(実施の形態1)
図1に、本実施の形態に係る監視システムの構成図を示す。図1に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共にデータ形成部4に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標(例えば、画像Pの左上角を原点(0,0)とし、被写体を含む部分の対角2点の座標)を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。被写体検出部2では、画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。顔の形状としては、目、眼鏡、鼻、口、耳、髪の毛、顔の輪郭等を利用している。一方、顔の色彩としては、肌色に近い色彩情報や化粧品による色彩情報等を利用している。
さらに、別の方法として、被写体検出部2が温度を検出する2次元センサ又は赤外波長域に感度を有する画像センサ(以下、単にセンサともいう)を備え、これらセンサからの出力に基づいて体温を持つ生体の画像部分を検出する方法がある。具体的に説明すると、画像Pに対応する範囲を調べることができるセンサが、体温を持つ生体と発熱していない物体とを区別した上で、体温を持つ生体の形状から顔の部分を特定する。被写体検出部2は、センサが特定した顔の部分に対応する画像Pの座標を取得する。なお、センサが、体温を持つ生体と発熱していない物体とを区別した上で、体温を持つ生体に対応する画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出しても良い。
被写体検出部2は、取得した被写体を含む部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1を切出す。なお、複数の被写体が存在する場合は、部分画像p1,p2,p3・・・となる。以下、特に画像数が特定されていない場合、部分画像p1,p2,p3・・・と表現する。切出された部分画像p1,p2,p3・・・は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、画像Pと部分画像p1,p2,p3・・・とを関連付けたデータを形成し、当該データを送信部5に供給する。なお、図1では、当該データをP+p1,p2,p3・・・と表現している。送信部5では、送信端子6から監視端末(図示せず)へ画像Pと部分画像p1,p2,p3・・・とを関連付けたデータを送信する。
なお、被写体検出部2において検出した顔の部分が1つの場合は、被写体切出し部3で切出される部分は部分画像p1だけとなり、検出した顔の部分が2つの場合は、部分画像p1、p2に、検出した顔の部分が3つの場合は、部分画像p1、p2,p3のようになる。つまり、被写体検出部2において検出した顔の部分の数に依存して、被写体切出し部3で切出される部分の数が決まる。
図2に、本実施の形態に係る監視システムで取り扱われる画像を示す。まず、図2(a)は、撮像部1により撮像された監視対象の画像である。図2(a)に示す画像では、所定の被写体として1人の人間が含まれている。そして、この図2(a)に示す画像は、被写体検出部2、被写体切出し部3及びデータ形成部4に供給される。
被写体検出部2は、図2(a)の画像から所定の被写体を検出する。図2(b)では、被写体検出部2が検出した顔の部分(被写体)が点線枠で示されている。そして、被写体検出部2は、図2(b)に示す画像の点線枠の座標を取得し、被写体切出し部3に当該座標を供給する。
被写体切出し部3では、供給された座標に基づいて図2(b)の画像から点線枠で囲まれた顔の部分を切出す。図2(c)では、被写体切出し部3により切出された顔の部分が示されている。被写体切出し部3で切出された図2(c)の画像は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、撮像部1から供給された図2(a)の画像と、被写体切出し部3で切出された図2(c)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図2(d)に示す画像のように表示される。但し、監視端末で表示される画像は、必ずしも図2(d)に示す画像のように表示される必要はない。
データ形成部4で形成された図2(d)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
以上のように、本実施の形態に記載の監視システムは、所定の被写体を含む画像を撮像する撮像部1と、撮像部1により撮像された画像から所定の被写体を検出する被写体検出部2と、被写体検出部2からの出力に基づき、画像から所定の被写体を含む部分画像を切出す被写体切出し部3と、撮像部1により撮像された画像と、被写体切出し部3により切出した部分画像とを関連付けたデータを形成するデータ形成部と、データ形成部で形成されたデータを送信する送信部とを備えるので、撮像部により撮像可能な範囲の全体と注目する部分(被写体)とを同時に監視することができる。
また、本実施の形態に記載の監視システムは、被写体検出部が、被写体(人間の顔)の形状及び色彩の情報に基づいて所定の被写体(人間の顔)を検出するので、外部から座標を設定する必要がなく、監視システムを利用する手間を軽減することができる。
(変形例)
図3に、本実施の形態の変形例に係る監視システムの構成図を示す。本変形例は、本実施の形態に係る監視システムに画像縮小部7を追加した構成である。図3に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共に画像縮小部7に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。本変形例でも、被写体検出部2で画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。
被写体検出部2は、取得した被写体の部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3・・・を切出す。切出された部分画像p1,p2,p3・・・は、データ形成部4に供給される。
