JP2010520028A - 細長い部材を脊椎要素に取り付けるための自己整列取付け装置および方法 - Google Patents

Abstract

本出願は、患者の体内で細長い部材（１００）を接続するための装置（１０）を対象とする。装置は、細長い部材を受け入れる受入れ区画（２０）と、脊椎要素などの支持構造を係合する係合区画（４０）とを備えた本体（１１）を含む。受入れ区画は、第１の向き（Ｃ１に沿う）で細長い部材を受け入れるように寸法決めされる。細長い部材を受入れ区画内で固定するプロセスによって、装置は、細長い部材の周りを第２の向き（Ｃ２に沿う）へと旋回する。この旋回運動により、係合区画は支持構造によりしっかりと付着する。

Description

本出願は、自己整列取付け装置および使用方法を対象とし、より具体的には、細長い部材を受け入れる第１の向きから、細長い部材を捕捉し、この装置を脊椎要素に固定する第２の向きへと旋回する装置を対象とする。

脊柱は、頸部、胸部、腰部、および仙尾部を含む４つの部位に分割される。頸部は、Ｃ１〜Ｃ７として特定される頂部の７個の脊椎要素を含む。胸部は、Ｔ１〜Ｔ１２として特定される次の１２個の脊椎要素を含む。腰部は、５個の脊椎要素Ｌ１〜Ｌ５を含む。仙尾部は、仙骨および尾骨を形成する９個の癒合した脊椎要素を含む。脊柱の脊椎要素は、頸部湾曲、胸部湾曲、および腰仙湾曲を含む湾曲した構成で整列している。

様々な症状が、脊椎要素および／または椎間板の損傷に結び付くことがある。損傷は、外傷、変性症状、腫瘍、または感染などの特定の事象を含む、様々な要因によって生じることがある。椎間板および脊椎要素に対する損傷は、疼痛、神経障害、および／または運動障害に結び付く可能性がある。ロッド、棒、およびブレードなどであるがそれらに限定されない細長い部材は、脊柱に沿って延びて、脊椎要素の応力を再分配する、かつ／またはその適正な整列を回復することができる。細長い部材は、ほぼ直線であってもよく、または、脊柱の湾曲に適応するように湾曲した構成を含んでもよい。

細長い部材は、脊椎要素の１つまたは複数にしっかり固着されるべきである。脊椎要素の形状および寸法は様々であるため、固着は、多くの場合困難であることが分かっている。

本出願は、自己整列取付け装置および使用方法を対象とする。この装置は、受入れ区画および係合区画を備えた本体を含んでもよい。受入れ区画は細長い部材を受け入れるように寸法決めされる。係合区画は、この装置を取り付けるため、支持構造を係合するように構築される。１つの使用方法は、最初に、この装置が第１の向き（配置、姿勢）にある状態で、受入れ区画内で細長い部材を位置決めすることを含む。次に、細長い部材が受入れ区画内で固定され、それによって本体が第２の向きへと旋回（枢動）する。この旋回運動により、係合部材が支持構造をよりしっかりと係合する。

一実施形態による細長い部材に対して第１の向きにある装置の正面図である。 一実施形態による細長い部材に対して第２の向きにある装置の正面図である。 一実施形態による装置および細長い部材の側面図である。 一実施形態による第１および第２通路を示す装置の概略図である。 一実施形態による距離Ｘを示す装置の概略図である。

本出願は、患者の体内で細長い部材を接続するための装置および方法を対象とする。この装置は、細長い部材を受け入れる受入れ区画と、脊椎要素などの支持構造を係合する係合区画とを備えた本体を含む。受入れ区画は、第１の向きで細長い部材を受け入れるように寸法決めされる。細長い部材を受入れ区画内で固定するプロセスによって、装置が細長い部材の周りを第２の向きへと旋回する。この旋回運動により、係合区画が支持構造によりしっかりと付着する。

図１および図２は、装置１０の一実施形態を示す。図１は、第１の向きにある装置１０を示し、図２は、第２の向きにある装置１０を示す。装置１０は、全体として、細長い部材１００を受け入れる受入れ区画２０と、細長い部材１００を固定する締付け区画３０と、装置１０を患者の体内の支持構造に固定する係合区画４０とを含む。この実施形態では、装置１０は、中実で一体型の構造の本体１１を含む。本体１１は、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン、コバルトクロム、骨、セラミックス、または炭素繊維のような複合材料など、外科用移植材料に適した金属を含む、様々な材料で形成されてもよい。他の実施形態では、本体１１は互いに接続された別個の区画で構築される。

