JP2958594B2 - 絶縁劣化診断装置 - Google Patents

絶縁劣化診断装置

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JP2958594B2
JP2958594B2 JP243093A JP243093A JP2958594B2 JP 2958594 B2 JP2958594 B2 JP 2958594B2 JP 243093 A JP243093 A JP 243093A JP 243093 A JP243093 A JP 243093A JP 2958594 B2 JP2958594 B2 JP 2958594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気設備の絶縁劣化を
検出し、診断する絶縁劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気設備の絶縁劣化は、時間的に進展
し、最終的には地絡事故や短絡事故に至る場合が多い。
絶縁劣化の進展メカニズムは、複雑であるが、概ね次の
ようになる。まず、ケーブル被覆や導体支持絶縁体の傷
や劣化部分から電流が漏れ始め、その漏洩電流により発
生する熱、圧力、イオン等により傷や劣化が進展し、漏
洩電流が増加する。
【0003】漏洩電流は、絶縁劣化初期には数ミリアン
ペア以下の微少な値であり、負荷電流が流れている状態
で検出する事は、難しい。
【0004】しかし、最近の電気設備は、その負荷とし
て、電子計算機等を持つ場合が多く、負荷を停止する事
が容易ではない場合が多い。
【0005】したがって負荷電流を流したままの状態
で、微少漏洩電流を検出して絶縁劣化状態を初期にとら
えることが必要になる。
【0006】従来では、次のような絶縁劣化診断装置
(特開平4ー42726)があった。この絶縁劣化診断
装置は、通常は短絡されているGPT(Ground Potenti
al Transformer)の中性点とアースとの間にスイッチが
設けられており、絶縁劣化の診断時には、このスイッチ
を解放し、解放したスイッチの両端に直流電圧を印加
し、電源設備からアースへの漏洩電流を計測すると共
に、計測完了後、前記スイッチを閉じる。この漏洩電流
を計測した結果、予め定めた基準値を超過している場合
には、電気設備を停止させ、複数の配電フィーダの絶縁
劣化を、個別に検査するように構成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、装置の構成上、地絡検出用のGPTが必要不可欠で
あり、装置の価格上昇と装置の大型化を招いていた。
【0008】また従来の絶縁劣化診断装置では電気設備
全体の絶縁劣化については判断できるが、絶縁劣化が生
じた部分の特定は出来いないため、絶縁劣化状態を検出
した後、電気設備を停止させた上で、改めて各部を切り
離して個々の部分の絶縁抵抗を測定する等の方法が取ら
れており、電気設備の保守に要する労力が大きいという
問題があった。
【0009】更に、地絡事故発生時にはGPT中性点と
アースとの間に高電圧が発生し、絶縁劣化診断装置が破
壊される可能性があるため、常時、計測を行うことがで
きず、定期的に短時間の診断を実施するに止めざるを得
ないため、急速に進展する絶縁劣化に対処することが困
難であるという問題があった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、安価で信頼性が高く電気設備の保全を容易
に行うことができる絶縁劣化診断装置を提供する事を目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁劣化診断装
置は、電気設備における複数の配電フィーダの零相電流
をそれぞれ個別に計測する複数の零相変流器と、前記複
数の零相変流器から出力された零相電流信号を取り込
み、これらの複数の零相電流信号相互間の内積を求め、
この内積の符号に基づいて絶縁劣化が生じた配電フィー
ダを特定し、かつ該特定された配電フィーダに関する零
相電流値と基準値とを比較して前記特定された配電フィ
ーダの絶縁劣化程度の判定を行う処理装置とを有するこ
とを特徴とする。
【0012】また本発明の絶縁劣化診断装置は、前記処
理装置は、前記複数の各零相電流信号を所定のレベルに
個別に増幅する複数の増幅手段と、前記複数の各増幅手
段の出力信号である零相電流の基本波成分を取り出す複
数のバンドパスフィルタと、該複数のバンドパスフィル
