JP4283605B2 - 脊椎用部材の結合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脊椎用部材の結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、先天的或いは後天的に変形した脊柱の矯正や、事故等により骨折した脊柱の再建に際して、患者の脊柱を支持するために、脊柱と略平行となるように椎体に対して複数のロッド状の脊椎用部材を取付固定し、これら脊椎用部材どうしを結合装置にて結合することが行われている。
【0003】
上記の結合装置として、二つのロッド状の脊椎用部材のうち、一方の脊椎用部材を固定するための第一の固定部材と、他方の脊椎用部材を固定するための第二の固定部材との距離を調節可能に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この結合装置800は、例えば、図8に示すように、第一の固定部材801に、当該第一の固定部材801の長手方向に延在する角柱状部811が形成されており、第二の固定部材802に、前記角柱状部811を挿入可能な筒状部831が形成されるとともに、筒状部831の上面側に当該筒状部831に挿入された角柱状部811を締め付けるために締結用ボルト803が挿通される挿通孔822が形成されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許6,402,751号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1等の第一の固定部材及び第二の固定部材の間隔を調節可能な結合装置の場合、第一の固定部材及び第二の固定部材の構成、即ち、脊椎用部材の間隔に応じて第一の固定部材及び第二の固定部材の間隔を調節可能とするための当該第一の固定部材及び第二の固定部材の加工が複雑であるために、当該第一の固定部材及び第二の固定部材の製造にコストがかかり、結合装置の製造コストの高騰を招いてしまうという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、脊椎用部材の間隔に応じて第一の固定部材及び第二の固定部材との間隔を調節可能な脊椎用部材の結合装置であって、その構造を簡略化して、製造コストの低下を図ることができる脊椎用部材の結合装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、例えば、図1等に示すように、
椎体に対して互いに平行とならないように取り付けられた複数のロッド状の脊椎用部材(R)を結合するための結合装置(100)であって、
前記複数の脊椎用部材のうち、第一の脊椎用部材(R1)を固定可能な第一の固定部(11a)と、前記第一の固定部側の面と反対側の平面における前記第一の固定部と反対側の端部に、前記平面から略垂直に突出して設けられた雄ねじ部(11c)とを備える第一の固定部材(1)と、
前記複数の脊椎用部材のうち、前記第一の脊椎用部材と異なる第二の脊椎用部材(R2)を固定可能な第二の固定部(31a)と、前記第二の固定部に連続する長尺な板状部(例えば、第二の板状部31b等)と、前記板状部に当該板状部の長手方向に沿って設けられ、前記雄ねじ部に挿通可能な挿通孔(31c)とを備える第二の固定部材(3)と、
前記挿通孔に挿通された前記雄ねじ部に螺合されて、前記第一の固定部材及び前記第二の固定部材を締結するための締結用ナット(5)と、を備え、
前記雄ねじ部は、所定の材料塊から削り出されて前記第一の固定部と一体となって成形され、
前記板状部は、前記第一の固定部材及び前記第二の固定部材が締結される際に、前記締結用ナットが締め付けられ移動することに伴って捻られていくようになっており、
前記第一の固定部材の前記雄ねじ部側の端部は、当該雄ねじ部に螺合された前記締結用ナットの外縁部よりも内側に設けられてなることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、第一の固定部材には、雄ねじ部が設けられ、第二の固定部材には、板状部及び挿通孔が設けられているので、挿通孔に雄ねじ部を挿通させた状態で、第一の固定部材の第一の固定部と反対側の面と板状部の固定部側の面とが摺擦されるように第一の固定部材及び第二の固定部材を移動させて、第一の固定部材及び第二の固定部材の間隔を容易に調節することができる。また、間隔が調節された第一の固定部材及び第二の固定部材の締結を、雄ねじ部に螺合された締結用ナットを締め付けることで容易に行うこともできる。即ち、互いに平行とならないように配設された複数の脊椎用部材に対して、締結用ナットが締め付けられ移動することに伴って板状部が捻られていくことで、当該脊椎用部材の結合装置による複数の脊椎用部材の結合を適正に行うことができる。
