JP4287563B2 - 燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄電池等のエネルギバッファと、燃料改質器を含む燃料電池システムとを組み合わせた燃料電池電源システムを搭載する燃料電池電気自動車の負荷変動時に発生する余剰改質燃料ガスを処理する燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムの一つとして、従来、いわゆる燃料改質型燃料電池システムが知られている。この燃料改質型燃料電池システムは、水メタノール混合液などの液体原燃料を蒸発器によって蒸発させて得られる原燃料ガスを燃料改質器に供給し、この燃料改質器によって水素リッチな改質燃料ガスを生成し、この改質燃料ガスと酸素を含む空気を燃料電池に供給、反応させ電力を取り出すものである。そして近年においては、燃料電池システムを備えたいわゆる燃料電池電気自動車の開発が盛んになってきており、燃料改質器を備えた改質型燃料電池システムを用いたものの開発も行われている。
【0003】
この燃料改質型燃料電池システムを備える燃料電池電気自動車においては、減速、停止時等負荷が急減する過渡状態が発生したとき、この負荷の急減に、蒸発器内部にある未蒸発原燃料の存在や、系全体の容積、過渡変化前後の設定圧力差等により、燃料改質器系の応答速度が追いつかずに、必要以上の水素リッチな余剰改質燃料ガスが発生してしまうことがある。このような余剰改質燃料ガスは何らかの手段で処理する必要がある。
【0004】
従来における余剰改質燃料ガスの処理方法としては、たとえば、燃料電池内で余剰改質燃料ガスによってそのまま余剰電力を発生させ、この余剰電力をバッテリなどのエネルギバッファに充電する方法が採られていた。
【0005】
また、エネルギバッファで余剰電力を充電しきれない場合には、別途設けられた抵抗負荷によって、この余剰電力を処理するようにしていた。
【0006】
他方、余剰改質燃料ガスを液体原燃料を気化させる蒸発器を加熱する燃焼器により、燃焼処理する方法もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術においては、それぞれに不都合な部分がある。
まず、余剰電力をエネルギバッファに充電する方法においては、エネルギバッファの充電領域がいっぱいであった場合には、エネルギバッファに充電することができない。このため、充電しきれなかった余剰電力は抵抗負荷によって消費しなければならず、電力を無駄に消費することになるものであった。また、抵抗負荷で電力を消費する方法でも、同様に電力を無駄に消費するものである。
【0008】
他方、余剰改質燃料ガスを燃焼器により、燃焼処理する方法では、余剰改質燃料ガスが多すぎた場合には、この燃焼器及び蒸発器の温度を適度に維持するために、燃焼器に大量の空気を供給しなければならない。したがって、大量の空気を燃焼器に供給するために、補機(コンプレッサ等)を駆動するための電力をエネルギバッファから持ち出さなければならないという不具合が生じる。
【0009】
そこで、本発明の課題は、前記の不都合を生じることなく、燃料改質型燃料電池システムを備える燃料電池電気自動車において、過渡時に発生する余剰改質燃料ガスを確実にしかも効率的に処理できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、エネルギバッファと、改質器を含む燃料電池システムとを組み合わせた燃料電池電源システムを搭載する燃料電池電気自動車の負荷変動時に発生する余剰改質燃料ガスを処理する方法であって、
前記燃料電池電気自動車に負荷が減少する負荷変動が生じ、その負荷変動量が所定の規定値を超える場合に、前記燃料電池から出力する電力の出力指令値を下げ、前記燃料電池のアノード側における改質燃料ガスの消費量を減少させ、
前記余剰改質燃料ガスが前記燃料電池内を通過することによって、前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池外部へ排出することを特徴とする燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法である。
【0011】
本発明の請求項1に係る発明においては、燃料電池電気自動車の負荷変動が生じたときに、燃料電池から出力する電力の出力指令値を下げ、改質燃料ガスを用いて行う発電量を少なくし、燃料電池のアノード側における改質燃料ガスの消費量を減少させている。改質燃料ガスの消費量を減少させることにより、改質器系に残っている原燃料を含む燃料改質ガスが余剰分となるので余剰改質燃料ガスは増加する。この余剰改質燃料ガスを利用し、余剰燃料改質ガスが燃料電池のアノード側を通過することによって、燃料電池内に生じていた余剰水分を積極的に排出するものである。このようにして、負荷変動が生じたときに発生する余剰改質燃料ガスを、燃料電池内への生成水・凝縮水の付着による性能低下防止・回復のために効果的に活用することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記燃料電池のアノードおよびカソードの圧力を規定範囲に保ちつつ、前記燃料供給部に生成した余剰改質燃料ガスを、前記燃料電池のアノード側を通過させることによって、前記燃料電池のアノード側に生じていた余剰水分の少なくとも一部を前記燃料電池外部へ排出するとともに、
