JP4283602B2 - 直径測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、円筒形状の被測定物の直径、例えば、クランクシャフトのジャーナル中心を回転軸とし、この回転軸の周りにクランクシャフトとともに回転するそのピン部の直径を、その動きに同期させた砥石で研削加工中に測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のエンジン部品の一つであるクランクシャフトの研削加工工程で、加工中のクランクシャフトのピン部外径を測定する装置として、図12に示す検査装置が知られている(特許文献1参照)。この検査装置は、V字形基準装置21と、このV字形基準装置21の二等分線に沿って軸方向に運動できるフィーラ22が装着された測定装置と、砥石車送り台に取り付けられた支持体23に対して、回転ピン24を介して回転する第1のアーム25、および前記V字形基準装置21を保持した状態で、第1のアーム25に対して回転ピン26を介して回転する第2のアーム27を備えた前記測定装置の支持装置を有している。前記第1のアーム25が、油圧式複動シリンダのピストンロッド28に連結されたレバーを介して、ピストンロッド28の前進・後退によって回転ピン24の周りに回動し、それに連動して第2アーム27が回動し、これらの回動により、第2アーム27に保持されたV字形基準装置21が、研削加工中のクランクシャフトのピン部29に押し当てられる。
【0003】
前記V字形基準装置21は、図13に示すように、案内ケーシング30の下方端部に固定された支持ブロック31に支持され、この案内ケーシング30の中でピン部29の表面に接触するフィーラ22、即ち測長センサを備えた伝動ロッド32が上下に移動できるようになっている。この伝動ロッド32の軸方向の移動は、案内ケーシング30と伝動ロッド32との間に配置されたブッシュ33、33aによって案内され、伝動ロッド32の移動量、即ち変位量は、変換器34によって検出される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−225266([0010]〜[0018]、[0028]〜[0032])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図14は、前記V字形基準装置と測長センサを用いる、クランクシャフトのピン部29の直径の測定機構の主要部を模式的に示したものである。前記測長センサは、前述のように、V字形基準装置を表したVブロック35の中心線CL2上に設けられており、実質的に、中心線CL2上でのピン部の外周面の位置Aと、Vブロック35の谷底位置Bとの距離mを測定していることになり、この距離mに基づいて、ピン部29の直径が求まる。Vブロック35の鋏角をθとすると、
m=R/sin(θ/2)−R=R(1/sin(θ/2)−1)
となり、
R={sin(θ/2)/(1−sin(θ/2))}m
即ち、k=sin(θ/2)/(1−sin(θ/2))とおくと、R=k・mとなり、ピン部29の半径Rが距離mに比例する。ピン部の直径をDとすると、D=2k・mとなり、直径Dの微小変化ΔDと距離mの微小変化とは、ΔD=2k・Δmの関係にある。Vブロック35の鋏角θを90°とすると、2k=4.828となって、ΔD=4.828・Δmとなる。従って、ピン部36の直径の要求測定精度の1/4.828の大きさの測定制度で距離mを測定する必要があり、ピン部29の直径に対する要求測定精度以上の精度を有する測長センサが必要となる。
【0006】
また、上記kは鋏角θが小さくなる程、小さくなるため、Vブロック35の鋏角θを小さくすれば、測長センサに対する要求精度は緩和される。しかし、鋏角θが小さくなると、Vブロック35とピン部29との接触点はブロック中心線CLからより離れるため、Vブロック35が砥石に近づくことになり、鋏角θを小さくするにも限度がある。さらに、回転するピン部29にVブロック35が接触しているため、摩耗が生じ、測定原理からVブロック35の摩耗変形は、ピン部29の直径の測定値変化に直結する。
【0007】
一方、Vブロック35はその挟み面Gにピン部29が接触する限りは、ピン部29の直径によらず共用できるが、Vブロック35の寸法に対してピン部29の直径が小さくなると、Vブロック35の外面側がピン部29からはみ出し、砥石に干渉する。このため、Vブロック35を共用するにも限度があり、実際には、ある範囲のピン部径毎にVブロックを用意する必要がある。また、ピン部径が大きくなるにつれて大きなVブロックが必要となり、ピン部径が400mm以上にも達する舶用エンジンのクランクシャフトに上記検査装置を適用することは、Vブロックが巨大化するため、実用上困難である。さらに、ゴミなどを挟んでVブロックがピン部に接触せずに浮いてしまうと、測長センサの検出指示値が変化し、測定誤差が発生する原因となる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、測長センサの測定精度を過度に高めずに済み、測定誤差が発生しにくく、異なる直径の被測定物にも研削砥石に干渉せずに対応可能な、クランクシャフトピン部などの加工中の被測定物直径を測定する装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0010】
即ち、円筒状被測定物の直径を測定するように、前記被測定物を挟んで対向するようにそれぞれ設けた測長センサと、前記被測定物の上部側の、前記測長センサの両側の位置に接触するようにそれぞれ設けた回転接触部材と、前記測長センサおよび回転接触部材を保持する測定フレームと、この測定フレームの支持機構とを備え、前記回転接触部材を前記円筒状被測定物に接触させて、対向して設けた前記測長センサの位置決めを行ない、かつ、前記測定フレームの重心を前記被測定物の重心よりも下方に位置させて、重力の作用で測長センサの測定姿勢を安定化するようにして、直径測定装置を形成したのである。
【0011】
このようにすれば、被測定物の上部に、測長センサの両側に設けた回転接触部材が接触して、対向する測長センサの測定位置が決まるので、前記のVブロックを用いた測定法のように、測長センサの測定量からピン部の直径の算出に必要な換算係数を用いる必要がなく、測長センサの測定量が直接、ピン部の直径に対応する。このため、クランクシャフトのピン部直径に対する要求精度以上の高測定精度の測長センサは不要となる。しかも、直径測定装置のピン部への接触が回転接触部材によるため、接触部の摩耗が生じにくく、また、前記回転接触部材は測長センサの位置決めを担っているだけであり、前記回転接触部材が測長センサの両側で接触しているため、仮に摩耗が生じたとしても、両側の回転接触部材間で著しく摩耗量差が生じない限り、測定精度へは影響を及ぼさない。
【0012】
また、測長センサが、クランクピンを挟んで対向するように設けられているため、とくに測長センサが非接触式の場合、前記測定フレームが上下に位置変動しても、この変動が両方の測長センサで相殺され、測定量が上下の位置変動の影響を受けにくい。
【0013】
さらに、前記回転接触部材の間隔は、最小径のクランクピンを測定する場合に、研削砥石に干渉しない大きさであればよく、異なる直径のピン部を測定する場合、前記測定フレームに上下方向に伸縮可能な機構を予め付与しておくこと、および測長センサの測定レンジの切替えることで対応することができる。このため、従来のVブロックを用いる測定法のように、ある範囲のピン部径毎にVブロックを用意して、交換する必要がなくなり、測定作業が簡素化される。そして、測定フレームの重心を前記ピン部などの被測定物の重心よりも下方に位置させる簡単な機構で、対向して設けた測長センサの方向が、測定フレームの自重によって鉛直方向に維持され、測定姿勢が決まる。
【0014】
円筒状被測定物の直径を測定するように、前記被測定物を挟んで対向するようにそれぞれ設けた測長センサと、前記被測定物の上部側の、前記測長センサの両側の位置に接触するようにそれぞれ設けた回転接触部材と、前記測長センサおよび回転接触部材を保持する測定フレームと、この測定フレームの支持機構とを備え、前記回転接触部材を前記円筒状被測定物に接触させて、対向して設けた前記測長センサの位置決めを行ない、かつ、前記被測定物がその加工工程で運動するときに、前記測定フレームの被測定物に対する傾きを検出し、この検出した傾きを打ち消すように前記回転接触部材を駆動して測定姿勢を安定化するようにして、直径測定装置を形成することもできる。
