JP4282460B2 - データ書き換え装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発性メモリ等のデータを書き換えるデータ書き換え装置に関する。
従来、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いた電子機器において、その不揮発性メモリの消去や書き込みに長時間を要する場合には、停電や電池の容量不足により書き込みの途中で電源供給が遮断されてしまう可能性があった。
このような点に鑑みて、特許文献1では、内蔵電池の電圧が正常動作範囲の電圧にあるかどうかを判定し、該判定結果に基づいて外部電源供給により不揮発性メモリに対するデータ書き換えを行うことで、外部電源供給が遮断されても、内蔵電池からの電源供給を確保して、不揮発性メモリの内容を破壊することなく正常にデータ書き換えを完了して、不揮発性メモリの内容が破壊されてしまう不測の事態を回避するデータ書換え制御方法等に関する技術が開示されている。一方、特許文献2では、バッテリによる駆動が可能であるときでも、記録メディアからプログラムをダウンロードしてフラッシュROMのプログラムを書き換える場合には、電源の安定供給の観点からバッテリの使用を禁止して、外部電源供給を受けるようにした電子機器に関する技術が開示されている。
特開2000−163167号公報 特開2002−176582号公報
上記のように、特許文献1に係る技術では、主に外部電源で不揮発性メモリの書き換えを行い内蔵電池は補助的に用いることを前提としている。そして、特許文献2に係る技術は、バッテリの使用を禁止して外部電源による電源供給に基づいて、不揮発性メモリの書き換えを行うようにしている。しかしながら、一般のユーザは内蔵電池を主に使用しており、外部電源は例外的に使用するものであるので、特許文献1及び2に係る技術のように外部電源を使用しないと書き換えが全くできないのでは不便である。
さらに、再書き換えが困難なファームウェアの書き換え制御用のプログラム(以下、ブートプログラムという)、再書き込みが比較的容易なファームウェアのそれぞれの書き換えを内蔵電池を好適に使用しつつ、確実に行うことが嘱望されている。
本発明の目的とするところは、再書き換えが困難なブートプログラムの書き換えの場合には確実に安定した電源を供給できるようにし、再書き込みが比較的容易なファームウェアの書き換えの場合には上記ブートプログラムの書き換えに必要な電源よりも低い容量での書き換えを許容することにより、ユーザが簡単に不揮発性メモリの書き換えを確実に行うことができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、内蔵電源からの電源供給又は外部電源からの電源供給により不揮発性メモリの書き換え動作を実行するデータ書き換え装置であって、所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性メモリと、上記第1メモリ領域のデータの書き換えの場合は上記内蔵電源に基づく書き換え動作を許容し、上記第2メモリ領域のデータの書き換えのときは上記外部電源に基づく書き換えを許容するとともに上記内蔵電源に基づく書き換え動作を禁止する書き換え制御手段とを備えたことを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
本発明の第2の態様では、内蔵電源からの電源供給、または外部電源からの電源供給により不揮発性半導体メモリの書き換え動作を実行するデータ書き換え装置であって、外部電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性半導体メモリと、上記第1のメモリ領域のデータの書き換えの場合は上記外部電源電圧が第1の所定電圧では書き換えを許可し、上記第2のメモリ領域のデータの書き換えの場合は上記外部電源電圧が上記第1の所定電圧では書き換えを禁止し、上記外部電源電圧が第2の所定電圧では書き換えを許可する書き換え制御手段とを備えたことを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
本発明の第3の態様では、上記第2の態様において、上記第1の所定電圧は、外部電源が接続されていないことを示す電圧であることを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
本発明の第4の態様では、上記第2の態様において、上記第2の所定電圧は、外部電源が接続されたことを示す電圧であることを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
