JP4279486B2 - ワイパモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の窓ガラスを払拭するためのワイパ装置に使用されるワイパモータに関し、特に、ウオーム歯車減速装置が組み付けられたギヤフレームと、これを閉塞するカバーとの組付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の窓ガラスを払拭するためのワイパ装置に使用されるワイパモータは、モータの回転子軸を回転自在に支承したモータハウジングと、このモータハウジングに連結されウオーム歯車減速装置が組み付けられたギヤフレームと、このギヤフレームの開口を閉塞したカバーと、モータに電力を供給するリード(導電部材)とを備えている。また、ワイパモータにはワイパブレードを窓の下端位置に自動的に常に停止させるためのオートストップスイッチ(自動定位置停止装置)が組み込まれるのが、通例である。したがって、一般的なワイパモータには原動機としてのモータ(以下、モータ部という。)のブラシ装置に接続された電気配線のリードと、オートストップスイッチに接続されるリードとが配線されている。
【0003】
また、ワイパモータにはモータ部を間欠制御等するための制御回路装置(以下、コントローラという。)が電気的に接続される。従来のこの種のコントローラとして配線基板にトランジスタやコンデンサおよび抵抗等の電気部品を実装して一体化したものがあり、このコントローラがギヤフレームに形成された保持部に保持されたワイパモータがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
モータ部のブラシ装置に給電するためのリードと、オートストップスイッチのリードと、コントローラを搭載した配線基板の配線との電気的接続部をアーマチュアの上側に設けることによりモータハウジングの外径が大きくなるとともに、ギヤフレームとカバーとの合わせ面が三次元形状に形成される場合がある。このようにギヤフレームとカバーとの合わせ面が三次元形状に形成されると、液状のシール材(例えば、ブチルゴム)を合わせ面に塗布する塗布装置の構造が複雑かつ高価になるとともに、液状のシール材の塗布量等の管理が困難になるため、ワイパモータの製造コストが増大してしまう。
【0005】
そこで、ギヤフレームとカバーとの合わせ面が三次元形状になるのを回避してモータ部のブラシ装置に給電するためのリードと、オートストップスイッチのリードと、コントローラを搭載した配線基板との電気的接続部のいずれかをギヤフレームとカバーとの合わせ面に配置することが考えられるが、この場合には、合わせ面に塗布する液状のシール材が電気的接続部に付着することにより、電気的接続不良(導通不良)が発生する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、製造コストの増加を抑制しつつ電気的接続不良の発生を防止することができるワイパモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)モータハウジングと、
前記モータハウジングの内側に配置されたマグネットと、
前記モータハウジングに回転自在に支承された回転子軸と、
前記マグネットの内側に配置され、前記回転子軸に固定されたアーマチュアと、
前記回転子軸に固定され、前記アーマチュアに隣接して固定されたコミテータと、
前記コミテータを介して前記アーマチュアに給電するブラシ装置と、
減速機構が収容される収容部を有し、前記モータハウジングに結合されたギヤフレームと、
前記ギヤフレーム内に配置され、前記ブラシ装置に電気的に接続された複数のコンセントと、
前記ギヤフレームに取り付けられるカバーと、
前記カバーに設けられ、一端部は前記カバーが前記ギヤフレームに取り付けられる際に、前記複数のコンセントにそれぞれ嵌入されて電気的に接続されるリードと、
を備えているワイパモータにおいて、
前記カバーの前記収容部側の端面には、合わせ面よりも前記ギヤフレーム側に突出した植込部が形成され、前記複数のコンセントにそれぞれ電気的に接続される前記リードの先端部分が前記植込部の端面から突出して形成され、
前記ギヤフレームの開口端には、前記出力軸に対して直角となる二次元平面状を有し、全周にわたって高さが一定に形成された環状突条が前記ギヤフレームと一体に形成され、
前記カバーには、前記環状突条と嵌合し、前記環状突条との前記合わせ面が前記出力軸に対して直角となる二次元平面状の環状溝が形成され、