前記燃料電池のアノードとカソードとの極間差圧を適正な値に維持しつつ、前記カソードに供給する空気を、前記カソードを通過させることによって、前記燃料電池カソード側に生じていた余剰水分の少なくとも一部を前記燃料電池外部へ排出することを特徴とする請求項1に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法である。
【0013】
燃料電池から出力する電力の出力指令値を下げて燃料電池におけるアノード側に余剰改質燃料ガスが増加すると、アノード側の圧力は、出力減少指示前の高負荷に対応した値が維持される。このとき、電解質膜の破損等を防止するため、カソードとの間の極間差圧を適正な値に保つ必要がある。その点、請求項2に係る発明においては、前記燃料電池のアノードおよびカソードの圧力を規定範囲に保っているので、電解質膜の破損などを防止するとともに、改質燃料ガスがアノードを通過することにより、アノード側の余剰水分が排出され、しかも、カソード側を空気が通過することにより、カソード側の余剰水分が排出される。こうして、アノード側とカソード側の両方に生じている余剰水分を排出することができる。加えて、カソード側の圧力をアノード側の圧力よりも高く保つことにより、CO除去器に空気を充分に供給できるので、余剰改質燃料ガスからもCOの除去が可能となり、余剰改質燃料ガスのCO濃度を低く保つこともできる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池のアノードを通過する余剰改質燃料ガスによって、所定時間、前記燃料電池外部へ排出した後、または前記燃料電池内に生じた余剰水分の少なくとも一部を、前記余剰改質燃料ガス中の所定量の改質燃料ガスによって前記燃料電池外部へ排出した後に、前記余剰改質燃料ガスが残存する場合、
前記余剰改質燃料ガスによって発電可能な最大電流を出力指令値とし、前記燃料電池出力で、前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法である。
【0015】
請求項3に係る発明においては、余剰改質燃料ガスによって燃料電池内の余剰水分を所定時間排出した後、または余剰改質燃料ガスのうちの所定量の改質燃料ガスによって燃料電池内の余剰水分を排出した後に、燃料電池内における余剰改質燃料ガスによって発電可能な最大電流を出力指令値として発電する。この電流をコンプレッサなどの補機の駆動に用いたり、エネルギバッファに充電したりする。
燃料電池内における余剰水分を排出するために用いた余剰改質燃料ガスは、燃焼器におけるバーナにより燃焼処理される。ここで、多量の余剰改質燃料ガスをバーナにより燃焼処理した場合、バーナの過剰昇温を防止する必要がある。そのため、エアコンプレッサの空気供給量を増加して燃焼器に酸素を送り込んでいる。このとき、エアコンプレッサを駆動するための電力が必要となるが、燃料電池に対する出力指令値は下げられているので、エアコンプレッサを駆動するための電気はエネルギバッファより持ち出される。この持ち出された分の電気を充電するため、所定時間または所定量の余剰改質燃料ガスによって余剰水分を排出した後に、エネルギバッファを充電するために余剰改質燃料ガスを利用するものである。あるいは、発電した電流によって直接エアコンプレッサなどの補機を駆動するものである。したがって、余剰改質燃料ガスによって余剰水分を排出しても、エネルギバッファの充電量が極端に少なくなるという事態を防止することができる。
また、セルまたはスタック電圧から、余剰水分排出による性能回復を検知することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方を所定時間または前記エネルギバッファのSOC値が所定値となるまで行うとともに、前記燃料電池の出力電圧を検出し、前記所定時間が経過し、および前記SOC値が所定値に到達したことのうちの少なくとも一方が生じたときに、前記出力電圧が所定値まで回復しておらず、前記余剰改質燃料ガスが残存する場合、
前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池のアノードを通過する余剰改質燃料ガスによって、所定時間、前記燃料電池外部へ排出した後、または前記燃料電池内に生じた余剰水分の少なくとも一部を、前記余剰改質燃料ガス中の所定量の改質燃料ガスによって前記燃料電池外部へ排出し、以後、前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方、並びに余剰改質ガスによる前記燃料電池内の余剰水分の排出を繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法である。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、余剰改質燃料ガスを利用して補機を駆動しまたはエネルギバッファに充電を行った後、さらに余剰改質燃料ガスがある場合には、この余剰改質燃料ガスによって再び燃料電池内の余剰水分を排出することができる。したがって、さらなる余剰改質燃料ガスの有効活用を図ることができる。