本発明の第5の態様では、第1電圧レベル又は上記第1電圧レベルより高い第2電圧レベルを基準に電源電圧のレベルを判定する電源電圧判定手段と、所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性メモリと、上記第1メモリ領域のデータの書き換えのときは電源電圧が上記第1電圧レベルより低いときはデータの書き換えを禁止し、上記第2メモリ領域のデータの書き換えのときは電源電圧が上記第2電圧レベルより低いときは書き換えを禁止する書き換え制御手段とを備えたことを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
本発明の第6の態様では、上記第1、2、5の態様において、上記不揮発性メモリの上記第1メモリ領域にはカメラ又はそのアクセサリを制御するファームウェア又はデータが格納されることを特徴とするデータ書き換え装置が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、図1には本発明の第1及び第2の実施の形態に共通するデータ書き換え装置の基本構成、及びそれを採用したカメラシステムの構成例を示し説明する。
この図1に示されるように、このデータ書き換え装置を採用したカメラシステムは、レンズユニット12、ストロボユニット80、ボディユニット100等からなる。
先ず、レンズユニット12の構成について説明する。
レンズユニット12には、当該レンズユニット12全体の制御を司るレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lucomと称する)5が配設されている。そして、このLucom5は、DCモータ等からなるレンズ駆動機構2やステッピングモータ等からなる絞り駆動機構4と電気的に接続されている。このレンズ駆動機構2は、撮影レンズ12aを駆動するための機構であり、絞り駆動機構4は、絞り3を駆動するための機構である。Lucom5は、通信コネクタ6を介してボディユニット100のボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bucomと称する)50と通信自在に接続され、Bucom50の指令に従って各機構を駆動制御する。レンズユニット12は、ボディユニット100の前面に設けられた不図示のレンズマウントを介して着脱自在に構成されている。
次に、ボディユニット100の光学系の構成について説明する。
ボディユニット100には、レンズユニット12の撮影レンズ12a、絞り3を介して入射された光の光路上にクイックリターンミラー13bが配設されており、当該クイックリターンミラー13bの後方には、当該クイックリターンミラー13bを透過した光を反射するためのサブミラー13dが配設されている。そして、このサブミラー13dの反射光の光路上には、その反射光を受けて自動測距する為のAFセンサユニット30aが配設されている。一方、上記クイックリターンミラー13bで反射された光の光路上には、ペンタプリズム13a、接眼レンズ13c、測光回路32が配設されている。クリックリターンミラー13bの後方には、その平面が光軸と垂直となるように、シャッタ14、防塵フィルタ21、CCDユニット27等が撮像ユニットとして配設されている。
次に、ボディユニット100の制御系の構成について説明する。
ボディユニット100には、全体の制御を司るBucom50が配設されている。このBucom50は、AFセンサユニット30aを駆動制御する為のAFセンサ駆動回路30b、クリックリターンミラー13bを駆動制御する為のミラー駆動機構18、シャッタ14をチャージする為のシャッタチャージ機構19、シャッタ14を駆動制御する為のシャッタ制御回路31、防塵フィルタ21を駆動制御する為の防塵フィルタ駆動回路48と接続されている。さらに、このBucom50は、後述するような各種情報を記憶する為のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ29、CCDユニット27の周辺の温度を測定する為の温度測定回路33、画像処理コントローラ40、ペンタプリズム13aからの光束に基づいて測光処理をする為の測光回路32、各部に好適となるように電池54等の電圧を変換する為の電源回路53a、内部電源としての電池54の電圧を検出する為の電圧検出回路53b、カメラの動作状態等をユーザに告知する為の動作表示用LCD57、カメラ操作SW52、USB通信コネクタ60、ストロボ通信コネクタ85、リセットIC61等と、制御バスを介して通信自在に接続されている。
カメラ操作SW52は、例えばレリーズSW(1stレリーズSW、2ndレリーズSW)やモード変更SW、パワーSW等といった各種操作釦を含むスイッチ群である。画像処理コントローラ40は、液晶モニタ36、SDRAM38aと通信自在に接続され、更には通信コネクタ35を介して各種のメモリカードや外付けのHDD等の外部記録媒体である記録メディア39とも接続されている。電源回路53aは、電池54や外部電源70と接続される。外部電源70は、AC/DCコンバータ機能を内蔵しており、付属するコネクタ71を介して家庭用電源等からの電力供給を可能とするものである。
次に、ストロボユニット80の構成について説明する。