前記環状溝と前記環状突条との間には、前記環状溝内に塗布され、前記リードが前記コンセント内に嵌入された後に、前記環状突条が前記環状溝内に嵌合されると、前記環状突条の全周に塗布される液状のシール材が配置される、
ことを特徴とするワイパモータ。
(2)前記液状のシール材は、液状のブチルゴムであることを特徴とする前記(1)に記載のワイパモータ。
【0008】
前記(1)によれば、ギヤフレームとカバーとの合わせ面が二次元の平面に形成されていることにより、この合わせ面に液状のシール材を塗布するための塗布装置の液状のシール材の吐出口は二次元の平面を移動すれば済むため、塗布装置の構造を簡単化することができる。
また、リードのプラグが突設された植込部の先端面は合わせ面よりもギヤフレーム側に位置しているため、合わせ面に塗布された液状のシール材がプラグに付着するのを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
図1および図2に示されているように、本発明に係るワイパモータ1は、モータ部10とウオーム歯車減速装置部(以下、ギヤ部という。)20とを備えており、モータ部10とギヤ部20とは直列的に連設されてビスによって固定されている。モータ部10は界磁極としてのマグネット(図示せず)が円筒形状に配置されて固定されたモータハウジング11と、モータハウジング11に回転自在に支承された回転子軸12と、この回転子軸12と一体回転するアーマチュア13およびコミテータ14と、コミテータ14を介してアーマチュア13に給電するブラシ装置15と、モータ部10を制御するためのコントローラが搭載された配線基板16を備えている。
【0011】
図3に示されているように、配線基板16はエポキシ樹脂等の絶縁性を有する樹脂が使用されて略長方形の平盤形状に成形されており、ブラシ装置15のブラシホルダステー15aのコミテータ14と反対側の端面に直角に連結されている。配線基板16にはコントローラを構築するICやコンデンサ、コイルおよび抵抗等が搭載されている。配線基板16の一側面の一端部には三個のコンセント17が直列に並べられて形成されている。
【0012】
図1、図2および図4に示されているように、モータハウジング11にはギヤ部20のギヤフレーム21が直列的に配されて固装されている。ギヤフレーム21はモータハウジング11の一端開口部に印籠結合する円筒形状に形成された連結部21aと、角部が大きく弯曲した大略三角形で一端面が開口し他端面が閉塞した短尺の筒形状に形成された収納部21bとを備えており、ギヤフレーム21はアルミニウムを使用した鋳造法(アルミダイキャスト法)によって一体成形されている。収納部21bは連結部21aのモータハウジング11と反対側端部に連結部21aの中心線の延長線を含む平面と平行に配されて一体的に突設されており、収納部21bの後記するカバーとの合わせ面である開口側端面(以下、合わせ面という。)は、二次元の平面内に含まれるようになっている。収納部21bの合わせ面には断面が略正方形の側壁形状に形成された環状突条21cが全周にわたって一定高さに一体的に突設されており、環状突条21cは後記するカバーの環状溝と嵌合するように設定されている。
【0013】
収納部21bの連結部21aとの境目付近の片側端部には配線基板16を保持するための保持部21dが一体的に成形されており、保持部21dは配線基板16の三個のコンセント17が形成された部分を保持し得る形状に形成されている。保持部21dの一端面は収納部21bの開口側において開口しており、他端面は収納部21bの閉塞側において閉塞している。保持部21dの収納部21bの内側を向く側壁は収納部21bと連通した状態で開口しており、保持部21dには配線基板16が連結部21aの側から嵌入されている。配線基板16が保持部21dに嵌入された状態において、配線基板16の一側面の一端部に並んだ三個のコンセント17は、保持部21dの開口部内において保持部21dの端面から引っ込んだ面内で露出した状態になっている。保持部21dは環状突条21cの内側に配置されており、保持部21dの開口面は環状突条21cの端面から離間されている。
【0014】
