JP4286421B2 - 液体輸送装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクの流れ方向によってコンダクタンスが変化する抵抗付与部を用いることによって異なるインクを合流させて画素ごとに設けたインク吐出口に連続流として吐出させ、その吐出流量を画像信号に基づいて画素ごとの各インクごとに制御して画像を形成する画像記録ヘッドに用いる液体輸送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像信号に基づいてインクの吐出量を制御して、画像を形成する画像記録ヘッドとして、種々の方式のものが従来より提案されている。例えば吐出するインクの濃度を変化させて画像を形成するものが知られている(米国特許第4,109,282号、4,614,953号、特開平5−201024号、7−125259号、3−207664号、9−156131号など)。
【0003】
米国特許第4,109,282号(以下先行技術文献1という)には、クリアーインクとブラックインクの2液を、画像形成用の基体へ導くための流路中に、フラップバルブと称する弁を設け、この弁を変位させることによって各インクの流路を開閉し、2液を所望の濃度に混合して基体上に移送するプリント装置が開示されている。これによりTVスクリーンに表示された画像情報と同じグレースケール情報を持った画像をプリントアウトできるようにしたものである。ここには、フラップバルブの弁とその対向面に設けられた電極との間に電圧を印加し、その静電引力で弁自身を機械的に変形させることにより弁を変位させることが開示されている。またインクはプリント用紙の繊維間の毛管現象によって吸い出される。
【0004】
米国特許第4,614,953号(以下先行技術文献2)には、同じく複数の色の異なったインクと溶媒を所望の量だけ第3のチャンバーへ導き混合させるプリンターヘッド装置が開示されている。ここには所望の量のインクを秤量する手段として、チャンバーと、このチャンバーに取り付けられたダイアフラム状のピエゾ効果素子部とを用い、このピエゾ素子を駆動させて得られる圧力パルスを用いることが開示されている。
【0005】
特開平5−201024号(以下先行技術文献3)には、キャリア液体が充填される液体室と、液体室に設けられたインクジェット駆動手段と、前記液体室に連通するノズルと、このノズル内のキャリア液体にインクを混合する混合部とを備えたインクジェットプリントヘッドが開示されている。またここには、インクの混合量を所望の値に調整するために電気浸透現象を利用した調整手段を設けることも開示されている。
【0006】
特開平7−125259(以下先行技術文献4)には、同様に、第1と第2の濃度を有するインクを供給する第1および第2の供給手段と、所望のインク濃度になるように第2の供給手段による第2のインクの供給量を制御する制御手段とを有するインクジェット記録ヘッドが開示されている。
【0007】
ここには制御手段として、専用の発熱素子を持ちその熱エネルギーをもって駆動されるマイクロポンプによるものが開示されている。このマイクロポンプとしては、発熱素子により熱エネルギーを発生させ、それにより生じた核沸騰による圧力で、例えばピストン状の弁、もしくは片持ち梁的な弁を駆動する例が開示されている。またここには、この弁に形状記憶合金からなるアクチュエータを組合せて使用することにより、特に流入量の少ない領域においてインク流入量を効果的に制御することが可能になると説明されている。
【0008】
特開平3−207664号(以下先行技術文献5)には、先行技術文献2と似た構造であるが、複数のインクの吐出量を圧電素子に印加するパルス幅によって制御して、これらを混ぜ合せる構造のものが示されている。
【0009】
