JPH07245869A - 電気設備の絶縁劣化検出装置 - Google Patents
電気設備の絶縁劣化検出装置Info
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- JPH07245869A JPH07245869A JP6032582A JP3258294A JPH07245869A JP H07245869 A JPH07245869 A JP H07245869A JP 6032582 A JP6032582 A JP 6032582A JP 3258294 A JP3258294 A JP 3258294A JP H07245869 A JPH07245869 A JP H07245869A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 GPTを使用することなく絶縁劣化を検出で
き、さらに3相ケーブル(フィーダ)毎、相毎の絶縁劣
化の部位の特定が可能な電気設備の絶縁劣化検出装置を
提供すること。 【構成】 3相交流電源1aから各負荷1fへ電力を供
給する複数の3相ケーブル1dが各相毎に独立したシー
ス1eを持った電気設備において、3相ケーブル1dの
各相毎のシース1eから接地線1gを通じて大地に流れ
る各電流ベクトルを電流検出装置2で各別に検出し、ま
た3相交流電源1aの各相の電圧ベクトルを電圧検出装
置3で各別に検出し、検出された各電流ベクトルと各相
の電圧ベクトルの内積をベクトル演算部4aで演算し、
この内積値が所定の値を越えたとき、所定の値を越えた
内積値に属する3相ケーブル1d及びその相が絶縁劣化
したと判定するようにした。
き、さらに3相ケーブル(フィーダ)毎、相毎の絶縁劣
化の部位の特定が可能な電気設備の絶縁劣化検出装置を
提供すること。 【構成】 3相交流電源1aから各負荷1fへ電力を供
給する複数の3相ケーブル1dが各相毎に独立したシー
ス1eを持った電気設備において、3相ケーブル1dの
各相毎のシース1eから接地線1gを通じて大地に流れ
る各電流ベクトルを電流検出装置2で各別に検出し、ま
た3相交流電源1aの各相の電圧ベクトルを電圧検出装
置3で各別に検出し、検出された各電流ベクトルと各相
の電圧ベクトルの内積をベクトル演算部4aで演算し、
この内積値が所定の値を越えたとき、所定の値を越えた
内積値に属する3相ケーブル1d及びその相が絶縁劣化
したと判定するようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気設備の絶縁劣化を
検出する装置に係り、特に絶縁劣化部位を特定すること
のできる絶縁劣化検出装置に関する。
検出する装置に係り、特に絶縁劣化部位を特定すること
のできる絶縁劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気設備の絶縁劣化は、時間的に進展
し、最終的には地絡事故や短絡事故に至る場合が多い。
絶縁劣化の進展メカニズムは、複雑であるが、概ね次の
2ケースが一般的である。まず第1のケースは、ケーブ
ル被覆や導体支持絶縁体の傷や劣化部分から電流が漏れ
始め、その漏洩電流により発生する熱,圧力,イオン等
により傷や劣化が進展し、漏洩電流が徐々に増加し、や
がて、完全破壊に至る。第2のケースは、絶縁部に存在
するピンホール状の欠陥部分が、吸湿し、放電を発生す
るが、自己回復性の高いCVケーブル等に於いては、放
電時に発生するジュール熱により欠陥部が乾燥し、絶縁
を回復する。しかし、放置すると、再び吸湿し、放電を
繰り返すため、やがては、完全破壊に至る。後者のケー
スは、間欠弧光地絡と呼ばれ、劣化部には、パルス状の
電流が流れることが、知られている。これに対し、前者
のケースは、連続地絡と呼ばれ、劣化部には、電源周波
数の持続電流が流れる。
し、最終的には地絡事故や短絡事故に至る場合が多い。
絶縁劣化の進展メカニズムは、複雑であるが、概ね次の
2ケースが一般的である。まず第1のケースは、ケーブ
ル被覆や導体支持絶縁体の傷や劣化部分から電流が漏れ
始め、その漏洩電流により発生する熱,圧力,イオン等
により傷や劣化が進展し、漏洩電流が徐々に増加し、や
がて、完全破壊に至る。第2のケースは、絶縁部に存在
するピンホール状の欠陥部分が、吸湿し、放電を発生す
るが、自己回復性の高いCVケーブル等に於いては、放
電時に発生するジュール熱により欠陥部が乾燥し、絶縁
を回復する。しかし、放置すると、再び吸湿し、放電を
繰り返すため、やがては、完全破壊に至る。後者のケー
スは、間欠弧光地絡と呼ばれ、劣化部には、パルス状の
電流が流れることが、知られている。これに対し、前者
のケースは、連続地絡と呼ばれ、劣化部には、電源周波
数の持続電流が流れる。
【0003】前者のケースにおいて、漏洩電流は、絶縁
劣化初期には数ミリアンペア以下の微少な値であり、負
荷電流が流れている状態で検出する事は、難しい。しか
し、最近の電気設備は、その負荷として、電子計算機等
を持つ場合が多く、負荷を停止する事が、容易ではない
場合が多い。
劣化初期には数ミリアンペア以下の微少な値であり、負
荷電流が流れている状態で検出する事は、難しい。しか
し、最近の電気設備は、その負荷として、電子計算機等
を持つ場合が多く、負荷を停止する事が、容易ではない
場合が多い。
【0004】従って、負荷電流を流したままの状態で、
微少漏洩電流を検出して絶縁劣化を初期に捕まえる事が
必要になる。
微少漏洩電流を検出して絶縁劣化を初期に捕まえる事が
必要になる。
【0005】このため、特開平4−42726号公報に
おいて、次のようなものが提案されている。通常は短絡
されている接地用トランス(以下、GPTという)1次
巻線の中性点と、アースとの間にスイッチを設け、絶縁
劣化の診断時には、このスイッチを開放する。開放した
スイッチの両端に直流電圧を印加し、電源設備からアー
スへの漏洩電流を計測し、計測完了後、前記のスイッチ
を閉じる。漏洩電流の計測結果、漏洩電流が予め定めた
基準値を超過している場合には、電気設備を停止させ、
複数の配電フィーダの絶縁劣化を、個々に検査する。
おいて、次のようなものが提案されている。通常は短絡
されている接地用トランス(以下、GPTという)1次
巻線の中性点と、アースとの間にスイッチを設け、絶縁
劣化の診断時には、このスイッチを開放する。開放した
スイッチの両端に直流電圧を印加し、電源設備からアー
スへの漏洩電流を計測し、計測完了後、前記のスイッチ
を閉じる。漏洩電流の計測結果、漏洩電流が予め定めた
基準値を超過している場合には、電気設備を停止させ、
複数の配電フィーダの絶縁劣化を、個々に検査する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術では、
装置の構成上、GPTが必要不可欠であり、価格上昇と
装置寸法の大形化を招いていた。又、電力会社からの受
電形態によっては、GPTが設置できない場合があり、
そのような場合には、前記従来技術の適用は、不可能で
あった。又、設備全体の絶縁劣化は判断できるが、絶縁
劣化部分の特定は出来ないため、絶縁劣化検出後、電気
設備を停止させた上で、改めて各部を切り離して個々の
部分の絶縁抵抗を測定する等の方法が取られており、設
備の保守に要する労力が大きかった。更に、地絡事故発
生時には、GPT中性点とアース間に高電圧が発生し、
絶縁劣化診断装置が破壊される可能性があるため、常時
計測を行う事が出来ず、定期的に短時間の診断を実施す
るに止めざるを得ないゆえ、急速に進展する絶縁劣化に
対処する事は、難しかった。
装置の構成上、GPTが必要不可欠であり、価格上昇と
装置寸法の大形化を招いていた。又、電力会社からの受
電形態によっては、GPTが設置できない場合があり、
そのような場合には、前記従来技術の適用は、不可能で
あった。又、設備全体の絶縁劣化は判断できるが、絶縁
劣化部分の特定は出来ないため、絶縁劣化検出後、電気
設備を停止させた上で、改めて各部を切り離して個々の
部分の絶縁抵抗を測定する等の方法が取られており、設
備の保守に要する労力が大きかった。更に、地絡事故発
生時には、GPT中性点とアース間に高電圧が発生し、