図2および図4に示されているように、モータ部10の回転子軸12はギヤフレーム21の収容部21bに挿入されている。ギヤフレーム21の収納部21bにおける回転子軸12の挿入端部には互いに反対向きのねじれを有する一対のウオーム18、19がそれぞれ一体的に刻設されており、両ウオーム18、19にそれぞれ対向する位置であって、回転子軸12に対して互いに反対側の両脇位置には、一対の支軸22、23が回転子軸12の方向と直角方向にそれぞれ立設されている。両支軸22、23には一対のウオームホイール24、25がそれぞれ外嵌されて回転自在に支承されており、両ウオームホイール24、25は両ウオーム18、19にそれぞれ噛合されている。両ウオームホイール24、25には各ピニオンギヤ26、27がそれぞれ軸芯合わせされて連設されており、両ピニオンギヤ26、27は駆動ギヤ28にそれぞれ噛合されている。駆動ギヤ28はワイパ装置(図示せず)におけるクランク軸29に一体回転するように外装されており、このワイパモータの出力軸としてのクランク軸29は回転子軸12の片脇において回転子軸12の方向と直角方向に配されて、収納部21bの閉塞壁に挿通されて回転自在に支承されている。
【0015】
図1および図2に示されているように、ギヤフレーム21の収納部21bの開口面には、図5に示されたカバー30が被せ付けられている。図5に示されているように、カバー30は収納部21bに対応した大略三角形の皿形状に樹脂が用いられてモールド成形された本体31を備えており、本体31は収納部21bの開口を閉塞し得るように設定されている。本体31におけるギヤフレーム21の収納部21b側を向く端面は二次元の平面からなる合わせ面を形成しており、この合わせ面における外周部には収納部21bの環状突条21cと嵌合する断面略正方形の環状溝32が、全周にわたって一定深さ一定幅に没設されている。環状溝32に液状のシール材(例えば、ブチルゴム)が塗布された後に、環状溝32に環状突条21cが嵌入されると、カバー30の本体31はギヤフレーム21の収納部21bに気密シールされて被せ着けられた状態になる。本体31の外周には複数個の鍔部33が周方向に間隔を置いて径方向に突設されており、本体31はこれらの鍔部33に挿通されるビスによってギヤフレーム21にねじ止めされるようになっている。
【0016】
図5に示されているように、カバー30の本体31の端面壁の体内には三本のリード34が互いに平行に配線されてインサートモールドされており、各リード34の両端部には外側プラグ35と内側プラグ36とがそれぞれ形成されている。各リード34において、外側プラグ35は本体31の端面壁と平行になるように屈曲され、内側プラグ36は本体31の端面壁と直角になるように屈曲されている。本体31の外周におけるモータハウジング11と反対側の端部には、図5(c)に示されているように、角部が弯曲した略台形の筒形状に形成されたカプラ37が、径方向外向きに突出するように一体的に成形されており、カプラ37の内部には三本の外側プラグ35がそれぞれ直列に並ぶように配置されて径方向外向きに挿入されている。
【0017】
カバー30の本体31の収納部21b側を向く端面における保持部21dに対向した部位には、植込部38が保持部21dの開口部の内形に対応した長方形の平盤形状に突設されており、植込部38の端面には三本のリード34の内側プラグ36が直列に並べられてそれぞれ直角に立脚するように植え込まれている。三本の内側プラグ36は配線基板16のコンセント17に嵌入して電気的に接続し得るように構成されている。植込部38は本体31の環状溝32が没設された二次元の平面である合わせ面よりも突出して保持部21dの開口部内に嵌入するように設定されている。すなわち、植込部38の先端面はカバー30のギヤフレーム21との合わせ面から収納部21bの方向に離間した状態になっており、環状溝32に塗布された液状のシール材が内側プラグ36に付着するのを防止し得るようになっている。
【0018】
図5に示されているように、カバー30の本体31の収納部21bを向く端面の略中央部には、円柱形状に形成された支軸39が直角に突設されている。カバー30の本体31の端面壁の体内における三本のリード(以下、第一群リードという。)34が敷設された領域と支軸39を挟んで反対側の領域には、二本のリード(以下、第二群リードという。)40が互いに略平行に配線されて埋め込まれており、二本の第二群リード40の両端部にはプラグ41と接続部42とがそれぞれ形成されている。二本の第二群リード40のプラグ41は本体31の端面壁と平行になるように屈曲されており、図5(c)に示されているように、カプラ37の内部に第一群リード34の外側プラグ35と平行で互いに直列に並ぶように配置されて径方向外向きにそれぞれ挿入されている。
【0019】