特開平9−156131号(以下先行技術文献6)には、画像データに基づいて、複数色の画像を形成する複数のプリンタヘッドを備え、インクと希釈液とを所定の混合比で混合して希釈インクとなし、前記希釈インクをノズルから噴射して記録媒体上に記録画像を形成するインクジェットプリンタが示されている。ここに、前記複数のプリンタヘッドに、インク混合量が小さく明確な印画濃度に達しない例えば全白の画像データが入力されたとき、複数のプリンタヘッドのうち、少なくとも一つのプリンタヘッドから前記希釈液を吐出させるインクジェットプリンタが開示されている。この結果急激な階調変化(トーンジャンプ)を防ぎ、希釈液の余分な消費を抑え乾燥性を向上させるものである。また希釈液の体積は圧電素子で形成される駆動部に印加するパルス電圧やパルス幅、パルス回数等に制御される。
【0010】
このように先行技術文献1では重力により流下するインクの量をインク吐出口の開口面積を変化させることにより制御する。文献2ではインクの吐出量はダイヤフラムの変位量や変位回数により制御される。文献3ではインクの吐出量は電気浸透により制御される。文献4では予め加圧したインクをヒータにより開閉されるマイクロポンプによりその吐出量を制御する。文献5では圧電素子の変位量と変位回数により制御される。文献6ではインク吐出量をインクタンクの壁を圧電素子により変位させることにより制御する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これら先行技術の中で、インクを積極的に吐出するポンプ機能を有するものとしては、文献2,5,6のものが挙げられる。しかしこれらはいずれもインク流路の途中に容積が拡大した加圧室(キャビティ部)を持ち、この加圧室の容積をダイヤフラムやタンク壁の振動により変化させるものであり、この加圧室の上流側および下流側にはインクの逆流を防ぐための逆止弁などは持たないものであった。このため加圧室の容積変化に伴いインクは上流側へも逆流し、この逆流量も多くなってポンプとしての効率が悪くなるという問題があった。
【0012】
そこで出願人は、加圧室(キャビティ部)の上流側(入口側)および下流側(出口側)に、インクの流れ方向によりコンダクタンス(抵抗の逆数)が変化する抵抗付与部(絞り)を設けることを検討している(特願平11−351008号など)。この抵抗付与部は、一般的な一方向弁などのような機械的な可動部分を持たないから、耐久性・信頼性に優れ、かつマイクロマシンなどの製造方法により製造することができ、製作が容易である、という利点を持つ。
【0013】
この場合には、抵抗付与部による逆流阻止効果をさらに高めて、ポンプとしての効率を一層向上させることが望ましい。
【0014】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、画素ごとに異なるインクの逆流を防ぎ効率良く異なるインクを一方向へ連続流として輸送し合流させてインク吐出口から吐出させることができ、しかもマイクロマシンなどの製造方法を用いて製作でき、製作が容易になる画像記録ヘッドに用いる液体輸送装置を提供することを目的とする。
【0015】
【発明の構成】
この発明によればこの目的は、インク流路の途中に設けたインク吐出ポンプをパルス駆動することにより前記インク吐出ポンプが持つキャビティ部の容積を変化させ、インクを画像受容体に移送させて画像を形成する画像記録ヘッドに用いる液体輸送装置において、
乾燥後に実質的に画像を形成しない画像非形成インクと乾燥後に実質的に画像を形成する画像形成インクとを合流部で合流させて画素ごとに設けたインク吐出口から吐出させるインク流路と、前記インク流路のインクに一定圧力を付与するインク供給ポンプと、前記インク流路内に前記キャビティ部の上流側および前記キャビティ部と前記合流部との間にそのコンダクタンスが大きくなる方向をインクの輸送方向に揃えて設けた可動部を持たない抵抗付与部と、画素に対して前記インク吐出ポンプが吐出する前記画像非形成インクおよび画像形成インクの吐出流量をこれらの合計流量が略一定となるように画像信号に基づいて駆動パルス数により制御しつつこれらのインクを前記合流部で合流させ前記インク吐出口から連続流として吐出させて前記画像受容体に連続した流体として移送させる制御部とを備えることを特徴とする液体輸送装置、により達成される。
【0016】
