JP4284532B2 - 容器詰飲料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、飲料缶詰等の容器詰飲料の製造方法に関し、特に容器詰飲料の酸素量の低減と内圧バラツキの抑制とを図った容器詰飲料の製造方法に関する。
近年、省資源・低コスト化を図る観点で例えば茶飲料等の酸化劣化しやすい飲料やミルク入り飲料等の腐敗しやすい低酸性飲料を、肉厚の薄い缶に充填することが実用化されてきている。その場合、容器内を陽圧化することによって容器の強度を確保しているが、内容物の品質保証上、容器内の低酸素化と内圧バラツキの低減化は必須の要件である。特に、腐敗し易い内容物の陽圧包装の場合は、内容物の腐敗によるごく僅かなガス量の増加でも確実に識別できるように、液体窒素充填による内圧バラツキを極力抑えなければならない。従来、このような陽圧容器詰飲料の製造方法は、容器内酸素低減化手段としてヘッドスペースのガス(空気)を不活性ガスで置換するガス置換工程と、内圧を陽圧化する手段としての液化不活性ガス(通常は液体窒素)充填工程の組合せによって行なっている。本出願人は、これまで容器内の酸素量を低減させる種々の提案を行なっている。例えば、内容物充填後の缶ヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換して巻締密封する缶詰製造ラインにおいて、ガス置換されて搬送されてくる缶の上に、キャンフィードターレットから搬送されてくる蓋が嵌合するまでの区間を、半密閉型カバーで覆って低酸素濃度インテークゾーンを構成し、酸素濃度2%以下に維持した雰囲気で缶に蓋を嵌合させ、その状態でシーマで巻締するようにしたことを提案した(特許文献1参照)。また、内圧のバラツキを抑えて陽圧化し、低陽圧缶詰の製造を可能する手段として、液体窒素を微細粒(ミスト状)にして充填する方法を提案した(例えば、特許文献2、3参照)。
しかしながら、酸素量の低減と内圧のバラツキ抑制の両方を共に満足させることは困難である。例えば、容器内の酸素量低減のためには、ヘッドスペースのガス置換率の向上ばかりでなく、内容液への溶存酸素量も低下させることが望ましい。溶存酸素量の低減は、従来のガス置換法では困難であり、他の手段に寄らなければならない。従来溶存酸素の低減方法として、充填温度を高くして充填することが知られているが、液温の高い状態での液化不活性ガス充填は、内圧のバラツキが生じ易い欠点がある。したがって、内圧バラツキ抑制の観点からは充填温度をホットパック領域から常温領域にすることが望ましい。しかし、その場合は高温充填の場合と比べてヘッドスペース容積が大きくなるとともに液中の溶存酸素量が増加することで、密封後の容器内酸素量が増大するという問題点が発生する。このように、酸素量の低減と内圧バラツキの抑制は相反し両立は難しい。また、内容液の泡立ちがあると泡内の空気がそのまま缶内に残留することになり、酸素の低減化に極めて不利であるので、充填時の泡立ちを少なくするのが望ましいが、充填時の泡立ちは充填温度によって異なり、しかも内容液の種類によっても異なり、必ずしも一様ではないことが、酸素量の低減化を困難にしている。
特開2004−123217号公報 特開平12−128122号公報 特開2001−48120号公報
したがって、容器詰飲料の酸素量の低減化と内圧バラツキ抑制をより効果的に行なうためには、単にガス置換工程と液体窒素充填工程を工夫するのみでは不充分であり、溶存酸素の低減化、充填温度、充填時の泡立ち抑制等も併せて総合的に改善することが必要であるが、従来その観点からの容器詰飲料の酸素量の低減化と内圧バラツキ抑制化を達成する満足な方法は未だ提案されていない。
本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、容器詰飲料の製造ラインにおいて、内容液の充填温度、充填時の泡立ち抑制等も併せて総合的に改善することで、液中の溶存酸素の低減・容器ヘッドスペースの酸素量の低減と、内圧のバラツキの少ない内圧安定化と相反する課題を共により効果的に達成できる容器詰飲料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点を解決する研究に当って、(1)液中の酸素除去、(2)ヘッドスペースの酸素除去、(3)陽圧安定確保を効果的に達成するのに、従来のガス置換手段及び液体窒素充填手段のみによる解決でなく、充填する液体の状態に視点をおいてこれらの効果的な解決方法がないかを研究した。その結果、(1)の液中の酸素除去には、内容液の温度を高めることにより溶存酸素量を少なくする従来の方法に代えて、内容液を加温することなく充填前に内容液から強制的に酸素を除去できる方法を見出した。それにより、後述するように、充填温度を低くして溶存酸素の除去が可能であり、溶存酸素の低減と共に内圧のバラツキ抑制を図ることができる。
また、(2)のヘッドスペースの酸素除去には、ヘッドスペースに存在するガスの置換は、先に提案した特許文献1に記載されている方法を採用することにより効果的に行なうことができるが、ヘッドスペース内に泡が存在するとそれだけ泡の内部に閉じ込められてガス置換不可能な空気量が増大することになるので、より効果的な酸素低減方法として充填時の泡立ち防止の観点で研究した結果、充填時の内容液の泡立ちを効果的に抑えることができる温度範囲を見出し、内容液の温度をその温度域にコントロールすることによって、酸素量のより低減化を可能にした。
さらに、(3)の陽圧安定確保については、密封後のヘッドスペース量は密封時の内容液の温度に影響され、且つ充填する液体窒素の密封までの容器内残留量も内容液の温度に影響されるので、内圧安定確保のためには、内容液の温度制御も重要な要因であることに着想し、内容液の温度制御により解決した。
本発明は上記研究の結果達成されたものであって、上記課題を解決する本発明の容器詰飲料の製造方法は、ヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換して密封する容器詰飲料の製造方法において、フィラーボウルに供給する内容液に不活性ガスを圧入し、液中の溶存酸素を強制的に低減させること特徴とするものである。
フィラーボウルに供給する内容液に不活性ガスを圧入する方法としては、種々の手段が採用でき、好適な一例として、フィラーに供給する内容液を1次的に貯溜するクッションタンクからフィラーまでの送液行程に気液混合器を接続し、フィラーボウルに供給する内容液に不活性ガスを圧入し、過溶解した不活性ガスがフィラーボウル内で抜けることにより、液中の溶存酸素を低減させることができる。その際、前記フィラーボウル上部にガス抜き機構を設けて、前記フィラーボウルのヘッドスペース内のガスを強制排気することにより、液中に過溶解した不活性ガスと、液中の溶存酸素の除去を促進することができる。また、クッションタンク内に不活性ガスを吹出す不活性ガス吹出し管を配置し、クッションタンク内で液中に不活性ガスを圧入することにより、クッションタンク内でも液中の溶存酸素を強制的に除去でき、より溶存酸素を低減することができる。
また、フィラーボウルに供給する内容液に不活性ガスを圧入する他の方法として、高温内容液の場合、フィラーに供給する内容液を1次的に貯溜するクッションタンク内に不活性ガスを吹出す不活性ガス噴出し管を配置し、且つ前記クッションタンクから前記フィラーまでの送液行程間に冷却管を接続し、前記クッションタンク内で高温の内容液に不活性ガスを圧入し、該不活性ガスが圧入された高温の内容液をフィラーへの供給中に冷却することにより、液中の溶存酸素を低減させることができる。さらに、他の方法として、前記クッションタンクへの給液行程に気液混合器を接続し、前記クッションタンクに供給する内容液に不活性ガスを圧入し、過溶解した不活性ガスがフィラーボウル内で抜けることにより、液中の溶存酸素を低減させる手段も採用できる。
前記内容液の充填温度を、内容液の種類に応じて、充填時の泡立ちを抑制できる温度に制御して、内容液を充填することにより、容器内への泡の発生が少なくなり、ガス置換率を向上させることができる。そして、前記容器詰飲料が液化不活性ガスを充填して密封した陽圧充填容器詰飲料である場合は、前記内容液の充填温度を、内容液の種類に応じて、充填時の泡立ちを抑制できる温度と、内圧の安定確保ができる温度との両方を満たす温度域に制御して、内容液を充填することによって、容器内の酸素量の低減と内圧の安定化により効果的である。それを達成する温度域は、具体的にはミルク入り飲料が15℃〜45℃、茶系飲料が45℃〜65℃、ブラックコーヒーが30℃〜45℃、充填時の泡立ちが温度依存性の低い飲料は15℃〜45℃の範囲が望ましい。
以上のように、本願の請求項1〜9の発明によれば、充填前の内容液に強制的に不活性ガスを注入することにより液中の溶存酸素を除去するので、より効果的に溶存酸素を除去することができる。また、その際、内容液は、加熱する必要がなく低温の任意の温度が選択できるので、充填時の泡立ち抑制や陽圧安定に良好な充填温度を選択でき、従来困難であった容器詰飲料の酸素量の低減と内圧バラツキの低減を両立させることができる。
また、請求項2の発明によれば、フィラーボウルへの給液行程でスタティックミキサー等の気液混合器で強制的に内容液中に不活性ガスを溶解させることができ、フィラーボウル内で、液中に過溶解した不活性ガスが抜ける際に溶存酸素も抜け、効果的に溶存酸素を低減できる。請求項3の発明によれば、強制排気により液中の溶存酸素が抜けるのをより促進することができる。さらに、請求項4の発明によれば、クッションタンク内で液中に不活性ガスを吹出すので、この時点でも溶存酸素が除去される。したがって、請求項2又は3の構成と組合せることにより、より溶存酸素の低減化を図ることができる。さらに、請求項5の発明によれば、内容液が高温の場合の溶存酸素の低減により効果的である。また、請求項6の発明によれば、気液混合器で強制的に不活性ガスを圧入するので、請求項2の構成と同様な効果を奏する。また、請求項7の発明によれば、内容液を充填時の泡立ちを抑制できる温度に制御して充填するので、容器内での泡の発生が少なくなり、ガス置換率を向上させることができる。そして、請求項8及び請求項9の発明によれば、前記内容液の充填温度を、内容液の種類に応じて、充填時の泡立ちを抑制できる温度と、内圧の安定確保ができる温度との両方を満たす温度域に制御して内容液を充填するので、酸素量の低減と内圧安定化を共に効果的に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陽圧飲料缶詰の製造ラインの工程図を示している。内容液は、熱交換器1を通過することによって所定温度に制御され、ミルク入り飲料の場合はホモジナイザー2で均質化処理をされて、クッションタンク3に送られる。クッションタンク3は、その概略を図2に示すように、該タンク内で液中に窒素ガスを送給して液中に存在する酸素を窒素ガスにより追い出して、溶存酸素を低減できるように構成されている。即ち、クッションタンク3内の底部近傍には窒素ガスを噴出す多数のノズルが形成された窒素ガス噴出管15を配置し、模式的に図示しているように、底部から窒素ガスを吹き込むことによって、内容液に窒素ガスが溶存し、液中に溶存している溶存酸素が押出され、溶存酸素を低減させることができる。なお、クッションタンク3内は予めガス置換して窒素ガス雰囲気にしておくのが内容物の酸化防止上から望ましい。
クッションタンク3内で溶存酸素が低減された内容液は、次にフィラー5に送られ容器に詰められるが、本発明では、クッションタンク3とフィラー5の間に気液混合器4を配置して、液中に窒素ガスを圧入するようにしている。気液混合器4としては、従来公知のスタティックミキサー(例えば、特開2003−292506号公報参照)を使用することができ、該気液混合器4を通過することにより、液中に窒素ガスが圧入されるようになっている。気液混合器4を通過した内容液は、フィラー5に送られる。フィラーボウルはヘッドスペースが確保され大気に解放されているので、液中に過溶解した窒素ガスはフィラーボウル内で液からヘッドスペース内に抜けると共に、その作用により液中の溶存酸素も同時にヘッドスペース内に抜ける。液からのガス抜きをより促進するためには、フィラーボウルのヘッドスペースのガスを外部に抜くためのガス抜き機構をフィラーボウルの上部に設けるのが望ましい。充填時の液温は、ガス圧入工程後、酸素が再び液内に溶解しないために、15℃以上、望ましくは25℃以上に制御するのが望ましい。本発明者の実験によれば、液温が15℃以下になると、ガス圧入による溶存酸素低減後も酸素が再溶解し易いことが確認された。
フィラー5で容器内に内容液が充填され、シーマ8に送られるが、その間にヘッドスペースのガス置換および内圧陽圧化のための液体窒素充填が行なわれる。ガス置換工程から巻締工程までの容器搬送行程を、先に提案した特許文献1に記載のように、ヘッドスペースに不活性ガス(窒素ガス)を吹き込むガス置換位置から缶と蓋が合流する近傍位置まで半密閉型のガス置換トンネル6で囲い、その間を外気の侵入を阻止して低酸素濃度ゾーンを構成すると共に、ガス置換位置の下流側に液体窒素充填装置7を配置し、ガス置換された容器内に液体窒素を充填し、所定量の液体窒素を容器内に充填した状態でシーマ8で巻締密封する。液体窒素充填装置として、例えば前記特許文献2に記載のような、液化ガス噴霧充填装置を採用することによって、微量の液体窒素をバラツキなく安定して充填することができ、その結果低陽圧の缶詰をバラツキが少なく安定して得ることができる。そのようにして製造された陽圧容器詰飲料(陽圧飲料缶詰)は、従来と同様に必要に応じてレトルト釜9でレトルト殺菌され、箱詰10されて出荷される。
