JP4281056B2 - 遠距離対象物の変位測定方法と遠距離対象物の変位測定装置 - Google Patents

遠距離対象物の変位測定方法と遠距離対象物の変位測定装置 Download PDF

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Description

この発明は、高層ビルの経年変化による傾き測定、堤防の歪み測定、地盤の変位測定、トンネルの断面変形測定、橋梁の振動測定など、各種の対象物の変位を、レーザー光とコーナーキューブプリズムとPSD(Position Sensitive Detecter=半導体位置検出素子)を用いて、その変位測定対象物から相当距離離れた測定地点から検出し測定するための変位測定方法と、その変位測定方法で変位を測定するための遠距離対象物の変位測定装置に関するものである。
従来、対象物の特定点(被測定点)の位置を、対象物に非接触状態で検出する装置として、対象物の被測定点に反射体(例えばコーナーキューブプリズム)を装着し、その反射体に向けて半導体レーザー光を照射し、その反射体からの反射レーザー光を集光レンズにより光位置検出素子上の1点に集光し、その光位置検出素子からの出力を位置信号処理回路で処理して反射体の方位角、即ち被測定点の方位角を検出する装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、上記のような従来の位置検出装置では、対象物の或る1点毎の位置を追従検知して検出し測定するものであって、対象物に対し位置検出装置を一旦設置し調整した状態で、その対象物における複数の被測定点の変位を一度に測定して各被測定点の相対的位置関係を高速且つ高分解能で測定することはできない。また対象物が土木・建築の構造物である場合には、対象物から10m〜1Km離れた測定地点から被測定点の位置や変位量を測定できることが必要で、その測定精度は、100m先の対象物に対して誤差1mm、1Km先の対象物に対して誤差10mm程度の高い精度が求められ、また100m先の対象物に対して0.1mm、1Km先の対象物に対して1mm程度の高い分解能が求められ、さらに橋梁の振動測定などの場合はリアルタイムの高速測定が必要となるが、従来の測定方法・装置では、このような高い精度・分解能とリアルタイムの速さをもって多数の被測定点の位置や変位量を一度に測定することはできない。
特開平6−221853号公報
この発明は、上記のような従来の位置検出・測定装置における未解決の問題点と実用上の要求に応えるものであり、遠距離にある所与の変位測定対象物に対し測定装置を一旦設置し調整した状態で、その変位測定対象物の1点のみならず複数点の位置・変位量を一度に高速で測定して各点の相対的変位をも即座に測定可能とし、また10m〜1Km先の遠距離にある変位測定対象物の位置・変位量を高分解能、高精度、高速リアルタイムで測定できるようにするものである。
上記の課題に応じて目的を達するために、この発明では次のような手段を用いる。即ち、
変位測定対象物に任意の数の被変位測定点を設定し、その被変位測定点にコーナーキューブプリズムを配設し、その変位測定対象物から相当距離離れて前記被変位測定点の全てを見通せる位置に測定地点を設定し、その測定地点から前記コーナーキューブプリズムの全てを含む被変位測定領域に向けてレーザー光を投射し且つそのレーザー光で前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたレーザー光の幾らかを方位角度測定用PSDにも同時に投射し、前記レーザー光の走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射して前記測定地点のレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を光センサー素子(例えばフォト・ダイオード)で受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置を感知する時点を検知すると共に、その位置感知時点において前記方位角度測定用PSDの受光面で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データ(即ち被変位測定点の位置データ)を検知し、その方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定する。なお、被変位測定点の方位角度は、被変位測定点を射た投射レーザー光のレーザー光投射原点からの投射角度である。
また測定の際の分解能を高めるために、変位測定対象物に任意の数の被変位測定点を設定し、その被変位測定点にコーナーキューブプリズムを配設し、その変位測定対象物から相当距離離れて前記被変位測定点を見通せる位置に測定地点を設定し、その測定地点から前記コーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けてレーザー光を投射し且つそのレーザー光で前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたレーザー光の幾らかを方位角度測定用PSDにも同時に投射し、前記レーザー光の走査過程において前記コーナーキューブブプリズムで反射して前記測定地点のレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を光センサー素子で受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置を感知する時点を検知すると共に、前記レーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長させた状態で、前記位置感知時点において前記方位角度測定用PSDの受光面で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知し、その方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定する。
また、設定した測定地点と変位測定対象物の間の距離(N)が未知数の場合、既知の距離dを隔てた二つの位置に測定地点(A1,A2)を設定し、その各測定地点(A1,A2)から上述の被変位測定領域に向けてそれぞれレーザー光を投射し且つその各レーザー光で被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたそれぞれのレーザー光の幾らかを同時に各測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDにもそれぞれ投射し、前記各レーザー光の走査過程で同一の被変位測定点に位置する同一のコーナーキューブプリズムで反射して各測定地点(A1,A2)のレーザー光投射原点にそれぞれ戻った再帰反射レーザー光を各測定地点(A1,A2)の光センサー素子でそれぞれ受光してその被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点をそれぞれ検知すると共に、その各位置感知時点において二つの測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDの受光面でそれぞれ受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データをそれぞれ検知し、二つの測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の方位角度データと前記既知の距離dを基に前記被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定する。