キャビティ部の容積を変化させるためには、キャビティ部に駆動部により駆動される可動壁を設け、この可動壁を移動させる構造のものが使用できる。例えばキャビティ部の壁の一部をダイヤフラムで構成し、このダイヤフラムをピエゾ素子(圧電素子)や、磁歪素子、あるいは静電力を利用して駆動するものが可能である。
【0017】
抵抗付与部は、インクの輸送方向のコンダクタンスがその逆方向のコンダクタンスに比べて大きくなる幾何学的形状のものであればよい。例えば流路の断面積が最小になる喉を挟んで上流側で急激に断面積が増大し下流側で緩やかに断面積が増大する末広ノズル(デフィーザノズル)の形状にすることが可能である。キャビティ部の上流側およびキャビティ部と合流部との間のいずれか一方に複数の抵抗付与部を設けてもよいが、上流側およびキャビティ部と合流部の間の両方にそれぞれ複数の抵抗付与部を設ければ、インクの逆流は一層防止され、輸送効率の向上が増大する。
【0018】
この液体輸送装置は画像記録ヘッドに用いるものであり、異なるインクの吐出量を画像信号に基づいて制御することにより画像を形成する。この場合に異なるインクの合計吐出量は常にほぼ一定になるようにする。すなわち、吐出するインクを、乾燥後に実質的に画像を形成しない画像非形成インク(透明インク)と、乾燥後に実質的に画像を形成する画像形成インク(例えば黒インクなどの有色インク)とで形成し、これらのインクの合計流量が略一定となるように各インクの吐出量を制御する。
【0019】
1つのインク吐出口の上流側で色が異なる複数のインク流路および画像非形成インクのインク流路を集合させ、各インク流路から供給されるインクの量を別々に制御することによりインク吐出口から吐出される流体の色を設定するようにしてもよい。
【0020】
インクはインク吐出口より連続して吐出し、このインクを画像受容体へ連続した流体として移送する(連続塗布方式)。ここに1つのインク吐出口から画像受容体に移送するインクを画像非形成液と画像形成液とで形成する場合には、各液は均質に混合してもよいが、これらを混合せずに層状に重ねた状態で塗布するようにしてもよい。
【0022】
【実施態様】
図1は本発明の一実施態様である連続塗布方式の画像形成装置の概念図、図2はここに用いる画像記録ヘッドの拡大断面図、図3はそのインク吐出ポンプの構造説明図である。図1において符号10はプラテン、12はこのプラテン10に巻掛けられた画像受容体としてのプリント用紙である。このプリント用紙12はプラテン10の図上時計方向の回転によって一定速度で矢印方向に送られる。
【0023】
14は下塗り部であり、インクの付着性を向上させて画質の向上を図るために透明な下塗り液をプリント用紙12に塗布する。16は画像記録ヘッドであり、第1のインクと第2のインクとを混合してプリント用紙12に導くことによりプリント用紙12に画像を形成する。18はこの画像記録ヘッド16で画像が形成されたプリント用紙12を加熱し、インクを乾燥させるヒータである。
【0024】
画像記録ヘッド16は図2に示すように、第1のインク流路20と、第2のインク流路22とを備え、これらの各流路20,22にはそれぞれ第1のインクおよび第2のインクが供給される。各インクの流量はインク吐出ポンプ24,26によって制御されてから合流し、インク吐出口28に導かれる。
【0025】
インク吐出口28はプリント用紙12の幅方向の画素ごとに設けられ、各インク吐出口28からは各画素に対応して濃度および/または色が制御されたインクが吐出される。第1のインクとしては無色透明インク、すなわち乾燥した時に無色透明となるインクが使用可能であり、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの退色防止剤を含む。第2のインクは例えば黒色のインクである。
【0026】
これら第1および第2のインクはそれぞれインクタンク30,32に収容され、これらのインクタンク30,32からインク供給ポンプ34,36によってそれぞれ第1および第2のインク流路20,22に一定圧力で送出される。ここで用いるポンプ34,36として例えばインク吐出側に圧力調整弁を備え、吐出圧を一定に保持する構造のものが適する。またタンク30,32を密閉型のものとしてこれらに一定空気圧を供給することによりインクを加圧するものも適する。
