JP4279426B2 - 高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置 - Google Patents

高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力の配給側(配電線路の受電設備)と自家用変電設備との間に、
変圧された電力を引き込む引込ケーブルのシールドテープの断線を、ケーブル側
に何ら手を加えないで容易に検出できる高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、構外の電力会社の送電線(R相、S相、T相)からの高圧(例えば20000V)を引込柱等に設けた受電設備1で一旦受電して6600V程度に変電し、高圧ケーブルである引込みケーブル3で構内の自家用変電設備2に送電する。一般的にこの引込みケーブル3は、導体である芯線3aの廻りに内部半導電層が形成され、その外側に架橋ポリエチレン等からなる絶縁体が形成され、その外側に外部半導電層が形成され、その外部半導電層の外側に遮蔽用銅テープによるシールドテープ3bが形成され、最外部にビニルシースなどの絶縁層が形成さ
れている。
【0003】
このシールドテープ3bが、例えば腐食、機械的強度、外傷などの原因により異常を生ずる場合がある。この場合には、異常箇所で放電を発生することがあり、電気破壊事故に直結するなど大きな問題となる。
【0004】
このようなシールドテープ3bの異常を検知するものに特公平6−14086号の単芯ケーブル遮蔽異常監視装置がある。
【0005】
この単芯ケーブル遮蔽異常監視装置は、図5に示すように、ケーブル5の各相の遮蔽テープ5R,5S,5Tの下流側端部にこれらの遮蔽テープを一括接続して、遮蔽テープの異常電圧を検出する異常電圧検出報知装置6を設けている。
【0006】
また、遮蔽テープ5R,5S,5Tの各々の上流側端部に遮蔽接地切替えスイッチ7R,7S,7Tが設けられており、これらの遮蔽接地切替えスイッチは常閉接点であり、一方が各々の遮蔽テープに接続され、他方がアースに接地されている。
【0007】
また、遮蔽接地切替えスイッチの常閉接点は、一括して静電容量8、抵抗器9、アレスタが並列接続されている。
【0008】
上記の様に構成された単芯ケーブル遮蔽異常監視装置は、異常電圧検出警報装置6が遮蔽テープ5R,5S,5Tの異常電圧を検出したとき、若しくは、任意のタイミングで遮蔽接地切替えスイッチ7R,7S,7Tを切替え、それに伴い抵抗計9が遮蔽テープ5R,5S,5Tの抵抗値を測定し、異常状態かどうかを判別していた。
【0009】
また、別の一例としては、図6に示す特開昭58−106473号の遮蔽テープ異常発見方法のように、遮蔽テープの下流側端部を一括接続接地して、その一括接地線に変流器を設ける方法がある。
【0010】
この変流器に警報機を接続し、異常事故の際に警報を発することにより、異常状態を認識させていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の単芯ケーブル遮蔽異常監視装置は、異常電圧を検出したとき、若しくは、任意のタイミングで抵抗値を測定して、その時点に於いてのみ異常が有ったか無かったかを判別するものである。
【0012】
単芯ケーブル異常は、発生をいち早く認識することが大切であり、上記の方法では、異常判断前に事故になることを防ぐ効果はあまり期待できない。それどころか、接点を有する切替器である遮蔽接地切替えスイッチを用いているので、経時的なことなどの何らかの原因で接点異常が発生し、火災などの異常以外の思わぬ事故が発生する虞もある。
【0013】
更に、既設の引込みケーブルにこの装置を用いる場合は、装置を割り込み配線する工事が必要になり、割り込み接続部は、安全上に人が触れないように、且つ、接続部の状態確認をし易い作業をしなければならず、それに手間がかかるので、その間は長時間送電が停止してしまう問題もあり、運用開始後は接続部の経時変化や突発異常の有無も確認し続けなければならないなど問題があった。
【0014】
後述の遮蔽テープ異常発見方法では、引込みケーブルの両端が接地処理されているので、迷走電流の流入や、各相の遮蔽テープ間の循環電流が発生し、正確な測定がしにくいという問題がある。かと言って、変流器のない引込みケーブル端を開放するとループ回路が形成できずに測定ができない。
【0015】