受入れ区画２０は、下側面２２、上側面２３、および後面２４を含む開口部２１を含む。下側面２２は、異なる角度で整列され、角部５３で交わる第１の区画２５および第２の区画２６を含む。上側面２３は、角部５４で交わる第１の区画２８および第２の区画２９を含む。下側面２２の第１の区画２５と上側面２３の第２の区画２９とは、ほぼ平行であってもよい。さらに、下側面２２の第２の区画２６と上側面２３の第１の区画２８とは、ほぼ平行であってもよい。

受入れ区画２０は、さらに、向かい合った側面から内向きに延びる２つの別個の先細区画を含むように規定されてもよい。第１の先細区画は、側面２８および２５によって形成され、第１の側面から本体１１内へと延びる。第２の先細区画は、側面２９および２６によって形成され、第２の反対側の側面から本体１１内へと延びる。先細区画は、角部５３および５４の間を延びる線に沿って交わる。

開口部２１は、細長い部材１００を側面装填（ｓｉｄｅ−ｌｏａｄｉｎｇ）するように本体１１の側面上に位置付けられる。受入れ区画２０は、細長い部材１００を維持し、それが第１および第２の向きの間で移動できるように寸法決めされた連続空間である。図３に示されるように、後面２４はほぼ平面であって、本体１１が２つの向きの間で旋回できるようになっている。図４に示されるように、開口部２１は、中心線Ｃ１を有する第１の通路５１と、中心線Ｃ２を有する第２の通路５２とを機能的に含んでもよい。第１の通路５１は、第１の区画２５および第２の区画２９によって形成される。第２の通路５２は、第１の区画２８および第２の区画２６によって形成される。通路５１および５２は重なり合う配置で位置付けられる。中心線Ｃ１およびＣ２は点（箇所）Ｐで交差する。

第１および第２の向きの間での旋回移動の量は、中心線Ｃ１およびＣ２の間に形成される角度αによって規定される。一実施形態では、角度αは約１５°〜約４０°の範囲内である。旋回移動の量は、角度αによって規定される運動の全範囲を含んでもよく、またはαよりもいくらか少ない量であってもよい。一例として、受入れ区画２０の寸法によって４０°以下の旋回が可能であってもよいが、係合区画４０は、３０°移動すると完全に係合される。したがって、装置１０が残りの１０°分を旋回する必要はない。

締付け区画３０は、細長い部材１００を受入れ区画２０内で締め付けるように機能する。締付け区画３０は、受入れ区画の頂部の上を延びる腕部３１を含む。開口３２は、腕部３１を通って延び、受入れ区画内へと開いている。図３に示されるように、腕部３１は、細長い部材１００の幅よりも長い長さを含む。開口３２は、腕部３１の端部に向かって、細長い部材１００から偏心するように位置付けられる。開口３２はさらに、細長い部材１００に向かって角度が付けられてもよい。

締結具８０は、開口３２に嵌合し、かつ細長い部材１００に接触するように寸法決めされる。一実施形態では、締結具８０は、ねじ切りされた外面が開口３２内のねじ山と噛合するねじである。締結具８０は、細長い部材１００に接触する先端８１を含む。図２および図３に示されるような一実施形態では、先端８１は、細長い部材１００の形状におおよそ適応する扇形の形状（スカラップの形状（ｓｃａｌｌｏｐｅｄ ｓｈａｐｅ））を含む。これにより、締結具８０と細長い部材１００との間の接触面積が増加する。開口３２が偏心しているので、締結具８０は細長い部材１００を後面２４に押し付ける。別の実施形態（図示なし）では、開口３２は細長い部材１００と整列され（即ち、偏心していない）、締結具８０は部材１００を下側面２２に押し付ける。

係合区画４０は、本体１１を支持構造に固定する。区画４０は、支持構造を受け入れるように寸法決めされた開口部４２を形成するように湾曲した腕部４１を含んでもよい。支持構造は、脊椎要素の椎弓板または横突起を含み、細長い部材１００が脊柱に沿って延びるように寸法決めされてもよい。

１つの使用方法は、最初に、係合区画４０を第１の量だけ支持構造と係合することを含む。これによって、本体１１が第１の向きで配置される。最初の配置後、細長い部材１００は受入れ区画２０に側面装填される。具体的には、細長い部材１００は、図１に示されるように第１の通路５１内で位置付けられる。

次に、締結具８０が、締付け区画３０の開口３２に挿入され、細長い部材１００と接触するようにされる。締結具８０をさらにきつく締めることによって、本体１１が細長い部材１００に対して旋回する。旋回の程度は、図２に示されるように、細長い部材１００が第２の通路５２内へと移動し、受入れ区画２０の側面２６および２８に接触すると制御される。この旋回運動により、よりしっかりした係合のため、係合区画４０の腕部４１が支持構造に対してさらに移動する。

本体１１に加えられる旋回力の量は、図５に示されるような偏心Ｘに基づく。偏心Ｘは、中心線Ｃ１およびＣ２の交点である点Ｐと開口３２の中心との間の距離である。距離Ｘが大きいほど、本体１１が第１および第２の向きの間で移動するときにそれに加えられる力の量は大きい。同様に、距離Ｘがより小さければ旋回力はより小さくなる。一実施形態では、角部５３および５４は線に沿って点Ｐと整列される。一実施形態では、距離Ｘはゼロであって、開口３２の中心は点Ｐと整列される。これには、旋回力が別の形で加えられることを必要とするが、それは、締結具８０と細長い部材１００との接触によって力が生じないためである。

細長い部材１００は、様々な異なる形状および寸法を含んでもよい。図１、図２、および図３の実施形態では、部材１００は、ほぼ円形の断面形状を有するロッドである。部材１００はまた、他の断面形状のロッド、ケーブル、棒、およびブレードを含んでもよいが、それらに限定されない。細長い部材１００は、ほぼ直線または曲線状であってもよい。

一実施形態では、装置１０は、脊椎用ロッドを脊椎要素に取り付ける。係合区画４０は、脊椎要素と係合するように寸法決めされる。特定の実施形態では、係合区画４０は、脊椎要素の椎弓板または横突起を係合するように寸法決めされる。受入れ区画２０は、脊柱に沿って延びる脊椎用ロッドを受け入れるように位置付けられる。装置１０は、頸部、胸部、腰部、および／または仙骨部を含む、脊柱の様々な部位内に脊椎要素を取り付けるように形状および寸法が決められてもよい。

「〜の下」、「〜の下方」、「下側」、「〜の上」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、１つの要素の第２の要素に対する位置付けを説明するため、記述を簡単にするのに使用される。これらの用語は、図面に描かれるものとは異なる向きに加えて、装置の様々な向きを包含するものとする。さらに、「第１」、「第２」などの用語も、様々な要素、部位、区画などを記述するのに使用され、やはり限定的ではないものとする。記述全体を通して類似の用語は類似の要素を指す。

本明細書で使用するとき、「〜を有する」、「〜を含有する」、「〜を含む」、「〜を備える」などの用語は、記載の要素または特徴が存在することを示す無制限の用語であり、追加の要素または特徴を除外しない。「ａ」、「ａｎ」、「ｔｈｅ」という冠詞は、文脈において別途明示されない限り、複数ならびに単数を含むものとする。

本発明は、本発明の範囲および必須の特性から逸脱することなく、本明細書に記載のもの以外の特定のやり方で実施されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点で例示的であって制限的ではないものと見なすべきであり、添付の特許請求の範囲の意味および同等の範囲内にあるすべての変更は、それらに包括されるものとする。

Claims (19)