ストロボユニット80は、閃光電球81、DC/DCコンバータ82、ストロボ制御マイクロコンピュータ83、及びストロボ用電池84からなり、ストロボ通信コネクタ85を介してボディユニット100と通信可能となっている。
以下、上記構成による作用のうち特徴的なものを詳細に説明する。
データ書き換え装置は、内蔵電源としての電池54からの電源供給又は外部電源70からの電源供給により不揮発性メモリ29のデータ等の書き換え動作を実行する。
この不揮発性メモリ29は、詳細は後述するが、所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのブートプログラムを格納するための第2メモリ領域とを有している。このBucom50は、この不揮発性メモリ29の第1メモリ領域又は第2メモリ領域のデータを書き換える。このとき、Bucom50は、第1メモリ領域のファームウェアの書き換えのときは内蔵電源としての電池54に基づく書き換え動作を許容し、第2メモリ領域のブートプログラムの書き換えのときは外部電源70に基づく書き換えを許容すると共に内蔵電源としての電池54に基づく書き換え動作を禁止する。従って、ファームウェアの書き換えの場合は内蔵電源としての電池54等により簡単に書き換えを行う事が可能となり、ブートプログラムの書き換え中に電源が消耗して書き換えを失敗して書き換えが不可能になるということがないので、ファームウェアの書き換えやブートプログラムの書き換えを確実に行うことができる。
また、内蔵電源としての電池54からの電源供給、または外部電源70からの電源供給により不揮発性メモリ29の書き換え動作を実行する場合に、電圧検出回路53bは、外部電源70の電圧を検出する。不揮発性メモリ29は、所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有しており、Bucom50は、第1のメモリ領域のデータの書き換えの場合は外部電源電圧が第1の所定電圧では書き換えを許可し、第2のメモリ領域のデータの書き換えの場合は外部電源電圧が上記第1の所定電圧では書き換えを禁止し、外部電源電圧が第2の所定電圧では書き換えを許可するよう制御する。尚、上記第1の所定電圧は、外部電源が接続されていないことを示す電圧であってもよい。また、上記第2の所定電圧は、外部電源が接続されたことを示す電圧であってもよい。これによれば、ファームウェアの書き換えの場合は内蔵電源により簡単に書き換えができると共に、ブートプログラムの書き換え中に電源が消耗して書き換えを失敗して書き換えが不可能になるということがないので、ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムの書き換えを確実に行うことができる。
或いは、電圧検出回路53bは、第1電圧レベル又は第1電圧レベルより高い第2電圧レベルを基準に電源電圧のレベルを判定する。この判定結果に基づき制御する場合、Bucom50は、上記制御に換えて、第1メモリ領域のファームウェア等の書き換えのときは電源電圧が第1電圧レベルより低いときはデータの書き換えを禁止し、第2メモリ領域のブートプログラム等の書き換えのときは電源電圧が第2電圧レベルより低いときは書き換えを禁止する。従って、ファームウェアの書き換えもブートプログラムの書き換えもその性質に応じて電源容量を最大限活用しながら確実に行うことができる。尚、不揮発性メモリ29の上記第1メモリ領域には、より詳細には、例えばカメラ又はそのアクセサリを制御するファームウェア又はデータ等が格納されてもよい。
以下、上記説明をふまえて、第1及び第2の実施の形態について詳述する。
(第1の実施の形態)
図2には、第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置の構成例を示し説明する。
この図2に示されるように、電池105のプラス(+)端子は、逆流防止の為のダイオードD101を介して電源回路101の第1入力ポートに接続されており、マイナス(−)端子は、電源回路101の第2入力ポートに接続されている。そして、図2では不図示の外部電源(図1の符号70に相当)からの電源供給を受けるACアダプタコネクタ106のプラス(+)端子は、逆流防止の為のダイオードD102を介して電源回路101の第1入力ポートに接続されており、マイナス(−)端子は、電源回路101の第2入力ポートに接続されている。ACアダプタコネクタ106のプラス(+)端子は、更に抵抗R101,R102を介して接地され、当該抵抗R101,R102の接続点は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)102のA/Dポートに接続されている。
さらに、電源回路101の出力ポートは、マイコン102のVccポートに接続されている。電源回路101の出力ポートは、リセットIC104にも接続されており、当該リセットIC104の出力ポートはマイコン102のRESETポートに接続されている。このマイコン102は、USB通信ポートを有しており、当該USB通信ポートは不図示のUSB通信コネクタ(図1の符号60に相当)に接続されている。以上のほか、マイコン102はRAM102aを内容しており、更には不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ103、動作表示用LCD107と接続されている。
このような構成において、外部電源の電圧を抵抗R101,R102により分圧してマイコン102に好適な電圧としてA/Dポートに与える。即ち、図2の構成では、マイコン102は、外部電源の電圧を検出できることとなる。
このデータ書き換え装置がカメラシステムに適用される場合、図2の構成と図1の構成との関係は以下のようになる。抵抗R101,R102は図1の電圧検出回路53bに相当し、電源回路101は図1の電源回路53aに相当し、マイコン102は図1のBucom50に相当し、フラッシュメモリ103は図1の不揮発性メモリ29に相当し、電池105は図1の電池54に相当し、ACアダプタコネクタ106は図1のジャック37等に相当し、リセットIC104は図1のリセットIC61に相当する。
ここで、上記構成による作用を説明する前に、図3を参照して、フラッシュメモリ103のメモリアドレス空間について更に具体的に説明する。
この図3に示されるように、フラッシュメモリ103は、複数のメモリ領域に分けられている。即ち、本例では、3つのブロックA,B,Cに分けられている。
先ず、ブロックAは、ファーム書き換え検出や電池装填時にマイコン102内部の不図示のRAMに読み込んで実行するためのブートプログラム等が格納されている。このブロックAには、ファームアップ正常フラグの領域が割り当てられている。ブロックBは、例えばデータ書き込み装置がカメラに適用される場合には、当該カメラの基本動作を行うために必要なプログラム(ファームウェア)等が格納されている。このブロックBにも、ファームアップ正常フラグの領域が割り当てられている。ブロックCは、例えばデータ書き込み装置がカメラに適用される場合には、当該カメラの基本動作を行うために必要なデータや、カメラ固有のデータ、工場出荷時のデータが格納される。このブロックCにも、ファームアップ正常フラグの領域が割り当てられている。
尚、上記ファームアップ正常フラグの領域には、ファームアップ開始前に“0”が書き込まれ、ファームアップの正常終了時に“1”が書き込まれる。この書き込みのタイミング等の詳細については、後に詳述する。
以下、図4乃至図8のフローチャートを参照して、上記構成による作用、即ち各種プログラムに基づくシーケンシャルな制御動作について詳細に説明する。
先ず、図4に示されるように、データ書き込み装置に電池105が装填されると、リセットIC104が作動し、マイコン102をパワーオンリセットし、フラッシュメモリ103のブロックAに格納されているプログラムをマイコン102のRAM102aの領域aに読み込み(ステップS1)、プログラムAを実行する(ステップS2)。
以下、図5のフローチャートを参照して、プログラムAに基づく処理を説明する。
マイコン102は、先ずフラッシュメモリ103のブロックAのファームアップ正常フラグの状態を判断する(ステップS3)。このステップS3にて、ファームアップ正常フラグが“0”であれば、マイコン102は、サービス対応メッセージ警告表示を動作表示用LCD107にて行う(ステップS4)。このように警告表示を行うのは、ファームアップ正常フラグには、ファームアップ開始前には“0”が書き込まれ、ファームアップの正常終了時には“1”が書き込まれるようになっているので、このタイミングで当該フラグが“0”であるという事は、前回のプログラムの書き換え等が正常に終了していないことを意味し、その旨をユーザに示唆する必要があるからである。このような警告表示の後にデータ書き換え装置の動作をロックする(ステップS5)。例えば、データ書き換え装置がカメラシステムに適用される場合、通常のカメラ動作への移行が禁止される。
一方、上記ステップS3にて、ファームアップ正常フラグが“1”であれば、ブロックAのプログラムに異常はないので、マイコン102は、フラッシュメモリ103のブロックBのプログラム(ファームウェア)をRAM102a上の領域bに読み込み(ステップS6)、これに続いてフラッシュメモリ103のブロックCのデータをRAM102a上の領域cに読み込む(ステップS7)。そして、マイコン102は、USB通信ポートを介してUSB接続がなされているか否かを検出し判断する(ステップS8)。この検出の手法としては公知の種々の手法を採用し得るので、詳細な説明は省略する。
この例では、ブロックBのプログラム(ファームウェア)の書き換えを所望とする場合には、図2では不図示のボタンA(例えば、図1のカメラ操作SW52に含まれる)を所定時間(この例では5秒)以内に所定回数(この例では5回)押下するような仕様になっている。そこで、マイコン102は、USB接続されていると判断した場合は、ボタンAが5秒以内に5回押下されたか否かを判断する(ステップS9,S10)。押下された場合には、ファームアップに係るステップS11以降の処理に進む。一方、5秒以内に5回押下されていない場合であって、5秒経過した場合(ステップS10)、及びステップS8にてUSB接続されていないと判断した場合は、ステップS3に戻る。