さらにまた、測定に用いるコーナーキューブプリズムの反射面に非対称成形歪みが残存する場合に、その非対称成形歪みによる測定誤差を除くために、レーザー光で上述の被変位測定領域を走査する過程において、光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの位置感知時点毎に方位角度測定用PSDが検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを集積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、その反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定する。
次にこの発明に係る遠距離対象物の変位測定方法を実行するための遠距離対象物の変位測定装置として、レーザー発光器と、測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を前記測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射するミラーと、そのミラーを左右および上下に往復回動させてミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と、その走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射し前記ミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置を感知した時点を検知する光センサー素子と、前記ミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを同時に受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと、その方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータを主要部として備える変位測定装置を構成する。
また測定の際のレーザー光投射角度(被変位測定点の方位角度)の分解能を高めるために、上述のミラーと角度測定用PSDの間に角度倍率切換器を介在させて、その角度倍率切換器によって必要に応じて前記ミラーのレーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長させる。
そして変位測定装置を合理的にコンパクトに構成するために、上記ミラーをハーフミラーとして構成する。即ち、レーザー発光器と、測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を前記測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射する第一のハーフミラーと、第一のハーフミラーを左右および上下に往復回動させ第一のハーフミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と、その走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射し前記第一のハーフミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置を感知する時点を検知する光センサー素子と、第一のミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを変向反射する第二のハーフミラーと、前記第二のミラーで反射したレーザー光を受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと、前記第二のミラーと前記方位角度測定用PSDの間に置かれて前記第一のミラーのレーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長する角度倍率切換器と、前記方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータを主要部として備える変位測定装置を構成する。
さらにまた、変位測定装置に用いるコーナーキューブプリズムの反射面に非対称成形歪みが残存する場合に、その非対称成形歪みによる測定誤差を除くために、レーザー光の走査過程において上述の光センサー素子によってコーナーキューブプリズムの反射位置を感知する時点毎に方位角度測定用PSDで検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを蓄積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、そのコーナーキューブプリズム反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射領域面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータを装備した変位測定装置を構成する。
この発明に係る遠距離対象物の変位測定方法ならびに変位測定装置によれば、変位測定対象物に対し変位測定装置を一旦設置し調整した状態で、変位測定対象物の1点のみならず複数点の被変位測定点の位置や変位量および各被変位測定点の間の相対的位置や変位量を一度に迅速に測定することが可能となる。また、PSDは分解能が非常に高く且つ測定が非常に速いことから、さらに加えて、角度倍率切換器を用いて、レーザー光路長M延長しレーザー光の投射角度を増幅した状態で各被変位測定点の方位角度を直接検知するので、左右・上下スキャン駆動装置などの動作に起因する誤差の影響を受けることなく、高分解能で正確に各被変位測定点の変位測定結果を得ることができ、10m〜1Kmの遠距離にある変位測定対象物の変位量を高分解能、高精度、リアルタイムの高速でもって測定することができる。さらに、レーザー光で被変位測定領域を走査する過程において、光センサー素子によって検知されるコーナーキューブプリズムの位置感知時点毎に方位角度測定用PSDで検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを集積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、その反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射領域面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定することから、変位測定に用いるコーナーキューブプリズムの反射面に若干の非対称成形歪みがあっても、これによって生ずる測定誤差が除外される。