一方、画像縮小部7に供給された画像Pは、画像サイズが縮小され縮小画像pに変換される。例えば、1,280画素×960画素の画像Pを、画像縮小部7で640画素×480画素の縮小画像pに変換することで大幅にデータ量を減らすことができる。この縮小画像pは、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、縮小画像pと部分画像p1,p2,p3・・・とを関連付けたデータを形成し、当該データを送信部5に供給する。なお、図3では、当該データをp+p1,p2,p3・・・と表現している。送信部5では、送信端子6から監視端末(図示せず)へ縮小画像pと部分画像p1,p2,p3・・・とを関連付けたデータを送信する。
次に、図2に示した監視システムで取り扱われる画像を用いて、本変形例を説明する。図2(a)に示す画像が、被写体検出部2、被写体切出し部3及び画像縮小部7に供給される。なお、被写体検出部2及び被写体切出し部3については、本実施の形態と同じであるため説明を省略する。画像縮小部7では、図2(a)に示す画像を縮小して、図2(e)に示す画像に変換している。
この図2(e)に示す画像は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、画像縮小部7から供給された図2(e)の画像と、被写体切出し部3で切出された図2(c)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図2(f)に示す画像のように表示される。データ形成部4で形成された図2(f)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
本変形例に記載の監視システムは、撮像部1により撮像された画像を、所定のデータ量に縮小した縮小画像に変換する画像縮小部7をさらに備え、データ形成部4は、画像に代えて縮小画像と、被写体切出し部3により切出した部分画像とを関連付けたデータを形成するので、送信するデータ量を大幅に減らすことができ、データの送信に必要な時間とコストを削減することができる。
(実施の形態2)
図4に、本実施の形態に係る監視システムの構成図を示す。図4に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共にデータ形成部4に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。被写体検出部2では、画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。顔の形状としては、目、眼鏡、鼻、口、耳、髪の毛、顔の輪郭等を利用している。一方、顔の色彩としては、肌色に近い色彩情報や化粧品による色彩情報等を利用している。
被写体検出部2は、取得した被写体を含む部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3(ここでは、画像Pに3枚の部分画像が含まれている場合を考える)を切出す。切出された部分画像p1,p2,p3は、送信画像選択部8と同時に優先順位付与部9に供給される。
優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の大きさ、被写体の向き、被写体の位置、被写体の形状、被写体の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めている。例えば、部分画像p1,p2,p3に撮像されている被写体が人間の顔の場合、顔がより大きい部分画像について優先順位を高くすることが考えられる。
また、顔の大きさと向きとを組み合わせて、正面を向いている顔の画像のうち、より大きいものを優先順位を高くすることが考えられる。また、顔の位置が、ドアや窓等の監視対象に近いものの優先順位を高くことや、要注意人間の顔の画像について、その形状や色彩等の特徴について予め記憶させておき、当該記憶している特徴により近い形状や色彩を有する部分画像p1,p2,p3について優先順位を高くすることも考えられる。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、部分画像p1,p2,p3から優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3において顔の大きさがp1>p2>p3である場合は、上位の部分画像p1,p2のみが送信画像選択部8で選択される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
選択された部分画像p1,p2を、以下選択部分画像pn1、pn2とよぶ。この選択部分画像pn1、pn2は、データ形成部4に供給される。データ形成部4は、画像Pと選択部分画像pn1、pn2とを関連付けたデータを形成し、送信部6に供給する。なお、図4では、当該データをP+pn1,pn2と表現している。送信部6では、送信端子7から監視端末(図示せず)へ画像Pと選択部分画像pn1、pn2とを関連付けたデータを送信する。
図5に、本実施の形態に係る監視システムで取り扱われる画像を示す。まず、図5(a)は、撮像部1により撮像された監視対象の画像である。図5(a)に示す画像では、所定の被写体として3人の人間が含まれている。そして、この図5(a)に示す画像は、被写体検出部2、被写体切出し部3及びデータ形成部4に供給される。
被写体検出部2は、図5(a)の画像から所定の被写体を検出する。図5(b)では、被写体検出部2が検出した顔の部分(被写体)が点線枠で示されている。そして、被写体検出部2は、図5(b)に示す画像の点線枠の座標を取得し、被写体切出し部3に当該座標を供給する。
被写体切出し部3では、供給された座標に基づいて図5(b)の画像から点線枠で囲まれた顔の部分を切出す。図5(c)では、被写体切出し部3により切出された顔の部分が示されている。被写体切出し部3で切出された図5(c)の画像は、送信画像選択部8及び優先順位付与部9に供給される。優先順位付与部9では、画像の特徴に基づいて図5(c)の画像の優先順位を決定する。
優先順位付与部9で決定した順位を模式的に数字で表した図が図5(d)である。図5(d)の画像では、四角顔の部分画像が優先順位1位で、丸顔の部分画像が優先順位2位である。図5(d)の画像の優先順位の情報に基づいて、送信画像選択部8は、優先順位上位の四角顔と丸顔の部分画像の2枚を選択している。図5(e)に、四角顔と丸顔の部分画像の2枚を選択した結果を示す。
送信画像選択部8は、選択した図5(e)の画像をデータ形成部4に供給する。データ形成部4では、撮像部1から供給された図5(a)の画像と、送信画像選択部8で選択した図5(e)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図5(f)に示す画像のように表示される。但し、監視端末で表示される画像は、必ずしも図5(f)に示す画像のように表示される必要はない。
データ形成部4で形成された図5(f)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
上記では、優先順位付与部9の基準として、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩など、画像の特徴部分を利用していた。しかし、優先順位付与部の基準は、画像の特徴部分に限られず、被写体の動き量に基づいても優先順位を決することができる。被写体の動き量を検出するには、例えば画像メモリに過去の画像を格納しておき、現在の画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図6に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図6に示す監視システムは、図4に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図4と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図6に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
具体的に、動体検出部10の動作を説明すると、例えば、撮像部1で撮像される画像Pが水平方向1280画素×垂直方向960画素である場合、画像Pの原点(0,0)を左上におくと、右下が(1279,959)となる座標空間(x,y)が定義できる。この座標空間で、前回のフレームでの顔(被写体)の画像がx=30〜80、y=400〜460に位置しているとき、この顔の画像の中央に位置する画素を対象画素として、その座標(55,430)を動体検出部10内のメモリに記録しておく。
そして、今回のフレームでの顔の画像がx=100〜150、y=500〜460の位置に移動している場合、この顔の画像における対象画素の座標は(125,530)となる。この座標(125,530)とメモリに記憶した座標(55,430)と比較することで、顔の動き量が検出できる。上記の場合、顔の画像は、前回のフレームから今回のフレームまでに、x軸方向に+70、y軸方向に+100移動していることが分かる。なお、上記では、対象画素を被写体の画像の中央に位置する画素としたが、被写体の画像の重心に位置する画素としても良い。
図6に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。
なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
以上のように、本実施の形態に記載の監視システムでは、所定の基準に基づいて、被写体切出し部2により切出した部分画像に優先順位を付与する優先順位付与部9と、優先順位付与部9で付与した優先順位に基づいて、データ形成部4に供給する部分画像を選択する送信画像選択部8とをさらに備え、データ形成部4は、画像と、送信画像選択部8が選択した部分画像とを関連付けたデータを形成するので、撮像部により撮像可能な範囲の全体と注目する部分(被写体)とを同時に監視することができるとともに、重要度の低い部分画像を送信対象から除外することで、送信するデータ量を低減することができる。
また、本実施の形態に記載の監視システムでは、優先順位付与部の所定の基準が、被写体の大きさ、被写体の向き、被写体の位置、被写体の形状及び被写体の色彩のうち少なくとも1つの条件を含むので、目的にあった被写体を監視対象にすることができる。
さらに、本実施の形態に記載の監視システムでは、所定の被写体の動き量を検出する動体検出部10をさらに備え、優先順位付与部9は、動体検出部10で検出した動き量に基づいて、被写体切出し部3により切出した部分画像に優先順位を付与するので、動きのある被写体に注目しつつ、撮像可能な範囲の全体を監視することができる。
(変形例)
図7に、本実施の形態の変形例に係る監視システムの構成図を示す。本変形例は、本実施の形態に係る監視システムに画像縮小部7を追加した構成である。図7に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共に画像縮小部7に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。本変形例でも、被写体検出部2で画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。
被写体検出部2は、取得した被写体の部分の座標を被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3(ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える)を切出す。切出された部分画像p1,p2,p3は、送信画像選択部8と同時に優先順位付与部9に供給される。
優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めている。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、部分画像p1,p2,p3から優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3において顔の大きさがp1>p2>p3である場合は、上位の部分画像p1,p2のみが送信画像選択部8で選択される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
選択された部分画像p1,p2を、以下選択部分画像pn1、pn2とよぶ。この選択部分画像pn1、pn2は、データ形成部4に供給される。