タの出力信号を取り込み、これら複数のバンドパスフィ
ルタの出力信号相互間の内積を求め、この内積の符号
基づいて絶縁劣化が生じた配電フィーダの特定及び特定
された配電フィーダに関する零相電流値と基準値とを比
較して前記特定された配電フィーダの絶縁劣化の程度を
判定する演算手段と、該演算手段の演算出力に基づいて
絶縁劣化が生じたフィーダを示すデータ及びそのフィー
ダの絶縁劣化の程度を表示する表示手段とを有すること
を特徴とする。
【0013】更に本発明の絶縁劣化診断装置は、前記増
幅手段は、絶縁劣化していない状態におけるフィーダの
零相電流信号のレベルを記憶する記憶部と、現在の零相
電流信号と前記記憶部から出力される非絶縁劣化時の零
相電流信号のレベル差を増幅する差動増幅器とから構成
されることを特徴とする。
【0014】また本発明の絶縁劣化診断装置は、前記演
算手段は、絶縁劣化してない状態におけるフィーダの零
相電流信号のレベルを記憶する記憶部を有し、各フィー
ダの現在の零相電流信号と前記記憶部から出力される絶
縁劣化していない状態における零相電流信号との差を演
算する機能を有することを特徴とする。
【0015】更に本発明の絶縁劣化診断装置は、前記演
算手段は、前記電気設備における基準となる配電フィー
ダの零相電流ベクトルと他の配電フィーダの零相電流ベ
クトルとの内積を求め、この内積の符号に基づいて絶縁
劣化が生じた配電フィーダの特定を行うことを特徴と
る。
【0016】
【作用】上記構成の絶縁劣化診断装置は、絶縁劣化部分
の特定を行うため、母線から各負荷へ電気を配分するフ
ィーダの微少零相電流を計測するための零相変流器を有
している。この零相変流器は、2ミリアンペア程度の微
少零相電流を計測可能なように、巻数を多くしてある。
【0017】また零相変流器の出力を、増幅器とバンド
パスフィルタを介して演算部に取り込み、零相電流ベク
トル同士の内積を求め、その符号に基づいて絶縁劣化部
分の特定を行う。その際に絶縁劣化していない状態にお
ける零相電流の大きさを個々のフィーダについて記憶し
ておき、現在の零相電流の計測値との差分のみを演算に
使用する。
【0018】この結果GPTを使用しなくても絶縁劣化
の診断が可能となり、しかもフィーダ単位での絶縁劣化
部位の判定が可能になる。
【0019】更にノイズや高調波の影響を受けにくくな
るため、安定した絶縁劣化診断を行う事が出来る。
【0020】従って、本発明によれば、安価で信頼性が
高く設備の保全が容易な絶縁劣化診断装置を構築するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1には本発明に係る絶縁劣化診断装置の一実施
例の構成が示されている。この絶縁劣化診断装置の絶縁
劣化診断の対象となる電気設備1の例として、次の設備
を考える。
【0022】図1において電気設備1は、商用電源又は
自家発電機等にその一端が接続される受電部10と、こ
の受電部10の他端に接続される母線11と、母線11
と複数の負荷15を遮断器13を介して接続する複数の
フィーダ12とから構成されている。
【0023】また上記電気設備1に設置された絶縁劣化
診断装置は、各フィーダ12毎に設けられ各フィーダの
零相電流を計測する複数の零相電流変流器14と、各フ
ィーダ12毎に零相電流変流器14より出力された零相
電流信号16を取り込み、これらの複数の零相電流信号
16に基づいて絶縁劣化が生じた配電フィーダを特定
し、かつ特定された配電フィーダの絶縁劣化程度の判定
を行う処理装置2とを有している。
【0024】処理装置2は、上記複数の零相電流変流器
14から出力される零相電流信号16を入力信号とする
複数の増幅器17と、この複数の増幅器17の出力信号
を入力信号とするバンドパスフィルタ18と、複数のバ
ンドパスフィルタ18の出力信号を取り込み演算処理す
る演算部19と、演算部19から出力される絶縁劣化し
たフィーダを示す検出信号30、絶縁劣化状態の程度を
示す検出信号31とを受けて診断結果を表示する表示部
20とから構成されている。
【0025】図2に図1に示した電気設備1における各
フィーダ12における零相電流の時間変化の一例を示
す。電気設備の絶縁が劣化すると、図2に示すように零
相電流が時間と共に増加し始める。零相電流が、予め定
められた値I1に達すると、保護装置により遮断器13
が解放され、負荷15への電力供給が停止されることが
判っているときに零相電流が値I1に達する前の値I2
の段階で、電気設備保守者に電気設備1における絶縁劣
