JP4285107B2 - 有機過酸化物水性エマルションの製造方法 - Google Patents

有機過酸化物水性エマルションの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵安定性が高く、更に水で希釈した際の安定性(以下、水希釈安定性と略記する。)に優れる有機過酸化物水性エマルションの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各重合メーカーは、ビニル系重合体を塊状重合法、懸濁重合法または乳化重合法によって製造するに際し、生産性向上を目的として、重合設備の大型化、連続化、自動化を進めてきた。この目的に適した重合開始剤の形態としては、有機過酸化物を各種有機溶剤で希釈したものや水性エマルション化したものが挙げられる。
有機溶剤による希釈品としては、その使用目的に応じて各種有機溶剤によって所望の濃度に希釈された有機過酸化物希釈品が商品化され、各種ビニル系単量体の重合分野で広く用いられている。
【0003】
しかし、この有機過酸化物希釈品は、これを重合開始剤として使用した場合、大量の有機溶剤が重合系内に導入され、この有機溶剤が連鎖移動剤や重合停止剤として作用する。特に乳化重合法において所望の重合度の重合物が製造できないばかりか、乳化系を破壊して重合体の物性にまで悪影響を及ぼすという課題があった。
【0004】
一方、水性エマルションは、重合形態が水系に限られるが、高濃度でも取扱い性に優れており、ポンプ送液による自動化は勿論のこと、ローリーによるバルク輸送や大型タンクによる貯蔵も可能である。また、水性エマルションの場合、有機溶剤による希釈品と違い水による希釈が可能であり、送液は勿論のこと、配管或いはタンクなどの洗浄も水により行うことができるという利点もある。
【0005】
そこで、近年、この分野では常温(この明細書で常温とは、25℃±10℃を想定する。)で液体の有機過酸化物を水中に分散する技術が益々要望されており、種々検討されている。
例えば、有機過酸化物とHLBの異なる3種のノニオン系界面活性剤を混合し、そこへ3種の中でHLBが最も大きいノニオン系界面活性剤と水との混合溶液を添加しながら高速度で乳化させる方法および、この製造方法により得られるエマルションが開示されている(特許文献1参照)。
また、有機過酸化物、アルコール、保護コロイド剤、ノニオン系界面活性剤とを含む混合液を乳化する方法および、この製造方法により得られるエマルションが開示されている(特許文献2参照)。
また、特定の分子置換度を持つヒドロキシエチルセルロースを保護コロイドとし、そこへ第三級ブチルヒドロペルオキシドを滴下しながらタービン攪拌機を用いて高速乳化する方法および、この製造方法により得られるエマルションが開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭56―140048号公報(第5頁)
【特許文献2】
特開昭57−28106号公報(第5頁)
【特許文献3】
特開昭59−110669号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された方法ではHLBの異なる3種の界面活性剤を必要とするので製造されたエマルションの安定性は十分ではなく、さらに乳化重合に用いたとき重合系の安定性に影響を与える。特許文献2に開示された方法では保護コロイド剤やアルコールを必要とし、また特許文献3に開示された方法では特定の分子置換度を持つヒドロキシエチルセルロースを必要するので、製造されたエマルションを乳化重合に用いたとき、重合系の安定性に影響を与えることはもちろん、重合における最終製品からこれらの成分の除去が困難であるという問題があった。
さらに、いずれの方法で得られる有機過酸化物水性エマルションも長期の貯蔵安定性や水希釈安定性が不十分という問題があった。
【0008】
本発明の目的は、貯蔵安定性が高く水希釈安定性が高い10℃で液状の有機過酸化物の水性エマルションの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ノニオン系界面活性剤を水媒体に乳化してノニオン系界面活性剤の乳化液を製造するプレ乳化工程、該プレ乳化工程で得られたノニオン系界面活性剤の乳化液に10℃で液状である有機過酸化物を添加し、これを乳化する本乳化工程にて、有機過酸化物の水性エマルションを得ると、前記問題点が解決できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0014】
第1の発明は、下記工程(1)及び(2)の工程を含み、10℃で液状であり、10時間半減期温度が70〜170℃の範囲にある有機過酸化物を油相とし、ノニオン系界面活性剤を乳化剤として4〜10重量%の範囲で含有することを特徴とする粒径0.1〜10μmの水性エマルションの製造方法。
工程(1):ノニオン系界面活性剤を水媒体に添加し、これを乳化するプレ乳化工程。
工程(2):ノニオン系界面活性剤及び該有機過酸化物を工程(1)のプレ乳化工程で得られたノニオン系界面活性剤の乳化液に添加し、20〜25℃の温度範囲でこれを乳化する本乳化工程。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の有機過酸化物水性エマルションは、ノニオン系界面活性剤を水媒体に乳化するプレ乳化工程と、該プレ乳化工程で得られたプレ乳化液に有機過酸化物を添加して乳化する本乳化工程により製造されることを特徴とする。
【0016】
ノニオン系界面活性剤の添加はプレ乳化工程時におこなうことを必須とするがその一部をプレ乳化工程時に添加し、残部を本乳化工程時に添加してもかまわない。添加方法は、下記の手順のいずれでも良いが、貯蔵安定性および水希釈安定性の点から、1)および2)の手順が好ましい。
