始セクタとして設定し(ステップ1603)、セクタ群の内のセクタの転送を開始するようにDMA転送回路87を制御する(ステップ1606)。また、再転送フラグが立っている場合、システムコントローラ61は、レジスタ112に保持されているセクタ(そのセクタには前回の転送対象であるデータが記憶されている)を開始セクタとして設定し(ステップ1604)、再転送フラグをリセットした後(ステップ1605)、セクタ群の内のセクタの転送を開始するようにDMA転送回路87を制御する(ステップ1606)。なお、レジスタ112にセクタの情報を保持する動作は後で説明する。
1つのセクタのデータ転送中は、DMA転送回路87内の転送データ量計測部113にて、HDD24とバッファメモリ95との間の転送データ量がセクタの単位でカウントされ、その結果がシステムコントローラ61に通知される。また、システムコントローラ61は、加速度センサ111の出力を一定の周期で取り込み(ステップ1607)、そのセンサ出力最大値をレジスタ112内に保持する(ステップ1608,1609)。
ステップ1610において、セクタ群の内の1つのセクタの転送が終了したことを検出する。ステップ1611においてシステムコントローラ61は、レジスタ112内のセンサ出力最大値が閾値より大であるか否かを判定する。この判定の結果、センサ出力最大値が閾値以下であれば、ステップ1614にて1つのセクタ群に含まれる全てのセクタの転送が完了しているか否かを判断する。全てのセクタの転送が完了していなければ、ステップ1606に戻り次のセクタの転送を開始する。センサ出力最大値が閾値より大であるなら、システムコントローラ61は、ステップ1612においてレジスタ112内の再転送フラグを調べる。更に転送エラーフラグがセットされていなければ、ステップ1613においてこれをセットするとともに、転送データ量計測部113から通知されたセクタ数のカウント値から、落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタを判断し、そのセクタの情報をレジスタ112に書き込む。
以上の動作を1つのセクタ群の転送においてすべてのセクタの転送ごとに繰り返すことで、最終的に、1つのセクタ群からなる一回のデータ転送において最初にセンサ出力最大値が閾値を越えたとき転送中であったセクタの情報をレジスタ112に保持する。たとえば、図15に示すように、セクタ1からセクタnから成るセクタ群に記録されているデータを転送しようとしている場合、セクタiの転送中に検出されたセンサ出力最大値が閾値より大きい場合、このセクタiの情報がレジスタ112に書き込まれるようになっている。
この後、システムコントローラ61がHDD24内部のレジスタ114内にデータ転送の失敗を示すエラーフラグが立っていることを知ってデータ転送を再開するときや、次の回のデータ転送を開始するとき、システムコントローラ61は、レジスタ112内の再転送フラグがセットされていることを知る。そして、レジスタ112に保持されているセクタ(そのセクタには前回の転送対象であったデータの一部が記憶されている。)を開始セクタに設定し(ステップ1604)、このセクタすなわち落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタからデータ転送を再開することになる。そして、残りのセクタ群のデータ転送を同様に繰り返して、1つのMPEG2フォーマットのビデオ・ストリームの再生が行われる。
このように、この実施形態の携帯型HDDビデオ再生装置100によれば、データ転送において落下等による衝撃の影響でエラーが発生した場合に、衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタからデータ転送を再開することで、そのセクタより前のセクタを無駄に再転送しなくて済む分、データ転送効率が向上するという効果が得られる。
次に、上記のデータ転送制御の第2の例を説明する。図17は、この第2の例のデータ転送制御の流れを示すフローチャートである。
この第2の例のデータ転送制御の特徴は、センサ出力最大値を評価する閾値を最適に更新する点にある。
