JP4279808B2 - 油脂結晶の安定化装置 - Google Patents

油脂結晶の安定化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4279808B2
JP4279808B2 JP2005225722A JP2005225722A JP4279808B2 JP 4279808 B2 JP4279808 B2 JP 4279808B2 JP 2005225722 A JP2005225722 A JP 2005225722A JP 2005225722 A JP2005225722 A JP 2005225722A JP 4279808 B2 JP4279808 B2 JP 4279808B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
fat
furnace body
oil
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005225722A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007037467A (ja
Inventor
清 嶋田
一政 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SPC Electronics Corp
Original Assignee
SPC Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SPC Electronics Corp filed Critical SPC Electronics Corp
Priority to JP2005225722A priority Critical patent/JP4279808B2/ja
Publication of JP2007037467A publication Critical patent/JP2007037467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4279808B2 publication Critical patent/JP4279808B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/78Arrangements for continuous movement of material
    • H05B6/782Arrangements for continuous movement of material wherein the material moved is food

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Description

本発明は、油脂結晶の安定化装置に関し、さらに詳細には、マイクロ波により固形油脂性食品を加熱して油脂結晶を安定化する油脂結晶の安定化装置に関する。
一般に、植物性油脂や動物性油脂などを原料として製造した固形油脂性食品は、調温倉庫と称される倉庫または恒温槽、あるいは恒温炉に数日間保管してその熟成を行うようになされていた。
ここで、固形油脂性食品の熟成とは、具体的には油脂結晶の安定化のことを意味し、その目的は、物性の安定化(なお、「物性の安定化」とは、結晶をより安定なかたちに移行させることを意味する。)によりその加工性を向上させることにある。
マーガリンやショートニングあるいはチョコレ−トなどの油脂性食品においては、その物性(融点、加工性)は油脂結晶物性に支配される。なお、加工性とは、この場合にはホイップ性や展延性などが挙げられる。
ところで、油脂結晶には油脂の種類に応じた「結晶多形」現象が生じ、油脂結晶の安定化とは、とりもなおさず結晶多形の安定化のことを意味する。
なお、結晶多形は、一般的には融点の低い方から、α型、β’(ベータプライム)型、β型が存在するが、より詳しくは油脂の種類によってそれぞれ異なる。
具体的には、チョコレートの場合には、その構成する油脂はココアバターであり、ココアバターには6種類の結晶多形が存在する。これら6種類の結晶多形は、低融点側から、I型、II型、III型、IV型、V型およびVI型と称されており、一般に販売されているチョコレートは、ココアバターがV型として結晶化している。

従来のチョコレートの製造ラインにおいては、製造段階において6種類の結晶多形の中で選択的にV型結晶を析出させるようになされているが、製造直後のチョコレート中のココアバターは、全てがV型とはなってはおらず、部分的にIV型などが混在する。これを、従来は20℃〜23℃程度の調温倉庫で1〜2週間程度放置することにより、不安定多形のIV型をすべてV型に結晶多形転移していた。
また、マーガリンはβ’型安定であるので、マーガリン製造においては、融液油脂を急速冷却し、α型を析出させてから同様に20℃〜23℃程度の調温倉庫で3日〜2週間程度放置することによりβ’型へと転移させていた。
即ち、従来の固形油脂性食品の製造工程においては、上記において示したように、固形油脂性食品の油脂結晶を安定化させるために、調温倉庫において数日から数週間程度の時間放置する必要があった。このため、調温倉庫を設置するための場所を確保することが必要になるとともに、処理時間が長時間に及ぶなどの問題点があった。
つまり、結晶多形転移工程にはエネルギーが必要であるが、従来は固形油脂性食品の外部より主に恒温槽などにおいてそのエネルギーをヒータや外気温などから得ていた。しかしながら、この手法は、昇温に時間がかかり処理時間が長時間になるという問題点や、広い保管場所が必要になるという問題点などを内在するものであった。