1. 細長い部材を脊椎要素に接続するための装置であって、
   重なり合う配置にある、第１の通路および第２の通路を含む受入れ区画であって、前記第１の通路および前記第２の通路が、第１の箇所で交差するような角度で整列され、前記通路のぞれぞれは、前記細長い部材を受け入れるように寸法決めされる、受入れ区画と、
   開口を含む締付け区画であって、前記開口が、前記受入れ区画内へとつながり、前記第１の箇所から偏心する、締付け区画とを備え、
   締結具を前記開口内へ前記細長い部材と接すべく挿入することにより、前記装置が第１の向きから第２の向きへと旋回し、前記第１の向きでは、前記細長い部材が前記第１の通路内にあり、前記第２の向きでは、前記細長い部材が前記第２の通路内にある、装置。
2. 前記受入れ区画は向かい合った第１および第２の側面を含み、前記第１および第２の側面のそれぞれが、角部を形成する角度で整列された第１および第２の区画を備え、前記角部が直線に沿って前記第１の箇所と整列される、請求項１に記載の装置。
3. 前記受入れ区画が、第１の側面から内向きに延びる第１の先細区画と、第２の反対側の側面から内向きに延びる第２の先細区画とを含む、請求項１に記載の装置。
4. 前記第１および第２の先細区画が直線に沿って交わる、請求項３に記載の装置。
5. 前記第１の通路が、前記第１の先細区画の第１の壁と前記第２の先細区画の第２の反対側の壁とによって形成される、請求項３に記載の装置。
6. 前記受入れ区画がほぼ平面の後面を備える、請求項１に記載の装置。
7. 前記開口が、前記受入れ区画の後面から外向きに位置付けられるとともに、前記第１および第２の通路の一方に向いて方向付けられた角度で整列される、請求項１に記載の装置。
8. 前記装置がフックをさらに備え、前記フックは、前記受入れ区画の前記締付け区画とは反対側の側面上に位置付けられており、前記フックは、開口部を形成する腕部を含む、請求項１に記載の装置。
9. 前記受入れ区画および前記締付け区画が、中実で一体型の本体として構築される、請求項１に記載の装置。
10. 前記第１および第２の通路が、約１５°から約４０°の範囲の角度で整列される、請求項１に記載の装置。
11. 細長い部材を脊椎要素に接続するための装置であって、
    重なり合う配置にある、第１の通路および第２の通路を含む受入れ区画であって、前記第１の通路および前記第２の通路が、第１の箇所で交差するような角度で整列され、前記通路のそれぞれが、前記細長い部材を受け入れるように寸法決めされる、受入れ区画と、
    前記脊椎要素と係合する開口部を含む係合区画とを備え、
    締結具を前記受入れ区画内へ前記第１の箇所から偏心した箇所で前記細長い部材と接すべく挿入することにより、前記装置が第１の向きから第２の向きへと旋回し、前記第１の向きでは、前記細長い部材が前記第１の通路内にあり、前記係合部材が前記脊椎要素を第１の量だけ係合しており、前記第２の向きでは、前記細長い部材が前記第２の通路内にあり、前記係合部材が前記脊椎要素をより大きい第２の量だけ係合する、装置。
12. 前記受入れ区画および前記係合区画が、中実で一体型の本体として構築される、請求項１１に記載の装置。
13. 細長い部材を脊椎要素に接続するための装置であって、
    受入れ区画および係合区画を含む本体であって、
    前記受入れ区画が、重なり合う配置にある第１の通路および第２の通路を含み、前記第１の通路および前記第２の通路は、それぞれの中心線が第１の箇所で交差するような角度で整列されるとともに第１の面内で延び、前記通路のそれぞれが、前記細長い部材を受け入れるように寸法決めされ、
    前記脊椎要素を係合する係合区画を備え、
    締結具を前記受入れ区画内に挿入することにより、前記本体が、第１の面内で第１の向きから第２の向きへと旋回し、前記第１の向きでは、前記細長い部材が前記第１の通路内にあり、前記係合区画が前記脊椎要素を第１の量だけ係合し、前記第２の向きでは、前記細長い部材が前記第２の通路内にあり、前記係合区画が前記脊椎要素をより大きい第２の量だけ係合する、装置。
14. 前記受入れ区画が、第１の側面から内向きに延びる第１の先細区画と、第２の反対側の側面から内向きに延びる第２の先細区画とを含む、請求項１３に記載の装置。
15. 前記受入れ区画および前記係合区画が、中実で一体型の本体として構築される、請求項１３に記載の装置。
16. 前記第１および第２の通路が、約１５°から約４０°の範囲の角度で整列される、請求項１３に記載の装置。
17. 細長い部材を脊椎要素に接続するための装置であって、
    前記装置は本体を含み、
    前記本体が、受入れ区画と、前記受入れ区画の第１の側面上に位置付けられた締付け区画と、前記受入れ区画の前記係合区画とは反対側の第２の側面上に位置付けられた係合区画と、を含んでおり、
    前記受入れ区画が側面装填通路を含み、前記側面装填通路は、第１の側面から内向きに延びる第１の先細区画と、第２の側面から内向きに延びる第２の先細区画とを含み、前記第１および第２の先細区画が線に沿って交差し、
    締結具を前記締付け区画を通し前記線から偏心した箇所で前記細長い部材に接すべく挿入することにより、前記本体が、前記細長い部材の周りで旋回して、前記係合区画を前記脊椎要素と係合する、装置。
18. 前記本体が中実で一体型の構造を含む、請求項１７に記載の装置。
19. 前記先細区画が異なる長さで前記受入れ区画内へと延びる、請求項１７に記載の装置。

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