一方、画像縮小部7に供給された画像Pは、画像サイズが縮小され縮小画像pに変換される。この縮小画像pは、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、縮小画像pと選択部分画像pn1、pn2とを関連付けたデータを形成し、当該データを送信部5に供給する。なお、図7では、当該データをp+pn1,pn2と表現している。送信部5では、送信端子6から監視端末(図示せず)へ縮小画像pと選択部分画像pn1、pn2とを関連付けたデータを送信する。
次に、図5に示した監視システムで取り扱われる画像を用いて、本変形例を説明する。図5(a)に示す画像が、被写体検出部2、被写体切出し部3及び画像縮小部7に供給される。なお、被写体検出部2、被写体切出し部3、送信画像選択部8及び優先順位付与部9については、本実施の形態と同じであるため説明を省略する。画像縮小部7では、図5(a)に示す画像を縮小して、図5(g)に示す画像に変換している。
この図5(g)に示す画像は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、画像縮小部7から供給された図5(g)の画像と、送信画像選択部8から供給された図5(e)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図5(h)に示す画像のように表示される。データ形成部4で形成された図5(h)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
本変形例においても、優先順位付与部の基準に被写体の動き量を用いて優先順位を決することができる。図8に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図8に示す監視システムは、図7に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図7と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図8に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像p1,p2,p3との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図8に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
本変形例に係る監視システムでも、データ形成部4は、画像に代えて縮小画像を送信するので、データ量を大幅に減らすことができ、データの送信に必要な時間とコストを削減することができる。
(実施の形態3)
図9に、本実施の形態に係る監視システムの構成図を示す。図9に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共にデータ形成部4に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。被写体検出部2では、画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。顔の形状としては、目、眼鏡、鼻、口、耳、髪の毛、顔の輪郭等を利用している。一方、顔の色彩としては、肌色に近い色彩情報や化粧品による色彩情報等を利用している。
被写体検出部2は、取得した被写体を含む部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3(ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える)を切出す。切出された部分画像p1,p2,p3は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。
画像比較部11では、送信画像選択部8が以前選択した部分画像pa,pbと被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3とを比較し、類似の度合いを判断する。なお、以前選択した部分画像pa,pbは、例示であり保存される部分画像は2枚に限定されるわけではない。
ここで、以前選択した部分画像pa,pbとは、送信画像選択部8が既に選択した部分画像であって画像保存部12のメモリに保存されている部分画像のことをいう。監視システムの用途により例えば、過去2日の間に送信画像選択部8が選択した部分画像を随時画像保存部12のメモリに保存しておき、この画像保存部12に保存された部分画像を以前選択した部分画像とすることが考えられる。
この以前選択した部分画像pa,pbが画像比較部11に供給され、被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3と比較される。画像比較部11では、例えば顔の形状や顔の色彩の特徴を比較して、両部分画像の類似の度合いを判断する。
画像比較部11で判断された類似の度合いを、送信画像選択部8に供給する。一方、優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めている。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、送信優先順位の高い部分画像p1,p2,p3のうち、類似の度合いの高い部分画像を除いた、優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3において顔の大きさがp1>p2>p3であり、部分画像p1が以前選択した部分画像paと類似の度合いが高い場合、部分画像p1を除いた上位の部分画像p2,p3が送信画像選択部8で選択される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
送信画像選択部8で選択された選択部分画像pn2、pn3は、データ形成部4に供給される。データ形成部4は、画像Pと選択部分画像pn2、pn3とを関連付けたデータを形成し、送信部6に供給する。なお、図9では、当該データをP+pn2,pn3と表現している。送信部6では、送信端子7から監視端末(図示せず)へ画像Pと選択部分画像pn2、pn3とを関連付けたデータを送信する。