他方、二本の第二群リード40の接続部42には一対のボス43、43が隣合わせに配置されてそれぞれ膨出成形されている。また、三本の第一群リード34のうち支軸39から最も離れた位置のリード(以下、共用リードという。)34aの中間部には接続部42が形成されており、この接続部42にも一対のボス43、43が隣合わせに配置されて膨出成形されている。二本の第二群リード40および共用リード34aの三個の接続部42は本体31の収納部21bを向く端面の支軸39の周りに周方向に適当な間隔をとって配置されており、この三個の接続部42が配置された場所には、コンタクトプレート50を保持するためのホルダ55がそれぞれ設けられている。三箇所のホルダ55の構成は略同一であるので、一つのホルダ55を代表にして、コンタクトプレート50およびホルダ55の構成並びにコンタクトプレート50のホルダ55への組付方法を、図6によって説明する。
【0020】
図6に示されているように、コンタクトプレート50は弾性を有する導電性材料が使用されてプレス加工により矩形の板形状に形成された本体51を備えており、本体51はクランク形状に屈曲されている。本体51の一端部には一対の固定孔52、52が中心線上で横並びに配置されて開設されており、両固定孔52、52は接続部42の一対のボス43、43と嵌合するように設定されている。本体51の固定孔52が開設された端部の両端辺には、一対の係合爪53、53が直角に屈曲されており、両係合爪53、53は略正方形の平板形状に形成されている。本体51の固定孔52と反対側の端部には耐摩耗性を有する導電性材料が使用されて円柱形状に形成されたチップ54が、直角に配されてかしめ加工によって固定されている。
【0021】
図6に示されているように、ホルダ55は本体31の端面壁における接続部42が配置された部分が開設されてなる開口部56を備えており、開口部56は接続部42の一対のボス43、43が突設された部分を露出させるように長方形の窓形状に形成されている。ホルダ55の開口部56の開口縁辺部にはコ字形の側壁形状の位置決め部57が垂直に突設されている。位置決め部57の互いに対向する一対の側壁57a、57aは一対のボス43、43の並んだ方向と平行になっており、この一対の側壁57a、57aにおける閉塞壁57b側の端部の内面には、一対の係合溝58、58が一定幅一定深さにそれぞれ垂直に没設されている。両係合溝58、58はコンタクトプレート50の一対の係合爪53、53と係合するようにそれぞれ設定されている。
【0022】
図6(b)に示されているように、コンタクトプレート50の本体51はホルダ55の位置決め部57へ、両固定孔52、52と両ボス43、43とが、両係合爪53、53と両係合溝58、58とがそれぞれ嵌合される状態で、収納される。コンタクトプレート50がホルダ55に収納された後に、図7(b)に示されているように、接続部42の両ボス43、43がかしめ加工されると、コンタクトプレート50の本体51の両固定孔52、52が両ボス43、43によって締結されるため、コンタクトプレート50の本体51は接続部42に機械的に固定される。コンタクトプレート50の本体51は接続部42に密着されて機械的に固定された状態になるため、コンタクトプレート50は接続部42すなわち第二群リード40および共用リード34aに電気的に接続された状態になる。
【0023】
ところで、係合爪53と係合溝58とが係合されない場合には、コンタクトプレート50がチップ54側の重みでチップ54側に倒れることにより、固定孔52とボス43との嵌合が解除されてしまうため、ボス43のかしめ加工を実施することができない。そこで、コンタクトプレート50を接続部42に機械的かつ電気的に接続するに際しては、コンタクトプレート50が倒れないように治具によって保持して固定孔52とボス43との嵌合を確保した状態で、ボス43にかしめ加工する必要がある。しかし、ボス43をかしめ加工する度に、コンタクトプレート50を治具によって保持する場合には、作業能率が低下してしまう。
【0024】
本実施の形態においては、コンタクトプレート50の本体51がホルダ55の位置決め部57へ収納されるに際して、両固定孔52、52と両ボス43、43とが嵌合されるとともに、両係合爪53、53と両係合溝58、58とが嵌合されるため、コンタクトプレート50がチップ54側の重みでチップ54側に倒れることはなく、固定孔52とボス43との嵌合が解除されてしまうことはない。すなわち、コンタクトプレート50の倒れ込もうとする力は係合爪53と係合溝58との係合によって保持されるため、コンタクトプレート50は倒れることがない。このようにして固定孔52とボス43との嵌合が治具なしでも係合爪53と係合溝58との係合によって維持されるため、ボス43のかしめ加工は高い作業能率をもって実施することができる。
