JP4282535B2 - 粉体の付着力測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体間の付着力測定方法及び装置に関し、電子写真分野等の粉体を取り扱う分野に適用して好適な技術に関するものである。
粉体を取り扱う分野では、粉体の様々な特性値を把握することが重要である。粉体の特性値の一つとして、粉体と粉体が付着している物体間の付着力がある。粉体の付着力を測定する方法は、粉体の付着している物体から粉体を分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的である。粉体を分離させる方法としては、遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法が知られている。
例えば、非特許文献1では、トナー粒子をAFMのカンチレバー先端に付着させ、感光体表面との付着力を測定している。特許文献1では、遠心力を作用させて基板から粉体を分離する方法、特許文献2では、基板を振動させて粉体を基板から分離する方法、特許文献3では、基板と粉体捕集部材間に電界をかけて粉体を基板から分離する方法、特許文献4では、粉体に超音波を作用させて粉体を基板から分離する方法により、基板と粉体間の付着力を測定する方法が開示されている。また、特許文献5では、磁性粒子に付着した微粒子を機械的及び電界により磁性粒子から分離することにより、磁性粒子と微粒子間の付着力を測定する方法が開示されている。
電子写真方式の画像形成プロセスにおいては、画像を形成する帯電粉体であるトナーが感光体等の画像形成部材間で付着・分離が繰り返されており、トナーと画像形成部材間の付着力は重要な特性値である。また、画像形成部材上に形成されたトナー像は、トナー粒子が2層以上重なっている場合が多く、トナー粒子間の付着力がプロセスの特性に重要な影響を及ぼしている。特に、転写プロセスにおいては、転写チリや中抜け画像等の画像品質を劣化させる現象の発生要因がトナー間付着力と密接な関係にあり、トナー間付着力の制御が重要な課題となっている。
前記に示した方法は、いずれも粉体と粉体が付着している物体間の付着力を測定する方法であり、粉体間の付着力を測定するのは困難である。粉体間の付着力を測定する方法として一般的に良く知られている方法としては、粉体を分割可能な容器に充填し、この容器を分割する際の引張強度を測定する二分割セル法(非特許文献2)がある。上記のように帯電した粉体間の付着力を測定する場合は、一度何らかの手段で帯電させた粉体を容器に充填させる必要がある。このため、電子写真プロセスにおいて画像形成部材上に形成されたトナー層のように、粉体層を物体に付着させた状態での粉体間付着力を測定することはできない。
特許文献6では、粉体層を形成した基板に遠心力を作用させる方法で粉体間付着力を測定している。この方法では、粉体層を物体に付着させた状態での測定が可能で定量性も良いが、測定手順が多く、測定時間がかかるという問題点があった。
また、特許文献7では、針先端に付着させた粉体粒子を、基板に付着させた粉体に接触させ、引き剥がす際の力を測定して粉体間の付着力を測定する方法が開示されている。この方法では、粉体粒子間の付着力を正確に測定することができるが、通常の粉体は粒径や形状、帯電電荷等に分布があり、粉体全体の付着力の平均値を得るには、多数の粉体粒子について測定を実施する必要があり、手間と時間がかかるという問題点がある。
特開平10−26772号公報 特開平11−153538号公報 特開2001−228075号公報 特開2002−71483号公報 特開2003−98065号公報 特開平11−258081号公報 特開2001−183289号公報 M.L. Ott and H. Mizes, Colloids and Surfaces. A, 87, 244 (1994) 早川宗八郎編:粉体物性測定法、朝倉書店(1955)、94
従って、本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、帯電した粉体間の付着力を定量的で容易に測定できる測定方法及び測定装置を提供することである。
上記課題は本発明の(1)「電極を有する基板(基板1)上に帯電した粉体粒子を二層以上付着し、電極を形成した基板(基板2)を該粉体層に接触しないように対置し、基板1上の一部の粒子が基板2に付着するように両基板間に電位差を設け、基板1上の粉体重量mと基板2上の粉体重量mを測定し、(1)式より計算される粉体重量比ηを求め、粉体層の層厚をdとして、ηに対応する粉体層分割位置zを(2)式より求め、zにおける電界E(z)と粉体1粒子当たりの電荷qの積qE(z)から粉体間付着力を測定することを特徴とする粉体付着力測定方法;