しかも、前記所定時間補機を駆動し、およびエネルギストレージのSOC値が所定値に到達したことのうちの少なくとも一方が生じてもさらに余剰改質燃料ガスが残存している場合には、再び余剰改質燃料ガスによって余剰水分を排出する。以後、補機を駆動しまたはエネルギバッファに充電並びに余剰改質燃料ガスによる余剰水分の排出を繰り返すことによって、余剰改質ガスを有効に活用することができる。
なお、本発明にいう「出力電圧が所定値にまで回復しておらず」の「所定値」は、燃料電池のI−V特性によって決められるものである。
【0018】
請求項5に係る発明は、前記余剰改質燃料ガスによる出力可能値が出力指令値と等しくなった時に、前記余剰改質燃料ガスが無いと判断し、出力指令値を出力指示値とすることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法である。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、燃料電池内に余剰改質燃料ガスがなくなったら、出力指令値を元に戻すものであるため、余剰改質燃料ガスを無駄無く活用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
図1は、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理が行われる改質型燃料電池電源システムの構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理が行われる改質型燃料電池電源システム(以下、「燃料電池電源システム」という。)Mは、液体燃料である水メタノール混合液F1が供給される蒸発器1を備えている。水メタノール混合液F1の供給量は、ポンプP1の圧力および供給弁V1の開度によって適宜調整される。蒸発器1においては、燃焼器2から熱源を得て、水メタノール混合液F1を蒸発させて蒸発ガスとする図示しない熱交換部を備えている。蒸発器1の下流側には、蒸発器1から蒸発ガスが供給される改質器3が設けられている。また、燃焼器2には、適宜メタノールF2が供給される。このときのメタノールF2の供給量は、ポンプP2および供給弁V2の開度によって調整される。さらに、蒸発器1および燃焼器2にはそれぞれその温度を検出する温度検出器1A,2Aが取り付けられている。
【0022】
改質器3には、第1熱交換器4A、CO除去器5、および第2熱交換器4Bを介して燃料電池6が接続されており、改質器3によって生成される燃料ガスが燃料電池6に供給される。ここで、CO除去器5では、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素を除去している。
【0023】
また、燃料電池6には、エアコンプレッサ7が接続されており、エアコンプレッサ7によって酸素を含む空気を燃料電池6に供給している。そして、燃料電池6においては、改質燃料ガス中における水素と空気中における酸素とを電気化学的に反応させ、その反応によって電気を生じさせる。エアコンプレッサ7によって燃料電池6に供給される空気は、レゾネータ8、フィルタ9Aを介して大気中から吸引され、インタークーラ10およびフィルタ9Bを経て、燃料電池6および燃焼器2、さらには改質器3などに供給される。
【0024】
燃料電池6は電気的に高圧分配器11に接続されており、燃料電池6により発生した電力は高圧分配器11に供給される。この高圧分配器11は、電気的に、DC/DCコンバータ12を介して小容量、たとえば12Vのバッテリ13に接続されるとともに、PCU(power control unit)14を介して主モータ15に接続されている。また、高圧分配器11は、本発明のエネルギバッファとなる大容量、たとえば288Vのバッテリからなるエネルギストレージ(充電許容領域)16にも接続されている。このように、燃料電池電源システムMは、改質器3を含む燃料電池システムと、バッテリ13を組み合わせて構成されている。また、アノード、カソード入口部には図示しない圧力計が備えられ、高圧分配器11には図示しない分配回路に対する電流計および電圧計が備えられている。さらに、PCU14には図示しないタイマが設けられている。このタイマでは、余剰改質燃料ガスおよび空気によって燃料電池6の外部に排出した燃料電池6内における余剰水分の排出時間、および燃料電池の性能回復確認を行っている際のエネルギストレージ16への充電時間などを計測している。さらに、PCU14には、燃料電池6の発電量およびエネルギストレージ16の充電量が出力されている。
【0025】
また、PCU14は、エアコンプレッサ用モータ17に接続されている。なお、燃料電池電源システムMを起動する際には、液体燃料であるメタノールF2が始動燃焼器18に供給されるようになっている。また、燃料電池6から排出される燃料排ガスは、燃焼器2に供給される。燃料電池6と燃焼器2との間にはアノード背圧弁V3が設けられており、燃料電池6に供給される燃料ガスの圧力は、アノード背圧弁V3の開度によって調整される。他方、燃料電池6内における余剰水分を排出するために用いられた余剰改質燃料ガスも同様に燃料排ガスとして燃焼器2に供給され、その供給量は、アノード背圧弁V3の開度によって調整される。また、エアコンプレッサ7から燃焼器2に対しては、燃焼器2が異常高温となるのを防止するための酸素を含む空気が供給されている。さらに、燃料電池6と燃焼器2の間にはカソード背圧弁V4が設けられている。そして、このカソード背圧弁V4の開度とエアコンプレッサ7の回転速度によって燃焼器2に供給される空気の供給量が調整される。また、燃焼器2には、燃焼器2が異常高温となるのを防止するため、エアコンプレッサ7から空気供給弁V5を介して空気が供給される。この空気の供給量は、空気供給弁V5の開度とエアコンプレッサ7の回転速度によって調整される。