1)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時のみに添加する。
2)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB10〜15のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
【0017】
3)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらHLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
4)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB1から10未満のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
【0018】
5)HLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB1から10未満のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
6)HLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
【0019】
7)HLB10〜15のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時のみに添加する。
8)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB10〜15のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
9)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時に添加し、さらにHLB1から10未満のノニオン系界面活性剤およびHLB10〜15のノニオン系界面活性剤を本乳化工程時に添加する。
10)HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤をプレ乳化工程時のみに添加する。
【0020】
前記HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤を使用すると、水性エマルションの平均粒径を小さくするとともに、長期の貯蔵安定性と水希釈安定性を向上させることが出来る。
HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ジオキシエチレンステアレ−ト、ジオキシエチレンオレ−ト、モノオキシエチレンラウリルエーテル、ジオキシエチレンラウリルエーテル、ペンタオキシエチレンオレイルエーテル、ジオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用される。
これらの中では、長期の貯蔵安定性および水希釈安定性の向上という観点から、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレートが好ましい。
【0021】
前記HLB1から10未満のノニオン系界面活性剤の添加量は、有機過酸化物水性エマルションに対して、通常0.5〜30重量%で、さらに1〜25重量%が好ましい。
添加量が0.5重量%未満では有機過酸化物水性エマルションの長期安定性が得られず、30重量%を超えるとビニル系単量体の乳化重合系に影響を与える。
【0022】
前記HLB10〜15のノニオン系界面活性剤を使用すると、水性エマルションの長期の貯蔵安定性をさらに向上させることができる。
HLB10〜15のノニオン系界面活性剤として、具体的には、例えば、エチレンオキシサイドの重合度が6〜40の、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用される。
これらの中では、水性エマルションの長期の貯蔵安定性という観点から、前述のポリオキシエチレン脂肪酸エステルやポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0023】
前記HLB10〜15のノニオン系界面活性剤の添加量は、有機過酸化物水性エマルションに対して通常0.5〜20重量%で、さらには1〜10重量%が好ましい。
添加量が0.5重量%未満では有機過酸化物水性エマルションの長期の貯蔵安定性が得られず、20重量%を超えるとビニル系単量体の乳化重合系に影響を与える傾向にある。
ノニオン系界面活性剤のHLBは、W.C.Griffinが提唱した式(J.Soc.Cosmetic Chemists.1巻、311ページ、1949年)より算出される。
【0024】
本発明で使用される界面活性剤とは、前記のノニオン系界面活性剤を必須とするが、それ以外にも必要に応じて、前記2種のノニオン系界面活性剤以外のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を併用して使用することもできる。
【0025】
ここで、10℃で液状の有機過酸化物は、10℃において液状である全ての有機過酸化物(但し、ここでは有機溶剤で希釈した有機過酸化物も含まれている。)であり、かつ10時間半減期温度が70〜170℃の範囲にある有機過酸化物である。
10時間半減期温度が70℃未満の場合、長期保管やエマルション製造時において有機過酸化物自体の劣化が起こることがあり、また、170℃を超える場合は入手が困難となる傾向にある。
【0026】