ところで、上記製造工程において、より酸素量の低下と内圧のバラツキを抑えて内圧安定化を図り、容器詰飲料製品の充填時の残存酸素の除去と容器内圧のバラツキ抑制を両立させるために、充填温度と液中の酸素除去、充填温度とヘッドスペースの酸素除去(充填温度と泡立ちの抑制)、充填温度と陽圧安定化との間に着目してそれらの間に相関関係があるか否か実験により確認した。
その結果、充填温度と液中の酸素除去との関係は、上記実施形態のように気液混合器で不活性ガスを圧入することによって溶存酸素を除去する場合は、充填温度との相関関係は低く、任意の充填温度が採用できる。しかしながら、液温が15℃以下であると酸素が溶解し易いので、不活性ガス圧入後、容器に内容液を充填した際の酸素の再溶解を防止するには、液温を15℃以上、望ましくは25℃以上に制御する。
次に、充填時の泡立ちに対する充填温度の影響を、ミルクティー、ミルクコーヒー、乳性飲料、緑茶、麦茶、混合茶、ブラックコーヒー、スポーツドリンク、果汁飲料、野菜系飲料について、充填時の液温度を10〜75℃の間を表1に示すように5段階に分けて実験した。
実験は、フィラーでの充填時の泡立ちを想定して、重力落下による液の泡立ち易さを以下に示す落下法で評価した。
300mlメスシリンダに一定高さからロートを介して所定温度の被検液200mlを落下させ、液全量が落下してから一定時間(20秒)後の泡立ちの状態を以下の基準で評価した。
◎:液面がほぼ完全に表れ、泡が殆ど残らない状態
○:液面が見え、周囲に泡が残る状態
△:泡が液面全体に薄く残る状態
×:泡が厚みをもって液面全体を覆っている状態
その結果を表1に示す。
Figure 0004284532
その結果、ミルク入り飲料(ミルクティー、ミルクコーヒー、乳性飲料)の場合は、温度が低い程泡立ちが少なく、45℃以下では周囲に泡が残る状態で泡立ちが少なく、10℃では泡が殆ど残らない状態であったが、60℃以上になると泡が液面全体に残る状態であった。したがって、ミルク入り飲料の場合は、泡の発生を抑制するには充填温度は45℃以下が望ましい。逆に茶系飲料(緑茶、麦茶、混合茶)の場合は、温度が高い程泡立ちが少なく、60℃以上の充填温度望ましくは75℃以上が泡立ちの発生を抑えるのに望ましい。また、ブラックコーヒーの場合は、上記2種類の飲料に比べて温度依存性は少ないが、45℃以上では泡立ちが少なかった。さらに、スポーツ飲料、果汁飲料、野菜飲料は充填時の泡立ちが少なく、温度依存性も殆どなかった。したがって、この実験の結果から、これらの飲料の充填において、泡の発生を少なくしてヘッドスペースの酸素量を少なくするためには、充填温度をミルク入り飲料は45℃以下、茶飲料は60℃以上、ブラックコーヒーは45℃以上が望ましく、スポーツ飲料、果汁飲料、野菜系飲料は温度依存性は低く充填温度は任意に選択できることがわかった。
また、充填温度と陽圧安定化との関係は、容器に充填した場合液温が低い程ヘッドスペースの容積が拡大するため、添加する液化不活性ガスの容器外部への飛散が抑制できるので、液化不活性ガス充填法による陽圧充填は充填温度が低いほど容器内圧のバラツキが少ない。実験の結果、陽圧の安定度は充填温度45℃以下が極めて安定し、65℃以下では安定、65℃以上はやや不安定であった。したがって、陽圧安定化のためには、充填温度が65℃以下、より望ましくは45℃以下である。
以上の結果から、液中の酸素除去、ヘッドスペースの酸素除去、陽圧安定確保を総合的に評価すると、内容液の適正な充填温度範囲は、ミルク入り飲料が15℃〜45℃であり、茶系飲料が45℃〜65℃であり、ブラックコーヒーが30℃〜45℃であり、充填時の泡立ちが温度依存性の低い飲料は15℃〜45℃であることが分かった。以上の結果を総合して表2に示す。したがって、容器詰飲料の製造にあたっては、充填する内容物の種類に応じて、上記の温度範囲を熱交換器1で設定して、充填時の温度が上記範囲となるように制御する。
Figure 0004284532
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限らず、その技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では、気液混合器をクッションタンクの下流側に設けたが上流側に設けることも可能である。また、内容液が高温の場合は、クッションタンク内に上記実施形態の場合と同様に不活性ガス吹出し管を配置すると共に、その下流側に冷却管を接続して、クッションタンク内で高温の内容液に不活性ガスを圧入し、該不活性ガスが圧入された高温の内容液をフィラーボウルへの供給中に所定温度まで冷却するようにするとよい。また、以上の実施形態では、陽圧缶詰の製造方法について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、本発明の容器詰製造方法は容器の酸素量を低減させることに有効であるので、必ずしも陽圧缶詰に限らず負圧缶詰の酸素量の低減にも有効である。また、容器も缶詰に限るものでなく、プラスチック容器詰飲料等にも適用できるのはいうまでもない。
本発明の容器詰飲料の製造方法は、容器詰飲料の溶存酸素及びヘッドスペースの酸素を除去するのに有効であり、ガス置換容器詰飲料の製造に適用できるばかりでなく、低い液温で酸素量を減らすことができて内圧安定と両立できるので、ガス置換陽圧容器詰飲料の製造に特に利用可能性が高く、容器は缶詰、瓶詰、その他の容器詰飲料の製造方法に適用できる。
本発明の実施形態に係る陽圧飲料缶詰の製造ラインの工程を示すブロック線図である。 そのクッションタンク部の概念図である。
符号の説明
1 熱交換器 2 ホモジナイザー
3 クッションタンク 4 気液混合器
5 フィラー 6 ガス置換トンネル
7 液体窒素充填装置 8 シーマ
9 レトルト装置 10 箱詰装置
15 窒素ガス噴出管

Claims (6)

  1. ヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換して密封する容器詰飲料の製造方法において、フィラーに供給する内容液を1次的に貯溜するクッションタンクからフィラーまでの送液行程に気液混合器を接続し、前記フィラーのフィラーボウルに供給する内容液に不活性ガスを圧入し、過溶解した不活性ガスが前記フィラーボウル内で抜けることにより、液中の溶存酸素を強制的に低減させることからなり、前記フィラーボウル上部にガス抜き機構を設けて、前記フィラーボウルのヘッドスペース内のガスを強制排気することにより、液中に過溶解した不活性ガスと、液中の溶存酸素の除去を促進するようにしたことを特徴とする容器詰飲料の製造方法。
  2. フィラーに供給する内容液を1次的に貯溜する前記クッションタンク内に不活性ガスを吹出す不活性ガス噴出し管を配置し、前記クッションタンク内の常温の内容液に不活性ガスを圧入することにより、液中の溶存酸素を強制的に低減させる請求項に記載の容器詰飲料の製造方法。
  3. フィラーに供給する内容液を1次的に貯溜する前記クッションタンク内に不活性ガスを吹出す不活性ガス噴出し管を配置し、且つ前記クッションタンクから前記フィラーまでの送液行程間に冷却管を接続し、前記クッションタンク内で高温の内容液に不活性ガスを圧入し、該不活性ガスが圧入された高温の内容液をフィラーへの供給中に冷却することにより、液中の溶存酸素を低減させる請求項に記載の容器詰飲料の製造方法。
  4. 前記内容液の充填温度を、内容液の種類に応じて、充填時の泡立ちを抑制できる温度に制御して、内容液を充填することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の容器詰飲料の製造方法。
  5. 前記容器詰飲料が液化不活性ガスを充填して密封した陽圧充填容器詰飲料であり、前記内容液の充填温度を、内容液の種類に応じて、充填時の泡立ちを抑制できる温度と、内圧の安定確保ができる温度との両方を満たす温度域に制御して、内容液を充填することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の容器詰飲料の製造方法。
  6. 前記温度域が、ミルク入り飲料が15℃〜45℃であり、茶系飲料が45℃〜65℃であり、ブラックコーヒーが30℃〜45℃であり、充填時の泡立ちが温度依存性の低い飲料は15℃〜45℃であることを特徴とする請求項に記載の容器詰飲料の製造方法。
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