このように、第一の固定部材の雄ねじ部が挿通される第二の固定部材の板状部に形成された挿通孔によって、この挿通孔の延在方向に沿った第一の固定部材及び第二の固定部材の相対的な移動を案内可能となり、従来のように第二の固定部材に第一の固定部材に形成された角柱状部を挿入可能な筒状部を形成する必要がなくなる。従って、脊椎用部材の間隔に応じて第一の固定部材及び第二の固定部材との間隔を調節可能な脊椎用部材の結合装置の構造を従来に比べて簡略化して、当該脊椎用部材の結合装置の製造コストの低下を図ることができる。
また、雄ねじ部を所定の材料塊から削り出して形成することができるので、第一の固定部材の構造をさらに簡略化したものとすることができる。
【0009】
また、平行とならずに例えば略「ハ」の字状に延在する二つの脊椎用部材に対しても、これら脊椎用部材の延在方向に応じて、第一の固定部材及び第二の固定部材を雄ねじ部を軸として相対的に回転させることによって、当該第一の固定部材及び第二の固定部材を二つの脊椎用部材に固定可能な向きに配置することができる。従って、略「ハ」の字状に延在する二つの脊椎用部材の結合も適正に行うことができる。
【0012】
ここで、板状部が捻られた状態とは、当該板状部が弾性領域で変形した状態であっても良いし、塑性領域で変形した状態であっても良い。
【0013】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1等に示すように、請求項1に記載の脊椎用部材の結合装置において、
前記第一の固定部及び前記第二の固定部に前記第一の脊椎用部材及び前記第二の脊椎用部材を固定するための第一の固定用ねじ(2)及び第二の固定用ねじ(4)を備え、
前記第一の固定部及び前記第二の固定部には、前記第一の固定用ねじ及び前記第二の固定用ねじが螺合される第一の雌ねじ孔(11e)及び第二の雌ねじ孔(31e)が各々設けられ、
前記第一の雌ねじ孔及び前記第二の雌ねじ孔に対する前記第一の固定用ねじ及び前記第二の固定用ねじの螺子込み方向が、略平行となるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第一の雌ねじ孔及び第二の雌ねじ孔に対する第一の固定用ねじ及び第二の固定用ねじの螺子込み方向が、略平行となるように構成されているので、第一の雌ねじ孔に対する第一の固定用ねじの螺子込み及び第二の雌ねじ孔に対する第二の固定用ねじの螺子込みを略同一方向から行うことができることとなって、第一の固定部材及び第二の固定部材による各脊椎用部材の固定作業の効率を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0018】
[第一の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第一の実施の形態として例示する脊椎用部材の結合装置を示す斜視図であり、図2は、図1の脊椎用部材の結合装置を図1と略等しい方向から描図した分解斜視図である。また、図3(a)は、図1の脊椎用部材の結合装置の正面図であり、図3(b)は、図3(a)の脊椎用部材の結合装置を下側から上向きに見て示した図である。
【0019】
図1に示すように、脊椎用部材の結合装置100は、図示しない椎体に対して脊柱(図示略)と略平行となるように取り付けられた二つのロッド状の脊椎用部材Rに対して交差するように配設されるものであり、二つの脊椎用部材Rのうち、右側の脊椎用部材(第一の脊椎用部材)R1に固定された第一の固定部材1と、この第一の固定部材1による右側の脊椎用部材R1の固定に際し、第一の固定部材1の第一の雌ねじ孔11eに螺合される第一の固定用ねじ2と、左側の脊椎用部材(第二の脊椎用部材)R2に固定された第二の固定部材3と、この第二の固定部材3による左側の脊椎用部材R2の固定に際し、第二の固定部材3の第二の雌ねじ孔31eに螺合される第二の固定用ねじ4と、第一の固定部材1及び第二の固定部材3を締結するための締結用ナット5とを備えて概略構成されている。
【0020】
ここで、本実施の形態にあっては、脊椎用部材Rは、椎体に対して直接取り付けられたものであっても良いし、椎体に螺子込まれる骨ねじ等の所定の介在部材を介して取り付けられたものであっても良いものとする。また、二つの脊椎用部材Rは、その断面形状が略等しい円柱状とされているが、これに限られるものではない。
【0021】
第一の固定部材1は、図2に示すように、所定幅を有し右側の脊椎用部材R1の長手方向に対して略垂直な方向に延在する長尺な部材である。
