JP4285972B2 - 内装用布帛とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、マイナスイオンを発生する内装用布帛およびその製造方法に関するものであり、繊維層の裏側にバッキング層を施して製造するカーペット、椅子張り地等の内装用布帛において、人体に有効なマイナスイオンを安定して発生させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−232020号公報
【特許文献2】
特開平7−258909号公報
【特許文献3】
特開2000−518号公報
【特許文献4】
特開平6−123004号公報
森林や滝の周辺には数千個のマイナスイオンが存在し、人の気分を静めたり、リラックスさせ、爽快感が感じられると共に、生体細胞を活性し、生体に対し好影響を与えると言われ注目されている。マイナスイオンを発生させる方法としては、滝周辺での発生のようにレナード効果と呼ばれるもの、電気石と呼ばれるトルマリンを利用したもの、また、天然放射性希有元素鉱物から放出される放射線を利用したもの、などが知られている。天然放射性希有元素鉱物としては、イオン対やラジカルを生成するもので、例えばモナズ石、変成ジルコン、サマルスキー石、ヘエルグソン石、ゼノタイム、トリウム石等が知られている。
【0003】
天然放射性希有元素鉱物からは、α線、β線、γ線等の放射線を放出し、その放射線に空気中の原子、分子が衝突接触すると、それらはラジカル化されたり、電離作用でイオン対を生成し、空気中のマイナスイオンを増加させる。特開平7−232020号においては、天然放射性希有元素鉱物の微粉末を、気体透過性及び接着能力をもつ樹脂と共に、不織布に接着固化しフィルターとしたものが開示され、消臭効果のある、従来よりも製品寿命の長いものとして公開されている。特開平7−258909号においては、消臭、抗菌、鮮度保持機能をもつ天然放射性希有元素鉱物の微粉末を、繊維の中に練り込み、この繊維を使って、不織布や織物を製造して、フィルター、内装材、包装容器等に応用すれば、消臭、殺菌作用によって快適な空間が得られるものとして開示されている。
【0004】
また、特開2000−518号においては、電気石と呼ばれるトルマリン単体ではマイナスイオンの発生量が満足するものでないため、天然放射性希有元素鉱物の微粉末を組み合わせ、ウレタン、レーヨン、ゴム等の多孔質材からなる担持体中に混合担持させた鮮度維持・消臭材が開示されている。
【0005】
一方、特開平6−123004号では、内装用布帛へ天然放射性希有元素鉱物を含有させ、安全で効果的な防虫性と殺虫性を得るとして、カーペットのパイル、1次基布、バッキング材に天然放射性希有元素鉱物を担持させることが開示されている。
【0006】
しかし上記の天然放射性希有元素鉱物を使った従来技術は、いずれも主に消臭、防虫、殺菌効果を目的に開発されたもので、本発明のようマイナスイオンの存在下で、人の気分を静めたり、リラックスさせ、爽快感を得、生体に対し好影響を与える効果を目的としたものは知られていなかった。また、天然放射性希有元素鉱物はベージュ系の有色材であるため、布帛等の表面に塗布や含浸させる従来の方法では、淡色の製品にしか使えなかったり、マイナスイオンの発生量を確保するために多くの天然放射性希有元素鉱物を含有すると、風合いが硬くなることから、天然放射性希有元素鉱物の含有量も制約されていた。また、天然放射性希有元素鉱物の粒径を細かくすれば風合いは良好となるが、1μmよりも細かく微細化する作業は、極めて困難で煩雑な工程を要するという問題もあった。特に、カーペットやモケットのように、柔らかいパイルからなる表面繊維層の加工には不向きであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カーペット、椅子張り地等の内装用布帛において、風合いを損ねることなく、表面の色相に制約されることなく、森林内のようにマイナスイオンを発生し、爽やかな室内雰囲気を醸し出すための内装用布帛を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、内装用布帛のバッキング層において、天然放射性希有元素鉱物の粒径と含有量、及び無機充填材の含有量に着目することで上記課題を克服し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の第1の発明は、 少なくとも繊維層とその裏側にゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含むバッキング層を備えた内装用布帛において、前記バッキング層に、前記高分子成分100重量部に対し、平均粒子径が1〜150μmの天然放射性希有元素鉱物を30〜100重量部含み、前記天然放射性希有元素鉱物を除く無機充填材を0〜50重量部含むバッキング組成物を、乾燥重量で前記天然放射性希有元素鉱物が30〜100g/m、及び前記無機充填材が0〜50g/mとなるように塗布したことを特徴とする内装用布帛である。本発明における内装用布帛とは、室内用や車両用のカーテン、カーペット、モケット、壁紙等の内装用布帛でバッキング層を備えたものをいう。
【0010】
本発明において、内装用布帛の繊維層としては、綿、レーヨン、麻などのセルロース系繊維、ウール、絹などの動物繊維、ポリエステル,ナイロン、ポリプロピレンなどの合成繊維、及びこれらの2種類以上からなる複合繊維が挙げられ、それらは、糸、織物、編物、不織布、タフテッドなどのいかなる形態であっても良い。また、バッキング層は、ゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含むもので、高分子成分としては、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体)、CR(クロロプレンラバー)、アクリル樹脂エマルジョン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)天然ゴム等から選らばれる。
【0011】