【0027】
インク吐出ポンプ24,26は、例えば1つの画素に対応するものを共通の基板上に形成し、各画素ごとに用意した各基板を仕切板を挟んで積層することにより画像記録ヘッド16を作ることができる。
【0028】
ポンプ24,26は、可動部を持たない抵抗付与部42a〜42dおよび44a〜44dと、これらの抵抗付与部42bと42cの間および44b,44cの間に形成されたキャビティ部46,48と、このキャビティ部46,48に臨むダイヤフラム50,52と、これらのダイヤフラム50および52を駆動する駆動部54,56とを有する。
【0029】
すなわちキャビティ部46,48の上流側および下流側には、それぞれ2つの抵抗付与部42a〜42d、44a〜44dがある。上流側の抵抗付与部42aと42b、および44aと44bはそれぞれ連続して設けられ、下流側の抵抗付与部42cと42d、および44cと44dはそれぞれ連続して設けられている。
【0030】
抵抗付与部42a〜42dおよび44a〜44dは、可動部を持たず、このキャビティ部46,48に対してインクの流れ方向によってコンダクタンス(抵抗の逆数)が変化する形状とした絞りで形成される。すなわちこれらの抵抗付与部42a〜42d,44a〜44dはインクの流れ方向(輸送方向)に対するコンダクタンス(抵抗の逆数)がその逆方向に対するコンダクタンスよりも大きくなるような幾何学的形状を持つ絞りとしたものである。従って可動部分を持たず、マイクロマシンの製造方法によって製造することが容易である。4つの抵抗付与部42a〜42d,44a〜44dはいずれも同じ構造であるから、その1つの抵抗付与部42aを用いて構造を説明する。
【0031】
抵抗付与部42aは、図3に示すようにインクの流れ方向(図2、3の左から右に向かう方向)に向ってインク流路面積がほぼ連続的に増加する斜面Aと、逆方向に向ってインク流路面積が急激に増加する平面Bとを持つ。すなわち流路断面積が最小になる喉を挟みその下流側が長く上流側が短い末広ノズルとなっている。
【0032】
この抵抗付与部42aの動作を定性的に説明する。まずインクは図2、3上で左側から右側に向って流れる時には、インクは喉を通り斜面Aに沿って整流に近い流れとなって流れる。このためその時の圧力損失は小さくなり、流動抵抗が小さい。反対にインクが右側から左側へ向って流れる時には、インクは喉を通り平面Bにより急激に膨張することになり、乱流となる。このため圧力損失が大きくなり、流動抵抗が大きくなる。なお面A,平面Bの角度によってはこの流動抵抗が大きくなる流れ方向が逆になることもあり得るので、この時は抵抗付与部の向きを逆にする。
【0033】
抵抗付与部42bと42cの間および44bと44cの間には容積が変動するキャビティ部46,48があり、このキャビティ部46,48の容積は駆動部54,56により駆動されるダイヤフラム50,52によって変化する。駆動部54,56はピエゾ素子(圧電素子)、磁歪素子が適し、特にPZT(チタン酸鉛・ジルコン酸鉛固容体)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、PZTとチタン酸バリウムの固容体などを用いたピエゾ素子が最適である。
【0034】
なお駆動部54,56には、ピエゾ効果や磁歪効果を利用するものに代えて他の効果を利用するものでもよい。熱一圧力効果、静電引力もしくは静電斥力、画像形成に用いる複数の流体とは異なる流体の界面張力の効果、画像形成に用いる複数の流体とは異なる流体の電気分解and/or熱により生じる気泡、画像形成に用いる複数の流体とは異なる流体の流路抵抗を変化させて該液体の液圧を変化させる効果、などを利用するものでもよい。
【0035】
ダイヤフラム50,52の変動によってキャビティ部46,48の容積が変動すると、インクが抵抗付与部42a〜42dおよび44a〜44dを往復動する。この時のインク流動は図2、3で右方向に向かう時に抵抗は小さくなり、逆方向(左方向)に向かう時に抵抗が大きくなる。このためキャビティ部46,48の連続する容積変動により、インクは抵抗の小さい方向へ流れることになり、逆止弁として機能するものである。