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」、(2)「電極を形成した基板が平板状で、基板1と基板2が平行に対置していることを特徴とする前記(1)項に記載の粉体付着力測定方法」、
(3)「基板1及び基板2の電極上部に絶縁層が設けられていることを特徴とする前記(1)項又は第(2)項に記載の粉体付着力測定方法」、
(4)「基板1の絶縁層を層(1)、粉体層を層(2)、空気層を層(3)、基板2の絶縁層を層(4)とし、各層の比誘電率、層厚をそれぞれε、d(i=1〜4)、D=d/ε(i=1〜4)、各Dの和をD、εを真空の誘電率とし、粉体層の電荷密度ρと誘電率ε及び粉体1粒子当たりの電荷量qを、粉体単位重量当たりの帯電量Q/M、粉体の嵩密度M/V、粉体粒子の誘電率ε、粉体粒子の真比重δ、粉体粒子の平均半径rを用いてそれぞれ(3)、(4)、(5)式により求め、基板1の電極に電圧V、基板2の電極に電圧Vを印加した場合のqE(z)を(6)式により求めることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の粉体付着力測定方法;
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」、
(5)「粉体間付着力の測定値として、粉体重量比ηが0.5以下に対応する測定値を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の粉体付着力測定方法」、
(6)「電極間の電位差及び基板間距離を電極間で放電が発生しない範囲内に設定したことを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の粉体付着力測定方法」、
(7)「基板1または基板2、または基板1と基板2の両方に複数の電極を形成し、各電極上の粉体層における粉体間付着力を測定することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の粉体付着力測定方法」、
(8)「基板1または基板2の複数の電極に異なる電圧を印加することを特徴とする前記第(7)項に記載の粉体付着力測定方法」、
(9)「測定に使用する粉体としてトナーを用い、基板1上にトナー層を形成する方法として、電子写真方式における現像方式を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の粉体付着力測定方法」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(10)「電極を有する基板(基板1)上に帯電した粉体粒子を二層以上付着させる粉体付着手段、電極を有する基板(基板2)を該粉体層に接触しないように基板1に対置させ、両基板間に電位差を設けて基板1上の一部の粒子を基板2に付着させる粉体移動手段、基板1上の粉体重量mと基板2上の粉体重量mを測定する重量測定手段、(1)式より計算される粉体重量比ηを求め、粉体層の層厚をdとして、ηに対応する粉体層分割位置zを(2)式より求め、zにおける電界E(z)と粉体1粒子当たりの電荷qの積qE(z)から粉体間付着力を計算する付着力計算手段を有することを特徴とする粉体付着力測定装置;
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」、
(11)「電極を形成した基板が平板状で、基板1と基板2が平行に対置していることを特徴とする前記第(10)項に記載の粉体付着力測定装置」、
(12)「基板1及び基板2の電極上部に絶縁層が設けられていることを特徴とする前記第(10)項又は第(11)項に記載の粉体付着力測定装置」、
(13)「基板1の絶縁層を層(1)、粉体層を層(2)、空気層を層(3)、基板2の絶縁層を層(4)とし、各層の比誘電率、層厚をそれぞれε、d(i=1〜4)、D=d/ε(i=1〜4)、各Dの和をD、εを真空の誘電率とし、粉体層の電荷密度ρと誘電率ε及び粉体1粒子当たりの電荷量qを、粉体単位重量当たりの帯電量Q/M、粉体の嵩密度M/V、粉体粒子の誘電率ε、粉体粒子の真比重δ、粉体粒子の平均半径rを用いてそれぞれ(3)、(4)、(5)式により求め、基板1の電極に電圧V、基板2の電極に電圧Vを印加した場合のqE(z)を(6)式により求める付着力計算手段を有することを特徴とする前記第(10)項乃至第(12)項のいずれかに記載の粉体付着力測定装置;
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」、
