JP4282826B2 - モジュール型関節窩アセンブリー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は人工関節窩部品(prosthetic glenoid component)に関し、特に天然の肩の窩（socket)を置換し上腕骨の頭部に支持面を設けるために肩甲骨の関節窩表面を取付けるためのモジュール型関節窩アセンブリーに関する。さらに詳細には本発明はプラスチック支持インサートに連結された金属裏打ちベースを備えたモジュール型関節窩アセンブリーに関する。
【０００２】
【発明の概要】
本発明によれば、関節窩表面と連結するように適合されたベースと、上腕骨の頭部を係合させるように適合した支持面を備える支持インサートとを具備するモジュール型関節窩アセンブリーが提供される。このベースには第一コネクター部分が設けられ、またこのインサートには第二コネクター部分が設けられている。さらに、当該第一コネクター部分および第二コネクター部分は、インサートを移動してベースと係合させた時にそのインサートをベースに固定するように整合して(proportional)係合可能である。
【０００３】
好ましい実施形態においては、この第一コネクター部分はベースの一部分の周囲に延在する溝を備え、第二コネクター部分はインサートの一部分の周囲に延在するタブを備えている。このタブは、インサートをベースに対して上方位置に移動した時に溝と係合して収容される。さらに、この溝は下方内側に開口する部分を備え、一方、タブは前記下方内側に延在する開口部分に収容される上方外側に延在する部分を備える。
【０００４】
さらに本発明によれば、関節窩表面と連結するように適合されたベースと支持インサートとを備え、肩甲骨の関節窩に取付けて支持面を与えるモジュール型関節窩アセンブリーが提供される。ベースはリップを備え、支持インサートは、上腕骨部品の頭部に係合するように適合された支持面と、このインサートを当該ベースに対し上方位置に移動した時に当該リップに係合するように形成されたタブとを備えている。
【０００５】
さらに本発明によれば、金属ベースとプラスチック支持インサートで構成されるモジュール型関節窩アセンブリーが提供される。金属ベースは、下面、上面、当該下面から延出する少なくとも１本のくぎ、および当該上面の一部分の周囲に延在して溝を画定するリップを有する。支持インサートは、支持面、当該ベースの上面に面する反対側の下面、および当該下面の一部分の周囲に延在するタブを有する。このタブは当該溝に下方から上方に収容されてインサートをベースに取付ける。
【０００６】
本発明の他の特徴は、すぐに分かるように本発明を実施する最良の形態を例示する以下の好ましい実施形態の説明を考慮すれば当業者に明らかになるだろう。
【０００７】
【発明の実施の形態】
モジュール型関節窩アセンブリー１０が本発明に従って提供される。図１は肩甲骨１８の関節窩表面１６と上腕骨部品２４の頭部２２との間に配置された関節窩アセンブリー１０を示す図である。関節窩アセンブリー１０は天然の関節窩表面を置換するために肩甲骨１８の関節窩表面１６に取付けられるように設計されている。関節窩アセンブリー１０は第一コネクター部分を備えたベース１２と、軸２６に沿ってベース１２の第一コネクター部分により上方２８に摺動可能に収容される第二コネクター部分を備えた支持インサート１４とを備えている。第一コネクター部分および第二コネクター部分は、インサート１４を移動してベース１２と係合させた時にインサート１４をベース１２に固定するように整合して係合可能である。従って関節窩アセンブリー１０は回旋腱板と三角筋（図示せず）による生理的負荷に耐える。
【０００８】
モジュール型関節窩アセンブリー１０のベース１２は、インサート１４に面するように配置された凹上面３０と関節窩表面１６に面するように配置された凸下面３２とを有する本体２９を備えるように形成される。図１を参照する。上方、下方および中央の各取付けくぎ（peg)４０，４２，４４は、下面３２から延出して形成され、本体２９を関節窩表面１６に固定する。さらに、右安定化くぎ４６と、同様に形成された左安定化くぎ（図示せず）とが下面３２から延出している。