【0036】
なお抵抗付与部はキャビティ部46,48の上流側および下流側にそれぞれ複数ずつ設ければポンプの機能が向上するが、上・下流側の一方に設ける抵抗付与部を1つとしてもよい。この実施態様のようにキャビティ部46,48を挟んで両側にそれぞれ2つ以上ずつ設ければ、ポンプの機能が一層向上する。
【0037】
駆動部54,56を駆動すると、ダイヤフラム50,52がキャビティ部46,48内へ進退動し、キャビティ部46,48の容積が変化する。このためインクはインク吐出口28に向って流れる。この時のダイヤフラム50,52の移動範囲を一定に規制しておけば、ダイヤフラム50,52の1回の往復動により吐出されるインク量は一定となる。従って各駆動部54,56に印加する駆動パルス数を制御することにより、第1および第2のインクの供給量を高精度に制御することができる。
【0038】
このように駆動部54,56の1回の往復動によるインク吐出量を一定にすれば、各インク吐出ポンプ24,26によるインク吐出量は駆動部54,56の駆動回数に比例することになる。ここでは各インク通路20,22から供給される第1および第2のインクの合計供給量S0を常に一定とするように、各駆動部54,56は制御部62(図1)によって制御される。
【0039】
この制御部62は、図2に示すように演算部64とドライバ66,68を備える。演算部64は、濃度信号(画像信号)に基づいて第1および第2のインクの混合割合(S1/S2)を演算する。ここに第1および第2のインクの供給量S1,S2は、その合計(S1+S2)が一定量S0となるように決める。ドライバ66,68は各流路20,22の供給量がS1,S2となるように駆動部54,56を駆動する。
【0040】
駆動部54,56はパルスによって駆動され、このパルス数によってダイヤフラム50,52の開閉回数が制御され、その結果流量S1,S2が制御されるように構成することができる。この場合に、インク流路20,22の流路抵抗やインク供給圧力やダイヤフラム50,52の開閉条件等が揃っていて、1つのパルスによってそれぞれが吐出するインク量が同じであるものとすれば、駆動部54,56の駆動パルス数の合計が一定になるように制御することにより、合計流量S0=S1+S2を一定に管理することができる。
【0041】
画像記録ヘッド16は前記したように基板と仕切板とを交互に積層したものである。各基板には、図2に示すように1つの画素に対応するインク吐出口28、インク流路20,22、インク吐出ポンプ24,26が形成される。ここに各基板のインク吐出口28は、プリント用紙12の走行方向に直交する直線上に並ぶ。またこの場合には隣接する各インク吐出口28の間隔は記録画像の画素間隔に一致する。従って1枚の基板と1枚の仕切板の合計厚さは画素間隔に一致する。
【0042】
前記したようにインク吐出ポンプ24,26で流量が制御された第1および第2のインクは、第1および第2の流路20,22が合流するインク吐出口28から連続流となって吐出され、このインク吐出口28に近接して対向するプリント用紙12に連続塗布される。この時駆動パルス数により合計吐出流量S1+S2=S0が一定になるように管理するから、インクを円滑かつ安定してプリント用紙12に塗布できる。この場合に第1および第2のインクは図2に示すように互いに混合せず乱れの無い層流として塗布する。
【0043】
ここに層流は、第1および第2のインクの境界近傍だけで混合した状態の流れを含む。第1、第2のインクは均一に混合してもよいが、このように層流とすることにより、プリント用紙12に形成した画像表面をいずれかのインク(ここでは第1のインク)で覆うことができる。またいずれかのインク(ここでは第2のインク)をプリント用紙12の下塗り層に対してなじみが良いインクとすることにより画質を向上させることができる。
【0044】
第1、第2のインク流路20,22およびインク吐出ポンプ24,26はプリント用紙12の幅方向(移動方向に直交する方向)に多数並設され画素ごとに設けられるから、各画素に対応するインク吐出ポンプ24,26をそれぞれの濃度信号(画像信号)によって制御することにより画像を形成することができる。この場合、各画素ごとにインク吐出口28を独立させてプリント用紙12に対向させておくことができる。またこれらのインク吐出口28をプリント用紙12の幅方向に連通するスリット内に開口させ、インク液体をこのスリットから帯状にプリント用紙12に移送し塗布することもできる。