絶縁劣化診断装置が破壊される可能性があるため、常時
計測を行う事が出来ず、定期的に短時間の診断を実施す
るに止めざるを得ないゆえ、急速に進展する絶縁劣化に
対処する事は、難しかった。
【0007】本発明の第1の目的は、GPTを使用する
ことなく絶縁劣化の検出が可能な小型で安価な電気設備
の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
ことなく絶縁劣化の検出が可能な小型で安価な電気設備
の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、さらに絶縁劣化の
部位、すなわち、各負荷に接続された3相ケーブル(フ
ィーダ)、3相ケーブルの相、あるいはケーブルの長手
方向の区間単位での特定が可能な電気設備の絶縁劣化検
出装置を提供することにある。
部位、すなわち、各負荷に接続された3相ケーブル(フ
ィーダ)、3相ケーブルの相、あるいはケーブルの長手
方向の区間単位での特定が可能な電気設備の絶縁劣化検
出装置を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、さらにまた絶縁劣
化程度あるいは絶縁劣化モードの判定が可能な電気設備
の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
化程度あるいは絶縁劣化モードの判定が可能な電気設備
の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
【0010】本発明の第4の目的は、さらにまた絶縁劣
化を誤動作することなく確実に検出することができる電
気設備の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
化を誤動作することなく確実に検出することができる電
気設備の絶縁劣化検出装置を提供することにある。
【0011】本発明の第5の目的は、さらにまた装置を
より小型で安価にできる電気設備の絶縁劣化検出装置を
提供することにある。
より小型で安価にできる電気設備の絶縁劣化検出装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明は、その両端が交流電源と負荷に接続さ
れ、交流電源から負荷へ電力を供給するケーブルがシー
スを持った電気設備の絶縁劣化検出装置において、上記
ケーブルのシースから接地線を通じて大地に流れる電流
ベクトルを検出する電流検出装置と、上記電源の電圧ベ
クトルを検出する電圧検出装置と、検出された上記電流
ベクトルと上記電圧ベクトルの内積を演算する演算手段
とを備え、演算された上記内積値が所定の値を越えたと
き上記ケーブルが絶縁劣化したと判定するように構成し
たことを特徴とする。
るため、本発明は、その両端が交流電源と負荷に接続さ
れ、交流電源から負荷へ電力を供給するケーブルがシー
スを持った電気設備の絶縁劣化検出装置において、上記
ケーブルのシースから接地線を通じて大地に流れる電流
ベクトルを検出する電流検出装置と、上記電源の電圧ベ
クトルを検出する電圧検出装置と、検出された上記電流
ベクトルと上記電圧ベクトルの内積を演算する演算手段
とを備え、演算された上記内積値が所定の値を越えたと
き上記ケーブルが絶縁劣化したと判定するように構成し
たことを特徴とする。
【0013】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明は、その両端が3相交流電源と複数の負荷にそれぞ
れ接続され、3相交流電源から各負荷へ電力を供給する
複数の3相ケーブルが各相毎に独立したシースを持った
電気設備の絶縁劣化検出装置において、複数の3ケーブ
ルの各相毎のシースから接地線を通じて大地に流れる各
電流ベクトルを各別に検出する電流検出装置と、3相電
源の各相の電圧ベクトルを検出する電圧検出装置と、各
別に検出された各電流ベクトルと各相の電圧ベクトルの
各内積を演算する演算手段とを備え、演算された各内積
値のうちの少なくとも1つが所定の値を越えたとき、所
定の値を越えた内積値の属する3相ケーブル(フィー
ダ)およびその相が絶縁劣化したと判定するように構成
し、あるいは、さらに加えて、各別に検出された各電流
ベクトルのピーク値を取り出す各ピークホールド回路を
設け、各電流ベクトルのピーク値のうちの少なくとも1
つが所定の値を越えたとき、所定の値を越えたピーク値
の属する3相ケーブル(フィーダ)およびその相が絶縁
劣化したと判定するように構成し、あるいは、ケーブル
のシースをその長手方向において電気的に複数の区間に
分断し、この分断されたシースの各区間の間を外部信号
により開閉制御可能なスイッチにより接続し、このスイ
ッチの開閉状態と、上記電流ベクトルと上記電圧ベクト
ルの内積値の変化から絶縁劣化したケーブルの区間を判
定するように構成したことを特徴とする。
発明は、その両端が3相交流電源と複数の負荷にそれぞ
れ接続され、3相交流電源から各負荷へ電力を供給する
複数の3相ケーブルが各相毎に独立したシースを持った
電気設備の絶縁劣化検出装置において、複数の3ケーブ
ルの各相毎のシースから接地線を通じて大地に流れる各
電流ベクトルを各別に検出する電流検出装置と、3相電
源の各相の電圧ベクトルを検出する電圧検出装置と、各
別に検出された各電流ベクトルと各相の電圧ベクトルの
各内積を演算する演算手段とを備え、演算された各内積
値のうちの少なくとも1つが所定の値を越えたとき、所
定の値を越えた内積値の属する3相ケーブル(フィー
ダ)およびその相が絶縁劣化したと判定するように構成
し、あるいは、さらに加えて、各別に検出された各電流
ベクトルのピーク値を取り出す各ピークホールド回路を
設け、各電流ベクトルのピーク値のうちの少なくとも1
つが所定の値を越えたとき、所定の値を越えたピーク値
の属する3相ケーブル(フィーダ)およびその相が絶縁
劣化したと判定するように構成し、あるいは、ケーブル
のシースをその長手方向において電気的に複数の区間に
分断し、この分断されたシースの各区間の間を外部信号
により開閉制御可能なスイッチにより接続し、このスイ
ッチの開閉状態と、上記電流ベクトルと上記電圧ベクト
ルの内積値の変化から絶縁劣化したケーブルの区間を判
定するように構成したことを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の第3の目的を達成するた
め、本発明は、判定する絶縁劣化レベルを複数段階に
し、あるいは、上記内積値が所定の値を越えたときの絶
縁劣化を連続地絡モード、上記ピーク値が所定の値を越
えたときの絶縁劣化を間欠弧光地絡モードとし、これら
の絶縁劣化モードを表示する表示部を設けたことを特徴
とする。
め、本発明は、判定する絶縁劣化レベルを複数段階に
し、あるいは、上記内積値が所定の値を越えたときの絶
縁劣化を連続地絡モード、上記ピーク値が所定の値を越
えたときの絶縁劣化を間欠弧光地絡モードとし、これら
の絶縁劣化モードを表示する表示部を設けたことを特徴
とする。
【0015】さらにまた、本発明の第4の目的を達成す
るため、本発明は、電流検出装置および電圧検出装置で
検出された電流ベクトルおよび電圧ベクトルの基本周波
数成分をそれぞれ抽出する各バンドパスフィルタを設け
たことを特徴とする。
るため、本発明は、電流検出装置および電圧検出装置で
検出された電流ベクトルおよび電圧ベクトルの基本周波
数成分をそれぞれ抽出する各バンドパスフィルタを設け
たことを特徴とする。
【0016】さらにまた、本発明の第5の目的を達成す
るため、本発明は、電流検出装置で各別に検出された各
電流ベクトルおよび各ピークホールド回路に取り出され
た各ピーク値のいずれか一方または両方を時分割式に選
択して出力する第1の選択回路と、電圧検出装置で検出
された各相の電圧ベクトルを時分割式に選択して出力す
る第2の選択回路を設けたことを特徴とする。
るため、本発明は、電流検出装置で各別に検出された各
電流ベクトルおよび各ピークホールド回路に取り出され
た各ピーク値のいずれか一方または両方を時分割式に選
択して出力する第1の選択回路と、電圧検出装置で検出