また、天然放射性希有元素鉱物は、良好な風合いを得るために微粒子にして用いる必要があるが、その粒径は平均粒子径が1μm〜150μmであればよく、1μm未満では粉砕に要する労力が大きくなりコストが増大し、150μmを越えると風合いが硬くなり過ぎ好ましくない。無機充填剤は特に限定されないが、炭酸カルシウムが一般的に使われており、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ等も例示できる。無機充填剤の含有量は0でもよく、天然放射性希有元素鉱物の含有量との関係で、高分子成分100重量部に対し50重量部を越えるとイナスイオンの発生量は減少してしまう。
【0012】
乾燥重量で前記天然放射性希有元素鉱物が30g/m未満ではマイナスイオンの発生量が少なく、100g/mを越えると風合いが硬くなり過ぎ好ましくない。また、無機充填材が0g/mであれば、マイナスイオンの発生量は最大値を示し、50g/mを越えるとマイナスイオンの発生量が極端に減少し好ましくない。また、内装用布帛の表面繊維層に天然放射性希有元素鉱物を含有させても良いが、繊維層が硬くなったり、繊維層に天然放射性希有元素鉱物の色が着き、繊維層の色が制限されることから、表面繊維層には天然放射性希有元素鉱を含有させない方が好ましい。
【0013】
第2の発明は、前記天然放射性希有元素鉱物は、トリウム、ウラン、ラドン、セリウムのうち、少なくとも1種の自然放射性元素を含有する鉱物である請求項1に記載の内装用布帛である。天然放射性希有元素鉱物は、例えばモナズ石、変成ジルコン、サマルスキー石、ヘエルグソン石、ゼノタイム、トリウム石等を挙げられ、それらは天然放射性核種としてのトリウム、ラドン、ウラン、セリウム等の同位体及びそれらの化合物を含有している。天然放射性希有元素鉱物は天然放射性核種から、放射線を放出し、空気中の原子、分子が衝突接触すると、それらはラジカル化されたり、電離作用でイオン対を生成し、空気中のマイナスイオンを増加させるものである。
【0014】
第3の発明は、 前記繊維層が、立毛布帛からなる請求項1または2項に記載の内装用布帛であり、カーテン、カーペット、モケット、壁紙等の立毛布帛からなる内装用布帛である。
【0015】
第4の発明は、マイナスイオンの発生量が300〜3000個/ccである請求項1乃至3項のいずれかの項に記載の内装用布帛である。一般的な室内で通常100〜150個/cc程度のマイナスイオンが存在し、人が心地よいと感ずる森林や、渓流、滝壷付近で300〜10000個/cc存在しているとされており、本発明の内装用布帛におけるマイナスイオンの発生量は300〜3000個/ccで森林浴のような爽やかな室内雰囲気を醸し出すものである。
【0016】
第5の発明は、繊維層の裏側にゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分100重量部に対し、平均粒子径が1〜150μmの天然放射性希有元素鉱物を30〜100重量部、前記天然放射性希有元素鉱物を除く無機充填剤を0〜50重量部、可塑剤及び/または水を30〜200重量部混合したバッキング組成物を、乾燥重量で80〜400g/mとなるように塗布し、120〜180℃で5〜20分乾燥する内装用布帛の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、マイナスイオンを発生する内装用布帛およびその製造方法に関するものであり、繊維層としては、綿、レーヨン、麻などのセルロース系繊維、ウール、絹などの動物繊維、ポリエステル,ナイロン、ポリプロピレンなどの合成繊維、及びこれらの2種類以上からなる複合繊維が挙げられ特に限定されるものではないが、摩擦により静電気が発生すると、マイナスイオンを捕捉してしまうおそれもあり、帯電防止剤を付与してあればより好ましい。また、繊維層の形態は、糸、織物、編物、不織布、タフテッドなどのいかなる形態であっても良く、本発明は繊維層の裏側のバッキング層に、天然放射性希有元素鉱物を含有させるのであり、繊維層へ防汚加工、抗菌加工、防虫加工、難燃防炎加工、撥水撥油加工、消臭加工等機能性を付与する加工を行なっても構わない。
【0018】
バッキング層に使用する樹脂は、ゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含むもので、高分子成分としては、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体)、CR(クロロプレンラバー)、アクリル樹脂エマルジョン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)天然ゴム等から選らばれる。
【0019】
バッキング剤の無機充填剤としては特に限定しないが、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ等を例示できる。また、必要に応じて、抗菌剤、防虫剤、消臭剤、防炎剤等の各種添加剤を配合することもできる。
【0020】
バッキング層に混入する天然放射性希有元素鉱物は、イオン対やラジカルを生成するものであれば特に制限は無く、例えばモナズ石、変成ジルコン、サマルスキー石、ヘエルグソン石、ゼノタイム、トリウム石等が使われる。それぞれ元素組成と生成過程のわずかな違いにより、その特性は異なるが、核原料物質であるこれらの放射性核種を含有するものについては、その使用に関して規制があり、これらの濃度が370ベクレル/g以上では届出が必要となることから、本発明では、放射線材料の配合割合は、酸化トリウムの含有量として換算し2.0重量%未満であることが好ましい。
【0021】
また、バッキング層の下側に、セカンド基布として、織基布、編基布、不織布等を積層接着することも可能であり、バッキング剤の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーター法、ダイレクトコート法、ナイフコート法、スプレーコート法等が挙げられる。また、軽量化、低塗布量化、クッション性の向上等のため、バッキング剤を発泡して塗布するか、塗布後発泡することも可能である。
【0022】
【実施例】
つぎに本発明の具体的な実施例に沿って作成した内装用布帛とその評価結果について述べる。図1は本発明の一実施形態に係るカーペットを示す断面図で、バッキング層4に天然放射性希有元素鉱物を含有させ、マイナスイオンを発生させるものである。
マイナスイオンの測定方法