【０００９】
取付けくぎ４０，４２，４４は図１に示したように各々概ね円柱状本体部分４８と概ね円錐状先端部分５０で構成されている。安定化くぎ４６も概ね円柱状本体部分５２と概ね円錐状先端部分５４で構成されている。関節窩表面１６は、それぞれ取付けくぎ４０，４２，４４および安定化くぎ４６を収容するように整合された穴６０を有するように形成されている。先端部分５０，５４により、くぎ４０，４２，４４，４６が関節窩表面１６の穴６０に容易に挿入される。本体部分４８，５２の直径は、穴６０の内周にセメントマントル（図示せず）用スペースを与えるためにあるいは締まり嵌め可能とするように穴６０の直径より僅かに小さい。くぎ４０，４２，４４は本発明によれば広範な種類の形状とサイズとすることができることが分かる。
【００１０】
図２に示したように、上下くぎ４０，４２は各々複数のノッチまたはセレーション（切り目または刻み目）６２を備えるように形成されている。このセレーション６２は、くぎ４０，４２と穴６０に入れられたセメントマントル（図示せず）との間の接触面積を増やしてくぎ４０，４２と関節窩表面１６の骨との間の接合を強化する。図１を再度参照する。図では各安定化くぎ４６も、骨セメントにより安定化くぎ４６が関節窩表面１６の骨に固定できるようにノッチまたはセレーション６２を有するように形成されている。１本または２本以上のくぎ４０，４２，４４，４６にセレーション６２を形成することが本発明の範囲内にある。くぎと関節窩表面１６の骨との間の接合をまた強化するために多孔質コーティングを有するくぎ４０，４２，４４，４６を備えることも本発明の範囲内にある。くぎ４０，４２，４４，４６のさらに詳細な説明は、参考文献として本明細書に含まれるFrederick A. Matsen, IIIに与えられた「関節窩構成部品(Glenoid Component)」と題する米国特許第５，０３２，１３２号に見出すことができる。くぎ４０，４２，４４，４６を図示し説明しているが、ベース１２と肩甲骨１８とを連結するために広範囲な取付け機構を使用することは本発明の開示の範囲内にある。
【００１１】
ここで図１を参照する。ベース１２の本体２９の上面３０は支持インサート１４との摺動係合用に形成される。上面３０は上方端部６４、下方端部６６、これら上方端部６４および下方端部６６間にあるように配置された中央部６８、および周縁端面７２を備える。さらに第一コネクター部分または外リップ７０は、上方端部６４および中央部６８に隣接した周縁端面７２から延在している。図２および図３に示したように、外リップ７０は上面３０から延出する側壁７３と、上面３０の上を側壁７３から延出するタブ７５とで構成され、溝７４を画定する。タブ７５はインサート１４（図３参照）に面するテーパー面７７を有する。溝７４は上面３０およびリップ７０で画定され下方内側に開口部分を備える。溝７４は概ねＵ字形であり、上述のように周縁端面７２の周囲の一部分だけを延在しているため、ベース１２の下方端部６６はリップ７０から離間している。
【００１２】
図２に示したように上面３０の中央部６８はさらに凹部８０を備えるように形成されている。凹部８０は支持インサート１４と協働して外科医にスナップ嵌めの感触を与える。上面３０内に広範な種類の形状とパターンに凹部８０を形成することは本発明の開示の範囲内にあるが、この凹部８０は概ね形状が卵形である。あるいは、凹部を形成しないで上面を形成したり、２個以上の凹部を上面に形成したり、またはインサートの凹部（図示せず）と協働する移動止め（図示せず）を上面に形成することも本発明の開示の範囲内にある。ベース１２はチタン合金のような金属から構成されるが、コバルトクロム合金およびステンレス鋼のような広範囲な金属からベースを形成することは本発明の開示の範囲内にある。さらにベース１２は高度に研磨されることが好ましい。