図10に、本実施の形態に係る監視システムで取り扱われる画像を示す。まず、図10(a)は、撮像部1により撮像された監視対象の画像である。図10(a)に示す画像では、所定の被写体として5人の人間が含まれている。そして、この図10(a)に示す画像は、被写体検出部2、被写体切出し部3及びデータ形成部4に供給される。
被写体検出部2は、図10(a)の画像から所定の被写体を検出する。図10(b)では、被写体検出部2が検出した顔の部分(被写体)が点線枠で示されている。そして、被写体検出部2は、図10(b)に示す画像の点線枠の座標を取得し、被写体切出し部3に当該座標を供給する。
被写体切出し部3では、供給された座標に基づいて図10(b)の画像から点線枠で囲まれた顔の部分を切出す。図10(c)では、被写体切出し部3により切出された顔の部分が示されている。被写体切出し部3で切出された図10(c)の画像は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。優先順位付与部9では、画像の特徴に基づいて図10(c)の画像の優先順位を決定する。
優先順位付与部9で決定した順位を模式的に数字で表した図が図10(d)である。図10(d)の画像では、四角顔の部分画像が優先順位1位で、丸顔の部分画像が優先順位2位である。一方、画像保存部12に記憶されている以前選択した部分画像が図10(e)に示されている。図10(e)には、四角顔と丸顔とが記憶されている。画像比較部11では、図10(d)の画像と図10(e)とを比較し類似の度合いを判断する。図10(d)には、類似の度合いが高い四角顔と丸顔の部分画像が含まれている。
送信画像選択部8では、類似の度合いが高い四角顔と丸顔の部分画像を除いて、優先順位上位の三角顔(順位3位)と菱形顔(順位4位)の部分画像の2枚を選択している。図10(f)に、三角顔と菱形顔の部分画像の2枚を選択した結果を示す。
送信画像選択部8は、選択した図10(f)の画像をデータ形成部4に供給する。データ形成部4では、撮像部1から供給された図10(a)の画像と、送信画像選択部8で選択した図10(f)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図10(g)に示す画像のように表示される。但し、監視端末で表示される画像は、必ずしも図10(g)に示す画像のように表示される必要はない。
データ形成部4で形成された図10(g)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
本実施の形態においても、優先順位付与部の基準に被写体の動き量を用いて優先順位を決することができる。図11に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図11に示す監視システムは、図9に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図9と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図11に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図11に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
以上のように、本実施の形態に記載の監視システムは、送信画像選択部8が選択した部分画像を保存する画像保存部12と、画像保存部12で保存されている部分画像と、被写体切出し部3により切出した部分画像とを比較し、類似度合いを検出する画像比較部11とをさらに備え、送信画像選択部8は、類似度合いが所定の値より高いと判断された被写体切出し部3により切出した部分画像を選択の対象から除外するので、重複した部分画像の送信を制限し、より多くの部分画像を監視端末に送信することができる。つまり、本実施の形態に記載の監視システムは、新規な部分画像か新規でない部分画像かを判断し、新規でない画像を再度送信しない監視システムを提供することができる。
(変形例)
図12に、本実施の形態の変形例に係る監視システムの構成図を示す。本変形例は、本実施の形態に係る監視システムに画像縮小部7を追加した構成である。図12に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共に画像縮小部7に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。本変形例でも、被写体検出部2で画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。
被写体検出部2は、取得した被写体の部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3(ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える)を切出す。切出された部分画像p1,p2,p3は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。
画像比較部11では、送信画像選択部8が以前選択した部分画像pa,pbと被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3とを比較し、類似の度合いを判断する。画像比較部11で判断された類似の度合いを、送信画像選択部8に供給する。一方、優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めている。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、送信優先順位の高い部分画像p1,p2,p3のうち、類似の度合いの高い部分画像を除いた、優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3において顔の大きさがp1>p2>p3であり、部分画像p1が以前選択した部分画像paと類似の度合いが高い場合、部分画像p1を除く上位の部分画像p2,p3が送信画像選択部8で選択される。送信画像選択部8で選択された選択部分画像pn2、pn3は、データ形成部4に供給される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