ステップS11では、マイコン102は、USB通信により外部機器、例えばパーソナルコンピュータ等からのデータを受信し(ステップS11)、当該データに基づいてファームアップ要求がなされているか否かを判断する(ステップS12)。
このステップS12において、ファームアップの要求でないと判断した場合には、図6の処理に進む。そして、フラッシュメモリ103のブロックBのファームアップ正常フラグの状態を判断する(ステップS30)。ここで、当該フラグが“0”である場合には、前回のファームアップが正常に終了していないものと判断し、ブロックBのプログラム(ファームウェア)の再度のファームアップを要求すべく動作表示用LCD107にて警告表示を行い(ステップS31)、動作をロックする(ステップS32)。
ステップS30において、ブロックBのファームアップ正常フラグが“1”である場合には、フラッシュメモリ103のブロックCのファームアップ正常フラグの状態を判断する(ステップS33)。ここで、当該フラグが“0”である場合には、前回のファームアップが正常に終了していないものと判断し、ブロックCの再度のファームアップを要求すべく動作表示用LCD107にて警告表示を行い(ステップS34)、動作をロックする(ステップS35)。ステップS33において、ブロックCのファームアップ正常フラグが“1”である場合には、プログラムBを実行する(ステップS36)。
このプログラムBに基づく処理については、図9を参照しつつ後述する。
図5の説明に戻り、ステップS12において、ファームアップの要求であると判断した場合には、マイコン102は、ブロックAのプログラム(ブートプログラム)の書き換えか否かを判断する(ステップS13)。ここで、ブロックAのプログラム(ブートプログラム)の書き換えでないと判断した場合には、図7の処理に移行する。
この図7では、先ず、フラッシュメモリ103のブロックBのプログラム(ファームウェア)の書き換えか否かを判断し(ステップS40)、当該ブロックBのプログラム(ファームウェア)の書き換えである場合には、USB通信を行い、ブロックBのプログラム(ファームウェア)等の書き換え用のデータを受信し(ステップS43)、ブロックBのファームアップ正常フラグを“0”とし(ステップS44)、ブロックBの内容を上記USB通信で得たデータに書き換えた後(ステップS45)、ブロックBのファームアップ正常フラグを“1”とし(ステップS46)、動作表示用LCD107に書き換え完了表示を行い(ステップS47)、図6の処理に移行する。
この図6の処理の詳細については、前述した通りであるが、フラッシュメモリ103のブロックBのファームアップ正常フラグが“0”である場合、上記したファームアップ(ステップS45)が正常に終了していないので、ブロックBのプログラム(ファームウェア)の再度のファームアップを要求すべく動作表示用LCD107にて警告表示を行い、動作をロックする(ステップS30乃至S32)。
一方、上記ステップS40で、ブロックBのプログラム(ファームウェア)の書き換えでないと判断した場合には(ステップS40)、フラッシュメモリ103のブロックCのプログラムの書き換えか否かを判断する(ステップS41)。当該ブロックCの書き換えである場合には、USB通信を行い、ブロックCの書き換え用のデータをを受信し(ステップS48)、ブロックCのファームアップ正常フラグを“0”とし(ステップS49)、ブロックCの内容を上記USB通信で得たデータに書き換えた後(ステップS50)、ブロックCのファームアップ正常フラグを“1”とし(ステップS51)、動作表示用LCD107に書き換え完了表示を行い(ステップS52)、図6の処理に移行する。
この図6の処理の詳細については、前述したとおりであるが、フラッシュメモリ103のブロックCのファームアップ正常フラグが“0”である場合には、上記したファームアップ(ステップS50)が正常に終了していないので、ブロックCのデータの再度のファームアップを要求すべく動作表示用LCD107に警告表示を行い、動作をロックする(ステップS33乃至S35)。
再び図5の説明に戻る。ステップS13にて、マイコン102がブロックAのプログラムの書き換えであると判断した場合には、電源電圧を検出する(ステップS14)。図2で前述したように、外部電源(図1の符号70)の電圧は抵抗R101,R102により分圧され、マイコン102に好適な電圧とされた後にA/Dポートに与えられるので、マイコン102は当該電圧を検出することになる。続いて、マイコン102は、検出した電源電圧が所定電圧以上であるか否かを判断し(ステップS15)、所定電圧以上でない場合にはフラッシュメモリ103のブロックAのプログラム(ブートプログラム)の書き換えを正常に終了できない可能性があるので、動作表示用LCD107に所定の警告表示を行い(ステップS16)、動作をロックする(ステップS17)。