また、第一の固定部材1は、その長手方向の一方の端部に設けられ、右側の脊椎用部材R1を固定可能な第一の固定部11aと、この第一の固定部11aに連続して長尺な略平板状に形成された第一の板状部11bと、この第一の板状部11bの先端部、即ち、前記第一の固定部11aと反対側の端部に設けられた雄ねじ部11cとを備えている。
【0022】
第一の固定部11aは、第一の固定部材1の長手方向に対して略垂直な方向に向かって開口し、右側の脊椎用部材R1を係合可能に形成された溝部11dと、この溝部11dに係合された右側の脊椎用部材R1を固定するために第一の固定用ねじ2が螺合される第一の雌ねじ孔11eとを備えている。
【0023】
溝部11dは、図3に示すように、第一の固定部材1の長手方向に対して略垂直な方向、即ち、第一の固定部材1に取り付けられる右側の脊椎用部材R1の長手方向と略同じ方向に延在するように形成されており、当該溝部11dの脊椎用部材の結合装置100の長手方向Aにおける外方側に、当該溝部11dに係合された右側の脊椎用部材R1を受けるための脊椎用部材受部11fが形成されている。
脊椎用部材受部11fは、右側の脊椎用部材R1の外周面の略半分の部分に沿うように形成された内周面を有している。
【0024】
第一の雌ねじ孔11eは、溝部11dの内周面のうち、脊椎用部材受部11fを構成する内周面に対向する部分11hから、第一の板状部11bの方向に傾斜して第一の固定部11aを貫通して形成されている。具体的には、第一の雌ねじ孔11eは、当該第一の雌ねじ孔11eに螺子込まれた第一の固定用ねじ2によって、この第一の固定用ねじ2の先端部が溝部11dに係合された右側の脊椎用部材R1の外周面に当接し当該脊椎用部材R1を脊椎用部材受部11f側に押圧していくことで、この脊椎用部材受部11f内に脊椎用部材Rを固定可能となるように傾斜して形成されている。
即ち、第一の雌ねじ孔11eに第一の固定用ねじ2が螺子込まれることによって、右側の脊椎用部材R1は、第一の固定用ねじ2と脊椎用部材受部11fの内周面とによって抜け止めされた状態で、脊椎用部材受部11f内に固定されるようになっている。
【0025】
第一の板状部11bは、その幅が長手方向に沿って略等しくなるように形成されている。また、第一の板状部11bの厚さは、例えば、1.5mm以上3mm以下とされている。
【0026】
雄ねじ部11cは、その外周面に所定ピッチのねじ山を有する部材であり、第一の板状部11bの第一の固定部11a側の面と反対側の面、即ち、図3(a)における上面から略垂直に突出するように形成されている。
【0027】
上記構成の第一の固定部材1は、所定の材料(後述)からなる例えば角材等の塊からの削り出しにより製造可能となっている。即ち、第一の固定部材1の製造において、当該第一の固定部材1に一体となって雄ねじ部11cが削り出しにより作製されることとなる。
【0028】
第二の固定部材3は、例えば、図2に示すように、第一の固定部材1と略等しい所定幅を有し二つの脊椎用部材R1、R2の並び方向に延在する長尺な部材であり、第一の固定部11aと略等しい構成の第二の固定部31aと、この第二の固定部31aに連続して長尺な略平板状に形成された第二の板状部(板状部)31bと、この第二の板状部31bに当該第二の板状部31bの長手方向に沿って設けられ、雄ねじ部11cに挿通可能な挿通孔31cとを備えている。
【0029】
第二の固定部31aは、第二の固定部材3の長手方向の第一の固定部11a側と反対側の端部に設けられており、第二の固定部材3の長手方向に対して略垂直な方向に向かって開口し、左側の脊椎用部材R2を係合可能に形成された溝部31dと、この溝部31dに係合された左側の脊椎用部材R2を固定するために第二の固定用ねじ4が螺合される第二の雌ねじ孔31eとを備えている。
【0030】
溝部31d及び第二の雌ねじ孔31eの形状は、図3に示すように、第一の固定部11aの溝部11d及び第一の雌ねじ孔11eの形状と、締結用ナット5を通過する略垂直な面に対して略対称となっている。即ち、第一の雌ねじ孔11e及び第二の雌ねじ孔31eは、略「ハ」の字状となるように形成されている。
また、溝部31d及び第二の雌ねじ孔31eの寸法は、第一の固定部11aの溝部11d及び第一の雌ねじ孔11eの寸法と略等しくなっている。
即ち、溝部31dには、当該溝部31d係合された左側の脊椎用部材R2を受ける脊椎用部材受部31fが形成されている。また、第二の雌ねじ孔31eは、溝部31dの内周面のうち、脊椎用部材受部31fを構成する内周面に対向する部分31hから、第二の板状部31bの方向に傾斜して当該第二の固定部31aを貫通して形成されている。