(14)「基板1または基板2、または基板1と基板2の両方に複数の電極を形成し、各電極上の粉体層における粉体間付着力を測定する手段を有することを特徴とする前記第(10)項乃至第(13)項のいずれかに記載の粉体付着力測定装置」、
(15)「基板1または基板2の複数の電極に異なる電圧を印加する手段を有することを特徴とする前記第(14)項に記載の粉体付着力測定装置」、
(16)「測定に使用する粉体としてトナーを用い、基板1上にトナー層を形成する手段として、電子写真方式における現像手段を用いることを特徴とする前記第(10)項乃至第(15)項のいずれかに記載の粉体付着力測定装置」により達成される。
そして、上記(1)、(10)に記載の発明によれば、帯電した粉体が基板上に付着した状態での測定が実施でき、容易に粉体間付着力を測定できる測定方法を提供することができる。
また、上記(2)、(11)に記載の発明によれば、電界が基板に平行な面内で均一となるため、粉体の移動量も面内で均一となり、精度の高い測定が可能となる。
また、上記(3)、(12)に記載の発明によれば、両電極間での放電や接触によるリーク電流の発生が抑制され、安定した測定が可能となる。
また、上記(4)、(13)に記載の発明によれば、測定された粉体重量比から得られる粉体層分割位置と、粉体に関するパラメータ等を計算式に代入することにより、定量性の高い粉体間付着力の値が得られる。
また、上記(5)に記載の発明によれば、粉体が基板から分離しない範囲での測定値を用いるため、粉体と基板間の付着力の影響がなく、粉体間の付着力のみを測定できる。
また、上記(6)に記載の発明によれば、放電による測定への影響を回避できるため、正確な測定ができる。
また、上記(7)、(8)、(14)、(15)に記載の発明によれば、精度良く、かつ効率的に粉体間付着力を測定できる。
また、上記(9)、(16)に記載の発明によれば、現像で形成されたトナー層におけるトナー間付着力を測定することができ、電子写真プロセスやトナーの開発に寄与することができる。
請求項1及び請求項10に記載の発明によれば、帯電した粉体が基板上に付着した状態での測定が実施でき、容易に粉体間付着力を測定できる。
請求項2及び請求項11に記載の発明によれば、電界が基板に平行な面内で均一となるため、粉体の移動量も面内で均一となり、精度の高い測定が可能となる。
請求項3及び請求項12に記載の発明によれば、両電極間での放電や接触によるリーク電流の発生が抑制され、安定した測定が可能となる。
請求項4及び請求項13に記載の発明によれば、測定された粉体重量比から得られる粉体層分割位置と、粉体に関するパラメータ等を計算式に代入することにより、定量性の高い粉体間付着力の値が得られる。
請求項5に記載の発明によれば、粉体が基板から分離しない範囲での測定値を用いるため、粉体と基板間の付着力の影響がなく、粉体間の付着力のみを測定できる。
請求項6に記載の発明によれば、放電による測定への影響を回避できるため、正確な測定ができる。
請求項7及び請求項8及び請求項14及び請求項15記載の発明によれば、精度良く、かつ効率的に粉体間付着力を測定できる。
請求項9及び請求項16記載の発明によれば、現像で形成されたトナー層におけるトナー間付着力を測定することができ、電子写真プロセスやトナーの開発に寄与することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の詳細を述べる。
図1は、本発明における粉体移動手段の一例を示している。平板状の金属板(5)上に絶縁膜(1)を形成した基板(基板1)上に、帯電した粉体粒子が2層以上積層した粉体層(2)が付着した状態で、平板状の金属板(6)上に絶縁膜(4)を形成した基板(基板2)と基板1が平行になるように、基板保持部材(10)内に設置されている。両基板間には、粉体層(2)が基板2と接触しないような間隔を保つ絶縁性のスペーサ(7)が設置されている。金属板(5)は定電圧電源(8)と接続され、金属板(6)は定電圧電源(9)と接続されており、粉体(2)が基板1から基板2へ移動するような電位差が基板間に印加される。電源(8)の電圧V、電源(9)の電圧Vとすると、帯電した粉体(2)の帯電極性が正の場合はV>V、逆に帯電極性が負の場合はV<Vとなるように電圧を設定する。図1では、電源を2個用いているが、金属板の一方を接地して、電源1個で電圧を印加しても良い。また、基板として金属板を用いているが、絶縁体に電極面を設けても良い。