【0026】
さらに、燃料電池電源システムMは、ECU(electronic control unit)20を備えている。このECU20には、アクセル21、主モータ15、およびエネルギストレージ16からの制御信号が入力される。また、温度検出器1A,2Aからの温度信号も入力される。一方、ECU20からは、PCU14、エアコンプレッサ用モータ17、ポンプP1,P2、供給弁V1,V2、アノード背圧弁V3、カソード背圧弁V4、および空気供給弁V5に対してそれぞれ制御信号が出力される。
【0027】
この燃料電池電源システムMの作用について説明する。蒸発器1に水メタノール混合液F1が供給されると、蒸発器1においては、燃焼器2から加えられる熱によって、図示しない熱交換部で水メタノール混合液F1を蒸発して蒸発ガスとする。こうして得られた蒸発ガスは、蒸発器1から改質器3へと供給される。
【0028】
改質器3においては、空気が混合された蒸発ガスを改質触媒に接触させて、水素リッチである改質燃料ガスを生成する。この改質燃料ガスの大部分は第1熱交換器4Aで冷却され、CO除去器5でCOを混合された空気により選択酸化した後、さらに第2熱交換器4Bで冷却されて燃料電池6に供給される。燃料ガスのうちの他の一部は燃焼器2に供給されて、蒸発器1の熱源となる。
【0029】
また、燃料電池6には、エアコンプレッサ7によって、酸素を含む空気が供給される。これら改質燃料ガスに含まれる水素と、空気に含まれる酸素とを燃料電池6で反応させる過程において、燃料電池6より電気が発生する。燃料電池6で消費しきれない改質燃料ガスや空気などは、オフガスとなって燃焼器2に供給される。
【0030】
燃料電池6によって発生した電気は、高圧分配器11に供給される。そして、高圧分配器11からは、DC/DCコンバータ12を介してバッテリ13およびエネルギストレージ16に電力が供給されるとともに、PCU14を介して主モータ15に電力が供給される。バッテリ13からは、電動エアコン、電動パワステ、ライト類、ヒータ、各負荷抵抗など各種自動車用補機に電力が供給される。また、主モータ15を回転させることによって車輪Sが駆動する。他方、PCU14からは、エアコンプレッサ用モータ17に対しても電力が供給される。
【0031】
ECU20においては、各種信号に基づいて、高圧分配器11における電力の分配量を算出して、高圧分配器11およびPCU14に出力信号を送信する。すなわち、図示しない運転手がアクセル21を操作することによって変化するアクセル開度から主モータ15の要求負荷が算出され、この要求負荷信号がECU20からPCU14に送信される。このとき、ECU20においては、アクセル開度に基づき主モータ15の要求負荷を求めるとともに、補機の電力負荷を加味して作成されたマップを参照して補正をすることによって、燃料電池6に対する要求出力が求められる。
PCU14においては、高圧分配器11からの電力の供給を受けるとともに、主モータ15およびエアコンプレッサ用モータ17の要求に応じて、それぞれに対して必要な電力を供給する。また、エネルギストレージ16のストレージ量および主モータ15の要求負荷によって、高圧分配器11における電力の分配量を算出して、高圧分配器11に制御信号を送信する。一方、温度検出器1Aの検出温度に基づいて、ポンプP1の操作量および供給弁V1の開度を調節する。また、温度検出器2Aの検出温度に基づいて、ポンプP2の操作量および供給弁V2の開度を調節する。
【0032】
次に、前記燃料電池電源システムにおいて行われる本発明に係る余剰改質燃料ガスの処理方法について説明する。
図2は、本発明に係る余剰改質燃料ガスの処理方法を含むジェネラルフローを示すフローチャートである。なお、これらの制御は、ECU20において行われる。また、図中においては、便宜上、余剰改質燃料ガスを「RFG」と記載する。
図2に示すように、本発明に係る余剰改質燃料ガスの処理方法が行われる前には通常の制御(S0)が行われており、その過程で、燃料電池6に対する出力指示値を検出している(S1)。この出力指示値は、図1に示すアクセルを操作することによって変化するアクセル開度に応じて検出される。次に、検出された出力指示値より、出力減少率が所定の規定値、たとえば45%を超えているか否かを判断する(S2)。ステップS2において、出力減少率が45%以下である場合には、通常の制御に戻る(S20)。
【0033】
一方、出力減少値が45%を超える場合には、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理が開始される(S3)。
