以下、図1〜図15を参照して、本発明に係る情報表示制御装置の実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、本発明を情報表示制御装置の一種である折りたたみ式の携帯型電子辞書に適用した場合を例にとって説明するが、本発明が適用可能な実施の形態はこれに限定されるものではない。
携帯型電子辞書には、国語辞典、英和辞典、和英辞典、類義語辞典、ことわざ辞典等の各種電子辞書データ(辞書データベース)が内蔵されている。この辞書データベースには、見出語に対応付けて、当該見出語を説明するための文字データや、画像データ、動画データ、音声データ等が記憶される。ユーザは、辞書種別を選択して単語を入力することにより、当該単語の解説等を表示させることができる。尚、以下では、携帯型電子辞書に、英和辞典の辞書データベースが内蔵されている場合を例にとって説明する。
図1は、携帯型電子辞書1の斜視概観図の一例である。同図に示すように、携帯型電子辞書1は、表示画面11と、各種キー群12とを備えて構成されており、内蔵電池(図示略)等を備え、金属や樹脂によってケーシングされている。
表示画面11は、上述した各種キーの押下に応じた文字や符号等、携帯型電子辞書1を使用するために必要な各種データが表示される部分である。表示画面11は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の素子であって、単数または複数の素子の組み合わせによって実現される。
各種キー群12を構成するキーにはそれぞれ固有の機能が割り当てられており、ユーザはこれらのキーを押下して携帯型電子辞書1を操作する。具体的には、文字入力キー、辞書種別の選択キー、指定した単語へのジャンプキー、指定した単語の用例表示キー等を備える。また、入力モードを切り替えることにより、文字入力キーによる仮名入力とアルファベット入力とを切り替えることができるようになっている。
更に、携帯型電子辞書1は記憶媒体200用のスロット13を備える。記憶媒体200は、各種辞書データベースやプログラム等を記憶する記憶媒体であって、例えば、メモリカード、ハードディスク等である。スロット13は記憶媒体200を着脱自在に装着し、記憶媒体200に対してデータの読み書きができる装置であって、記憶媒体200の種類に応じて適宜選択される。
図2は、携帯型電子辞書1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯型電子辞書1は、CPU21、入力部22、表示部23、通信部24、RAM25、ROM26及び記憶媒体読取部27によって構成されており、各部はバス28によって接続されている。
CPU21は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、携帯型電子辞書1を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、入力部22から入力される押下信号等に応じてROM26に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、処理結果をRAM25に保存するとともに、当該処理結果を表示するための表示信号を適宜表示部23に出力して、対応した表示情報を表示させる。
またCPU21は、後述する例文検索プログラム261を読み出して例文検索処理を実行することにより、例文検索を行う。具体的には、CPU21は検索語を入力するための入力画面を表示部23に表示させる。そして、ユーザによって複数の単語からなる検索語が入力されると、その検索語を含む例文を英和辞書データベース(以下、データベースを「DB」と言う。)266から検索し、検索した例文を表示部23に表示させる。
入力部22は、仮名やアルファベット等の文字入力や機能選択等に必要なキー群を備えた入力装置であり、押下されたキーの押下信号等をCPU21に出力する。この入力部22におけるキー入力により、特に、検索語の入力、辞書種別の選択、検索実行指示、モードの切替指示等の入力手段を実現する。尚、この入力部22は、図1に示す各種キー群12に相当するものである。
表示部23は、CPU21から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示させるものである。尚、この表示部23は、図1に示す表示画面11に相当する。
通信部24は、ネットワーク300を介して接続される他の装置(例えば、辞書サーバ310)と所定の情報を送受するための通信装置で構成される。このネットワーク300には、LAN、WAN、或いはインターネット等のネットワークが適用され、CPU21は、通信部24、及び電話回線、ISDN回線、無線通信回線、専用線、CATV回線等の通信回線を介し、外部機器との通信を行うための制御を行う。
尚、ネットワーク300を介することなく、直接外部機器と有線又は無線通信で接続する構成としてもよい。