図2は、電圧を印加する前の粉体層(2)の拡大図で、電圧を印加すると、粉体層(2)は基板2へ移動する粒子(2b)と移動しない粒子(2a)に分離する。基板2へ移動する粒子(2b)の重量をm、移動しない粒子(2a)の重量をmとすると、粉体層から移動した粒子の割合を示す、(1)式で表されるような粉体重量比ηを定義でき、粉体層をηで表される重量比で分割するような分割平面を仮定することができる。絶縁層(1)の表面から分割平面までの距離をzとすると、zはηを用いて(2)式のように表される。dは粉体層の層厚を示している。
Figure 0004282535
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粉体層分割面においては、粉体粒子を移動させる力として作用する電界によるクーロン力と、粉体粒子を粉体層に保持する力として作用する粉体間付着力が釣り合っているので、粉体間付着力は分割面において粉体1粒子に作用するクーロン力qE(z)から求めることができる。qは粉体1粒子当たりの電荷量で、E(z)は分割面における電界を示している。
qは単位重量当たりの粉体帯電量(Q/M)から、(5)式により見積ることができる。rは粉体の平均半径を示し、δは粉体の真比重を示す。
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図1のような平行平板間の電界は、基板に平行な面内で一定なので、1次元のポワソン方程式を解くことによって計算される。絶縁層(1)、粉体層(2)、空気層(3)、絶縁層(4)の層厚及び比誘電率を、それぞれd、ε、d、ε、d、ε、d、εとし、D=d/ε(i=1〜4)、各Dの和をD、粉体層の体積電荷密度をρ、真空の誘電率をεとすると、qE(z)は(6)式のように表せる。
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粉体層内は粉体粒子と空気が混合したものなので、粉体層の体積電荷密度ρ及び比誘電率εは、粉体の嵩密度をM/V、粉体粒子の誘電率をεpとすると、それぞれ(3)、(4)式のように表される。
Figure 0004282535
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以上より、粉体重量比ηから(2)式により計算される粉体分割位置zと、印加電圧や粉体や絶縁膜に関するパラメータを(6)式に代入することによって、粉体間付着力を求めることができる。
粉体層(2)は粉体粒子を2層以上積層しているが、粉体粒子が1層の場合は、粉体粒子が基板1から分離するため、粉体粒子と基板1間の付着力を測定することになり、粉体間の付着力を測定できない。また、粉体粒子を2層以上積層している粉体層においても、粉体間付着力のみを測定するには、基板1から粉体粒子が分離しない範囲で測定する必要がある。粉体重量比ηが1に近いほど、基板1から分離する粉体粒子が多いので、ηが一定の値以下で測定する必要がある。粉体粒子を2層積層した粉体層の場合はηが1/2以下、3層積層した粉体層の場合はηが2/3以下となり、層数が多いほどηの上限が大きくなるが、ηが0.5以下であれば問題ない。ηを0.5以下にするには、基板1と基板2の電極間電位差及び基板間距離を適切に設定する必要がある。また、電極間で放電が発生すると、粉体粒子や絶縁層に電荷が付加されて、粉体粒子の電荷量や粉体中の電界の特定が困難になるため、電極間電位差及び基板間距離は、電極間で放電が発生しない範囲に設定する必要がある。
本発明における粉体付着手段の一例を図3に示す。図3の例は、電子写真方式の二成分現像方式による現像装置を示している。現像装置(21)内では、粉体の5〜10倍程度の粒径を有する磁性粒子と粉体が保持され、スクリュー等により構成される撹拌装置(22)によって混合・撹拌される。混合・撹拌された粉体は摩擦帯電し、磁性粒子に付着した状態で現像スリーブ(23)に供給される。現像スリーブ(23)内部には磁石が備えられており、また表面が回転できるように構成されており、表面に磁性粒子がチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。現像スリーブ(23)上に形成された磁気ブラシは、規制板(24)によってその高さが規制され、基板1に近接する領域に搬送される。現像スリーブ(23)と基板1は、一定の間隔を挟んで近接するように配置されて現像領域を形成し、基板1と現像スリーブ(23)に接続された電源(8)と電源(25)から電圧が印加されると、粉体粒子が磁性粒子から分離して基板1に移動するような電界が発生する。基板1は移動機構により一定の速度で平行移動するため、現像領域を通過した基板1の表面には粉体層が形成される。基板1上の粉体付着量は、粉体や磁性粒子の量、粉体の帯電量、基板1と現像スリーブ(23)間の電位差、間隔、速度等により制御することができる。