【００１３】
支持インサート１４はベース１２と摺動係合可能に形成され、頭部２２に対して支持面２０になる。図１に示したように、支持インサート１４は頭部２２に面する凹上面８２と反対側の凸下面８４とを有する。このインサート１４の上面８２は図２，図４および図５に示すように上腕骨部品２４の頭部２２に対して支持面２０となる。上面８２は上方端部１０２、下方端部１０４、これら上方端部１０２および下方端部１０４間にあるように配置された中央部１０６で構成される。インサート周縁端面１０８が上面８２と下面８４との間に延在している。周縁端面１０８は中に溝９０を有するように構成されている。溝９０は上方端部１０２と中央部１０６に隣接した周縁端面１０８に延在しており、リップ７０のタブ７５を中に収容するサイズになっている。図３に示したように、溝９０は底面１０１、上面１１１および側壁１１３によって画定される。溝９０は概ねＵ字形であり、上述のように周縁端面１０８の周囲の一部分だけを延在しているため、下方端部１０４は溝９０から離間している。組み立てると、溝９０および溝７４は互いに一般的に積層整合状態に配置される。
【００１４】
図３に示したように、インサート１４の下面８４は組み立てるとベース１２の上面３０に載る。下面８４は上方端部１０５、下方端部１０３、およびこれら上方端部１０５および下方端部１０３間にあるように配置された中央部１０９を備える。図４を参照する。下面８４はまた、溝７４に延出してリップ７０と上面３０とに係合する第二コネクター部分またはタブ８８を備えるように形成される。タブ８８は溝９０に隣接した下面８４の上方端部１０５と中央部１０９の周囲に延在する。タブ８８は上端部９４と底端部９５を下面８４の下方端部１０３に有している。従ってタブ８８は、溝７４の下方内側に延在する部分にそれぞれ収容される上方外側に延在する部分を有する。
【００１５】
ベース１２とインサート１４を組み立てるとインサート１４の下面８４はベース１２の上面３０に載る。インサート１４はまた下面８４の中央部１０９から延出する移動止め９２を有する。この移動止め９２は凹部８０と協働してスナップ嵌めアセンブリーの感触を与える。移動止め９２は形状が方形であるが、１個より多いまたは少ない任意の形状またはサイズで移動止め９２を形成したり、またはベース１２の対応する移動止め（図示せず）と相互作用する凹部（図示せず）を備えるように下面８４を形成することも、本発明の開示の範囲内にある。インサート１４は超高分子量ポリエチレン（UHMWPE)で構成されるが、整形外科用途に適切な広範な種類の材料からインサート１４を製造することも本発明の範囲内にある。
【００１６】
関節窩アセンブリー１０を組み立てる際に、図１に示すように軸２６に沿って上向きまたは上方２８にインサート１４を移動させる。タブ８８が先ず上面３０の下方端部６６と係合する。インサート１４がベース１２に対して軸２６に沿って方向２８に摺動すると、タブ８８が図２および図３に示したようにベース１２の溝７４内に収容される。さらに、インサート１４の下面８４のタブ８８がベース１２の溝７４内に収容され、ベース１２の外リップ７０のタブ７５がインサート１４の溝９０内に収容される。
【００１７】
インサート１４のタブ８８は、タブ８８の上端部９４が上方端部６４に隣接するリップ７０の側壁７３に係合するまで溝７４内に方向２８に移動する。移動止め９２がベース１２の凹部８０に収容されるように形成されており、組み立て時に移動止め９２が凹部８０と「スナップ」係合し、外科医にインサート１４がベース１２に取付けられたことを知らせる。上方端部６４の外リップ７０の側壁７３はタブ８８の上端部９４のストッパー（移動止め）としても機能する。図２および図３に示したようにインサート１４をベース１２に取付けると、支持面２０は上腕骨部品２４の頭部２２に係合する態勢となっている。凹部８０内に移動止め９２をより簡単にガイドするため移動止め９２が摺動する上面３０に傾斜路またはランプ（図示せず）を備えることも本発明の範囲内にある。