辞書サーバ310は、当該辞書サーバ310で管理しているネット辞書DB320に蓄積される辞書データを検索・表示可能に公開している。具体的には、辞書サーバ310は、携帯型電子辞書1から送信される辞書データの検索要求に応じてネット辞書DB320から指定された見出語データを検索し、当該見出語データに対応する説明データを携帯型電子辞書1に送信することによって、ネット辞書DB320を公開・提供する。このネット辞書DB320は、例えば、新語の追加等により随時更新され、辞書データが更新された際に、対応する更新日付が適宜更新される。
RAM25は、CPU21が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備える。本実施の形態では、特に検索語記憶領域251、変化形検索語記憶領域252、第1例文番号記憶領域253、第2例文番号記憶領域254、第1例文記憶領域255、第2例文記憶領域256及び表示例文記憶領域257を備える。
検索語記憶領域251には、入力部22において入力された複数の単語が記憶される。以下、入力された複数の単語のうち、各単語を検索単語といい、複数の単語をまとめたものを複数検索語という。また、単に検索語という場合には、ユーザによって検索用に入力される単語のことをいい、1つの単語からなる場合、複数の単語(即ち、複数検索語)からなる場合の両方を含む。変化形検索語記憶領域252には、検索語記憶領域251に記憶された検索単語の変化形が記憶される。
第1例文番号記憶領域253及び第2例文番号記憶領域254には、CPU21によって例文検索処理が実行される過程において抽出された例文識別情報が記憶される。第1例文記憶領域255及び第2例文記憶領域256には、CPU21によって例文検索処理が実行される過程において検索された例文が記憶される。表示例文記憶領域257には、CPU21によって表示部23に表示される例文が記憶される。
ROM26には、携帯型電子辞書1の各種機能を実現する為のプログラムが記憶されている。本実施の形態において、ROM26には、例文検索プログラム261、記載規則検索プログラム262、文法規則検索プログラム263、例文並べ替えプログラム264、識別マークデータ265、英和辞書DB266が記憶されている。
例文検索プログラム261は、ユーザによって入力された検索語を含む例文を英和辞書DB266から検索し、検索した例文を表示部23に表示させる例文検索処理をCPU21に実行させるためのプログラムである。
記載規則検索プログラム262は例文検索プログラム261に含まれるサブルーチンプログラムであり、検索された例文に所定の記号が含まれる場合、当該所定の記号に従って例文を置き換えて再度検索語が含まれるか否かを判断する記載規則検索処理をCPU21に実行させるためのプログラムである。
文法規則検索プログラム263は例文検索プログラム261に含まれるサブルーチンプログラムであり、検索語の変化形を取得し、当該変化形を含む例文を英和辞書DB266から検索する文法規則検索処理をCPU21に実行させるためのプログラムである。
例文並べ替えプログラム264は、例文検索プログラム261に含まれるサブルーチンプログラムであり、検索された例文を並べ替えて表示例文記憶領域257に記憶させる例文並べ替え処理をCPU21に実行させるためのプログラムである。
識別マークデータ265は、例文検索処理の実行によって表示される例文に対する検索語の適合度合を示すための画像(マーク)が記憶される。具体的には、例えば「◎」、「○」、「△」等の画像が記憶される。入力された検索語がそのまま例文に含まれている場合、CPU21は当該例文の文頭に「◎」を表示させる。また、変化形に変換された検索語が例文に含まれている場合、CPU21は当該例文の文頭に「○」を表示させ、入力された検索語が順不同に例文に含まれている場合、CPU21は当該例文の文頭に「△」を表示させる。
英和辞書DB266は、見出語データテーブル2661、例文データテーブル2662、単語例文データテーブル2663及び変化形単語データテーブル2664を含む。図3は見出語データテーブル2661のデータ構成の一例を示した図である。見出語データテーブル2661には、見出語(例えば、「English」)と、当該見出語の意味を示す説明データ(例えば、「形)イングランドの、イングランド人の、・・・」)と、説明データ中に含まれる例文を指定するために例文識別情報とがそれぞれ対応付けられて記憶されている。
例文識別情報とは、後述する例文データテーブル2662に記憶される例文を識別するための情報であり、例文番号又はアドレスによって表される。例文番号及びアドレスとも、同一の例文を示すための同義な例文識別情報であり、何れか一方を例文識別情報として記憶しても構わない。以下、例文識別情報として例文番号を用いて説明する。