された各相の電圧ベクトルを時分割式に選択して出力す
る第2の選択回路を設けたことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明は、検出された上記電流ベクトルと上記
電圧ベクトルの内積を演算し、この内積値が所定の値を
越えたときケーブルが絶縁劣化したと判定するように構
成したので、GPTを使用することなく絶縁劣化を検出
することができる。
電圧ベクトルの内積を演算し、この内積値が所定の値を
越えたときケーブルが絶縁劣化したと判定するように構
成したので、GPTを使用することなく絶縁劣化を検出
することができる。
【0018】また、本発明は、3相ケーブル(フィー
ダ)毎、各相毎に上記電流ベクトルと電圧ベクトルの内
積を演算し、または同様に上記ピーク値を取り出し、こ
れらの内積値またはピーク値のうちの少なくとも1つが
所定の値を越えたとき、その内積値またはピーク値の属
する3相ケーブル(フィーダ)およびその相が絶縁劣化
したと判定するように構成したので、複数の3相ケーブ
ルのうちの絶縁劣化した3相ケーブル(フィーダ)、3
相ケーブルの各相のうちの絶縁劣化した相を特定するこ
とができる。
ダ)毎、各相毎に上記電流ベクトルと電圧ベクトルの内
積を演算し、または同様に上記ピーク値を取り出し、こ
れらの内積値またはピーク値のうちの少なくとも1つが
所定の値を越えたとき、その内積値またはピーク値の属
する3相ケーブル(フィーダ)およびその相が絶縁劣化
したと判定するように構成したので、複数の3相ケーブ
ルのうちの絶縁劣化した3相ケーブル(フィーダ)、3
相ケーブルの各相のうちの絶縁劣化した相を特定するこ
とができる。
【0019】さらに、本発明は、ケーブルのシースをそ
の長手方向において電気的に複数の区間に分断し、この
分断されたシースの各区間の間を外部信号により開閉制
御可能なスイッチにより接続し、このスイッチの開閉状
態と、上記電流ベクトルと電圧ベクトルの内積値の変化
から絶縁劣化したケーブルの区間を判定するようにした
ので、ケーブルの長手方向の区間単位での絶縁劣化部位
を特定することができる。
の長手方向において電気的に複数の区間に分断し、この
分断されたシースの各区間の間を外部信号により開閉制
御可能なスイッチにより接続し、このスイッチの開閉状
態と、上記電流ベクトルと電圧ベクトルの内積値の変化
から絶縁劣化したケーブルの区間を判定するようにした
ので、ケーブルの長手方向の区間単位での絶縁劣化部位
を特定することができる。
【0020】さらにまた、本発明は、判定する絶縁劣化
レベルを複数段階にしたので、絶縁劣化の程度を判定す
ることができ、あるいは、上記内積値が所定の値を越え
たときの絶縁劣化を連続地絡モード、上記ピーク値が所
定の値を越えたとき間欠弧光地絡モードとし、これらの
モードを表示する表示部を設けたので、絶縁劣化モード
を判定することができる。
レベルを複数段階にしたので、絶縁劣化の程度を判定す
ることができ、あるいは、上記内積値が所定の値を越え
たときの絶縁劣化を連続地絡モード、上記ピーク値が所
定の値を越えたとき間欠弧光地絡モードとし、これらの
モードを表示する表示部を設けたので、絶縁劣化モード
を判定することができる。
【0021】さらにまた、検出された上記電流ベクトル
および電圧ベクトルの基本周波数成分をそれぞれ抽出す
る各バンドパスフィルタを設けたので、基本周波数成分
に重畳されている高周波成分やノイズを除き、誤動作を
防ぐことができる。
および電圧ベクトルの基本周波数成分をそれぞれ抽出す
る各バンドパスフィルタを設けたので、基本周波数成分
に重畳されている高周波成分やノイズを除き、誤動作を
防ぐことができる。
【0022】さらにまた、電流検出装置で各別に検出さ
れた各電流ベクトルおよび各ピークホールド回路に取り
出された各ピーク値のいずれか一方または両方や、電圧
検出装置で検出された各電圧ベクトルを時分割式に選択
して処理するように構成したので、これらの処理部が装
置全体でそれぞれ1つに削減できる。
れた各電流ベクトルおよび各ピークホールド回路に取り
出された各ピーク値のいずれか一方または両方や、電圧
検出装置で検出された各電圧ベクトルを時分割式に選択
して処理するように構成したので、これらの処理部が装
置全体でそれぞれ1つに削減できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5により
説明する。
説明する。
【0024】図1は、本発明による電気設備の絶縁劣化
検出装置の全体構成図である。
検出装置の全体構成図である。
【0025】絶縁劣化検出の対象となる電気設備1の一
例として、次の設備を考える。3相の交流電源1aに接
続される3相母線1b、3相母線1bにその1端が接続
される複数の遮断器1c、遮断器1cの他端と複数の負
荷1fに、両端が接続された複数の3相ケーブル1dか
ら構成され、前記3相ケーブル1dは、各相毎に独立し
たシース1e(シールドとも呼ばれる。)を持ってい
る。
例として、次の設備を考える。3相の交流電源1aに接
続される3相母線1b、3相母線1bにその1端が接続
される複数の遮断器1c、遮断器1cの他端と複数の負
荷1fに、両端が接続された複数の3相ケーブル1dか
ら構成され、前記3相ケーブル1dは、各相毎に独立し
たシース1e(シールドとも呼ばれる。)を持ってい
る。
【0026】前記電気設備1の絶縁劣化検出装置の構成
は次のようになる。各ケーブルのシース1eと電流検出
装置2の入力端子を、接地線1gで接続する。電流検出
装置2と処理装置4は、電流選択信号線5c及び電流信
号線5a1,5a2により、接続されており、電流検出
装置2は、処理装置4から電流選択信号線5cに出力さ
れた電流選択信号を受け、前記各ケーブルのシース1e
から接地線1gを通って電流検出装置2の入力端子に流
入し、接地線1hを通ってアース1iに流出する電流
に、後述の処理を施したのち、これを電流信号線5a
1,5a2に出力する。一方、3相母線1bには電圧検
出装置3が接続される。電圧検出装置3では、3相母線
1bの各相の対地電圧を、本実施例では、各相と対地間
に直列に挿入したコンデンサ3a,3bにより分圧して
数十ボルトに減少させた後、電圧検出部3cの入力端子
に接続する。電圧検出部3cと処理装置4は、電圧選択
信号線5d及び電圧信号線5bにより、接続されてお
り、電圧検出部3cは、処理装置4から電圧選択信号線
5dに出力された電圧選択信号を受け、前記各相の電圧
に、後述の処理を施したのち、これを電圧信号線5bに
出力する。電流信号線5a1と電圧信号線5bは、処理
装置4に含まれるベクトル演算部4aに接続されてお
り、ベクトル演算部4aでは、電流信号及び電圧信号を
取り込み、これらの内積を演算する。演算結果は、処理
部4bに渡される。処理部4bでは、前記演算結果と、
設定部4cから渡される劣化判定レベル設定値を基に絶
縁劣化(連続地絡)の有無を判定し、絶縁劣化に関する
判定結果を表示部4dに渡す。表示部4dでは、劣化3
相ケーブル(フィーダ)、相、劣化程度を、保守担当者
に示す。
は次のようになる。各ケーブルのシース1eと電流検出
装置2の入力端子を、接地線1gで接続する。電流検出
装置2と処理装置4は、電流選択信号線5c及び電流信
号線5a1,5a2により、接続されており、電流検出
装置2は、処理装置4から電流選択信号線5cに出力さ
れた電流選択信号を受け、前記各ケーブルのシース1e
から接地線1gを通って電流検出装置2の入力端子に流
入し、接地線1hを通ってアース1iに流出する電流
に、後述の処理を施したのち、これを電流信号線5a
1,5a2に出力する。一方、3相母線1bには電圧検
出装置3が接続される。電圧検出装置3では、3相母線
1bの各相の対地電圧を、本実施例では、各相と対地間
に直列に挿入したコンデンサ3a,3bにより分圧して
数十ボルトに減少させた後、電圧検出部3cの入力端子
に接続する。電圧検出部3cと処理装置4は、電圧選択
信号線5d及び電圧信号線5bにより、接続されてお
り、電圧検出部3cは、処理装置4から電圧選択信号線
5dに出力された電圧選択信号を受け、前記各相の電圧