こうした問題点に鑑みて、例えば、特開2004−267112号公報(特許文献1参照)に開示された手法や、「食品加工油脂技術研究会 会報 第47号」(非特許文献2参照)に開示された手法が提案されている。
ここで、特開2004−267112号公報に開示された手法は、シート状の固形油脂を箱に入れ、2回以上マイクロ波を照射して処理を行うというものである。
しかしながら、この特開2004−267112号公報に開示された手法によれば、連続的に処理を行う場合に、一度マイクロ波を照射した固形油脂性食品を別のマイクロ波装置の炉体内を通過させる必要があるなど、非マイクロ波照射下における周囲温度の影響を受け充分な温度制御ができないという問題点があるとともに、装置構成が大型になるという問題点があった。
また、「食品加工油脂技術研究会 会報 第47号」には、パイプ配管中に固形油脂を流しながらマイクロ波を照射する装置が記載されている。
しかしながら、「食品加工油脂技術研究会 会報 第47号」に記載された装置によれば、部分的に温度が上がりすぎて加熱ムラを起こし、これにより液状化不良を生起してしまうという問題点があった。
特開2004−267112号公報 食品加工油脂技術研究会 会報 第47号、(財)全日本マーガリン協会 食品加工油脂技術研究会、昭和62年9月18日
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、処理時間の短縮化を図るとともに、広い保管場所などを必要とせず、しかも、温度制御の制御性を向上し、かつ、装置全体の小型化を図りながら連続的な処理を可能にしたマイクロ波による油脂結晶の安定化装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、固形油脂性食品の油脂結晶を転移させるエネルギーをマイクロ波により供給するようにして、マイクロ波によって固形油脂性食品の温度が+3℃〜+15℃の間で昇温されるように制御し、固形油脂性食品の温度+3℃〜+15℃の間で昇温して加熱することにより、固形油脂性食品の油脂結晶を安定化するようにしたものである。
この際に、固形油脂性食品を、例えば、ダンボール箱などの紙類を組成として含む材料により形成した箱に収納した状態で、同一のマイクロ波炉体内においてマイクロ波を連続的または断続的に照射するようにしてもよい。
従って、本発明によれば、短時間で固形油脂性食品の油脂結晶の結晶多形転移を行うことが可能となる。
また、本発明は、搬送手段を用いて連続的に油脂結晶を搬送することができる連続式装置として構成することものできるので、油脂結晶に対して連続的に処理を行うことができるようになる。
即ち、本発明によれば、マイクロ波エネルギーを利用して、固形油脂性食品の結晶転移を短時間で行うことが可能となり、かつ、昇温温度の制御が可能となって、処理対象である油脂結晶の部分的な加熱ムラによる液状化不良を起こさずに連続的にしかも小型の装置で処理が可能となる。
ここで、本発明のうち請求項1に記載の発明は、マイクロ波による固形油脂性食品の油脂結晶の安定化装置において、固形油脂性食品を収容した箱を、入口側から内部へ導入して該内部を通過させて出口側から排出可能な単一のマイクロ波炉体と、上記マイクロ波炉体の外部に配置され、上記マイクロ波炉体の内部に位置する上記箱に照射されるマイクロ波を生成するマイクロ波電源と、上記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波を上記マイクロ波炉体内へ伝送する導波管と、上記マイクロ波炉体の上記入口側に隣接して配置され、上記マイクロ波炉体からマイクロ波が外部に漏洩することを防止する入口側電波吸収ゾーンと、上記マイクロ波炉体の上記出口側に隣接して配置され、上記マイクロ波炉体からマイクロ波が外部に漏洩することを防止する出口側電波吸収ゾーンと、上記入口側電波吸収ゾーンから上記マイクロ波炉体の内部を通過して上記出口側電波吸収ゾーンにかけて延長し、上記箱を上記入口側電波吸収ゾーンから上記マイクロ波炉体の内部を通過して上記出口側電波吸収ゾーンへ搬送するコンベアベルトを備えたベルトコンベアと、上記入口側電波吸収ゾーンにおいて、上記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように上記コンベアベルトで搬送される上記箱の下面側に配置され、上記箱の下部の温度を測定する非接触式の入口側赤外線放射温度計と、上記マイクロ波炉体内において、上記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように上記コンベアベルトで搬送される上記箱の下面側に配置され、上記箱の下部の温度を測定する非接触式の中間位置赤外線放射温度計と、上記マイクロ波電源のオン/オフを制御するマイクロ波電源制御装置とを有し、上記マイクロ波電源制御装置は、上記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波により、上記箱に収容された上記固形油脂性食品の温度が+3℃〜+15℃の間で昇温されるように、上記入口側赤外線放射温度計と上記中間位置赤外線放射温度計との測定温度に応じて上記マイクロ波電源のオン/オフを制御し、上記固形油脂性食品の温度+3℃〜+15℃の間で昇温して加熱することにより、上記固形油脂性食品の油脂結晶を安定な結晶に転移するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、さらに、上記出口側電波吸収ゾーンにおいて、上記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように上記コンベアベルトで搬送される上記箱の下面側に配置され、上記箱の下部の温度を測定する非接触式の出口側赤外線放射温度計とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、さらに、上記マイクロ波炉体内において回転自在に配設され、上記導波管により上記マイクロ波炉体内へ伝送されたマイクロ波を拡散するスターラ羽とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記箱は、紙類を組成として含む材料により形成され、上記固形油脂性食品は、ブロック状またはシート状に形成されるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記マイクロ波電源制御装置は、上記マイクロ波電源が生成するマイクロ波の照射パワー密度を0.8kW/m 〜8.0kW/m 制御するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の発明において、上記コンベアベルトは、ガラス繊維とポリテトラフルオロエチレンを混合させた材料またはアラミド繊維により形成されるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、処理時間の短縮化を図ることができるようになるとともに、広い保管場所などを必要とすることがなく、しかも、温度制御の制御性を向上することができ、かつ、装置全体の小型化を図りながら連続的な処理が可能になるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面に基づいて、本発明による油脂結晶の安定化装置の実施の形態の一例について説明する。
図1には、本発明の実施の形態の一例による油脂結晶の安定化装置の構成説明図が示されている。
この本発明の実施の形態の一例による油脂結晶の安定化装置(以下、単に「安定化装置」と適宜に称する。)10は、植物性油脂や動物性油脂などを原料とする溶融油脂を冷却または急速冷却して製造した固形油脂性食品の入った段ボール箱(以下、単に「段ボール箱」と称する。)12に照射するマイクロ波を生成するためのマイクロ波照射手段たるマイクロ波電源14と、マイクロ波電源14により生成されたマイクロ波を単一のマイクロ波炉体16内へ伝送するための導波管18と、導波管18によりマイクロ波炉体16内へ伝送されたマイクロ波を拡散させるためにマイクロ波炉体16内において回転自在に配設されたスターラ羽20と、スターラ羽20を回転するためのモータ22と、マイクロ波炉体16からマイクロ波が外部に漏洩することを防止するためにマイクロ波炉体16の入口側に隣接して配置された入口側電波吸収ゾーン24aと、マイクロ波炉体16からマイクロ波が外部に漏洩することを防止するためにマイクロ波炉体16の出口側に隣接して配置された出口側電波吸収ゾーン24bと、段ボール箱12を入口側電波吸収ゾーン24aからマイクロ波炉体16を通過して出口側電波吸収ゾーン24bへと搬送するための無端状のコンベアベルト26と、コンベアベルト26を張設するために段ボール箱12を投入する一方の側(入口側)の端部に位置する従動ローラ28と、コンベアベルト26を張設するために段ボール箱12を排出する他方の側(出口側)の端部に位置するアイドルローラ30と、従動ローラ28とアイドルローラ30とにより張設されたコンベアベルト26をさらに緊密に張設するためのガイドローラ31と、従動ローラ28と無端状のチェーン32を介して連結されて従動ローラ28を駆動することによりコンベアベルト26を搬送する駆動モータ34と、コンベアベルト26で搬送される段ボール箱12の下面側に位置するようにして従動ローラ28に隣接して配置された非接触式の入口側赤外線放射温度計36aと、コンベアベルト26で搬送される段ボール箱12の下面側に位置するようにしてアイドルローラ30に隣接して配置された非接触式の出口側赤外線放射温度計36bと、コンベアベルト26で搬送される段ボール箱12の下面側に位置するようにしてマイクロ波炉体16が延長する領域の下面側に配置された非接触式の中間位置赤外線放射温度計36cと、マイクロ波電源14のオン/オフを制御してマイクロ波の連続照射と断続照射とを適宜に切り換えるように制御するための制御手段たるマイクロ波電源制御装置38とを有して構成されている。
なお、この実施の形態においては、コンベアベルト26と、従動ローラ28と、アイドルローラ30と、ガイドローラ31と、チェーン32と、駆動モータ34とにより、マイクロ波が照射される領域たるマイクロ波炉体16内に段ボール箱12を連続的に搬送するための搬送手段たるベルトコンベアが構成されている。
また、コンベアベルト26は、例えば、ガラス繊維とテフロン(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレンを混合させた材料またはアラミド繊維により形成することができる。