【００１８】
肩甲骨１８の関節窩表面１６内に埋め込まれると関節窩アセンブリー１０は回旋腱板筋（図示せず）と三角筋（図示せず）からの負荷力を受ける。図２に示すように、これらの負荷力は上方９７に向いている。関節窩アセンブリー１０は図１に示したように前方／上方９８または後方／下方９９の力も受けるが、関節窩アセンブリー１０に対する概ね上方９７への負荷のため、インサート１４はベース１２との係合解除が防止される。
【００１９】
本発明に従う別の実施形態の関節窩アセンブリー１１０を図５および図６に示す。関節窩アセンブリー１１０は、支持インサート１４を軸１２１に沿って上方１２３に摺動して収容するベース１１２を備えている。ベース１１２はベース１２と同様に形成される。同様の参照符号は同様の部品を示すために使用する。ベース１１２は中央部６８に隣接して下面３２から延出する取付けくぎ１４４を有する。くぎ１４４はくぎ４０，４２，４４と同様に形成される。しかしながら、くぎ１４４は本発明によれば種々の形状とサイズで形成できることが分かる。くぎ１４４は関節窩表面１６に前もって形成された穴６０に収容される。図５に示したように、本体２９には対応するねじ１２２を受けるサイズの２個の貫通穴１２０がある。図６に示すように完全に組み立てられると、ねじ１２２は穴１２０を通して関節窩表面１６の予め形成された穴１６０に延在する。従ってねじ１２２はくぎ１４４と協働して肩甲骨１８の関節窩表面１６にベース１１２を連結する。ベース１１２はベース１２と同様の材料で構成される。
【００２０】
関節窩アセンブリー１１０の組み立て方法は関節窩アセンブリー１０について前に説明した組み立て方法と同様である。インサート１４は、下面８４のタブ８８がベース１１２の溝７４内に収容されるように上下軸１２１に沿って方向１２３に摺動する。この時点でリップ７０のタブ７５がインサート１４の溝９０内に収容される。移動止め９２と凹部８０によりスナップ嵌め感触になった時にインサート１４がベース１１２内に収容されたことが外科医に分かる。
【００２１】
本発明の別の実施形態を図７乃至図１０に示す。図７に示すように関節窩アセンブリー２１０はベース２１２と支持インサート２１４を備える。関節窩アセンブリー２１０のベース２１２はベース１１２と同様に関節窩表面１６に連結されている。ベース２１２は関節窩表面１６との係合のために形成された下面２３２と、概ね平らな上面２３０とを有する本体２２９を備えている。上面２３０は上方端部２６４、下方端部２６６、および上方端部２６４および下方端部２６６間にあるように配置された中央部２６８を備える。外リップ２７０は上方端部２６４と中央部２６８の周囲を上面２３０から延在している。リップ２７０は前に説明したようにベース１２のリップ７０と同様に構成され、内部に溝２７４を備えている。溝２７４は概ねＵ字形であり、溝７４と同様に形成される。さらに、図７に示したようにベース２１２の上面２３０はその面に凹部２８０を有するように形成される。この凹部２８０は凹部８０と類似しており、インサート２１４と協働して前に説明したようにスナップ嵌め感触を生み出す。
【００２２】
ここで図８を参照する。図において本体２２９は離間した貫通ねじ穴３２０を有する。ねじ穴３２０は下面２３２と上面２３０との間に延在し、取付けくぎ２４４を中心として離間している。ねじ穴３２０はねじ（図示せず）が貫通延在できるサイズになっている。ベース２１２に２つのねじ穴３２０より多くまたは少なくねじ穴を設けて形成することは本開示の範囲内にある。くぎ２４４はベース２１２の下面２３２から延出しており、関節窩表面１６内の予め形成された穴６０（図５参照）内に収容されるように形成される。ねじ（図示せず）はベース２１２の穴３２０を通して関節窩表面１６に形成された穴１６０（図５参照）に延出する。
【００２３】