余剰改質燃料ガスの処理が開始されると、まず、余剰改質燃料ガスによる燃料電池6内の余剰水分のパージ(排出)を行う前の燃料電池のセル電圧を検出する(S4)。燃料電池6のセル電圧の検出は、エネルギストレージ16に対する充電量を検出し、その検出値から算出することによって行われる。燃料電池6のセル電圧を検出したら、続いて燃料電池6に対する出力指令値を下げ、たとえば0にする(S5)。このように、燃料電池6に対する出力指令値を0にすることにより、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスを増加させる。この余剰改質燃料ガスを利用して、燃料電池6内に生じる余剰水分を所定の時間、たとえば0.3秒間燃料電池6の外部に排出する(S6)。余剰水分の排出を行う時間は、PCU14内のタイマによって計測される。
【0034】
余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出し、所定時間の0.3秒が経過したら、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスを確認する(S7)。そして、余剰改質燃料ガスがあるか否かを判断し(S8)、余剰改質燃料ガスがないと判断された場合には燃料電池6に対する出力指示値を出力指令値に戻して(S21)、余剰改質燃料ガス処理が終了する(S22)。余剰改質燃料ガス処理が終了すると、通常の制御に戻る(S23)。
【0035】
一方、ステップS8において、余剰改質燃料ガスが残存していると判断された場合には、余剰改質燃料ガスによって発電可能な最大電流を出力指令値とし(S9)、その後回復セル電圧を検出する(S10)。回復セル電圧を検出する具体的な手順は後に説明する。この回復セル電圧の検出は、燃料電池6からエネルギストレージ16に対して充電する工程において行われる。
【0036】
回復セル電圧を検出する工程において、エネルギストレージ16にたとえば0.3秒間充電したら、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスの有無を確認する(S11)。そして、余剰改質燃料ガスがあるか否かを判断し(S12)、余剰改質燃料ガスがないと判断された場合には燃料電池6に対する出力指示値を出力指令値に戻して(S21)、余剰改質燃料ガス処理が終了する(S22)。余剰改質燃料ガス処理が終了すると、通常の制御に戻る(S23)。一方、余剰改質燃料ガスがあると判断されたら、再び燃料電池6内に残存する余剰水分を燃料電池6の外部に排出する(S6)。
【0037】
以後、ステップS6からステップS12までの工程が同様にして繰り返される。そして、ステップS8またはステップS12において余剰改質燃料ガスがなくなったと判断された時点で、出力指示値を出力指令値に戻して、余剰改質燃料ガスの処理が終了する。
【0038】
次に、ステップS6における余剰改質燃料ガスによる燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出する工程について説明する。
図3は、余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出する工程を示すフローチャートである。
【0039】
図3に示すように、図2に示すステップS5に続いて、またはステップS12において余剰改質燃料ガスがあると判断された場合に、燃料電池6内における余剰水分を余剰改質燃料ガスで燃料電池6の外部に排出する。余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出するにあたり、燃料電池6のアノード側における改質燃料ガスの流量を検出し、所定の改質燃料ガス流量第1規定値と比較する(S31)。この改質燃料ガス流量第1規定値は、たとえば2.5l/secとすることができる。その結果、改質燃料ガスの流量が改質燃料ガス流量第1規定値より小さい場合には、燃料電池6内の改質燃料ガスの量が少なくなりすぎないように、アノード背圧弁V3の開度を小さくする(S32)。なお、改質燃料ガス流量第1規定値は、前記の値ではなく、たとえば2l/secとすることもできる。
【0040】
逆に、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスの流量が改質燃料ガス流量第1規定値以上の場合には、改質燃料ガス流量第1規定値よりも大きい改質燃料ガス流量第2規定値と改質燃料ガスの流量を比較する(S33)。この改質燃料ガス流量第2規定値は、たとえば3l/secとすることができる。また、改質燃料ガス流量第1規定値を2l/secとした場合には、改質燃料ガス流量第2規定値を2.4l/secとすることができる。
その結果、改質燃料ガスの流量が改質燃料ガス流量第2規定値よりも大きい場合には、燃料電池6内の改質燃料ガスの流量が多くなりすぎないように、アノード背圧弁V3の開度を増加させる(S34)。逆に、改質燃料ガスの流量が改質燃料ガス流量第2規定値以下の場合には、燃料電池6内の改質燃料ガスが適正な量となっているので、アノード背圧弁V3の開度を維持させたままとする。
【0041】
このようにして余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出するが、この余剰水分の排出に付随して、燃料電池6内の極間差圧や、燃焼器2におけるバーナのバーナ温度などを適正に保つ必要がある。そのため、アノード背圧弁V3の開度を調整して、燃料電池6内における改質燃料ガスの流量を調整したら、燃料電池6のカソード側に供給される空気の流量を適正に維持するように調整を行う。
【0042】
燃料電池6のカソード側に供給される空気の流量を適正に維持するにあたり、エアコンプレッサ7から燃料電池6内のカソード側に供給される空気の流量を検出し、所定の空気流量第1規定値と比較する(S35)。この空気流量第1規定値は、たとえば5l/secとすることができる。その結果、空気流量第1規定値よりも小さい場合には、燃料電池6のカソード側に供給される空気の流量を減少させるように、カソード背圧弁V4の開度を減少させる(S36)。なお、空気流量第1規定値は、前記の値ではなく、たとえば4l/secとすることもできる。
逆に、空気の流量が空気流量第1規定値以上の場合には、空気流量第1規定値よりも大きい空気流量第2規定値と燃料電池6のカソード側に供給される空気の流量を比較する(S37)。この空気流量第2規定値は、たとえば6l/secとすることができる。また、空気流量第1規定値を4l/secとした場合には、空気流量第2規定値を4.8l/secとすることができる。その結果、空気流量第2規定値よりも燃料電池6のカソード側に供給される空気の流量が大きい場合には、燃料電池6のカソード側に供給される空気の量が過度にならないように、カソード背圧弁V4の開度を増加させる(S38)。逆に、燃焼器2に供給される空気の流量が空気流量第2規定値以下の場合には、適正な量の空気が燃料電池6のカソード側に供給されているので、カソード背圧弁V4の開度を維持したままとする。
【0043】
カソード背圧弁V4の開度を調整して燃料電池6内におけるカソード側の空気の流量を調整したら、燃料電池6内におけるアノードとカソードの間の極間差圧を適正な値に維持するようにその調整を行う。
極間差圧の調整を行うために、アノードとカソードの間の極間差圧を検出し、この極間差圧を所定の差圧第1規定値と比較する(S39)。この差圧第1規定値は、たとえば30kPaとすることができる。なお、差圧第1規定値は、前記の値ではなく、たとえば20kPaとすることもできる。その結果、極間差圧が所定の差圧第1規定値より小さい(カソードがアノードよりも低圧である)場合は、エアコンプレッサ7の速度を増加させて、カソード側に供給する空気の量を多くする(S40)。ここで、エアコンプレッサ7の速度を規定するにあたり、アノードおよびカソードの圧力および流量に応じたマップが作成されている。そして、このマップを参照することによって、エアコンプレッサ7の速度の増加量を決定することができる。
【0044】
逆に、極間差圧が差圧第1規定値以上の場合には、差圧第1規定値よりも大きい差圧第2規定値と極間差圧を比較する(S41)。この差圧第2規定値は、たとえば50kPaとすることができる。また、差圧第1規定値を20kPaとした場合には、差圧第2規定値を40kPaとすることができる。その結果、極間差圧が差圧第2規定値よりも大きい場合には、カソードが高圧になりすぎないように、コンプレッサ7の速度を低下させる(S42)。このときにもアノードおよびカソードの圧力および流量に応じたマップを参照することによって、コンプレッサ7の速度が決定される。逆に、極間差圧が差圧第2規定値以下の場合には極間差圧は適正に保たれているので、コンプレッサ7の速度を維持したままとする。
【0045】
こうして、アノードとカソードとの極間差圧の調整が行われる。このとき、アノードにおいては、余剰改質燃料ガスによって圧力が高まっており、このアノードと差圧を適正な値にされたカソードは、当然圧力が高まることになる。したがって、カソードの圧力が高まることにより、アノードと同様にしてカソードの余剰水分も効果的に燃料電池6の外部に排出することができる。
【0046】
このようにして極間差圧を調整したら、燃焼器2におけるバーナ2Aの温度を適正に保つための調整が行われる。そのため、温度検出器2Aによって燃焼器2内におけるバーナの温度を検出し、所定のバーナ温度第1規定値と比較する(S43)。その結果、燃焼器2のバーナ温度がバーナ温度第1規定値よりも低い場合には、空気供給弁V5の開度を小さくして、燃焼器2に供給される空気の量を増加させて(S44)、バーナ温度が低くなりすぎないようにする。
【0047】
逆に、燃焼器2におけるバーナ温度がバーナ温度第1規定値以上の場合には、バーナ温度第1規定値よりも高いバーナ温度第2規定値と比較する(S45)。その結果、燃焼器2におけるバーナ温度がバーナ温度第2規定値よりも高い場合には、空気供給弁V5の開度を大きくする。そして、燃焼器2に供給される空気の量を増加させて(S46)、バーナ温度が高くなりすぎないようにする。逆に、バーナ温度がバーナ温度第2規定値以下の場合には、バーナ温度が適正な値となっているので、空気供給弁V5の開度を維持したままとする。
【0048】
以上の工程を経て、余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分を燃料電池6の外部に排出する工程が終了してステップ7へ進む。
【0049】
続いて、ステップS10において、回復セル電圧を検出する工程について説明する。
図4は、回復セル電圧を検出する工程を示すフローチャートである。
余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分のパージが終了し、ステップS9において余剰改質燃料ガスによって発電可能な最大電流を出力指令値に設定したら、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスによって発電される電流をエネルギストレージ16に出力して充電する。この余剰改質燃料ガスによるパージ工程の終了後、所定の継続時間Tの間、電流の出力を行う(S51)。継続時間Tの間電流を出力したら、余剰改質燃料ガスによるパージ工程後に燃料電池6からエネルギストレージ16に出力した電力量Wを検出する(S52)。エネルギストレージ16に出力した電力量の検出が行われたら、エネルギストレージ16のSOC(state of charge)値を図示しないSOC検出器によって検出する(S53)。
【0050】
SOC値の検出が行われたら、出力継続時間、出力電力量W、エネルギストレージSOC値を第2規定値と比較する(S54)。ここで、第2規定値とは、出力時間、出力電力量、SOC値のすべてを含むものであり、そのいずれもが第2規定値未満となった場合には、ステップS51に戻って所定時間Tの間電流の出力を行う。
【0051】
一方、出力時間、出力電力量、SOC値のいずれもが第2規定値以上となった場合には、出力電力量から回復セルの電圧を検出する(S55)。そして、ステップS11に移行して燃料電池6内における余剰改質燃料ガスの有無を確認する。
【0052】
このようにして、燃料電池6内における余剰改質燃料ガスを有効に活用することができ、燃料電池6内における余剰水分を効果的に燃料電池6の外部に排出することができる。そして、燃料電池6内における余剰水分を排出することによって、燃料電池6の性能回復を図ることができる。
【0053】
次に、本発明の効果について言及する。
図5は、燃料電池電気自動車における車速、改質燃料ガス消費量、および発電電圧の関係の一例を経時的に示すグラフである。なお、発電電圧を示すグラフのうち、急激な負荷減少があった後において、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理を行った場合については実線で示し、本発明に係る余剰改質燃料ガスの処理を行わなかった場合については破線で示す。
【0054】
図5に見られるように、燃料電池電気自動車が加速し、定速走行を行っていた後、車速が急激に減少する負荷変動が生じている。このとき、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理を行っている場合には、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理を行わなかった場合と比べて発電電圧が増加する。したがって、燃料電池におけるセル電圧が回復していることがわかる。
【0055】
その後、定速走行を経て加速し、加速が終了すると同時に減速して負荷が急激に減少する負荷変動が生じている。このときにも、本発明に係る余剰改質燃料ガス処理を行った場合には、余剰改質燃料ガス処理を行わなかった場合と比べて発電電圧が増加している。したがって、燃料電池におけるセル電圧が回復していることがわかった。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。たとえば、図2に示すステップS6においては所定時間を規定してその間余剰改質燃料ガスによって余剰水分を燃料電池の外部にしていたが、所定量の余剰改質燃料ガスを規定して、その所定量分の余剰改質燃料ガスによって余剰水分を排出するようにすることができる。
他方、前記実施形態で示した改質燃料ガス流量第1規定値,第2規定値、空気流量第1規定値,第2規定値、および差圧第1規定値,第2規定値は、各前記の値に限定されるものではなく、適宜好適な値とすることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のうちの請求項1に係る発明によれば、燃料電池内における余剰改質燃料ガスを増加させることにより、燃料電池内に生じている余剰水分を積極的にパージするために利用するものである。したがって、負荷変動が生じたときに発生する余剰改質燃料ガスを燃料電池内への生成水・凝縮水の付着による性能低下防止・回復のために効果的に活用することができる。
請求項2に係る発明によれば、燃料電池におけるカソード側に空気を供給し、カソード側の圧力を高めることによって極間差圧を適正な値に維持している。このため、アノードとカソードの間の極間差圧を適正に保つので、電解質膜の破損などを防止することができるとともに、アノード側とカソード側の両方に生じている余剰水分を排出することができる。また、CO除去器に空気を充分に供給できるので、余剰改質燃料ガスからもCOの除去が可能となり、余剰改質燃料ガスのCO濃度を低く保つこともできる。
請求項3に係る発明によれば、余剰改質燃料ガスによって余剰水分を排出しても、エネルギバッファの充電量が極端に少なくなるという事態を防止できる。
【0058】