以上の構成において、固形油脂性食品の入った段ボール箱12を、入口側電波吸収ゾーン24a側からコンベアベルト26に投入する。なお、この段ボール箱12のコンベアベルト26への投入時点においては、段ボール箱12に収容された固形油脂性食品の油脂結晶は不安定な結晶体である。
そして、このコンベアベルト26への段ボール箱12の投入時に、入口側赤外線放射温度計36aにより段ボール箱12の下部の温度を計測する。
なお、段ボール箱12の下部の温度と段ボール箱12に収容される収容物(この実施の形態においては、固形油脂性食品である。)の温度との間には、相関関係があることが知られている。
コンベアベルト26に投入された段ボール箱12は、入口側電波吸収ゾーン24aを通過してマイクロ波炉体16内に導入される。また、中間位置赤外線放射温度計36cにより、段ボール箱12の下部の温度を計測する。
ここで、単一のマイクロ波炉体16内においては、マイクロ波電源14により生成されたマイクロ波が導波管18を介して照射されているが、その照射パワー密度ならびに照射パターン(照射パターンは、連続照射と断続照射との2種類ある。)は、マイクロ波電源制御装置38により制御される。マイクロ波の照射パワー密度は、例えば、0.8kW/m〜8.0kW/mであることが好ましい。
なお、マイクロ波電源制御装置38による照射パワー密度ならびに照射パターンの制御の際には、入口側赤外線放射温度計36aならびに中間位置赤外線放射温度計36cにより計測された温度データも参考にするように制御すればよい。
即ち、マイクロ波電源制御装置38は、入口側赤外線放射温度計36aならびに中間位置赤外線放射温度計36cによる測定温度に応じてマイクロ波電源14を制御して、段ボール箱12に収容された固形油脂性食品の昇温状態を制御する。
ダンボール箱12に収容された固形油脂性食品は、マイクロ波炉体16内におけるマイクロ波の照射により、その温度が+3℃〜+15℃の間で昇温されるようになされることが好ましく、固形油脂性食品の温度が+3℃〜+15℃の間で昇温されて加熱されることにより、固形油脂性食品の油脂結晶が安定化される。
それから、同一のマイクロ波炉体16内においてマイクロ波を照射されたダンボール箱12は、出口側電波吸収ゾーン24bを通過して、出口側赤外線放射温度計36bにより段ボール箱12の下部の温度を計測され、コンベアベルト26から排出される。

