JP4277485B2 - トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリーケージインダクタンスの値が重要となっているトランス、殊にプッシュプル部分共振回路用あるいはハーフブリッジ部分共振回路用として好適に用いることができるトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング損失の低減やノイズの低減のために共振型電源が最近増えてきているが、共振型電源においては、共振させるためのインダクタとコンデンサが電源回路に必要となり、この時、コストの低減を目的として、共振させるためのインダクタにトランスのリーケージインダクタンスを利用することがなされている。
【0003】
この場合、図9に示すように、トランスボビンBとして軸方向において2つに分離された巻線部を有するものを用いて、一端側の巻線部に1次巻線Pを、他端側の巻線部に2次巻線Sを巻回したトランスが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにトランスの巻線を2分割巻きにすると、リーケージインダクタンスを作ることができるが、リーケージインダクタンスの値は1次巻線のインダクタンス値と巻線構造、つまり図9(b)に示す1次巻線Pの幅Lpと2次巻線Sの幅Ls、1次巻線Pと2次巻線Sとの間の距離d、断面積で決まる。そして1次巻線PはトランスのコアCが飽和しないように決めるため、実際には巻線構造で決まってしまう。
【0005】
ここにおいて、リーケージインダクタンスを大きくすることについては、1次巻線Pと2次巻線Sの対向面積を小さくしたり、1次巻線Pと2次巻線Sの距離dを広げたりすることで可能であり、リーケージインダクタンスを小さくするには、1次巻線と2次巻線の距離dを近くしたり、対向面積を大きくしたりすることで可能であるが、リーケージインダクタンスを小さくするための上記構造は、1次巻線Pと2次巻線Sの絶縁の点や、コスト及び大きさの点で問題があり、リーケージインダクタンスを小さくするのに限界がある。
【0006】
一方で、トランスやスイッチング素子に流れる無効電流を下げることになるリーケージインダクタンスの低減は、回路の高効率化の点で強く求められている。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところはリーケージインダクタンスが小さい低損失のトランスを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、軸方向において3箇所に分離された巻線部を備えるトランスボビンを備えて、このトランスボビンの中央巻線部に入力側1次巻線が巻回され、上記ボビンの両端の巻線部に2次巻線が分割されて巻回されたトランスにおいて、トランスボビンの中央巻線部に巻回された入力側1次巻線はセンタータップを有してその片側と他側とが夫々径方向において複数層に分割されて巻回されているとともに片側の層と他側の層とが交互に巻回されており、トランスボビンの両端部に夫々巻回された2次巻線のうちの一方は、センタータップを有する1次巻線の片側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されており、上記2次巻線の他方はセンタータップを有する1次巻線の他側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されていることに特徴を有している。2次巻線の幅(1次巻線から2次巻線の軸方向端部までの距離)を実質上、約2分の1にすることができるために、リーケージインダクタンスも半減させることができる。そして、2次巻線の一方及び他方に配設した絶縁物の層によって、リーケージインダクタンスを調整することができる。
【0009】
この時、2次巻線はセンタータップを有するものであって、該2次巻線の片側が一端側の巻線部に、上記2次巻線の他側が他端側の巻線部に巻回されていることが望ましい。
【0014】
そして巻線には撚り線を好適に用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図1に示すように、トランスボビンBとして軸方向において3つに分割した巻線部を有するものを用いるとともに、その中央の巻線部に1次巻線P1を巻き、両端の巻線部に2次巻線S1,S2を巻いている。ここにおける2次巻線S1,S2は、図2に示すハーフブリッジ部分共振回路におけるセンタータップを有している2次巻線の片側と他側に対応させるとよい。
【0016】
前述のように、リーケージインダクタンスの値は前述のように2次巻線の幅の値Lsによって変化するが、ここで言う幅Lsは、実際には1次巻線P1から2次巻線S1,S2の軸方向端部までの距離であり、2つに分けた2次巻線S1,S2を1次巻線P1の軸方向両側に分けて配置した場合、図9に示す従来例に比して、2次巻線S1,S2の幅Lsの値をほぼ半分の値にすることができるものであり、このためにリーケージインダクタンスの値も大きく低減することができるものである。
【0017】
図4に示すプッシュプル部分共振回路に用いることができるトランス、つまり1次巻線もセンタータップを有しているものにおいては、図3に示すように、センタータップの片側の1次巻線P1と他側の1次巻線P2とを中央巻線部に対して径方向に層をなすように巻いたものとするとよく、殊に図5に示すように、1次巻線P1,P2を夫々複数層で形成するとともに、1次巻線P1の層と1次巻線P2の層とを径方向において交互に配置すると、上記プッシュプル部分共振回路におけるスイッチング素子FET1,FET2がオフになったときのドレイン・ソース間電圧のリンギングを抑えることができるために、高周波損失を低減させることができる上に、1次巻線P1,P2の片側に電流が流れている時、他側には逆方向に電流が流れることから、近接効果や表皮効果等の影響を抑えることができて、低ノイズ・高効率の安定した電源を得ることができる。
【0018】
さらに、図6に示すように、両端の巻線部に巻回された2次巻線S1,S2をそれぞれ2回に分けて巻くようにしてもよい。具体的には巻数が10ターンとすると、1層目に10ターン巻いてしまう。そして、その上に新たに10ターン最初から巻いて、先に巻いた10ターンと並列に接続してしまうのである。このような巻き方をするとリーケージインダクタンスのばらつきを抑えることができて、回路損失を低減することができる。特に、図に示すように、2次巻線S1の層と2次巻線S2の層が、1次巻線P1の層と1次巻線P2層とに対して対称となるように配置することで、リーケージインダクタンスのばらつきを抑えることがより確実にできるものとなる。また、ここでは2層にしたものを示したが、何層にも増やすと、リーケージインダクタンスの調整も行うことができる。
【0019】
1次巻線P1,P2を夫々複数層で形成するとともに、1次巻線P1の層と1次巻線P2の層とを径方向において交互に配置している場合、図7に示すように、一方の巻線部の2次巻線S1は1次巻線P1と同じ層に、他方の2次巻線S2は1次巻線P2と同じ層になるように、絶縁物層Iを介在させた状態で巻回してもよい。絶縁物層Iによってリーケージインダクタンスを調整することができる。特に、リーケージインダクタンスを小さくしたいときは、1次巻線P1の層と2次巻線S1の層の対向距離を短くするとよい。
【0020】
また、図8に示すように、片側の二次巻線S1の半分をトランスボビンBの一端側の内周に、他側の二次巻線S2の半分をトランスボビンBの他端側の内周に巻回し、その後、片側の二次巻線S1の残る半分をトランスボビンBの他端側の外周に、他側の二次巻線S2の残る半分をトランスボビンBの一端側外周に巻回してもよい。この場合、リーケージインダクタンスの安定化を得ることができる。
【0021】
なお、共振型電源回路のトランスには撚り線(リッツ線)が多用されているが、本発明に係るトランスにおいても撚り線を用いることは有効である。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、軸方向において3箇所に分離された巻線部を備えるトランスボビンを備えて、このトランスボビンの中央巻線部に入力側1次巻線が巻回され、上記ボビンの両端の巻線部に2次巻線が分割されて巻回されたトランスにおいて、トランスボビンの中央巻線部に巻回された入力側1次巻線はセンタータップを有してその片側と他側とが夫々径方向において複数層に分割されて巻回されているとともに片側の層と他側の層とが交互に巻回されており、トランスボビンの両端部に夫々巻回された2次巻線のうちの一方は、センタータップを有する1次巻線の片側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されており、上記2次巻線の他方はセンタータップを有する1次巻線の他側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されているために、2次巻線の幅を実質上、約2分の1にすることができて、リーケージインダクタンスを大きく低減することができるものであり、このために従来の共振用トランスより出力を大きくとることができるとともに、スイッチング素子やトランスに流れる無効電流を小さくできて、スイッチング素子やトランスを小型化できるものとなる。また、共振型においてはリーケージインダクタンスと制御回路とのバランス設計が求められるが、リーケージインダクタンスを小さくできるために設計の自由度を大きくすることができる。そして、2次巻線の一方及び他方に配設した絶縁物の層によって、リーケージインダクタンスを調整することができる。
【0023】
この時、2次巻線はセンタータップを有するものであって、該2次巻線の片側が一端側の巻線部に、上記2次巻線の他側が他端側の巻線部に巻回されていることが望ましい。ハーフブリッジ部分共振回路方式等のトランスとして好適に用いることができる。
【0028】
そして巻線には共振型電源回路に好適とされている撚り線を用いることでさらに好ましい結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は片側半分の概略断面図である。
【図2】同上のトランスを用いた共振回路の一例を示す回路図である。
【図3】他例の概略断面図である。
【図4】同上のトランスを用いた共振回路の一例を示す回路図である。
【図5】更に他例の概略断面図である。
【図6】別の例の概略断面図である。
【図7】更に別の例の概略断面図である。
【図8】他の例の概略断面図である。
【図9】従来例を示しており、(a),(b)は正面図である。
【符号の説明】
B トランスボビン
P1 1次巻線
S1 2次巻線
S2 2次巻線
Claims (3)
- 軸方向において3箇所に分離された巻線部を備えるトランスボビンを備えて、このトランスボビンの中央巻線部に入力側1次巻線が巻回され、上記ボビンの両端の巻線部に2次巻線が分割されて巻回されたトランスにおいて、トランスボビンの中央巻線部に巻回された入力側1次巻線はセンタータップを有してその片側と他側とが夫々径方向において複数層に分割されて巻回されているとともに片側の層と他側の層とが交互に巻回されており、トランスボビンの両端部に夫々巻回された2次巻線のうちの一方は、センタータップを有する1次巻線の片側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されており、上記2次巻線の他方はセンタータップを有する1次巻線の他側と対応する位置に巻回されて間に絶縁物が配設されていることを特徴とするトランス。
- 2次巻線はセンタータップを有するものであって、該2次巻線の片側が一端側の巻線部に、上記2次巻線の他側が他端側の巻線部に巻回されていることを特徴とする請求項1記載のトランス。
- 巻線が撚り線で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランス。
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