この発明に係る変位測定方法の最良の実施形態は、変位測定対象物に所望の任意の数の被変位測定点を設定し、その被変位測定点にコーナーキューブプリズムを配設し、そのコーナーキューブプリズムの全てを見通せる位置で且つ互いに既知の距離dだけ離れた位置に二つの測定地点(A1,A2)を設定し、その各測定地点(A1,A2)から前記コーナーキューブプリズムの全てを含む被変位測定領域に向けてそれぞれレーザー光を投射し、且つその各レーザー光でそれぞれ前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被測定領域に向けられたそれぞれのレーザー光の幾らかを前記各測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDにもそれぞれ投射し、前記各レーザー光の走査過程で同一の被変位測定点に位置する同一のコーナーキューブプリズムで反射して前記各測定地点(A1,A2)のレーザー光投射原点にそれぞれ戻った再帰反射レーザー光を前記各測定地点(A1,A2)の光センサー素子でそれそれ受光してその被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点をそれぞれ検知すると共に、前記レーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長させた状態で、前記各位置感知時点において前記二つの測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDの受光面でそれぞれ受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知し、その方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算してその被変位測定点の変位を測定する遠距離対象物の変位測定方法である。そして加えて、使用するコーナーキューブプリズムの反射面に非対称成形歪みが残存してその非対称成形歪みによって測定誤差が生ずることも考えられることから、その非対称成形歪みによる測定誤差を除くために、レーザー光で被変位測定領域を走査する過程において、光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの位置感知時点毎に方位角度測定用PSDが検知したコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを集積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、その反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射領域面の中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基に被変位測定点の変位量を演算して被変位測定点の変位を測定する遠距離対象物の変位測定方法である。
また、この発明に係る変位測定装置の最良の実施形態は、レーザー発光器と、測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射する第一のハーフミラーと、その第一のハーフミラーを左右および上下に往復回動させて第一のハーフミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と、その走査過程においてコーナーキューブプリズムで反射して前記第一のハーフミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知する光センサー素子と、第一のハーフミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを変向反射する第二のハーフミラーと、第二のハーフミラーで反射したレーザー光を受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点において受光した前記レーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと、前記第二のハーフミラーと前記方位角度測定用PSDの間に置かれて前記第一のハーフミラーのレーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長する角度切換器と、
前記光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの反射位置感知時点毎に前記方位角度測定用PSDで検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを蓄積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データ生成すると共にそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し且つその被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータを備えた遠距離対象物の変位測定装置である。
以下この発明の実施例を図面を参考に説明する。図1は、この発明に係る遠距離対象物の変位測定装置の基本構成図(同変位測定装置の概略平面図)で、変位測定対象物であるところの高層ビルの経年変化による傾き(傾斜度)を、その高層ビルから相当離れた測定地点から測定する装置の例を示すものである。図2は同変位測定装置における角度倍率切換器部分の詳細図である。図3はこの発明に用いるコーナーキューブプリズムの説明図で、(a)はコーナーキューブプリズムの斜視状態を示し、(b)はレーザー光による同コーナーキューブプリズムの走査状態を模式的に示し、(c)ならびに(d)は同コーナーキューブプリズムの縦断概略を示すものである。図4は変位測定対象物となる上記高層ビルの要部正面図(同高層ビルをZ軸方向に見た図)、図5は同高層ビルの要部側面図(同高層ビルをX軸方向に見た図)である。図6は同変位測定装置の方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の位置が表示されたディスプレー上の変位表示画面図である。図7はこの発明に係る変位測定方法・装置による変位測定の基本説明図であり、図8も同変位測定方法・装置による変位測定の基本説明図である。
図1,2,3,4,5において、Bは地上Gに建設された変位測定対象物(高層ビル)、Aは変位測定対象物Bの変位を測定するための測定地点で、測定地点Aは変位測定対象物(高層ビル)Bから相当の距離N(10m〜1Kmの距離)を隔てた地上Gに設定され、測定地点Aに変位測定装置Eが設置される。また変位測定対象物Bには、必要とする任意の数の被変位測定点P1,P2,P3,P4・・・Pn(被変位測定点P1,P2,P3,P4・・・Pnを総じて被変位測定点Pという)を設定し、各被変位測定点P1,P2,P3,P4・・・PnにそれぞれコーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4・・・Cn(コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4・・・Cnを総じてコーナーキューブプリズムCという)を配設して取り付けている。そして変位測定のために配設した前記コーナーキューブプリズムCの全てを含む領域を被変位測定領域Baとし、測定地点Aは上記の全てのコーナーキューブプリズムCを見通せる位置、即ち被変位測定領域Baを見通せる位置に設定している。したがって被変位測定領域Baは、測定地点Aを頂点としてその測定地点Aから見て前記コーナーキューブプリズムCが全て包含される3次元領域内にあって、その被変位測定領域Baの3次元座標軸方向(即ちX軸方向,Y軸方向,Z軸方向)の最大幅をそれぞれWx、Wy、Wzで示している。そして、被変位測定領域Baの上記3次元座標軸方向の幅Wx、Wy、Wzは、それぞれ後述するレーザー光による被変位測定領域Baの走査過程における、X軸方向スキャン幅、Y軸方向スキャン幅、Z方向スキャン幅でもある。なお、図4および図5において、H1は被変位測定点P1の地上Gからの垂直距離、H2は被変位測定点P1,P2間の垂直距離、H3は被変位測定点P2,P3間の垂直距離、P4は被変位測定点P3,P4間の垂直距離である。また、コーナーキューブプリズムCは、図3に示すように、互いに直交した三つの内部反射面をもつプリズムで、入射する光を、その入射角度の如何に関わらず、180°折り返して再帰反射する機能を有する周知のものである。
図1において、1はレーザー発光器、2は第一のハーフミラー、3は第二のハーフミラー、4は光センサー素子(例えばフォト・ダイオード)、5は方位角度測定用PSD、6は角度倍率切換器、7は左右スキャン駆動装置(X軸方向スキャン駆動装置)、8は上下スキャン駆動装置(Y軸方向スキャン駆動装置)、11はコンピュータで、これらによって変位測定装置Eの主要部が構成されている。第一のハーフミラー2と光センサー素子4は所定の相互位置関係を保持した状態で左右スキャンユニット(X軸方向スキャンユニット)9を構成し、左右スキャンユニット9に左右スキャン駆動装置7が連結され、左右スキャン駆動装置7によって、第一のハーフミラー2の中心点Fを通る垂直軸Ysを軸として左右スキャンユニット9を左右に(X軸方向に)往復回動させる。その結果、第一のハーフミラー2も、上記垂直軸Ysを軸として左右に(X軸方向に)往復回動する。さらに、左右スキャンユニット9と左右スキャン駆動装置7は上下スキャンユニット10を構成し、上下スキャンユニット10に上下スキャン駆動装置8が連結され、上下スキャン駆動装置8によって、第一のハーフミラー2の中心点Fを通る水平軸Xsを軸として上下スキャンユニット10を上下に(Y軸方向に)往復回動させる。その結果、第一のハーフミラー2も上記水平軸Xsを軸として上下に(Y軸方向に)往復回動する。なお、左右スキャン駆動装置7ならびに上下スキャン駆動装置8の駆動源にはパルスモータあるいは直流モータが用いられている。
第一のハーフミラー2は、測定地点Aに設置されレーザー発光器1から発するレーザー光Lを受けて,そのレーザー光Lを被変位測定領域Baに向けて投射するものであって、第一のハーフミラー2の中心点Fは被変位測定領域Baに向けたレーザー光Lの投射原点(レーザー光投射原点F)にもなっている。左右スキャン駆動装置7と上下スキャン駆動装置8は、第一のハーフミラー2を左右および上下に往復回動させて第一のハーフミラー2から投射するレーザー光LでもってコーナーキューブプリズムCを含む被変位測定領域Baを左右方向(X軸方向)および上下方向(Y軸方向)に走査するものである。また、第二のハーフミラー3は、第一のハーフミラー2の前方(変位測定対象物Bの側)に配設されており、第二のハーフミラー3は、前記の走査過程において第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fから被変位測定領域Baに向けて投射したレーザー光Lの幾らかを変向反射して、その変向反射したレーザー光Lを、前記被変位測定領域Baに向けたレーザー光Lの投射と同時に、角度倍率切換器6を介して、方位角度測定用PSD5に投射するものである。
角度倍率切換器6は、第二のハーフミラー3と方位角度測定用PSD5の間に置かれて、第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fから方位角度測定用PSD5の受光面までのレーザー光路長Mを延長する機能を奏する。即ち、角度倍率切換器6は、図2に示すように、45°プリズム(反射ミラーを角度45°に置いたものと同等)と45°直角プリズム(直角面を反射ミラーとしたものと同等)を組み合わせてなる2個のW字状の光蛇行反射体6a,6bを、単位間隔Rを置いて対向させた構造であり、単位間隔Rの光路が蛇行状にn段形成された構造である。そして、第二のハーフミラー3と方位角度測定用PSD5の間に角度倍率測定用PSD6を介在させることにより、第二のハーフミラー3から受けたレーザー光Lを、光蛇行反射体6a,6bの間でn度、蛇行状に反射させることにより、レーザー光投射原点Fから方位角度測定用PSD5の受光面までのレーザー光路長Mを、M1=n×Rだけ延長することができる。なお、レーザー光路長Mを延長させる必要がない場合には、角度倍率切換器6を短絡状態にして、第二のハーフミラー3から方位角度測定用PSD5にレーザー光Lを直接投射する。また角度倍率切換器6は、単位間隔Rの光路の段数nが異なる複数の角度倍率切換ユニットをターンテーブル上に配置し、その複数の角度倍率切換ユニットの中から、所望の光路段数nを備えたユニットを選んで変位測定装置に組み入れるようにしている。即ち、第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fから方位角度測定用PSD5の受光面までのレーザー光路長Mは、レーザー光投射原点Fから角度倍率切換器6までの光路長M0と、角度倍率切換器6の内部の光路長M1と、角度倍率切換器6から方位角度測定用PSD5の受光面までの光路長M2との和(M=M0+M1+M2)であって、角度倍率切換器6を用いることにより、光路長M2の部分で、レーザー光投射原点Fから方位角度測定用PSD5の受光面までのレーザー光路長Mを、M1=n×Rの範囲で延長可能としている。この種の遠距離対象物の変位測定方法・装置においては、変位測定対象物と測定地点の間の距離Nが大きい程、同じ測定範囲に対する測定方位角度の変化量は小さくなる。したがって、高い分解能で方位角度測定を行いたい場合は、第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fから方位角度測定用PSD5の受光面までのレーザー光路長Mを長くする程、分解能を高くすることができる。そのため、レーザー光投射原点Fと方位角度測定用PSD5の受光面の間に角度倍率切換器6を介在させることにより、前記レーザー光路長Mを延長できるようにして、変位測定対象物と測定地点の間の距離Nにおうじた角度倍率が得られるようにしている。
また、第一のハーフミラー2から投射するレーザー光LでもってコーナーキューブプリズムCを含む被変位測定領域Baを走査する過程において、光センサー素子4は、コーナーキューブプリズムCで再帰反射して第一のハーフミラー2を通過した再帰反射レーザー光Lbを受光し、その受光時点でそのコーナーキューブプリズムCの存在(即ちそのコーナーキューブプリズムCが置かれた被変位測定点Pの存在)を感知する。なお、光センサー素子4が再帰反射レーザー光Lbを受光した時点を、本願において「位置感知時点」という。そして、光センサー素子4が前記位置感知時点で受光した再帰反射レーザー光Lbの基となるレーザー光Lの投射方向角度(前記位置感知時点で第一のハーフミラー2から被変位測定領域に向けて投射されコーナーキューブプリズムCを射たレーザー光Lの投射方向角度)を方位角度測定用PSD5によって検知することにより、レーザー光投射原点Fを基準点とするそのコーナーキューブプリズムCの方位角度データ(位置データ)が検知され収集されることになる。
すなわち、前記位置感知時点で、第一のハーフミラー2から被変位測定領域に向けて投射されたレーザー光Lの幾らかは、第二のハーフミラー3で反射して方位角度測定用PSD5にも投射されるので、コーナーキューブプリズムCを射たレーザー光L(光センサー素子4が位置感知時点で受光した再帰反射レーザー光Lbの基となるレーザー光L)を第二のハーフミラー3を介して方位角度測定用PSD5が受光し、方位角度測定用PSD5の受光面で受光した上記レーザー光Lの受光位置から、そのコーナーキューブプリズムCの方位角度を検知し、そのコーナーキューブプリズムCが配設された被変位測定点Pの方位角度データ(位置データ)を検知し収集することができる。またコンピュータ11は、光センサー素子4で検知した前記位置感知時点や方位角度測定用PSD5で検知した被変位測定点Pの方位角度データ(位置データ)を基にその被変位測定点Pの変位量を演算する演算プログラムを搭載している。