ここで図９および図１０を参照する。図では支持インサート２１４が前に説明したようにインサート１４と同様に頭部２２と協働する。インサート２１４は概ね平らな下面２８４と、反対側の凹上面２８２とを有する。上面２８２は前に説明したように上面８２と同様に形成される。下面２８４は上方端部２０３、下方端部２０５およびこれら上方端部２０３および下方端部２０５間にあるように配置された中央部２０９を有する。タブ２８８は下面２８４に形成される。図９に示したようにタブ２８８は上端部２９４および底端部２９５を有する。
【００２４】
関節窩アセンブリー２１０の組み立て方法は関節窩アセンブリー１０，１１０に関して前に説明した方法と同様である。すなわち、インサート２１４は、タブ２８８がベース１１２の溝２７４内に収容されるように上下軸２２１に沿って方向２２３に摺動する。この時点でリップ２７０がインサート２１４の溝２９０内に収容される。移動止め２９２とベース２１２の凹部２８０によりスナップ嵌め感触になった時にインサート２１４がベース２１２内に収容されたことが外科医に分かる。
【００２５】
関節窩アセンブリー１０，１１０，２１０を肩甲骨１８に連結するため、外科医は以下の手順を踏む。よく知られた外科手順で肩甲骨１８をサイズ測定し、リーマー仕上げする。それぞれベース１２，１１２，２１２へのくぎに対応するように少なくとも１つの穴６０を関節窩表面１６にドリルで開ける。下方に開いた溝７４，２７４を有するベース１２，１１２，２１２を肩甲骨１８に埋め込む。それからインサート１４，１４，２１４をそれぞれのベース１２，１１２，２１２に下方から上方に摺動させる。従って、本発明のロック機構は溝内舌(tongue-in-groove)またはスロット内タブデザイン(tab-in-slot)を利用するものである。金属ベース１２，１１２，２１２を関節窩１８に確実に固定したら、インサート１４，１４，２１４が下方から上方に摺動するように金属ベース１２，１１２，２１２を配向する。
【００２６】
本発明はある好ましい実施形態に関して詳細に説明したが、様々な変形と変更が本発明の範囲と趣旨内で可能である。
【００２７】
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
（Ａ）第一コネクター部分を備えており、関節窩表面と連結するように適合されたベースと、
第二コネクター部分を備えており、上腕骨の頭部に係合するように適合された支持面を備える支持インサートとを具備し、
前記第一コネクター部分および第二コネクター部分は、前記インサートを移動して前記ベースと係合させた時に、前記インサートを前記ベースに固定するように整合して係合可能であるモジュール型関節窩アセンブリー。
（１）前記第一コネクター部分は前記ベースの一部分の周囲に延在する溝を備え、前記第二コネクター部分は前記溝と係合してその中に収容されるように前記インサートの一部分の周囲に延在するタブを備える実施態様（Ａ）請求項１に記載のアセンブリー。
（２）前記第一コネクター部分は前記ベースの一部分の周囲に延在する溝を備え、前記第二コネクター部分は、前記ベースに対して前記インサートを上方に移動して配置した時に、前記溝と係合してその中に収容されるように前記インサートの一部分の周囲に延在するタブを備える実施態様（Ａ）に記載のアセンブリー。
（３）前記溝は下方内側に開口する部分を備え、前記タブは前記下方内側に延在する開口部分にそれぞれ収容されるように上方外側に延在する部分を備える実施態様（２）に記載のアセンブリー。
（４）前記ベースは凹上面を備え、前記インサートは前記ベースの凹面に整合して係合する凸下面を備える実施態様（３）に記載のアセンブリー。
（５）前記ベースは前記凹面に凹部を備え、前記インサートには前記凹部にスナップ嵌めするように前記凸面に移動止めを備える実施態様（４）に記載のアセンブリー。
【００２８】
（Ｂ）肩甲骨の関節窩表面に取付けて支持面を与えるためのモジュール型関節窩アセンブリーであって、
リップを有しており、前記関節窩表面に連結するように適合されたベースと、