次に、本願発明者により実施された実験の結果について説明する。なお、実験は、実験1と実験2との2つの実験を行った。

〔実験1〕
固形油脂性食品としてマーガリン10kgを収容したダンボール箱12に対して、マイクロ波を2分間連続で3.2kW/mで照射した。その結果は、以下の通りである。
昇温ΔT平均は、7℃(段ボール箱12の中の温度のバラツキは3℃であった。)であった。また、加熱処理後の加工性(ホイップ性)を調査したところ、十分な加工性を有しており、油脂結晶が安定化したことがわかった。

〔実験2〕
固形油脂性食品としてマーガリン10kgを収容したダンボール箱12に対して、マイクロ波を4分間断続的に3.2kW/mで照射した。なお、このマイクロ波の4分間の断続的照射は、具体的には、1分間のオン(マイクロ波照射)と1分間のオフ(マイクロ波照射せず)とを繰り返し、処理時間がトータルで4分間になるようにした。その結果は、以下の通りである。
昇温ΔT平均は、7℃(段ボール箱12の中の温度のバラツキは1℃であった。)であった。また、加熱処理後の加工性(ホイップ性)を調査したところ、十分な加工性を有しており、油脂結晶が安定化したことがわかった。
加熱処理後の加工性(ホイップ性)を調査したところ、上記した実験1よりも十分な加工性を有しており、結晶性もより安定化したものであることがわかった。

即ち、この安定化装置10は、上記したように構成されるため、マイクロ波エネルギーを利用して、固形油脂性食品の油脂結晶の結晶転移を短時間で行うことが可能となり、かつ、昇温温度の制御が可能となって、処理対象である固形油脂性食品の油脂結晶の部分的な加熱ムラによる液状化不良を起こさずに連続的にしかも小型の装置で処理することが可能となる。
つまり、安定化装置10を用いることにより、従来においては数日から数週間必要であった固形油脂性食品の油脂結晶の安定化処理の処理時間を著しく短縮化することができるようになり、しかも、それを装置全体を小型化を図りながら実現でき、さらにはその安定化処理を連続的に温度制御よく行うことができるようになる。