この発明に係る変位測定方法・装置においては、コーナーキューブプリズムCを用いることが必須であり、高い測定精度を得るためには、コーナーキューブプリズムCにおける互に直交する三つの反射面が正確な対称形状に加工され仕上げられていなければならない。しかし使用する全てのコーナーキューブプリズムCの反射面が常に正確な対称形状に加工仕上げされているとは限らず、図3の(c)(d)に示すように、コーナーキューブプリズムCの一つの反射面sが、2点鎖線で示す正確な対称形状から若干外れた歪み反射面sとなっているものがあり得る。そこで仮にコーナーキューブプリズムCの反射面が正確な対称形状から若干ずれていた場合でも、それによって測定精度に実質的影響が生じないような手段を講ずる。例えば図3の(c)(d)に示すように、コーナーキューブプリズムCの一つの反射面が正規の反射面(2点鎖線で示す反射面)に対し内側にずれて開放角度が小さくなった状態の歪み反射面sとなっている場合、同図(c)に示すようにコーナーキューブプリズムCのセンター軸Csの下側からレーザー光Lが入射した時と、同図(d)に示すようにコーナーキューブプリズムCのセンター軸Csの上側からレーザー光Lが入射した時とでは、そこで反射される再帰反射レーザー光Lbは、いずれも歪み反射面sが狂っている分だけ内側に返って丁度対称関係になるので、歪み反射面sがあってもコーナーキューブプリズムCの反射領域面の中心値はそれほど変わらないことになる。なお、コーナーキューブプリズムCのセンター軸Csの左右からレーザー光Lが入射する場合も、前記対称性に関しては同じである。この発明では、第一のハーフミラー2から投射するレーザー光LでもってコーナーキューブプリズムCを含む被変位測定領域Baを走査する過程において、図3の(b)に示すように、コーナーキューブプリズムCの反射面の全面を細いレーザー光で緻密に走査し、その走査における多数の位置感知時点Q毎に、そのコーナーキューブプリズムCの反射面各部のデータを方位角度測定用PSDが検知し、そのコーナーキューブプリズムCの反射面各部の方位角度データを集積してそのコーナーキューブプリズムCの反射領域面データを生成し、その反射領域面データを基にコーナーキューブプリズムCの反射領域面の中心値を演算してそのコーナーキューブプリズムCが位置する被変位測定点Pの変位量を演算し被変位測定点Pの変位を測定する。このように、レーザー光LにとるコーナーキューブプリズムCのスキャン密度を微細にすれば、コーナーキューブプリズムCにおけるレーザー光の反射位置データからコーナーキューブプリズムCの形状・大きさに比例した測定データ、即ち反射領域面データを得ることができ、その反射領域面データを平均化演算することにより、コーナーキューブプリズムCの反射面中心位置を検知することができる。その結果、コーナーキューブプリズムCの反射面に若干の非対称歪みが残存する場合でも、その非対称歪みによる測定誤差を取り除くことができる。また更に高精度測定を必要とする場合は、個々のコーナーキューブプリズムCについて反射領域面データを予め測定して、その反射領域面の中心位置片寄り係数を求めておいて、その中心位置片寄り係数を用いてコーナーキューブプリズムの反射面の非対称歪みによる変位測定誤差を除去することもできる。なお図3の(b)において、CxはコーナーキューブプリズムCに対するレーザー光の左右走査方向を示し、CyはコーナーキューブプリズムCの走査過程におけるコーナーキューブプリズムCの反射領域面各部の方位角度データの収集時点軸を示し、QはコーナーキューブプリズムCの走査過程におけるコーナーキューブプリズムCの反射面各部の位置感知時点を示している。また前記コンピュータ11は、コーナーキューブプリズムの反射面の非対称歪みによる変位測定誤差を除去するために、レーザー光の走査過程において光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの反射位置感知時点毎に方位角度測定用PSDで検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを蓄積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、そのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載している。
この発明に係る遠距離対象物の変位測定装置の動作・機能と、この発明に係る遠距離対象物の変位測定方法について更に詳細に説明する。例えば、通常150〜200m程度の高さの高層ビルを変位測定対象物としてその経年変化による傾きを測定する場合、最初に図4に示すように、変位測定対象物Bの変位測定したい任意の位置に任意の数の被変位測定点P1,P2,P3,P4を任意のい設定し、その各被変位測定点P1,P2,P3,P4にそれぞれコーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4を配設して取り付け、これらの被変位測定点P1,P2,P3,P4の全てを含む小領域を被変位測定領域Baとする。 次いで、被変位測定領域Ba内の全ての被変位測定点P1,P2,P3,P4を見通せる地点に測定地点Aを設定し、この測定地点Aに変位測定装置Eを設置して調整する。
このように変位測定装置Eを測定地点Aに設置して、レーザー発光器1から第一のハーフミラー2に向けてレーザー光Lを発すると、そのレーザー光Lは第一のハーフミラー2で約90°変向反射して、変位測定対象物Bの被変位測定領域Baに投射される。そして第一のハーフミラー2は、左右スキャン駆動装置(X軸方向スキャン駆動装置)7および上下スキャン駆動装置(Y軸方向スキャン駆動装置)8によって、第一のハーフミラー2の中心点Fを通る垂直軸Ysならびに水平軸Xsをそれぞれ軸として、左右(X軸方向)と上下(Y軸方向)に往復回動しているので、第一のハーフミラー2で反射したレーザー光Lが被変位測定領域Ba上を、X軸方向スキャン幅Wx(X軸方向スキャン角度θx)とY軸方向スキャン幅Wy(Y軸方向スキャン角度θy(図示省略))にわたって走査することになる。なお第一のハーフミラー2の中心点Fは、測定地点Aにおいてレーザー発光器1からレーザー光Lを受けて被変位測定領域Baに向けて反射させ投射するレーザー光投射原点ともなる。また、X軸方向スキャン駆動装置7によるX軸方向の1走査毎に、Y軸方向の走査を1ビット相当量だけ移動させ、Y軸方向の走査が所定の総ビット数に達したときにX軸・Y軸両方向の全走査が終了する。
上記のレーザー光Lによる走査過程において、被変位測定領域Baに向けて投射されたレーザー光Lは、コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4が存在しない箇所では他の物体に当って乱反射し発散してエネルギーが消滅し、あるいは他の物体が無ければ遠くへ放散してエネルギーが消滅するが、各被変位測定点P1,P2,P3,P4においてはコーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4が存在するため、各コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4に入射したレーザー光Lは、その入射角度の如何を問わず180°反転して再帰反射レーザー光Lbとして再帰反射して、レーザー光Lの入射経路を逆方向に沿って第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fに帰る。そして、レーザー光投射原点Fに戻った再帰反射レーザー光Lbは第一のハーフミラー2を通過して光センサー素子(例えばフォト・ダイオ−ド)4の受光面で受光され、その受光時点(本願でいう位置感知時点)で第一のハーフミラー2のレーザー光投射原点Fから被変位測定領域Baに向けて投射したレーザー光Lが被変位測定点PのコーナーキューブプリズムCを射て被変位測定点Pの位置を感知したことが検知される。