従って、シールドテープを非接触で常に監視できるのが望ましい。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、商用電力を供給する受電設備と自家用変電設備とを接続させる高圧引込みケーブルのシールドテープの断線検出装置であって、
前記高圧引込みケーブルは、
R相のシールドテープ、S相のシールドテープ、T相のシールドテープの受電設備側端を、端部処理した後に各々引出線を経て接地線に接続して、その後一括接地処理し、かつ前記R相、S相、T相のシールドテープの自家用変電設備側端を終端抵抗を介して接続されたものであり、
前記終端抵抗は、
互いに同じ抵抗値の第1の終端抵抗と第2の終端抵抗とを直列接続した直列回路であり、該直列回路の一方を前記R相、S相又はT相のいずれか一方の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続し、他方を前記いずれか一方とは異なる相の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続し、かつ該直列回路の中点を残りの相の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続して設けられ、
前記中点が接続された相のシールドテープの前記引出線に設けられ、その引出線に測定用代替電圧信号を非接触で注入する変成器と、
前記R相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第1の非接触の電流検出器と、
前記S相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第2の非接触の電流検出器と
前記T相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第3の非接触の電流検出器と、
前記変成器に前記測定用代替電圧信号のための電力を供給しながら前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流を比較、または所定値に設定した基準電流値と前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流を比較し、この比較結果から前記R相、S相、T相のシールドテープの断線の有無を知らせるシールドテープ断線判定装置とを有することを要旨とする。
【0017】
請求項2は、請求項1において、
前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流は、監視系の静電容量を除いた有効分としていることを要旨とする。
【0018】
請求項3は、請求項2において、
前記有効成分は、前記変成器に前記商用電力とは異なる測定用代替電力を供給させて、前記変流器からの検出電流から前記測定用代替電力成分を抽出した検出電流値であることを要旨とする。
【0019】
請求項4は、請求項1、2又は3において、
前記終端抵抗の抵抗値の和は、受電設備側端の接地抵抗と略同じに設定することを要旨とする。
【0020】
請求項5は、請求項1、2、3又は4において、
前記終端抵抗の抵抗値の和は、100〜300Ωであることを要旨とする。
【0021】
請求項6は、請求項1、2、3又は4において、
前記変流器は、零相変流器であることを要旨とする。
【0022】
請求項7は、請求項1おいて、前記基準電流は、前記引込ケーブルのシールドテープが正常な状態で前記所定周波数の電圧を誘発させたときに、シールド自体の抵抗及び前記シールドテープの一端に接続された抵抗を介して流れる電流値にしていることを要旨とする。
【0023】
請求項8は、請求項において、
前記シールドテーブ断線判定装置は、
前記第1の非接触の電流検出器が検出した検出電流(ir)が基準電流(ip)以下のときは前記R相のシールドテープの断線、前記第2の非接触の電流検出器が検出した検出電流(is)が基準電流(ip)以下のときは前記S相のシールドテープの断線、前記第3の非接触の電流検出器が検出した検出電流(it)が基準電流(ip)以下のときは前記T相のシールドテープの断線と判定する手段と、
【0024】
前記検出電流(ir)と検出電流(it)とが共に基準電流(ip)以下、或いは検出電流(is)が基準電流(ip)以下のときは前記S相のシールドテープの断線と判定する手段と、
【0025】