なお、上記した実施の形態においては、植物性油脂や動物性油脂などを原料とする溶融油脂を冷却または急速冷却して製造した固形油脂性食品を段ボール箱12に収容するようにしたが、固形油脂性食品を収容する箱の素材は段ボール紙に限られるものではないことは勿論であり、箱の素材としてはダンボール紙や他の紙類などのように各種の紙類を組成として含む材料を用いることができる。
また、段ボール箱12に収容する固形油脂性食品の形状について詳細な説明は省略したが、固形油脂性食品の形状としては、高さ方向が厚いブロック状や高さ方向が薄いシート状など各種の形状を用いることができる。
また、上記した実施の形態においては、非接触式の入口側赤外線放射温度計36a、出口側赤外線放射温度計36bおよび中間位置赤外線放射温度計36cの配設場所について詳細な説明は省略したが、入口側赤外線放射温度計36a、出口側赤外線放射温度計36bおよび中間位置赤外線放射温度計36cは、安定化装置10の内部に設けてもよいし、あるいは、安定化装置10の外部に設けてもよい。要は、入口側赤外線放射温度計36a、出口側赤外線放射温度計36bおよび中間位置赤外線放射温度計36cは、マイクロ波の照射を直接的に受けて測定温度の精度が悪化することがないように、マイクロ波の照射を直接的に受けることがない場所、例えば、段ボール箱12の下側などに配設すればよい。
また、上記した実施の形態においては、段ボール箱12に対して一方向、具体的には、図1において段ボール箱12に対して上方向からマイクロ波を照射する場合を示したが、マイクロ波を照射する方向はこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、段ボール箱12に対して上下の2方向や段ボール箱12に対して全方向など、適宜の方向からマイクロ波を照射するようにしてもよい。
本発明は、主に油脂製造分野、具体的には業務用または家庭用マーガリン・ショートニングあるいはチョコレ−トなどの製造に利用することができる。
図1は、本発明の実施の形態の一例によるマイクロ波による油脂結晶の安定化装置の構成説明図である。
符号の説明
10 マイクロ波による油脂結晶の安定化装置(安定化装置)
12 固形油脂性食品の入った段ボール箱(段ボール箱)
14 マイクロ波電源
16 マイクロ波炉体
18 導波管
20 スターラ羽
22 モータ
24a 入口側電波吸収ゾーン
24b 出口側電波吸収ゾーン
26 コンベアベルト
28 従動ローラ
30 アイドルローラ
31 ガイドローラ
32 チェーン
34 駆動モータ
36a 入口側赤外線放射温度計
36b 出口側赤外線放射温度計
36c 中間位置赤外線放射温度計
38 マイクロ波電源制御装置

Claims (6)

  1. マイクロ波による固形油脂性食品の油脂結晶の安定化装置において、
    固形油脂性食品を収容した箱を、入口側から内部へ導入して該内部を通過させて出口側から排出可能な単一のマイクロ波炉体と、
    前記マイクロ波炉体の外部に配置され、前記マイクロ波炉体の内部に位置する前記箱に照射されるマイクロ波を生成するマイクロ波電源と、
    前記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波を前記マイクロ波炉体内へ伝送する導波管と、
    前記マイクロ波炉体の前記入口側に隣接して配置され、前記マイクロ波炉体からマイクロ波が外部に漏洩することを防止する入口側電波吸収ゾーンと、
    前記マイクロ波炉体の前記出口側に隣接して配置され、前記マイクロ波炉体からマイクロ波が外部に漏洩することを防止する出口側電波吸収ゾーンと、
    前記入口側電波吸収ゾーンから前記マイクロ波炉体の内部を通過して前記出口側電波吸収ゾーンにかけて延長し、前記箱を前記入口側電波吸収ゾーンから前記マイクロ波炉体の内部を通過して前記出口側電波吸収ゾーンへ搬送するコンベアベルトを備えたベルトコンベアと、
    前記入口側電波吸収ゾーンにおいて、前記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように前記コンベアベルトで搬送される前記箱の下面側に配置され、前記箱の下部の温度を測定する非接触式の入口側赤外線放射温度計と、
    前記マイクロ波炉体内において、前記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように前記コンベアベルトで搬送される前記箱の下面側に配置され、前記箱の下部の温度を測定する非接触式の中間位置赤外線放射温度計と、
    前記マイクロ波電源のオン/オフを制御するマイクロ波電源制御装置と
    を有し、
    前記マイクロ波電源制御装置は、前記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波により、前記箱に収容された前記固形油脂性食品の温度が+3℃〜+15℃の間で昇温されるように、前記入口側赤外線放射温度計と前記中間位置赤外線放射温度計との測定温度に応じて前記マイクロ波電源のオン/オフを制御し、
    前記固形油脂性食品の温度+3℃〜+15℃の間で昇温して加熱することにより、前記固形油脂性食品の油脂結晶を安定な結晶に転移する
    ことを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
  2. 請求項1に記載の油脂結晶の安定化装置において、さらに、
    前記出口側電波吸収ゾーンにおいて、前記マイクロ波電源により生成されたマイクロ波が直接的に照射されることがないように前記コンベアベルトで搬送される前記箱の下面側に配置され、前記箱の下部の温度を測定する非接触式の出口側赤外線放射温度計と
    を有することを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の油脂結晶の安定化装置において、さらに、
    前記マイクロ波炉体内において回転自在に配設され、前記導波管により前記マイクロ波炉体内へ伝送されたマイクロ波を拡散するスターラ羽と
    を有することを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の油脂結晶の安定化装置において、
    前記箱は、紙類を組成として含む材料により形成され、
    前記固形油脂性食品は、ブロック状またはシート状に形成された
    ことを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3または請求項のいずれか1項に記載の油脂結晶の安定化装置において、
    前記マイクロ波電源制御装置は、前記マイクロ波電源生成するマイクロ波の照射パワー密度を0.8kW/m〜8.0kW/mに制御する
    ことを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
  6. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の油脂結晶の安定化装置において、
    前記コンベアベルトは、ガラス繊維とポリテトラフルオロエチレンを混合させた材料またはアラミド繊維により形成された
    ことを特徴とする油脂結晶の安定化装置。
JP2005225722A 2005-08-03 2005-08-03 油脂結晶の安定化装置 Expired - Fee Related JP4279808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005225722A JP4279808B2 (ja) 2005-08-03 2005-08-03 油脂結晶の安定化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005225722A JP4279808B2 (ja) 2005-08-03 2005-08-03 油脂結晶の安定化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007037467A JP2007037467A (ja) 2007-02-15
JP4279808B2 true JP4279808B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=37796001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005225722A Expired - Fee Related JP4279808B2 (ja) 2005-08-03 2005-08-03 油脂結晶の安定化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4279808B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110135805A1 (en) * 2009-12-08 2011-06-09 Doucet Jim R High diglyceride structuring composition and products and methods using the same
KR20150102950A (ko) * 2012-10-11 2015-09-09 비티유 인터내셔날, 인코포레이티드 하이브리드 마이크로웨이브 및 방사 가열 퍼니스 시스템
DE102017104064B4 (de) * 2017-02-27 2023-02-02 Dieffenbacher GmbH Maschinen- und Anlagenbau Verfahren zum Betreiben eines Durchlaufofens und Durchlaufofen

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007037467A (ja) 2007-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4279808B2 (ja) 油脂結晶の安定化装置
ATE538623T1 (de) Mikrowellenerwärmungsvorrichtung und erwärmungsverfahren
EP2986142B1 (en) Improved food cooking installation.
DK178594B1 (da) Fremgangsmåde og apparat til dampkogning
KR20140029438A (ko) 후속 프레스 경화작업을 위한 성형 부품의 가열방법 및 소정 온도로 예열된 성형 부품을 보다 높은 온도로 국부적으로 가열하기 위한 연속로
CN102010979B (zh) 钢丝穿管式加热水淬保温组合式等温淬火设备
CA2655761A1 (en) Cosmetic product sterilization
CN111699356A (zh) 用于处理铝带材的连续炉
JP6133359B2 (ja) 金属部材を熱処理する方法
UA120184C2 (uk) Універсальна технологічна лінія для термічної обробки сталевої смуги і нанесення покриття методом гарячого занурення
CN116119912B (zh) 一种水冷退火窑及水冷退火工艺
JP2005336570A (ja) 鋼の油焼入方法及び装置
EP3621455A1 (en) Apparatus and method to treat dairy products
US2904321A (en) Liquid bath furnace and methods for continuous heat treatment of articles of manufacture
JP2020026899A (ja) 加熱炉
JP2005310645A (ja) 高周波焼入装置
US1891981A (en) Heat treating oven
KR20140086191A (ko) 강판 열처리용 다단 급냉 장치
TW201910520A (zh) 淬火裝置
JP5301186B2 (ja) 加熱装置
KR20180069321A (ko) 압연설비
CN101048517A (zh) 高频热处理装置、高频热处理方法及高频热处理产品
KR910006550Y1 (ko) 열처리용 초기 균일 급냉장치
JP2023143329A (ja) 流体供給管を備えた食品処理槽
US20070057406A1 (en) Method of shaped sleeve forming and its apparatuses

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090312

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees