JP2000246920A - 画像形成方法、装置および記録ヘッド - Google Patents

画像形成方法、装置および記録ヘッド

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JP2000246920A
JP2000246920A JP35100999A JP35100999A JP2000246920A JP 2000246920 A JP2000246920 A JP 2000246920A JP 35100999 A JP35100999 A JP 35100999A JP 35100999 A JP35100999 A JP 35100999A JP 2000246920 A JP2000246920 A JP 2000246920A
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ink
image forming
image
inks
forming apparatus
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JP35100999A
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Ryoichi Yamamoto
亮一 山本
Nobuo Matsumoto
伸雄 松本
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の濃度および/または色が異なるインク
を混合して所望の混合比のインク液体を生成し画像を形
成する場合に、乾燥後に実質的に画像を形成する画像形
成インクが自然拡散などによって混入して画像信号に忠
実な画像が得られなくなるのを防ぐ。 【解決手段】 少なくとも1つの画像形成インクの単位
時間当たりの容積流量が常にゼロにならないようにす
る。このインクの最少付加量は、このインクが他のイン
クに自然拡散により混入する容積分をリフレッシュする
程度の流量とすればよく、またこのインクの付加が画質
に悪影響を及ぼさない流量以下にすべきである。インク
の合流部は防振することにより振動などの外乱による混
合を抑制するのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のインクの
混合割合を画像信号に基づいて変化させることにより所
定濃度および/または所定の色の流体を生成し、この流
体を画像受容体に導いて画像を形成する画像形成方法
と、装置と、記録ヘッドとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,109,282号(以下
先行技術文献1という)には、クリアーインクとブラッ
クインクの2液を、画像形成用の基体へ導くための流路
中に、フラップバルブと称する弁を設け、この弁を変位
させることによって各インクの流路を開閉し、2液を所
望の濃度に混合して基体上に移送するプリント装置が開
示されている。これによりTVスクリーンに表示された
画像情報と同じグレースケール情報を持った画像をプリ
ントアウトできるようにしたものである。ここには、フ
ラップバルブの弁とその対向面に設けられた電極との間
に電圧を印加し、その静電引力で弁自身を機械的に変形
させることにより弁を変位させることが開示されてい
る。またインクはフラップバルブの先端からプリント用
紙の繊維間でインクに作用する毛細管現象によって用紙
に吸い出される。
【0003】米国特許第4,614,953号(以下先
行技術文献2)には、同じく複数の色の異なったインク
と溶媒を所望の量だけ第3のチャンバーへ導き混合させ
るプリンターヘッド装置が開示されている。ここには所
望の量のインクを秤量する手段として、チャンバーと、
このチャンバーに取り付けられたダイアフラム状のピエ
ゾ効果素子部とを用い、このピエゾ素子を駆動させて得
られる圧力パルスを用いることが開示されている。
【0004】特開平5−201024号(以下先行技術
文献3)には、キャリア液体が充填される液体室と、液
体室に設けられたインクジェット駆動手段と、前記液体
室に連通するノズルと、このノズル内のキャリア液体に
インクを混合する混合部とを備えたインクジェットプリ
ントヘッドが開示されている。またここには、インクの
混合量を所望の値に調整するための逆止弁構造の調整手
段を設けることも開示されている。
【0005】特開平7−125259(以下先行技術文
献4)には、同様に、第1と第2の濃度を有するインク
を供給する第1および第2の供給手段と、所望のインク
濃度になるように第2の供給手段による第2のインクの
供給量を制御する制御手段とを有するインクジェット記
録ヘッドが開示されている。
【0006】ここには制御手段として、専用の発熱素子
を持ちその熱エネルギーをもって駆動されるマイクロポ
ンプによるものが開示されている。このマイクロポンプ
としては、発熱素子により熱エネルギーを発生させ、そ
れにより生じた核沸騰による圧力で、例えばピストン状
の弁、もしくは片持ち梁的な弁を駆動する例が開示され
ている。またここには、この弁に形状記憶合金からなる
アクチュエータを組合せて使用することにより、特に流
入量の少ない領域においてインク流入量を効果的に制御
することが可能になると説明されている。
【0007】特開平3−207664号(以下先行技術
文献5)には、先行技術文献2と似た構造であるが、複
数のインクを混ぜ合せるための第3のチャンバを用いな
い構造のものが示されている。
【0008】特開平9−156131号(以下先行技術
文献6)には、画像データに基づいて、複数色の画像を
形成する複数のプリンタヘッドを備え、インクと希釈液
とを所定の混合比で混合して希釈インクとなし、前記希
釈インクをノズルから噴射して記録媒体上に記録画像を
形成するインクジェットプリンタが示されている。ここ
に、前記複数のプリンタヘッドに、インク混合量が小さ
く明確な印画濃度に達しないとき、例えば全白の画像デ
ータが入力されたときには、複数のプリンタヘッドのう
ち、少なくとも一つのプリンタヘッドから前記希釈液を
吐出させることにより、急激な階調変化(トーンジャン
プ)が発生するのを防ぎつつ希釈液の余剰な消費を抑
え、乾燥性を向上させるインクジェットプリンタが開示
されている。
【0009】特開平10−264372号(以下先行技
術文献7)には、インク吐出ノズルを直線上に並べた複
数のラインヘッドを用いたものが示されている。ここに
各ラインヘッドをプリント用紙の送り方向に偏位させて
並べると共に、各ラインヘッドのノズルの位置をプリン
ト用紙の幅方向に相対的に偏位させることにより、画素
密度を高めるものである。また各ノズルからは単一色の
インクが吐出されるものであり、ラインヘッドごとに異
なる色のインクを吐出することにより異なる色のインク
滴を組み合わせることによってプリント用紙上で所定の
色を表出させるものである。
【0010】
【従来技術の問題点】先行技術文献1に示されたもので
は、2つの液の吐出口がそれぞれ別々に直接プリント用
紙に開口し、各液は吐出直後にプリント用紙にそれぞれ
毛管現象で別々に吸引される。このためプリント用紙の
紙質の影響を受けて各液の用紙による吸引量が変動し易
く、画質が不安定になったり画像信号に対する忠実な画
像形成が困難になるという問題があった。
【0011】先行技術文献2〜6はいずれも複数のイン
クを予め混合しあるいは合流させた後、この混合液(合
流液を含む)をプリント用紙に導くものである。ここに
複数のインクは混合部(合流部)で常に互いに接触して
いて、各インクはこの混合部へ所定量ずつ吐出されて混
合されるものである。すなわち各インクの吐出口は混合
部に開口し集合している。このため各インクは相互に自
然拡散することが避けられない。
【0012】例えば画像信号に従ってあるインクが混合
室に吐出されない時であっても、このインクは混合室に
自然拡散する。このため最終的に混合されたインク液体
の濃度または/および色が画像信号と異なってしまい、
画像信号に忠実な画像を形成することができなくなると
いう問題が生じる。このインクの自然拡散が小さくて
も、混合部に振動やその他の外乱により接触界面の乱れ
が生じると、インクの混合が促進されて前記の問題は一
層顕著になる。
【0013】前記先行技術文献7に示された従来技術
は、1つのノズルからは単一色のインクを吐出するもの
であるから、1つの画素を複数(3色または4色以上)
のインク滴で形成することになる。このため画素密度を
高めることが困難であり、画質向上にも制約があるとい
う問題があった。
【0014】なお先行技術文献3には主としてインク同
志の自然拡散を防止するために、インク流路の混合部へ
の開口付近に逆止弁として機能する調整手段を設けるこ
とが示されている。しかし、このような逆止弁構造の調
整手段を設けるとプリントヘッド構造が複雑になり、製
造が困難となったり、生産性が低下したり、生産コスト
の上昇を招くという問題が生じる。
【0015】また先行技術文献6には急激な階調変化
(トーンジャンプ)を防ぐために、全白の画像データの