図3では、粉体付着手段として二成分現像方式による現像装置を用いたが、磁性粉体を用いずに、粉体を現像スリーブから直接付着させる一成分現像方式による現像装置を用いても良い。また、粉体付着手段としては、電子写真方式に限らず、粉体粒子を2層以上均一に付着できれば良い。粉体粒子としてトナーを用いると、電子写真プロセスの現像トナー層におけるトナー間付着力を測定することができ、電子写真プロセスやトナーの開発に寄与することができる。
図1と図3の例では、粉体移動手段と粉体付着手段が独立した形態になっているが、図4に示すように、粉体移動手段と粉体付着手段を一つの装置内に配置して、粉体層を形成する基板が粉体付着手段から粉体移動手段へ自動的に移動できるようにしても良い。この場合は、基板の間隔を制御する手段として、ステージ(11)を用いている。
次に、図5を用いて、本発明における粉体重量測定手段の一例を説明する。図5は、粉体重量と共に粉体帯電量も測定できる装置の一部を示している。図5の部材(31)は、粉体を吸引する吸引ノズル(33)と、粉体を導入する粉体導入部(34)と、導入された粉体の電荷量を測定するための電極(35)から構成される。部材(32)は、吸引された粉体を保持するフィルター(36)と、フィルター(36)を保持するために設置した金網(37)と、吸引ポンプに接続される吸引口(38)から構成される。図において、斜線部は金属、網点部はプラスチックでできており、2重の金属容器になっており、内側の容器は電極(35)を通して電荷測定装置に接続され、外側の容器は接地される。図4のように、部材(31)と部材(32)を結合することにより、吸引された粉体がフィルター(36)に付着して内側の容器内に保持されるため、粉体の電荷量を測定することができる。このため、フィルター(36)は、測定毎に交換する必要がある。基板に付着した粉体の重量は、粉体吸引後の部材(31)と部材(32)の重量を天秤で計測し、粉体吸引前の重量を差し引くことにより測定できる。また、粉体吸引時に測定した粉体帯電量Qと粉体重量Mから、単位重量当たりの粉体帯電量Q/Mを求めることができる。
図5の例では、基板上の粉体を吸引して粉体重量を測定したが、粉体重量を測定は、基板上の粉体を粘着性テープ等へ付着させて測定しても良く、また粉体を基板から除去して基板の重量変化から測定しても良い。
次に、上記の測定装置を用いて粉体間付着力を測定する方法について説明する。
まず、粉体と磁性粒子を混合して、現像装置(21)内へ導入し、撹拌装置(22)で十分撹拌する。電源(8)と電源(25)から電圧を印加して、基板1と現像スリーブ間に電位差を設け、現像スリーブの回転と基板1の平行移動を行い、基板1上に粉体層を形成する。粉体層が形成された基板1を、スペーサを挟んで基板2と対置させ、電源(8)と電源(9)から電圧を印加して、基板1と基板2間に電位差を設け、粉体層の一部を基板2へ移動する。基板1と基板2上の粉体重量及び粉体帯電量を測定する。基板1と基板2上の粉体重量を(1)式に代入して、重量比ηを求める。重量比ηを(2)式に代入することにより粉体層分割位置zを求め、(6)式に各パラメータを代入することによって粉体間付着力を求める。
(6)式に代入する各パラメータの測定方法について説明する。粉体の平均半径rは、コールターカウンター等を用いた電気的検知法、光学顕微鏡像または電子顕微鏡像を画像解析する画像解析法、レーザー回折散乱法等によって測定できる。粉体1粒子当たりの電荷量qは、基板1に形成された粉体層のQ/M、平均半径r、粉体の真比重δを、(5)式に代入することにより見積ることができる。粉体の真比重δは、液浸法(ピクノメータ法)や圧力比較法(ベックマン法)により測定できる。粉体層の体積電荷密度ρは、Q/Mと嵩密度M/Vを(3)式に代入することにより見積ることができる。基板1上に形成された粉体層の嵩密度を直接測定することはできないのが、粉体の嵩密度はJIS規格で定められた方法により測定できる。粉体層の比誘電率εは、M/V、δ、及び粉体粒子の比誘電率εより、(4)式により見積ることができる。粉体粒子の比誘電率εは、液浸法により測定できる。粉体層の層厚dは、高倍率で物体表面の3次元形状測定が可能な装置、例えばキーエンス社の超深度形状測定顕微鏡等により測定できる。絶縁層(1)や絶縁層(4)の比誘電率は、LCRメータを用いた容量法等により測定できる。絶縁層(1)や絶縁層(4)の層厚は、機械的あるいは光学的な厚み測定装置を用いて測定できる。空気層の層厚としては、スペーサの厚みから粉体層の層厚を差し引いた値を用いることができる。
