JP4277985B2 - 熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法に関する。詳しくは、例えば混練押出機から出た熱可塑性樹脂ペレットをカッティングした後、貯蔵のためサイロに搬送する技術、あるいは製品の均一化を図る為の循環ラインの搬送技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
商業的生産規模の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン樹脂の製造においては、オレフィンを重合したのちに、溶融混練機において必要な各種添加剤を配合し、溶融混練し、押出機によって溶融樹脂を冷却しながらカッティングしてペレット粒子が製造される。ペレット粒子を製造する理由は、粉体に比較してハンドリングが容易だからである。こうして製造されたペレット粒子は通常、配管を空気輸送(気力輸送、気流搬送)されてサイロに貯蔵され、包装系を経て出荷を待つことが多い。
【0003】
空気輸送方式は簡便かつ有利な方法であるが、以下の欠点が指摘されている。すなわち、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂ペレットは導電性がないため、搬送工程においてペレット粒子同士の衝突、管壁と粒子の衝突等により静電気が発生しこれが蓄積される。その結果、ポリオレフィン樹脂同士の静電気による凝集が起こり、粒子同士の凝集による管閉塞トラブル、壁面付着による空送圧力の損失トラブル、付着・摩擦によるスネークスキン等の異物発生トラブルといった問題が発生していた。
【0004】
これらの課題を解決する従来の技術として、例えば、粉体層を短く区切りプラグ状にして低速で輸送するプラグ輸送法(高濃度低速輸送法)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしこの方法は、紛体ポリマーに関するもので樹脂ペレットに直ちに適用できるものではなく、また、設備の複雑化、コストアップ、圧損失が大きいという不都合などがある。
また、空気輸送時に多量の水分を添加し、ペレット表面に水膜を形成することにより当該水膜の潤滑作用により粒体相互間および管壁との摩擦抵抗を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では搬送中に樹脂ペレットが濡れるのでユーザーに納品する際にはこれを乾燥する必要があり、工程が複雑かつ高コストである欠点がある。
【0005】
【非特許文献1】
化学装置、「粉体ハンドリングプラントの配管トラブル」、2000年2月号、工業調査会発行、46〜49ページ
【特許文献1】
特開平10−147433号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水蒸気による導電作用(帯電防止)によりペレット粒子同士の凝集を防止し、管内閉塞や異物発生を低減し、工業的有利な熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討をおこなった結果、熱可塑性樹脂ペレットの表面での結露がないよう少量の水を搬送系に添加し、所定の気流条件を満足させることにより、上記目的が達成されることを知得して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は熱可塑性樹脂ペレットを流通気体に同伴させて搬送するにあたり、相対湿度100%未満の導入気体に水又は水蒸気を、該樹脂ペレットに対し0.02重量%以上添加し、かつ該樹脂ペレットの表面が結露しない温度とするために、流通気体の温度を当該流通気体の露点(結露点)より高く保持してなる、相対湿度が7.3〜20%の流通気体を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.熱可塑性樹脂ペレットについて
本発明の方法が使用できる熱可塑性樹脂ペレットは、代表的にはポリオレフィン樹脂ペレットである。ポリオレフィンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。例えば、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高結晶性ポリプロピレン、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンゴム等があげられる。
ポリエチレンの場合、その密度が0.86〜0.97g/cm3、メルトフローレート(MFR)が0.01〜1000g/10分の樹脂であることが望ましい。より好ましくは密度が0.92〜0.97g/cm3、MFRは0.01〜50g/10分である。