に、後述の処理を施したのち、これを電圧信号線5bに
出力する。電流信号線5a1と電圧信号線5bは、処理
装置4に含まれるベクトル演算部4aに接続されてお
り、ベクトル演算部4aでは、電流信号及び電圧信号を
取り込み、これらの内積を演算する。演算結果は、処理
部4bに渡される。処理部4bでは、前記演算結果と、
設定部4cから渡される劣化判定レベル設定値を基に絶
縁劣化(連続地絡)の有無を判定し、絶縁劣化に関する
判定結果を表示部4dに渡す。表示部4dでは、劣化3
相ケーブル(フィーダ)、相、劣化程度を、保守担当者
に示す。
【0027】また、電流信号線5a2は処理装置4の処
理部4bに接続されており、処理部4bでは電流信号の
ピーク値を取り込み、設定部4cから渡される別の劣化
判定レベル設定値を基に絶縁劣化(間欠弧光地絡)の有
無を判定し、絶縁劣化に関する判定結果を表示部4dに
渡す。表示部4dは上述と同様に劣化3相ケーブル(フ
ィーダ)、相、劣化程度を、保守担当者に示す。
理部4bに接続されており、処理部4bでは電流信号の
ピーク値を取り込み、設定部4cから渡される別の劣化
判定レベル設定値を基に絶縁劣化(間欠弧光地絡)の有
無を判定し、絶縁劣化に関する判定結果を表示部4dに
渡す。表示部4dは上述と同様に劣化3相ケーブル(フ
ィーダ)、相、劣化程度を、保守担当者に示す。
【0028】次に、本装置における電流信号と電圧信号
の内積による絶縁劣化の検出原理を図2により説明す
る。図2の(a)のシース電流等価回路に示すように、
ケーブルの中心導体1mに交流電源1aを接続し、シー
ス1eを接地線1gを通じてアース1iに接続すると、
中心導体1mとシース1e間に存在する浮遊容量1jを
充電する電流が接地線1gに流れる。この時、接地線1
gとアース1iの間に電流検出装置2を挿入すると、絶
縁劣化が無い場合には、等価回路は図2の(b)に示す
ようになり、電流検出装置2を通過する電流ベクトルI
(=IC)は、電源電圧ベクトルVと90度の位相差を
持つ。この時の電圧ベクトルと電流ベクトルの内積Pを
演算すると、零と成る。一方、絶縁劣化部1kが存在す
る場合には、等価回路は図2の(c)に示すようにな
り、電流検出装置2を通過する電流ベクトルI(=IC
+IR)は、電源電圧ベクトルVと90度の位相差を持
つ浮遊容量1jの充電電流ベクトルICと、電源電圧ベ
クトルVと一致した位相を持つ漏洩電流ベクトルIRの
和となる。この時の電圧ベクトルと電流ベクトルの内積
を演算すると、零とは成らず、電源電圧ベクトルVの絶
対値と漏洩電流ベクトルIRの絶対値の積と成る。従っ
て、電源電圧一定の場合には、絶縁劣化の度合いが大き
く、漏洩電流が大きいほど、前記の内積の結果も大きく
なる。以上より、ケーブルのシース1eから接地線1g
を通ってアース1iへ流れ込む電流ベクトルと、電源電
圧ベクトルの内積を演算する事により、絶縁劣化の有無
及び劣化の程度が、検出可能となる。なお図において、
各電流ベクトル、電圧ベクトルにはI,Vの上側に黒丸
が付してある。
の内積による絶縁劣化の検出原理を図2により説明す
る。図2の(a)のシース電流等価回路に示すように、
ケーブルの中心導体1mに交流電源1aを接続し、シー
ス1eを接地線1gを通じてアース1iに接続すると、
中心導体1mとシース1e間に存在する浮遊容量1jを
充電する電流が接地線1gに流れる。この時、接地線1
gとアース1iの間に電流検出装置2を挿入すると、絶
縁劣化が無い場合には、等価回路は図2の(b)に示す
ようになり、電流検出装置2を通過する電流ベクトルI
(=IC)は、電源電圧ベクトルVと90度の位相差を
持つ。この時の電圧ベクトルと電流ベクトルの内積Pを
演算すると、零と成る。一方、絶縁劣化部1kが存在す
る場合には、等価回路は図2の(c)に示すようにな
り、電流検出装置2を通過する電流ベクトルI(=IC
+IR)は、電源電圧ベクトルVと90度の位相差を持
つ浮遊容量1jの充電電流ベクトルICと、電源電圧ベ
クトルVと一致した位相を持つ漏洩電流ベクトルIRの
和となる。この時の電圧ベクトルと電流ベクトルの内積
を演算すると、零とは成らず、電源電圧ベクトルVの絶
対値と漏洩電流ベクトルIRの絶対値の積と成る。従っ
て、電源電圧一定の場合には、絶縁劣化の度合いが大き
く、漏洩電流が大きいほど、前記の内積の結果も大きく
なる。以上より、ケーブルのシース1eから接地線1g
を通ってアース1iへ流れ込む電流ベクトルと、電源電
圧ベクトルの内積を演算する事により、絶縁劣化の有無
及び劣化の程度が、検出可能となる。なお図において、
各電流ベクトル、電圧ベクトルにはI,Vの上側に黒丸
が付してある。
【0029】さて、電気設備の絶縁が劣化すると、図3
に示したように漏洩電流が時間と共に増加し始める。漏
洩電流が、予め定められた値I1に達すると、保護装置
により遮断器1cが開放され、負荷1fへの電力供給が
停止されるように構成されいるとき、漏洩電流が値I1
に達する前のこれより小さい値I2の段階で、電気設備
保守者に絶縁劣化の発生を知らせる事が出来れば、突然
の電力供給停止は避けられる。そのためには、漏洩電流
が値I2よりも小さい段階で、検出する事が必要であ
る。保護装置により遮断器1cを開放する漏洩電流の値
はI1は、100〜200ミリアンペア程度が一般的で
あり、電気設備の保守者が時間的に余裕を持って対処す
るためには、漏洩電流がそれより小さい数十ミリアンペ
アになった時点で、保全を実施する必要がある。従っ
て、絶縁劣化検出装置としては、数ミリアンペア程度の
漏洩電流を検出可能である必要がある。
に示したように漏洩電流が時間と共に増加し始める。漏
洩電流が、予め定められた値I1に達すると、保護装置
により遮断器1cが開放され、負荷1fへの電力供給が
停止されるように構成されいるとき、漏洩電流が値I1
に達する前のこれより小さい値I2の段階で、電気設備
保守者に絶縁劣化の発生を知らせる事が出来れば、突然
の電力供給停止は避けられる。そのためには、漏洩電流
が値I2よりも小さい段階で、検出する事が必要であ
る。保護装置により遮断器1cを開放する漏洩電流の値
はI1は、100〜200ミリアンペア程度が一般的で
あり、電気設備の保守者が時間的に余裕を持って対処す
るためには、漏洩電流がそれより小さい数十ミリアンペ
アになった時点で、保全を実施する必要がある。従っ
て、絶縁劣化検出装置としては、数ミリアンペア程度の
漏洩電流を検出可能である必要がある。
【0030】ここで、電流検出装置2の構成、各部の動
作、特徴を図4を用いて説明する。ケーブルのシース1
eから接地線1gを通じて電流検出装置2に流入した電
流は、補助変流器2aの1次側を通り、アース1iに流
出する。この電流に比例した電流が、補助変流器2aの
2次側に流れ、抵抗2bにより、補助変流器2aの1次
側を流れる電流に比例した電圧に変換される。この電圧
を、後段の処理装置4が取り扱えるレベルの、5から1
0ボルト程度になるように増幅器2cにより、増幅す
る。増幅器2cの出力は、2手に分かれ、一方は、直
接、選択回路2gの一方のスイッチ2g1群の各入力端
子の1点にそれぞれ接続される。他方は、ダイオード2
dを通じてコンデンサ2eを充電する。これによりコン
デンサ2eの両端には、増幅器2cの出力に現れる電圧
のピーク値が記憶される。コンデンサ2eの両端は、選
択回路2gにより制御されるスイッチ2fの両端に接続
され、スイッチ2fが閉じたときには、コンデンサ2e
の両端の電圧はほぼ零となり、スイッチ2fが開いたと
きには、再び増幅器2cの出力に現れる電圧のピーク値
が、記憶される。コンデンサ2eに記憶された電圧は、
選択回路2gの他方のスイッチ2g2群の各入力端子の
1点にそれぞれ接続される。選択回路2gは、電流選択
信号線5cから入力される選択信号に従い、2つのスイ
ッチ2g1,2g2群の各入力端子に入力された電圧の
1つを選択し、電流信号として出力する。一方のスイッ
チ2g1群の各出力端子からそれぞれ出力される電流信
号は、バンドパスフィルタ2hにより基本周波数成分が
抽出された後、電流信号線5a1に出力される。この電
流信号は、本来の信号である基本周波数の波形に、高調