システムコントローラ61は、HDD24とバッファメモリ95との間でのデータ転送を開始するのに先立ち、まず、ステップ1701においてレジスタ112内のセンサ出力最大値をリセットする。続いて、ステップ1602においてレジスタ112内の再転送フラグを読み込む。再転送フラグが立っていなければ、ステップ1703において次の転送対象となるセクタ群の先頭セクタを開始セクタとして設定する。ステップ1706においてセクタ群の内のセクタの転送を開始するようにDMA転送回路87を制御する。また、再転送フラグが立っている場合、ステップ1704おいてシステムコントローラ61は、レジスタ112に保持されているセクタを開始セクタとして設定する。ステップ1705において再転送フラグをリセットする。その後、ステップ1706においてセクタ群の内のセクタの転送を開始するようにDMA転送回路87を制御する。
1つのセクタのデータ転送中は、DMA転送回路87内の転送データ量計測部113にて、HDD24とバッファメモリ95との間の転送データ量がセクタの単位でカウントされ、その結果がシステムコントローラ61に通知される。また、システムコントローラ61は、加速度センサ111の出力を一定の周期で取り込み(ステップ1707)、そのセンサ出力最大値をレジスタ112内に保持する(ステップ1708,1709)。
ステップ1710において、セクタ群の内の1つのセクタの転送が終了したことを検出する。ステップ1711においてシステムコントローラ61は、レジスタ112内のセンサ出力最大値が閾値より大であるか否かを判定する。この判定の結果、センサ出力最大値が閾値以下であれば、ステップ1706に戻ってセクタ群のうちの次のセクタの転送を開始する。センサ出力最大値が閾値より大であるなら、ステップ1712においてシステムコントローラ61は、レジスタ112内の再転送フラグを調べる。転送エラーフラグがセットされていなければ、ステップ1713においてこれをセットするとともに、転送データ量計測部113から通知されたセクタ数のカウント値から、落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタを判断し、そのセクタの情報をレジスタ112に書き込む。
以上の動作を1つのセクタ群の転送においてすべてのセクタの転送ごとに繰り返すことで、最終的に、1つのセクタ群から成る一回のデータ転送において最初にセンサ出力最大値が閾値を越えたときに転送中であったセクタの情報がレジスタ112に保持される。
この後、システムコントローラ61は、ステップ1715においてHDD24内部のレジスタ114の内容を取得する。そしてステップ1716においてデータ転送の失敗を示すエラーフラグが立っているかどうかを判定する。エラーフラグが立っている場合には、ステップ1718において、レジスタ112にそれぞれ格納されている閾値(b)とセンサ出力最大値(a)とを比較し、値が低い方を新たな閾値として書き換える。すなわち、センサ出力最大値(a)が閾値(b)より低い場合には、センサ出力最大値(a)が新たな閾値として設定される。なお、センサ出力最大値(a)が閾値(b)以上であった場合には、現在の閾値(b)がそのまま用いられる。
一方、エラーフラグが立っていない場合には、ステップ1718において逆に、閾値(b)とセンサ出力最大値(a)とで値が高い方を新たな閾値として書き換える(ステップ1718)。たとえば、センサ出力最大値(a)が閾値(b)より高い場合には、センサ出力最大値(a)が新たな閾値として設定される。センサ出力最大値(a)が閾値(b)以下であった場合には、現在の閾値(b)がそのまま用いられる。
これにより、次回のデータ転送からは、より最適な、つまり落下等による衝撃の影響をHDD24が受ける可能性をより精度良く評価することのできる閾値によるデータ転送制御が可能になる。
なお、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記の実施形態では、大容量のデータ記録装置としてHDDを用いたものについて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その他の磁気記録系のデータ記録装置はもちろん、光学系のデータ記録装置、光磁気記録系のデータ記録装置など、衝撃によるデータ転送への影響が生じ得る様々なデータ記録装置を用いたものに応用できる。
上記の実施形態では、セクタ群毎に落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるセクタを判断し、そのセクタから再転送を行うようにしたが、複数のクラスタからなるクラスタ群毎に落下等による衝撃の影響を受けている可能性のあるクラスタを判断してもよい。
また、データ転送のブロックの単位は、セクタやクラスタに限らず、任意のデータ量としてもよい。
更に、上記の実施形態では、HDD24から転送されるデータとして、ビデオ・ストリームフォーマットのデータを用いて説明したが、オーディオ・データやその他のデータであってもよい。