図2に示すように、エアーイオンカウンター5(アルファ・ラボ社製エアーイオンカウンターIC−1000)を用いてマイナスイオンの量を測定する。A−4サイズに切断した測定試料を直径8.5cm×21.0cmの円筒形に丸めた筒状の試料7の端の中心部から1cm離れた位置にエアーイオンカウンター5の空気吸引口を保持し、スイッチを入れ、空気の流れが安定する1分後から測定し、5分間の測定値の平均値を求める。
【0023】
実施例1 基布目付け100g/mのPP不織布(スパンボンド)にパイル長7mm、パイル目付け520g/mでタフトしたナイロンループタフテッドカーペット1mに、SBR100重量部、平均粒子径25μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)60重量部、炭酸カルシウム0重量部、起泡剤及び増粘剤6重量部、水200重量部からなるバッキング剤より成るSBRラテックスエマルジョン組成物を、カーペット裏面に300g/mロールコーターで塗布した。130℃8分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が136g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は49g/mであった。この試料を前記測定方法にてマイナスイオンを測定したところ、測定値は591個/ccであった。
【0024】
実施例2 実施例1と同じカーペット表皮の裏面に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径50μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)30重量部、炭酸カルシウム20重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に390g/mをロールコーターで塗布した。130℃10分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が167g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は33g/mで炭酸カルシウム塗布量は22g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は402個/ccであった。
【0025】
実施例3 パイル長3mm、300g/mのポリエステル製モケット表皮1mに、アクリル樹脂エマルジョン組成物(アクリル樹脂100重量部、平均粒子径50μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)80重量部、炭酸カルシウム0重量部、起泡剤及び増粘剤6重量部、水100重量部からなるバッキング剤)を作成しモケット裏面に250g/mをロールコーターで塗布した。120℃10分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が163g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は70g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は2083個/ccであった。
【0026】
実施例4 実施例1と同じカーペット表皮に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径50μmの天然放射性希有元素鉱物(サマルスキー石)80重量部、炭酸カルシウム20重量部、水150重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に400g/mをロールコーターで塗布した。その後さらにポリエステル不織布(厚さ6mm目付け350g/m)を貼り合わせ、135℃16分間乾燥してバッキング加工を行なった。乾燥後の固形分塗布量が229g/mとなり、天然放射性希有元素鉱物の塗布量は92g/m、炭酸カルシウム塗布量は23g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は652個/ccであった。
【0027】
比較例1 実施例1と同じカーペット表皮に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径25μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)20重量部、炭酸カルシウム0重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に400g/mをロールコーターで塗布した。130℃10分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が150g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は25g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は197個/ccと少なかった。
【0028】
比較例2 実施例1と同じカーペット表皮に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径25μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)60重量部、炭酸カルシウム60重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に400g/mをロールコーターで塗布した。130℃10分間乾燥してバッキング加工を行なった。乾燥後の固形分塗布量が210g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は57g/mで炭酸カルシウム塗布量は57g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は184個/ccと少なかった。
【0029】