波や、ノイズが重畳した波形になっている。従来の装置
では、基本周波数の波形成分が大きな領域を扱っていた
ため、問題とならない場合もあるが、本装置では、基本
周波数の波形成分が小さな領域を扱わねばならないた
め、バンドパスフィルタの重要性は高い。バンドパスフ
ィルタに要求される性能としては、基本周波数を中心と
し、第3次以上の高調波成分が10%以下となる程度の
能力が必要と考えられる。また、他方のスイッチ2g2
群の各出力端子からそれぞれ出力される電流信号、すな
わちコンデンサ2eに記憶された電圧のピーク値は直
接、電流信号線5a2に出力される。
作、特徴を図4を用いて説明する。ケーブルのシース1
eから接地線1gを通じて電流検出装置2に流入した電
流は、補助変流器2aの1次側を通り、アース1iに流
出する。この電流に比例した電流が、補助変流器2aの
2次側に流れ、抵抗2bにより、補助変流器2aの1次
側を流れる電流に比例した電圧に変換される。この電圧
を、後段の処理装置4が取り扱えるレベルの、5から1
0ボルト程度になるように増幅器2cにより、増幅す
る。増幅器2cの出力は、2手に分かれ、一方は、直
接、選択回路2gの一方のスイッチ2g1群の各入力端
子の1点にそれぞれ接続される。他方は、ダイオード2
dを通じてコンデンサ2eを充電する。これによりコン
デンサ2eの両端には、増幅器2cの出力に現れる電圧
のピーク値が記憶される。コンデンサ2eの両端は、選
択回路2gにより制御されるスイッチ2fの両端に接続
され、スイッチ2fが閉じたときには、コンデンサ2e
の両端の電圧はほぼ零となり、スイッチ2fが開いたと
きには、再び増幅器2cの出力に現れる電圧のピーク値
が、記憶される。コンデンサ2eに記憶された電圧は、
選択回路2gの他方のスイッチ2g2群の各入力端子の
1点にそれぞれ接続される。選択回路2gは、電流選択
信号線5cから入力される選択信号に従い、2つのスイ
ッチ2g1,2g2群の各入力端子に入力された電圧の
1つを選択し、電流信号として出力する。一方のスイッ
チ2g1群の各出力端子からそれぞれ出力される電流信
号は、バンドパスフィルタ2hにより基本周波数成分が
抽出された後、電流信号線5a1に出力される。この電
流信号は、本来の信号である基本周波数の波形に、高調
波や、ノイズが重畳した波形になっている。従来の装置
では、基本周波数の波形成分が大きな領域を扱っていた
ため、問題とならない場合もあるが、本装置では、基本
周波数の波形成分が小さな領域を扱わねばならないた
め、バンドパスフィルタの重要性は高い。バンドパスフ
ィルタに要求される性能としては、基本周波数を中心と
し、第3次以上の高調波成分が10%以下となる程度の
能力が必要と考えられる。また、他方のスイッチ2g2
群の各出力端子からそれぞれ出力される電流信号、すな
わちコンデンサ2eに記憶された電圧のピーク値は直
接、電流信号線5a2に出力される。
【0031】次に、電圧検出装置3cの構成、各部の動
作、特徴を図5により説明する。3相母線1bの電圧が
数百ボルト以上である場合は、直接この電圧を検出する
事は困難であるため、例えば、本実施例に示されたよう
に、3相母線1bの各相の対地電圧を、各相と対地間に
直列に挿入したコンデンサ3a,3bにより分圧して数
十ボルトに低減させた後、電圧検出部3cの入力端子に
接続する。電圧低減の方法は、抵抗分圧等の方法でも良
いが、電源電圧と検出電圧の位相が一致している事が重
要である。低減された電圧は、補助変圧器3dを経由し
て増幅器3eに入力され、後段の処理装置4が扱えるレ
ベルの、5から10ボルト程度になるように振幅調整さ
れる。増幅器3eの出力は、選択回路3fのスイッチの
各複数の入力端子のそれぞれ1点に接続される。選択回
路3fは、電圧選択信号線5dから入力される選択信号
に従い、複数のスイッチの各入力端子に入力された電圧
の1つを選択し、電圧信号として出力する。電圧信号
は、バンドパスフィルタ3gにより基本周波数成分が抽
出された後、電圧信号線5bに出力される。
作、特徴を図5により説明する。3相母線1bの電圧が
数百ボルト以上である場合は、直接この電圧を検出する
事は困難であるため、例えば、本実施例に示されたよう
に、3相母線1bの各相の対地電圧を、各相と対地間に
直列に挿入したコンデンサ3a,3bにより分圧して数
十ボルトに低減させた後、電圧検出部3cの入力端子に
接続する。電圧低減の方法は、抵抗分圧等の方法でも良
いが、電源電圧と検出電圧の位相が一致している事が重
要である。低減された電圧は、補助変圧器3dを経由し
て増幅器3eに入力され、後段の処理装置4が扱えるレ
ベルの、5から10ボルト程度になるように振幅調整さ
れる。増幅器3eの出力は、選択回路3fのスイッチの
各複数の入力端子のそれぞれ1点に接続される。選択回
路3fは、電圧選択信号線5dから入力される選択信号
に従い、複数のスイッチの各入力端子に入力された電圧
の1つを選択し、電圧信号として出力する。電圧信号
は、バンドパスフィルタ3gにより基本周波数成分が抽
出された後、電圧信号線5bに出力される。
【0032】次に、処理装置4の構成、各部の動作、特
徴を図6により説明する。一方の電流信号線5a1と電
圧信号線5bは、処理装置4に含まれるベクトル演算部
4aに接続されており、ベクトル演算部4aでは、電流
信号及び電圧信号を取り込み、これらの内積を演算す
る。演算結果は、処理部4bに内蔵される第1比較器4
1b1の2つの入力端子の一方に接続される。第1比較
器41b1の他方の入力端子には、第1設定部4c1か
ら出力された基準値が接続される。基準電圧を小さく設
定し過ぎると、装置の動作は敏感になるが、誤動作の可
能性が増加するため、本装置導入時に調整を行い、誤動
作の無い範囲で極力小さな設定値とするのがよい。そこ
で、保守担当者が、適用する設備に対応した地絡抵抗の
判定レベルを、第1設定部4c1にて入力した結果を反
映して、前記基準値を第1設定部4c1より出力する。
即ち、絶縁劣化部分の抵抗が、1メガオームに達した時
点で、劣化の判定表示を行いたい場合には、母線電圧
6.6キロボルトとすると、漏洩電流が約3.8ミリア
ンペア(I=V÷R=6600÷√3÷106≒0.0
038)であるため、内積値は、約25VA(=660
0×0.0038≒25)となる。従って、ベクトル演
算部4aでの内積値が25VAとなった場合に第1比較
器41b1に出力される出力と同一値が、第1設定部4
c1にて、保守担当者者が1メガオームの設定を行った
場合に出力されるようにすれば良い。第1比較器41b
1では、ベクトル演算部4aからの出力と、第1設定部
4c1からの出力を比較し、前者が後者より大きくなっ
た場合に、絶縁劣化(連続地絡)と判定して劣化部判定
器42bに劣化レベルを出力する。また、他方の電流信
号線5a2は処理装置4に含まれる第2比較器41b2
の2つの入力端子の一方に接続され、第2比較器41b
2の他方の入力端子には第2設定部4c2から出力され
た基準値が接続される。第2比較器41b2では、他方
の電流信号線5a2を通じて取り込んだ電流信号のピー
ク値、すなわち、上記コンデンサ2eに記憶された電圧
のピーク値と、第2の設定部4c2から出力される基準
値を比較し、前者が後者より大きくなった場合に、絶縁
劣化(間欠弧光地絡)と判定して劣化部判定器42bに
劣化レベルを出力する。第1および第2比較器41b
1,41b2からそれぞれ出力される劣化レベルは、第
1,第2設定部4c1,4c2からそれぞれ出力された
複数の基準値を基に、上記内積値およびピーク値をこれ
らの各基準値と比較してn段階の判定を行う。劣化部判
定器42bでは、第1,第2比較器から出力された劣化
レベルと、フィーダ,相切り換え器43bから出力され
た判定部位を示す信号を取り込んで、各判定部位に対す
る劣化レベルを記憶する。記憶された劣化レベルは、表
示部4dから読み取り可能な構成とし、保守者が、各判
定部位を選択すると、その部分の劣化レベルが、表示部
4dに表示される構造になっている。又、新たな劣化が
発生した際は、保守担当者の操作無しでも、その劣化判
定部位の名称と劣化レベルを、表示部4dに自動表示