上腕骨部品の頭部に係合するように適合された支持面と、前記ベースに対し上方に移動して配置した時に前記リップに係合するように形成されたタブとを有する支持インサートとを具備するモジュール型関節窩アセンブリー。
（６）前記リップは前記ベースの一部分の周囲に延在する溝を画定し、前記タブは前記溝に収容される実施態様（Ｂ）に記載のアセンブリー。
（７）前記溝は概ねＵ字形である実施態様（６）に記載のアセンブリー。
（８）前記ベースは概ね凹上面を備え、前記インサートは前記ベースの前記上面に整合して係合する概ね凸下面を備える実施態様（Ｂ）に記載のアセンブリー。
（９）前記ベースは概ね平らな上面を備え、前記インサートは前記ベースの前記上面に整合して係合するように概ね平らな下面を備える実施態様（Ｂ）に記載のアセンブリー。
（１０）前記リップは溝を画定し、前記インサートを前記ベースに対して上方に移動して配置した時に前記ベースが前記溝に収容される実施態様（Ｂ）に記載のアセンブリー。
【００２９】
（Ｃ）下面、上面、前記下面から延出する少なくとも１本のくぎ、および前記上面の一部分の周囲に延在して溝を画定するリップを備える金属ベースと、
支持面、前記ベースの前記上面に面する反対側の下面、および前記下面の一部分の周囲に延在しており当該インサートを前記ベースに取付けるため前記溝内に下方から上方に収容されるタブを備えたプラスチック支持インサートを具備するモジュール型関節窩アセンブリー。
（１１）前記ベースの上面は概ね平らであり、前記インサートの下面は前記ベースの上面に整合して係合するように概ね平らである実施態様（Ｃ）に記載のアセンブリー。
（１２）前記ベースの上面は概ね凹状であり、前記インサートの下面は前記ベースの上面に整合して係合するように概ね凸状である実施態様（Ｃ）に記載のアセンブリー。
（１３）前記溝は概ねＵ字形である実施態様（Ｃ）に記載のアセンブリー。
（１４）前記溝は下方内側に開口する部分を備え、前記タブは前記下方内側に延在する開口部分にそれぞれ収容されるように上方外側に延在する部分を備える実施態様（Ｃ）に記載のアセンブリー。
（１５）前記ベースは凹上面を備え、前記インサートは凸下面を備える実施態様（１４）に記載のアセンブリー。
【００３０】
（１６）前記ベースの上面は凹部を備えるように形成され、前記インサートの下面は前記凹部にスナップ嵌めする移動止めを備えるように形成される実施態様（１５）に記載のアセンブリー。
（１７）前記ベースの上面は凹部を備えるように形成され、前記インサートの下面は前記凹部にスナップ嵌めする移動止めを備えるように形成される実施態様（１４）に記載のアセンブリー。
【００３１】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のモジュール型関節窩アセンブリーによれば、ベースと支持インサートとが整合して係合可能であるので、肩甲骨の関節窩表面と上腕骨部品との間を強固にかつ容易に連結することができる。さらに、ベースと支持インサートに設けられたスナップ嵌め機構により、外科医はインサートがベース内に収容されたことを容易に感知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】肩甲骨の関節窩表面と上腕骨部品との間に配置された本発明に従うモジュール型関節窩アセンブリーの分解斜視図であり、上面および下面、その下面から延出するくぎ、その上面に形成された凹部、および当該上面の一部の周囲に延在するリップを有するベースと、支持面、および前記リップに係合可能で整合するタブを有する下面を備えるように形成された支持インサートとを具備する関節窩アセンブリーを示す図である。
【図２】図１の線２−２に沿った組み立て断面図であり、関節窩表面に形成された穴に収容されたベースのくぎと、支持面を上腕骨部品と係合して配置しながらベースに取付けられた支持インサートとを示す図である。
【図３】図２の線３−３に沿った断面図であり、溝を有するベースのリップと、その溝内に収容されたインサートのタブとを示す図である。