一方、画像縮小部7に供給された画像Pは、画像サイズが縮小され縮小画像pに変換される。この縮小画像pは、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、縮小画像pと選択部分画像pn2、pn3とを関連付けたデータを形成し、当該データを送信部5に供給する。なお、図12では、当該データをp+pn2,pn3と表現している。送信部5では、送信端子6から監視端末(図示せず)へ縮小画像pと選択部分画像pn2、pn3とを関連付けたデータを送信する。
次に、図10に示した監視システムで取り扱われる画像を用いて、本変形例を説明する。図10(a)に示す画像が、被写体検出部2、被写体切出し部3及び画像縮小部7に供給される。なお、被写体検出部2、被写体切出し部3、送信画像選択部8及び優先順位付与部9については、本実施の形態と同じであるため説明を省略する。画像縮小部7では、図10(a)に示す画像を縮小して、図10(h)に示す画像に変換している。
この図10(h)に示す画像は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、画像縮小部7から供給された図10(h)の画像と、送信画像選択部8から供給された図10(f)の画像とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図10(i)に示す画像のように表示される。データ形成部4で形成された図10(i)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
本変形例においても、優先順位付与部の基準に被写体の動き量を用いて優先順位を決することができる。図13に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図13に示す監視システムは、図12に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図12と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図13に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。ここでも、画像Pが3枚の部分画像を含む場合を考える。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図13に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
本変形例に係る監視システムでも、データ形成部4は、画像に代えて縮小画像を送信するので、データ量を大幅に減らすことができ、データの送信に必要な時間とコストを削減することができる。
(実施の形態4)
図14に、本実施の形態に係る監視システムの構成図を示す。図14に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共にデータ形成部4に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。被写体検出部2では、画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。顔の形状としては、目、眼鏡、鼻、口、耳、髪の毛、顔の輪郭等を利用している。一方、顔の色彩としては、肌色に近い色彩情報や化粧品による色彩情報等を利用している。
被写体検出部2は、取得した被写体を含む部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3,p4(ここでは、画像Pが4枚の部分画像を含む場合を考える)を切出す。さらに、被写体切出し部3では、切出された部分画像p1,p2,p3,p4のそれぞれに識別符号を付与する。この識別番号は、重複することなく切出された部分画像p1,p2,p3,p4に1対1に付与される。
切出された部分画像p1,p2,p3,p4は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。画像比較部11では、送信画像選択部8が以前選択した部分画像pa,pbと被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3,p4とを比較し、類似の度合いを判断する。
ここで、以前選択した部分画像pa,pbとは、送信画像選択部8が既に選択した部分画像であって画像保存部12のメモリに保存されている部分画像のことをいう。監視システムの用途により例えば、過去2日の間に送信画像選択部8が選択した部分画像を随時画像保存部12のメモリに保存しておき、この画像保存部12に保存された部分画像を以前選択した部分画像とすることが考えられる。
図14では以前選択された部分画像pa,pbが、識別番号とともに送信画像選択部8から画像保存部12に供給され、画像保存部12のメモリに保存されている。この以前選択した部分画像pa,pbが画像比較部11に供給され、被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3,p4と比較される。画像比較部11では、例えば顔の形状や顔の色彩の特徴を比較して、両部分画像の類似の度合いを判断する。
画像比較部11で判断された類似の度合いと、以前選択した部分画像の識別番号とを、送信画像選択部8に供給する。一方、優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3,p4が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決めている。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、送信優先順位の高い部分画像p1,p2,p3,p4のうち、類似の度合いの高い部分画像を除いた、優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3,p4において顔の大きさがp1>p2>p3>p4であり、部分画像p1及びp3が以前選択した部分画像pa及びpbと類似の度合いが高い場合、部分画像p1及びp3を除く上位の部分画像p2,p4が送信画像選択部8で選択される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
さらに、送信画像選択部8では、部分画像p1,p3と類似する以前選択した部分画像pa,pbの識別番号n1,n2をデータ形成部4に供給される。送信画像選択部8では、選択された選択部分画像pn2、pn4も、同時にデータ形成部4に供給される。
データ形成部4では、画像P、選択部分画像pn2,pn4及び以前選択した部分画像の識別番号n1,n2を関連付けたデータを形成し、送信部6に供給する。なお、図14では、当該データをP+pn2,pn4+n1,n2と表現している。送信部6では、送信端子7から監視端末(図示せず)へ画像P、選択部分画像pn2,pn4及び以前選択した部分画像n1,n2の識別番号を関連付けたデータを送信する。
図15に、本実施の形態に係る監視システムで取り扱われる画像を示す。まず、図15(a)は、撮像部1により撮像された監視対象の画像である。図15(a)に示す画像では、所定の被写体として5人の人間が含まれている。そして、この図15(a)に示す画像は、被写体検出部2、被写体切出し部3及びデータ形成部4に供給される。
被写体検出部2は、図15(a)の画像から所定の被写体を検出する。図15(b)では、被写体検出部2が検出した顔の部分(被写体)が点線枠で示されている。そして、被写体検出部2は、図15(b)に示す画像の点線枠の座標を取得し、被写体切出し部3に当該座標を供給する。
被写体切出し部3では、供給された座標に基づいて図15(b)の画像から点線枠で囲まれた顔の部分を切出す。図15(c)では、被写体切出し部3により切出された顔の部分が示されている。さらに、図15(c)では、それぞれの部分画像に識別番号が付与されている。
被写体切出し部3で切出された図15(c)の画像は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。優先順位付与部9では、画像の特徴に基づいて図15(c)の画像の優先順位を決定する。
優先順位付与部9で決定した順位を模式的に数字で表した図が図15(d)である。図15(d)の画像では、四角顔の部分画像が優先順位1位で、丸顔の部分画像が優先順位2位である。一方、画像保存部12に記憶されている以前選択した部分画像が図15(e)に示されている。図15(e)には、四角顔と丸顔及びそれぞれに対応する識別番号が記憶されている。画像比較部11では、図15(d)の画像と図15(e)とを比較し類似の度合いを判断する。図15(d)には、類似の度合いが高い四角顔と丸顔の部分画像が含まれている。
送信画像選択部8では、類似の度合いが高い四角顔と丸顔の部分画像を除いて、優先順位上位の三角顔(順位3位)と菱形顔(順位4位)の部分画像の2枚を選択している。さらに、送信画像選択部8では、類似の度合いが高いと判断した四角顔と丸顔の部分画像に対応する、以前選択した部分画像(図15(e))の識別番号(AB001,AB002)を選択する。図15(f)に、三角顔と菱形顔の部分画像2枚(識別番号を含む)と、以前選択した部分画像の識別番号(AB001,AB002)を選択した結果を示す。なお、以前選択した部分画像の画像自体は、送信画像選択部8では選択しない。
送信画像選択部8は、選択した1図5(f)の画像及び識別番号をデータ形成部4に供給する。データ形成部4では、撮像部1から供給された図15(a)の画像と、送信画像選択部8で選択した図15(f)の画像及び識別番号とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像及び識別番号として表示すると図15(g)に示す画像及び識別番号のように表示される。但し、監視端末で表示される画像は、必ずしも図15(g)に示す画像及び識別番号のように表示される必要はない。
データ形成部4で形成された図15(g)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。なお、監視端末では、識別番号(AB001,AB002)を受信すると、識別番号(AB001,AB002)対応する保存されている部分画像を表示するように構成しても良い。
本実施の形態においても、優先順位付与部の基準に被写体の動き量を用いて優先順位を決することができる。図16に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図16に示す監視システムは、図14に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図14と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図16に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3,p4(ここでも、画像Pが4枚の部分画像を含む場合を考える)が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図16に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
本実施の形態に記載の監視システムは、被写体切出し部3は、切出した部分画像p1,p2,p3,p4に個別の識別番号を付与し、送信画像選択部8は、類似度合いが所定の値より高いと判断された画像保存部に保存されている部分画像の識別番号をデータ形成部に供給するので、重複した部分画像の送信を制限しつつ、以前受信した部分画像pa,pbの識別番号は得られ、監視端末おいて以前受信した部分画像を利用するなどの処理が可能となる。
(変形例)
図17に、本実施の形態の変形例に係る監視システムの構成図を示す。本変形例は、本実施の形態に係る監視システムに画像縮小部7を追加した構成である。図17に示す監視システムは、被写体を含む監視対象を撮像する撮像部1を備えている。この撮像部1で撮像された画像Pは、被写体検出部2、被写体切出し部3に供給されると共に画像縮小部7に供給される。被写体検出部2では、画像Pから所定の被写体を検出し、被写体を含む部分の座標を取得する。なお、画像Pに所定の被写体が複数含まれている場合は、それぞれの被写体を検出し、それぞれの被写体を含む部分の座標を取得する。