時に色の無い希釈液を流し続けることが示されている
が、この場合にも無色透明でないインクはこの希釈液内
に拡散し続けるから、前記の問題は防止できない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこのような
事情に鑑みなされたものであり、複数の濃度および/ま
たは色が異なるインクを混合することによって所望の濃
度および/または色のインク液体を生成し、このインク
液体を画像受容体へ移して画像を形成する場合に、画像
信号によって設定された混合比のインク液体に、少なく
とも乾燥後に画像を形成する画像形成インクが自然拡散
などによって混入することによって、インク液体の濃度
および/または色が画像信号と異なるものとなって画像
信号に忠実な画像が得られなくなるという問題を極めて
簡単な方法で解決し、画像信号に忠実な画像を得ること
ができる画像形成方法を提供することを第1の目的とす
る。またこの方法の実施に直接使用する画像形成装置を
提供することを第2の目的とする。さらにこの画像形成
装置を製造するために用いる記録ヘッドを提供すること
を第3の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明によれば第1の
目的は、1つの画素に対して複数のインクをそれらの混
合割合を画像信号に基づいて変化させつつ共通のインク
吐出口から吐出させ、かつこのインク吐出口に対して相
対移動する画像受容体に移送することによって画像を形
成する画像形成方法において、前記複数のインクのうち
少なくとも乾燥後に画像を形成する少なくとも1つの画
像形成インクの単位時間当たりの体積流量がゼロになら
ないように画像形成インクの流量を制御することを特徴
とする画像形成方法、により達成される。
【0018】画像形成インクの最少付加量は、このイン
クが他のインクに自然拡散によって混入する容積分をリ
フレッシュするのに必要とする流量と同量またはこれよ
り多くすればよい。しかしこのインクの付加による濃度
および/または色の変化が画像品質の劣化を招かない程
度の付加量に抑制すべきであるから、このインクを付加
したことによるインク液体の光学濃度の変化が0.1未
満となるような付加量とするのが望ましい。ここに光学
濃度(Optical Density)は物質が光を吸収する程度を
意味し、光学濃度をD、I0を入射光強度、Iを透過光
の強度とした時に、D=log10(I0/I)で定義され
る。複数のインクが合流する部分は防振することによっ
て、インクの振動および外乱による接触界面の乱れが生
じるのを抑制して、拡散を防ぐのがよい。
【0019】画像受容体はプリント用紙として、このプ
リント用紙に直接画像を形成することができる。しかし
吐出口と画像受容体との間にドラム状あるいはベルト状
の中間画像受容体を介在させ、吐出口から供給されるイ
ンク液体をこの中間画像受容体上に載せてからこのイン
ク液体を画像受容体に転写する方式としてもよい。イン
ク吐出口は画像受容体の幅方向(移動方向に直交する方
向)に並ぶ画素毎に別々に設けるのがよいが、画像受容
体の移動方向にのみ濃度および/または色を変化させる
場合にはインク吐出口を画像受容体の幅方向に長いスリ
ット状としてもよい。
【0020】少なくとも一種のインクは画像非形成イン
ク、すなわち乾燥後に無色透明になって画像を形成しな
いインク(以下画像非形成インク、無色透明インクなど
という)とすれば、この画像非形成インクの混合割合を
変えることにより濃度を制御することができ、この画像
非形成インクの供給量は0にならないように常時加える
のがよい。この場合にはこの画像非形成インクに酸化防
止剤や紫外線吸収剤などの退色防止剤や他の成分を含有
させておくことにより、画像に退色防止や他の性質を付
与することができる。複数のインクはイエロー、マゼン
ダ、シアンのインクとし、これらの混合比を変えること
によりカラー画像を形成することができる。
【0021】複数のインクの流量は画素ごとに制御する
ことにより画像受容体の移動方向および幅方向の両方向
に濃度および/または色が変化する画像を形成すること
ができる。
【0022】インク吐出口から吐出される複数のインク
はインクジェット方式によって液滴として画像受容体に
移送すなわち飛翔させることができるが、液滴とせずに
連続流として画像受容体に移し塗布することも可能であ
る(連続塗布方式)。この連続塗布方式の場合には画素
ごとに設けたインク吐出口を幅方向につなぐスリットを
介して液体流を連続流として吐出させ、画像受容体に移
すことができる。
【0023】複数のインクの流量(インク流量)は種々
の方法により制御することができる。例えば各インク流
路へのインク供給圧力を一定に保ちつつ、各インクの流
路の断面積をピエゾ素子によって変化させるものが可能
である。この場合流路に臨むダイヤフラム弁をピエゾ素
子で開閉する。ピエゾ素子は素子自身の機械的固有振動
数(共振周波数)で駆動することができ、この周波数の
パルス数を変えることにより素子の駆動時間を変え、流
量を制御する。ピエゾ素子はアナログ信号によって連続
的にその歪量(ダイヤフラム弁の開度)を制御すること
もでき、この場合にはアナログ信号の電圧により流量を
制御する。
【0024】各インク流路に供給する流量をインク供給
ポンプの吐出量を変えることにより制御してもよい。例
えばこのインク供給ポンプをパルスモータ(ステッピン
グモータ)で駆動し、このパルスモータの駆動パルス数
によってインク流量を制御することができる。インク供
給ポンプは、インク流路に設けた少なくとも1つの逆止
弁と、この逆止弁近傍に設けたキャビティ部と、このキ
ャビティ部の容量を変化させる可動部材とを備え、この
キャビティ部の容量を変化させることによってインクを
吐出するものであってもよい。
【0025】ここに用いる逆止弁は、インクの流れ方向
とその逆方向ととの抵抗が前者で小さく後者で大きくな
るような幾何学的形状のもので構成でき、このような逆
止弁であれば可動部分が無く、集積回路やプリント配線
板の製造方法やマイクロマシンの製造方法などを利用し
て製作することが可能である。インク供給ポンプはパル
スモータにより駆動するものであってもよい。
【0026】パルスモータ駆動のインク供給ポンプを設
けた場合には、インク供給ポンプは、モータの回転量に
吐出量が比例する容積型のものが望ましく、例えば円形
のケース内面に密着させた可撓性チューブを内周側から
偏心輪で一定方向にしごく形式のポンプや、ベーンポン
プ、ギヤポンプなどが適する。
【0027】各インク流路に設けるインク供給ポンプ
は、ピエゾ素子と逆止弁とで形成することができる。こ
の場合ピエゾ素子は素子に固有な機械的共振周波数で駆
動されるダイヤフラム弁となる。各ピエゾ素子の駆動周
波数のパルス数(一定時間内あるいは単位時間内のパル
ス数)を制御することにより各インク流路からの吐出体
積流量を制御することができる。
【0028】この発明によれば前記第2の目的は、複数
のインクをそれらの混合割合を画像信号に基づいて変化
させつつインク吐出口から吐出させ、かつこのインク吐
出口に対して相対移動する画像受容体に移送することに
よって画像を形成する画像形成装置において、前記複数
のインクのインク流量をそれぞれ独立に制御するインク
流量制御手段と、前記画像信号に対応する各インクの混
合割合でかつ少なくとも乾燥後は実質的に画像を形成す
る少なくとも1つの画像形成インクの単位時間当たりの
体積流量がゼロにならないように各インクのインク流量
を求める演算部と、この演算部の演算結果に基づいて前
記インク流量制御手段を駆動するドライバとを備えるこ
とを特徴とする画像形成装置、により達成される。
【0029】インク流量を制御するためには、複数のイ
ンクの流路に例えばピエゾ素子で駆動するダイヤフラム
式の流量制御弁を設ければよい。ピエゾ素子で駆動する
ダイヤフラム弁に代えて、熱−圧力効果によるダイヤフ
ラム弁や、静電引力あるいは静電斥力によるダイヤフラ
ム弁を用いてもよい。この場合インク流路へのインク供
給圧力は常に一定に保つことは勿論である。またこの流
量制御弁に代えて、インク流路にインクを供給するイン
ク供給ポンプの吐出量を制御してもよい。このポンプは
容積型のものとしてパルスモータで駆動するのがよい。
【0030】インク流量制御手段は、インク流路に設け
た逆止弁と、この逆止弁近傍に設けたキャビティ部と、
このキャビティ部の容量を変化させる可動部材とを備
え、キャビティ部の容量を変化させることによりインク
を吐出する構造のものであってもよい。ここに逆止弁
は、インクの流動方向とその逆方向とでインク流動抵抗
が前者で小さく後者で大きくなるような幾何学的形状の
ものとすることができる。可動部材はピエゾ素子で駆動
される(あるいはピエゾ素子自身により形成される)ダ
イヤフラムで構成することができる。可動部材は、熱・
圧力効果や、静電引力もしくは静電斥力、磁歪効果、イ
ンクと別の流体の界面張力効果などを利用して駆動する
ダイヤフラムや、インクとは別な流体の電気分解による