【図４】図３の支持インサートの底面図であり、下方端部、上方端部、および中央部を有するインサートの下面と、その中央部から延出する移動止めと、インサートの上方端部および中央部の周囲に延在するタブとを示す図である。
【図５】インサートと使用するのに適切なベースの他の実施形態を示す図１と同様な図であり、上面および下面と、ベースを肩甲骨に連結させるねじを受けるために上面と下面との間に延在する２つの穴と、ベースの下面から延出するくぎと、当該上面の一部の周囲に延在するリップと、インサートの移動止めを収容するように上面に形成された凹部とを有するベースを示す図である。
【図６】図５のベースとインサートについての図２と同様の図であり、肩甲骨に収容されたくぎとねじ、および支持インサートをベースに連結するためにタブを収容する溝を有するベースのリップを示す図である。
【図７】本発明に従う他の実施形態の関節窩アセンブリーの断面図であり、概ね平らな上面と、下面と、この下面から延出する取付けくぎと、当該上面の一部の周囲に延在する外リップとを有するベースと、ベースの上面と嵌合するように構成された概ね平らな下面を有する支持インサートとを示す図である。
【図８】図７のベースの断面図であり、ベースを通して上面と下面との間に延在するねじ穴とこれら離間したねじ穴間にあるように配置されたくぎとを示す図である。
【図９】図７の支持インサートの底面図であり、下方端部、上方端部、および中央部を有するインサートの下面と、このインサートの上方端部および中央部の周囲に延在するタブを示す図である。
【図１０】図９の線１０−１０に沿った断面図であり、概ね平らな下面を有する支持インサートを示す図である。

Claims (2)

1. 肩甲骨の関節窩表面に取付けて支持面を与えるためのモジュール型関節窩アセンブリーにおいて、
   ベースであって、
   （ｉ）前記関節窩表面と係合するよう構成された下面と、
   （ｉｉ）上面と、
   （ｉｉｉ）上方端部と、
   （ｉｖ）下方端部と、
   （ｖ）中央部と、
   (ｖｉ)周縁端面と、
   (ｖｉｉ）溝を画定し、前記上方端部において前記周縁端面の一部分の周囲に延在するリップと
   を有するベースと、
   支持インサートであって、
   （ｉ）上腕骨部品の頭部に摺動可能に係合するよう構成された支持面と、
   （ｉｉ）前記ベースの前記上面に面する反対側の下面と、
   （ｉｉｉ）前記ベースに対し前記支持インサートを移動して配置した時に、前記リップの前記溝に係合するように形成されたタブと
   を含む支持インサートと
   を備え、
   前記リップおよび前記溝は双方とも概ねＵ字形であり、
   前記ベースの前記上面は凹部を備えるように形成され、前記支持インサートの前記下面は前記凹部にスナップ嵌めする移動止めを備えるように形成される、モジュール型関節窩アセンブリー。
2. モジュール型関節窩アセンブリーにおいて、
   下面、上面、下方端部、上方端部、中央部、周縁端面、前記下面から延出する少なくとも１本のくぎ、および前記上方端部において前記周縁端面の一部分の周囲に延在して溝を画定するリップ、を含む金属ベースと、
   プラスチック支持インサートであって、上腕骨部品の頭部に摺動可能に係合するよう構成された支持面と、前記ベースの前記上面に面する反対側の下面と、前記下面の一部分の周囲に延在し前記溝内に第一の方向から第二の方向に向けて収容されて前記プラスチック支持インサートを前記ベースに取付けるタブとを含む、プラスチック支持インサートと
   を備え、
   前記リップおよび前記溝は双方とも概ねＵ字形であり、
   前記ベースの前記上面は凹部を備えるように形成され、前記支持インサートの前記下面は前記凹部にスナップ嵌めする移動止めを備えるように形成される、モジュール型関節窩アセンブリー。

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