【0015】
このようにしても、簡単な装置構成で、測長センサの方向を一定方向(鉛直方向)に維持し、安定した測定が可能となる。
【0016】
前記測定フレームの支持機構が平行リンク機構であり、前記被測定物がその加工工程で運動するときに、前記測長センサが測定姿勢を保った状態で追従できるようにすることが望ましい。
【0017】
前記測定フレームを平行リンク機構で支持することにより、クランクシャフトのジャーナル中心を回転軸として、この回転軸の周りに回転するピン部に、対向して設けた測長センサの方向を鉛直方向に維持した状態で、測定フレームが追従して運動することができる。このように、測定フレームを適正な測定姿勢に保つことにより、被測定物の回転に伴って被測定物上を移動していく測定点の間隔に変動が生じないため、測定精度が低下せず、また、研削砥石と接触も防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態および参考形態を添付の図1から図11に基づいて説明する。
【0021】
図1(a)〜(c)は、実施形態の直径測定装置の測定部1を示したものである。この測定部1は、被測定物のクランクシャフトのピン部2を挟んで、このピン部2の直径の延長線CL1上に、鉛直方向に対向するように設けた測長センサ3、3aと、ピン部2の上部側の、測長センサ3の両側の位置に接触するようにそれぞれ設けた回転接触部材である接触ローラ4、4aと、測長センサ3、3aおよび接触ローラ4、4aを保持するコ字形に形成された測定フレーム5からなり、測定フレーム5の下部の測長センサ3aの周りに錘11を取り付けて、測長センサ3、3aおよび接触ローラ4、4aを保持した測定フレーム5の重心をピン部2の重心よりも下方に位置させている。図2に示すように、前記測定部1の上部には、支持具6が取り付けられ、固定支持端側には支持具6aが取り付けられている。支持具6および6aには、平行リンク棒7、7aの一端側にそれぞれ設けた平行リンクピン8、8aが回転自在に嵌めこまれ、平行リンク棒7、7aの他端側に回転自在にはめ込んだ平行リンクピン8bによって、これらのリンク棒7、7aが接続され、この平行リンク機構によって前記測定部1が、その測定姿勢を保ちながら、クランクシャフトの回転軸の周りに、一点鎖線で示した中心軌跡Sで回転するピン部2の運動に追従し、砥石9での研削中にピン部2の直径を測定できるようになっている。なお、前記回転接触部材として、接触ローラ4、4aの代わりに、転がり軸受けを、その外周面がピン部2に接触するようにして用いることもできる。
【0022】
図1(a)に示したように、測長センサ3、3aの間隔をL、測長センサ3、3aの測定値から導かれる、測長センサ取付け部からの長さをn1、n2とすれば、ピン部2の直径Dは、D=L−n1−n2で求まる。なお、測長センサ3、3aは、非接触式、接触式のいずれをも用いることができる。接触式の場合には、測長フレーム5の外表面から測長センサ3、3aの測定値が“0”であるときの検出子先端までの距離を予め把握しておき、この距離の変動を測定することによって前記n1、n2が求まり、ピン部2の直径Dを算出することができる。非接触式の場合も同様に、測定値が“0”になる被測定物位置に相当する距離を基準に直径Dを算出することができる。
【0023】
なお、接触ローラ4、4aが被測定物のピン部2に接触した状態で、測定部1の位置が決まるため、この接触状態になったときに測長センサ3、3aの仮想中心線がピン部2の中心を通ること、即ち前記直径の延長線CL1に一致することが、前記直径測定装置の測定条件である。従って、接触ローラ4、4aは、この測定条件を満たす範囲で、上部側の測長センサ3の両側、即ち前記仮想中心線の両側の位置に設けることができる。但し、実際には測定姿勢の安定性や設備上の制約から、接触ローラ4、4aは、図1(a)に示したように、前記仮想中心線に対して対称の位置に設けることが望ましい。
【0024】