気泡により駆動されるダイヤフラムで構成することもで
きる。
【0031】インク吐出口は画像受容体の幅方向に並ぶ
画素ごとに並設させ、これらを独立して画像受容体に対
向させることができる。この場合にはインクジェット方
式によってインクの液滴を移送することができる。また
この場合にインクジェット方式に代えて連続塗布方式に
よって塗布してもよい。連続塗布方式にする時には、各
インク吐出口から吐出される流体を画像受容体の幅方向
に長いスリットを介して画像受容体に導くことができ
る。このようにスリットを介すことにより、インク液体
流を定常流として一層安定させて画像受容体に導くこと
ができる。
【0032】連続塗布方式の場合にはインク吐出口から
吐出される液体を中間画像受容体に移し、この中間画像
受容体から画像受容体にインク液体を転写することがで
きる。このように中間画像受容体を介することによりイ
ンク吐出口から吐出されるインク液体の移転を円滑に行
わせ、プリント用紙などの画像受容体の品質不揃いなど
に起因する画質不良の発生を防ぐことができる。
【0033】この発明によれば前記第3の目的は、請求
項18〜37のいずれかの画像形成装置に用いる記録ヘ
ッドであって、インク吐出口が、画像受容体の相対移動
方向に対して直交またはほぼ直交する直線上に沿って配
列されていることを特徴とする記録ヘッド、により達成
される。
【0034】インク吐出口は、隣接するものを画像受容
体の相対移動方向に対して直交またはほぼ直交する互い
に平行な複数の直線に振り分けるようにすれば、画素密
度を上げることが可能になる。
【0035】
【作用】インク吐出口から吐出される複数のインクのう
ち乾燥後に実質的に画像を形成する少なくとも1つの画
像形成インクの流量(単位時間当たりの容積流量)が常
にゼロにならないように管理されているから、この画像
形成インクの混合量を常に把握して管理することができ
る。この場合1画素に対するインクの自然拡散による液
の拡散長はかなり短いから、この拡散した程度の容積を
リフレッシュするための流量を最少流量とするのがよ
い。この結果インクの自然拡散による色および/または
濃度の変動が抑制され、高画質の画像を形成することが
できる。
【0036】
【実施態様】図1は本発明の一実施態様である連続塗布
方式の画像形成装置の概念図、図2はここに用いる画像
形成部の拡大断面図である。図1において符号10はプ
ラテン、12はこのプラテン10に巻掛けられた画像受
容体としてのプリント用紙である。このプリント用紙1
2はプラテン10の図上時計方向の回転によって一定速
度で矢印方向に送られる。
【0037】14は下塗り部であり、インクの付着性を
向上させて画質の向上を図るために透明な下塗り液をプ
リント用紙12に塗布する。16は記録ヘッドとなる画
像形成部であり、第1のインクと第2のインクとを混合
してプリント用紙12に導くことによりプリント用紙1
2に画像を形成する。18はこの画像形成部16で画像
が形成されたプリント用紙12を加熱し、インクを乾燥
させるヒータである。
【0038】画像形成部16は図2に示すように、第1
のインク流路20と、第2のインク流路22と、これら
の各流路20,22の流路断面積を変化させるインク流
量制御手段としての流量制御弁24,26とを備える。
第1のインクとしては画像非形成インク、すなわち乾燥
した時に実質的に画像を形成しないインクであり、酸化
防止剤や紫外線吸収剤などの退色防止剤を含む。第2の
インクは乾燥後に実質的に画像を形成する画像形成イン
クであり、例えば黒色のインクである。
【0039】これら第1および第2のインクはそれぞれ
インクタンク28,30に収容され、これらのインクタ
ンク28,30からインク供給ポンプ32,34によっ
てそれぞれ第1および第2のインク流路20,22に一
定圧力で送出される。ここで用いるポンプ32,34と
して例えばインク吐出側に圧力調整弁を備え、吐出圧を
一定に保持する構造のものが適する。
【0040】流量制御弁24,26は、例えばピエゾ素
子24A、26Aと、この素子24A、26Aの歪みに
よってインク流路20,22内に進退動するダイヤフラ
ム24B、26Bとを有する。これらのピエゾ素子24
A、26Aは、制御部36(図1)によって、各インク
通路20,22から供給される第1および第2のインク
の供給量S1、S2を制御する。
【0041】この制御部36は、図2に示すように演算
部38とドライバ40,42とを備える。演算部38
は、濃度信号(画像信号)に基づいて第1および第2の
インクの混合割合(S1/S2)を演算する。ここに黒い
第2のインクの供給量S1は常にゼロにならないように
する。なお第1および第2のインクの供給量S1,S
2は、その合計(S1+S2)が一定量S0となるように決
めれば、後記するようにインク流体の流動が安定し、乱
れやうずが発生せず、安定した画像形成が可能になる。
ドライバ40,42は各流路20,22の供給量が
1,S2となるようにピエゾ素子24A、26Aを駆動
する。
【0042】例えばピエゾ素子24A、26Aは素子固
有の機械的な共振周波数を有するパルスによって駆動さ
れ、このパルス数によってダイヤフラム24B、26B
の開閉回数が制御され、その結果流量S1,S2が制御さ
れるように構成することができる。この場合に、インク
流路20,22の流路抵抗やインク供給圧力やダイヤフ
ラム24B、26Bの開閉条件等が揃っているものとす
れば、ピエゾ素子24A、26Aの駆動パルス数の合計
が一定になるように制御することにより、合計流量S0
=S1+S2を一定に管理することができる。
【0043】また第2のインクの供給量S2の最少供給
量S20は、例えばこのインクを付加したことによるイン
ク液体の光学濃度の変化が0.1以下となるように設定
する。このようにすれば画像の全白の部分(下地部分な
ど)の濃度変化を人の目でほとんど識別できない程度に
抑えることができるからである。なおこのように第2の
インクの供給量S2を全白の時でも微少量(最少供給
量)S20付加するのに伴い、制御部36の演算部38で
は必要に応じて濃度階調を修正する。
【0044】このように流量が制御された第1および第
2のインクは、第1および第2の流路20,22が合流
するインク吐出口44から連続流となって吐出され、こ
のインク吐出口44に近接して対向するプリント用紙1
2に連続塗布される。この場合に第1および第2のイン
クは図2に示すように互いに混合せず乱れの無い層流と
して塗布する。ここに層流は第1および第2のインクの
境界近傍だけで混合した状態の流れを含む。第1,第2
のインクは均一に混合してもよいが、このように層流と
することにより、プリント用紙12に形成した画像表面
をいずれかのインク(ここでは第1のインク)で覆うこ
とができる。またいずれかのインク(ここでは第2のイ
ンク)をプリント用紙12の下塗り層に対してなじみが
良いインクとすることにより画質を向上させることがで
きる。
【0045】第1,第2のインク流路20,22および
流量制御弁24,26をプリント用紙12の幅方向(移
動方向に直交する方向)に多数並設し、例えば画素ごと
に設けておけば、各画素に対応する流量制御弁24,2
6をそれぞれの濃度信号(画像信号)によって制御する
ことにより画像を形成することができる。この場合、各
画素ごとにインク吐出口44を独立させてプリント用紙
12に対向させておくことができる。またこれらのイン
ク吐出口44をプリント用紙12の幅方向に連通するス
リット内に開口させ、インク液体をこのスリットから帯
状にプリント用紙12に移送し塗布することもできる。
【0046】
【他の実施態様】図3はこのような画像形成部(記録ヘ
ッド)16Aの一実施態様を示す斜視図、図4はその塗
布状態を示す拡大断面図である。この画像形成部16A
は、画素ごとに独立したインク吐出口44と、各画素の
インク吐出口44と平行なスリット44Aとを備え、各
インク吐出口44から連続的に吐出されるインク液体が
スリット44A内で層流となって帯状に集合し、プリン
ト用紙12に吐出される。
【0047】この画像形成部16Aには下塗り部14A
が一体に組込まれている。下塗り部14Aは、第1およ
び第2のインク流路20,22と平行な下塗り液流路1
4Bと、前記スリット44Aと平行なスリット14Cと
を備える。下塗り液Lは無色透明でプリント用紙12の
表面にインクが安定して付着するように下処理するもの
であるから、プリント用紙12の移動方向に対して画像
形成部16Aのスリット44Aの上流側に位置する。
【0048】この下塗り液Lは、インク液体INKの連続
塗布時にインク液体INKの流動に乱れやうずが発生する
のを防止して、画質を向上させる機能も有する。すなわ
ち図4に示すように、画像形成部16Aがプリント用紙
12との間に形成する間隙G内では、スリット14Cか
ら出た直後の下塗り液Lの一部がスリット14Cの上流
側に流れて液溜まりL1ができる。この液溜まりL1内
では下塗り液Lのうずが発生することがあるが、下塗り
液Lは透明なので塗布面に影響は生じない。
【0049】下塗り液Lはプリント用紙12の移動に伴