これにより、第二の雌ねじ孔31eに第二の固定用ねじ4が螺子込まれることによって、左側の脊椎用部材R2は、第二の固定用ねじ4と脊椎用部材受部31fの内周面とによって抜け止めされた状態で、脊椎用部材受部31f内に固定されるようになっている。
【0031】
第二の板状部31bは、脊椎用部材の結合装置100の脊椎用部材Rに対する取付固定に際し、当該第二の板状部31bが捻られた状態となることが可能な程度の寸法に設定されている。即ち、例えば、第二の板状部31bの厚さが第一の板状部11bの厚さよりも薄く、また、当該第二の板状部31bに挿通孔31cが形成されていることにより、第二の板状部31bが捻られた状態となる。
ここで、第二の板状部31bは、例えば、弾性領域での変形により捻られた状態となるようになっている。
【0032】
挿通孔31cは、第二の板状部31bの幅方向略中央となる位置に形成されている。また、挿通孔31cは、雄ねじ部11cの直径よりもわずかに大きい幅を有し、長手方向の端部が略半円形状に形成されている。これにより、挿通孔31cは、雄ねじ部11cの二つの脊椎用部材R1、R2の並び方向に対する移動を案内可能となっているとともに、雄ねじ部11cを軸として第一の固定部材1及び第二の固定部材3を相対的に回転自在に構成されている。
【0033】
第二の固定用ねじ4は、その形状及び寸法が第一の固定用ねじ2の形状及び寸法と略等しくなるように形成されている。
【0034】
締結用ナット5は、内周面に雄ねじ部11cの外周面に形成されたねじ山に螺合可能な雌ねじ部が形成されている。
また、締結用ナット5は、例えば、その第二の板状部31bに当接する面がテーパ状に形成されていても良く、これにより、当該締結用ナット5による第一の固定部材1と第二の固定部材3との締結の際に、第二の板状部31bの第一の板状部11bと反対側の面に締結用ナット5のテーパ状の部分が密着することで、例えば、スプリング効果を利用して第一の固定部材1と第二の固定部材3との締結強度を高めることが可能となる。
【0035】
上記脊椎用部材の結合装置100を構成する各部、即ち、第一の固定部材1、第一の固定用ねじ2、第二の固定部材3、第二の固定用ねじ4、締結用ナット5は、例えば、チタン、バナジウム、…等を所定の比率で含む合金やステンレス等の医療用材料から構成されている。
また、第一の固定用ねじ2、第二の固定部材3、第二の固定用ねじ4、締結用ナット5は、例えば、上記第一の固定部材1と同様に、所定の材料からなる例えば角材等の塊からの削り出しにより製造可能となっている。
【0036】
次に、脊椎用部材の結合装置100の脊椎用部材Rに対する取付方法及び脊椎用部材Rの結合方法について、図4を参照して説明する
ここで、図4は、脊椎用部材の結合装置100の締結用ナット5による第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結状態を説明するための図であり、このうち、図4(a)は、締結用ナット5による締結前の脊椎用部材の結合装置100を示す正面図であり、図4(b)は、図4(a)の脊椎用部材の結合装置100の側面図であり、図4(c)は、締結用ナット5による締結後の脊椎用部材の結合装置100を示す正面図であり、図4(d)は、図4(c)の脊椎用部材の結合装置100の側面図である。
【0037】
なお、以下の説明では、二つの脊椎用部材Rは、椎体に対して互いに平行に取り付けられずにねじれの位置となるように、所定の角度差を付けて取り付けられているものとする。ここで、脊椎用部材Rが取り付けられた患者は、手術台上にうつ伏せで横たわった状態となっており、前記脊椎用部材Rの取付において、患者はその背中側から切開されて、脊椎の背中側に沿って前記脊椎用部材Rが取り付けられた状態となっているものとする。
【0038】
先ず、第二の固定部材3の挿通孔31cに第一の固定部材1の雄ねじ部11cが挿通され、この雄ねじ部11cに締結用ナット5が緩く螺合された状態の脊椎用部材の結合装置100を準備する(図4(a)参照)。このとき、溝部11d、31d間の距離が当該脊椎用部材の結合装置100が取り付けられる二つの脊椎用部材R1、R2間の距離と等しいか、或いは、この距離よりもわずかに大きくなるように、第一の固定部材1及び第二の固定部材3の位置を調節しておく。
【0039】
そして、二つの脊椎用部材R1、R2の所定位置に対して、右側の脊椎用部材R1に第一の固定部材1の溝部11dが係合され、且つ、左側の脊椎用部材R2に第二の固定部材3の溝部31dが係合されるように、脊椎用部材の結合装置100を載置する。
【0040】