比較例3 実施例1と同じカーペット表皮に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径0.5μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)120重量部、炭酸カルシウム30重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に400g/mをロールコーターで塗布し、さらにポリエステル不織布(厚さ6mm目付け350g/m)を貼り合わせ、135℃16分間乾燥してバッキング加工を行なった。乾燥後の固形分塗布量が222g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は107g/mで炭酸カルシウム塗布量は27g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は663個/ccであったがコストが合わず不合格とした。
【0030】
比較例4 実施例1と同じカーペット表皮に、SBRラテックスエマルジョン組成物(SBR100重量部、平均粒子径200μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)60重量部、炭酸カルシウム0重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しカーペット裏面に400g/mをロールコーターで塗布した。130℃10分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が178g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は67g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は808個/ccであったが、カーペットが硬くなり好ましくない風合いとなってしまった。
【0031】
比較例5 実施例3と同じモケット表皮に、アクリル樹脂エマルジョン組成物(アクリル樹脂100重量部、平均粒子径50μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)120重量部、炭酸カルシウム0重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しモケット裏面に300g/mをロールコーターで塗布した。120℃15分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が170g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は105g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は3021個/ccであったが、モケットが硬くなり好ましくない風合いとなってしまった。
【0032】
比較例6 実施例3と同じモケット表皮に、アクリル樹脂エマルジョン組成物(アクリル樹脂100重量部、平均粒子径50μmの天然放射性希有元素鉱物(変成ジルコン)120重量部、炭酸カルシウム200重量部、水200重量部からなるバッキング剤)を作成しモケット裏面に200g/mをロールコーターで塗布した。120℃10分間乾燥し、乾燥後の固形分塗布量が135g/mとなった。天然放射性希有元素鉱物の塗布量は39g/mで炭酸カルシウム塗布量は64g/mであった。この試料のマイナスイオンの測定値は232個/ccと少なかった。
【0033】
【表1】
Figure 0004285972
【0034】
上記表1においてマイナスイオンの発生量が300個/ccを合格とし、風合い硬さについては、5名のパネラーの触手による官能試験を行い、3名以上硬いと判定したものを不合格とした。表1の実施例より明らかなように、平均粒子径が1〜150μmの天然放射性希有元素鉱物を、高分子成分100重量部に対し、30〜100重量部含みかつ無機充填剤を0〜50重量部に押えた場合に、マイナスイオンの発生量が400個/cc以上確保され、コスト的にも良好な物を作ることができた。
【0035】
これに対して、比較例では、天然放射性希有元素鉱物の粒径が大きくなるとマイナスイオンの発生量はそれ程変わらないが、風合いが硬くなってしまう。また、天然放射性希有元素鉱物の含有量が少ないと、マイナスイオンの発生量が十分ではなかった。また、天然放射性希有元素鉱物の粒径が小さくなると風合いが柔らかくなって良好であるが、コスト的に満足のいくものとならなかった。また、無機充填剤が50重量部を越えると、マイナスイオンの量は著しく低下する。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、カーペット、椅子張り地等の内装用布帛において、繊維層の裏側のバッキング層に粒径1〜150μmの天然放射性希有元素鉱物を含有することにより、森林周辺のように300個以上のマイナスイオンを絶えず発生し、爽やかな室内雰囲気を醸し出す内装用布帛を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るカーペットを示す断面図である。
【図2】この発明のマイナスイオンを測定する方法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…カーペット
2…パイル層
3…基布
4…バッキング層
5…エアーイオンカウンター
6…パイル層
7…筒状の試料

Claims (1)

  1. 少なくとも立毛布帛からなる繊維層とその裏側にゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含むバッキング層を備えた内装用布帛において、前記バッキング層に、前記高分子成分100重量部に対し、トリウム、ウラン、ラドン、セリウムのうち、少なくとも1種の自然放射性元素を含有する、平均粒子径が1〜150μmの、天然放射性希有元素鉱物を30〜100重量部含み、前記天然放射性希有元素鉱物を除く無機充填材を50重量部以下含むバッキング組成物を、乾燥重量で前記天然放射性希有元素鉱物が30〜100g/m、及び前記無機充填材が50g/m 以下となるように塗布し、マイナスイオンの発生量が300〜3000個/ccであることを特徴とする内装用布帛。
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