って一定厚さの安定した層流となってスリット44Aの
前に来るから、このスリット44Aから吐出されるイン
ク液体INKはこの安定した下塗り液Lの層流の上に載っ
て塗布される。このためインク液体INKの流動に乱れや
うずが発生せず、画像品質を向上させることができるも
のである。
【0050】画像形成部16Aにはさらに第3のインク
流路23を設けてもよい。この第3のインク流路23か
ら供給される第3のインクを流量制御弁(図示せず)を
介してインク吐出口44に導き、第1のインクおよび第
2のインクと共にプリント用紙12に移す。この第3の
インク流路23を設ける場合には、第1,第2,第3の
インク流路20,22,23にイエロー、マゼンダ、シ
アンの色インクを供給し、これらの混合比を変化させる
ことによりカラー画像の形成が可能になる。
【0051】
【他の実施態様】図5は他の実施態様である画像形成部
(記録ヘッド)116を示す断面図である。この画像形
成部116は、前記図1〜4で説明した流量制御弁2
4,26に代えて、第1および第2のインク流路20,
22に供給するインクの流量をインク供給ポンプ13
2,134の吐出量を変化させることによって制御する
ものである。
【0052】ここにポンプ132,134は吐出量が回
転数に比例する容積型のものであり、例えば円形のケー
ス内面に密着させた可撓性チューブを、内周側から偏心
輪で押圧しながらチューブを一定方向にしごく形式のポ
ンプが適する。このポンプ132,134はパルスモー
タ(ステッピングモータ)によって駆動される。このモ
ータは駆動パルス数によってその回転量が制御でき、こ
の結果ポンプ132,134の吐出量を制御することが
できる。
【0053】制御部136は演算部138と、ドライバ
140,142で形成される。演算部138は濃度信号
(画像信号)に基づいて第1および第2のインクの混合
割合を決定し、この混合割合に対応して各ポンプ13
2,134のモータに送るパルス数n1,n2を求める。
ドライバ140,142はそれぞれパルス数n1,n2
駆動パルスを各モータに送り、ポンプ132,134を
駆動する。この結果第1,第2のインク通路20,22
に所定量の第1,第2のインクが供給され、これらが一
定流量のインク液体となってインク吐出口44からプリ
ント用紙12に移送される。
【0054】
【他の実施態様】図6は他の実施態様である画像形成部
(記録ヘッド)216を示す断面図である。この実施態
様は、第1および第2のインクを供給するインク供給ポ
ンプ232,234をシリンダポンプで形成したもので
ある。なおポンプ232,234は同じ構造であるから
その一方のポンプ232だけ説明する。
【0055】シリンダポンプは、シリンダ232aと、
ピストン232bと、このピストン232bを進退動さ
せる送りねじ232cと、この送りねじ232cを回転
駆動するパルスモータ232dとを有する。モータ23
2dの正逆転によってピストン232bはシリンダ23
2a内を進退動する。ピストン232bの退出動に伴っ
てシリンダ232aには一方向弁232eを介してイン
クタンク28から第1のインクが吸入され、ピストン2
32bの進入動に伴いこのインクは一方向弁232fを
介して第1のインク流路20に送出される。
【0056】ここにピストン232bの移動量はモータ
232dの回転量に比例する。従って1枚の画像を形成
する前にピストン232bを十分に退出方向へ移動させ
て、シリンダ232a内に第1のインクを十分に吸入し
た後、モータ232dを濃度信号に応じた回転量だけ回
転させることによりピストン232bを所定の移動量だ
け進入方向に送り、所定量の第1のインクをインク流路
20に送出できる。ポンプ232,234のモータ23
2d(一方のみ図示)は、前記図5に示した実施態様と
同様な制御部136によって駆動することができる。
【0057】
【他の実施態様】図7は他の実施態様である画像形成部
(記録ヘッド)316を示す断面図である。この実施態
様は、図5,6におけるインク供給ポンプ132,13
4および232,234に代えて、ピエゾ素子を用いた
インク供給ポンプ332,334を用いたものである。
このポンプ332,334は、ピエゾ素子332a、3
34aと、これらのピエゾ素子332a、334aを1
つの壁面とするキャビティ部332b、334bと、こ
のキャビティ部332b、334bに対してインクの流
れ方向によってコンダクタンス(抵抗の逆数)が変化す
る形状とした入口332c、334cおよび出口332
d、334dとを有する。ピエゾ素子332a、334
aのキャビティ部332b、334bに接する面には、
何らかの表処理面を施したり保護層を設けておくのが望
ましい。
【0058】このためピエゾ素子332a、334aを
駆動し変形させると、キャビティ部332b、334b
の容積が変化し、インクは入口332c、334cから
出口332d、334dの方向に流れる。ピエゾ素子3
32a、334aは各素子の機械的共振周波数のパルス
電圧で駆動される。従って各ピエゾ素子332a、33
4aの駆動パルス数を制御することにより、第1および
第2のインクの供給量を制御することができる。この場
合には前記図2に示した制御部36と同様の制御部を用
いることができる。
【0059】
【他の実施態様】図8〜12は他の実施態様であるイン
ク移送手段を備える画像形成部(記録ヘッド)を示す。
図8はピエゾインクジェット方式、図9はサーマルイン
クジェット方式、図10はコンティニュアスインクジェ
ット方式、図11は静電吸引インクジェット方式、図1
2は超音波インクジェット方式をそれぞれ示す。
【0060】これらの実施態様では前記図2と同様なピ
エゾ素子24A、26Aを用いた流量制御弁24,26
で制御された第1および第2のインクがインク吐出口4
4に導かれる。図8のインク移送手段Aでは、このイン
ク吐出口44付近に設けた吐出用ピエゾ素子400を用
いてインクを液滴402として吐出し、プリント用紙1
2に導くものである。
【0061】図9のインク移送手段Bでは、インク吐出
口44付近に設けたヒータ404によってインク液体を
加熱してバブル406を発生させ、インク液滴402を
吐出させるものである。図10の方式では、インク吐出
口44の前に設けた電極408(408a、408b)
間に発振器410によって画像信号に応じた高電圧を印
加する。この結果、インク吐出口44から引出したイン
ク液滴402は画像信号に応じた電荷が付与される。こ
れを偏向電極409(409a、409b)によって偏
向させ、不要な液滴402bをじゃま板412で除去し
つつ必要な液滴402aだけをプリント用紙12に導く
ものである。
【0062】図11のインク移送手段Dでは、インク吐
出口44を小径に絞り、このインク吐出口44とプリン
ト用紙12との間に発振器414による画像信号に応じ
た直流高電圧を印加する。高電圧によってインク吐出口
44からインク液滴402を引出してプリント用紙12
に吸引するものである。図12のインク移送手段Eでは
インク吐出口44の外壁に超音波トランスデューサ41
6を設け、この超音波トランスデューサ416が射出す
る超音波をインク吐出口44の内壁に設けたフレネルレ
ンズ418でインク液体に集束させることによりインク
液体を加振し、液滴402を発生させるものである。
【0063】
【他の実施態様】複数のインクの合流部分では、インク
相互間の自然拡散により互いに混合すると共に、この合
流部分に振動があったりインク流動に振動や乱れがある
と、これらの外乱によってインク相互の接触界面の乱れ
が生じ、インク相互の混合が促進される。このため無色
透明でないインクの最少付加量も増やす必要が生じるこ
とになり、濃度階調の制約や画質の低下を招くことにも
なる。
【0064】そこでこのインクの合流部分に防振機構を
設けるのが望ましい。例えば図1に示すように画像形成
部16を防振ばね450や減衰器452によって支持す
ることが可能である。またインクの脈動や流量制御弁2
4,26の振動を抑制するために、インク脈動吸収用の
ダンパを付加したり、流量制御弁24,26を防振型の
ものとすることが望ましい。
【0065】
【他の実施態様】以上図1〜12で説明した実施態様で
は2種のインクを混合するもので、その一方を画像非形
成インクとしたから、濃度を変化させて画像を形成する
ことができる。しかしこの発明は2種以上のインク、例
えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクを
混合したり、これらと画像非形成インクとを混合するこ
とによって色と濃度を同時に変化させるものであっても
よい。画像形成部16は、プリント用紙12などの画像
受容体に直接画像を形成するものに代えて、中間ドラム
などの中間画像受容体に画像を形成し、この中間画像受
容体からプリント用紙などの最終画像受容体に画像を転
写するものであってもよい。
【0066】
【他の実施態様】図13は連続塗布方式による他の実施
態様である画像形成部(記録ヘッド)516を示す断面
図である。この実施態様は図6に示した画像形成部21