【0045】
【他の実施態様】
図4はインク吐出ポンプの他の実施態様を示す図である。前記図3で示したインク吐出ポンプ24(26)は、キャビティ部46(48)の上流側に設けた2つの同一構造の抵抗付与部42a(44a)と42b(44b)とを連続して設け、また下流側に設けた2つの同一構造の抵抗付与部42c(44c)と42d(44d)とを連続して設けたものであった。
【0046】
図4に示すインク吐出ポンプ124は、キャビティ部46の上流側に設けた2つの同一構造の抵抗付与部42a、42bを所定の間隔を空けて設け、また下流側に設けた2つの同一構造の抵抗付与部42c、42dを所定の間隔を空けて設けたものである。なおこのインク吐出ポンプ124は前記した図2,3に示したインク吐出ポンプ24および26の両方あるいは一方に変えて用いることができる。
【0047】
図4において、抵抗付与部42a、42bの間隔あるいは42c、42dの間隔は同一であってもよいが、異なる間隔であってもよい。この間隔は、例えば管内に流体が充満して流れる場合に用いる助走距離(inlet length, entrance length, 入口長さともいう)Lを1つの指標として決めることができる。この助走距離Lは、流れが十分発達した層流あるいは乱流の速度分布を持つようになるまでの管入口からの距離と定義される。この助走距離Lはノズル形状により変化するが、層流では例えばL=0.065×Re×dで求めることができる。ここにReはレイノルズ数、dは流路径である。
【0048】
このように隣接して設ける抵抗付与部42aと42bの間隔や42cと42dの間隔を適切に設定すれば、ポンプ効率を一層向上させることが可能になる。
【0049】
【他の実施態様】
図5はインク吐出ポンプの他の実施態様を示す図である。このインク吐出ポンプ224は、キャビティ部46の上流側および下流側にそれぞれ3つずつの抵抗付与部42a、42b、42cと、42d、42e、42fを設けたものである。またこれらの抵抗付与部42a〜42fは形状が同一で間隔を変化させたものである。
【0050】
この実施態様によれば、抵抗付与部42a〜42fの間隔を変化させることにより、インクの物性変化や温度、流量などの変化に対してポンプ効率の変動を抑制することが可能になる。従って使用条件の広い変化に対してポンプ特性を安定させることができる。
【0051】
【他の実施態様】
図6と図7は、それぞれインク吐出ポンプの他の実施態様を示す図である。これらのインク吐出ポンプ324および424は、キャビティ部46の上流側および下流側にそれぞれ2つずつ抵抗付与部142a、142bおよび142c、142dを設け、これらの抵抗付与部142aと142b、142cと142dの形状を変化させたものである。
【0052】
すなわちキャビティ部46に近い抵抗付与部142b、142cの喉の流路断面積を、キャビティ部46から遠い抵抗付与部142a、142dの喉の流路断面積よりも大きくしたものである。このためキャビティ部46へのインクの流入および流出が前記図3〜5に示したものに比べて滑らかになり、結果的にインク吐出ポンプ324,424をインクが滑らかに流動することになる。
【0053】
なお図6のインク吐出ポンプ324と図7のインク吐出ポンプ424の相違点は、抵抗付与部142aと142bの間隔、および142cと142dの間隔である。図6のものではこの間隔を0として抵抗付与部142aと142b、142cと142dを連続させた。図7のものではこの間隔を設けて例えば前記助走距離Lの間隔としたものである。