例えば、CPU21によって見出語「English」の説明データ「形)イングランドの、イングランド人の、・・・」が表示部23に表示される際、当該説明データの内容に則した例文も同時に表示される。CPU21は見出語「English」に対応する例文識別情報(例文番号「00566、・・・」)を読み出し、例文データテーブル2662から当該例文識別情報に対応する例文を読み出し、説明データと共に表示させる。
図4は、例文データテーブル2662のデータ構成の一例を示した図である。例文データテーブル2662には、例文識別情報と、当該例文識別情報に対応する例文とが対応付けられて記憶される。また例文の意味も記憶される。
図5は、単語例文データテーブル2663のデータ構成の一例を示した図である。単語例文データテーブル2663には、単語と、当該単語を含む全ての例文の例文番号とが対応付けられて記憶される。
図6は、変化形単語データテーブル2664のデータ構成の一例を示した図である。変化形単語データテーブル2664には、品詞別に分類された原形単語に対する変化形が記憶される。例えば、フォルダ2653aには動詞の単語に対する変化形が記憶される。具体的には、動詞の原形に3人称単数の「s」を付けた形、過去形、過去分詞形、現在進行形等が記憶され、「keep」の場合「keeps、kept、keeping」等の「keep」に対する全ての変化形が記憶される。
また、フォルダ2653bには名詞の単語に対する変化形(原形に単数の「a」又は「an」を付加した語、複数形等)がそれぞれ記憶される。フォルダ2653cには形容詞の単語に対する変化形(比較級、最上級等)がそれぞれ記憶される。
フォルダ2653dには代名詞の単語を対応する別の単語に格変化させた形がそれぞれ記憶される。例えば「I」の場合「you、we、he、she、they」等、「yourself」の場合「oneself、myself、yourselves、ourselves、himself、herself、themselves」等が対応付けて記憶される。
記憶媒体読取部27は、例えば、メモリカード、ハードディスク等の記憶媒体200に対してデータの読み書きを行う機能部である。尚、この記憶媒体読取部27は、図1に示すスロット13に相当するものである。
CPU21は、ROM26に記憶される辞書DB(本実施の形態では英和辞書DB266)、記憶媒体200に記憶される各種辞書DB及びネット辞書DB320の何れかの辞書DBから検索語を含む例文を検索することが可能である。この場合、記憶媒体200に記憶される辞書DB及びネット辞書DB320は、英和辞書DB266と同様のデータ構成を持つ。尚、本実施の形態では、英和辞書DB266を用いて例文の検索を行う場合を説明する。
図7は、例文検索プログラム261に従ってCPU21が実行する例文検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。図7を用いて、例文検索処理の流れについて説明する。
まずCPU21は、図11に示すような検索語を入力するための入力画面100を表示部23に表示する。ユーザによって検索語が入力されると(ステップA1)、CPU21は押下されたキーの押下信号に基づいて入力文字表示領域101に文字を表示させ、入力された検索語を検索語記憶領域251に記憶する。
ここで例えば「adult」と「accordingly」の単語を連続して用いている連語或いは成句を含む例文を検索したい場合、ユーザは「adult」と「accordingly」の間にスペースを入れて入力する。一方、例文中の何れかに「adult」と「accordingly」が順不同に含まれる例文を検索したい場合、ユーザは「adult」と「accordingly」の間に“&”を入れて入力する。尚、スペースや“&”を他の所定の記号としても構わない。また、「adult accordingly」、「adult&accordingly」と何れの方法で入力されても、検索語記憶領域251には例えば「adult , accordingly」のように、2つの検索単語が入力された順番に記憶される。
そして、入力された検索語の先頭の検索単語に対応する例文番号を単語例文データテーブル2663から抽出する(ステップA2)。例えば、ステップA1において「adult accordingly」と入力された場合、ステップA2では「adult」を含む例文番号(00197、・・・)が単語例文データテーブル2663から抽出される。
次に、入力された検索語の次の検索単語に対応する例文番号を単語例文データテーブル2663から抽出する(ステップA3)。例えば、上述と同様にステップA1において「adult accordingly」と入力された場合、ステップA3では「accordingly」を含む例文番号(00197、・・・)が単語例文データテーブル2663から抽出される。
そしてCPU21は、ステップA2及びA3で抽出した例文番号において、共通する例文番号を抽出し、当該例文番号を第1例文番号記憶領域253に記憶する(ステップA4)。上述と同様にステップA1において「adult accordingly」と入力された場合、ステップA2とステップA3の何れのステップにおいても例文番号“00197”が抽出される。つまり、共通する例文番号は“00197”である。従ってステップA4では例文番号“00197”が第1例文番号記憶領域253に記憶される。