6においてインク供給ポンプ234に代えてインク供給
ポンプ534を用いたものである。
【0067】このインク供給ポンプ534は図7に示し
たインク供給ポンプ334と同様に構成されたものであ
る。すなわち第2のインク流路22にキャビティ部53
4bと、その前後に位置する逆止弁534c、534d
を設け、ピエゾ素子534aにより駆動されるダイヤフ
ラムあるいはピエゾ素子534aと一体なダイヤフラム
によりキャビティ部534bの容積を変化させるもので
ある。
【0068】
【他の実施態様】図14は同様に連続塗布方式による他
の実施態様である画像形成部(記録ヘッド)616を示
す断面図である。この実施態様は図2に示した画像形成
部16における流量制御弁26に代えてインク供給ポン
プ634を用いたものである。
【0069】第1のインク流路20には図示しないポン
プにより一定圧で第1のインクが供給され、この第1の
インク流路20に設けた流量制御弁624によりその流
量が制御される。この流量制御弁624は、ピエゾ素子
624Aにより駆動されるダイヤフラム624Bの変位
により、インク流路面積が制御される。第2のインク流
路22に設けるインク供給ポンプ634は、ピエゾ素子
634a、キャビティ部634b、逆止弁634c、6
34dを有する。
【0070】
【他の実施態様】図15は同様に連続塗布方式による他
の実施態様である画像形成部(記録ヘッド)716を示
す断面図である。この実施態様は図6に示した画像形成
部216におけるインク供給ポンプ234に代えてイン
ク供給ポンプ734を用いたものである。
【0071】このインク供給ポンプ734は、第2のイ
ンク流路22に臨むピエゾ素子734aを設け、このピ
エゾ素子734aとこれに対向するインク流路22の内
壁とに互いに対向するくさび状の突起734b、734
cを設けたものである。ここに突起734b、734c
は、インク流れ方向に向かって互いに広がる斜面を持
つ。ピエゾ素子734aの振動により突起734bがイ
ンク流路22内に進退動する。この結果これらの突起7
34b、734cの斜面間に挟まれたインクがインク吐
出口44方向に押し出される。従ってピエゾ素子734
aの振動数と振幅とによって第2のインクの吐出量が制
御されるものである。
【0072】
【他の実施態様】図16、17、18は逆止弁のそれぞ
れ異なる構造を示す斜視図、図19はその構造の詳細説
明図である。ここに示した逆止弁800、802、80
4は前記図7、13、14に示したインク供給ポンプ3
34(図7)、534(図13)、634(図14)に
用いるものである。これらの逆止弁800、802、8
04は、インクの流れ方向に対する抵抗がその逆方向に
対する抵抗よりも大きくなるような幾何学的形状を持つ
絞りとしたものである。従って可動部分を持たず、マイ
クロマシンの製造方法によって製造することが容易であ
る。
【0073】図16に示す逆止弁800は、基板800
aに右側から左側に向かってインク流路面積がほぼ連続
的に増加する斜面800bと、逆方向に向かってインク
流路面積が急激に増加する平面800cとを持つ。
【0074】この逆止弁800の近傍に容積が変動する
キャビティ部があれば、このキャビティ部の容積変動に
よりインクが逆止弁800を往復動する。この時のイン
ク流動は図16で左方向に向かう時に抵抗が小さくな
り、逆方向(右方向)に向かう時に抵抗が大きくなる。
このためキャビティ部の連続する容積変化により、イン
クは抵抗の小さい方向へ流れることになり、逆止弁とし
て機能するものである。
【0075】図17に示す逆止弁802は、基板802
aに形成した四角錐状の絞りを用いるものである。図1
8に示す逆止弁804は、基板804aに形成した円錐
状の絞りを用いるものである。これらの逆止弁802、
804も前記図16に示す逆止弁800と同様に機能す
るものである。
【0076】これらの逆止弁800、802、804
は、図19に示す詳細構造を持つ。すなわち図19の
(A)において、逆止弁800の斜面800bの傾き
θ、逆止弁802、804の角錐および円錐の錐面80
2b、804bの傾きθは、基板800aの斜面800
bのインク流れ方向に対する成分の長さ(以下単に厚さ
という)t、802、804aの厚さtとの関係で適切
に決めるべきである。
【0077】実験によると2°<θ<15°の範囲では
図19の(A)で上方向への流動抵抗が下方向への流動
抵抗よりも小さくなり、流体は上向きに流れる。また2
0°<θ<70°の時には反対に上方への流動抵抗が下
方への流動抵抗よりも大きくなり、流体は下向きに流れ
ることが解った。このように絞りの角度θにより流れる
方向が変わる場合には、この角度θを適切に決める必要
がある。
【0078】また図19の(B)は逆止弁800Aの他
の構造を示す。この逆止弁800Aは2つの錐面800
Bと800Cとを連続させたものであり、両錐面800
Bと800Cとがそれぞれ中心線となす角度をθ1,θ2
とした時に角度θ2の範囲は、少なくとも角度θ1よりも
大(θ2>θ1)とし、かつ80°以上が望ましく、ほぼ
90°が最も望ましいことが解っている。
【0079】この角度θ2が90°より大幅に大きくな
ると、この図19(B)で上から下へ流れる場合に円錐
面800Cに気泡が付着して溜まり易いので望ましくな
い。なおこの角度θ2は60°以下では逆止弁としての
機能が著しく低下することが解った。また両錐面800
Bと800Cとの接続部分は、図にRで示すように適度
な円弧状の曲面にすれば、流体の流れが一層円滑にな
り、一層望ましい。
【0080】
【他の実施態様】図20、図21は画像形成部(記録ヘ
ッド)の配置例を示す図である。図20に示す記録ヘッ
ド810は、画像受容体の幅より長い範囲で直線A上に
並べた多数のインク吐出口44を備える。この記録ヘッ
ド810は、このインク吐出口44の配列直線Aとプリ
ント用紙12の移送方向Bとが交わる角度Θが90°あ
るいはほぼ90°になるように配設されている。図21
に示す記録ヘッド810は、この直線Aと移送方向Bが
交わる角度Θが90°にならないように傾けたものであ
る。
【0081】図20のものによれば、画像形成部810
のインク吐出口44は、画素と同じ間隔に設ける必要が
ある。図21のものによればインク吐出口44の間隔は
図20のものに比べて拡げることができる。このため画
像形成部810の製作が容易になる。
【0082】
【他の実施態様】図22は画像形成部810の拡大図、
図23は画像形成部の他の実施態様を示す拡大図であ
る。画像形成部810は前記したように直線A上に多数
のインク吐出口44を配列したものである。これに対し
て図23に示した画像形成部810Aは、隣接するイン
ク吐出口44を平行な2本の直線A1、A2上に振り分
けたものである。
【0083】この図23に示す画像形成部810Aによ
れば、各直線A1、A2上で隣接するインク吐出口44
の間隔を図22に示すものに比べて2倍に拡大すること
ができる。このため画像形成部810Aの製作が容易に
なる。なお直線A1、A2の2本に代えて3本以上の直
線にインク吐出口44を振り分けてもよく、この場合は
画像形成部の製作は一層容易になる。またこのように異
なる直線A1、A2にインク吐出口44を振り分ける場
合には、1本の直線上にインク吐出口44を配設した画
像形成部を、プリント用紙12の幅方向に画素のピッチ
分ずらして複数個重ねて密着させることにより構成する
ことができる。
【0084】
【他の実施態様】以上の実施態様では流量制御弁(2
4,26,624)は、いずれもピエゾ素子によりダイ
ヤフラム弁を駆動することによりインク流路面積を変化
させるものであり、また逆止弁とキャビティ部と可動部
材とを用いるインク流量制御手段では可動部材をピエゾ
素子で駆動するものを説明した。しかしこれら流量制御
弁や可動部材は、ピエゾ素子以外の原理に基づく駆動力
を利用するものであってもよい。例えば熱−圧力効果や
静電引用もしくは静電斥力を利用するものが使用でき
る。ここに熱−圧力効果は流動抵抗が温度によって大き
く変化する流体(インク自身であってもよい)を用い、
流体流路内の一箇所で流体温度をヒータで変化させるこ
とにより生じる流体の圧力変化を利用してダイヤフラム
を駆動するものである。
【0085】またダイヤフラム弁や可動部材の駆動に
は、磁歪効果や、画像形成に用いる複数の流体とは異な
る流体の界面張力の効果を利用したり、画像形成に用い
る流体とは異なる流体の熱および/または電気分解によ
り生じる気泡の圧力を利用することができる。さらに、
前記熱−圧力効果で熱によって流路抵抗を変化させるの
に代えて、電界や磁界など他の物理的、化学的な特性を
変化させることによって、画像形成に用いる複数の流体
とは異なる流体の流路抵抗を変化させることにより、こ
の流体の圧力変化を発生させ、この圧力の変化を利用し
てダイヤフラムや可動部材を駆動するものであってもよ
い。
【0086】インク流路を開閉する形式のダイヤフラム
弁の場合には、インク流路を閉じる弁板を両持ち梁や片
持ち梁で保持する構造のものが使用可能である。すなわ
