JP4284645B2 - 注湯ラインにおける鋳型のクランプ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、注湯ラインにおける枠なし鋳型、特に自硬性鋳型に注湯を行う際に利用する鋳型のクランプ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ロ−ラコンベヤ等により注湯位置に搬入された枠なし鋳型、特に自硬性鋳型については注湯定盤上に載せた上下鋳型の上部に重錘を載せガイドピンで重錘の安定性を持たせるようにしている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平９−２３９４９２号公報（第１〜３頁、図１）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記特許文献に示す重錘載せ替えは、全て手作業で行われるのが一般的であり、重錘の重量が重く、鋳型が大きくなればなるほど重筋作業を余儀なくされている場合が多く、作業性が悪いものであった。
本発明は、上記の問題にかんがみてなされたもので、重筋作業、作業性が悪いなどの問題を解決できると共に小さな力で容易に注湯ラインの任意の位置に移動して、上下鋳型をクランプできる装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の注湯ラインにおける鋳型のクランプ装置は、注湯ラインの上方に沿って架設されたレールと、該レールにローラを介して複数懸吊された水平部を有する支持体と、該支持体の垂直部に昇降可能に配された昇降部材と、該昇降部材の前面に設けられた支持アームと、該支持アームの先端下部を中心に揺動可能に支持されて鋳型上面に載置する鋳型押えと、該鋳型押えの一端に固着された張力吸収バネと、該張力吸収バネにチェーン連結され、昇降調整可能にしたフック付きチェーンホイールと、前記張力吸収バネ及び前記フック付きチェーンホイール及び前記鋳型押え並びにフック付きホイールを通って連結されたチェーンを付属したチェーンブロックと、を具備したことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図１及び図２において注湯ライン１の外側に支持台２が並行に配置されており、該支持台２の上部には複数の逆Ｌ型の固定フレ−ム３、３が適当な間隔をおいて立設されている。該逆Ｌ型の固定フレ−ム３、３間の先端部下面には懸架用レ−ル４が注湯ライン１に沿って架設されている。
【０００９】
該懸架用レ−ル４にはロ−ラ４Ａを介して逆Ｌ型の支持体５が間隔をあけて複数個移動可能にして懸吊されており、該支持体５の水平部前後両端にホイ−ル６、６を備え、垂直部に昇降部材７を備えている。以下、図２のものを代表させて説明する。
該昇降部材７の前面には、注湯ライン１の中心部上方まで延びる支持ア−ム８が固着されており、該支持ア−ム８の先端下部には鋳型押え９の中心部がピン１０にて連結され、なおかつ支持ア−ム８の該昇降部材７寄り位置と該鋳型押え９間をバネピン１１で一定範囲内で伸縮できるようにして連結されている。
【００１０】
また前記鋳型押え９の両端部にはホイ−ル１２、１２が備えられていると共に前記昇降部材７寄り端部に張力吸収バネ１３を固着し、該張力吸収バネ１３の下端より、フックの上下位置を調整可能にしたフック付きチェ−ンホイ−ル１５及び前記鋳型押え９の２個のホイ−ル１２、１２並びに上下位置を調整可能にしたフック付きホイ−ル１６と連結されたチェーン１４を付属したチェ−ンブロック１７を備えている。なお注湯ライン１にはローラコンベヤ１８上に鋳型定盤１９が枠なしの鋳型２０、２１を型合せした状態で搬入、搬出される。
【００１１】
このように構成されたものは、前記チェ−ンブロック１７をゆるめて前記鋳型押え９を軽く手作業で押し上げて、前記支持体５の垂直部に設けられる図示しないカウンターウェイトと前記支持アーム８を該支持体５の水平部前後両端に設けられたホイ−ル６、６を介してチェーン７Ａにて連結することによりバランスを取りながら上方で停止させた状態にする。次ぎに注湯ライン１から鋳型定盤１９上に型合せされた鋳型２０、２１が搬入されてくる。
【００１２】
作業者は鋳型押え９を軽く押し下げて鋳型２０の上面に載置した後、前記フック付きチェ−ンホイ−ル１５のフックを鋳型定盤１９下面に引掛け、さらに前記フック付きホイ−ル１６のフックを鋳型定盤１９下面に掛けた後、チェ−ンブロック１７を操作してチェ−ン１４を締め付けてゆき、図示されないバネ変位量ゲ−ジで前記張力吸収バネ１３が若干伸びたことを確認してチェ−ンブロック１７を固定する。なお、該フック付きチェーンホイール１５のフックは常時はスプリングにより鋳型定盤１９の下面より下側に押し下げられ、チェ−ンブロック１７を操作してチェ−ン１４を締め付けることにより、引き上げられて注湯定盤１９の下面に引っかかるようになっている。
【００１３】
これにより型合わせされた鋳型２０、２１は、鋳型定盤１９と鋳型押え９によりクランプされた状態になる。また注湯後、はりけ、鋳型膨張等により鋳型が変形し鋳型高さが高くなることによるチェ−ン１４張力の上昇があっても張力吸収バネ１３で吸収することができ、チェ−ン１４張力が必要以上にならないようになっている。
【００１４】
次にクランプされた鋳型２０、２１に対し注湯が行われ、所定時間冷却された後、チェ−ンブロック１７をゆるめてクランプを解除し、作業者が鋳型押え９を軽く押し上げる。さらにローラコンベヤ１８上の注湯済の鋳型２０、２１を鋳型定盤１９と共に図示されない冷却ラインに搬出し、新しい鋳型２０、２１を載せた鋳型定盤１９がローラコンベヤ１８上に搬入されてくる。以上の作動を繰り返し行うものである。
【００１５】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明の注湯ラインにおける鋳型のクランプ装置は、注湯ライン上方に沿って架設されたレールと、該レールに懸架された任意の位置に移動でき水平部を有する複数の支持体と、該支持体から昇降可能に設けられた支持アームと、該支持アームの下端に接続された鋳型押えと、該鋳型押えの両端に設けられたチェーンホイールと、該チェーンホイールにチェーン連結されたフック付きチェーンホイールと、該フック付きチェーンホイールの一つにチェーン連結されたチェーンブロックと、を備えたことから、鋳型押え、チェ−ンブロック等の重量物をチェーンを用いて移動及び取り扱いができ、鋳型の大小を問わず鋳型をクランプできる。またカウンターウェイトの介在により上記重量物を軽く取り扱うことができる。さらに張力吸収バネの介在により鋳型の膨張によるチェ−ンの張力を吸収でき鋳型の型崩れを防ぐことができる。また鋳型押えは中央部でピンにて支持することにより、型の高さ寸法誤差による鋳型上面の傾斜に追従して鋳型がクランプされる等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】注湯ライン全体を示す平面図である。
【図２】図１におけるＡ−Ａ矢視図である。
【図３】図２におけるＢ−Ｂ矢視図である。
【符号の説明】
１ 注湯ライン
４ 懸架用レ−ル
４Ａ ロ−ラ
５ 支持体
７ 昇降部材
７Ａ チェ−ン
８ 支持ア−ム
９ 鋳型押え
１１ バネピン
１３ 張力吸収バネ
１４ チェ−ン
１５ フック付きチェ−ンホイ−ル
１６ フック付きホイ−ル
１７ チェ−ンブロック
１８ ローラコンベヤ
１９ 鋳型定盤
２０ ２１ 鋳型

Claims (1)

1. 自硬性鋳型に注湯を行う際に利用し、小さな力で容易に注湯ラインの任意の位置に移動して、上下鋳型をクランプする注湯ラインにおける鋳型のクランプ装置であって、注湯ライン１の外側上方に沿って架設された懸架用レール４と、該懸架用レール４にローラ４Ａを介して複数懸吊された逆Ｌ型の支持体５と、各支持体５、５の水平部両端に設けられたホイール６、６と、前記支持体５の垂直部に昇降可能に配された昇降部材７と、該昇降部材７の前面に注湯ラインの中心まで延びるように設けられた支持アーム８と、前記支持体５に配されたカウンターウェイトから支持アーム８の上面中心にわたって、掛け回すチェーン７Ａと、前記支持アーム８の先端下部を中心にその両端にホイール１２、１２を設け、揺動可能に支持されて鋳型上面に載置する鋳型押え９と、該鋳型押え９の前記昇降部材７寄り端部に固着された張力吸収バネ１３と、該張力吸収バネ１３の下端に配された昇降調整可能にしたフック付きチェーンホイール１５と、前記張力吸収バネ１３及び前記フック付きチェーンホイール１５及び前記鋳型押え９の２個のホイール１２、１２並びにフック付きホイール１６を通って終端に取り付けられたチェーン１４を付属したチェーンブロック１７と、を具備したことを特徴とする注湯ラインにおける鋳型のクランプ装置。

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