ポリプロピレンの場合、その密度が0.86〜0.91g/cm3、MFRが0.01〜1000g/10分の樹脂であることが望ましい。より好ましくは密度が0.90〜0.91g/cm3、MFRは0.01〜50g/10分である。
これらの領域を外れると、例えば接触摩擦が増大し配管内面の付着量増加もしくは閉塞という不都合が生じること、あるいは本発明の効果が小さいことなどから不利となる。
【0009】
ペレットとは直径又は一辺が2〜3mm位の小さな一定の球状、円柱状、角柱、板状等に造粒した成形材料であるものを言い、その物性は特に制限ないが、一粒当たりの重量は10〜40mgの範囲であるものが好ましい。またその性状は特に制限ないが、表面に凸凹が少なく、球状であることが好ましい。ペレット表面における凹凸および異形状はペレット搬送時に於けるベント管等で壁面に衝突し粉およびスネークスキンが発生しやすいなどの欠点がある。
なお、ポリオレフィンとして製造されたものであれば、例えばエラストマーのように、重合反応終了時に不定形であっても後処理工程で例えば溶融混練してペレットを形成していれば本発明の使用が可能である。
【0010】
使用できるオレフィンの種類としては、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2〜20程度のものが挙げられる。具体例としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、3−メチル−ペンテン−1あるいはスチレン等が挙げられる。コモノマーとしては上記オレフィンに限らず、共役あるいは非共役のジエン化合物であってもよい。ポリオレフィンの製造方法には特に制限がなく、ラジカル重合、アニオン重合のどちらでもよい。ラジカル重合は高圧重合による低密度ポリエチレンを例示できる。アニオン重合の場合、スラリー重合、溶液重合、バルク重合あるいは気相重合などが例示できる。アニオン重合に使用できる触媒は公知の触媒であるチーグラーナッタ触媒、メタロセン触媒あるいはいわゆるシングルサイト触媒が例示できる。
ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、AS、ABS、EPDM、SEBS、NBR、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0011】
2.流通気体について
流通気体の種類は、熱可塑性樹脂を劣化あるいは変質化させないものであれば、特に制限はないが、通常は空気あるいは窒素ガスが使用できる。
本発明の特徴の一つとして、流通気体中に含まれる水分量が相対湿度100%未満であって、樹脂ペレットの表面に水分が凝縮することのない条件を選択することが挙げられる。
【0012】
水分の絶対量は、流通気体の温度(ブロアー吐出側温度)、圧力、相対湿度、風量(風速)等と密接な関係にある。流通気体の温度は、通常20〜100℃、好ましくは30〜95℃である。
流通気体の温度をブロアー吸入側の温度、即ち外気温度よりも冷却することに特段のメリットはなく、他方高温にし過ぎると、ペレットが空送管壁面と衝突によって接触面が融解する現象(融点降下現象)を加速したり、熱可塑性樹脂が熱劣化したりする影響を無視しえなくなる。流通気体は、ブロアーの運転(摩擦熱)により加熱されるので、当該加熱された状態で、更に加熱又は冷却することなく、そのまま使用することが好ましい。但し本発明において、水を液体として導入する場合は、水の蒸発潜熱により流通気体の温度は所定量低下することとなるが、当該低下した温度を基準値として設計すればよい。樹脂ペレット温度に加熱した水蒸気を導入する場合はこの限りではない。
【0013】
流通気体の風速は、樹脂ペレットの形状、搬送量、配管径等にもよるが、通常、20〜100m/秒、好ましくは30〜80m/秒の範囲から選択される。風速が小さいと搬送に必要な良好な乱流状態を形成し難く、大き過ぎては樹脂ペレットや配管装置類を傷つけ磨耗の原因となる。
流通気体の相対湿度は先に述べたように、100%未満、好ましくは5〜95%とする必要がある。気流搬送系の導電性(帯電防止性)を上げるためには、流通気体中に存在する水の絶対量をそれほど多くする必要はない。流通気体の温度を40〜95℃、特に50〜85℃の高温側にして、相対湿度を5〜60%の範囲に保持する方法が最も好ましい。しかして、水の蒸気圧としては、通常2〜20kPa、好ましくは3〜10kPaの範囲にある。
【0014】
気流搬送系に導入すべき水の量は、搬送樹脂ペレットに対して、0.02重量%以上、好ましくは0.02〜0.8重量%の範囲である。導入水が少ないと本発明の効果が充分に発揮されず、一方多すぎる場合は、通通気体の温度、風量、風速にも影響されるが、相対湿度が100%を超えて(流通気体の温度が露点に達して)樹脂ペレット表面に濡れが生じ、その後改めて乾燥操作が必要となる。
気流搬送における樹脂ペレットの搬送量は、搬送用配管の内径に最も大きく左右され、直径3〜12B(89〜318mm)の配管を使用する場合は、通常1〜50トン/時、好ましくは2〜40トン/時の範囲である。そして上記の搬送量を達成するために、流通気体の風量は樹脂ペレット1トンに対して、通常50〜200Nm3、好ましくは60〜150Nm3、また風圧は通常20〜100kPa、好ましくは30〜50kPaの範囲から選択される。風量が少ないと力学的に充分な搬送力を得ることができないばかりでなく、導入した水の全てを速やかに気化させることができない。
上記で説明した搬送系において、樹脂ペレットの表面温度は最終的に流通気体の温度に等しくなる。従って、流通気体中の水蒸気が樹脂ペレットの表面で凝縮しないようにするには、流通気体の温度を当該流通気体の露点(結露点)より高く保持することが必要である。この結露点は当該流通気体が存在する系の温度、圧力によって決まり、算出することも可能である。
また、搬送配管が長距離に及ぶことによる自然冷却あるいは部分的に保温が不充分になる場合等を考慮すれば、好ましくは露点より10〜30℃高く、流通気体の温度を保持する態様が推奨される。
【0015】
以下に本発明の詳細を図面を用いて説明する。図1は本発明方法を実施する輸送装置の概略図である。図1において、1はブロアー吸入側フィルター、2は空気供給用ブロアー、3はブロアー吐出側フィルター、4は圧力指示計、5はターゲットボックス、6は製品サイロ、7はロータリーフィーダー、8は搬送配管、9は流量調節計、10は温度指示計、11は分級器、12は包装サイロ、13は包装サイロ用ブロアー、14は製品サイロ循環ライン、21は樹脂ペレット導入ライン、22は空気導入ライン、23は水導入ライン、24は包装ラインをそれぞれ示す。
押出機(図示せず)より送られてくる樹脂ペレットは、樹脂ペレット供給ライン21より、ターゲットボックス5を経て製品サイロ6に貯蔵される。ターゲットボックス5は、製品サイロ6の入口部にあって、樹脂ペレット中に存在する微粉等の異物を分級するための容器である。出荷時には、樹脂ペレットはロータリーフィーダー7から一定量排出される。樹脂ペレットの温度は製品サイロ6の保温状態に左右される。
【0016】
一方、水導入ライン23から流量調節計9を経て供給される所定量の水は、空気導入ライン22から空気供給用ブロアー2を経て供給される空気(ブロアー吐出側空気)に中に噴霧される。水はその全量が直ちに気化し、所定の水分(即ち、所定の相対湿度)を含有する搬送用の流通気体となる。このように水は液体の形態で計量及び供給するのが簡便であるが、水蒸気の形態で供給してもよい。
液体の水を供給した場合、水の蒸発潜熱により流通気体の温度が低下するので、温度指示計10と流量調節計9を連動させて、流通気体中の水分及び温度を制御する必要がある。
ロータリーフィーダー7から排出される樹脂ペレットは、流通気体に同伴され、搬送配管8を気流搬送(空送)される。水の添加量の調節は流量調節計9によっておこなわれる。例えば、ロータリーフィーダー7の起動、停止信号による自動注入システムもしくは手動方式いずれかの方式により、搬送すべき樹脂ペレットの搬送量に対し一定量の水を連続的に注入する。発明の効果を損なわない限りは間欠的な注入であってもよい。
樹脂ペレットと流通気体との混合は、通常の配管混合で充分である。場合によっては、旋回流の発生を伴うような混合装置を付設してもよい。
搬送配管8を気流搬送された樹脂ペレットは、包装サイロ12に供給される。樹脂ペレット中に存在する微粉等の異物は分級器11で除去される。このようにして包装サイロ12に一時保管された樹脂ペレットは、水膜の形成など濡れ状態はないので、乾燥工程を経ることなく、包装ライン24より出荷用の包装機に送られる。13は分級器11を機能させるための包装サイロ用ブロアーである。
【0017】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
1.使用した樹脂ペレット
(1)MFR2.0g/10分、密度0.920g/cm3のポリエチレン樹脂、ペレット形状は外径3mm、長さ2mmの円柱状品
(2)MFR25g/10分、密度0.908g/cm3のポリプロピレン樹脂、ペレット形状は外径2.5mm、長さ2mmの円柱状品
なお、樹脂ペレットのMFR(熱可塑性プラスチックの流れ性)は、JIS K7210に準じ、ポリエチレンの場合には試験荷重2.16kg、試験温度190℃で測定した。ポリプロピレンの場合には試験荷重2.16kg、試験温度230℃の条件にて測定した。
密度(非発泡プラスチックの密度)は、JIS K7112 に準じ、ポリエチレン、ポリプロピレンともに密度勾配管法により測定した。
2.異物発生率
ペレット中の異物とは、空気輸送によって破損するなどして規格外となった製品あるいは製品の一部をいう。例えば、ヒゲ状物、フラフ、ストリーマ、スネークスキン等が例示できる。
異物量は、シスコ(株)製 粉粒体選別装置(型式6DT4-2)を使用して測定した。試料25kgを定量供給し分離、回収した後、目開き1.7mmの金網上のものがスネークスキン、金網下のものを粉とし、その合計量を供給試料に対する割合(重量ppm)で表示した。
3.付着水分
試験試料を目視観察、及び手を差し込んだ時の濡れの有無を検査する簡易判定方法に従った。
【0018】
[実施例1]
図1に示す気流搬送装置を使用して、ポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。即ち、製品サイロ6内の樹脂ペレット(ペレット温度50℃)をロータリーフィーダー7を通して25トン/時で供給する一方、空気導入ライン22より、外気温度30℃、相対湿度40%の空気を吸入した。ブロアー吐出口において、空気温度は90℃、圧力は47kPaに昇温昇圧され、該空気を44m3/分で搬送配管へ供給した。水は、水導入ラインより20℃の水を流量調節計9を通して10kg/時(対樹脂ペレット0.04重量%)供給し空気中に噴霧した。水は空気中にその全量が直ちに蒸発し、温度82℃、水蒸気圧3.8kPa(飽和水蒸気圧52kPa、相対湿度7.3%)、の流通気体が得られた
上記流通気体を使用して下記の輸送系でポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。
(1)輸送配管内径:159mm
(2)水平輸送距離:47m
(3)垂直輸送距離:23m
(4)流通気体の流速:40m/秒
4時間連続運転し、包装サイロ12内に樹脂ペレットを貯蔵した。気流搬送は順調に運転でき、管閉塞トラブルはなく、異物の発生はまったく認められなかった。貯蔵したペレットは包装サイロから定期的に抜き出したが、該ペレットの付着水分は無く、乾燥処理を必要としなかった。結果を表1に示した。
【0019】
[比較例1]
実施例1において、水の供給を行うことなく、温度90℃、水蒸気圧3.0kPa(飽和水蒸気圧71kPa、相対湿度4.2%)の流通気体を使用した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。なお、実施例1に比べて流通気体中の水分が少なく、その温度が高くなり、同様の搬送量を維持するために輸送圧力を55kPaに設定した。これは水分の減少により、樹脂ペレットと配管との摩擦抵抗が増加したことに起因するものと推定される。
4時間連続運転し、包装サイロ12内に乾燥した樹脂ペレットを貯蔵することができた。しかし、製品中にスネークスキンの混入が観察され、異物発生率は17ppmであった。
【0020】
[実施例2]
実施例1において、ポリエチレン樹脂ペレットの代わりにポリプロピレン樹脂ペレットを使用した以外は実施例1と同様にしてペレットの気流搬送を実施した。4時間連続運転し、包装サイロ12内に乾燥した樹脂ペレットを貯蔵することができた。気流搬送中、管閉塞トラブルはなく、異物の発生はまったく認められなかった。
【0021】
[比較例2]
実施例2において、水の供給を行うことなく、温度90℃、水蒸気圧3.0kPa(飽和水蒸気圧71kPa、相対湿度4.2%)の流通気体を使用した以外は実施例2と同様にしてポリプロピレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。なお、流通気体の温度が高くなり、同様の搬送量を維持するために空気圧力を55kPaに設定した。
4時間連続運転し、包装サイロ12内に乾燥した樹脂ペレットを貯蔵することができた。しかし、製品中にスネークスキンの混入が観察され、異物発生率は14ppmであった。
【0022】
[実施例3〜4,参考例1
実施例1において、水の導入量10kg/時の代わりに、20、30又は50kg/時とした以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。水の導入量が増加するに従い流通気体の温度が低下したが、水蒸気圧は飽和蒸気圧以下であり、管閉塞トラブルはなく順調にポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施できた。4時間連続運転したが異物の発生は認められなかった。
【0023】
[比較例3]
実施例1において、水の導入量10kg/時の代わりに、80kg/時とした以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂ペレットの気流搬送を実施した。水の導入量(対樹脂ペレット0.32重量%)が増加して流通気体の温度は29℃まで低下した。流通気体の水蒸気圧は9.5kPaであり、相対湿度は100%であった。この条件下で4時間連続運転したところ、特段の管閉塞トラブルはなかったが包装サイロ中のポリエチレン樹脂ペレットには付着水分が確認され、このままでは包装工程に移送することが出来ないレベルであった。
【0024】
【表1】
Figure 0004277985
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、水蒸気による導電作用(帯電防止)によりペレット粒子同士の凝集を防止し、管内閉塞や異物発生を低減し、工業的有利な熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法を提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する気流搬送装置の概略図である。
【符号の説明】
1:ブロアー吸入側フィルター
2:空気供給用ブロアー
3:ブロアー吐出側フィルター
4:圧力指示計
5:ターゲットボックス
6:製品サイロ6
7:ロータリーフィーダー
8:搬送配管
9:流量調節計
10:温度指示計
11:分級器
12:包装サイロ
13:包装サイロ用ブロアー
14:製品サイロ循環ライン
21:樹脂ペレット導入ライン
22:空気導入ライン
23:水導入ライン
24:包装ライン

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂ペレットを流通気体に同伴させて搬送するにあたり、相対湿度100%未満の導入気体に水又は水蒸気を、該樹脂ペレットに対し0.02重量%以上添加し、かつ該樹脂ペレットの表面が結露しない温度とするために、流通気体の温度を当該流通気体の露点(結露点)より高く保持してなる、相対湿度が7.3〜20%の流通気体を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  2. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート又はポリスチレンである請求項1に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  3. 熱可塑性樹脂が、密度0.86〜0.97g/cm3、MFRが0.01〜1000g/10分のポリエチレン、または密度0.86〜0.91g/cm3、MFRが0.01〜1000g/10分のポリプロピレンである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  4. 流通気体が空気又は窒素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  5. 流通気体が20〜100m/秒の流速、20〜100℃の温度範囲にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  6. 水の導入量が、樹脂ペレットに対し0.02〜0.8重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  7. 流通気体の温度が6782℃である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  8. 流通気体の風量が、樹脂ペレット1トンに対し50〜200Nm3である請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  9. 流通気体の輸送圧力が20〜100kPaである請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレットの気流搬送方法。
  10. ポリオレフィン樹脂ペレットを流通空気に同伴させて搬送するにあたり、相対湿度100%未満の導入空気に水又は水蒸気を、該樹脂ペレットに対し0.02重量%以上添加し、かつ該樹脂ペレットの表面が結露しない温度とするために、流通空気の温度を当該流通空気の露点(結露点)より高く保持してなる、相対湿度が7.3〜20%の流通空気を形成することを特徴とするポリオレフィン樹脂ペレットの気流搬送方法。
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