ちインク流路の開口を弁板に対して略垂直に対向させ、
この弁板をインク流路の開口と反対側の面からピエゾ素
子などのアクチュエータで押圧する構造とした場合に、
この弁板を両持ち梁あるいは片持ち梁にするものであ
る。
【0087】前記図2に示した実施態様では、ポンプ3
2、34が一定圧のインクを吐出し、流量調整弁24、
26によって各インクの吐出量をそれぞれ別々に制御す
るものであった。また図5、6に示した実施態様ではポ
ンプ132、334および232、234はそれぞれ独
立にインク吐出量を可変としたものであった。さらに図
7に示した実施態様はインク供給ポンプ332、334
により各インクの吐出量を可変としたものであった。
【0088】この発明は、各インクを共に一定圧で供給
し流量調整弁で吐出量を制御するもの(図2の実施態
様)、共に吐出量をポンプで可変としたもの(図5、
6、7の実施態様)だけでなく、一部のインクを一定圧
で供給し、他のインクの吐出量を可変としたものであっ
てもよい。例えば乾燥後に無色透明となるインクを一定
圧で流量調整弁を用いることなく連続供給する一方、他
の着色したインクを流量制御弁(図2に示したもの)や
吐出量可変なポンプ(図5、6に示したもの)やインク
供給ポンプ(図7に示したもの)でその吐出量を可変と
したものであってもよい。
【0089】この場合には、全てのインクが集合して通
るインク流路の面積が常に一定であるために、一定圧で
供給される一方のインクの流量は、他方の吐出量が制御
されるインクの吐出量を変化させることにより自然に変
化する。また流量制御弁を用いることなく一定圧で供給
する無色透明なインクは、記録ヘッド内に形成したイン
ク流路をアレイ状に分岐させることにより1つのインク
ポンプから各インク吐出口に均等に導くことができ、記
録ヘッドの構成を簡単にすることが可能になる。
【0090】以上説明した実施態様では、図から明らか
なように、透明なインクを供給する第1のインク流路2
0と、着色インクを供給する第2のインク流路22と
は、これらの合流部位において第1のインク流路20の
開口断面積が第2のインク流路22の開口断面積よりも
大きく設定されている。これは第2のインクの吐出量が
少ない場合にもこの第2のインクが第1のインクに良好
に混入して画像信号に忠実な濃度が得られるようにする
ためである。
【0091】すなわち第2のインクの吐出量が少なくな
るとインク流路面積を小さくしないとインクの吐出長さ
が過少となって第2のインクがその吐出口(第1のイン
クとの合流部)で円滑にインク流れが切れなくなり、第
2のインクの吐出量が制御できなくなる。そこでこの第
2のインクの開口断面積を小さくすることにより第2の
インクの吐出長を長くし、第2のインクの吐出量が少な
い時にも第2のインクの先端部分が第1のインクに合流
して円滑に切れるようにするものである。
【0092】例えば広く用いられているインクジェット
プリンタでは、1画素を形成するためのインクの量は約
10pL(ピコリットル、=10-12L=10-9cm3
のオーダーである。この量で例えば100階調の濃度変
化を表現するためには、着色インクの量は10pL×
(1/100)=0.1pLのオーダーで制御すること
が必要になる。なおこの0.1pLの量を完全な球形に
すれば直径5.8μm(マイクロメートル、=10-3
m)のインク滴になる。
【0093】今1画素に対する第1および第2のインク
の混合後の体積を30pLとし、第1のインク(透明イ
ンク)の流量割合が99/100、第2のインク(着色
インク)の流量割合が1/100の場合を考える。
【0094】第1のインク(透明インク)の流量V1
よび第2のインク(着色インク)の流量V2は、それぞ
れ次のようになる。 V1=29.7pL =29.7×10-12L =29.7×10-6mm32=0.3pL =0.3×10-6mm3
【0095】第1のインク流路20の断面を一辺が40
μmの正方形とすれば、その断面積S1はS1=40×4
0×10-6mm2=16×10-4mm2である。従って第
1のインクが第1のインク流路20内を流れる距離x1
は次のようになる。
【0096】 x1=V1/S1 =(29.7/16)×10-2mm =18.6×10-3mm =18.6μm
【0097】ここで第2のインクに対して第2のインク
流路22の第1のインク流路20との合流付近における
断面積S2を第1のインク流路20の断面積S1と等しい
と仮定する。すなわちS2=S1と仮定する。この時には
第2のインクが第1のインク流路20内に進入する距離
2は、次のようになる。
【0098】 x2=V2/S2 =(0.3/16)×10-2mm =0.186μm すなわち第1のインクの移動量x1に対して第2のイン
クの移動量x2は1/100になる。
【0099】この時第2のインクは第1のインク流路2
0内の移動量x2だけ進入することになる。しかしこの
移動量すなわち進入量x2は極めて僅かであるため、第
2のインクの表面張力に打ち勝って第1のインクの中へ
放出されることがない。この時には第2のインクの先端
が第1のインク流路20内に向って僅かに出たり入った
りするだけで、第1のインクが第2のインクに混ざらな
い。すなわち第2のインクの先端の切れが悪い。
【0100】そこで第2のインク流路22の先端すなわ
ち第1のインク流路20に合流する部分を小径としてノ
ズル状にする。このことにより第2のインクの第1のイ
ンク流路20内への進入量を増大させ、第2のインクの
切れを良くし、第2のインクの微少量の制御が可能にな
るものである。
【0101】以上の実施態様は画像を形成するものとし
て説明した。すなわち用紙やフィルムなどに二次元的に
画像を描くものとして説明した。しかしこの発明は液晶
カラーディスプレイなどの画像表示器に用いるモザイク
フィルタ、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンのカラ
ーモザイクを繰り返して配列したカラーフィルタの製作
に用いることができる。また空間的に繰り返し性のある
パターンを形成する工業製品の製造にもこの発明は適用
することができる。
【0102】
【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、複数の
インクのうち乾燥後に実質的に画像を形成する少なくと
も1つの画像形成インクの流量を単位時間当たりの体積
流量が常にゼロにならないように制御するものであるか
ら、インク相互の拡散による混合によって画質が低下す
るのを防ぐことができる。
【0103】ここで常に付加する画像形成インクの最少
付加量は、このインクを付加したことによるインク液体
の光学濃度の変化が0.1未満になるような量とすれ
ば、画像の劣化をほとんど招くことがない(請求項
2)。またこの画像形成インクを含む複数のインクは、
防振しながら合流させることにより、それぞれのインク
の拡散による混合を抑制することができるから、この場
合にはこのインクの最少付加量を少なくして画像の濃度
階調の修正を少なくでき、画質向上に適する(請求項
3)。
【0104】ここに用いる複数のインクのうち少なくと
も1種を乾燥後に実質的に画像を形成しない画像非形成
インクとし、この画像非形成インクを常に含むように複
数のインクの混合割合を制御する場合には、画像非形成
インクの混合割合を変えることにより濃度を変えること
ができ、またこの画像非形成インクに退色防止剤などを
含ませておくことにより画像の退色を防止したり他の特
別な性質を付与することができる(請求項4)。
【0105】複数のインクの流量は、画像受容体の幅方
向(移動方向に直交する方向または略直交する方向)の
異なる画素ごとに制御すれば、二次元に濃度または/お
よび色が変化する画像を形成することができる(請求項
5)。この場合には各画素に対応するインク吐出口を独
立に形成することができる(請求項6)。
【0106】このように独立に形成したインク吐出口か
らはインクジェット方式によってインク液滴を画像受容
体に移送することができる(請求項7)。ここに用いる
インクジェット方式としては、ピエゾインクジェット方
式、サーマルインクジェット方式、コンティニュアスイ
ンクジェット方式、静電吸引インクジェット方式、超音
波インクジェット方式などが使用できる(請求項8)。
【0107】インク吐出口から吐出されるインク液体
は、連続した流体流として画像受容体に移す方式、すな
わち連続塗布方式で画像を形成してもよい(請求項
9)。この場合各画素ごとに設けたインク吐出口から連
続流体流として吐出させて画像受容体に塗布してもよい
が、各インク吐出口をつなぐスリットを通して吐出させ
てもよい。この場合には、インク液体を構成する複数の
インクを互いに混合せずに乱れの無い層流としていずれ
かのインクを常に画像受容体側あるいは表面側に位置さ
せて塗布することができ、画質を一層向上させることが
できる(請求項10)。
【0108】インク流量は、複数のインクの流路断面積
を変化させることにより制御でき(請求項11)、この
ためにはピエゾ素子を用いた流路制御弁をインク流路に
設けて(請求項12)、このピエゾ素子をこの素子に固
有な機械的共振周波数で駆動し、この周波数のパルス数
によってインク流量を制御すればよい(請求項13)。
【0109】インク流路の断面積を制御するのに代え
て、インクの供給ポンプの吐出量を変えることによって
インク流量を制御してもよい(請求項14)。ここに用
いるインク供給ポンプとしては、インク流路に設けた少
なくとも1つの逆止弁と、この逆止弁の近傍に設けたキ
ャビティ部と、このキャビティ部の容量を変化させる可
動部材とを備えるものとすることができる(請求項1
5)。ここに用いる逆止弁は、インクの流れ方向の流動
抵抗が小さくその逆方向の流動抵抗が大きくなる幾何学
的形状としたもの、例えば絞りとすることができる(請
求項16)。
【0110】インク供給ポンプはパルス数によって吐出
量を制御できるパルスモータを用いたものが使用できる
(請求項17)。この場合には、各インクを吐出する別
々のインク供給ポンプをパルスモータで駆動し、各イン
クごとのポンプを駆動する複数のモータの駆動パルス数
の合計が一定になるように制御するのがよい。
【0111】請求項18の発明によれば、前記の方法の
実施に直接使用される画像形成装置が得られる。インク
の流量をインク流路に設けた流量制御弁によって制御す
る場合には(請求項19)、この流量制御弁をピエゾ素
子により駆動されるダイヤフラム弁で構成することがで
きる(請求項20)。流量制御弁は、熱−圧力効果によ
り駆動するダイヤフラム弁としたり(請求項21)、静
電引力もしくは静電斥力により駆動されるダイヤフラム
弁で形成することができる(請求項22)。
【0112】流量制御弁に代えて、インク供給ポンプの
吐出量を制御してもよい(請求項23)。このインク供
給ポンプはパルスモータを用いたものが使用できるが、
これに代えてピエゾ素子と逆止弁で形成することもでき
る(請求項24)。インク供給ポンプは逆止弁と、その
近傍に設けたキャビティ部と、可動部材とで構成するこ
とができる(請求項25)。ここに逆止弁はインク流れ
方向の流れ抵抗が逆方向の流れ抵抗よりも小さくなる幾
何学的形状のものとすることができる(請求項26)。
【0113】ここに用いる可動部材は、ピエゾ素子で駆
動するダイヤフラム(請求項27)、熱−圧力効果によ
って駆動されるダイヤフラム(請求項28)、静電引力
または静電斥力により駆動されるダイヤフラム(請求項
29)、磁歪効果により駆動されるダイヤフラム(請求
項30)、インクとは異なる流体の界面張力効果により
駆動されるダイヤフラム(請求項31)、インクとは異
なる流体の電気分解により生じる気泡で駆動されるダイ
ヤフラム(請求項32)などが使用できる。
【0114】インク吐出口は各画素ごとに独立して画像
受容体に対向させることができ(請求項33)、インク
ジェット方式のインク移送手段でインク液体を画像受容
体に導くことができる(請求項37)。
【0115】インク液体をインク吐出口から連続した流
体流として画像受容体に移送することができる(請求項
34,連続塗布方式)。この場合各インク吐出口を共通
のスリットに開口させ、このスリットを介してインク液
体を吐出させれば、複数のインクを互いに混合させず層
流として塗布できるので画像受容体に接触するインクや
表面に露出するインクに特別な性質を付与することによ
り画質を向上させることができる(請求項35)。なお
画像受容体は、プリント用紙などの最終画像受容体だけ
でなく、ドラムなどの中間画像受容体を含む(請求項3
6)。
【0116】画像形成装置に用いる画像形成部(記録ヘ
ッド)は、画像受容体の相対移動方向に対して直交また
はほぼ直交する直線上に沿ってインク吐出口を配列した
ものとすることができる(請求項38)。しかしインク
吐出口を配列した直線を画像受容体の相対移動方向に対
して傾けておけば、各インク吐出口の間隔を拡げること
ができる。
【0117】画像形成部(記録ヘッド)は、隣接するイ
ンク吐出口を、画像受容体の相対移動方向に対して直交
またはほぼ直交する複数の直線上に振り分けておいても
よい(請求項39)。この場合は各直線上に配列された
インク吐出口の間隔が拡大することになるから、塗布ヘ
ッドの製作は一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様の画像形成装置の概念図
【図2】同じく画像形成部の拡大断面図
【図3】画像形成部の一実施態様を示す斜視図
【図4】同じく塗布状態を示す拡大断面図
【図5】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図6】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図7】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図8】他の実施態様であるインク移送手段を備える画
像形成部を示す図
【図9】他の実施態様であるインク移送手段を備える画
像形成部を示す図
【図10】他の実施態様であるインク移送手段を備える
画像形成部を示す図
【図11】他の実施態様であるインク移送手段を備える
画像形成部を示す図
【図12】他の実施態様であるインク移送手段を備える
画像形成部を示す図
【図13】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図14】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図15】他の実施態様である画像形成部を示す断面図
【図16】逆止弁の構造を示す斜視図
【図17】逆止弁の構造を示す斜視図
【図18】逆止弁の構造を示す斜視図
【図19】逆止弁の詳細説明図
【図20】画像形成部の配置例を示す図
【図21】画像形成部の配置例を示す図
【図22】画像形成部の拡大図
【図23】画像形成部の他の実施態様を示す拡大図
【符号の説明】
12 画像受容体としてのプリント用紙 16、16A、116、216、316、516、61
6、716 画像形成部(記録ヘッド) 20 第1のインク流路 22 第2のインク流路 24、26、624 流量制御弁 24A、26A、332a、334a、534a、62
4a、634a、734a ピエゾ素子 24B、26B、624b ダイヤフラム弁 28、30 インクタンク 32、34、132、134、232、234、53
4、634、734 インク供給ポンプ 36 制御部 38 演算部 40、42 ドライバ 44 インク吐出口 334c、334d、534c、534d、634c、
634d、800、802、804、800A 逆止弁 A〜E インク移送手段 450 防振ばね 452 減衰器 810、810A 画像形成部(記録ヘッド)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA06 EA12 EC07 EC18 EC21 EC40 EC44 EC65 ED07 ED08 ED10 EE09 EE17 FA03 FA04 FA05 FA07 FA10 FA13 FD13 HA05 KA01 KA05 KB03 KB08 KB09 2C057 AF39 AG22 AG62 AH13 AH20 AM14 AN01 AN05 BA13 BA14 BA15 CA07 CA08 CA10

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの画素に対して複数のインクをそれ
    らの混合割合を画像信号に基づいて変化させつつ共通の
    インク吐出口から吐出させ、かつこのインク吐出口に対
    して相対移動する画像受容体に移送することによって画
    像を形成する画像形成方法において、 前記複数のインクのうち少なくとも乾燥後は実質的に画
    像を形成する少なくとも1つの画像形成インクの単位時
    間当たりの体積流量がゼロにならないようにインクの流
    量を制御することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 画像形成インクの最少付加量は、このイ
    ンクを付加したことによるインク液体の光学濃度の変化
    が0.1未満となるような量である請求項1の画像形成
    方法。
  3. 【請求項3】 画像形成インクを含む複数のインクを防
    振しながら合流させる請求項1または2の画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 複数のインクのうち少なくとも1種のイ
    ンクは乾燥後に実質的に画像を形成しない画像非形成イ
    ンクであり、この画像非形成インクを常に含むように複
    数のインクの混合割合が制御される請求項1〜3のいず
    れかの画像形成方法。
  5. 【請求項5】 複数のインクの流量は、画像受容体の移
    動方向に直交または略直交する方向の異なる画素ごとに
    制御される請求項1〜4のいずれかの画像形成方法。
  6. 【請求項6】 異なる画素ごとに流量が制御された複数