次に、図4(a)に示すように、第一の固定部材1の第一の雌ねじ孔11eに第一の固定用ねじ2を螺子込むことで、当該第一の固定用ねじ2の先端部により右側の脊椎用部材R1を脊椎用部材受部11f側に押圧していき、この脊椎用部材受部11f内に右側の脊椎用部材R1を固定し、続けて、第二の固定部材3の第二の雌ねじ孔31eに第二の固定用ねじ4を螺子込むことで、当該第二の固定用ねじ4の先端部により左側の脊椎用部材R2を脊椎用部材受部31f側に押圧していき、この脊椎用部材受部31f内に左側の脊椎用部材R2を固定する。
このとき、二つの脊椎用部材R1、R2はねじれの位置となるように配設されているが、雄ねじ部11cに対して締結用ナット5は、緩く螺合された状態となっているので、第一の板状部11bと第二の板状部31bとが所定の角度を付けて相対的に傾いた状態となることで、第一の固定部材1による右側の脊椎用部材R1の固定及び第二の固定部材3による左側の脊椎用部材R2の固定を適正に行うことができる(図4(b)参照)。
なお、第一の固定部材1及び第二の固定部材3による各脊椎用部材R1、R2の固定は、逆の順序で行われても良いし、略同じタイミングで行われても良い。
【0041】
次に、締結用ナット5を所定の締付トルクで締め付けることで第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結を行う。このとき、締結用ナット5が図4(c)において下方に移動することに伴って、締結用ナット5の下面と、この下面と略上下に重なり合った状態の、第二の板状部31bの先端部と第一の板状部11bの先端部とが密着するように、第二の板状部31bが捻られていく。そして、図4(c)及び図4(d)に示すように、締結用ナット5の締め付けが完了した状態では、締結用ナット5の下面及び第二の板状部31bの先端部の上面並びに第二の板状部31bの先端部の下面及び第一の板状部11bの先端部の上面が隙間なく密着した状態となる。
このようにして、脊椎用部材の結合装置100にて二つの脊椎用部材Rの結合を完了する。
【0042】
(捻れ評価試験)
以下に、脊椎用部材の結合装置によって脊椎用部材を結合する際における、第一の板状部及び第二の板状部の捻れ評価試験について説明する。
この捻れ評価試験においては、脊椎用部材の結合装置によって脊椎用部材を結合する際に第一の板状部及び第二の板状部が捻られた状態となるのに必要な締付トルクを測定した。
【0043】
(試験材料等)
脊椎用部材の結合装置の寸法(長さ×幅×高さ):58〜70mm×9mm×15mm;第一の板状部の寸法:長さ=39mm、厚さ=2.5mm、第二の板状部の寸法:長さ=38.5mm、厚さ=1.8mm;脊椎用部材の結合装置の構成成分:ASTM(American Society for Testing and Materials)の規格に準拠したチタン合金(アルミニウム6%、バナジウム4%を含有する。)
ロッドの間隔:53mm;ロッドどうしの角度差:8.4度
【0044】
(締付トルクの測定方法)
バイスに8.4度の角度差を付けて脊椎用部材としてのロッド2本を固定し、これらロッドに脊椎用部材の結合装置を取付固定した後、締結用ナットを締め付け、締結用ナットと第一の板状部の先端部と第二の板状部の先端部とが密着した状態となった際の締付トルクをトルクメータで測定した。締付トルクの測定完了後、締結用ナットによる第一の固定部材及び第二の固定部材の締結を解除する。上記の動作を3回繰り返した。締付トルクの測定結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
[評価]
表1に示すように、締付トルクの測定結果は、1回目が4kg・cmであり、2回目が6kg・cmであり、3回目が4kg・cmであった。これにより、第二の板状部が捻られた状態となるのに必要な締付トルクは極めて小さいことが分かった。即ち、例えば、第二の板状部が捻られた状態となるのに必要な締め付けトルクが大きい場合、第二の板状部が捻られた状態となる前に、バイスに対するロッドの固定状態が変化し易くなって、例えば、ロッドが互いに平行となるように変形したりバイスからはずれたりしてしまう。しかしながら、脊椎用部材の結合装置は、角度差が8.4度付いた二つのロッドを結合する際に、極めて小さな締め付けトルクで第二の板状部が捻られることとなるので、上記のようにロッドのバイスに対する固定状態を変化させることなく、当該ロッドの結合を適正に行うことができる。
また、締結用ナットによる締結の解除後には、第二の板状部は略平板状に復元することから、当該第二の板状部の捻れは弾性変形であることが確認できた。
【0046】
以上のように、第一の実施の形態の脊椎用部材の結合装置100によれば、挿通孔31cに雄ねじ部11cを挿通させた状態で、第一の板状部11bの上面と第二の板状部31bの下面とが摺擦されるように第一の固定部材1及び第二の固定部材3を移動させることで、第一の固定部材1及び第二の固定部材3の間隔を容易に調節することができる。
また、間隔が調節された第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結を、雄ねじ部11cに螺合された締結用ナット5を締め付けることで容易に行うこともできる。このとき、互いに平行とならずに配設された二つの脊椎用部材R1、R2に対しても、第二の板状部31bが捻れた状態となることによって、脊椎用部材R1、R2の当該脊椎用部材の結合装置100による結合を適正に行うことができる。
このように、第一の固定部材1の雄ねじ部11cが挿通される第二の固定部材3の第二の板状部31bに形成された挿通孔31cによって、この挿通孔31cの延在方向に沿った第一の固定部材1及び第二の固定部材3の相対的な移動を案内可能となり、従来のように第二の固定部材に第一の固定部材に形成された角柱状部を挿入可能な筒状部を形成する必要がなくなる。従って、脊椎用部材R1、R2の間隔に応じて第一の固定部材1及び第二の固定部材3との間隔を調節可能な脊椎用部材の結合装置100の構造を従来の技術に対して簡略化して、当該脊椎用部材の結合装置100の製造コストの低下を図ることができる。
【0047】
また、雄ねじ部11cは、所定の材料塊から第一の固定部材1に一体となって削り出しにより作製されるので、第一の固定部材1の構造をさらに簡略化したものとすることができる。
【0048】
また、図示は省略するが、二つの脊椎用部材R1、R2が平行とならずに例えば略「ハ」の字状に延在していても、挿通孔31cに挿通させた雄ねじ部11cを軸として第一の固定部材1及び第二の固定部材3を相対的に回転させることで、当該第一の固定部材1及び第二の固定部材3を二つの脊椎用部材R1、R2に固定可能な向きに配置することができる。これにより、第一の固定部材1及び第二の固定部材3を二つの脊椎用部材R1、R2に対して確実に固定することができ、さらに、締結用ナット5を締め付けることで、略「く」の字状に折れ曲がった状態となっている第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結を行うことができる。
このように、略「ハ」の字状に延在する二つの脊椎用部材R1、R2に対しても、これら脊椎用部材R1、R2の当該脊椎用部材の結合装置100による結合を適正に行うことができる。
加えて、第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結に際し、締結用ナット5の第二の板状部31b側の面が当該第二の板状部31bに密着するので、締結用ナット5と第二の板状部31bとの接触面積を増やし、締結用ナット5による第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結強度を高めることができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、第二の板状部31bの寸法を、脊椎用部材Rに対して脊椎用部材の結合装置100を取付固定するに際し、第二の板状部31bが弾性領域で変形することで捻られた状態となる程度に設定するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、第二の板状部31bが塑性領域で変形することで捻られた状態となる程度に設定しても良い。
【0050】
[第二の実施の形態]
以下に、第二の実施の形態の脊椎用部材の結合装置200について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、第二の実施の形態の脊椎用部材の結合装置200は、第一の固定部材201の第一の固定部211aに、軸方向が第二の固定部31aの第二の雌ねじ孔31eの軸方向と略平行となるように第一の雌ねじ孔211eが形成されている。即ち、第一の雌ねじ孔211e及び第二の雌ねじ孔31eに対する第一の固定用ねじ2及び第二の固定用ねじ4の螺子込み方向は、略平行となっている。
従って、第二の実施の形態の脊椎用部材の結合装置200によれば、上記第一の実施の形態の脊椎用部材の結合装置100と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、執刀医は、第一の雌ねじ孔211eに対する第一の固定用ねじ2の螺子込み及び第二の雌ねじ孔31eに対する第二の固定用ねじ4の螺子込みを略同一方向から行うことができることとなって、第一の固定部材201及び第二の固定部材1による各脊椎用部材R1、R2の固定作業の効率を高めることができ、手術の作業性を向上させることができる。
【0051】
[第三の実施の形態]
以下に、第三の実施の形態の脊椎用部材の結合装置300について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、第三の実施の形態の脊椎用部材の結合装置300は、第一の板状部11bの先端部に形成された雄ねじ体取付孔311iに、第一の固定部材301とは別部材で形成された雄ねじ体(雄ねじ部)311cが取付固定されている。
ここで、雄ねじ体311cの固定方法は、締結用ナット5による第一の固定部材1及び第二の固定部材3の締結を適正に行うことができる程度の固着力で固定可能な方法であれば如何なる方法であっても良く、例えば、溶接等が挙げられる。
従って、第三の実施の形態の脊椎用部材の結合装置300によれば、上記第一の実施の形態の脊椎用部材の結合装置100と同様に、当該脊椎用部材の結合装置300の構造を従来の技術に対して簡略化して、当該脊椎用部材の結合装置300の製造コストの低下を図ることができる。
【0052】
[第四の実施の形態]
以下に、第四の実施の形態の脊椎用部材の結合装置400について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、第四の実施の形態の脊椎用部材の結合装置400は、板状部が形成されずに、第一の固定部411a側の面と反対側の平面、即ち、図7における上面の第二の固定部材403側の端部に、雄ねじ部411cが設けられた第一の固定部材401を備えている。
つまり、第二の固定部材403にのみ、板状部431bが形成されている。なお、板状部431bと第一の固定部材401の第一の固定部411a側の面と反対側の平面の各々の幅は、例えば、長手方向に沿って略等しくなるように形成されている。
また、本実施の形態にあっては、第一の固定部411a及び第二の固定部431aには、各溝部411d、431dの締結用ナット5側に脊椎用部材受部411f、431fが形成され、且つ、各溝部411d、431dの各脊椎用部材受部411f、431fよりも当該脊椎用部材の結合装置400の長手方向の端部側に第一の雌ねじ孔411e及び第二の雌ねじ孔431eが、略逆「ハ」の字状となるように形成されている。
【0053】
このような構成の脊椎用部材の結合装置400であっても、上記第一〜第三の実施の形態と同様に、脊椎用部材R1、R2の間隔に応じて第一の固定部材401及び第二の固定部材403との間隔を調節可能な脊椎用部材の結合装置400の構造を従来の技術に対して簡略化して、当該脊椎用部材の結合装置400の製造コストの低下を図ることができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、第一の板状部11b及び第二の板状部31bの各々の幅を、長手方向に沿って略等しくなるように形成したが、これに限られるものではなく、脊椎用部材Rや当該脊椎用部材の結合装置100(200、300、400)の形状や寸法等に基づいて適宜任意に変更可能となっている。また、例えば、第一の板状部11bと第二の板状部31bの厚さが略等しくなるようしても良い。さらに、脊椎用部材Rの寸法に応じて第一の固定部11aと第二の固定部31aの寸法、即ち、溝部11d、31d並びに第一の雌ねじ孔11e及び第二の雌ねじ孔31eの寸法等を異ならせるようにしても良い。
【0055】
また、脊椎用部材Rの固定方法として、雌ねじ孔11e、31eに対する固定用ねじ2、4の螺子込みを例示したが、これに限られるものではなく、脊椎用部材Rを固定可能であれば如何なる方法であっても良い。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、挿通孔に雄ねじ部を挿通させた状態で、第一の固定部材の第一の固定部と反対側の面と板状部の固定部側の面とが摺擦されるように第一の固定部材及び第二の固定部材を移動させて、第一の固定部材及び第二の固定部材の間隔を容易に調節することができる。また、間隔が調節された第一の固定部材及び第二の固定部材の締結を、雄ねじ部に螺合された締結用ナットを締め付けることで容易に行うこともできる。即ち、互いに平行とならないように配設された複数の脊椎用部材に対して、締結用ナットが締め付けられ移動することに伴って板状部が捻られていくことで、当該脊椎用部材の結合装置による複数の脊椎用部材の結合を適正に行うことができる。
このように、第一の固定部材の雄ねじ部が挿通される第二の固定部材の板状部に形成された挿通孔によって、この挿通孔の延在方向に沿った第一の固定部材及び第二の固定部材の相対的な移動を案内可能となり、従来のように第二の固定部材に第一の固定部材に形成された角柱状部を挿入可能な筒状部を形成する必要がなくなる。従って、脊椎用部材の間隔に応じて第一の固定部材及び第二の固定部材との間隔を調節可能な脊椎用部材の結合装置の構造を従来の技術に対して簡略化して、当該脊椎用部材の結合装置の製造コストの低下を図ることができる。
また、平行とならずに例えば略「ハ」の字状に延在する二つの脊椎用部材に対しても、これら脊椎用部材の延在方向に応じて、第一の固定部材及び第二の固定部材を雄ねじ部を軸として相対的に回転させることによって、当該第一の固定部材及び第二の固定部材を二つの脊椎用部材に固定可能な向きに配置することができる。従って、略「ハ」の字状に延在する二つの脊椎用部材の結合も適正に行うことができる。
また、雄ねじ部を所定の材料塊から削り出して形成することができるので、第一の固定部材の構造をさらに簡略化したものとすることができる。
【0058】
請求項2に記載の発明によれば、第一の雌ねじ孔に対する第一の固定用ねじの螺子込み及び第二の雌ねじ孔に対する第二の固定用ねじの螺子込みを略同一方向から行うことができることとなって、第一の固定部材及び第二の固定部材による各脊椎用部材の固定作業の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第一の実施の形態として例示する脊椎用部材の結合装置を示す斜視図である。
【図2】図1の脊椎用部材の結合装置を図1と略等しい方向から描図した分解斜視図である。
【図3】図1の脊椎用部材の結合装置を図1と異なる方向から描画した図である。
【図4】図1の脊椎用部材の結合装置に備わる締結用ナットによる第一の固定部材及び第二の固定部材の締結状態を説明するための図である。
【図5】本発明を適用した第二の実施の形態として例示する脊椎用部材の結合装置を示す正面図である。
【図6】本発明を適用した第三の実施の形態として例示する脊椎用部材の結合装置を示す分解斜視図である。
【図7】本発明を適用した第四の実施の形態として例示する脊椎用部材の結合装置を示す正面図である。
【図8】従来の脊椎用部材の結合装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
100、200、300、400 脊椎用部材の結合装置
1、201、301、401 第一の固定部材
11a、211a、411a 第一の固定部
11c、411c 雄ねじ部
11e、211e、411e 第一の雌ねじ孔
2 第一の固定用ねじ
3、403 第二の固定部材
31a、431a 第二の固定部
31b 第二の板状部(板状部)
31c 挿通孔
31e、431e 第二の雌ねじ孔
4 第二の固定用ねじ
5 締結用ナット
411c 雄ねじ体(雄ねじ部)
431b 板状部
R 脊椎用部材
R1 第一の脊椎用部材
R2 第二の脊椎用部材
Claims (2)
- 椎体に対して互いに平行とならないように取り付けられた複数のロッド状の脊椎用部材を結合するための結合装置であって、
前記複数の脊椎用部材のうち、第一の脊椎用部材を固定可能な第一の固定部と、前記第一の固定部側の面と反対側の平面における前記第一の固定部と反対側の端部に、前記平面から略垂直に突出して設けられた雄ねじ部とを備える第一の固定部材と、
前記複数の脊椎用部材のうち、前記第一の脊椎用部材と異なる第二の脊椎用部材を固定可能な第二の固定部と、前記第二の固定部に連続する長尺な板状部と、前記板状部に当該板状部の長手方向に沿って設けられ、前記雄ねじ部に挿通可能な挿通孔とを備える第二の固定部材と、
前記挿通孔に挿通された前記雄ねじ部に螺合されて、前記第一の固定部材及び前記第二の固定部材を締結するための締結用ナットと、を備え、
前記雄ねじ部は、所定の材料塊から削り出されて前記第一の固定部と一体となって成形され、
前記板状部は、前記第一の固定部材及び前記第二の固定部材が締結される際に、前記締結用ナットが締め付けられ移動することに伴って捻られていくようになっており、
前記第一の固定部材の前記雄ねじ部側の端部は、当該雄ねじ部に螺合された前記締結用ナットの外縁部よりも内側に設けられてなることを特徴とする脊椎用部材の結合装置。 - 請求項1に記載の脊椎用部材の結合装置において、
前記第一の固定部及び前記第二の固定部に前記第一の脊椎用部材及び前記第二の脊椎用部材を固定するための第一の固定用ねじ及び第二の固定用ねじを備え、
前記第一の固定部及び前記第二の固定部には、前記第一の固定用ねじ及び前記第二の固定用ねじが螺合される第一の雌ねじ孔及び第二の雌ねじ孔が各々設けられ、
前記第一の雌ねじ孔及び前記第二の雌ねじ孔に対する前記第一の固定用ねじ及び前記第二の固定用ねじの螺子込み方向が、略平行となるように構成されていることを特徴とする脊椎用部材の結合装置。
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