【0025】
以上のコンタクトプレートのホルダへの組付作業により、図7に示されているように、三本のコンタクトプレート50が三箇所のホルダ55にそれぞれ組み付けされる。この組付作業により、三本のコンタクトプレート50は二本の第二群リード40および共用リード34aの接続部42において機械的かつ電気的に接続された状態になるため、二本の第二群リード40のプラグ41および共用リード34aの外側プラグ35にそれぞれ電気的に引き出された状態になる。
【0026】
図8に示されているように、三本のコンタクトプレート50が組み付けられたカバー30の支軸39には、オートストップスイッチを構成するためのリレープレート60が組み付けられる。次に、リレープレート60について説明する。
【0027】
リレープレート60は絶縁性を有する樹脂が使用されて円板形状に形成されたベース61を備えており、ベース61のギヤフレーム21側を向く端面には駆動ギヤ28に正回転時にだけ係合する係合凸部62が突設されている。ベース61のカバー30側を向く端面にはカップ形状に形成されたブラケット63が同心円に固定されており、ブラケット63は支軸39に嵌合されてブッシュナット64およびウエーブワッシャ65により支軸39周りのカバー30の底面との間に位置決めされている。そして、この状態で、リレープレート60は支軸39に回転自在に支承された状態になっている。
【0028】
図8(c)に示されているように、ベース61のカバー30の底面を向く端面には第一導電板66と第二導電板67とが支軸39の中心線に対してそれぞれ同心円になるように配されて、かしめ加工等の適当な手段により固着されている。内側に配された第一導電板66は円形形状に形成されており、外側に配された第二導電板67には非導電部68および停止位置部片69がそれぞれ形成されている。そして、第一導電板66、第二導電板67、非導電部68および停止位置部片69の描く円軌道には、カバー30の対向面に保持された三本のコンタクトプレート50のチップ54がコンタクトプレート50の弾性力によって常時押接するようになっている。これら第一導電板66、第二導電板67、非導電部68および停止位置部片69は、電源、ワイパスイッチ、モータ、コントローラ等からなる電気回路において、モータの電気回路を開閉するオートストップスイッチを構成するようになっている。
【0029】
次に、前記構成に係るカバー30のギヤフレーム21への組付作業および作用効果を説明する。
【0030】
カバー30がギヤフレーム21へ被せ付けられるに際して、液状のシール材(図示せず)がカバー30の環状溝32に塗布装置によって塗布される。この際、カバー30のギヤフレーム21との合わせ面が二次元の平面に形成されていることにより、この合わせ面に液状のシール材を塗布するための塗布装置の液状のシール材の吐出口は二次元の平面を移動すれば済むため、塗布装置の構造を簡単化することができる。また、第一群リード34の内側プラグ36が突設された植込部38の先端面は合わせ面よりもギヤフレーム21側へ突出しているため、合わせ面に塗布された液状のシール材が内側プラグ36に付着するのを防止することができる。
【0031】
液状のシール材が塗布された後に、カバー30はギヤフレーム21に環状溝32に環状突条21cを嵌入させて被せられる。カバー30がギヤフレーム21に被せられると、カバー30の本体31はギヤフレーム21の収納部21bに液状のシール材によって気密シールされて被せ着けられた状態になる。
【0032】
その後、ビス(図示せず)がカバー30の本体31の外周に突設された複数個の鍔部33に挿通されて、ギヤフレーム21の雌ねじ穴にねじ込まれることにより、カバー30はギヤフレーム21にねじ止めされる。
【0033】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0034】