前記のような装置を用いて粉体間付着力を測定する場合、測定精度を向上するには、基板1と基板2の電極間の電位差や基板間距離等の測定条件を変えて測定を実施し、測定値の平均値を求めることが有効だが、そのためには粉体の付着と移動を何度も繰り返す必要がある。測定効率を向上させるために、一度に複数の測定条件で粉体間付着力を測定する方法について検討した。
基板1または基板2、または基板1及び基板2上に複数の電極を形成し、各電極の測定条件を変えて粉体間付着力を測定する方法について、図6のような構成例を用いて説明する。図6の例では、平板状の絶縁体(40)上に、図7のように4つの電極を形成し、その上に絶縁層(4)を形成したものを基板2として用いている。各電極には、それぞれ電源が接続され、異なる電圧を印加できるように構成されている。粉体付着手段を用いて基板1上に粉体層を形成し、基板2の各電極に異なる電圧を印加すると、基板1から基板2の各電極上に電圧に対応する量の粉体粒子が移動する。基板2の各電極上の粉体重量と対応する基板1上の粉体重量を測定して、重量比η、粉体層分割位置zを求め、(6)式に各パラメータを代入することによって、各電極上の粉体層の粉体間付着力を求めることができる。このように、粉体の付着と移動を何度も繰り返さなくても、基板1と基板2間の電位差が異なる場合の粉体間付着力を求めることができ、測定効率が向上した。
図6の例では、各電極に電源を1つずつ接続したが、電源を1つにして電圧を印加する電極を切り替えるように構成しても良い。また、基板2上に複数の電極を形成したが、電極1上に形成して良く、さらに基板1と基板2の両方に形成しても良い。
また、上記の説明では基板間距離を一定にして電極に印加する電圧を変えたが、電圧は一定で基板間距離を変えても良い。この場合は、基板間距離を所定の値に設定し、一つの電極に電圧を印加して粉体粒子を移動後に電圧を無印加に戻し、同様にして基板間距離と電極を変えて電極上の粉体粒子を移動させる。さらに、電圧と基板間距離の両方を変えても良い。
本発明における粉体移動手段の一例を示す概略構成図である。 本発明の粉体付着力測定方法を説明するための図である。 本発明における粉体付着手段の一例を示す概略構成図である。 本発明における粉体移動手段及び粉体付着手段の一例を示す概略構成図である。 本発明における粉体重量測定手段の一例を示す概略構成図である。 本発明における粉体移動手段及び粉体付着手段の一例を示す概略構成図である。 本発明の測定に使用する基板上に形成した電極の一例を示す図である。
符号の説明
1 絶縁層
2 粉体層
2a 粒子
2b 粒子
粉体層の厚さ
絶縁層の表面から分割表面までの距離
3 空気層
4 絶縁層
5 金属平板
6 金属平板
7 スペーサ
8 電源
9 電源
10 基板保持部材
11 ステージ
21 現像装置
22 撹拌装置
23 現像スリーブ
24 規制板
25 電源
31 粉体吸引装置部材
32 粉体吸引装置部材
33 吸引ノズル
34 粉体導入部
35 電極
36 フィルター
37 金網
38 吸引口
40 平板状の絶縁体
41 電極
42 電極
43 電極
44 電極
51 電源
52 電源
53 電源
54 電源

Claims (16)

  1. 電極を有する基板(基板1)上に帯電した粉体粒子を二層以上付着し、電極を形成した基板(基板2)を該粉体層に接触しないように対置し、基板1上の一部の粒子が基板2に付着するように両基板間に電位差を設け、基板1上の粉体重量mと基板2上の粉体重量mを測定し、(1)式より計算される粉体重量比ηを求め、粉体層の層厚をdとして、ηに対応する粉体層分割位置zを(2)式より求め、zにおける電界E(z)と粉体1粒子当たりの電荷qの積qE(z)から粉体間付着力を測定することを特徴とする粉体付着力測定方法。
    Figure 0004282535

    Figure 0004282535
  2. 電極を形成した基板が平板状で、基板1と基板2が平行に対置していることを特徴とする請求項1に記載の粉体付着力測定方法。
  3. 基板1及び基板2の電極上部に絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体付着力測定方法。
  4. 基板1の絶縁層を層(1)、粉体層を層(2)、空気層を層(3)、基板2の絶縁層を層(4)とし、各層の比誘電率、層厚をそれぞれε、d(i=1〜4)、D=d/ε(i=1〜4)、各Dの和をD、εを真空の誘電率とし、粉体層の電荷密度ρと誘電率ε及び粉体1粒子当たりの電荷量qを、粉体単位重量当たりの帯電量Q/M、粉体の嵩密度M/V、粉体粒子の誘電率ε、粉体粒子の真比重δ、粉体粒子の平均半径rを用いてそれぞれ(3)、(4)、(5)式により求め、基板1の電極に電圧V、基板2の電極に電圧Vを印加した場合のqE(z)を(6)式により求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体付着力測定方法。
    Figure 0004282535

    Figure 0004282535

    Figure 0004282535
    Figure 0004282535
  5. 粉体間付着力の測定値として、粉体重量比ηが0.5以下に対応する測定値を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体付着力測定方法。
  6. 電極間の電位差及び基板間距離を電極間で放電が発生しない範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体付着力測定方法。
  7. 基板1または基板2、または基板1と基板2の両方に複数の電極を形成し、各電極上の粉体層における粉体間付着力を測定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の粉体付着力測定方法。
  8. 基板1または基板2の複数の電極に異なる電圧を印加することを特徴とする請求項7に記載の粉体付着力測定方法。
  9. 測定に使用する粉体としてトナーを用い、基板1上にトナー層を形成する方法として、電子写真方式における現像方式を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の粉体付着力測定方法。
  10. 電極を有する基板(基板1)上に帯電した粉体粒子を二層以上付着させる粉体付着手段、電極を有する基板(基板2)を該粉体層に接触しないように基板1に対置させ、両基板間に電位差を設けて基板1上の一部の粒子を基板2に付着させる粉体移動手段、基板1上の粉体重量mと基板2上の粉体重量mを測定する重量測定手段、(1)式より計算される粉体重量比ηを求め、粉体層の層厚をdとして、ηに対応する粉体層分割位置zを(2)式より求め、zにおける電界E(z)と粉体1粒子当たりの電荷qの積qE(z)から粉体間付着力を計算する付着力計算手段を有することを特徴とする粉体付着力測定装置。
    Figure 0004282535
    Figure 0004282535
  11. 電極を形成した基板が平板状で、基板1と基板2が平行に対置していることを特徴とする請求項10に記載の粉体付着力測定装置。
  12. 基板1及び基板2の電極上部に絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の粉体付着力測定装置。
  13. 基板1の絶縁層を層(1)、粉体層を層(2)、空気層を層(3)、基板2の絶縁層を層(4)とし、各層の比誘電率、層厚をそれぞれε、d(i=1〜4)、D=d/ε(i=1〜4)、各Dの和をD、εを真空の誘電率とし、粉体層の電荷密度ρと誘電率ε及び粉体1粒子当たりの電荷量qを、粉体単位重量当たりの帯電量Q/M、粉体の嵩密度M/V、粉体粒子の誘電率ε、粉体粒子の真比重δ、粉体粒子の平均半径rを用いてそれぞれ(3)、(4)、(5)式により求め、基板1の電極に電圧V、基板2の電極に電圧Vを印加した場合のqE(z)を(6)式により求める付着力計算手段を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の粉体付着力測定装置。
    Figure 0004282535

    Figure 0004282535

    Figure 0004282535

    Figure 0004282535
  14. 基板1または基板2、または基板1と基板2の両方に複数の電極を形成し、各電極上の粉体層における粉体間付着力を測定する手段を有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の粉体付着力測定装置。
  15. 基板1または基板2の複数の電極に異なる電圧を印加する手段を有することを特徴とする請求項14に記載の粉体付着力測定装置。
  16. 測定に使用する粉体としてトナーを用い、基板1上にトナー層を形成する手段として、電子写真方式における現像手段を用いることを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の粉体付着力測定装置。


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