本発明で油相を構成することになる10℃で液状の有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−n−ブチルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシイソプロピルカーボネートなどのペルオキシカーボネート類;t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5トリメチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシベンゾエート、t−ヘキシルペルオキシベンソエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート、t−アミルペルオキシイソブチレート、t−ヘキシルペルオキシイソブチレートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−イソプロピルベンセンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシドなどの第3級ヒドロペルオキシドが挙げられる。
より好ましくは、上述のペルオキシカーボネート類、ペルオキシエステル類が挙げられる。
【0027】
前記有機過酸化物の含有量は、有機過酸化物水性エマルション総量中、通常5〜50重量%であり、この範囲内に設定することにより、水性エマルションの常温における安定性を維持することができる。
この含有量が5重量%より少ないと、有効成分である有機過酸化物が少ないため輸送や保管などの経済面で好ましくなく、また、50重量%を超えると安定性が悪くなる傾向にある。実用的に好ましい範囲は10〜40重量%である。
【0028】
また、媒体となる水は、有機過酸化物水性エマルションの所望する濃度や安定性、そして乳化機への適合性などを考慮しながら適宜、プレ乳化工程や本乳化工程で添加される。
また、その他添加成分として、保護コロイド剤、有機過酸化物の希釈剤としての有機溶剤や可塑剤なども適宜、プレ乳化工程や本乳化工程で添加することができる。
【0029】
本発明の有機過酸化物水性エマルションの製造における乳化条件としては、油性成分の有機過酸化物を乳化させる本乳化工程の前に、前記界面活性剤を所定量の水に添加しプレ乳化工程を行なうことが必須である。
プレ乳化工程における乳化条件としては、通常、5〜50℃の温度範囲で、10〜120分間、乳化機を用いてノニオン系界面活性剤を乳化させる。
本乳化工程における乳化条件としては、通常、5〜50℃の温度範囲で、30〜180分間、乳化機を用いて所定量の各成分を含有させた状態で乳化を行なう。
本乳化後の有機過酸化物水性エマルションの平均粒径は、0.1〜10μm程度の範囲であり、外観での均質性のみならず系内の有機過酸化物の濃度分布において安定なエマルションが形成される。より好ましいエマルションの平均粒径は、0.1〜5μmの範囲である。
また、本乳化後はそのままで使用することができるが、取り扱い上や移送手段に適合させる目的でさらに水で希釈することもできる。
【0030】
また、本発明の硬化を損なわない範囲において前記乳化状態を形成するために使用できる装置としては、例えば、かい型、プロペラ型、タービン型の一般の撹拌機であれば特に限定されず使用できるが、乳化時間の短縮のためホモミキサー、ホモジナイザー、高速せん断装置、ラインミキサー、超音波ホモジナイザーなどが特に好適に使用される。
これらの中では、プレ乳化工程には一般の攪拌機、ホモミキサーやラインミキサーを使用することが好ましく、また本乳化工程でも一般の攪拌機、ホモミキサーやラインミキサーを使用することが好ましい。
また、必要に応じて、冷却して乳化系の温度を50℃以下に保ちながら乳化することは、安全面、品質の安定性の点から好ましい。
【0031】
また、前記有機過酸化物水性エマルションは、ビニル系単量体の単独重合または共重合の目的で乳化重合用重合開始剤や懸濁重合用重合開始剤として好適に使用可能であるが、特に重合系の乳化安定性が重視される乳化重合用重合開始剤としてより好適に使用される。
前記ビニル系単量体の具体例としては、例えば、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、スチレン等の単量体単独以外に、スチレン/ブタジエン等の二元混合物、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル、スチレン/ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル等の三元混合物等が挙げられる。使用される添加量等は通常の乳化重合に使用される量である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により、更に具体的に説明する。
なお、表中における略記号の意味は以下の通りである。
BI:t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、
BO:t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−ト、
HC:1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、
OP−85:ソルビタントリオレ−ト(HLB値:1.8)、
SP−60:ソルビタンモノステアレート(HLB値:4.7)、
LP−20:ソルビタンモノラウレート(HLB値:8.6)、
O−4:ポリオキシエチレンモノオレ−ト(HLB値:11.5、エチレンオキサイドの重合度9)、
S−6:ポリオキシエチレンモノステアレ−ト(HLB値:13.6、エチレンオキサイドの重合度14)、
S−215:ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB値:14.2、エチレンオキサイドの重合度15)、
ノニオン:ノニオン系界面活性剤、
PO:有機過酸化物。
【0033】
また、得られた有機過酸化物水性エマルション中の有機過酸化物の平均粒子径や初期濃度差、そして貯蔵安定性、水希釈安定性および重合性能に関する各試験を下記の方法で評価した。
【0034】
1)平均粒子径の測定
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)を用いてメディアン径を測定し、それを有機過酸化物水性エマルション中の有機過酸化物の平均粒子径(単位:μm)とした。
【0035】
2)初期濃度差試験
有機過酸化物水性エマルションの調製直後に容器の上層および下層よりサンプリングし、JIS K 8001に準じて活性酸素量(単位:%)を測定した。そして容器の上層および下層における濃度差を有機過酸化物水性エマルション中の有機過酸化物の初期濃度差(%)とした。
【0036】
3)貯蔵安定性試験
有機過酸化物水性エマルション100gを35mmφ×100mmのガラス容器に入れ、20℃の恒温槽中に貯蔵して目視によって相分離の有無を観るとともに、容器の上層および下層における有機過酸化物の濃度差および平均粒子径を測定した。そして、その経時的な変化から貯蔵安定性を下記基準により判定した。
判定基準:○は2ヶ月以上の期間安定、△は1ヶ月以上2ヶ月未満の期間安定、×は1週間以上1ヶ月未満の期間安定、××は1週間未満の期間安定。
【0037】
4)水希釈安定性試験
水性エマルションを有機過酸化物濃度が5%になるまでイオン交換水を加えて希釈・分散させた後、その100gを35mmφ×100mmのガラス容器に入れた。
そして、20℃の恒温槽中に貯蔵して目視によって相分離の有無を観るとともに、容器の上層および下層における有機過酸化物の濃度差および平均粒子径を測定した。そして、その経時的な変化から貯蔵安定性を下記基準により判定した。
判定基準:○は2週間以上の期間安定、△は1週間以上2週間未満の期間安定、×は3日以上1週間未満の期間安定、××は3日未満の期間安定。
【0038】
5)重合性能試験
窒素置換した5リットルのオートクレーブ中にイオン交換水2510gと脂肪酸カリ石鹸66.7gを溶解した。その後、ブタジエン1000g、スチレン333g、t−ドデシルメルカプタン66.7gおよび有機過酸化物水性エマルション22.3gを仕込み、撹拌しながら50℃で12時間重合させた。
【0039】
実施例 1〜10
表1、2に示す割合(単位:重量部)でイオン交換水およびノニオン系界面活性剤を300mlのフラスコに加えた後、攪拌機(スリーワンモーター、攪拌速度:2000rpm)により常温で60分間のプレ乳化を行なった。
次に、そこへ有機過酸化物、ノニオン系界面活性剤および水を表1、2に示した量だけ加えた後、内温を20〜25℃に保ちながらホモミキサー(特殊機化工業製、形式:MARKII)を用いて10000rpmで10分間撹拌する本乳化により有機過酸化物水性エマルション(200g)を得た。
次に、その有機過酸化物水性エマルションを用いて、平均粒子径、初期濃度差、貯蔵安定性および水希釈安定性に関する試験を行い、その結果を表1、2に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004285107
【0041】
【表2】
Figure 0004285107
【0042】
また、実施例1、5および8で製造された有機過酸化物水性エマルションを用い重合性能試験を行った。未反応モノマーを除去し、目的とするSBRラテックスを得た。
結果、いずれの重合性能試験においても、得られたSBRラテックスの重合転化率は73〜75%、コポリマー中のスチレン量23〜25%、およびラテックス粒子径2〜3μmの範囲となり、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート担体を重合開始剤とする通常の乳化重合の結果と比較して大差がなく、また得られた重合体の物性も良好であった。
【0043】
比較例 1〜3
表3に示す割合(単位:重量部)でイオン交換水、ノニオン系界面活性剤および有機過酸化物を加え、プレ乳化せずに本乳化(内温を20〜25℃に保ちながらホモミキサー(特殊機化工業製、形式:MARKII)を用いて10000rpmで10分間撹拌する。)により有機過酸化物水性エマルションを得た。そして実施例1と同様に各種試験を行い、その結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
Figure 0004285107
【0045】
表1〜3から、実施例1〜10の有機過酸化物水性エマルションは、いずれもポンプ移送が容易で、常温での貯蔵安定性に優れるとともに、水希釈安定性も良好であった。
一方、比較例1〜3の有機過酸化物水性エマルションは、初期濃度差が高く、貯蔵安定性及び希釈安定性についても低かった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の有機過酸化物水性エマルションは常温での貯蔵安定性が高く、さらに水で希釈した場合にも安定性が高い特長を有している。
また、これをビニル系単量体重合用の重合開始剤として乳化重合を行なう場合、安全な取扱いが可能であり、かつ乳化重合系に影響がなく円滑に重合することができる。

Claims (1)

  1. 下記工程(1)及び(2)の工程を含み、10℃で液状であり、10時間半減期温度が70〜170℃の範囲にある有機過酸化物を油相とし、ノニオン系界面活性剤を乳化剤として4〜10重量%の範囲で含有することを特徴とする粒径0.1〜10μmの水性エマルションの製造方法。
    工程(1):ノニオン系界面活性剤を水媒体に添加し、これを乳化するプレ乳化工程。
    工程(2):ノニオン系界面活性剤及び該有機過酸化物を工程(1)のプレ乳化工程で得られたノニオン系界面活性剤の乳化液に添加し、20〜25℃の温度範囲でこれを乳化する本乳化工程。
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