具体的に、所定の被写体が人間の顔である場合について説明すると、被写体検出部2は、画像Pから顔の部分を検出し、検出した顔の部分を含む長方形の画像の座標を取得する。本変形例でも、被写体検出部2で画像Pから顔の形状や顔の色彩の特徴を、例えば画像処理で見付け出し、当該特徴を含む顔の部分を検出している。
被写体検出部2は、取得した被写体の部分の座標を、被写体切出し部3に供給する。被写体切出し部3では、被写体検出部2が取得した座標に基づいて画像Pから部分画像p1,p2,p3,p4(ここでも、画像Pが4枚の部分画像を含む場合を考える)を切出す。さらに、被写体切出し部3では、切出された部分画像p1,p2,p3,p4のそれぞれに識別符号を付与する。この識別番号は、重複することなく切出された部分画像p1,p2,p3,p4に1対1に付与される。切出された部分画像p1,p2,p3,p4は、送信画像選択部8、優先順位付与部9及び画像比較部11に供給される。
画像比較部11では、送信画像選択部8が以前選択した部分画像pa,pbと被写体切出し部3から供給された新たな部分画像p1,p2,p3,p4とを比較し、類似の度合いを判断する。画像比較部11で判断された類似の度合いと、以前選択した部分画像pa,pbの識別番号とを、送信画像選択部8に供給する。一方、優先順位付与部9では、複数の部分画像p1,p2,p3,p4が供給された場合、画像の特徴に基づいて部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決める。
優先順位付与部9で基準となる画像の特徴としては、例えば被写体の画像の大きさ、被写体の画像の向き、被写体の画像の位置、被写体の画像の形状、被写体の画像の色彩などが考えられる。優先順位付与部9では、これらの画像の特徴を1つ又は複数組み合わせて、部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決めている。
優先順位付与部9で決定された送信優先順位の情報が、送信画像選択部8に供給される。送信画像選択部8では、例えば送信可能な部分画像が2枚である場合に、送信優先順位の高い部分画像p1,p2,p3,p4のうち、類似の度合いの高い部分画像を除いた、優先順位上位2枚を選択する。例えば、部分画像p1,p2,p3、p4において顔の大きさがp1>p2>p3>p4であり、部分画像p1及びp3が以前選択した部分画像pa,pbと類似の度合いが高い場合、部分画像p1及びp3を除いた上位の部分画像p2,p4が送信画像選択部8で選択される。なお、本発明では、送信可能な部分画像の数は2枚限定されず、伝送路の制限等の許容する範囲であれば、2枚以上であっても良い。
さらに、送信画像選択部8では、部分画像p1,p3に類似する以前選択された部分画像pa,pbの識別番号n1,n2がデータ形成部4に供給される。送信画像選択部8では、選択された選択部分画像pn2、pn4も、同時にデータ形成部4に供給される。
一方、画像縮小部7に供給された画像Pは、画像サイズが縮小され縮小画像pに変換される。この縮小画像pは、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、縮小画像p、選択部分画像pn2、pn4及び識別番号n1,n2を関連付けたデータを形成し、当該データを送信部5に供給する。なお、図17では、当該データをp+pn2,pn4+n1,n2と表現している。送信部5では、送信端子6から監視端末(図示せず)へ縮小画像p、選択部分画像pn2、pn4及び識別番号n1,n2を関連付けたデータを送信する。
次に、図15に示した監視システムで取り扱われる画像を用いて、本変形例を説明する。図15(a)に示す画像が、被写体検出部2、被写体切出し部3及び画像縮小部7に供給される。なお、被写体検出部2、被写体切出し部3、送信画像選択部8及び優先順位付与部9については、本実施の形態と同じであるため説明を省略する。画像縮小部7では、図15(a)に示す画像を縮小して、図15(h)に示す画像に変換している。
この図15(h)に示す画像は、データ形成部4に供給される。データ形成部4では、画像縮小部7から供給された図15(h)の画像と、送信画像選択部8から供給された図15(f)の画像及び識別番号とを関連付けたデータを形成する。このデータを画像として表示すると図15(i)に示す画像及び識別番号のように表示される。データ形成部4で形成された図15(i)のデータは、送信部5に供給され、送信部5において送信端子6から監視端末(図示せず)へ送信される。
本変形例においても、優先順位付与部の基準に被写体の動き量を用いて優先順位を決することができる。図18に、被写体の動き量を検出できる監視システムの構成図を示す。図18に示す監視システムは、図17に示す監視システムに動体検出部10を追加した構成であるため、図17と同一の部分については同一の符号を付し、当該説明を省略する。
図18に示す監視システムでは、被写体切出し部3で切出された部分画像p1,p2,p3,p4(ここでも、画像Pが4枚の部分画像を含む場合を考える)が送信画像選択部8、優先順位付与部9及び動体検出部10に供給される。動体検出部10では、画像メモリ内に格納されている部分画像(例えば、前回のフレームの部分画像)と、被写体切出し部3から新たに供給された部分画像との差分を計算し、対象とする被写体の動き量を検出する。
図18に示す監視システムにおいて、動体検出部10が、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量を検出して、当該動き量を優先順位付与部9に供給する。優先順位付与部9では、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量に基づいて、部分画像p1,p2,p3,p4の送信優先順位を決めて、優先順位を送信画像選択部8に通知する。なお、優先順位付与部9は、各部分画像p1,p2,p3,p4の動き量と各部分画像の特徴とを組み合わせて、送信優先順位を決めても良い。
本変形例に係る監視システムでも、データ形成部4は、画像に代えて縮小画像を送信するので、データ量を大幅に減らすことができ、データの送信に必要な時間とコストを削減することができる。
1 撮像部、2 被写体検出部、3 被写体切出し部、4 データ形成部、5 送信部、6 送信端子、7 画像縮小部、8 送信画像選択部、9 優先順位付与部、10 動体検出部、11 画像比較部、12 画像保存部。