この図7のものによれば、前記図4と図6に示すものの長所を兼ね備えたものとすることができる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、画像非形成インクと画像形成インクとを合流部で合流させて画素ごとに設けたインク吐出口から吐出させるインク流路と、インク送出方向に一定圧力を加えるインク供給ポンプと、インク流路に設けたキャビティ部の上流側およびこのキャビティ部と合流部との間に、可動部を持たない抵抗付与部を設け、これらの抵抗付与部はインクの輸送方向にコンダクタンスが大きく逆方向に小さくなる向きに揃え、画像非形成インクおよび画像形成インクの吐出量をこれらの合計流量が略一定となるように画像信号に基づいて画素ごとに制御しつつこれらインクを合流部で合流させ連続流としてインク吐出口から吐出させ画像受容体に連続した流体として移送させるように制御した画像記録ヘッド用の液体輸送装置であるから、インクの逆流阻止効果を増大させ、ポンプとしての効率を向上させ、異なるインクを合流させ連続流として吐出させつつ画像を形成することができる。またこの抵抗付与部は可動部を持たないから、製作が容易であり、例えばマイクロマシンの製造方法を用いて製作することも可能になる。
【0055】
キャビティ部の容積を変化させるには、キャビティ部の壁を駆動部により振動させてもよい(請求項2)。しかし壁の一部をダイヤフラムとしてもよい。抵抗付与部はキャビティ部の上流側とキャビティ部と合流部との間にそれぞれ複数ずつ設けてもよい(請求項3)。
【0056】
この液体輸送装置はプリンタなどの画像記録ヘッドに用いるものであり、この場合各画素ごとに設けたインク吐出口に供給する画像非形成インクおよび画像形成インクの量をこの液体輸送装置を用いて制御する。また画像非形成インクと画像形成インクを合流させて画像信号に対応する濃度あるいは/および色のインクを形成し、これを画像受容体に移送し、この時合計流量が略一定となるようにするから画像受容体へのインクの移送が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である画像形成装置の概念図
【図2】画像記録ヘッドの拡大断面図
【図3】インク吐出ポンプの説明図
【図4】インク吐出ポンプの他の実施態様を示す図
【図5】インク吐出ポンプの他の実施態様を示す図
【図6】インク吐出ポンプの他の実施態様を示す図
【図7】インク吐出ポンプの他の実施態様を示す図
【符号の説明】
12 画像受容体としてのプリント用紙
16 画像記録ヘッド
20 第1のインク流路
22 第2のインク流路
24、26、124、224、324、424 インク吐出ポンプ
28 インク吐出口
42a〜42f、44a〜44f 抵抗付与部
46、48 キャビティ部
50、52 ダイヤフラム
54、56 駆動部

Claims (3)

  1. インク流路の途中に設けたインク吐出ポンプをパルス駆動することにより前記インク吐出ポンプが持つキャビティ部の容積を変化させ、インクを画像受容体に移送させて画像を形成する画像記録ヘッドに用いる液体輸送装置において、
    乾燥後に実質的に画像を形成しない画像非形成インクと乾燥後に実質的に画像を形成する画像形成インクとを合流部で合流させて画素ごとに設けたインク吐出口から吐出させるインク流路と、前記インク流路のインクに一定圧力を付与するインク供給ポンプと、前記インク流路内に前記キャビティ部の上流側および前記キャビティ部と前記合流部との間にそのコンダクタンスが大きくなる方向をインクの輸送方向に揃えて設けた可動部を持たない抵抗付与部と、画素に対して前記インク吐出ポンプが吐出する前記画像非形成インクおよび画像形成インクの吐出流量をこれらの合計流量が略一定となるように画像信号に基づいて駆動パルス数により制御しつつこれらのインクを前記合流部で合流させ前記インク吐出口から連続流として吐出させて前記画像受容体に連続した流体として移送させる制御部とを備えることを特徴とする液体輸送装置。
  2. キャビティ部には駆動部により駆動される可動壁が設けられ、前記可動壁の移動によりキャビティ部の容積を変化させる請求項1の液体輸送装置。
  3. 抵抗付与部はキャビティ部の上流側およびキャビティ部と合流部の間にそれぞれ複数ずつ設けられている請求項1〜2のいずれかの液体輸送装置。
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