例えば、ウオーム歯車減速装置やオートストップスイッチ等の具体的構造は前記実施の形態の構成に限定されない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ギヤフレームとカバーとの合わせ面が二次元の平面に形成されていることにより、この合わせ面に液状のシール材を塗布するための塗布装置の液状のシール材の吐出口は二次元の平面を移動すれば済むため、塗布装置の構造を簡単化することができ、ひいてはワイパモータの製造コストを低減することができる。また、リードのプラグが突設された植込部の先端面は合わせ面よりもギヤフレーム側に位置しているため、合わせ面に塗布された液状のシール材がプラグに付着するのを防止することができ、液状のシール材の付着による電気的接続不良が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す斜視図である。
【図2】その一部省略一部切断平面図である。
【図3】配線基板を示す斜視図である
【図4】ギヤ部を示す斜視図である。
【図5】カバーを示しており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のc−c線に沿う部分側面図である。
【図6】コンタクトプレートのホルダへの組み付け作業を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は組立斜視図である。
【図7】コンタクトプレートの組付後のカバーを示しており、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図である。
【図8】リレープレートの組付後のカバーを示しており、(a)は正面図、(b)は平面断面図、(c)はリレープレートの背面図である。
【符号の説明】
1…ワイパモータ、10…モータ部、11…モータハウジング、12…回転子軸、13…アーマチュア、14…コミテータ、15…ブラシ装置、15a…ブラシホルダステー、16…配線基板、17…コンセント、18、19…ウオーム、20…ギヤ部、21…ギヤフレーム、21a…連結部、21b…収納部、21c…環状突条、21d…保持部、22、23…支軸、24、25…ウオームホイール、26、27…ピニオンギヤ、28…駆動ギヤ、29…クランク軸、30…カバー、31…本体、32…環状溝、33…鍔部、34…第一群リード、34a…共用リード、35…外側プラグ、36…内側プラグ、37…カプラ、38…植込部、39…支軸、40…第二群リード、41…プラグ、42…接続部、43…ボス、50…コンタクトプレート、51…本体、52…固定孔、53…係合爪、54…チップ、55…ホルダ、56…開口部、57…位置決め部、57a…側壁、57b…閉塞壁、58…係合溝、59…保持部、60…リレープレート、61…ベース、62…係合凸部、63…ブラケット、64…ブッシュナット、65…ウエーブワッシャ、66…第一導電板、67…第二導電板、68…非導電部、69…停止位置部片。
Claims (2)
- モータハウジングと、
前記モータハウジングの内側に配置されたマグネットと、
前記モータハウジングに回転自在に支承された回転子軸と、
前記マグネットの内側に配置され、前記回転子軸に固定されたアーマチュアと、
前記回転子軸に固定され、前記アーマチュアに隣接して固定されたコミテータと、
前記コミテータを介して前記アーマチュアに給電するブラシ装置と、
減速機構が収容される収容部を有し、前記モータハウジングに結合されたギヤフレームと、
前記ギヤフレーム内に配置され、前記ブラシ装置に電気的に接続された複数のコンセントと、
前記ギヤフレームに取り付けられるカバーと、
前記カバーに設けられ、一端部は前記カバーが前記ギヤフレームに取り付けられる際に、前記複数のコンセントにそれぞれ嵌入されて電気的に接続されるリードと、
を備えているワイパモータにおいて、
前記カバーの前記収容部側の端面には、合わせ面よりも前記ギヤフレーム側に突出した植込部が形成され、前記複数のコンセントにそれぞれ電気的に接続される前記リードの先端部分が前記植込部の端面から突出して形成され、
前記ギヤフレームの開口端には、前記出力軸に対して直角となる二次元平面状を有し、全周にわたって高さが一定に形成された環状突条が前記ギヤフレームと一体に形成され、
前記カバーには、前記環状突条と嵌合し、前記環状突条との前記合わせ面が前記出力軸に対して直角となる二次元平面状の環状溝が形成され、
前記環状溝と前記環状突条との間には、前記環状溝内に塗布され、前記リードが前記コンセント内に嵌入された後に、前記環状突条が前記環状溝内に嵌合されると、前記環状突条の全周に塗布される液状のシール材が配置される、
ことを特徴とするワイパモータ。 - 前記液状のシール材は、液状のブチルゴムであることを特徴とする請求項1に記載のワイパモータ。
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