この発明の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0025】
図1および図2に示したように、接触ローラ4、4aにより、測長センサ3、3aが、ピン部2の直径の延長線上で鉛直方向に対向するように測定姿勢を維持できるため、測長センサ3、3aの測定量n1、n2から直接、ピン部の直径Dを求めることができる(D=L−n1−n2)。このため、従来のVブロック測定法のように、ピン部2の直径に対する要求精度以上の高測定制度の測長センサは不要となる。測定部1のピン部2への接触が接触ローラ4、4aによるため、接触部に摩耗が生じにくく、前記回転接触部材は測長センサの位置決めを担っているだけであり、また、接触ローラ4、4aが、ピン部2の上部側の、測長センサ3の両側で接触しているため、仮に接触ローラ4、4aの表面に摩耗が生じたとしても、両側の接触ローラ4、4a間で著しく摩耗量差が生じない限り、測定精度へは影響を及ぼさない。
【0026】
また、測長センサ3、3aが、ピン部2を挟んで対向するように設けられているため、とくに測長センサが非接触式の場合、測定フレーム5が上下に位置変動しても、この変動が両方の測長センサ3、3aの測定量n、n間で相殺され、測定量n、nに基づいたピン部2の直径Dが、測定フレーム5の上下の位置変動の影響を受けにくく、かつ、測定フレーム5の下部の測長センサ3aの周りに錘11を取り付けて、測長センサ3、3aおよび接触ローラ4、4aを保持した測定フレーム5の重心をピン部2の重心よりも下方に位置させているため、重力の作用を用いた簡単な機構で、測長センサ3、3aの測定姿勢を鉛直方向に維持することができる。
【0027】
さらに、前記測定フレーム5を平行リンク機構で支持しているため、クランクシャフトの回転軸の周りに回転するピン部2に、その直径の延長線上に対向して設けた測長センサ3、3aの方向を鉛直方向に維持した適正な測定姿勢を保ちながら、測定フレーム5が追従して運動することができる。それにより、測定精度が低下せず、また、研削砥石との接触も防止することができる。
【0028】
なお、前記測定部1は、測長センサ3、3aの測定範囲を超えない範囲で、ピン部径の変化に対応できるが、とくに下側の測長センサ3aの測定範囲を超える場合には、図3(a)、(b)に示すように、測長センサ3aを取り付ける、測定フレーム5のアーム部5aを、油圧シリンダ、または電動スクリュウやリニアモータ等のアクチュエータ10により昇降可能な機構に形成することが望ましい。この場合、ピン部径が研削砥石に干渉しない大きさであれば、接触ローラ3、3aの位置はとくに変化させる必要はない。より小さいピン部径まで測定可能なように、接触ローラ4、4aの間隔を可変に形成することも可能である。
【0029】
また、前記直径測定装置の幅WMは、砥石9の幅WG(図1(c)参照)よりも小さく形成することが望ましい測定条件である。砥石9をピン部2に当てて研削加工をするため、砥石9の幅WGが収まるだけの空間は確保されるからである。前記測定装置の幅WMが砥石幅WGよりも大きいと、クランクシャフトのクランクアーム部に接触する可能性があり、また、砥石9はクランクシャフトの軸方向にも移動し、前記直径測定装置も軸方向に移動するため、そのときにも、クランクシャフトのクランクアーム部に接触する可能性があるからである。
【0030】
図4および図5は、図8および測定部1の上部に図2に示した平行リンク機構を設けた参考形態の直径測定装置で、実機のクランクシャフトのピン部を測定した結果で、上側のデータが上側の測長センサ3の出力、即ち基準長さ(測定フレーム5の外表面から測長センサ3、3aの測定値が“0”であるときの検出子先端までの長さ)に対する相対変位を、下側のデータが下側の測長センサ3aの前記出力を、それぞれ2回転分示したものである。図4のデータは、被測定物のピン部2に砥石屑が付着している状態での、図5のデータは、砥石屑が付着していない状態での、それぞれの測定結果である。ピン部2に付着物があると、ピン部2と接触ローラ4、4aとの間に挟み込まれて測定フレーム5が上下に変位し、上下の測定データに、いずれも幅の細い大きな変動が認められる。しかし、この大きな変動は、上側の測長センサ3と下側の測長センサ3aとで同じタイミングで出力されており、しかも、変動の方向が逆方向である。この逆方向の大きな変動は、上側の測長センサ3と下側の測長センサ3aとが同時に同じ方向に動いた結果と考えられる。一方、図5のデータでは、砥石屑の付着がないため、このような大きな変動は認められない。
【0031】
図4および図5にそれぞれ示した出力データを、上側の測長センサ3の出力データから下側の測長センサ3aの出力データを差し引いて測長位置周方向の直径の偏差、即ち直径偏差に換算すると、砥石屑が付着した場合の図4の出力データに基づいた直径偏差が図6に、砥石屑が付着していない場合の図5の出力データに基づいた直径偏差が図7に、それぞれ示すようになる。図6および図7から、砥石屑の付着の有無に拘わらず、換算した直径偏差に差は見られない。この結果は、図4のデータに見られた幅の細い大きな変動は測定フレーム5の上下動に起因するもので、この変動は上下の測長センサ3、3a間で相殺されることを示しており、段落[0026]に記載した、ピン部2の直径Dが、測定フレーム5の上下の位置変動の影響を受けにくいという本発明の特徴が正しく実現されていることを証明している。
【0032】
図8は参考形態の測定部1aを示したものである。測定フレーム5の下部の測長センサ3aの周りに錘11を取り付けていないほかは、図1(a)に示した実施形態の測定部1と同じである。
【0033】
図9は、また、他の参考形態の測定部1bを示したもので、接触ローラ4、4aと対向する側に押し付け機構を設けている。この押し付け機構では、アクチュエータ10の駆動用ロッド10aに連結されたアーム12の先端部に押さえロール13が取り付けられ、アーム12は測定フレーム5に止めピン14で回動可能に支持されている。そして、駆動用ロッドを前進させる、止めピン14を支点としてアーム12が時計回りの方向に回動し、押さえロール13がピン部2を押し上げる反作用で測定フレーム5がピン部2に押し付けられ、測長センサ3、3aの測定姿勢が安定する。なお、前記押付け機構を設ける代わりに、図10に測定部1cを示すように、測定フレーム5の上部内側の、接触ローラ4、4a間に、電磁石15を取り付け、電磁力によりピン部2を吸引して測定フレーム5をピン部2に押し付けることもできる。電磁石としては、着磁の影響を軽減するために、交流励磁の電磁石が適している。
【0034】
図11(a)および(b)は、さらに、他の実施形態を示したもので、測定フレーム5の上部に傾斜センサ16が取り付けられ、接触ローラ4、4aには、傾斜センサ16からの出力に基づいて接触ローラ4、4aを回転させる駆動装置(図示省略)が取り付けられている。クランクシャフトの回転運動により、測定フレーム5がピン部2に対して回転した場合、測長センサ3、3aの基準測定姿勢である鉛直方向、即ち矢印で示した鉛直線からの傾斜角θdを検出し、傾斜センサ16の出力が、基準測定姿勢にある場合の値となるように、前記駆動装置により接触ローラ4、4aを、傾斜を打ち消す方向に回転させる。測定フレーム5は、接触ローラ4、4aでピン部2と接触しているため、測定フレーム5ピン部2に対して相対的に動き、基準測定姿勢からの傾きを解消することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、クランクシャフトのピン部などの被測定物の直径を測定するように、前記被測定物を挟んで対向するように測長センサを設け、接触ローラなどの回転接触部材により測長センサを位置決めして測定姿勢を保つようにしたので、測長センサの測定量が直接、ピン部の直径に対応する。このため、従来のVブロックを用いた測定法のように、換算係数を用いる必要がなく、クランクピン直径の要求精度以上の高測定精度の測長センサは不要となる。また、対向するように測長センサを設けた測定フレームが上下に位置変動しても、この変動が両方の測長センサで相殺され、測定量が上下の位置変動の影響を受けにくい。さらに、測定フレームの下部の測長センサの周りに錘を取り付けて、この測定フレームの重心を被測定物の重心よりも下方に位置させたので、重力の作用を用いた簡単な機構で、測長センサの測定姿勢を鉛直方向に維持できる。また、測定フレームの被測定物に対する傾きを検出して、回転接触部材を駆動して、この基準姿勢からの傾きを打ち消すようにしたので、測長センサの方向を鉛直方向に維持し、安定した測定が可能となる。