前記検出電流(ir)と検出電流(it)と検出電流(is)とが基準電流(ip)以上のときは前記R相、S相、T相のシールドテープが正常と判定する手段と
を備えたことを要旨とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る高圧ケーブルのシールドテープ断線検出方法と装置の概略構成図である。このシールドテープ断線検出装置は、受電設備1から自家用変電設備2に高圧(6600V)の3相を引き込むための引込みケーブル3のS相のシールドテープ3Sに非接触で監視信号(=測定用代替電圧)vsを注入して、これらシールドテープのS−R間、S−T間に挿入した終端抵抗(Ra、Rb)を介してR相のシールドテープ3R、T相のシールドテープ3Tを流れる電流の変化とS相のシールドテープ3Sを非接触で、連続的に常時検出する。
【0027】
そして、この検出電流に基づいて、R相のシールドテープ3R、S相のシールドテープ3S、T相のシールドテープ3Tの断線を監視判定する。
【0028】
前述の引込みケーブル3のR相のシールドテープ3R、S相のシールドテープ3S、T相のシールドテープ3Tは、上流側となる受電設備1側(配電側)は、各シールドテープ端部の端末処理部から引出線を引き出し、任意の長さを経たところでまとめて接地線に接続させて一括接地される。
【0029】
また、従来の方法では下流側となる自家用変電設備2側は、シールドテープへの迷走電流の流入やシールドテープ間の循環電流の発生を防ぐ目的で開放されているが、本発明に於いては、この部分に終端抵抗を設けている。この終端抵抗Raは、一端がS相のシールドテープ3Sに、他端がR相のシールドテープ3Rにそれぞれ接続されている。
【0030】
また、この終端抵抗Rbは、一端がS相のシールドテープ3Sに、他端がT相のシールドテープ3Tにそれぞれ接続されている。
【0031】
この終端抵抗RaとRbは、同じ抵抗値を示すものを用いている。これにより、S−R間、S−T間にループ回路が生成でき、変流器による測定が可能となると共に、万が一シールドテープの断線が発生しても、負荷側シールドテープは終端抵抗を介して残りの相のシールドテープを経由して接地されることになるので、シールドテープ断線部分の電位上昇は、ケーブルの破損を招かない範囲に抑えることができる。
【0032】
なお、その抵抗値の和は、接地系の抵抗値と略同じであることが望ましく、本発明に実施においては、概ね100~300Ωの間に設定する(本発明においては、例えば各々50Ωを使用)ことが望ましく、これにより、循環電流の発生を効果的に抑え、シールドテープ断線時の終端抵抗両端に誘起される電圧も十分に制限できる。
【0033】
S相のシールドテープ3S、若しくは、そこから引き出された引出線の一括接地線接続部までの間に、貫通型の磁気コアによって非接触(電磁結合)でシールドテープ3Sに所定の周波数で所定の電圧(所定電力)を供給し、電流is監視信号vsを誘起する重畳CT10(非接触型の変成器)が設けられている。
【0034】
また、R相のシールドテープ3R、T相のシールドテープ3T、若しくは、そこから引き出された引出線の重畳CT10と同様の位置には、重畳CTの作用により発生したR相のシールドテープ3Rを流れる電流ir、T相のシールドテープ3Tを流れる電流it、を検出するための貫通型磁気コアであり非接触型である電流検出器(変流器)11、12、13が設けられている。更に、重畳CT10とシールドテープ3Sの間の引出線には、S相のシールドテープ3Sを流れる電流is、を検出するための貫通型磁気コアであり非接触型である電流検出器(変流器)10aも設けられている。
【0035】
これらの電流検出器11、12、13の検出した電流ir、it、isは、後述するシールドテープ断線判定装置15に送出される。このシールドテープ断線判定装置15には、重畳CT10に測定用代替電力を供給する電源部と、電流検出器11、12、13からの検出電流を受ける入力部と、予め設定された所定基準電流値若しくは正常時の検出電流と常時監視時検出電流値を比較して破断の有無を比較する比較部、比較部の結果に基づいて断線有の場合に警報や表示などを行う表示部などが納められている。
【0036】
シールドテープ断線判定装置15は、検出電流ir、it、isの大きさの比較か若しくは予め設定された所定基準電流値との比較(共に抵抗値換算比較)により、R相のシールドテープ3R、S相のシールドテープ3S、T相のシールドテープ3Tの何れかの断線、または複数の断線かを判断するために常時監視を行う。断線の判定についての詳細は後述説明するが、本発明においてはケーブル恒長が短いときは検出電流ir、it、isを信号として用い、ケーブル恒長が長いときには3条のケーブル間の静電容量の影響などを取り除くために、検出電流