化の発生を知らしめることが出来れば、突然の電力供給
停止といった事態は避けられる。そのためには、零相電
流が値I2よりも小さい段階で検出することが必要であ
る。保護装置により遮断器13を解放するときの零相電
流I1の値は、200ミリアンペア程度が一般的であ
り、電気設備の保守者が余裕をもって対処するために
は、零相電流が数十ミリアンペアになった時点で電気設
備の修理を実施する必要がある。
【0026】したがって、絶縁劣化診断装置としては、
数ミリアンペア程度の零相電流を検出可能であることが
必要となる。そこで、本実施例における絶縁劣化診断装
置の零相電流変流器14は、従来の零相電流変流器の検
出可能電流は、100ミリアンペア前後であるため、従
来よりも高感度とし、2ミリアンペアまで検出可能なよ
うに、その2次巻線の巻数を多くしてある。これにより
微少な零相電流が計測可能となる。
【0027】一方、実際に零相電流変流器14から出力
される零相電流信号16は、波高値が小さく、そのまま
では、処理装置2の演算部19で演算処理できないた
め、増幅器17により必要な波高値(レベル)まで増幅
する。
【0028】しかし、零相電流信号16は、本来の信号
である基本周波数の波形に、高調波やノイズが重畳した
波形になっている。従来の絶縁劣化診断装置では、基本
周波数の波形成分が大きい領域を扱っていたために問題
とならない場合もあるが、本発明による絶縁劣化診断装
置では、基本周波数の波形成分が小さな領域を扱わなけ
ればならないためにバンドパスフィルタの重要性は高
い。すなわち、高調波やノイズの影響を受けることな
く、測定精度を保つためには、バンドパスフィルタを用
いて基本波成分のみを抽出する必要がある。図1におけ
るバンドパスフィルタ18に要求される性能としては、
全ての高調波成分を1%以下にするために基本周波数を
中心とし、Q=5程度が必要となる。
【0029】このようにして零相電流信号16は、増幅
器17により所定の波高値まで増幅され、バンドパスフ
ィルタ18により基本周波数成分が抽出された後、演算
部19に入力される。
【0030】演算部19では複数のバンドパスフィルタ
18の出力信号を取り込み、これら複数のバンドパスフ
ィルタ18の出力信号に基づいて絶縁劣化が生じた配電
フィーダの特定及びその絶縁劣化の程度を判定する。
【0031】ここで演算部19において絶縁劣化が生じ
たフィーダの特定を行う原理について図3及び図4を参
照して説明する。図3(a)に示したように、絶縁劣化
が生じてない場合には、各フィーダの零相電流ベクトル
は、任意の方向を向いている。絶縁劣化が生じていない
状態で零相電流が各フィーダに流れる原因は、フィーダ
を構成する各相の浮遊容量に不揃いがあるためである。
この状態で特定のフィーダに絶縁劣化が発生した場合、
そのフィーダに流れる零相電流ベクトルが、接地電流に
より大きくなり、その他のフィーダの零相電流ベクトル
は、絶縁劣化が生じたフィーダの零相電流ベクトルと、
逆方向を示し、図3(b)に示す様相を呈する。
【0032】絶縁劣化によりフィーダの零相電流ベクト
ルが図3に示すように変化する原理は、図4により、次
のように説明される。フィーダの絶縁劣化部から大地へ
地絡電流6aが流れると、大地からの帰還電流6bが各
相の浮遊容量8を介して電源側へ流れる。この時の地絡
電流6aと帰還電流6bの関係は次式に示すようにな
る。
【0033】
【数1】 6a=Σ6b (1) したがって、絶縁劣化が生じたフィーダの零相電流7a
は、次式に示すように、
【0034】
【数2】 7a=6aー2×6b>0 (2) 正の値となり、絶縁劣化が生じていないフィーダの零相
電流7bは、次式に示すように、
【0035】
【数3】 ー2×6b<0 (3) 負の値となる。したがって、絶縁劣化が生じたフィーダ
の零相電流と絶縁劣化が生じていないフィーダの零相電
流は、ベクトル的には向きが逆方向となる。
【0036】このように絶縁劣化が生じた場合のフィー
ダの零相電流ベクトルが図3に示すように変化すること
を利用して演算部19では、つぎの演算を行う。
【0037】まず、いずれかのフィーダの零相電流の絶
対値が、基準値を超えた時点で、演算を開始する。
【0038】次に、基準ベクトルを選定する。基準ベク
トルとしては、どのフィーダの零相電流ベクトルを選定
しても理論上は問題ないが、実際は波高値の大きなもの
を基準とするのが良く、したっがて零相電流の絶対値が
最大となる零相電流ベクトルを使用するのがよい。
【0039】基準となる零相電流ベクトルが選定された