尚、図5のステップS15においては電源電圧が所定電圧以上あるかどうかを検出しているが、通常は外部電源が接続されており電源が供給されていることを確認できれば電圧は保証されるので、上記ステップS15においては外部電源からの電源供給があるかどうかを判定してもよい。また、外部電源の電圧は必ずしも内蔵電源の電圧よりも高い必要はなく、ファームウェアの書き換えを保証する所定の電圧(例えば7.5V)以上であればよい。
一方、マイコン102は、上記ステップS15で電源電圧が上記所定電圧以上であると判断した場合には、USB通信を行い、ブロックAの書き換え用のデータを受信し(ステップS18)、ブロックAのファームアップ正常フラグを“0”とし(ステップS19)、ブロックAの内容を上記USB通信で得たデータに書き換え(ステップS20)、ブロックAのファームアップ正常フラグを“1”とし(ステップS21)、動作表示用LCD107に書き換え完了表示を行い(ステップS22)、図8の処理に移行する。
この図8の処理に移行すると、フラッシュメモリ103のブロックAのファームアップ正常フラグが“0”であるか否かを判断し(ステップS53)、当該フラグが“0”である場合には、上記したファームアップ(ステップS20)が正常に終了していないので、業者によるメンテナンスの必要性を示唆する警告表示を行い(ステップS54)、動作をロックする(ステップS55)。一方、当該フラグが“1”である場合には、プログラムBを実行することになる(ステップS56)。
次に図9のフローチャートを参照して、プログラムBに基づく処理について説明する。
ここでは、データ書き換え装置をカメラシステムに適用した例を説明する。
マイコン102は、プログラムBを実行すると、先ず各種変数を初期化し(ステップS60)、図2では不図示のパワースイッチ(図1のカメラ操作SW52に含まれる)の状態を検出し(ステップS61)、当該パワースイッチがオンされると、ボディユニット(図1の符号100)のダイヤル(図1のカメラ操作SW52に含まれる)が操作されたか否かを判断する(ステップS62)。ここで、ダイヤルが操作された場合には、マイコン102は、当該ダイヤル操作に基づく各処理を行った後(ステップS63)、ステップS64に進む。一方、ダイヤル操作がされていない場合には、ステップS64に進む。続いて、マイコン102は、ボディユニット(図1の符号100)のレリーズボタン(図1のカメラ操作SW52に含まれる)が操作されたか否かを判断する(ステップS64)。
このステップS64で、当該レリーズボタンが操作されていなければ、上記ステップS61に戻り、上記動作を繰り返す。一方、レリーズボタンが半押し(1stレリーズのオン)されたか否かを判断し(ステップS65)、当該レリーズボタンが半押しされていなければ、上記ステップS61に戻り、上記動作を繰り返すことになる。
レリーズボタンが半押し(1stレリーズのオン)されている場合には、露出演算を行い(ステップS66)合焦動作を行い(ステップS67)、合焦した場合には(ステップS68)、レリーズボタンが全押し(2ndレリーズのオン)されたか否かを判断し(ステップS69)、当該レリーズボタンが全押しされていなければ、上記ステップS65に戻り上記動作を繰り返す。一方、レリーズボタンが全押し(2ndレリーズのオン)された場合には(ステップS69)、露出動作を行い(ステップS70)、記録メディア(図1の符号39)に画像を記録し(ステップS71)、上記ステップS61に戻ることになる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、ファームウェアを格納するブロックBと上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラム(ブートプログラム)を格納するブロックA等の記憶領域を有する不揮発性メモリのデータ書き換えに際して、書き換えに失敗するとユーザが再書き換えを行うことが難しいファームウェアの書き換えを制御する為のブートプログラムというの書き換えの場合には外部電源により確実に安定した電源を供給できるようにし、例え書き換えに失敗してもユーザが簡単に再書き込みを行うことができるファームウェアの書き換えの場合は、上記ブートプログラムの書き換えに必要な電源よりも低い電池電源での書き換えを許容することにより、カメラユーザが簡単に不揮発性メモリの書き換えを行うことができる。
(第2の実施の形態)
図10には、第2の実施の形態に係るデータ書き換え装置の構成例を示し説明する。
この図10に示されるように、電池105のプラス(+)端子は、逆流防止の為のダイオードD101を介して電源回路101の第1入力ポートに接続され、マイナス(−)端子は、電源回路101の第2入力ポートに接続されている。図2では不図示の外部電源(図1の符号70に相当)からの電源供給を受けるACアダプタコネクタ106のプラス(+)端子は、逆流防止の為のダイオードD102を介して電源回路101の第1入力ポートに接続されており、マイナス(−)端子は、電源回路101の第2入力ポートに接続されている。電池105のプラス(+)端子は、抵抗R101,R102を介して接地され、当該抵抗R101,R102の接続点は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)102のA/Dポートに接続されている。電源回路101の出力ポートは、マイコン102のVccポートに接続されている。そして、電源回路101の出力ポートは、リセットIC104にも接続されており、当該リセットIC104の出力ポートはマイコン102のRESETポートに接続されている。このマイコン102は、USB通信ポートを有しており、当該USB通信ポートは不図示のUSB通信コネクタ(図1の符号60に相当)に接続される。以上のほか、マイコン102は、不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ103、動作表示用LCD107に接続されている。
尚、このデータ書き換え装置をカメラシステムに適用する場合、図10の上記構成と図1の構成との関係は以下のようになる。即ち、抵抗R101,R102は図1の電圧検出回路53bに相当し、電源回路101は図1の電源回路53aに相当し、マイコン102は図1のBucom50に相当し、フラッシュメモリ103は図1の不揮発性メモリ29に相当し、電池105は図1の電池54に相当し、ACアダプタコネクタ106は図1のジャック37に相当し、リセットIC104は図1のリセットIC61に相当し、動作表示用LCD107は図1の動作表示用LCD57する。
この図10の構成は、電池105の電圧或いは外部電源の電圧を抵抗R101,R102により分圧してマイコン102に好適な電圧としてA/Dポートに与える点で図2と構成上相違する。即ち、図10の構成では、マイコン102は、電池105の電圧或いは外部電源の電圧を検出できる。また、外部電源の電圧は7.5Vであり、電池105として採用し得るリチウム電池は図11の降電特性を示しているものとする。フラッシュメモリ103のメモリアドレス空間については第1の実施の形態に関する図3と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
以下、図12のフローチャートを参照して、上記構成による作用、即ち各種プログラムに基づくシーケンシャルな制御動作について詳細に説明する。
尚、制御動作は、基本的部分は第1の実施の形態(図4乃至図9)と同様であるが、図5の上記ステップS15では電源電圧が所定電圧以上であるか否かを確認していたところが、この第2の実施の形態では電源電圧が9V以上であるか否かを確認している。
以下では、図12を参照して、更に異なる部分を中心に説明する。
この第2の実施の形態に係るデータ書き換え装置では、マイコン102は、ブロックB又はCのファームアップの前に電池105の電源電圧を検出する(ステップS120)。そして、電池105の電源電圧が7.5V以上でない場合には、マイコン102は、ファームアップを正常に終了できない可能性があるものと判断し、警告表示を動作表示用LCD107にて行い、動作をロックする(ステップS123)。これにより、例えばデータ書き換え装置がカメラシステムに適用される場合においては、通常のカメラ動作への移行が禁止される。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係るデータ書き換え装置によれば、再書き換えが比較的容易なファームウェアやデータのファームアップに際しても、電池電圧を検出し、所定の電圧以下である場合にはファームアップをすることなく警告表示を行うことで、ブロックB,Cのファームアップが正常に終了しないという不測の事態が生じるのを防止することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、ファームウェアの書き換えの場合は内蔵電源である電池により簡単に書き換えができるとともに、ブートプログラムの書き換え中に電源が消耗して書き換えを失敗して書き換えが不可能になるということがないので、ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムの書き換えを確実に行うことができる。更に、ファームウェアの書き換えもブートプログラムの書き換えもその性質に応じて電源容量を最大限活用しながら確実に行うことができる。
すなわち、ファームウェアを格納する領域と上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する領域を有する不揮発性メモリのデータ書き換えに際して、書き換えに失敗するとユーザが再書き換えを行うことが難しいファームウェアの書き換えを制御するためのブートプログラムの書き換えの場合には確実に安定した電源を供給できるようにし、例え書き換えに失敗してもユーザが簡単に再書き込みを行うことができるファームウェアの書き換えの場合は、上記ブートプログラムの書き換えに必要な電源よりも低い容量での書き換えを許容することにより、カメラユーザが簡単に不揮発性メモリの書き換えを行うことができる。
以上、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明は、これに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態では、データ書き換え装置をカメラシステムに適用する場合を適宜説明したが、これに限定されず、種々の技術に適用可能である。
本発明の第1及び第2の実施の形態に共通するデータ書き換え装置の基本構成、及びそれを採用したカメラシステムの構成例を示す図。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置の構成例を示す図。 フラッシュメモリ103のメモリアドレス空間を説明する図。 電池装填時の動作を説明するフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムAに基づく処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムAに基づく処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムAに基づく処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムAに基づく処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムBに基づく処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置の構成例を示す図。 リチウム電池の降圧特性を示す図。 第1の実施の形態に係るデータ書き換え装置によるプログラムAに基づく処理を説明するためのフローチャート。
符号の説明
29・・・不揮発性メモリ、50・・・Bucom、53a・・・電源回路、53b・・・電圧検出回路、54・・・電池、57・・・動作表示用LCD、52・・・カメラ操作SW、60・・・USB通信コネクタ、61・・・リセットIC、70・・・外部電源、101・・・電源回路、102・・・マイコン、103・・・フラッシュメモリ、104・・・リセットIC、105・・・電池、106・・・ACアダプタコネクタ、107・・・動作表示用LCD。

Claims (6)

  1. 内蔵電源からの電源供給又は外部電源からの電源供給により不揮発性メモリの書き換え動作を実行するデータ書き換え装置であって、
    所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性メモリと、
    上記第1メモリ領域のデータの書き換えの場合は上記内蔵電源に基づく書き換え動作を許容し、上記第2メモリ領域のデータの書き換えのときは上記外部電源に基づく書き換えを許容するとともに上記内蔵電源に基づく書き換え動作を禁止する書き換え制御手段と、
    を備えたことを特徴とするデータ書き換え装置。
  2. 内蔵電源からの電源供給、または外部電源からの電源供給により不揮発性半導体メモリの書き換え動作を実行するデータ書き換え装置であって、
    外部電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性半導体メモリと、
    上記第1のメモリ領域のデータの書き換えの場合は上記外部電源電圧が第1の所定電圧では書き換えを許可し、上記第2のメモリ領域のデータの書き換えの場合は上記外部電源電圧が上記第1の所定電圧では書き換えを禁止し、上記外部電源電圧が第2の所定電圧では書き換えを許可する書き換え制御手段と、
    を備えたことを特徴とするデータ書き換え装置。
  3. 上記第1の所定電圧は、外部電源が接続されていないことを示す電圧であることを特徴とする請求項2に記載のデータ書き換え装置。
  4. 上記第2の所定電圧は、外部電源が接続されたことを示す電圧であることを特徴とする請求項2に記載のデータ書き換え装置。
  5. 第1電圧レベル又は上記第1電圧レベルより高い第2電圧レベルを基準に電源電圧のレベルを判定する電源電圧判定手段と、
    所定のファームウェアを格納する第1メモリ領域と、上記ファームウェアの書き換えを制御するためのプログラムを格納する第2メモリ領域とを有する上記不揮発性メモリと、
    上記第1メモリ領域のデータの書き換えのときは電源電圧が上記第1電圧レベルより低いときはデータの書き換えを禁止し、上記第2メモリ領域のデータの書き換えのときは電源電圧が上記第2電圧レベルより低いときは書き換えを禁止する書き換え制御手段と、
    を備えたことを特徴とするデータ書き換え装置。
  6. 上記不揮発性メモリの上記第1メモリ領域にはカメラ又はそのアクセサリを制御するファームウェア又はデータが格納されることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のデータ書き換え装置。
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