そして同時に、前記位置感知時点で光センサー素子4が感知した再帰反射レーザー光Laの基となるレーザー光L(位置感知時点でレーザー光投射原点Fから被変位測定領域Baに向けて投射され被変位測定点PのコーナーキューブプリズムCを射たレーザー光L)の幾らかは、第二のハーフミラー3で反射して角度倍率切換器6に入り、角度倍率切換器6内で蛇行反射してレーザー光路長Mが延長された状態で方位角度測定用PSD5に投射されるので、方位角度測定用PSD5の受光面上で各コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4が配設された各被変位測定点P1,P2,P3,P4の方位角度データ(位置データ)が検知される。そして光センサー素子4で検知された位置感知時点データと、方位角度測定用PSD5で検知された方位角度データがコンピュータ11に送られて各被変位測定点P1,P2,P3,P4の方位角度(位置)や変位角度(変位量)が演算されて、各被変位測定点P1,P2,P3,P4の変位を一度にまとめて測定することができる。また、角度倍率切換器6を用いて、レーザー光路長M延長しレーザー光Lの投射角度を増幅した状態で各被変位測定点P1,P2,P3,P4の方位角度を直接検知するので、左右・上下スキャン駆動装置7,8などの動作に起因する誤差の影響を受けることなく、高分解能で正確に各被変位測定点の変位測定結果を得ることができる。
図5は、図4に示したと同じ変位測定対象物B上の同じ被変位測定P1,P2,P3,P4の位置・変位量を、変位測定対象物Bの側面に向かって(図4におけるX方向から)図示したものである。図5において、P10,P20,P30,P40は、それぞれ変位測定対象物B上に設定した各被変位測定点P1,P2,P3,P4の初期時の位置を示し、P1t,P2t,P3t,P4tは、それぞれ前記初期時から年月tを経た現在における前記各被変位測定点P1,P2,P3,P4の位置を示している。C10,C20,C30,C40は、それぞれ前記各被変位測定点P1,P2,P3,P4に配設したコーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4の初期時の位置を示し、C1t,C2t,C3t,C4tは、前記初期時から年月tを経た現在における前記コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4の位置を示している。したがって、コーナーキューブプリズムC1,C2,C3,C4の初期時の位置C10,C20,C30,C40と現在の位置C1t,C2t,C3t,C4tの間の差は、初期時から現在にまでの間における変位測定対象物Bの経年変化に伴う各被変位測定点P1,P2,P3,P4の変位量、即ち変位測定対象物Bの経年傾き度となる。そして、初期時と現在において、図4,5に示した各被変位測定点P1,P2,P3,P4の初期時の位置(即ちコーナーキューブプリズムC1C2C3C4の初期時の位置)P10(C10),P20(C20),P30(C30),P40(C40)と、現在の位置P1t(C1t),P2t(C2t),P3t(C3t),P4t(C4t)を、測定地点Aから検知し測定し、その検知・測定結果を変位測定装置のディスプレー上に表せば、それぞれ図6の(a),(b)のように表示され、各被変位測定点P1,P2,P3,P4の3次元変位の実態を明確に目視することができる。
次にこの発明に係る遠距離対象物の変位測定装置で検知した被変位測定点Pの方位角度データ(位置データ)から被変位測定点Pの変位量を演算して測定する機能を、変位測定対象物と測定地点の間の距離Nが既知の場合について、図7を参考に説明する。図7において、Pn0,Pntは変位測定対象物B上に設定した任意の被変位測定点Pnの位置を表し、Pn0,は以前に測定した被変位測定点Pnの初期時の位置であり、Pntはその初期時から年月tを経た現在における前記被変位測定点Pnの位置を示している。 Baは被変位測定点Pnの位置Pn0,Pntを含む被変位測定領域である。そこで過去の初期時点と現時点で、それぞれ測定地点A(レーザー光投射原点F)から被変位測定領域Baに向けてレーザー光Lを投射し且つX軸方向に走査した場合を見ると、それぞれの走査過程で被変位測定点Pnの位置Pn0,Pntに配設されたコーナーキューブプリズムに入射したレーザー光Lが再帰反射レーザー光Lbとして反射されてレーザー光投射原点Fに戻り、その再帰反射レーザー光Lbが光センサー素子4の受光面に達し、その受光時点の被変位測定点Pnの位置Pn0,Pntが、方位角度測定用PSD5の受光面でそれぞれ位置Pn0’,Pnt’として検知され、被変位測定点Pnの位置Pn0,PntのX軸方向の位置角度θxo,θxtは変位測定装置Eで求められる。また被変位測定点Pnの位置Pn0,Pntの間のX軸方向の変位量(位置の差)ΔWxは方位角度測定用PSD5の受光面で変位量ΔWx’として検知される。そして図7に照らして明らかなように、二つの被変位測定点Pn0,PntのそれぞれのX軸方向の方位角度(位置角度)θxo,θxtと、変位測定対象物Bと測定地点Aの間の距離Nと、被変位測定点Pnの初期時の位置Pn0と現時点の位置Pntの間のX軸方向変位量ΔWxとの間には次の式(1)で示されるの関係があることから、変位測定装置Eのコンピュータ11で式(1)に沿う演算を実行することにより、X軸方向変位量ΔWxが容易に算出されてX軸方向変位量ΔWxを測定することができる。そして前記のX軸方向変位量ΔWxは、前記初期時から現在までの間に生じた変位測定対象物Bの経年変位による被変位測定点Pnの経年変位に相当する。さらに、全く同様の測定手段で次式(2)に基づく演算を実行することにより、被変位測定点PnのY軸方向変位量ΔWyも演算し測定することができる。そしてコンピュータ11は、光センサー素子4、方位角度測定用PSD5で検知した被変位測定点Pの位置データを基に式(1),(2)に従ってその被変位測定点PのX軸方向変位量ΔWx,Y軸方向変位量ΔWyを演算する演算プログラムを搭載している。
Figure 0004281056
変位測定対象物Bと測定地点Aの間の距離Nが既知である場合には、図7および式(1),(2)に示すところによって、被変位測定点のX軸方向変位量ΔWx,Y軸方向ΔWy を簡単に測定できるが、距離Nが未知数の場合には、図8と次の式(3),(4),(5),(6),(7),(8)に示すところによって、X軸方向変位量ΔWx,Y軸方向変位量ΔWy,Z軸方向変位量ΔWzを測定することができる。即ち、測定空間を前記同様X,Y,Zとし、X−Y面からZ方向の距離Nを求める。図8に示すように、被測定点Pn0,Pntに対し、互に既知の距離d離れた二つの測定地点A1,A2を設定すれば、被測定点Pn0,
Pntと測定地点A1,A2の間には次の式(3)(4)(5)(6)(7)(8)に示される関係がある
Figure 0004281056
そこで、被変位測定点Pn0までの距離をNpnoとし、被変位測定点Pntまでの距離をNpntとすれば、距離をNpno,Npntはそれぞれ次の式(9),(10)に示すところととなる。そしてこの距離Npno,Npntを図7の距離Nとして用いれば、距離Nが未知数であっても、被変位測定点のX軸方向変位量ΔWxやY軸方向変位量ΔWyを求めることができる。また、被変位測定点のZ軸方向変位量ΔWzは、次の式(11)によって求めることができる。
Figure 0004281056
なお、測定地点A1,A2から全てのコーナーキューブプリズムCを見通す測定視野、即ちレーザー光で走査する被変位測定領域Baは、変位測定対象物Bまでの距離と、必要とする分解能に応じて容易に設定することができ、その被変位測定領域Baに含まれる被変位測定点Pであれば、1度の変位測定装置Eの設定調整で多数の被変位測定点Pの変位を一挙に測定することができる。