ir、it、isの有効成分ior、iot、iosを信号として用いる。
【0037】
詳しく説明すると、検出電流ir、it、isを信号としてシールドテープ断線判定装置15に入力し、各ケーブル間の静電容量や変成器・変流器のインピーダンスの影響による位相誤差や断線しているにも係わらず静電容量部分での短絡による誤検出、更には、ケーブル恒長が長い場合に影響を及ぼすシールドテープ自体の抵抗値による誤差などを取り除く処理をすることによって、検出の精度が更に向上することを鋭意研究の結果知見したので、本発明では有効電流値を得てこれを断線判定の信号として用いることが、本発明のシールドテープ断線検出方法用の断線判定装置では、最も望ましい仕様である。
【0038】
仮に今、R相のシールドテープ3Rが断線した場合には、ir若しくはiorが減少し、T相のシールドテープ3Tが断線した場合には、it若しくはiotが減少する。
【0039】
また、S相のシールドテープ3Sが断線した場合には、irとit若しくはiorとiotが同時に減少する。これを用いて、シールドテープの断線有無と断線相の特定ができる。また、複数のシールドテープが断線した場合、例えばS相とR相が断線した場合は、irとis若しくはiorとiosが同時に減少し、it若しくはiotが増加することとなり、R相とT相が断線した場合は、irとit若しくはiorとiotが同時に減少し、is若しくはiosが増加することとなり、これも断線判断が可能となる。
【0040】
また、シールドテープが断線すると検出電流が減少するので、所定基準値若しくは正常時検出電流の値をメモリさせておき、断線検出したときの検出電流値を所定基準値若しくは正常時検出電流の値で除することで得られた数値により、断線相の検出の他にケーブル全長に対してのどの部分で断線が発生しているのかを特定することも可能である。
【0041】
また、電流検出器11、12、13は検出した電流ir、it、isを抵抗換算した電圧信号を送出し、重畳CT10はシールドテープ断線判定装置15にある電源部からの供給電圧により監視信号vsを注入するが、本実施の形態では理解を容易にするために同じ記号を用いて表示している。
【0042】
図2はシールドテープ断線判定装置15の概略構成図である。シールドテープ断線判定装置15は、図2に示すように、DAコンバータ16と、信号生成回路17と、電力増幅回路18と、位相調整回路19と、増幅器21、22、23と、バンドパスフィルタ24、25、26と、検波回路(DET)27、28、29と、ADコンバータ30、31、32と、コンピュータ部33とを備えている。
【0043】
DAコンバータ16は、コンピュータ部33から電流値データが出力される毎(1msec毎)に、そのデータをアナログに変換する。つまり、1KHzの矩形波を送出する。
【0044】
信号生成回路17は、DAコンバータ16からの1KHzの矩形波の電流信号を正弦波に変換した電力信号を電力増幅回路18に送出し、重畳CT10からS相のシールドテープ3Sに1KHzの正弦波の測定用代替電圧Vsを印加して電流(以下監視信号isという)を注入させる。
【0045】
このように監視信号isを1KHzとするのは、芯線を流れる50Hz又は60Hzの電流と干渉しないようにするためである。
【0046】
ここで重畳CT10について説明を補充する。この重畳CT10は、商用周波数と異なる測定用代替電力を非接触で注入する電源部となるもので、一般には測定用代替電圧を一点接地方式の接地線に供給する。
【0047】
そして、その構成は、一次側に複数回の励磁コイルを捲き、窓内を貫通させた被絶縁監視電路の接地線を1回捲きの二次導体として、接地線に電圧を誘起するものである。
【0048】
位相調整回路18は、信号生成回路17で生成された電流信号を入力し、この電流信号の位相を、引込ケーブル3の静電容量、抵抗等による位相誤差を考慮して調整し、検波回路27、28、29に送出する。
【0049】
一方、増幅器21は、シールドテープ3Rの引込線に設けられた非接触の電流検出器11の出力端に接続され、この検出電流irを入力して増幅し、バンドパスフィルタ24に送出する。
【0050】