請求項4に係る発明によれば、余剰改質燃料ガスを利用してエネルギバッファに充電を行った後、さらに余剰改質燃料ガスがある場合には、この余剰改質燃料ガスによって再び燃料電池内の余剰水分を排出することができる。したがって、さらなる余剰改質燃料ガスの有効活用を図ることができる。
請求項5に係る発明によれば、燃料電池内に余剰改質燃料ガスがなくなったら、出力指令値を元に戻すものであるため、余剰改質燃料ガスを無駄無く活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る余剰改質燃料ガス処理が行われる改質型燃料電池電源システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法のフローチャートである。
【図3】余剰改質燃料ガスによって燃料電池6内の余剰水分をパージする工程を示すフローチャートである。
【図4】回復セル電圧を検出する工程を示すフローチャートである。
【図5】燃料電池電気自動車における車速、改質燃料ガス消費量、および発電電圧の関係の一例を経時的に示すグラフである。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 燃焼器
3 改質器
4A,4B 熱交換器
5 CO除去器
6 燃料電池
7 エアコンプレッサ
11 高圧分配器
16 エネルギストレージ(エネルギバッファ)
M 改質型燃料電池電源システム

Claims (5)

  1. エネルギバッファと、改質器を含む燃料電池システムとを組み合わせた燃料電池電源システムを搭載する燃料電池電気自動車の負荷変動時に発生する余剰改質燃料ガスを処理する方法であって、
    前記燃料電池電気自動車に負荷が減少する負荷変動が生じ、その負荷変動量が所定の規定値を超える場合に、前記燃料電池から出力する電力の出力指令値を下げ、前記燃料電池のアノード側における改質燃料ガスの消費量を減少させ、
    前記余剰改質燃料ガスが前記燃料電池内を通過することによって、前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池外部へ排出することを特徴とする燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法。
  2. 前記燃料電池のアノードおよびカソードの圧力を規定範囲に保ちつつ、前記燃料供給部に生成した余剰改質燃料ガスを、前記燃料電池のアノード側を通過させることによって、前記燃料電池のアノード側に生じていた余剰水分の少なくとも一部を前記燃料電池外部へ排出するとともに、
    前記燃料電池のアノードとカソードとの極間差圧を適正な値に維持しつつ、前記カソードに供給する空気を、前記カソードを通過させることによって、前記燃料電池カソード側に生じていた余剰水分の少なくとも一部を前記燃料電池外部へ排出することを特徴とする請求項1に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法。
  3. 前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池のアノードを通過する余剰改質燃料ガスによって、所定時間、前記燃料電池外部へ排出した後、または前記燃料電池内に生じた余剰水分の少なくとも一部を、前記余剰改質燃料ガス中の所定量の改質燃料ガスによって前記燃料電池外部へ排出した後に、前記余剰改質燃料ガスが残存する場合、
    前記余剰改質燃料ガスによって発電可能な最大電流を出力指令値とし、前記燃料電池出力で、前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法。
  4. 前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方を所定時間または前記エネルギバッファのSOC値が所定値となるまで行うとともに、前記燃料電池の出力電圧を検出し、前記所定時間が経過し、および前記SOC値が所定値に到達したことのうちの少なくとも一方が生じたときに、前記出力電圧が所定値まで回復しておらず、前記余剰改質燃料ガスが残存する場合、
    前記燃料電池内に生じていた余剰水分の少なくとも一部を、前記燃料電池のアノードを通過する余剰改質燃料ガスによって、所定時間、前記燃料電池外部へ排出した後、または前記燃料電池内に生じた余剰水分の少なくとも一部を、前記余剰改質燃料ガス中の所定量の改質燃料ガスによって前記燃料電池外部へ排出し、
    以後、前記燃料電池の補機の駆動およびエネルギバッファの充電のうちの少なくとも一方、並びに余剰改質ガスによる前記燃料電池内の余剰水分の排出を繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法。
  5. 前記余剰改質燃料ガスによる出力可能値が出力指令値と等しくなった時に、前記余剰改質燃料ガスが無いと判断し、出力指令値を出力指示値とすることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料改質型燃料電池電源システムにおける余剰改質燃料ガスの処理方法。
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