    のインクは、異なる画素に対応して設けられたインク吐
    出口からそれぞれ吐出される請求項1〜5のいずれかの
    画像形成方法。
  7. 【請求項7】 インク吐出口から吐出される複数のイン
    クは、インクジェット方式によって画像受容体に移送さ
    れる請求項1〜6のいずれかの画像形成方法。
  8. 【請求項8】 インクジェット方式は、ピエゾインクジ
    ェット方式、サーマルインクジェット方式、コンティニ
    ュアスインクジェット方式、静電吸引インクジェット方
    式、超音波インクジェット方式のいずれかである請求項
    7の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 インク吐出口から吐出される複数のイン
    クは、連続した流体流として画像受容体に移されて画像
    を形成する請求項1〜6のいずれかの画像形成方法。
  10. 【請求項10】 異なる画素ごとに流量が制御された複
    数のインクは、異なる画素ごとに設けたインク吐出口を
    通りさらに各インク吐出口をつなぐスリットを通して連
    続した流体流として画像受容体に移され、画像を形成す
    る請求項1〜6のいずれかの画像形成方法。
  11. 【請求項11】 インク流量は、インク流路の断面積を
    変化させることによって制御する請求項1〜10のいず
    れかの画像形成方法。
  12. 【請求項12】 インク流路の断面積はピエゾ素子によ
    って制御される請求項11の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 ピエゾ素子は素子に固有な機械的共振
    周波数で駆動され、この周波数のパルス数を変化させる
    ことによってインク流量を制御する請求項12の画像形
    成方法。
  14. 【請求項14】 インク流量は、インク供給ポンプの吐
    出量を変化させることによって制御する請求項1〜10
    のいずれかの画像形成方法。
  15. 【請求項15】 インク供給ポンプは、インク流路に設
    けられた少なくとも1つの逆止弁と、この逆止弁の近傍
    に設けられたキャビティ部と、このキャビティ部の容量
    を変化させる可動部材とを備え、前記可動部材による前
    記キャビティ部の容量変化によってインクを吐出する請
    求項14の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 逆止弁はインク吐出口へ向かうインク
    の流れに対する抵抗がその逆方向に対する抵抗よりも小
    さくなる幾何学的形状を有する請求項15の画像形成方
    法。
  17. 【請求項17】 インク供給ポンプはパルスモータによ
    り駆動される請求項14の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 複数のインクをそれらの混合割合を画
    像信号に基づいて変化させつつインク吐出口から吐出さ
    せ、かつこのインク吐出口に対して相対移動する画像受
    容体に移送することによって画像を形成する画像形成装
    置において、前記複数のインクのインク流量をそれぞれ
    独立に制御するインク流量制御手段と、前記画像信号に
    対応する各インクの混合割合でかつ少なくとも乾燥後に
    実質的に画像を形成する少なくとも1つの画像形成イン
    クの単位時間当たりの体積流量がゼロにならないように
    各インクのインク流量を求める演算部と、この演算部の
    演算結果に基づいて前記インク流量制御手段を駆動する
    ドライバとを備えることを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 インク流量制御手段は、インク流路に
    設けられインク流路面積を変化させる流量制御弁で形成
    される請求項18の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 流量制御弁はピエゾ素子により駆動さ
    れるダイヤフラム弁である請求項19の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 流量制御弁は、熱−圧力効果によって
    駆動されるダイヤフラム弁である請求項19の画像形成
    装置。
  22. 【請求項22】 流量制御弁は、静電引力もしくは静電
    斥力により駆動されるダイヤフラム弁である請求項19
    の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 インク流量制御手段は、インク流路に
    設けられたパルスモータ駆動のインク供給ポンプで形成
    される請求項18の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 インク流量制御手段は、インク流路に
    設けられたピエゾ素子と逆止弁を用いたインク供給ポン
    プで形成される請求項18の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 インク流量制御手段は、インク流路に
    設けられた逆止弁と、この逆止弁の近傍に設けられたキ
    ャビティ部と、このキャビティ部の容量を変化させる可
    動部材とを備え、前記可動部材により前記キャビティ部
    の容量を変化させることによってインクを吐出する請求
    項18の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 逆止弁はインク吐出口へ向かうインク
    流動に対する抵抗がその逆方向に対する抵抗よりも小さ
    い幾何学的形状を有する請求項25の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 可動部材はピエゾ素子で駆動されるダ
    イヤフラムである請求項25の画像形成装置。
  28. 【請求項28】 可動部材は、熱−圧力効果によって駆
    動されるダイヤフラムである請求項25の画像形成装
    置。
  29. 【請求項29】 可動部材は、静電引力もしくは静電斥
    力により駆動されるダイヤフラムである請求項25の画
    像形成装置。
  30. 【請求項30】 可動部材は、磁歪効果により駆動され
    るダイヤフラムである請求項25の画像形成装置。
  31. 【請求項31】 可動部材は、画像形成に用いる複数の
    インクとは異なる流体の界面張力効果により駆動される
    ダイヤフラムである請求項25の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 可動部材は、画像形成に用いる複数の
    インクとは異なる流体の電気分解により生じる気泡によ
    り駆動されるダイヤフラムである請求項25の画像形成
    装置。
  33. 【請求項33】 インク吐出口は画像受容体の移動方向
    に直交または略直交する方向に画素ごとに並設され、こ
    れらのインク吐出口は独立して画像受容体に対向してい
    る請求項18〜32のいずれかの画像形成装置。
  34. 【請求項34】 複数のインクはインク吐出口から吐出
    されて連続した流体流となって画像受容体に移される請
    求項18〜33のいずれかの画像形成装置。
  35. 【請求項35】 画素ごとに設けた複数のインク吐出口
    は、スリット内に開口し、各インク吐出口から吐出され
    る流体はスリットから帯状に連続した流体流となって画
    像受容体に移される請求項18〜33のいずれかの画像
    形成装置。
  36. 【請求項36】 請求項34または35の画像形成装置
    において、さらにインク吐出口から吐出される流体を連
    続して受け取り画像受容体に移送する中間受容体を備え
    る画像形成装置。
  37. 【請求項37】 請求項18〜33のいずれかの画像形
    成装置において、さらにインク吐出口から吐出される流
    体を画像受容体にインクジェット方式によって導くイン
    ク移送手段を備える画像形成装置。
  38. 【請求項38】 請求項18〜37のいずれかの画像形
    成装置に用いる記録ヘッドであって、インク吐出口が、
    画像受容体の相対移動方向に対して直交またはほぼ直交
    する直線上に沿って配列されていることを特徴とする記
    録ヘッド。
  39. 【請求項39】 請求項18〜37のいずれかの画像形
    成装置に用いる記録ヘッドであって、隣接するインク吐
    出口が、画像受容体の相対移動方向に対して直交または
    ほぼ直交する互いに平行な複数の直線上に振り分けられ
    ていることを特徴とする記録ヘッド。
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