この発明に係る遠距離対象物の変位測定方法ならびに遠距離対象物の変位測定装置は、上記実施例に示す建物の傾き変位測定のほか、ダムの満水時と渇水時における堤防の歪み測定や、ダム堤防の経年変化量の測定や、地盤の沈下・隆起測定、崖崩れの事前察知のための地盤変位検出、トンネルの断面変形測定、既設構築物の近傍での土木・建築工事に伴う既設構築物やその地盤の変位・変形の測定、架橋の揺れや変形の測定、電柱の揺れの測定、劇場の床の揺れの測定、ロボットの性能評価のためのロボットの3次元動作測定、クレーン車からのワーク位置の認識など、多岐にわたる産業分野で利用することが可能である。
この発明の一実施例を示す遠距離対象物の変位測定装置の基本構成図。 同変位測定装置の角度倍率切換器部分の詳細説明図。 この発明に用いるコーナーキューブプリズムの説明図。 変位測定対象物となる高層ビルの要部正面図。 同高層ビルの要部側面図。 この発明に係る変位測定装置の方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の位置が表示されたディスプレー上の変位表示画面図。 この発明に係る変位測定方法・装置による変位測定の基本説明図。 この発明に係る変位測定方法・装置による変位測定の基本説明図。
符号の説明
1 : レーザー発光器
2 : 第一のハーフミラー(ミラー)
3 : 第二のハーフミラー
4 : 光センサー素子
5 : 方位角度測定用PSD
6 : 角度倍率切換器
6a,6b : 光蛇行反射体
7 : 左右スキャン駆動装置(X軸方向スキャン駆動装置)
8 : 上下スキャン駆動装置(Y軸方向スキャン駆動装置)
9 : 左右スキャンユニット(X軸方向スキャンユニット)
10: 上下スキャンユニット(Y軸方向スキャンユニット)
11: コンピュータ
A,A1,A2 : 測定地点
B : 変位測定対象物(高層ビル)
Ba : 被変位測定領域
C(C1,C2,C3,C4・・・Cn): コーナーキューブプリズム
Cn0(C10,C20,C30,C40・・・): コーナーキューブプリズムの初期時位置
Cnt(C1t,C2t,C3t,C4t・・・) : コーナーキューブプリズムの現在位置
Cs : コーナーキューブプリズムのセンター軸
Cx : コーナーキューブプリズムに対するレーザー光の左右走査方向
Cy : コーナーキューブプリズムの走査過程における方位角度データの収集時点軸
d : 測定地点A1,A2の間の距離
E : 変位測定装置
F : 第一のハーフミラーの中心点 / レーザー光投射原点
G : 地上
H1 : 被変位測定点P1の地上からの垂直距離
H2,H3,H4 : 被変位測定点の間の垂直距離
L : レーザー光(投射レーザー光)
Lb : 再帰反射レーザー光
M(M0,M1,M2): レーザー光路長
N : 変位測定対象物と測定地点の間の距離
P(P1,P2,P3,P4・・・Pn): 被変位測定点
Pn0(P10,P20,P30,P40・・・Pn0): 被変位測定点Pnの初期時位置
Pn0’: 被変位測定点Pnの方位角度測定用PSD受光面における初期時位置
Pnt(P1t,P2t,P3t,P4t・・・Pnt): 被変位測定点Pnの現在位置
Pnt’: 被変位測定点Pnの方位角度PSD受光面における現在位置
Q : レーザー光による走査過程におけるコーナーキューブプリズムの反射面各部の位置感知時点
R : 角度倍率切換器の光蛇行反射体の間の間隔(角度倍率切換器の単位長さ)
s : コーナーキューブプリズムの歪み反射面
Wx : レーザー光LのX軸方向スキャン幅(被変位測定領域BaのX軸方向幅)
Wy : レーザー光LのY軸方向スキャン幅(被変位測定領域BaのY軸方向幅)
ΔWx : 被変位測定点のX軸方向変位量
ΔWx’: 被変位測定点の方位角度測定用PSD受光面上におけるX軸方向変位量
X : 直交3次元座標軸のX軸
Y : 直交3次元座標軸のY軸
Z : 直交3次元座標軸のZ軸
Xs : 第一のハーフミラーの中心点Fを通る水平軸
Ys : 第一のハーフミラーの中心点Fを通る垂直軸
θx : 左右スキャン角度(X軸方向変位に関するスキャン角度)
θxo : 被変位測定点の初期時のX軸方向変位に関する方位角度
θxt : 被変位測定点の現在のX軸方向変位に関する方位角度


Claims (9)

  1. 変位測定対象物に任意の数の被変位測定点を設定し、その被変位測定点にコーナーキューブプリズムを配設し、その変位測定対象物から相当距離離れて前記被変位測定点を見通せる位置に測定地点を設定し、その測定地点から前記コーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けてレーザー光を投射し且つそのレーザー光で前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたレーザー光の幾らかを方位角度測定用PSDにも同時に投射し、前記レーザー光の走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射して前記測定地点のレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を光センサー素子で受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知すると共に、その位置感知時点において前記方位角度測定用PSDの受光面で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知し、その方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算して前記被変位測定点の変位を測定することを特徴とする遠距離対象物の変位測定方法。
  2. 変位測定対象物に任意の数の被変位測定点を設定し、その被変位測定点にコーナーキューブプリズムを配設し、その変位測定対象物から相当距離離れて前記被変位測定点を見通せる位置に測定地点を設定し、その測定地点から前記コーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けてレーザー光を投射し且つそのレーザー光で前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたレーザー光の幾らかを方位角度測定用PSDにも同時に投射し、前記レーザー光の走査過程において前記コーナーキューブブプリズムで反射して前記測定地点のレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を光センサー素子で受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知すると共に、前記レーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長させた状態で、前記位置感知時点において前記方位角度測定用PSDの受光面で受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知し、その方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算して前記被変位測定点の変位を測定することを特徴とする遠距離対象物の変位測定方法。