ならば、次に基準零相電流ベクトルと、その他のフィー
ダの零相電流ベクトルとの内積が計算される。この場
合、基準零相電流ベクトルとして選定したフィーダが、
絶縁劣化が生じたフィーダであった場合には上述したベ
クトルの内積の結果は、全て負の値を持つ。何故ならば
上述した状態は、図3(b)において零相電流ベクトル
5eを基準零相電流ベクトルとして選定した場合に相当
し、他のフィーダの零相電流ベクトルが基準ベクトルと
逆方向を向いているため上述した内積結果は、全て負の
値となるからである。
【0040】また基準零相電流ベクトルとして選定した
フィーダが、絶縁劣化が生じてないフィーダであった場
合には、上述した零相電流ベクトルの内積の結果は、基
準零相電流ベクトルと絶縁劣化が生じたフィーダの零相
電流ベクトルの内積結果のみが負の値となり、それ以外
は正の値となる。何故ならば上述した状態というのは図
3(b)において零相電流ベクトル5e以外、例えば零
相電流ベクトル5bを基準零相電流ベクトルとして選定
した場合に相当する。したがって絶縁劣化が生じたフィ
ーダの零相電流ベクトル以外のフィーダの零相電流ベク
トルが基準ベクトルとなす角度が90度以内となるた
め、上述した内積結果は、基準零相電流ベクトルと絶縁
劣化が生じたフィーダの零相電流ベクトルの内積結果の
みが負の値となり、それ以外は、正の値となる。
【0041】したがって、基準零相電流ベクトルと、そ
の他のフィーダの零相電流ベクトルとの内積を計算した
結果から、絶縁劣化が生じたフィーダが、いずれのフィ
ーダであるかを判定できる。
【0042】次に、上述した演算結果により特定された
絶縁劣化が生じたフィーダの零相電流の絶対値から、絶
縁劣化の程度を判定する。絶縁劣化の程度の判定は、絶
縁劣化が生じたフィーダの零相電流の絶対値と、n個の
基準電流値の比較により行う。
【0043】次に、絶縁劣化が生じたフィーダを特定す
る信号30と、そのフィーダの絶縁劣化の程度をn段階
で示す信号31が演算部19より表示部20に送られ、
表示部20では、絶縁劣化が生じたフィーダの名称又は
番号を示す表示と、そのフィーダの絶縁劣化の程度をn
段階で示す表示がなされる。
【0044】電気設備の保守員は、表示部20の表示内
容に従い、電気設備の修理の計画、実施を行う。
【0045】次に図5に絶縁劣化が生じてない時の各フ
ィーダにおける零相電流を用いて計測時における零相電
流の補正を行った場合の零相電流の変化の状態を示す。
図5(a)、図5(b)の内容は、図3(a)、図3
(b)の内容と同じである。既に図3で説明したよう
に、絶縁劣化がフィーダに生じてない場合でもそのフィ
ーダに零相電流が発生する。この絶縁劣化が生じてない
状態で発生する零相電流が図1における演算部19での
演算処理において、邪魔になる場合がある。即ち、前記
各相の浮遊容量8の不揃いが大きい場合には、図5
(b)において、絶縁劣化が生じてない二つのフィーダ
の零相電流ベクトル例えば、5aと5cとのなす角度が
90度以上となる場合が考えられ、この場合に上述した
演算による絶縁劣化が生じたフィーダの特定が正確に行
われない可能性がある。
【0046】そこで図6に示す補正部により、非絶縁劣
化時に発生する零相電流を、演算部19で処理する前に
取り除き、絶縁劣化発生時の零相電流ベクトルを図5
(c)に示す形にする。
【0047】図6において補正部は、絶縁劣化が生じて
ない時のフィーダの零相電流信号が記憶される記憶部5
0と、補正前のフィーダの零相電流信号と記憶部50か
ら出力される絶縁劣化が生じてない時のフィーダの零相
電流信号との差を演算する差分演算部51とから構成さ
れる。
【0048】上記構成においてまず書込指令信号9aに
より絶縁劣化が生じてない状態におけるるフィーダの零
相電流信号が記憶部50に書き込まれ、次いで補正前の
フィーダの零相電流信号5fと記憶部50から読み出さ
れた絶縁劣化が生じてない状態におけるフィーダの零相
電流信号とが差分演算部51で両者の差が求められ、補
正後の零相電流信号5hとして出力される。
【0049】このようにして各フィーダの零相電流が補
正されることにより、絶縁劣化が生じたフィーダの特定
が演算部19において正確に行われることとなる。なお
この補正部は演算部19内に設けてもよいし、また複数
の増幅器17の各々にこの補正部を含めて構成するよう
にしてもよい。
【0050】
【効果】以上に説明したように、本発明によればGPT
を使用しなくても電気設備の絶縁劣化の診断が可能とな
り、しかもフィーダ単位での絶縁劣化部位の判定が可能
になる。
【0051】更にノイズや高調波の影響を受けにくいの
で安定した絶縁劣化の診断を行うことが可能となる。従
って安価で信頼性が高く、かつ電気設備の保全を容易に
することが可能な絶縁劣化診断装置を構築することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁劣化診断装置の一実施例を示
す構成図である。
【図2】電気設備の零相電流の時間変化の一例を示す特
性図である。
【図3】図1における各フィーダの零相電流ベクトル
が、絶縁劣化の有無により変化する状態を示した説明図
である。
【図4】図1に示した電気設備における各フィーダにお
いて零相電流が発生する原理を示した説明図である。
【図5】図1に示した電気設備において非絶縁劣化時の
フィーダの零相電流による補正を行った場合の零相電流
の変化の状態を示す説明図である。
【図6】非絶縁劣化時の零相電流を用いて各フィーダの
計測時における零相電流の補正を行うための補正部の一
実施例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電気設備 2 処理装置 10 受電部 11 母線 12 フィーダ 13 遮断器 14 零相電流変流器 15 負荷 17 増幅器 18 バンドパスフィルタ 19 演算部 20 表示部 50 記憶部 51 差分演算部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気設備における複数の配電フィーダの
    零相電流をそれぞれ個別に計測する複数の零相変流器
    と、 前記複数の零相変流器から出力された零相電流信号を取
    り込み、これらの複数の零相電流信号相互間の内積を求
    め、この内積の符号に基づいて絶縁劣化が生じた配電フ
    ィーダを特定し、かつ該特定された配電フィーダに関す
    る零相電流値と基準値とを比較して前記特定された配電
    フィーダの絶縁劣化程度の判定を行う処理装置とを有す
    ることを特徴とする絶縁劣化診断装置。
  2. 【請求項2】 前記処理装置は、前記複数の各零相電流
    信号を所定のレベルに個別に増幅する複数の増幅手段
    と、 前記複数の各増幅手段の出力信号である零相電流の基本
    波成分を取り出す複数のバンドパスフィルタと、 該複数のバンドパスフィルタの出力信号を取り込み、こ
    れら複数のバンドパスフィルタの出力信号相互間の内積
    を求め、この内積の符号に基づいて絶縁劣化が生じた配
    電フィーダの特定及び特定された配電フィーダに関する
    零相電流値と基準値とを比較して前記特定された配電フ
    ィーダの絶縁劣化の程度を判定する演算手段と、 該演算手段の演算出力に基づいて絶縁劣化が生じたフィ
    ーダを示すデータ及びそのフィーダの絶縁劣化の程度を
    表示する表示手段とを有することを特徴とする請求項1
    に記載の絶縁劣化診断装置。
  3. 【請求項3】 前記増幅手段は、絶縁劣化していない状
    態におけるフィーダの零相電流信号のレベルを記憶する
    記憶部と、 現在の零相電流信号と前記記憶部から出力される非絶縁
    劣化時の零相電流信号のレベル差を増幅する差動増幅器
    とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の絶
    縁劣化診断装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は、絶縁劣化してない状態
    におけるフィーダの零相電流信号のレベルを記憶する記
    憶部を有し、各フィーダの現在の零相電流信号と前記記
    憶部から出力される絶縁劣化していない状態における零
    相電流信号との差を演算する機能を有することを特徴と
    する請求項2に記載の絶縁劣化診断装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段は、前記電気設備における
    基準となる配電フィーダの零相電流ベクトルと他の配電
    フィーダの零相電流ベクトルとの内積を求め、この内積
    の符号に基づいて絶縁劣化が生じた配電フィーダの特定
    を行うことを特徴とする請求項3または4のいずれかに
    記載の絶縁劣化診断装置。
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