増幅器22は、シールドテープ3Tに接続された引込線に設けられた非接触の電流検出器12の出力端に接続され、この検出電流itを入力して増幅し、バンドパスフィルタ25に送出する。
【0051】
増幅器23は、シールドテープ3Sに接続された引込線に設けられた非接触の電流検出器13(ZCT3)の出力端に接続され、この検出電流isを入力して増幅し、バンドパスフィルタ26に送出する。
【0052】
バンドパスフィルタ24、25、26は、それぞれ1KHzの検出電流ir、it、1sのみを通過させる。つまり、1KHzの電流のみを抽出する。
【0053】
検波回路27は、バンドパスフィルタ24からのR相のシールドテープ3Rの引込線の検出電流irと、位相調整回路19からの位相調整された電流ioとを入力し、この電流ioの同期(位相)した検出電流irの成分を検波してADコンバータ30に送出する。
【0054】
検波回路28は、バンドパスフィルタ25からのT相のシールドテープ3Tの引込線の検出電流itと、位相調整回路19からの位相調整された電流ioとを入力し、この電流ioに同期した検出電流itの成分を検波してADコンバータ31に送出する。
【0055】
検波回路29は、バンドパスフィルタ26からのS相のシールドテープ3Sの引込線の検出電流isと、位相調整回路19からの位相調整された電流ioとを入力し、この電流ioに同期した検出電流isの成分を検波してADコンバータ31に送出する。
【0056】
ADコンバータ30、31、32は、検波された検出電流ir、it、isをデジタル信号に変換してコンピュータ部33に送出する。
【0057】
コンピュータ部33は、検出電流ir、it、isを入力して予め設定されている基準電流ip(シールドテープ3R、3S、3Tが正常なときに終端抵抗Ra、Rbを介して流れる電流)と比較してシールドテープ3R、3S、3Tの断線判断を行い、その結果をLED等で知らせる。
【0058】
前述の信号生成回路17、DAコンバータ16、電力増幅回路18、位相調整回路19を総称して信号生成部と称し、増幅回路21、22、23と、バンドパスフィルタ24、25、26と、検波回路27、28、29と、ADコンバータ30、31、32とを総称して検出電流抽出部と称する。
【0059】
上記のように構成されたシールドテープ断線判定装置15の動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
初めに、シールドテープ断線判定装置15は、DAコンバータ16に1msec毎に、信号生成回路17、電力増幅回路18を介して重畳CT10に対して1KHzの正弦波の測定用監視電圧Vsをシールドテープ3Sに注入させる(S301)。
【0061】
すなわち、この測定用監視電圧Vsの印加によって流れる電流Isは、図1に示すようにシールドテープ3Sを流れて、終端抵抗Raを介してシールドテープ3Rを流れる(電流ir)と共に、終端抵抗Rbを介してシールドテープ3Tを流れる(電流it)。
【0062】
そして、非接触の電流検出器11、12、13によって、シールドテープ3R、3T、3Sを流れる電流ir、it、isが検出され、それぞれが増幅回路21、22、23によって増幅されバンドパスフィルタ24、25、26を介して検波回路27、28、29に送出される。
【0063】
検波回路27、28、29は、位相調整回路19からの位相調整された電流信号Ioに同期した成分を抽出し、これをADコンバータ30、31、32を介してコンピュータ部33に送出する。すなわち、シールドテープ、静電容量、終端抵抗等による位相廻りによる位相誤差を考慮して、測定用監視電圧Vsによる有効成分のみを抽出している。
【0064】
コンピュータ部33は、このADコンバータ30、31、32からの検出電流ir、it、isが入力ポートに書き込まれる毎に、その電流値ir、it、isを内部メモリに読み込み(S303)、電流値ir、it、isの判定を行う(S305)。
【0065】
ステップS305において、検出電流ir(R相のシールドテープの電流)が予め記憶している基準電流ip以下と判定したときは、R相のシールドテープ3Rが断線していると判定し(S307)、R相のシールドテープ3Rの破損通報用のLEDを表示させる(S309)。
【0066】
また、ステップS305において、検出電流it(T相のシールドテープの電流)が予め記憶している基準電流ip以下と判定したときは、T相のシールドテープ3Tが断線していると判定し(S311)、T相のシールドテープ3Tの破損通報用のLEDを表示させる(S313)。
