JP4278308B2 - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4278308B2 JP4278308B2 JP2001005621A JP2001005621A JP4278308B2 JP 4278308 B2 JP4278308 B2 JP 4278308B2 JP 2001005621 A JP2001005621 A JP 2001005621A JP 2001005621 A JP2001005621 A JP 2001005621A JP 4278308 B2 JP4278308 B2 JP 4278308B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- absorbent article
- joint
- panty liner
- layer
- weak
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
- Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用中の機械的強度と廃棄時の水解性とが両立した水解可能な吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
水解可能な吸収性物品として、例えば特開平5−161672号公報に記載のものが知られている。この公報に記載の吸収性物品は、ポリビニルアルコールフィルムに複数の小孔を設けてなり、且つ撥水処理が施された表面材と、パルプ及びレーヨンをポリビニルアルコール繊維でバウンドした水解紙に撥水処理を施してなる裏面材とで、パルプ及び吸水ポリマーからなる吸収体を挟持して構成されている。
【0003】
しかし、前記吸収性物品は、水解性を確保するために前記表面材及び前記裏面材の機械的強度を十分に高くすることができないことから、吸液によって毛羽立ちが起こり、また強度が低下して破れが生じたりよれ易くなってしまう。前記表面材及び前記裏面材の機械的強度を高めようとすると、水解性を低下させざるを得ない。このように、機械的強度と水解性とは二律背反の関係にある。その上、前記表面材及び前記裏面材には前述の通り撥水処理が施されていることから、元々水解性が良好とはいえない。ここで、機械的強度とは、使用時に吸収性物品に加わる力、具体的には曲げ、剪断、表面摩擦等に対する耐性のことである。
【0004】
従って、本発明は、着用中の機械的強度と廃棄時の水解性とが両立した水解可能な吸収性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層間に介在する液保持性の吸収層を有する吸収性物品において、
前記表面層、前記防漏層及び前記吸収層は何れも水解可能な材料から構成されており、
少なくとも前記表面層と前記防漏層とが接合固定されてなる接合部が、前記吸収性物品の周縁部に形成されており、該接合部は、接合強度が相対的に大きな強接合部と、該強接合部よりも接合強度の小さな弱接合部とからなるか又は、
前記吸収性物品の周縁部に、少なくとも前記表面層と前記防漏層とが接合固定されてなる接合部が不連続に形成されていると共に、該接合部間では構成部材が互いに接合されておらず非接合部となっている水解可能な吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の第1の実施形態としてのパンティライナーの一部破断斜視図が示されている。
【0007】
図1に示すように、本実施形態のパンティライナー1は、縦長の形状をしており、左右両側縁が長手方向の中央部において内側に湾曲した形状となっている。パンティライナー1は、液透過性の表面層としてのトップシート2、液不透過性の防漏層としてのバックシート3及び両シート間に介在する液保持性の吸収層としての吸収体4とを有している。トップシート2、バックシート3及び吸収体4は何れも水解可能な材料から構成されており、パンティライナー1自体も水解可能となっている。本発明において水解とは水中で離解して水中に分散すること又は水中に溶解することの双方を包含する。
【0008】
図1に示すように、トップシート2及びバックシート3は、吸収体4の周縁からそれぞれ外方に延出しており、延出した部分同士が互いに接合固定されている。
【0009】
トップシート2とバックシート3との接合によって、パンティライナー1の周縁部には、その全体に亘り閉じた形状の連続した接合部5が形成されている。接合部5は、所定の接合手段によって形成される。
【0010】
パンティライナー1の接合部5は、接合強度が相対的に大きな強接合部5aと、接合強度が相対的に小さな弱接合部5bとからなっている。弱接合部5bは、パンティライナー1の前端部及び後端部における幅方向の左右両側部付近にそれぞれ一対ずつ形成されている。つまり、弱接合部5bは合計で4箇所形成されている。そして、接合部5におけるそれ以外の部位が強接合部5aとなっている。このように、接合部5が強接合部5aと弱接合部5bとからなることによって、パンティライナー1の水中への廃棄時に、弱接合部5bが位置するパンティライナー1の前端縁及び後端縁から、各部材間の分離が開始され易くなり、パンティライナー1が素早く水解する。しかも、パンティライナー1の接合部5における強接合部5aは機械的強度が大きいので、パンティライナー1の着用中に、着用者の動作に起因してパンティライナー1がよれても、パンティライナー1が分解するおそれは無い。
【0011】
接合部5における強接合部5aと弱接合部5bとの面積比(前者:後者)は、使用時の機械的強度と水解性とのバランスの観点から、6:1〜1:1、特に4:1〜2:1であることが好ましい。
【0012】
また、接合部5における強接合部5aと弱接合部5bとの乾燥時の接合強度の差(前者−後者)は、パンティライナー1の乾燥時において、20〜300cN、特に50〜200cNであることが、使用時におけるパンティライナー1の分解を防ぐ点から好ましい。
【0013】
更に、接合部5における強接合部5aと弱接合部5bとの湿潤時の接合強度の差(前者−後者)は、パンティライナー1の100重量%吸水時において、40〜200cN、特に60〜150cNであることが、使用時におけるパンティライナー1の分解を防ぐと共に廃棄時にパンティライナー1を分解及び水解し易くする点から好ましい。ここで、パンティライナー1の100重量%吸水時とは、パンティライナー1全体に霧吹き等の手段によってその重量の100%の水を吸収させて、1分間放置させた後の状態をいう(測定環境は20℃/85%RH)。
【0014】
接合部5における強接合部5aと弱接合部5bとの接合強度の比は前述の通りであり、弱接合部5bの接合強度の値そのものは以下の通りであることが好ましい。即ち、弱接合部5bの接合強度は、パンティライナー1の乾燥時において、20〜300cN、特に50〜150cNであることが、使用時に弱接合部5bを構成する各部材間が剥がれないようにする点から好ましい。一方、パンティライナー1の100重量%吸水時における弱接合部5bの接合強度は、0〜100cN、特に5〜70cNであることが、パンティライナー1の廃棄時に分解が容易に起こり、水解性が良好になる点から好ましい。
【0015】
一方、強接合部5aの接合強度は、パンティライナー1の乾燥時において、100〜500cN、特に120〜300cNであることが、使用時に各部材間が剥がれないようにする点から好ましい。パンティライナー1の100%重量吸水時における強接合部5aの接合強度は50〜300cN、特に80〜200cNであることが、液吸収時の分解を防止すると共に廃棄時に容易に分解を起こさせる点から好ましい。
【0016】
接合部5における強接合部5a及び弱接合部5bの接合強度は以下の方法で測定される。即ち、測定する部位を幅30mm×長さ10mmで切り出し、トップシート2を測定装置に計測可能に固定し、バックシート3を180°方向(重力方向)に引き剥がしたときの応力を測定し、その最大値を求める。測定には、アイコーエンジニアリング製デジタルプッシュプルゲージModel 9502B を使用した。また、測定する部位は、パンティライナー1の長手方向両端部付近及び幅方向中央両端付近の4ヶ所とする。パンティライナー3個について測定された応力の最大値の平均値、即ち12点の平均値を接合強度とする。
【0017】
接合部5の形成手段としては、加熱を伴うか又は伴わない圧着、融着、接着剤による接着等が用いられる。接着剤を用いる場合には、水溶性のものを用いることが好ましい。特に、一対のロールからなり、一方のロールの表面にパンティライナー1の輪郭に対応した形状の凸状部が形成されており、該凸状部が、接合部5における弱接合部5bに対応する位置に形成された低凸状部と、強接合部5aに対応する位置に形成され且つ低凸状部よりも相対的に高さの高い高凸状部とから構成されている圧着手段を用い、互いに重ね合わされた状態のトップシート2及びバックシート3を、所定温度に加熱されているか又はされていない両ロールによって圧着させて接合部5を形成することが、パンティライナー1の製造を容易に行い、かつ一般的な装置を使用して接合部5の強度コントロールを行える点から好ましい。
【0018】
トップシート2、バックシート3及び吸収体4の構成材料についてそれぞれ説明すると、トップシート2としては、通常用いられている水解紙と同様のものを用いることができ、例えばパルプ繊維又はパルプ繊維とレーヨン繊維との混合物を原料として得られたシートに、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)等の水溶性バインダを施してなる水解紙が挙げられる。また、PVA繊維、パルプ繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン(以下、PEという)繊維、ポリプロピレン(以下、PPという)繊維、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)繊維等を原料とする紙若しくは不織布又はこれらの複合体も用いることができる。トップシート2は、その坪量が20〜50g/m2 、特に30〜40g/m2 であることが好ましい。
【0019】
バックシート3としては、PVAフィルム、PVA繊維、パルプ繊維、レーヨン繊維、PE繊維、PP繊維、PET繊維等を原料とする紙若しくは不織布、又はこれらの複合体等が用いられる。バックシート3は、その坪量が30〜100g/m2 、特に40〜60g/m2 であることが好ましい。バックシート3における吸収体4に対向する面には撥水処理が施されていることが、バックシート3を通じて吸収された液が着用者の着衣に付着することが防止される点から好ましい。撥水処理に用いられる薬剤としては、各種サイズ剤、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0020】
吸収体4としては、PVA繊維、パルプ繊維、レーヨン繊維、PE繊維、PP繊維、PET繊維等を原料とする紙若しくは不織布又はウエブや、これらの複合体を用いることができる。また、これらに高吸収性ポリマーの粒子や各種消臭剤等を混合したものを用いることもできる。
【0021】
吸収体4は、JIS P 4501−1993に規定されるほぐれやすさの値(秒)が、10〜80秒、特に20〜60秒であることが、弱接合部5bからの分解を容易にする点から好ましい。一方、トップシート2及びバックシート3の前記ほぐれやすさの値はそれぞれ、吸収体4の前記ほぐれやすさの値よりも大きいことが、着用中のパンティライナー1の機械的強度と廃棄時の水解性との両立の点から好ましい。トップシート2又はバックシート3の前記ほぐれやすさの値と、吸収体4の前記ほぐれやすさの値との差が、20〜70秒、特に30〜50秒であると、機械的強度と廃棄時の水解性とのバランスが一層好ましくなる。特に、トップシート2及びバックシート3の前記ほぐれやすさの値が、30〜150秒、特に40〜60秒であることが、機械的強度と廃棄時の水解性とをより一層バランスさせる点から好ましい。尚、トップシート2の前記ほぐれやすさの値と、バックシート3の前記ほぐれやすさの値との間には大小関係は特に必要とされない。尚、測定に際してJISに規定される寸法の試料片が採取できない場合には、出来るだけその寸法に近づくように試料片を採取する。
【0022】
以上の構成からなる本実施形態のパンティライナー1の水解性の程度は、前記ほぐれやすさの値が、好ましくは40〜300秒、更に好ましくは40〜150秒、一層好ましくは50〜90秒となる。測定に際しては、パンティライナー1の中央領域から0.5±0.02gの試料片を採取する。試料片を水中でほぐし、ほぐれた状態での回転子の回転数が540回転/分に回復しないときは、試料片の重量を0.05gずつ減らした試料片を調製して測定し、ほぐれた状態での回転子の回転数が540回転/分を超えた試料片について前記ほぐれやすさの値を測定する。本発明においては、測定装置として、スターラーにハンナマグネチックスターラーHI 304Nを用い、撹拌子にナルジーン製のスターヘッド撹拌子(φ35mm×t12mm)を用いた。
【0023】
次に、本発明の第2及び第3の実施形態について図2、図3並びに図4(a)及び(b)を参照しながら説明する。これらの実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図2、図3並びに図4(a)及び(b)において、図1と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0024】
図2に示す第2の実施形態のパンティライナー1は、弱接合部5bの形成位置が第1の実施形態と異なり、それ以外の点については第1の実施形態と同様になっている。詳細には、本実施形態のパンティライナー1においては、弱接合部5bは、パンティライナー1の前端部及び後端部における幅方向中央部にそれぞれ一箇所ずつ形成されている。
【0025】
図3並びに図4(a)及び(b)に示す実施形態のパンティライナー1においては、トップシート2及びバックシート3が、吸収体4の周縁から外方に延出しており、延出した部分同士が互いに接合固定されている。但し、パンティライナー1の前端部及び後端部における幅方向中央部においては、吸収体4が、トップシート2とバックシート3とによって挟持固定されている。詳細には、吸収体4は、その前端部及び後端部に、それぞれ外方に延出する延出部を有している。延出部は、吸収体4における幅方向中央部に位置している。尚、図3には、2つの延出部のうち、一方の延出部4aのみが示されている。各延出部は、パンティライナー1の前端縁及び後端縁までそれぞれ延在している。そして、各延出部は、パンティライナー1の前端部及び後端部においてトップシート2とバックシート3とによって挟持固定されている。
【0026】
トップシート2とバックシート3との接合、及びトップシート2とバックシート3と吸収体4との接合によって、パンティライナー1の周縁部には、その全体に亘り閉じた形状の連続した接合部5が形成されている。
【0027】
パンティライナー1の接合部5においては、その前端部及び後端部における吸収体4の延出部4aの位置においてのみ、トップシート2とバックシート3と吸収体4との三者が接合固定されており、それ以外の部位においては、トップシート2とバックシート3との二者が接合固定されている。そして、接合部5におけるトップシート2とバックシート3との二者が接合固定されている部位は強接合部5aとなっている。一方、トップシート2とバックシート3と吸収体4との三者が接合固定されている部位は、弱接合部5bとなっている。
【0028】
このように、弱接合部5bを、延出部4aを含む、トップシート2とバックシート3と吸収体4との三者の接合固定によって形成することで、使用時には機械的強度に優れ、廃棄時には弱接合部5bから容易に剥離・分解が起こる水解可能な吸収性物品となる。
【0029】
吸収体4における延出部4aの延出長さL(図3参照)は、2〜5mm程度であることが、使用時に剥離をおこさず、廃棄時(湿潤時)に水解しやすい点から好ましい。同様の理由から、延出部4aの幅W(図3参照)は、5〜40mm程度であることが好ましい。更に同様の理由から、延出部4aの幅Wの総和は、パンティライナー1の周縁部の全長の10〜40%、特に20〜30%であることが好ましい。
【0030】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、接合部5が強接合部5aと弱接合部5bとからなっていたが、弱接合部5bに代えて接合されていない部位、即ち非接合部を形成してもよい。具体的には、パンティライナー1の周縁部に、少なくともトップシート2とバックシート3とが接合固定されてなる接合部を不連続に形成すると共に、該接合部間を、パンティライナー1の構成部材が互いに接合されていない非接合部となしてもよい。この場合、非接合部に関する機械的強度等の詳細及びその他の詳細に関しては、前述した弱接合部5bに関する説明が適宜適用される。
【0031】
また前記各実施形態においてはパンティライナー1の前端部及び後端部それぞれに弱接合部5bが形成されていたが、パンティライナー1の着用中の機械的強度と廃棄時の水解性とのバランスを考慮しながら、弱接合部5bを、パンティライナー1の前端部及び後端部の何れか一方にのみ形成してもよい。また、これに代えて、又はこれに加えてパンティライナー1の幅方向の左右何れかの側縁部に弱接合部5bを形成してもよい。更に第3の実施形態においては、吸収体4の前端部及び後端部に延出部4aを形成することに代えて、またはこれに加えて、吸収体4を、パンティライナー1の幅方向の左右何れかの側縁まで延在させて、吸収体4の左右両側縁部に延出部を形成し、該延出部において、該延出部並びにトップシート2及びバックシートを接合固定させて、弱接合部を形成してもよい。
【0032】
また、接合部5の全体に亘って強接合部5aと弱接合部5bとを、交互に且つ規則的に形成してもよい。
【0033】
また、バックシート3の何れか一方の面に、水解可能な別部材の防漏シートを配して、バックシート3から湿気や液が染みだしてもバックシート3の強度が低下しないようにしてもよい。
【0034】
また、バックシート3における着用者の着衣に対向する面に、パンティライナー1を着用者の着衣に固定するための粘着剤の層を形成してもよい。該粘着剤としては水溶性の粘着剤や、水中で粘着性が消失するタイプの粘着剤を用いることが好ましい。
【0035】
また、本発明の吸収性物品は、パンティライナーに限られず、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、使い捨ておむつ等の他の吸収性物品にも同様に適用できる。
【0036】
また、前記各実施形態は相互に置換可能である。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〜3並びに比較例1及び2〕
表1に示す材料からなるトップシート、バックシート及び吸収体を用いて図1に示すパンティライナーを製造した(実施例1及び2並びに比較例1)。また同じ部材を用いて図3に示すパンティライナーを製造した(実施例3)。更に、同じ部材を用いて、周縁部全域においてトップシート、バックシート及び吸収体が互いに接合固定されたパンティライナーを製造した(比較例2)。これらの部材の水解性の程度(ほぐれやすさの値、JIS P 4501)は表1に示す通りであった。
【0038】
得られたパンティライナーの接合部における強接合部及び弱接合部の接合強度(乾燥時及び100重量%吸水時)を前述の方法で測定した。また、前述の方法で水解性の程度(ほぐれやすさの値、JIS P 4501)を測定した。更に、以下の方法で吸液時の毛羽立ち防止性及びパンティライナー周縁部の剥がれ防止性を評価した。これらの結果を表2に示す。尚、パンティライナーの周縁部の長さに対する、該周縁部における吸収体の延出の幅の総和の比も併せて表2に示した。
【0039】
〔吸液時の毛羽立ち防止性〕
0.5gの65重量%グリセリン水溶液〔グリセリン;関東化学(株)Lot No. 17029-00、イオン交換水、食用青色1号、発売元(株)アイセン〕をその中央部にスポイトにて注入したパンティライナー(1秒1滴、7〜10秒で注入終了、計0.3g注入)を、ショーツ(花王製、ローリエショーツLサイズ)に取り付け、女性腰部モデル〔高研(株)製〕に装着させて、100歩/分で歩行評価を1時間行う(人が歩行するようにモデルの足を前後に約10°の角度で動かす)。評価終了後、液が吸収されていない部分と比較して、液が吸収された部分の表面の毛羽立ち具合を評価した。同程度の場合を○、毛羽が多い場合を△、破れや穴が発生した場合を×とした。
【0040】
〔周縁部の剥がれ防止性〕
0.5gの85重量%グリセリン水溶液〔関東化学(株)Lot No. 17029-00〕をその中央部にスポイトにて注入したパンティライナー(1秒1滴、7〜10秒で注入終了、計0.3g注入)を、ショーツ(花王製、ローリエショーツLサイズ)に取り付け、女性腰部モデル〔高研(株)製〕に装着させて、該女性腰部モデルを1分間に100歩の割合で10分間動かした。その後のパンティライナーの周縁部の状態を観察し、最狭部付近に剥がれがある場合×、剥がれがない場合を○とした。(3枚評価し、1枚でも剥がれがあった場合を×とした。)
尚、本評価では、パンティライナー中央に吸収された液が、評価中にパンティライナーの側部の周縁部に達し、該周縁部が5〜10mmの長さで濡れた状態になる事が必要である。従って、パンティライナーに吸収させる液の量はパンティライナー種類に応じて適宜調整する。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表2に示す結果から明らかなように、各実施例のパンティライナー(本発明品)は、着用中の吸液による毛羽立ち及び周縁部の剥がれが防止され、また廃棄時の水解性が高いものであることが判る。
【0044】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品によれば、着用中の機械的強度と廃棄時の水解性又は水溶性とが両立したものとなり、吸液による毛羽立ち、破れ、よれ等が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の第1の実施形態としてのパンティライナーの一部破断斜視図である。
【図2】本発明の吸収性物品の第2の実施形態としてのパンティライナーの一部破断斜視図である(図1相当図)。
【図3】本発明の吸収性物品の第3の実施形態としてのパンティライナーの一部破断斜視図である(図1相当図)。
【図4】図4(a)及び図4(b)はそれぞれ図3におけるA−A線断面図及びB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 パンティライナー(吸収性物品)
2 トップシート(表面層)
3 バックシート(裏面層)
4 吸収体(吸収層)
4a 延出部
5 接合部
5a 強接合部
5b 弱接合部
Claims (6)
- 液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層間に介在する液保持性の吸収層を有する吸収性物品において、
前記表面層、前記防漏層及び前記吸収層は何れも水解可能な材料から構成されており、
少なくとも前記表面層と前記防漏層とが接合固定されてなる接合部が、前記吸収性物品の周縁部に形成されており、該接合部は、接合強度が相対的に大きな強接合部と、該強接合部よりも接合強度の小さな弱接合部とからなる水解可能な吸収性物品。 - 前記吸収性物品の周縁部の略全体に亘り前記接合部が形成されており、該接合部における前記強接合部と前記弱接合部との面積比(前者:後者)が、6:1〜1:1であると共に前記強接合部と前記弱接合部との接合強度の差(前者−後者)が、前記吸収性物品の乾燥時において20〜300cNである請求項1記載の吸収性物品。
- 前記強接合部と前記弱接合部との接合強度の差(前者−後者)が、前記吸収性物品の100重量%吸水時において40〜200cNである請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収層が、前記吸収性物品の周縁部の一部まで延在しており、前記吸収体が延在している前記吸収性物品の周縁部において前記表面層、前記防漏層及び前記吸収層が接合固定されて前記弱接合部が形成されている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記弱接合部が、前記吸収性物品の長手方向の前端縁及び/又は後端縁に存在している請求項1記載の吸収性物品。
- 前記弱接合部の接合強度が、前記吸収性物品の乾燥時において20〜300cNであり、100重量%吸水時において0〜100cNである請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005621A JP4278308B2 (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005621A JP4278308B2 (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002209930A JP2002209930A (ja) | 2002-07-30 |
JP4278308B2 true JP4278308B2 (ja) | 2009-06-10 |
Family
ID=18873651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001005621A Expired - Fee Related JP4278308B2 (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4278308B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5612825B2 (ja) * | 2009-03-30 | 2014-10-22 | 大王製紙株式会社 | 吸収性物品 |
JP5939739B2 (ja) * | 2011-03-30 | 2016-06-22 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
US9517169B2 (en) | 2012-07-04 | 2016-12-13 | Zuiko Corporation | Ultrasonic bonding method for absorbent article, ultrasonic bonding device for absorbent article, and absorbent article |
JP6809810B2 (ja) * | 2015-08-06 | 2021-01-06 | 花王株式会社 | ショーツ |
JP2021013676A (ja) * | 2019-07-16 | 2021-02-12 | 株式会社リブドゥコーポレーション | 吸収性物品 |
-
2001
- 2001-01-12 JP JP2001005621A patent/JP4278308B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002209930A (ja) | 2002-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5665858B2 (ja) | 折り畳み式失禁用品 | |
KR101439560B1 (ko) | 몸에 접착하는 개인 위생 제품 | |
TW201231025A (en) | Absorptive article | |
JPH1014976A (ja) | 使い捨てトレーニングパンツ | |
JPS6354161A (ja) | 吸収性製品 | |
EP2412354A1 (en) | Underwear-type absorbent article | |
US9987174B2 (en) | Absorbent article comprising more than one stacked absorbent pad | |
TW541165B (en) | Nonwoven web, disposable absorbent article, and method of forming a bonded nonwoven web | |
JP5498028B2 (ja) | 使い捨ての体液吸収性着用物品 | |
JP2003339765A (ja) | 吸収性物品 | |
WO2012132617A1 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2008525148A (ja) | パンツ型吸収用品 | |
JP5941278B2 (ja) | テープタイプ使い捨ておむつ | |
JP6192447B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4278308B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4502479B2 (ja) | 個装吸収性物品 | |
WO2010071517A1 (en) | Folded male incontinence guard | |
JP2021020009A (ja) | 吸収性物品 | |
JP6219449B2 (ja) | テープタイプ使い捨ておむつ | |
JP2020049085A (ja) | 吸収性物品 | |
JP4173622B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4197221B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3868729B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3294140B2 (ja) | 幼児用トレニングパンツ | |
JP6317143B2 (ja) | 吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070816 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090310 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090310 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |