JP4286116B2 - 画像形成用トナー、現像剤及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成用トナー、現像剤及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法など静電潜像を現像するために用いられる画像形成用トナーに関する。
従来から、電子写真法、静電印刷法、静電記録法等で静電荷像を形成することが行なわれ、特に乾式法により静電荷像を形成することが広く行なわれている。該乾式法による静電荷像は、帯電付与部材により摩擦帯電されたバインダー樹脂及び着色剤を主成分とする乾式トナーにより現像された後、コピー紙上に転写・定着される。この時、高画質の画像を得るためには、感光体上に形成された潜像を、どのような状況においても如何に忠実にトナーを用いて現象できるかが最も重要な技術課題の一つである。この高画質を達成するために現像剤に求められる特性としては、保存性(耐ブロッキング性)、搬送性、現像性、転写性、帯電性、定着性等が挙げられる。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱しトナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この方法の場合、熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある。その反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後剥離するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラー表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。この方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しコスト高になってしまう。このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
しかしながら、フルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なわなければならないことから、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を与えるトナーが必要とされている。鮮明なフルカラー画像を得るには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要があり、溶融時の粘弾性を低下させねばならない。従って、フルカラー画像形成の場合には光沢のないモノクロトナーよりもオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。
また、トナー中に離型剤を含有させると、トナーの付着性が高まって転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより現像剤の耐久性が低下するという問題を生じる。
前記カラー画像形成において、色再現性を改良し、鮮明なフルカラー画像を得るために、平滑性を上げて高光沢を得ることを目的として以下に示す方法が開示されている。
特開平11−125948号公報では、OHPシート上の画像の表面粗度を規定する方法が記載されている。しかし、この方法の場合、OHPシートと紙では表面性が違うため、OHPシート上の画像の表面粗さを規定しても、紙の表面性によってはオフセット性や光沢性が良好とは言えない。
一方、これまでフルカラー画像では高光沢画像が多く望まれていたが、プリンターの出力用としての需要が多くなったことから、あまり高すぎる光沢は嫌われる場合もある。また、光沢のない画像が望まれる場合もある。したがって、場合によって異なる光沢の画像が得られることが要求されている。この課題に対して、特開平4−194967号公報のように1つの定着装置で高光沢と非光沢を選択できる定着方式が提案されている。しかし、高光沢を得る条件は、オフセット発生に対しては不利な方向となるため、条件次第ではオフセットに対する余裕度が不十分な場合がある。特に、べタ部ではオフセットが発生しないが、ハーフトーン部ではオフセットとなる(微少オフセット)問題もある。
また、条件による光沢の変化程度次第では、変化が大きすぎ、各条件での光沢レベルが不安定になる場合がある。
このような状況においてトナーに関して従来、次のような技術が提案されている。例えば、特開平8−220808号公報(特許文献1)では軟化点90〜120℃の線型ポリエステル樹脂とカルナバワックスを用いたトナーが、特開平9−106105号公報では互いに相溶する軟化点の異なる樹脂とワックスからなるトナーが、特開平9−304964号公報ではポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したトナーが、特開平10−293425号公報では軟化点90〜120℃のポリエステル樹脂とライスワックス、カルナバワックス及びシリコーンオイル含有したトナーが、特開平5−61242号公報ではワックス内包型の重合法トナーがそれぞれ提案されている。しかし、これらのトナーはいずれもオフセット防止性が未だ不充分なものであった。即ち、適度な光沢を持たせながら、定着ローラーに離型オイルを塗布しない定着方法においても、或いはオイル塗布量をごく微量とした定着方法においても、オフセット防止性が未だ不充分なものであった。その上、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性にも劣るトナーであった。
一方、近年の市場では高品質の画像の要求が高まり、従来のような重量平均粒径が9〜15μmのトナーでは十分な高画質が得られなくなってきており、さらに小粒径のトナーが求められている。
ところが、トナーは小粒径になればなるほど、その比表面積が大きくなる事から、母体の着色粒子の粉体流動性は低下し、流動性付与の為に表面処理剤としての添加剤の多量外添が必要とされ、所望の流動性を得ようとすると上記副作用がより顕著に見られるようになった。また、ストレス等による離型剤の遊離が生じるようにもなった。更に、粉砕法で作られるトナーでは、その製造時に分子量分布が狭く、もろい離型剤が粉砕界面となりやすいために、離型剤自身の表面への露出が生じたり、微粉に多く含まれるようになった。したがって、高画質化のためのトナー小粒径化は、フィルミングが更に厳しという問題を生じさせた。
これらの問題を解決するためには、小粒径で且つ狭い粒径分布を有するトナーが理想的である。しかし、従来の粉砕トナーは、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することにより製造されていた。このようなトナー製造法には、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。特にカラートナーの場合、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。このような配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼしてしまう。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。重合法によれば、従来の粉砕工程、練り工程を省くことができ、省エネルギー、生産時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減の寄与が大きく、さらに、トナー粒子を小粒径にすると同時に粒度分布も粉砕法に較べてシャープな分布にすることが容易で、高画質化への寄与も大きい。公知技術としては、例えば懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法などが知られている。
懸濁重合法は、重合性単量体および重合開始剤と着色剤などのトナー組成物を、分散剤の存在する水系媒体中に懸濁した後、重合させることによってトナー粒子を得る方法である。この方法の問題点としては、使用できる原材料がスチレン−アクリル樹脂に限定されるため、特にフルカラートナーに好適なポリエステルを適用することができないこと、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させるための分子量分布の2山化や、微妙な制御が困難であること、得られる形状が球形であるためクリーニング不良が起こりやすいこと、などが挙げられる。
乳化重合法は、重合性単量体と重合開始剤を界面活性剤を含有する水中に乳化して重合し、得られた微小粒子を凝集・融着させてトナー粒子を得る方法である。この方法は不定形の粒子を得ることができるため、クリーニング性においては懸濁重合トナーより優れる。乳化重合法により製造されたトナーとしては、例えば特開平7−209952号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
しかし、乳化重合法には、懸濁重合法と同様にポリエステルの使用が難しく、分子量制御も困難であることに加え、界面活性剤が水洗浄工程を経ても表面だけでなく粒子内部にも多量に残存し、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる問題がある。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうなどの問題がある。
ポリマー懸濁法は、結着樹脂としてのポリマーおよびトナー組成物を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものであり、重合反応を伴わない水中造粒法である。この方法はポリエステルを使用できる点において優れる。しかし、ポリマー懸濁法にはトナー組成物を溶剤に分散または溶解させる工程を含むため、高分子量、架橋型樹脂を使用することができず、定着特性の制御が充分にできないという問題がある。
特開平8−220808号公報 特開平7−209952号公報
本発明は、前記従来のトナーの問題点を解決し、適度な画像光沢を与えるとともに、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とした定着方法でも十分なオフセット防止性がある優れた画像形成用トナーを提供することをその課題とする。更に、本発明は、該トナーが充填されたトナー容器、該トナー容器が装着された画像形成装置を提供することも課題とする。
本発明によれば、以下に示す画像形成用トナー、現像剤、トナー容器、現像剤容器、画像形成装置が提供される。
〔1〕少なくとも着色剤とバインダー樹脂を含有する画像形成用トナーにおいて、
前記バインダー樹脂が、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する変性されたポリエステル系樹脂(A)を、活性水素基を有する化合物(B)と反応させて得られる変性ポリエステル系樹脂(C)と、酸価(AV)が0.5mgKOH/g<AV≦40mgKOH/gを満たす未変性ポリエステル系樹脂(D)と、合成エステルワックスと、を含有すると共に、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)の重量比が5/95〜25/75であり、以下の条件(i)(ii)(iii)が満たされることを特徴とする画像形成用トナー。
〔条件(i)〕 走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いてトナー断面を下記観察条件(ii)下で観察することにより得られる成分マップにおいて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さが400nm以下である。
〔条件(ii)〕 約282〜300eVの領域の単色化されたX線のエネルギーを用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)、未変性ポリエステル系樹脂(D)、およびトナー中に含まれる成分単体のX線吸収スペクトルを測定し、次にトナー断面を前記エネルギーにおけるX線ビームで走査することにより得られた透過像における各点のスペクトルを、前記成分単体のスペクトルを用いて各成分に帰属させて、トナー断面の成分マップを得る。
〔条件(iii)〕 該成分マップによって、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分として帰属されたスペクトルにおいて、X線のエネルギーが288.7eVから289.5eVの領域で、スペクトルの2次微分値の符号が正から負へ変化している。
〕 前記〔1〕に記載の画像形成用トナーが充填されていることを特徴とするトナー容器。
〕 前記〔1〕に記載の画像形成用トナーとキャリアからなることを特徴とする現像剤。
〕 前記〔〕に記載の現像剤が充填されていることを特徴とする現像剤容器。
〕 前記〔〕に記載のトナー容器又は前記〔〕に記載の現像剤容器が装着されていることを特徴とする画像形成装置。
発明によれば、STXMを用いた成分マップから得られる変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを400nm以下にすることによって、変性ポリエステル系樹脂と未変性ポリエステル系樹脂がトナー中に適宜に分散されるため、オフセット性に優れる画像形成用トナーを提供することができる。
また、未変性ポリエステル系樹脂(D)の酸価を1〜40mgKOH/gとすることによって、変性ポリエステル系樹脂と未変性ポリエステル系樹脂がトナー中に適宜に分散されるため、よりオフセット性に優れる画像形成用トナーを提供することができる。
また、特定のX線吸収スペクトルの条件を満足する変性ポリエステル系樹脂をトナー中に含有させることによって、光沢度も良好な画像形成用トナーを提供することができる。
また、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)の重量比を5/95〜25/75とすることによって、光沢度がより良好な画像形成用トナーを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の画像形成用トナーは、少なくとも着色剤とバインダー樹脂を含有し、以下の特徴を有する。
バインダー樹脂が、変性ポリエステル系樹脂(C)と、未変性ポリエステル系樹脂(D)とを含有し、該変性ポリエステル系樹脂(C)は、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有するポリエステル系樹脂(A)を、活性水素基を有する化合物(B)と反応させて得られるものである。該変性ポリエステル系樹脂(C)としてはウレア変性ポリエステル樹脂が好ましい。
本発明の画像形成用トナー(以下、単にトナーともいう。)における重要な点は、以下の条件(i)(ii)が満たされることである。
〔条件(i)〕
走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いてトナー断面を下記観察条件(ii)下で観察することにより得られる成分マップにおいて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さが400nm以下である。
〔条件(ii)〕
約282〜300eVの領域の単色化されたX線のエネルギーを用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)、未変性ポリエステル系樹脂(D)、およびトナー中に含まれる成分単体のX線吸収スペクトルを測定し、次にトナー断面を前記エネルギーにおけるX線ビームで走査することにより得られた透過像における各点のスペクトルを、前記成分単体のスペクトルを用いて各成分に帰属させて、トナー断面の成分マップを得る。
上記のように、特定の条件下における変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さが400nm以下の場合、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)のトナー中における分散性が向上するため、オフセット性に優れる画像形成用トナーとなる。この分散性は、未変性ポリエステル系樹脂(D)の酸価、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)の重量比、その他成分や重量比にも依存するため、このように実際にトナー断面の成分マップにより判断する必要がある。
本発明のトナーにおいては、上記成分マップ中で変性ポリエステル系樹脂(C)として帰属された領域のX線吸収スペクトルが以下の条件(iii)を満足していることが好ましい。
〔条件(iii)〕
該成分マップによって、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分として帰属されたスペクトルにおいて、X線のエネルギーが288.7eVから289.5eVの領域で、スペクトルの2次微分値の符号が正から負へ変化している。
条件(iii)は、上記成分マップで変性ポリエステル系樹脂(C)として帰属された領域より取り出されたスペクトルが、288.7eV〜289.5eVのX線のエネルギー領域で、未変性ポリエステル系樹脂(D)の微分値の符号の変化の傾向と同じであることを意味する。即ち、スペクトルが同じであることは同じ材料であることを示しているのに対し、微分値はスペクトルの形状を反映しており、ここではある領域での微分値の符号の変化の傾向であるため、変性ポリエステル系樹脂(C)が未変性ポリエステル系樹脂(D)に似ているが、未変性ポリエステル系樹脂(D)ではないことを示している。このことは、成分マップにより識別されたトナー中の変性ポリエステル系樹脂(C)に相当する部分(A’)は、未変性ポリエステル系樹脂(D)も含んでいることを意味している。従って両者のポリエステルは、STXMで識別できるため、完全に相溶しているわけでもなく、A’と未変性ポリエステル系樹脂(D)のスペクトルが一部似ているため、完全に分離しているわけでもない。即ち、条件(iii)が満たされる場合、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)とが好ましい状態で分散していることになる。このように、X線吸収スペクトルが条件(iii)を満足する変性ポリエステル系樹脂を含有するトナーは、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)とが好ましい状態で分散しているので、光沢度が良好なものとなる。
次に本発明のトナーに用いられる材料について詳細に説明する。
<変性されたポリエステル系樹脂(A)>
本発明において、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(A)としてはイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を用いることが好ましい。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α”,α”−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する虞がある。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する虞がある。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる虞がある。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する虞がある。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する虞がある。
<活性水素基を有する化合物(B)>
本発明において、活性水素基を有する化合物(B)としては、アミン類(B)を用いることが好ましい。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いて変性ポリエステル系樹脂の分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、架橋及び/伸長後の変性ポリエステル系樹脂(C)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する虞がある。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する虞がある。
<未変性ポリエステル系樹脂(D)>
本発明においては、前記変性されたポリエステル樹脂(C)単独使用だけでなく、この(C)と共に、0.5〜40mgKOH/gの酸価を持った未変性ポリエステル樹脂(D)をトナーバインダー成分として含有させることが好ましい。(D)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。そして上記の酸価を持つことによって(A)と(B)の伸長又は/及び架橋反応に伴う粘度変化挙動を適切に保つことができ、目的とするトナー形状を得ることができるばかりか、低温定着性・耐ホットオフセット性を両立する優れた定着性を示す。かかる観点から、(D)の酸価は10〜25mgKOH/gであることがより好ましい。
酸価が0.5mgKOH/gより小さい場合は、(A)と(B)の伸長又は/及び架橋反応が急激に起こるため、トナー形状、粒径、粒径分布などを制御すること自体が困難になる虞がある。また、伸長又は/及び架橋反応した樹脂成分多いため、低温定着性が著しく損なわれる虞がある。酸価が40mgKOHより大きい場合は、(A)と(B)の伸長又は/及び架橋反応が不十分となり、系の粘度が低すぎてトナー形状の異形化が困難となる虞がある。また、伸長又は/及び架橋反応した樹脂成分少ないため、耐ホットオフセット性も低下する虞がある。また、2成分現像方式でのキャリアのトナースペントや1成分現像方式での摩擦帯電付与部材などへのトナーフィルミングが発生し、摩擦帯電性が阻害されてしまいトナーの帯電不良となり、地汚れやトナー飛散が発生する虞がある。
未変性ポリエステル樹脂(D)としては、前記変性ポリエステル樹脂(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(A)と同様である。
変性ポリエステル樹脂(C)と未変性ポリエステル樹脂(D)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(C)のポリエステル成分と(D)の組成は類似していることが好ましい。
(D)を含有させる場合の(C)と(D)の重量比は、通常5/95〜25/75、好ましくは10/90〜25/75、さらに好ましくは12/88〜25/75、特に好ましくは12/88〜22/78である。(C)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる虞がある。
(C)と(D)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(C)のポリエステル成分と(D)は類似の組成が好ましい。(C)を含有させる場合の(C)と(D)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(C)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる虞がある。
(D)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1400〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する虞がある。(D)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる虞がある。
本発明において、未変性ポリエステル(D)のガラス転移点(Tg)は通常40〜70℃、好ましくは45〜65℃である。40℃未満ではトナーの高温保管時のブロッキングが悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる虞がある。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する虞がある。トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する虞がある。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
<離型剤>
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
本発明においては、特にエステル系ワックス、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。
上記エステル系ワックスについては、特に分岐構造を有するものが離型効果が高く、好ましく用いることができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる虞がある。逆に酸価が各々の範囲をを超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量としては、バインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられる。1重量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。又15重量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じる虞がある。
本発明で用いるワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスを用いると、トナーの耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスを用いると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよいが、有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色、白色に近い材料が好ましい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明における荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
<樹脂微粒子>
本発明ではトナーに樹脂微粒子を添加してもよい。使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
<外添剤>
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、重量平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明の画像形成用トナー(乾式トナー)は以下の乳化重合法で製造することができる。但し、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
(水系媒体中での乳化重合によるトナー製造法)
本発明のトナーを水系媒体中で製造する場合、該水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステル系のプレポリマー(A)からなる分散体を、活性水素基を有する化合物(B)と反応させて形成することが好ましい。水系媒体中でプレポリマー(A)や未変性ポリエステル系樹脂(D)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にプレポリマー(A)や未変性ポリエステル系樹脂(D)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)とや他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは5〜30℃である。
プレポリマー(A)や未変性ポリエステル樹脂(D)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない虞がある。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマー(A)から変性ポリエステル(C)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前に活性水素基を有する化合物(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後に活性水素基を有する化合物(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。フルオロアルキル基を有する界面活性剤には、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤がある。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また、無機分散剤と同様にして有機樹脂微粒子を使用することもできる。使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
樹脂微粒子の平均粒径は5〜500nmの物が用いられる。5nm以下では保存性改良効果が低下し、500nm以上では低温定着性を阻害する。樹脂微粒子のTgとしては55℃以上100℃以下の物が好ましい。Tgが55℃以下では保存性が不十分となり、100℃以上では低温定着性が不十分となる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(C)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造と活性水素基を有する化合物(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
(二成分用キャリア)
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる虞がある。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
以下に、本発明の実施例を示し、更に説明を行う。以下、部は重量部を示す。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステル1(AV=15)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、テレフタル酸210部、アジピン酸79部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸25部を入れ、180℃、上圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6100、Tg43℃、酸価14.5であった。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜MBの合成〜
水30部、C.I. Pigement Blue15:3(ECB−301:大日精化製)50部、[低分子ポリエステル1]50部、顔料分散剤(ソルスパースS24000sc:Avecia製)15部、顔料分散助剤(ソルスパースS5000:Avecia製)2.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。混合物を2本ロールを用いて130℃で45分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[シアンマスターバッチ1]を得た。
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、ワックス(合成エステルワックスWEP−5:日本油脂)110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[シアンマスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[シアン原料溶解液1]を得た。
[シアン原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[シアン顔料・WAX分散液1]を得た。[シアン顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜乳化⇒脱溶剤〜
[シアン顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を139部、[ケチミン化合物1]5.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[シアン乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[シアン乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[シアン分散スラリー1]を得た。
〜洗浄⇒乾燥〜
[シアン乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、
<1>:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
<2>:<1>の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
<3>:<2>の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
<4>:<3>の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[シアン濾過ケーキ1]を得た。
[シアン濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩った後、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[シアントナー1]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以下であった。
[実施例2]
実施例1の乳化⇒脱溶剤の過程で[シアン顔料・WAX分散液1]を2031部に変えること以外は実施例1と同様にして、[シアントナー2]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以下であった。
[比較例1]
実施例1の乳化⇒脱溶剤の過程で[シアン顔料・WAX分散液1]を250部に変えること以外は実施例1と同様にして、[シアントナー1−2]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面の内、4断面で400nm以上であった。
[比較例2]
〜低分子ポリエステル2(AV=0.5)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物309部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物480部、テレフタル酸159部、アジピン酸114部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸4部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル2]を得た。[低分子ポリエステル2]は、数平均分子量2100、重量平均分子量5800、Tg43℃、酸価0.5であった。
以降、[低分子ポリエステル1]を[低分子ポリエステル2]に変えること以外は実施例1と同様にして、[シアントナー2]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以上であった。
[実施例3]
〜低分子ポリエステル3(AV=1)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物319部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物449部、テレフタル酸243部、アジピン酸53部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸8部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル3]を得た。[低分子ポリエステル3]は、数平均分子量1900、重量平均分子量6100、Tg43℃、酸価1.4であった。
以降、[低分子ポリエステル1]を[低分子ポリエステル3]に変えること以外は実施例1と同様にして、[シアントナー3]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以下であった。
[比較例3]
実施例2の乳化⇒脱溶剤の過程で[シアン顔料・WAX分散液3]を5240部に変えること以外は実施例2と同様にして、[シアントナー3−1]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以上であった。
[実施例4]
〜比較低分子ポリエステル4(AV=40)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物562部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物75部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物87部、テレフタル酸143部、アジピン酸126部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸69部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル4]を得た。[低分子ポリエステル4]は、数平均分子量3700、重量平均分子量7200、Tg43℃、酸価40であった。
以降、[低分子ポリエステル1]を[低分子ポリエステル4]に変えること以外は実施例1と同様にして、[シアントナー4]を得た。
後述するように、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さを測定した。その結果、任意に抽出した10個の全ての断面で400nm以下であった。
実施例、比較例で作成したトナーを次のように評価した。
1)X線吸収スペクトル測定方法及び形態観察
トナーの各の単体成分のスペクトルは以下のように測定した。
単体が紛体である場合は、エポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化した。尚、溶媒に溶かして、Si薄膜上に滴下し、溶媒を飛ばしたものを測定してもよい。単体成分のスペクトル測定は、ラインスキャンを用いた。変性ポリエステル系樹脂(C)及び、未変性ポリエステル系樹脂(D)のスペクトルの例を図1に示す。
トナーの成分マップを、以下の方法で作製した。
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームによって厚さ約100nmに切片化した。このトナー断面を、走査型透過X線顕微鏡(STXM:Scanning Transmission X−ray Microscope)によって、炭素K吸収端領域のX線を用いて観察、測定した。データの処理は、プログラム「aXis2000」(http://unicorn.mcmaster.ca/aXis2000.html)を用いて行った。透過像の各点のスペクトルをもとに、成分単体のスペクトルを用いて、特異値分解(SVD)法で、像の各点を成分に帰属し、負に帰属された部分を除いて、トナー断面の成分マップを得た。
以下はSTXM観察の例である。包埋樹脂を1、変性ポリエステル系樹脂(C)を2、未変性ポリエステル系樹脂(D)を3で表した成分マップを、図2に示す。
図2において、2と3で構成される楕円形の部分がトナー断面である。4の部分は試料作成時にできたアーティファクトである。図2からトナー内部の2の変性ポリエステル系樹脂(C)の部分は、直線長さで400nm以下の長さとなっており、本発明の条件(i)を満足していることがわかる。但し、伸ばした時の長さは、400nm以上になってもよく、本発明における直線長さで400nm以下とは曲がった状態の長さである。このように変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)が混じり合うことによって、定着時に溶けたトナーが内部破断してオフセット現象が生じないようになる。また、このようにポリエステルが混じり合うことによって、着色剤や離型剤の分散も良くなる。
次に、図2における変性ポリエステル系樹脂(C)成分4の領域を図3に示し、この領域から取り出したスペクトルA’を図4に示す。また図5(a)にスペクトルA’、図5(b)に図1(a)の変性ポリエステル系樹脂(C)、図5(c)に未変性ポリエステル系樹脂(D)のスペクトルのそれぞれの微分値を示す。スペクトルAの成分から取り出したスペクトルA’は288.7eVから289.25eVで2次微分値が正から負へ変化しているので、条件(iii)を満足していることがわかる。変性ポリエステル系樹脂(C)の微分値の変化は負正負、未変性ポリエステル系樹脂(D)は正負であり、実際のトナーから取り出されたスペクトルA’の微分値の正負の変化の傾向は、未変性ポリエステル系樹脂(D)と同じことが判る。従って変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)は、完全に非相溶ではなく、一方で成分マップによって識別されることから、完全に相溶している訳ではない。このようにポリエステル樹脂が分散することによって、樹脂間の界面が無くなり光沢性が良くなる。
実施例1と比較例1及び実施例3と比較例3の結果から、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)の重量比が5/95〜25/75が、オフセット性に優れていることが判る。重量比が低いとオフセット性が悪くなり、重量比が高いと、さらに定着性が悪くなった。
また、実施例1と比較例2、実施例4の結果から、未変性ポリエステル系樹脂(D)の酸価が0.5〜40mgKOH/gでない場合は、オフセット性が悪くなる傾向がある。
2)光沢度評価
定着ローラーをPFAチューブ被覆ローラーに交換し、シリコーンオイル塗布装置を除去したリコー製カラー複写機プリテール650改造機を用いて、1.0±0.1mg/cmのトナーが現像される様に調整を行ない、定着ローラー表面温度が160℃の時のベタ画像サンプルの光沢度を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。なお、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。この光沢度は、値の高い程、光沢があり、鮮明で色再現性に優れた画像を得るには、約10%以上の光沢度が必要である。
なお、定着ローラーは、厚さ2mmのシリコンゴムに25μmのPFAチューブを被覆してあり、定着圧力は80Kgであり、ニップ幅は8mm、ニップの形状は定着ローラー側に凹んでいる。定着ローラーのヒーター出力は650W、加圧ローラーのヒーター出力は400Wを用いた。
3)オフセット評価
光沢度の評価に用いたリコー製カラー複写機プリテール650改造機を用い、定着ローラーの温度を5℃づつ変化させ、オフセットの発生し始める温度を測定した。なお、定着ローラーには、オイルを塗布しない条件で評価を行ない、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。
評価結果は以下のように表した。
◎:非常に高温までオフセットが発生せず非常に耐オフセット性に優れる。
○:高温までオフセットが発生せずに耐オフセット性に優れる。
△:耐オフセット性が不十分だが、微量のシリコンオイル(0.5〜1mg/A4サイズ)を塗布すれば耐オフセット性は満足する。
×:低温からオフセットが発生し、微量のシリコンオイルを塗布しても耐オフセット性に劣る。
表1に上記の実施例と比較例の評価結果を示す。
条件(i)(ii)については、無作為に10個の異なる断面を抽出し、観察した断面が条件を全て満足するものは○、一部満足しない断面を含む場合は△、全て満足しない場合は×とした。
(a)変性ポリエステル系樹脂(C)の炭素1S吸収端のX線吸収スペクトルである。(b)は未変性ポリエステル系樹脂(D)の炭素1S吸収端のX線吸収スペクトルである。 成分マップの説明図である。 図2から図4のスペクトルA’を取り出した領域を示す図面である。 スペクトルA’である。 (a)はスペクトルA’の微分値示す図面である。(b)は変性ポリエステル系樹脂(C)の微分値示す図面である。(c)未変性ポリエステル系樹脂(D)の微分値示す図面である。
符号の説明
1 包埋樹脂
2 変性ポリエステル系樹脂(C)
3 未変性ポリエステル系樹脂(D)
4 変性ポリエステル系樹脂(C)成分

Claims (5)

  1. 少なくとも着色剤とバインダー樹脂を含有する画像形成用トナーにおいて、
    前記バインダー樹脂が、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する変性されたポリエステル系樹脂(A)を、活性水素基を有する化合物(B)と反応させて得られる変性ポリエステル系樹脂(C)と、酸価(AV)が0.5mgKOH/g<AV≦40mgKOH/gを満たす未変性ポリエステル系樹脂(D)と、合成エステルワックスと、を含有すると共に、変性ポリエステル系樹脂(C)と未変性ポリエステル系樹脂(D)の重量比が5/95〜25/75であり、以下の条件(i)(ii)(iii)が満たされることを特徴とする画像形成用トナー。
    〔条件(i)〕 走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いてトナー断面を下記観察条件(ii)下で観察することにより得られる成分マップにおいて、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分のトナー断面での直線長さが400nm以下である。
    〔条件(ii)〕 約282〜300eVの領域の単色化されたX線のエネルギーを用いて、変性ポリエステル系樹脂(C)、未変性ポリエステル系樹脂(D)、およびトナー中に含まれる成分単体のX線吸収スペクトルを測定し、次にトナー断面を前記エネルギーにおけるX線ビームで走査することにより得られた透過像における各点のスペクトルを、前記成分単体のスペクトルを用いて各成分に帰属させて、トナー断面の成分マップを得る。
    〔条件(iii)〕 該成分マップによって、変性ポリエステル系樹脂(C)の成分として帰属されたスペクトルにおいて、X線のエネルギーが288.7eVから289.5eVの領域で、スペクトルの2次微分値の符号が正から負へ変化している。
  2. 請求項1に記載の画像形成用トナーが充填されていることを特徴とするトナー容器。
  3. 請求項1に記載の画像形成用トナーとキャリアからなることを特徴とする現像剤。
  4. 請求項に記載の現像剤が充填されていることを特徴とする現像剤容器。
  5. 請求項記載のトナー容器又は請求項に記載の現像剤容器が装着されていることを特徴とする画像形成装置。
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