  3. 設定した測定地点と変位測定対象物の間の距離(N)が未知数の場合、既知の距離dを隔てた二つの位置に測定地点(A1,A2)を設定し、その各測定地点(A1,A2)から被変位測定領域に向けてそれぞれレーザー光を投射し且つその各レーザー光で前記被変位測定領域を左右および上下に走査すると共に、前記被変位測定領域に向けたそれぞれのレーザー光の幾らかを同時に前記各測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDにもそれぞれ投射し、前記各レーザー光の走査過程で同一の被変位測定点に位置する同一のコーナーキューブプリズムで反射して前記各測定地点(A1,A2)のレーザー光投射原点にそれぞれ戻った再帰反射レーザー光を前記各測定地点(A1,A2)の光センサー素子でそれぞれ受光してその被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点をそれぞれ検知すると共に、その各位置感知時点において前記二つの測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDの受光面でそれぞれ受光したレーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データをそれぞれ検知し、前記二つの測定地点(A1,A2)の方位角度測定用PSDで検知した前記被変位測定点の方位角度データと前記既知の距離dを基に前記被変位測定点の変位量を演算して前記被変位測定点の変位を測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した遠距離対象物の変位測定方法。
  4. レーザー光の走査過程において光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの位置感知時点毎に方位角度測定用PSDが検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを集積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、その反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射領域面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算してその被変位測定点の変位を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した遠距離対象物の変位測定方法。
  5. レーザー発光器と;測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を前記測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射するミラーと;前記ミラーを左右および上下に往復回動させ前記ミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と;前記走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射し前記ミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知する光センサー素子と;前記ミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを同時に受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点での前記受光レーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと;前記方位角度測定用PSDで検知した被変位測定点の方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータ;を含むことを特徴とする遠距離対象物の変位測定装置。
  6. レーザー発光器と;測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を前記測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射するミラーと;前記ミラーを左右および上下に往復回動させ前記ミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と;前記走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射し前記ミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知する光センサー素子と;前記ミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを同時に受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点での前記受光レーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと;前記ミラーと前記方位角度測定用PSDの間に置かれて前記ミラーのレーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長する角度倍率切換器と;前記方位角度測定用PSDで検知した前記被変位測定点の方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータ;を含むことを特徴とする遠距離対象物の変位測定装置。
  7. レーザー発光器と;測定地点に設置され前記レーザー発光器から発したレーザー光を受けてそのレーザー光を前記測定地点から相当距離離れた被変位測定点のコーナーキューブプリズムを含む被変位測定領域に向けて投射する第一のミラーと;前記第一のミラーを左右および上下に往復回動させ前記第一のミラーから投射するレーザー光でもって前記被変位測定領域を走査するスキャン駆動装置と;前記走査過程において前記コーナーキューブプリズムで反射し前記第一のミラーのレーザー光投射原点に戻った再帰反射レーザー光を受光して前記被変位測定点にあるコーナーキューブプリズムの位置感知時点を検知する光センサー素子と;前記第一のミラーから前記被変位測定領域に向けて投射したレーザー光の幾らかを変向反射する第二のミラーと;前記第二のミラーで反射したレーザー光を受光し且つ前記光センサー素子で検知した位置感知時点での前記受光レーザー光の受光位置から前記被変位測定点の方位角度データを検知する方位角度測定用PSDと;前記第二のミラーと前記方位角度測定用PSDの間に置かれて前記第一のミラーのレーザー光投射原点から前記方位角度測定用PSDの受光面までのレーザー光路長(M)を延長する角度倍率切換器と;前記方位角度測定用PSDで検知した前記被変位測定点の方位角度データを基に前記被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータ;を含むことを特徴とする遠距離対象物の変位測定装置。
  8. レーザー光の走査過程において光センサー素子によって検知したコーナーキューブプリズムの反射位置感知時点毎に方位角度測定用PSDで検知したそのコーナーキューブプリズムの反射面各部の方位角度データを蓄積してそのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを生成し、そのコーナーキューブプリズムの反射領域面データを基にそのコーナーキューブプリズムの反射面中心位置を演算してそのコーナーキューブプリズムが位置する被変位測定点の方位角度データを生成し、その被変位測定点の方位角度データを基にその被変位測定点の変位量を演算する演算プログラムを搭載したコンピュータ;を含むことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載した遠距離対象物の変位測定装置。
  9. ミラーをハーフミラーとした請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の遠距離対象物の変位測定装置。
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