し、警報を発生する構造となっている。表示部4dに於
ける具体的な表示項目は、3相ケーブル(フィーダ)名
称又は負荷名称、相、劣化モード(連続地絡、間欠弧光
地絡の一方又は双方)、及び劣化レベル(n段階)とす
れば良い。
徴を図6により説明する。一方の電流信号線5a1と電
圧信号線5bは、処理装置4に含まれるベクトル演算部
4aに接続されており、ベクトル演算部4aでは、電流
信号及び電圧信号を取り込み、これらの内積を演算す
る。演算結果は、処理部4bに内蔵される第1比較器4
1b1の2つの入力端子の一方に接続される。第1比較
器41b1の他方の入力端子には、第1設定部4c1か
ら出力された基準値が接続される。基準電圧を小さく設
定し過ぎると、装置の動作は敏感になるが、誤動作の可
能性が増加するため、本装置導入時に調整を行い、誤動
作の無い範囲で極力小さな設定値とするのがよい。そこ
で、保守担当者が、適用する設備に対応した地絡抵抗の
判定レベルを、第1設定部4c1にて入力した結果を反
映して、前記基準値を第1設定部4c1より出力する。
即ち、絶縁劣化部分の抵抗が、1メガオームに達した時
点で、劣化の判定表示を行いたい場合には、母線電圧
6.6キロボルトとすると、漏洩電流が約3.8ミリア
ンペア(I=V÷R=6600÷√3÷106≒0.0
038)であるため、内積値は、約25VA(=660
0×0.0038≒25)となる。従って、ベクトル演
算部4aでの内積値が25VAとなった場合に第1比較
器41b1に出力される出力と同一値が、第1設定部4
c1にて、保守担当者者が1メガオームの設定を行った
場合に出力されるようにすれば良い。第1比較器41b
1では、ベクトル演算部4aからの出力と、第1設定部
4c1からの出力を比較し、前者が後者より大きくなっ
た場合に、絶縁劣化(連続地絡)と判定して劣化部判定
器42bに劣化レベルを出力する。また、他方の電流信
号線5a2は処理装置4に含まれる第2比較器41b2
の2つの入力端子の一方に接続され、第2比較器41b
2の他方の入力端子には第2設定部4c2から出力され
た基準値が接続される。第2比較器41b2では、他方
の電流信号線5a2を通じて取り込んだ電流信号のピー
ク値、すなわち、上記コンデンサ2eに記憶された電圧
のピーク値と、第2の設定部4c2から出力される基準
値を比較し、前者が後者より大きくなった場合に、絶縁
劣化(間欠弧光地絡)と判定して劣化部判定器42bに
劣化レベルを出力する。第1および第2比較器41b
1,41b2からそれぞれ出力される劣化レベルは、第
1,第2設定部4c1,4c2からそれぞれ出力された
複数の基準値を基に、上記内積値およびピーク値をこれ
らの各基準値と比較してn段階の判定を行う。劣化部判
定器42bでは、第1,第2比較器から出力された劣化
レベルと、フィーダ,相切り換え器43bから出力され
た判定部位を示す信号を取り込んで、各判定部位に対す
る劣化レベルを記憶する。記憶された劣化レベルは、表
示部4dから読み取り可能な構成とし、保守者が、各判
定部位を選択すると、その部分の劣化レベルが、表示部
4dに表示される構造になっている。又、新たな劣化が
発生した際は、保守担当者の操作無しでも、その劣化判
定部位の名称と劣化レベルを、表示部4dに自動表示
し、警報を発生する構造となっている。表示部4dに於
ける具体的な表示項目は、3相ケーブル(フィーダ)名
称又は負荷名称、相、劣化モード(連続地絡、間欠弧光
地絡の一方又は双方)、及び劣化レベル(n段階)とす
れば良い。
【0033】フィーダ、相切り換え器43bから出力さ
れる電流選択信号及び電圧選択信号を図7により説明す
る。両信号は、電気設備を3相ケーブル(フィーダ)、
相、劣化モードに分割して、時分割式に順次処理を行う
ために必要となる信号である。この信号を設ける事によ
り、バンドパスフィルタ2h,3g、ベクトル演算部4
a、第1および第2比較器41b1,41b2が装置全
体で1個のみに削減でき、コンパクトで、低価格の装置
を構成することが可能になる。では、具体的な信号の説
明を行う。まず、電圧選択信号は、本実施例の場合は、
電源が3相であるため、第1,2,3相を選択する信号
が、繰り返し出力される。これに対し、電流選択信号
は、電流検出装置2に内蔵される選択回路2gの入力数
を順次選択する信号が、繰り返し出力される。その出力
は、各3相ケーブル(フィーダ)の切り換え、3相ケー
ブル(フィーダ)内の相の切り換え(第1,2,3
相)、相内の地絡モードの切り換え(連続地絡,間欠弧
光地絡)を行うもので、その信号が変化する周期は、電
圧選択信号の半分となる。具体的には、電流選択信号の
変化周期は、数百ミリ秒とすれば良い。劣化部判定器4
2bに出力する劣化部位を示す信号は、前記電流選択信
号と同様なものとすれば良い。
れる電流選択信号及び電圧選択信号を図7により説明す
る。両信号は、電気設備を3相ケーブル(フィーダ)、
相、劣化モードに分割して、時分割式に順次処理を行う
ために必要となる信号である。この信号を設ける事によ
り、バンドパスフィルタ2h,3g、ベクトル演算部4
a、第1および第2比較器41b1,41b2が装置全
体で1個のみに削減でき、コンパクトで、低価格の装置
を構成することが可能になる。では、具体的な信号の説
明を行う。まず、電圧選択信号は、本実施例の場合は、
電源が3相であるため、第1,2,3相を選択する信号
が、繰り返し出力される。これに対し、電流選択信号
は、電流検出装置2に内蔵される選択回路2gの入力数
を順次選択する信号が、繰り返し出力される。その出力
は、各3相ケーブル(フィーダ)の切り換え、3相ケー
ブル(フィーダ)内の相の切り換え(第1,2,3
相)、相内の地絡モードの切り換え(連続地絡,間欠弧
光地絡)を行うもので、その信号が変化する周期は、電
圧選択信号の半分となる。具体的には、電流選択信号の
変化周期は、数百ミリ秒とすれば良い。劣化部判定器4
2bに出力する劣化部位を示す信号は、前記電流選択信
号と同様なものとすれば良い。
【0034】以上が、基本的な絶縁劣化検出装置の構成
であるが、表示部4dにデータロギング機能を持たせ、
絶縁劣化のトレンドを記録し、保全作業に利用すること
も出来る。
であるが、表示部4dにデータロギング機能を持たせ、
絶縁劣化のトレンドを記録し、保全作業に利用すること
も出来る。
【0035】又、図8に示すように、ケーブルのシース
1eを複数箇所で電気的に分断し、分断したシースを、
処理部4bからの信号より開閉制御可能なスイッチ7a
の両端に接続する。本図では、シースを3分割し、スイ
ッチを2個使用した例を、1本のケーブルのみに関して
示している。絶縁劣化部位1kが、電源1a側からみて
ケーブルの2区画目に存在している場合、2個のスイッ
チ7a,7bの開閉状態と、電流検出装置2、電圧検出
装置3にて検出される電流ベクトルI(=IC),I(=IC+
IR)、電圧ベクトルVの関係は、図8に示すようにな
る。従って、7a,7b共開いた状態から、7a,7b
の順で閉じていけば、電圧ベクトルと電流ベクトルの内
積値は、次のように変化する。7a,7b共開いた状態
から、7aを閉じるまでは、内積値は零。7aを閉じて
から、7bを閉じるまでは、内積値は、劣化電流IRに
より定まる非零のある値。7bを閉じても内積値は変化
しない。この結果から、絶縁劣化部位1kが、7aと7
bの間に有ることが判定可能である。従って、シース間
に接続したスイッチの状態と、電圧ベクトルと電流ベク
トルの内積値を監視する事により、ケーブル中での劣化
区間の限定が可能となり、劣化部分の補修を行うに当た
って、従来必要であった劣化部位の探索作業時間の大幅
な短縮が可能である。
1eを複数箇所で電気的に分断し、分断したシースを、
処理部4bからの信号より開閉制御可能なスイッチ7a
の両端に接続する。本図では、シースを3分割し、スイ
ッチを2個使用した例を、1本のケーブルのみに関して
示している。絶縁劣化部位1kが、電源1a側からみて
ケーブルの2区画目に存在している場合、2個のスイッ
チ7a,7bの開閉状態と、電流検出装置2、電圧検出
装置3にて検出される電流ベクトルI(=IC),I(=IC+