【0067】
さらに、ステップS305において、検出電流irと検出電流itとが共に、基準電流ip以下と判定したとき、或いは検出電流isが基準電流ip以下と判定したときは、S相のシールドテープ3Sが断線していると判定し(S317)、S相のシールドテープ3Tの破損通報用のLEDを表示させる。
【0068】
ステップS305において、検出電流ir、検出電流it、isが基準電流以上と判定したときは、シールドテープ3R、3S、3Tが正常と判定する(S319)。
【0069】
前述の基準電流ipについて説明を補充する。
【0070】
例えば、各シールドテープが正常な場合に、シールドテープ3Sに測定用監視電圧Vr(電圧Eo)を注入すると、
シールドテープ3R、3Tを流れる電流ir、itは
【数1】
Figure 0004279426
【数2】
Figure 0004279426
でしめされる。
【0071】
この数1、2で示される正常時の電流ir、it、isを、それぞれのシールドテープの基準電流ipとして予め記憶している。
【0072】
そして、前述のステップS309、313、317、319の処理の後にステップS303の処理に戻してシールドテープ3R、3Tを流れる電流ir、it、isの監視を続ける。
【0073】
すなわち、単に非接触の電流検出器11、12、13及び非接触の重畳CT10を引込ケーブルのシールドテープ3R、3S、3Tに取り付けるだけで、各相のシールドテープの破損を検出できるので、引込ケーブル3には何ら手を加える必要がない。
【0074】
なお、上記実施の形態では、S相のシールドテープ3Sに測定用監視電圧を注入したが、R相のシールドテープ又はT相のシールドテープに注入するようにしてもよい。
【0075】
さらに、各シールドテープに重畳CTと非接触の電流検出器とを設けると共に、シールドテープ断線判定装置に注入する相を切り換える切換手段を備え、必要に応じてシールドテープ3R、3T又は3Sに測定用監視電圧を注入するようにしてもよい。
【0076】
さらに、検出電流is、ir、itの電流量に応じてシールドテープのどの箇所が断線しているかを判定するようにしても良い。
【0077】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、引込ケーブルのシールドテープのいずれかのシールドテープに非接触で測定用監視電圧を注入し、各シールドテープを流れる電流を非接触で検出し、これらの検出電流と予め設定されている基準電流とを比較して各シールドテープの断線を判定して知らせる。
【0078】
このため、引込ケーブルに、手を加えなくとも、常時非接触でシールドテープの断線を検出できるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態のシールドテープ断線検出システムの概略構成図である。
【図2】 本実施の形態のシールドテープ断線判定装置の概略構成図である。
【図3】 本実施の形態のシールドテープ断線判定装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】 自家用変電設備の引込ケーブルの取り付けずである。
【図5】 従来の単心ケーブル遮蔽破損監視装置の構成図である。
【図6】 先願のケーブルの銅テープ断線発見方法の構成図である。
【符号の説明】
3、引込ケーブル
3S、3R、3T シールドテープ
10 重畳CT
11 非接触の検出器
12 非接触の検出器
15 シールドテープ断線判定装置
17 信号生成回路
18 電力増幅回路
19 位相調整回路
27、28、29 検波回路

Claims (8)

  1. 商用電力を供給する受電設備と自家用変電設備とを接続させる高圧引込みケーブルのシールドテープの断線検出装置であって、
    前記高圧引込みケーブルは、
    R相のシールドテープ、S相のシールドテープ、T相のシールドテープの受電設備側端を、端部処理した後に各々引出線を経て接地線に接続して、その後一括接地処理し、かつ前記R相、S相、T相のシールドテープの自家用変電設備側端を終端抵抗を介して接続されたものであり、
    前記終端抵抗は、
    互いに同じ抵抗値の第1の終端抵抗と第2の終端抵抗とを直列接続した直列回路であり、該直列回路の一方を前記R相、S相又はT相のいずれか一方の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続し、他方を前記いずれか一方とは異なる相の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続し、かつ該直列回路の中点を残りの相の自家用変電設備側のシールドテープの端に接続して設けられ、
    前記中点が接続された相のシールドテープの前記引出線に設けられ、その引出線に測定用代替電圧信号を非接触で注入する変成器と、
    前記R相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第1の非接触の電流検出器と、
    前記S相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第2の非接触の電流検出器と、
    前記T相のシールドテープの引出線毎に設けられ、その引出線を流れる電流を検出する第3の非接触の電流検出器と、
    前記変成器に前記測定用代替電圧信号のための電力を供給しながら、前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流を比較、または所定値に設定した基準電流値と前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流を比較し、この比較結果から前記R相、S相、T相のシールドテープの断線の有無を知らせるシールドテープ断線判定装置と
    を有することを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記各非接触の電流検出器が検出した各々の検出電流は、監視系の静電容量を除いた有効分としていることを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  3. 請求項2において、
    前記有効成分は、前記変成器に前記商用電力とは異なる測定用代替電力を供給させて、前記変流器からの検出電流から前記測定用代替電力成分を抽出した検出電流値であることを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  4. 請求項1、2又は3において、
    前記終端抵抗の抵抗値の和は、受電設備側端の接地抵抗と略同じに設定することを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  5. 請求項1、2、3又は4において、
    前記終端抵抗の抵抗値の和は、100〜300Ωであることを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  6. 請求項1、2、3又は4において、
    前記変流器は、零相変流器であること
    を特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線検出装置。
  7. 請求項1おいて、前記基準電流は、前記引込ケーブルのシールドテープが正常な状態で前記所定周波数の電圧を誘発させたときに、シールド自体の抵抗及び前記シールドテープの一端に接続された抵抗を介して流れる電流値にしていることを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープ断線判定装置。
  8. 請求項において、
    前記シールドテープ断線判定装置は、
    前記第1の非接触の電流検出器が検出した検出電流(ir)が基準電流(ip)以下のときは前記R相のシールドテープの断線、前記第2の非接触の電流検出器が検出した検出電流(is)が基準電流(ip)以下のときは前記S相のシールドテープの断線、前記第3の非接触の電流検出器が検出した検出電流(it)が基準電流(ip)以下のときは前記T相のシールドテープの断線と判定する手段と、
    前記検出電流(ir)と検出電流(it)とが共に基準電流(ip)以下、或いは検出電流(is)が基準電流(ip)以下のときは前記S相のシールドテープの断線と判定する手段と、
    前記検出電流(ir)と検出電流(it)と検出電流(is)とが基準電流(ip)以上のときは前記R相、S相、T相のシールドテープが正常と判定する手段と
    を有することを特徴とする高圧引込みケーブルのシールドテープの断線検出装置。
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