【0036】
前記被測定物への接触が回転接触部材によるため、接触部の摩耗が生じにくく、前記回転接触部材は測長センサの位置決めを担っているだけであり、仮に摩耗が生じたとしても、両側の回転接触部材間で著しく摩耗量差が生じない限り、測定精度へは影響を及ぼさない。
【0037】
さらに、前記回転接触部材の間隔は、最小径のクランクピンを測定する場合に、研削砥石に干渉しない大きさであればよく、異なる直径のピン部を測定する場合、前記測定フレームに上下方向に伸縮可能な機構を予め付与しておくこと、および測長センサの測定レンジを切替えることで対応することができる。このため、従来の測定法のように、ピン部径に応じてVブロックを交換する必要がなくなり、測定作業が簡素化される。
【0038】
そして、前記測定フレームを平行リンク機構で支持することにより、対向して設けた測長センサの方向を、常に鉛直方向に維持した状態で、前記測定フレームを追従して運動させることができる。それにより、被測定物の回転に伴って被測定物上を移動していく測定点の間隔に変動が生じないため、測定精度が低下せず、また、研削砥石と接触も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の実施形態の測定部を示す正面図
(b)(a)の測定部の側面図
(c)(a)の測定部の平面図
【図2】図1の測定部と平行リンク機構とにより構成した直径測定装置の正面図
【図3】(a)測定フレームの長さを可変にする機構を設けた測定部の正面図
(b)(a)の側面図
【図4】参考形態の測長センサからの出力データの一例を示す説明図
【図5】参考形態の測長センサからの出力データの一例を示す説明図
【図6】図4の出力データから換算したピン部の直径偏差を示す説明図
【図7】図5の出力データから換算したピン部の直径偏差を示す説明図
【図8】参考形態の測定部の正面図
【図9】他の参考形態の測定部の正面図
【図10】他の参考形態の測定部の正面図
【図11】(a)他の実施形態の測定部の基準状態の正面図
(b)(a)の傾斜状態の正面図
【図12】従来技術の円筒形部品の直径測定装置の断面図
【図13】図12の直径測定装置の測定部の正面図
【図14】従来技術の測定部を模式的に示した説明図

Claims (3)

  1. 円筒状被測定物の直径を測定するように、前記被測定物を挟んで対向するようにそれぞれ設けた測長センサと、前記被測定物の上部側の、前記測長センサの両側の位置に接触するようにそれぞれ設けた回転接触部材と、前記測長センサおよび回転接触部材を保持する測定フレームと、この測定フレームの支持機構とを備え、前記回転接触部材を前記円筒状被測定物に接触させて、対向して設けた前記測長センサの位置決めを行ない、かつ、前記測定フレームの重心を前記被測定物の重心よりも下方に位置させて、重力の作用で測長センサの測定姿勢を安定化するようにした直径測定装置。
  2. 円筒状被測定物の直径を測定するように、前記被測定物を挟んで対向するようにそれぞれ設けた測長センサと、前記被測定物の上部側の、前記測長センサの両側の位置に接触するようにそれぞれ設けた回転接触部材と、前記測長センサおよび回転接触部材を保持する測定フレームと、この測定フレームの支持機構とを備え、前記回転接触部材を前記円筒状被測定物に接触させて、対向して設けた前記測長センサの位置決めを行ない、かつ、前記被測定物がその加工工程で運動するときに、前記測定フレームの被測定物に対する傾きを検出し、この検出した傾きを打ち消すように前記回転接触部材を駆動して測定姿勢を安定化するようにした直径測定装置。
  3. 前記測定フレームの支持機構が平行リンク機構であり、前記被測定物がその加工工程で運動するときに、前記測長センサが測定姿勢を保った状態で追従できるようにした請求項1または2に記載の直径測定装置。
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