尚、本実施の形態では、ステップA1において2つの検索単語からなる複数検索語が入力された場合を説明するが、2つ以上の検索単語が入力されてもよい。その場合、CPU21はそれぞれの検索単語について当該検索単語を含む例文の例文番号を抽出し、最後に共通する例文番号を抽出する。
次にCPU21は文法規則検索処理に処理を移行する(ステップA5)。図8は、文法規則検索プログラム263に従ってCPU21が実行する文法規則検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。まずCPU21は、検索語記憶領域251に記憶されている検索単語について、変化形単語データテーブル2664より変化形を読み出し、変化形検索語記憶領域252に記憶する(ステップB1)。
例えば、検索語記憶領域251に「adult , accordingly」と記憶されている場合、変化形単語データテーブル2664には「adult」の複数形である「adults」が記憶されているため、変化形検索語記憶領域252に「adults」が記憶される。また「accordingly」は副詞であり、変化形を持たない。従って、変化形検索単語記憶領域252には「adults , accordingly」と記憶される。
そして、変化形検索語記憶領域252に記憶された先頭の検索単語に対応する例文番号を単語例文データテーブル2663から抽出する(ステップB2)。例えば、ステップB1において「adults , accordingly」と変化形検索語記憶領域252に記憶された場合、ステップB2では「adults」の例文番号が単語例文データテーブル2663から抽出される。図4に示す単語例文データテーブル2663において「adults」の項目は存在しないため、例文番号は抽出されない。
次に、変化形検索語記憶領域252に記憶された次の検索単語に対応する例文番号を単語例文データテーブル2663から抽出する(ステップB3)。例えば、上述と同様にステップB1において「adults accordingly」と変化形検索語記憶領域252に記憶された場合、ステップB3では「accordingly」の例文番号が単語例文データテーブル2663から抽出される。具体的には、図5に示す単語例文データテーブル2663において、「accordingly」を含む例文の例文番号は“00197、・・・”であるため、この例文番号がCPU21によって抽出される。
そしてCPU21は、ステップB2及びB3で抽出した例文番号において、共通する例文番号を抽出し、当該例文番号に対応する例文を第2例文番号記憶領域254に記憶する(ステップB4)。上述と同様にステップB1において「adults , accordingly」と変化形検索語記憶領域252に記憶された場合、ステップB2とステップB3で抽出された例文番号のうち、共通する例文番号は存在しない。この場合、第2例文番号記憶領域254には例文番号が記憶されない。そしてCPU21は例文検索処理のステップA6へ処理を移行する。
尚、ステップB1において、検索語記憶領域251に記憶されている検索単語について変化形単語データテーブル2664より変化形を読み出して検索単語を変換するが、該当する変化形が複数ある場合は、異なる組み合わせ毎に検索語を決定する。そして各異なる変化形の組み合わせについてステップB2〜B4の処理を繰り返す。
続いてCPU21は記載規則検索処理へ処理を移行する(ステップA6)。図9は、記載規則検索プログラム262に従ってCPU21が実行する記載規則検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。
まずCPU21は、第1例文番号記憶領域253に例文番号が記憶されているか否かを判断する(ステップC1)。例文番号が記憶されていない場合(ステップC1;No)、記載規則検索処理を終了し、処理を例文検索処理のステップA7へ移行する。
例文番号が記憶されている場合(ステップC1;Yes)、CPU21は先頭に記憶されている例文番号に対応する例文と訳文を例文データテーブル2662から読み出し、読み出した例文に区切り文字(区切りデータ)が含まれているか否かを判断する(ステップC2)。
区切り文字とは「,(カンマ)」、「=(イコール)」、「.(ピリオド)」等の文字である。例文中のカンマは、意味の切れ目等を示す。また例文中のイコールは、その前後にある文がほぼ同義であることを示す。ピリオドは文の終わりを示す。従って、例文中に区切り文字が入ることにより、その前後の文は独立して用いることができる場合が多い。
読み出した例文に区切り文字が含まれている場合(ステップC2;Yes)、CPU21は区切り文字を境界にして当該例文を分割し、分割したそれぞれの文より検索語を検索する(ステップC3)。
一方、ステップC2において、読み出した例文に区切り文字がないと判断された場合(ステップC2;No)、CPU21は当該例文に「[](大括弧又は角括弧)」が含まれているか否かを判断する(ステップC4)。例文中の大括弧は、大括弧内の単語をその直前の単語と置き換えた文としてもほぼ同義であることを示す。
例文に大括弧が含まれている場合(ステップC4;Yes)、CPU21は当該例文に対して大括弧内の単語を削除した文と、大括弧内の単語をその直前の単語と置き換えた文のそれぞれの文より検索語を検索する(ステップC5)。
一方、ステップC4において、読み出した例文に大括弧がないと判断された場合(ステップC4;No)、CPU21は当該例文に「()(小括弧又は丸括弧)」が含まれているか否かを判断する(ステップC6)。例文中の小括弧は、小括弧内の単語を含んだ例文と、括弧内の単語を削除した文とがほぼ同義であることを示す。
例文に小括弧が含まれている場合(ステップC6;Yes)、CPU21は当該例文に対して小括弧内の単語を削除した文と、小括弧内の単語を含んだ文のそれぞれの文より検索語を検索する(ステップC7)。またステップC6において、読み出した例文に小括弧がないと判断された場合(ステップC6;No)、CPU21はステップC9へ処理を移行する。
そしてCPU21は、ステップC3、ステップC5又はステップC7において各種区切り文字に従って展開した複数の文のうち、全ての検索語を含む文があるか否かを判断する(ステップC8)。全ての検索語を含む文がないと判断された場合(ステップC8;No)、CPU21はステップC10へ処理を移行する。
全ての検索語を含む文があると判断された場合(ステップC8;Yes)、CPU21は各種区切り文字に従って展開した複数の文のうち、全ての検索語を含む文とその訳文を第1例文記憶領域255に記憶する(ステップC9)。
続いてCPU21は、第1例文番号記憶領域253に記憶されている次の例文番号を指定し(ステップC10)、ステップC1へ処理を移行する。また第1例文番号記憶領域253の全ての例文番号についてステップC1〜C10の処理が終了したら、第2例文番号記憶領域254に記憶される例文番号についてもステップC1〜C10の処理を繰り返す。この際、CPU21はステップC3、C5及びC7において、変化形に変換した検索語に基づいた検索を行う。そしてステップC9では検索した例文を第2例文記憶領域256に記憶する。
図12は、検索語記憶領域251、第1例文番号記憶領域253及び第1例文記憶領域255の記憶内容の一例を示した図である。図12を参照して、記載規則検索処理の具体的な処理の流れについて説明する。
図12(a)は、例文検索処理のステップA1において「adult accordingly」と入力された場合の各記憶領域の記憶内容の一例を示した図である。この場合、ステップA4において「adult」と「accordingly」を含む例文の例文番号“00197”が第1例文番号記憶領域253に記憶される。そしてステップC2において例文データテーブル2662より例文番号“00197”に対応する例文「She is an adult, so you should treat her accordingly.」とその訳文が読み出される。
続いて、読み出された例文に区切り文字が含まれているか否かが判断される。読み出された例文にはカンマが含まれているため、ステップC3において当該例文は「She is an adult」と「so you should treat her accordingly」とに分割され、それぞれの文について「adult」と「accordingly」が含まれるか検索される。
しかし、「She is an adult」と「so you should treat her accordingly」共に、「adult」と「accordingly」の両方を含まない。従って、第1例文記憶領域255には例文は記憶されない。
図12(b)は、例文検索処理のステップA1において「for English」と入力された場合の各記憶領域の記憶内容の一例を示した図である。この場合、ステップA4において「for」と「English」を含む例文の例文番号“00566”が第1例文番号記憶領域253に記憶される。そしてステップC2において例文データテーブル2662より例文番号“00566”に対応する例文「get an A in [for] English」とその訳文が読み出される。
読み出された例文に区切り文字が含まれていないため、ステップC4において、大括弧が含まれているか否かが判断される。読み出された例文には大括弧が含まれているため、ステップC5において当該例文から「get an A in English」と「get an A for English」の2つの同義な文が作成され、それぞれの文について「for」と「English」が検索される。
ここで「get an A in English」は「for」と「English」の両方を含まないが、「get an A for English」は「for」と「English」の両方を含む。従って、ステップC9において「get an A for English」とその訳文が第1例文記憶領域255に記憶される。
図12(c)は、例文検索処理のステップA1において「moment of」と入力された場合の各記憶領域の記憶内容の一例を示した図である。この場合、ステップA4において「moment」と「of」を含む例文の例文番号“00320”が第1例文番号記憶領域253に記憶される。そしてステップC2において例文データテーブル2662より例文番号“00320”に対応する例文「in (a moment of) aberration」とその訳文が読み出される。
読み出された例文に区切り文字及び大括弧が含まれていないため、ステップC6において、小括弧が含まれているか否かが判断される。読み出された例文には小括弧が含まれているため、ステップC7において当該例文から「in aberration」と「in a moment of aberration」の2つの同義な文が作成され、それぞれの文について「moment」と「of」が検索される。
ここで「in aberration」は「moment」と「of」の両方を含まないが、「in a moment of aberration」は「moment」と「of」の両方を含む。従って、ステップC9において「in a moment of aberration」とその訳文が第1例文記憶領域255に記憶される。
続いてCPU21は例文並べ替え処理へ処理を移行する(ステップA7)。図10は、例文並べ替えプログラム264に従ってCPU21が実行する例文並べ替え処理の動作を説明するためのフローチャートである。
まずCPU21は、検索単語が連続して含まれる例文とその訳文を第1例文記憶領域255から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD1)。また、同時に識別マークデータ265に記憶されている「◎」を、抽出した例文に対応付けて記憶する。以下、表示例文記憶領域257には、記憶された順番に従って例文が記憶される。
次に、CPU21は検索語が入力される際に検索単語の間に「&」が入力されたか否かを判断する(ステップD2)。即ち、例文検索処理のステップA1において、例えば「in school」のように検索単語の間にスペースを入れて入力されたのか、「in&school」のように「&」を入れて入力されたのかを判断する。
「&」が入力されていないと判断された場合(ステップD2;No)、CPU21は変化形に変換された検索単語が連続して含まれる例文とその訳文を第2例文記憶領域256から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD3)。同時に識別マークデータ265に記憶されている「○」を、抽出した例文に対応付けて記憶する。そしてCPU21は例文並べ替え処理を終了する。
一方、「&」が入力されたと判断された場合(ステップD2;Yes)、CPU21は検索語記憶領域251に記憶されている順番に検索単語が含まれている例文とその訳文を第1例文記憶領域255から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD4)。同時に識別マークデータ265に記憶されている「○」を、抽出した例文に対応付けて記憶する。
続いてCPU21は、検索語記憶領域251に記憶されている逆順に検索単語が含まれている例文とその訳文を第1例文記憶領域255から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD5)。同時に識別マークデータ265に記憶されている「△」を、抽出した例文に対応付けて記憶する。
次にCPU21は、変化形検索語記憶領域252に記憶されている順番に変化形に変換された検索単語が含まれている例文とその訳文を第2例文記憶領域256から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD6)。そしてCPU21は、変化形検索語記憶領域252に記憶されている逆順に変化形に変換された検索単語が含まれている例文とその訳文を第2例文記憶領域256から抽出し、表示例文記憶領域257に記憶する(ステップD7)。例文並び替え処理が終了すると、CPU21は例文検索処理のステップA8へ処理を移行する。
続いて図13を参照して、例文並べ替え処理の具体的な処理の流れについて説明する。図13は、例文検索処理のステップA1において「in school」または「in&school」と入力された場合の検索語記憶領域251、変化形検索語記憶領域252、第1例文記憶領域255、第2例文記憶領域256及び表示例文記憶領域257の記憶内容の一例を示した図である。
図13の各記憶領域は、記載規則検索処理のステップC9において、第1例文記憶領域255には例文12a、例文12b及び例文12c等が記憶される。また、変化形検索語記憶領域252には「school」が変化形に変換され「in , schooled」が記憶される。従って、第2例文記憶領域256には例文12d等が記憶される。
そして、例文並べ替え処理のステップD1において、「in」と「school」が連続して含まれる例文12aと「◎(M1)」が表示例文記憶領域257に記憶される。そして、例文検索処理のステップA1において検索単語の間にスペースを入れて「in school」と入力された場合、ステップD3において「in」と「schooled」が連続して含まれる例文が第2例文記憶領域256から検索される。図13に示した第2例文記憶領域256には「in」と「schooled」が連続して含まれる例文が記憶されていないため、表示例文記憶領域257には例文が追加して記憶されることはない。
一方、例文検索処理のステップA1において検索単語の間に「&」を入れて「in&school」と入力された場合、ステップD4において「in」、「school」の順番に2つの検索単語が含まれる例文12bと「○(M2)」が表示例文記憶領域257に記憶される。この場合、「in」と「school」のそれぞれの検索単語の間に別の単語があっても構わない。そしてステップD5において、「school」、「in」の順番に2つの検索単語が含まれる例文12cと「△(M3)」が表示例文記憶領域257に記憶される。
次に、ステップD6において「in」、「schooled」の順番に2つの検索単語が含まれる例文を抽出する。図13に示した第2例文記憶領域256には「in」、「schooled」の順番に2つの検索単語が含まれる例文が記憶されていないため、表示例文記憶領域257には例文が追加して記憶されることはない。そしてステップD7において、「schooled」、「in」の順番に2つの検索単語が含まれる例文12dと「△(M4)」が表示例文記憶領域257に記憶される。
続いてCPU21は例文検索処理のステップA8の処理を移行し、表示例文記憶領域257に記憶された例文とその訳文、識別マークを表示部23に表示させる。そしてCPU21は例文検索処理を終了する。
図14(a)は例文検索処理のステップA1において表示部23に表示される入力画面の一例である。ここで「in school」と入力されたときの検索結果の表示画面の一例を図14(b)に示す。また、図15(a)は例文検索処理のステップA1において表示される入力画面の一例である。ここで「in&school」と入力されたときの検索結果の表示画面の一例を図15(b)に示す。検索された例文とその訳文を表示部23に表示させる際に、CPU21は検索語として入力された単語に下線を付して表示する。
以上のように、検索単語の間にスペースが入れられて例文の検索を行う際には、入力された検索単語が連続して含まれている例文のみを検索する。このため、目的に適合する例文を検索して表示することができる。また、検索単語の変化形を用いた例文も同時に検索する。従って、変化形に変換して用いられている例文も検索結果として表示させることができる。これにより、検索語が原形、変化形の両方で使われている例文を自動的に探し出すことができる。
また、検索結果として表示する例文と共に、入力された検索語の適合度合に応じて順番に識別マークを表示する。このことによって、目的とする例文に近い例文がユーザにとって認識しやすくなる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述の実施の形態についてのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、入力された検索語を変化形に変換して検索することとしたが、例えば人称代名詞などを格変化させた上、更に検索単語を並べ替えることによって、疑問文の例文が検索可能なように構成してもよい。
例えば、検索単語が人称代名詞である場合、文法規則検索処理のステップB1において、CPU21は変化形単語データテーブル2664から他の人称に格変化させた単語を検索単語として決定し、検索語が疑問形となるように並べ替える処理を行う。具体的には、検索語として「I would like」と入力された場合、「I」を「you」に格変化し、更に検索単語を並べ替えて「would you like」とする。これにより、入力した検索語の他に「Would you like 〜?」といった疑問形に変形させた例文も更に検索することができる。
また、検索された例文とその訳文を表示部23に表示させる際に、検索語として入力された単語に下線を付して表示することとしたが、当該単語のフォントやスタイルを変化させたり、色を変化させて表示させてもよい。
更に、英和辞書DB266は変化形単語データテーブル2664を備えることとしたが、見出語データテーブル2661の各見出語と共に、当該見出語の変化形を記憶するようにしてもよい。