IR)、電圧ベクトルVの関係は、図8に示すようにな
る。従って、7a,7b共開いた状態から、7a,7b
の順で閉じていけば、電圧ベクトルと電流ベクトルの内
積値は、次のように変化する。7a,7b共開いた状態
から、7aを閉じるまでは、内積値は零。7aを閉じて
から、7bを閉じるまでは、内積値は、劣化電流IRに
より定まる非零のある値。7bを閉じても内積値は変化
しない。この結果から、絶縁劣化部位1kが、7aと7
bの間に有ることが判定可能である。従って、シース間
に接続したスイッチの状態と、電圧ベクトルと電流ベク
トルの内積値を監視する事により、ケーブル中での劣化
区間の限定が可能となり、劣化部分の補修を行うに当た
って、従来必要であった劣化部位の探索作業時間の大幅
な短縮が可能である。
【0036】なお、上記実施例においては、3相交流電
源から複数の3相ケーブルを用いて複数の負荷に電力を
供給する電気設備に適用した場合について説明したが、
本発明はこれに限らず、単相交流電源から複数の単相ケ
ーブルを用いて複数の負荷に電力を供給する電気設備に
適用することも可能である。
源から複数の3相ケーブルを用いて複数の負荷に電力を
供給する電気設備に適用した場合について説明したが、
本発明はこれに限らず、単相交流電源から複数の単相ケ
ーブルを用いて複数の負荷に電力を供給する電気設備に
適用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
流ベクトルと電圧ベクトルを検出し、これらの内積を演
算し、この内積値が所定の値を越えたときケーブルが絶
縁劣化したと判定するようにしたので、GPTを使用す
ることなく絶縁劣化を検出することが可能で、絶縁劣化
検出装置を小型で安価にできるとともに、受電形態に関
係なく設置することができ、さらに、絶縁劣化の検出に
上記内積値を使用しているので、判定に際して、ケーブ
ルの長さや種類によって変化する浮遊容量の影響を受け
ることもない。また、3相ケーブル(フィーダ)毎、各
相毎に電流ベクトルと電圧ベクトルの内積を演算し、ま
たは同様に電流のピーク値を取り出し、これらの内積値
またはピーク値のうちの少なくとも1つが所定の値を越
えたとき、その内積値またはピーク値の属する3相ケー
ブル(フィーダ)およびその相が絶縁劣化したと判定す
るようにしたので、複数の3相ケーブル(フィーダ)の
うちの絶縁劣化した3相ケーブル(フィーダ)、3相ケ
ーブルの各相のうちの絶縁劣化した相を特定することが
でき、さらにケーブルのシースをその長手方向において
電気的に複数の区間に分断し、この分断されたシースの
各区間の間を外部信号により開閉制御可能なスイッチに
より接続し、このスイッチの接続状態と、上記内積値の
変化から絶縁劣化したケーブルの区間を判定するように
したので、ケーブルの長手方向の区間単位での絶縁劣化
部位を特定することができる。このように、3相ケーブ
ル(フィーダ)、相、さらには区間単位での絶縁劣化部
位の特定が可能であるため、絶縁劣化部位の探索作業時
間を大幅に短縮し、保全作業を迅速に行うことができ
る。さらに、絶縁劣化レベルを複数段階にしたので、絶
縁劣化の程度を判定することができ、あるいは上記内積
値が所定の値を越えたときの絶縁劣化を連続地絡モー
ド、上記ピーク値が所定の値を越えたときの絶縁劣化を
間欠弧光地絡モードとし、これらのモードを表示するよ
うにしたので絶縁劣化モードを判定することができる。
したがって、適切な時期に、適切な保全作業を行うこと
ができる。さらにまた、上記電流ベクトル及び電圧ベク
トルの基本周波数成分を抽出するバンドパスフィルタを
設け、重畳されている高調波成分やノイズを除いたの
で、誤動作を防いで絶縁劣化を確実に検出することがで
きる。さらにまた、各別に検出された各電流ベクトル及
び各ピークホールド回路に取り出された各ピーク値のい
ずれか一方または両方や、各別に検出された各電圧ベク
トルを時分割式に選択して処理するようにしたので、こ
れらの処理部が装置全体でそれぞれ1つに削減でき、装
置をより小型かつ安価にすることができる。
流ベクトルと電圧ベクトルを検出し、これらの内積を演
算し、この内積値が所定の値を越えたときケーブルが絶
縁劣化したと判定するようにしたので、GPTを使用す
ることなく絶縁劣化を検出することが可能で、絶縁劣化
検出装置を小型で安価にできるとともに、受電形態に関
係なく設置することができ、さらに、絶縁劣化の検出に
上記内積値を使用しているので、判定に際して、ケーブ
ルの長さや種類によって変化する浮遊容量の影響を受け
ることもない。また、3相ケーブル(フィーダ)毎、各
相毎に電流ベクトルと電圧ベクトルの内積を演算し、ま
たは同様に電流のピーク値を取り出し、これらの内積値
またはピーク値のうちの少なくとも1つが所定の値を越
えたとき、その内積値またはピーク値の属する3相ケー
ブル(フィーダ)およびその相が絶縁劣化したと判定す
るようにしたので、複数の3相ケーブル(フィーダ)の
うちの絶縁劣化した3相ケーブル(フィーダ)、3相ケ
ーブルの各相のうちの絶縁劣化した相を特定することが
でき、さらにケーブルのシースをその長手方向において
電気的に複数の区間に分断し、この分断されたシースの
各区間の間を外部信号により開閉制御可能なスイッチに
より接続し、このスイッチの接続状態と、上記内積値の
変化から絶縁劣化したケーブルの区間を判定するように
したので、ケーブルの長手方向の区間単位での絶縁劣化
部位を特定することができる。このように、3相ケーブ
ル(フィーダ)、相、さらには区間単位での絶縁劣化部
位の特定が可能であるため、絶縁劣化部位の探索作業時
間を大幅に短縮し、保全作業を迅速に行うことができ
る。さらに、絶縁劣化レベルを複数段階にしたので、絶
縁劣化の程度を判定することができ、あるいは上記内積
値が所定の値を越えたときの絶縁劣化を連続地絡モー
ド、上記ピーク値が所定の値を越えたときの絶縁劣化を
間欠弧光地絡モードとし、これらのモードを表示するよ
うにしたので絶縁劣化モードを判定することができる。
したがって、適切な時期に、適切な保全作業を行うこと
ができる。さらにまた、上記電流ベクトル及び電圧ベク
トルの基本周波数成分を抽出するバンドパスフィルタを
設け、重畳されている高調波成分やノイズを除いたの
で、誤動作を防いで絶縁劣化を確実に検出することがで
きる。さらにまた、各別に検出された各電流ベクトル及
び各ピークホールド回路に取り出された各ピーク値のい
ずれか一方または両方や、各別に検出された各電圧ベク
トルを時分割式に選択して処理するようにしたので、こ
れらの処理部が装置全体でそれぞれ1つに削減でき、装
置をより小型かつ安価にすることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る電気設備の絶縁劣化検
出装置の全体構成図である。
出装置の全体構成図である。
【図2】電流ベクトルと電圧ベクトルの内積による絶縁
劣化の検出原理を示す説明図である。
劣化の検出原理を示す説明図である。
【図3】電気設備の漏洩電流の時間変化の一例を示す特
性図である。
性図である。
【図4】電流検出装置の具体的構成図である。
【図5】電圧検出装置の具体的構成図である。
【図6】処理装置の具体的構成図である。
【図7】電流選択信号及び電圧選択信号のタイムチャー
トである。
トである。
【図8】ケーブルの絶縁劣化区間を特定するための原理
を示す説明図である。
を示す説明図である。
1a 3相交流電源 1d 3相ケーブル 1e シース 1f 負荷 1g 接地線 2 電流検出装置 2e ピーク値記憶用コンデンサ 2g 選択回路 2h バンドパスフィルタ 3 電圧検出装置 3f 選択回路 3g バンドパスフィルタ 4 処理装置 4a ベクトル演算部 4b 処理部 4c 設定部 4d 表示部 7a,7b スイッチ
Claims (8)
- 【請求項1】 その両端が交流電源と負荷に接続され、
交流電源から負荷へ電力を供給するケーブルがシースを
持った電気設備の絶縁劣化検出装置において、上記ケー
ブルのシースから接地線を通じて大地に流れる電流ベク
トルを検出する電流検出装置と、上記交流電源の電圧ベ
クトルを検出する電圧検出装置と、上記電流検出装置で
検出された電流ベクトルと上記電圧検出装置で検出され
た電圧ベクトルの内積を演算する演算手段とを備え、こ
の演算手段で演算された上記内積値が所定の値を越えた
とき上記ケーブルが絶縁劣化したと判定するように構成
したことを特徴とする電気設備の絶縁劣化検出装置。 - 【請求項2】 その両端が3相交流電源と複数の負荷に
それぞれ接続され、3相交流電源から各負荷へ電力を供
給する複数の3相ケーブルが各相毎に独立したシースを
持った電気設備の絶縁劣化検出装置において、上記複数
の3相ケーブルの各相毎のシースから接地線を通じて大
地に流れる各電流ベクトルを各別に検出する電流検出装
置と、上記3相交流電源の各相の電圧ベクトルを検出す
る電圧検出装置と、上記電流検出装置で各別に検出され
た各電流ベクトルと上記電圧検出装置で検出された各相
の電圧ベクトルの各内積を演算する演算手段とを備え、
この演算手段で演算された各内積値のうち少なくとも1
つが所定の値を越えたとき、所定の値を越えた内積値の
属する3相ケーブルおよびその相が絶縁劣化したと判定
するように構成したことを特徴とする電気設備の絶縁劣
化検出装置。 - 【請求項3】 請求項1および請求項2のいずれか1つ
の項において、上記の判定する絶縁劣化レベルを複数段
階にしたことを特徴とする電気設備の絶縁劣化検出装
置。 - 【請求項4】 請求項1および請求項2のいずれか1つ
の項において、上記電流検出装置で検出された電流ベク
トルの基本周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ
と、上記電圧検出装置で検出された電圧ベクトルの基本
周波数成分を抽出するバンドパスフィルタの少なくとも
いずれか1つを設けたことを特徴とする電気設備の絶縁
劣化検出装置。 - 【請求項5】 請求項2において、上記電流検出装置で
各別に検出された各電流ベクトルのピーク値を取り出す
各ピークホールド回路を設け、上記各電流ベクトルのピ
ーク値のうちの少なくとも1つが所定の値を越えたと
き、所定の値を越えたピーク値の属する3相ケーブルお
よびその相が絶縁劣化したと判定するように構成したこ
とを特徴とする電気設備の絶縁劣化検出装置。 - 【請求項6】 請求項2および請求項5のいずれか1つ
の項において、上記電流検出装置で各別に検出された各
電流ベクトルおよび上記各ピークホールド回路に取り出
された各ピーク値のいずれか一方または両方を時分割式
に選択して出力する第1の選択回路と、上記電圧検出装
置で検出された各相の電圧ベクトルを時分割式に選択し
て出力する第2の選択回路を設けたことを特徴とする電
気設備の絶縁劣化検出装置。 - 【請求項7】 請求項5において、上記内積値が所定の
値を越えたときの絶縁劣化を連続地絡モード、上記ピー
ク値が所定の値を越えたときの絶縁劣化を間欠弧光地絡
モードとし、これらの絶縁劣化モードを表示する表示部
を設けたことを特徴とする電気設備の絶縁劣化検出装
置。 - 【請求項8】 請求項1および請求項2のいずれか1つ
の項において、上記ケーブルのシースをその長手方向に
おいて電気的に複数の区間に分断し、この分断されたシ
ースの各区間の間を外部信号により開閉制御可能なスイ
ッチで接続し、このスイッチの開閉状態と、上記電流ベ
クトルと上記電圧ベクトルの内積値の変化から絶縁劣化
したケーブルの区間を判定するように構成したことを特
徴とする電気設備の絶縁劣化検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6032582A JPH07245869A (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 電気設備の絶縁劣化検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6032582A JPH07245869A (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 電気設備の絶縁劣化検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07245869A true JPH07245869A (ja) | 1995-09-19 |
Family
ID=12362871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6032582A Pending JPH07245869A (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 電気設備の絶縁劣化検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07245869A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004079378A1 (en) * | 2003-03-05 | 2004-09-16 | Jan Berggren | Detection of earth faults in three phase systems |
US6852992B2 (en) | 2001-06-29 | 2005-02-08 | Hitachi, Ltd. | Method and apparatus of diagnosing deterioration of an article |
US6993202B2 (en) | 2001-02-28 | 2006-01-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Decoding apparatus, method, and storage medium for inputting and decoding variable-length coded data |
KR20160030023A (ko) * | 2014-09-05 | 2016-03-16 | 엘에스전선 주식회사 | 3상 송전선로의 절연 열화 진단 방법 및 그의 절연 열화 진단 장치 |
KR102482708B1 (ko) * | 2022-05-12 | 2022-12-29 | 에이디파워 주식회사 | 안전 기능을 갖는 전력 분석 장비 |
-
1994
- 1994-03-02 JP JP6032582A patent/JPH07245869A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6993202B2 (en) | 2001-02-28 | 2006-01-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Decoding apparatus, method, and storage medium for inputting and decoding variable-length coded data |
US6852992B2 (en) | 2001-06-29 | 2005-02-08 | Hitachi, Ltd. | Method and apparatus of diagnosing deterioration of an article |
WO2004079378A1 (en) * | 2003-03-05 | 2004-09-16 | Jan Berggren | Detection of earth faults in three phase systems |
KR20160030023A (ko) * | 2014-09-05 | 2016-03-16 | 엘에스전선 주식회사 | 3상 송전선로의 절연 열화 진단 방법 및 그의 절연 열화 진단 장치 |
KR102482708B1 (ko) * | 2022-05-12 | 2022-12-29 | 에이디파워 주식회사 | 안전 기능을 갖는 전력 분석 장비 |
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