JP4277427B2 - 積層フィルタおよび共用器およびそれを用いた移動体通信機器 - Google Patents

積層フィルタおよび共用器およびそれを用いた移動体通信機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主として携帯電話等の高周波機器に用いられる積層フィルタおよび共用器およびそれを用いた移動体通信機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来の積層フィルタは図15に示すように、誘電体層1401a、1401b、1401c、1401d、1401e、共振器電極1402a、1402b、負荷コンデンサ電極1403a、1403b、段間結合コンデンサ電極1404、入出力結合コンデンサ電極1405a、1405bおよびシールド電極1406a、1406bから構成されている。
【0003】
電極1402a、1402bの一端と電極1406a、1406bとは誘電体側面に設けられたグランド端子電極1408aに接続し、電極1403a、1403bの一端と電極1406a、1406bとは誘電体側面のグランド端子電極1408bに接続している。電極1405aは誘電体側面に設けた入出力端子電極1407aに接続し、電極1405bは誘電体側面に設けた入出力端子電極1407bに接続している。電極1408a、1408bは接地して構成されている。
【0004】
上記積層フィルタの各電極は誘電体内に形成するため、使用するマイクロ波帯ではストリップラインとして動作する。したがって、マイクロ波帯における積層フィルタの等価回路は図16(a)のようになる。図16(a)において、インダクタ1613、1615はそれぞれ電極1403a、1403bのインダクタンス成分を示す。またインダクタ1606は電極1404のインダクタンス成分を示す。インダクタ1603、1609はそれぞれ電極1405a、1405bのインダクタ成分を示す。
【0005】
上記構成において、1402a、1402bは一端を接地しているので4分の1波長共振器として作用する。また電極1404と電極1402a、1402b、および電極1405a、1405bと電極1402a、1402bとはそれぞれの間で平行平板コンデンサを形成するので、入出力端子と共振器、および共振器間は容量性結合となる。また電極1402a、1402bの幅および間隔を調整することで得られる電磁界結合と、電極1404と1402a、1402bの間で形成する平行平板コンデンサを調整することで得られる容量により通過特性に減衰極(入出力端子間でインピーダンスが高くなる周波数)を形成できる。
【0006】
この結果、入出力端子間の高周波特性は図16(b)に示すように通過帯1701の片側に減衰極を形成し、通過帯1701近傍に減衰帯1702を有するバンドパスフィルタとなる。
【0007】
また従来の共用器は図17に示すように受信フィルタ1501と送信フィルタ1502と移相回路1503とからなり、受信フィルタ1501の他端を受信端子1510とし送信フィルタ1502の他端を送信端子1511として構成されている。
【0008】
移相回路1503はインダクタ1504と、インダクタ1505と、コンデンサ1506と、コンデンサ1507と、コンデンサ1508からなる。共用器はコンデンサ1506とインダクタ1504とコンデンサ1507は送信フィルタ1502の通過帯域周波数でほぼ4分の1波長となる伝送線路と等価になるように設定され、またコンデンサ1507とインダクタ1505とコンデンサ1508は受信フィルタ1501の通過帯域周波数でほぼ4分の1波長となる伝送線路と等価になるように設定される。
【0009】
送信端子1511から入力した送信信号は送信フィルタ1502を経由して通過帯域周波数の信号成分のみ通過し、移相回路1503に入力される。このとき、共通端子1509からみた受信フィルタ1501は、高インピーダンスとなり、送信信号は受信フィルタ1501側には流れ込まずに共通端子1509から出力される。また共通端子1509から入力した受信信号は移相回路1503に入力されるが、このとき共通端子1509から送信フィルタ1502側をみたインピーダンスは、高インピーダンスとなり、送信フィルタ1502側には流れ込まずに受信フィルタ1501に入力され、受信フィルタ1501の通過帯域周波数の信号成分のみ通過して受信端子1510に出力される。
【0010】
この結果、送信端子1511から入力した送信信号は移相回路1503を経由して受信フィルタ1501側の影響を受けることなく共通端子1509から出力し、また共通端子1509から入力した受信信号は移相回路1503を経由して送信フィルタ1502側の影響を受けることなく受信端子1510に出力されて共用器として作用する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の積層タイプのフィルタでは、減衰量を得るためには共振器数を増やす必要があり、形状が大きくなるとともに通過帯の挿入損失が増加するという課題を有していた。
【0012】
また従来の共用器は、チップ部品のインダクタおよびコンデンサからなる移相回路が必要となり、共用器の実装面積が大きくなるという課題を有していた。
【0013】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、簡単な構成で低挿入損失かつ高減衰量の積層フィルタ、および小型で部品点数の少ない共用器を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面は、入力電極と、出力電極と、一端が接地されて共振器として作用する複数の共振器電極を有する第1の誘電体層と、入力電極に接続されて一の共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する入力結合コンデンサ電極、出力電極に接続されて他の共振器電極とコンデンサを形成する出力結合コンデンサ電極、および、共振器電極とコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極を有する第2の誘電体層と、入力電極に接続されて入力結合コンデンサ電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと入力結合コンデンサ電極のインダクタ成分とによって並列回路を構成したコンデンサ電極を有する第3の誘電体層とを備えたものである。
【0015】
この構成によって入出力端子間に並列共振回路を形成することになり、共振器間の電磁界結合と段間容量とが形成する減衰極の他にもう一つ減衰極を形成でき、従来と同じ形状で高減衰量の積層フィルタを実現することができる。
【0016】
また、本発明の他の局面は、入力電極と、出力電極と、共通端子電極と、一端が接地されて共振器として作用する第1、第2、第3、第4の共振器電極を有する第1の誘電体層と、一端が入力電極に接続され他端が共通端子電極に接続されるとともにインダクタ成分を有する入出力端子間伝送線路電極、入出力端子間伝送線路電極と接続して第1、第2の共振器電極とそれぞれコンデンサを形成するフィルタ用コンデンサ電極、一端が共通端子電極に接続され第3の共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する第1の入出力結合コンデンサ電極、出力電極に接続されて第4の共振器電極とコンデンサを形成する第2の入出力結合コンデンサ電極、第3、第4の共振器電極との間にコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極、一端が入出力端子間伝送線路電極と接続した第1の伝送線路電極、および、一端が第1の入出力コンデンサと接続した第2の伝送線路電極を有する第2の誘電体層とを備え、第1、第2の共振器電極と、入出力端子間伝送線路電極と、フィルタ用コンデンサ電極とから2段片側有極型バンドパスフィルタを構成し、第3、第4の共振器電極と、第1、第2の入出力結合コンデンサ電極と、段間結合コンデンサ電極とから2段ノッチフィルタを構成する共用器であって、一端が共通端子電極に接続されて第1の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと入出力端子間伝送線路電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第1のコンデンサ電極、および、一端が共通端子電極に接続されて第2の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと第1の入出力コンデンサ電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第2のコンデンサ電極を有する第3の誘電体層をさらに備えたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図14を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における積層フィルタの分解斜視図である。
【0020】
図1において、積層フィルタは誘電体層101a、101b、101c、101d、101e、101fと共振器電極102a、102bと負荷コンデンサ電極103a、103bと段間結合コンデンサ電極104と入出力結合コンデンサ電極105a、105bとコンデンサ電極106とシールド電極107a、107bで構成され、一体化形状を有している。電極102a、102bの一端と電極107a、107bは誘電体側面に設けたグランド端子電極109aに接続している。電極103a、103bの一端と電極107a、107bは誘電体側面に設けたグランド端子電極109bに接続している。電極105aと電極106の一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極108aに接続し、電極105bは誘電体側面に設けた入出力端子電極108bに接続し、グランド端子電極109a、109bは接地して構成されている。
【0021】
以上のように構成された積層フィルタについて、以下その動作を説明する。
【0022】
上記積層フィルタの各電極は誘電体内に形成するため、使用するマイクロ波帯ではストリップラインとして動作する。したがって、マイクロ波帯おける積層フィルタの等価回路は図2(a)のようになる。図2(a)において、インダクタ1813、1815はそれぞれ電極103a、103bのインダクタンス成分を示す。またインダクタ1806は電極104のインダクタンス成分を示す。インダクタ1803、1809はそれぞれ電極105a、105bのインダクタ成分を示す。
【0023】
上記構成において、電極102a、102bはグランド端子電極109aを介して接地されているので4分の1波長共振器として作用する。
【0024】
電極103a、103bはその一部がそれぞれ電極102a、102bの開放端側に重なるように配置されているので誘電体層101dを介して電極102a、102bと平行平板コンデンサを形成する。このコンデンサは電極103a、103bがグランド端子電極109bを介して接地されているので共振器の共振周波数を調整するローディングコンデンサとして作用する。
【0025】
電極104はその一部が電極102a、102bと重なるように配置されているので誘電体層101dを介して電極102a、102bと平行平板コンデンサを形成する。このコンデンサは共振器間の段間結合コンデンサとして作用する。
【0026】
電極105a、105bはその一部がそれぞれ電極102a、102bの一部に重なるように配置されているので誘電体層101dを介して平行平板コンデンサを形成する。このコンデンサは入出力結合コンデンサとして作用する。
【0027】
上記のように、本積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となり、二つの共振器の間の電磁界結合と段間結合コンデンサによる減衰極を一つ有する容量結合性の2段片側有極型バンドパスフィルタ(Band Pass Filter:以下、BPFと記載する)として作用する。
【0028】
さらに、誘電体層101cの上面にコンデンサ電極106を形成し、一端を入出力端子電極108aに接続し、他端を電極105aの一部と重なるように配置する。このとき電極105aと電極106は誘電体層101cを介して平行平板コンデンサを形成し、電極105aとの間で並列回路を構成する。図2(a)では電極106はインダクタンス成分1810を有し、前記平行平板コンデンサはコンデンサ1811で表される。
【0029】
ここで以下の連立方程式
1/(jω00)=jω0C+1/(jω0L)
ω2=1/(LC) (式1)
を満たすようにインダクタンス(L)、容量(C)を調整すると、元のBPFの通過帯近傍におけるインピーダンスを乱すことなく周波数ωにおいて共振点を得る。
【0030】
ただし、電極106を挿入する前の電極105aのインダクタンスをL0、BPFの通過帯周波数をω0、電極106を挿入した後の電極105aのインダクタンスをL、電極105aと電極106が形成する平行平板コンデンサの容量をC、新たに形成した減衰極の周波数をωとする。
【0031】
従って、入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま新たに減衰極を一つ追加した図2(b)のような通過特性が得られる。
【0032】
以上の構成により、本実施の形態は従来と同じ形状で高減衰量を実現できるBPFとして作用する。
【0033】
なお、本実施の形態のコンデンサ電極106は一端が入出力端子電極に接続し、他端が入出力結合コンデンサ電極と重なるように配置されているが、図3に示すように電極105aから伝送線路電極210を分岐させ、その一部が電極108aと接続したコンデンサ電極211と重なるように配置して平行平板コンデンサを形成してもよい。この場合は入出力結合コンデンサ電極のインピーダンスの乱れが削減されるので、BPFおよび新たに形成した減衰極の設計精度が向上する。
【0034】
また、本実施の形態の積層構造を利用して、電極106を誘電体層101dの下面にも形成し、電極105a、または電極210を上下から挟み込む構成としてもよい。この場合は同じ面積で平行平板コンデンサの容量を大きくできるので並列共振回路の設計の自由度が向上する。
【0035】
なお、本実施の形態のBPFにおいて第1の帯域を減衰帯とし、かつ第2の帯域を通過帯とするとき、並列回路による減衰極を第1の帯域の近傍に任意に設定することができる。従来の構造の積層型のBPFは共振器間の電磁界結合と段間結合コンデンサにより減衰極を形成する。従って共振器が2段である場合、減衰帯における減衰極は一つである。本実施の形態の場合は減衰極を二つ構成できるので減衰帯の高減衰量化だけでなく、減衰帯域の広帯域化を同時に実現できる。
【0036】
なお、本実施の形態における並列回路は一方の入出力結合コンデンサ電極105aと電極106により形成される部分のみであるが、これは図4に示すようにもう一方の入出力結合コンデンサ電極105bと電極312を設けて並列回路を構成してもよい。この場合は減衰極を二つ追加することができるという効果がある。この二つの減衰極はそれぞれ独立に構成できるので、通過帯の両側に設定させたり、または減衰帯に集中させる、などさまざまな設定が可能である。
【0037】
なお、本実施の形態の電極108a、108bを形成している側面には他の端面電極はないが、電極108a、108bの両側にグランド端子電極を設けて上下のシールド電極と接続して接地した構成としてもよい。この場合は積層体のグランドが強化されてBPF特性が向上する。
【0038】
なお、本実施の形態における各電極の形成方法にはさまざまな方法があるが、本発明の効果はそれらの形成方法により影響を受けることはない。同様に、本実施の形態に使用しうる電極材料や誘電体材料にはさまざまな材料があり、本発明の効果は特定の材料に限定されるものではない。
【0039】
移動体通信機器において本発明の積層フィルタを用いることにより同じ形状で不要な信号の大部分を削除できるので、性能の良い移動体通信機器を構成できる。
【0040】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における積層フィルタの分解斜視図である。
【0041】
図5において、積層フィルタは誘電体層401a、401b、401c、401d、401e、401f、共振器電極402a、402b、入出力端子間伝送線路電極403a、403b、403c、フィルタ用コンデンサ電極404a、404b、コンデンサ電極405およびシールド電極406a、406bから構成され、一体化形状を有している。電極402a、402bの一端と電極406a、406bは誘電体側面に設けたグランド端子電極408aに接続している。電極402a、402bの他端は誘電体側面に設けた周波数調整用端子電極409a、409bにそれぞれ接続している。電極403aの一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極407aに接続している。電極403aの他端と電極403bの一端は電極404aに接続している。電極403bの他端と電極403cの一端は電極404bに接続している。電極403cの他端と電極405の一端は電極407bに接続している。電極406a、406bは電極408bに接続し、グランド端子電極408a、408bは接地して構成されている。
【0042】
以上のように構成された積層フィルタについて、以下その動作を説明する。
【0043】
電極402a、402bは電極408aを介して接地されているので4分の1波長共振器として作用する。電極404a、404bはそれぞれ電極402a、402bの一部と重なるように配置され、電極402a、402bと誘電体層401dを介して平行平板コンデンサを形成する。従って二つの共振器はコンデンサを介して入出力端子間の伝送線路に直列接続することとなる。この結果、本実施の形態のフィルタは、電極402aと402bとで構成される直列共振回路の共振周波数で高減衰量となる、2段ノッチフィルタ(Band Elimination Filter:以下、BEFと記載)として作用する。
【0044】
また電極403a、403b、403cの長さ、また線路幅を調整することにより、入出力端子間の伝送線路は2つの共振器の段間、及び外側の分布定数線路の結合素子として作用する。従って、本積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となり、二つの共振器は伝送線路を介して並列接続されることとなり、電極407a、407bを端子とする2段BEFとして作用する。
【0045】
また誘電体層401cの上面にコンデンサ電極405を形成し、一端を電極407bに接続し、他端を電極403cの一部と重なるように配置する。このとき電極403cと電極405は誘電体層401cを介して平行平板コンデンサを形成し、電極405と電極403cとの間で並列回路を構成する。
【0046】
ここで以下の連立方程式
1/(jω00)=jω0C+1/(jω0L)
ω2=1/(LC) (式2)
を満たすようにL、Cを調整すると、元のBEFの通過帯近傍におけるインピーダンスを乱すことなく周波数ωにおいて共振点を得る。
【0047】
ただし、電極405を挿入する前の電極403cのインダクタンスをL0、BEFの通過帯周波数をω0、電極405を挿入した後の電極403cのインダクタンスをL、電極403cと電極405が形成する平行平板コンデンサの容量をC、新たに形成した減衰極の周波数をωとする。
【0048】
従って、入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま新たに減衰極を一つ追加した通過特性が得られる。
【0049】
以上のような構成により、本実施の形態は従来と同じ形状で高減衰量を実現できるBEFとして作用する。
【0050】
なお、本実施の形態のコンデンサ電極405は一端が電極407bに接続し、他端が電極403cと重なるように配置されているが、これを図6に示すように電極403cから伝送線路電極510を分岐させ、その一部が電極511と重なるように配置して平行平板コンデンサを形成してもよい。この場合は電極403cのインピーダンスの乱れが削減されるので、BEFおよび新たに形成した減衰極の設計精度が向上する。
【0051】
また、実施の形態1の場合と同様に、コンデンサ電極を二つ形成し、電極403c、または電極510を上下から挟み込む構成としてもよい。この場合は同じ面積で平行平板コンデンサの容量値を大きくできるので並列共振回路の設計の自由度が向上する。
【0052】
なお、本実施の形態のBEFにおいて第1の帯域を通過帯とし、かつ第2の帯域を減衰帯とするとき、並列回路による減衰極を第2の帯域の近傍に設定してもよい。従来の積層型のBEFは共振器段数と同じ数の減衰極を形成することができる。従って共振器が2段である場合、減衰帯における減衰極は二つであるが、本実施の形態の場合は減衰極を三つ構成できるので減衰帯の高減衰量化と広帯域化を同時に実現できる。
【0053】
なお、本実施の形態では一方の電極403cのみに並列回路を形成しているが、図7に示すように、もう一方の電極403aに並列回路を構成してもよい。この場合は減衰極を二つ追加することができるという効果がある。この二つの減衰極はそれぞれ独立に構成するので、通過帯の両側に設定する、または減衰帯に集中させる、などさまざまな設定が可能である。
【0054】
なお、本実施の形態の入出力端子電極を形成している側面には他の端面電極はないが、これはその両側にグランド端子電極を設けて上下のシールド電極と接続して接地した構成としてもよい。この場合は積層体のグランドが強化されてBEF特性が向上する。
【0055】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3における積層フィルタの分解斜視図である。
【0056】
図8において、積層フィルタは誘電体層701a、701b、701c、701d、701e、701f、コンデンサ電極702a、702b、伝送線路電極703a、703b、コンデンサ電極704およびシールド電極705a、705bから構成され、一体化形状を有している。電極702aの一端と電極705a、705bは誘電体側面に設けたグランド端子電極707aに接続している。電極703aの一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極706aに接続している。電極703aの他端と電極703bの一端は電極702bの一端に接続している。電極703bの他端と電極704の一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極706bに接続している。電極705a、705bは電極707bを接続し、電極707a、707bは接地して構成されている。
【0057】
以上のように構成された積層フィルタについて、以下その動作を説明する。
【0058】
電極702a、702bはその一部が重なるように配置され、誘電体層701dを介して平行平板コンデンサを形成する。また電極703a、703bは入出力端子間のインダクタとして作用し、前記コンデンサは入出力端子間を接続する伝送線路とグランドとの間に挿入されたコンデンサとして作用する。従って本積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となり、電極706a、706bを端子とするT型3段ローパスフィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFとする)として作用する。
【0059】
また誘電体層701cの上面にコンデンサ電極704を形成し、一端を電極706bに接続し、他端を電極703bの一部と重なるように配置する。このとき電極703bと電極704は誘電体層701cを介して平行平板コンデンサを形成し、電極704と電極703bとの間で並列回路を構成する。
【0060】
ここで以下の連立方程式
1/(jω00)=jω0C+1/(jω0L)
ω2=1/(LC) (式3)
を満たすようにL、Cを調整すると、元のLPFの通過帯近傍におけるインピーダンスを乱すことなく周波数ωにおいて共振点を得る。
【0061】
ただし、電極704を挿入する前の電極703bのインダクタンスをL0、LPFの通過帯周波数をω0、電極704を挿入した後の電極703bのインダクタンスをL、電極703bと電極704が形成するコンデンサの容量をC、新たに形成した減衰極の周波数をωとする。
【0062】
従って本積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となって入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま新たに減衰極を一つ追加した通過特性が得られる。
【0063】
以上のような構成により、本実施の形態は従来と同じ形状で高減衰量を実現できるLPFとして作用する。
【0064】
なお、本実施の形態の電極704は一端が電極706bに接続し、他端が電極703bと重なるように配置されているが、図9に示すように電極703bから伝送線路電極808を分岐させ、その一部が入出力端子電極706bと接続したコンデンサ電極809と重なるように配置して平行平板コンデンサを形成してもよい。この場合はフィルタ用伝送線路電極のインピーダンスの乱れが削減されるので、LPFおよび新たに形成した減衰極の設計精度が向上する。
【0065】
また、実施の形態1と同様に、コンデンサ電極を二つ形成し、電極703b、または電極808を上下から挟み込む構成としてもよい。この場合は同じ面積で平行平板コンデンサの容量値を大きくできるので並列共振回路の設計の自由度が向上する。
【0066】
なお、本実施の形態における並列回路は一方の電極703bのみであるが、図10に示すようにもう一方の電極703aにも並列回路を構成してもよい。この場合は減衰極を二つ追加することができるという効果がある。この二つの減衰極はそれぞれ独立に構成するので、さまざまな設定が可能である。
【0067】
なお、本実施の形態の入出力端子電極を形成している側面には他の端面電極はないが、これはその両側にグランド端子電極を設けて上下のシールド電極と接続して接地した構成としてもよい。この場合は積層体のグランドが強化されてLPF特性が向上する。
【0068】
(実施の形態4)
図11は本発明の実施の形態4における積層フィルタの分解斜視図である。
【0069】
図11において、積層フィルタは誘電体層1001a、1001b、1001c、1001d、1001e、1001f、入出力端子間伝送線路電極1002a、1002b、1002c、フィルタ用伝送線路電極1003とコンデンサ電極1004および、シールド電極1005a、1005bで構成され、一体化形状を有している。誘電体層1001dの上面には電極1002aと電極1002cが形成されている。誘電体層1001eの上面には電極1002bと電極1003が形成されている。電極1002aの一端と電極1004の一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極1006aに接続している。電極1002aの他端と電極1002bの一端は誘電体層1001dを介してそれらの一部が重なるように配置されている。電極1002bの他端と電極1002cの一端は誘電体層1001dを介してそれらの一部が重なるように配置されている。電極1002cの他端は誘電体側面に設けた入出力端子電極1006bに接続している。電極1002bから分岐した伝送線路電極1003および、電極1005a、1005bは誘電体側面に設けたグランド端子電極1007aに接続している。グランド端子電極1007a、1007bは接地して構成されている。
【0070】
以上のように構成された積層フィルタについて、以下その動作を説明する。
【0071】
電極1002a、1002bはその一部が重なるように配置され、誘電体層1001dを介して平行平板コンデンサを形成する。また電極1002b、1002cはその一部が重なるように配置され、誘電体層1001dを介して平行平板コンデンサを形成する。従って前記二つのコンデンサは入出力端子間に直列接続となる。また電極1003は二つのコンデンサの接続点とグランドとの間のインダクタとして作用するので、本積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となり、電極1006a、1006bを端子とするT型3段ハイパスフィルタ(High Pass Filter:以下、HPFとする)として作用する。
【0072】
誘電体層1001cの上面に電極1004を形成し、一端を電極1006aに接続し、他端を電極1002aの一部と重なるように配置する。このとき電極1002aと電極1004は誘電体層1001cを介してコンデンサを形成し、このコンデンサは電極1002aとの間で並列回路を構成する。
【0073】
ここで、以下の連立方程式
1/(jω00)=jω0C+1/(jω0L)
ω2=1/(LC) (式4)
を満たすようにL、Cを調整すると、元のHPFの通過帯近傍におけるインピーダンスを乱すことなく周波数ωにおいて共振点を得る。
【0074】
ただし、電極1004を挿入する前の電極1002aのインダクタンスをL0、HPFの通過帯周波数をω0、電極1004を挿入した後の電極1002aのインダクタンスをL、電極1002aとコンデンサ電極1004が形成するコンデンサの容量をC、新たに形成した減衰極の周波数をωとする。
【0075】
従って、本実施の形態のフィルタは、入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま新たに減衰極を一つ追加した通過特性が得られる。以上のような構成により、本実施の形態は従来と同じ形状で高減衰量を実現できるHPFとして作用する。
【0076】
なお、本実施の形態の電極1004は一端が電極1006aに接続し、他端が電極1002aと重なるように配置されているが、図12に示すように、電極1002aから伝送線路電極1108を分岐させ、その一部が電極1006aと接続したコンデンサ電極1109と重なるように配置してコンデンサを形成してもよい。この場合は電極1002aのインピーダンスの乱れが削減されるので、HPFおよび新たに形成した減衰極の設計精度が向上する。
【0077】
また、実施の形態1の場合と同様に、コンデンサ電極を二つ形成し、電極1002a、または電極1108を上下から挟み込む構成としてもよい。この場合は同じ面積で平行平板コンデンサの容量値を大きくできるので並列共振回路の設計の自由度が向上する。
【0078】
なお、本実施の形態における並列回路は一方の電極1006aに接続している電極1002aのみに形成されているが、図13に示すようにもう一方の電極1006bに接続している電極1002cに並列回路を構成してもよい。この場合は減衰極を二つ追加することができる。この二つの減衰極はそれぞれ独立に構成するので、さまざまな設定が可能である。
【0079】
なお、本実施の形態の入出力端子電極を形成している側面には他の端面電極はないが、これはその両側にグランド端子電極を設けて上下のシールド電極と接続して接地した構成としてもよい。この場合は積層体のグランドが強化されてHPF特性が向上する。
【0080】
(実施の形態5)
図14は本発明の実施の形態5における共用器の分解斜視図である。
【0081】
図14において、共用器は誘電体層1301a、1301b、1301c、1301d、1301e、1301f、共振器電極1302a、1302b、1302c、1302dと入出力端子間伝送線路電極1303a、1303b、1303c、フィルタ用コンデンサ電極1304a、1304b、伝送線路電極1305と負荷コンデンサ電極1306a、1306b、段間結合コンデンサ電極1307、入出力結合コンデンサ電極1308a、1308b、伝送線路電極1309、コンデンサ電極1310、コンデンサ電極1311およびシールド電極1312a、1312bを有し、一体化形状を有している。電極1302a、1302b、1302c、1302dの一端と、電極1312a、1312bは誘電体側面に設けたグランド端子電極1314aに接続している。電極1302aと1302bの他端は誘電体側面に設けた周波数調整用端子電極1315aおよび1315bにそれぞれ接続している。電極1306a、1306bの一端と電極1312a、1312bは誘電体側面に設けたグランド端子電極1314cに接続している。電極1303aの一端は誘電体側面に設けた入出力端子電極1313aに接続し、電極1303aの他端は電極1303bの一端と電極1304aに接続している。電極1303bの他端と電極1303cの一端は電極1304bに接続している。電極1303cの他端、電極1310の一端、電極1308aの一端および電極1311の一端は誘電体側面に設けた共通端子電極1316に接続している。電極1308bの一端は電極1313bに接続している。電極1312a、1312bは電極1314bに接続し、電極1314a、1314b、1314cは接地されている。
【0082】
以上のように構成された共用器について、以下その動作を説明する。
【0083】
電極1302a、1302bは電極1314aを介して接地されているので4分の1波長共振器として作用する。電極1304a、1304bはそれぞれ電極1302a、1302bの一部と重なるように配置され、誘電体層1301dを介してコンデンサを形成する。従って二つの共振器はコンデンサを介して入出力端子間伝送線路1303a、1303b、1303cに直列接続することとなり、電極1302aと1302bから作られる直列共振回路の共振周波数で高減衰量となる2つのBEFとして作用する。また線路1303a、1303b、1303cの長さ、また線路幅を調整することにより、線路1303a、1303b、1303cは2つの共振器の段間、及び外側の分布定数線路との結合素子として作用する。従って二つの共振器は伝送線路を介して並列接続されることとなり、電極1313aおよび共通端子電極1316を入出力端子とする2段BEFとして作用する。
【0084】
また電極1302c、1302dは電極1314aを介して接地されているので4分の1波長共振器として作用する。電極1306a、1306bはその一部がそれぞれ電極1302c、1302dの開放端側に重なるように配置されているので誘電体層1301dを介してコンデンサを形成する。また、電極1306a、1306bはグランド端子電極1314cを介して接地されているので上記コンデンサは共振器の共振周波数を調整するローディングコンデンサとして作用する。電極1307はその一部が電極1302c、1302dと重なるように配置されているので誘電体層1301dを介してコンデンサを形成し、2個のコンデンサは共振器間の段間結合コンデンサとして作用する。電極1308a、1308bはその一部がそれぞれ共振器電極1302c、1302dの一部に重なるように配置されているので誘電体層1301dを介してコンデンサを形成して入出力結合コンデンサとして作用する。従って、本実施形態の積層体は上下のシールド電極に挟まれたトリプレート構造となり、二つの共振器の間の電磁界結合と段間結合コンデンサによる減衰極を一つ有する容量結合性の2段片側有極型BPFとして作用する。
【0085】
また電極1303cから伝送線路電極1305を分岐させ、その一部が電極1310と重なるように配置する。このとき電極1305と電極1310は誘電体層1301cを介してコンデンサを形成し、電極1303cとの間で並列回路を形成する。
【0086】
さらに電極1308aから電極1309を分岐させ、その一部が電極1311と重なるように配置する。このとき電極1309と電極1311は誘電体層1301cを介してコンデンサを形成し、電極1308aとの間で並列回路を形成する。
【0087】
ここで上記BEFの通過帯が第1の帯域となり、かつ減衰帯が第2の帯域となる、また上記BPFの減衰帯が第1の帯域となり、かつ通過帯が第2の帯域となるように本積層フィルタの各電極を設定する。
【0088】
さらに以下の連立方程式
1/(jω1t0)=jω1t+1/(jω1t)
ω2 2=1/(Ltt) (式5)
を満たすようにLt、Ctを調整する。
【0089】
ただし、第1の帯域における周波数をω1、第2の帯域における周波数をω2、電極1305と電極1310を挿入する前の電極1303cのインダクタンスをLt0、電極1305と電極1310を挿入した後の電極1303cのインダクタンスをLt、電極1305と電極1310とが形成するコンデンサの容量をCtとする。
【0090】
このときBEFは第1の帯域におけるインピーダンスを乱すことなく第2の帯域において共振点を得るので、入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま第2の帯域の近傍に減衰極を一つ追加した通過特性を示す。
【0091】
また電極1309および電極1311を挿入する前の電極1308aのインダクタンスをLr0、電極1309および電極1311を挿入した後の電極1308aのインダクタンスをLr、電極1309と電極1311が形成する平行平板コンデンサの容量をCrと、以下の連立方程式
1/(jω2r0)=jω2r+1/(jω2r)
ω1 2=1/(Lrr) (式6)
を満たすようにLr、Crを調整する。このときBPFは第2の帯域におけるインピーダンスを乱すことなく第1の帯域において共振点を得るので、入出力端子間に並列共振回路を有することになり、元のフィルタ特性を維持したまま第1の帯域の近傍に減衰極を一つ追加した通過特性を示す。
【0092】
上記の条件で各電極を設定したとき、電極1313aに入力した信号はBEFを経由し、第1の帯域の信号成分のみが通過して電極1316に出力される。しかしながら電極1308aと電極1309と電極1311が形成する並列回路は第1の帯域において高周波的に高インピーダンスとなるために、電極1316からBPF側には信号は流れない。また電極1303cと電極1305と電極1310が形成する並列回路が第2の帯域において高周波的に高インピーダンスとなるために、電極1316に入力した第2の帯域の信号はBEF側には流れずに、その大部分がBPF側に流れて第2の帯域の信号成分のみが電極1313bに出力される。
【0093】
以上のような構成により、本実施の形態の共用器は移相回路を用いないで1素子で第1の帯域の信号と第2の帯域の信号を分波できる。この結果、第1の帯域において低損失かつ第2の帯域で高減衰を必要とする系と、第2の帯域の両側において高減衰を必要とする系を有するシステムに有用な共用器となる。
【0094】
なお、本実施の形態は積層体を用いた1素子で共用器を構成しているが、共用器は必ずしも1素子で構成する必要はない。実施の形態2において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと、実施の形態1において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFを用いて、2つの素子の、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。この場合は基板上における実装効率が向上する。
【0095】
なお、本実施の形態の共用器は第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFとにより構成されているが、これは実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域の両側において高減衰を必要とする系と第1の帯域で高減衰かつ第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0096】
また上記共用器は実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと、実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFを用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0097】
なお、共用器は実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと実施の形態1において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域の両側において高減衰を必要とする系と第2の帯域の両側において高減衰を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0098】
また上記共用器はこれは実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと、実施の形態1において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFとを用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0099】
なお、共用器は実施の形態2において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域で低損失かつ第2の帯域において高減衰を必要とする系と第1の帯域で高減衰かつ第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0100】
また上記共用器は実施の形態2において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと、実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFとを個別に用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0101】
なお、共用器は実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと実施の形態1において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域において低損失を必要とする系と第2の帯域の両側において高減衰を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0102】
また上記共用器は実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと、実施の形態1において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBPFとを個別に用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0103】
なお、共用器は実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域の両側において高減衰を必要とする系と第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0104】
また上記共用器は実施の形態1において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBPFと、実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFとを個別に用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0105】
なお、共用器は実施の形態2において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域において低損失かつ第2の帯域において高減衰を必要とする系と第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0106】
また上記共用器は実施の形態2において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするBEFと、実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFとを用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0107】
なお、共用器は実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFとから構成してもよい。この場合は第1の帯域において損失を必要とする系と第1の帯域で高減衰かつ第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0108】
また上記共用器はこれは実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと、実施の形態2において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするBEFとを用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0109】
なお、共用器は実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFを用いて構成してもよい。この場合は第1の帯域において低損失を必要とする系と第2の帯域において低損失を必要とする系を有するシステムに有用な共用器として作用する。
【0110】
また上記共用器は実施の形態3において説明した第1の帯域を通過帯とし第2の帯域を減衰帯とするLPFと、実施の形態4において説明した第1の帯域を減衰帯とし第2の帯域を通過帯とするHPFとを用いて、それぞれ並列回路を形成した側の入出力端子電極を接続した構成としてもよい。
【0111】
また、移動体通信機器において本発明の共用器を用いることによりこれまで必要とされていた移相回路を削除できるので、小型の移動体通信機器を構成できる。
【0112】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来と同じ形状で高減衰量の積層フィルタを実現することができる。また移相回路を用いることなく共用器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における積層フィルタの分解斜視図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における積層フィルタの通過帯近傍の周波数における等価回路図
(b)本発明の実施の形態1における積層フィルタの周波数特性図
【図3】本発明の実施の形態1における積層フィルタの別の構成例を示す分解斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における積層フィルタのさらに別の構成例を示す分解斜視図
【図5】本発明の実施の形態2における積層フィルタの分解斜視図
【図6】本発明の実施の形態2における積層フィルタの別の構成例を示す分解斜視図
【図7】本発明の実施の形態2における積層フィルタのさらに別の構成例を示す分解斜視図
【図8】本発明の実施の形態3における積層フィルタの分解斜視図
【図9】本発明の実施の形態3における積層フィルタの別の構成例を示す分解斜視図
【図10】本発明の実施の形態3における積層フィルタのさらに別の構成例を示す分解斜視図
【図11】本発明の実施の形態4における積層フィルタの分解斜視図
【図12】本発明の実施の形態4における積層フィルタの別の構成例を示す分解斜視図
【図13】本発明の実施の形態4における積層フィルタのさらに別の構成例を示す分解斜視図
【図14】本発明の実施の形態5における共用器の分解斜視図
【図15】従来の積層フィルタの分解斜視図
【図16】(a)従来の積層フィルタの通過帯近傍における等価回路図
(b)従来の積層フィルタの周波数特性図
【図17】従来の共用器の回路図
【符号の説明】
101 誘電体層
102 共振器電極
103 負荷コンデンサ電極
104 段間結合コンデンサ電極
105 入出力結合コンデンサ電極
106 コンデンサ電極
107 シールド電極
108 入出力端子電極
109 グランド端子電極

Claims (4)

  1. 入力電極と、出力電極と、
    一端が接地されて共振器として作用する複数の共振器電極を有する第1の誘電体層と、
    前記入力電極に接続されて一の前記共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する入力結合コンデンサ電極、前記出力電極に接続されて他の前記共振器電極とコンデンサを形成する出力結合コンデンサ電極、および、前記共振器電極とコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極を有する第2の誘電体層と、
    前記入力電極に接続されて前記入力結合コンデンサ電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記入力結合コンデンサ電極のインダクタ成分とによって並列回路を構成したコンデンサ電極を有する第3の誘電体層とを備えた積層フィルタ。
  2. 入力電極と、出力電極と、共通端子電極と、
    一端が接地されて共振器として作用する第1、第2、第3、第4の共振器電極を有する第1の誘電体層と、
    一端が前記入力電極に接続され他端が前記共通端子電極に接続されるとともにインダクタ成分を有する入出力端子間伝送線路電極、前記入出力端子間伝送線路電極と接続して前記第1、第2の共振器電極とそれぞれコンデンサを形成するフィルタ用コンデンサ電極、一端が前記共通端子電極に接続され前記第3の共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する第1の入出力結合コンデンサ電極、前記出力電極に接続されて前記第4の共振器電極とコンデンサを形成する第2の入出力結合コンデンサ電極、前記第3、第4の共振器電極との間にコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極、一端が前記入出力端子間伝送線路電極と接続した第1の伝送線路電極、および、一端が前記第1の入出力コンデンサと接続した第2の伝送線路電極を有する第2の誘電体層とを備え、
    前記第1、第2の共振器電極と、前記入出力端子間伝送線路電極と、前記フィルタ用コンデンサ電極とから2段片側有極型バンドパスフィルタを構成し、
    前記第3、第4の共振器電極と、第1、第2の入出力結合コンデンサ電極と、前記段間結合コンデンサ電極とから2段ノッチフィルタを構成する共用器であって、
    一端が前記共通端子電極に接続されて前記第1の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記入出力端子間伝送線路電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第1のコンデンサ電極、および、一端が前記共通端子電極に接続されて前記第2の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記第1の入出力コンデンサ電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第2のコンデンサ電極を有する第3の誘電体層をさらに備えた共用器。
  3. 入力電極と、出力電極と、
    一端が接地されて共振器として作用する複数の共振器電極を有する第1の誘電体層と、
    前記入力電極に接続されて一の前記共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する入力結合コンデンサ電極、前記出力電極に接続されて他の前記共振器電極とコンデンサを形成する出力結合コンデンサ電極、および、前記共振器電極とコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極を有する第2の誘電体層と、
    前記入力電極に接続されて前記入力結合コンデンサ電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記入力結合コンデンサ電極のインダクタ成分とによって並列回路を構成したコンデンサ電極を有する第3の誘電体層とを備えた積層フィルタを用いたことを特徴とする移動体通信機器。
  4. 入力電極と、出力電極と、共通端子電極と、
    一端が接地されて共振器として作用する第1、第2、第3、第4の共振器電極を有する第1の誘電体層と、
    一端が前記入力電極に接続され他端が前記共通端子電極に接続されるとともにインダクタ成分を有する入出力端子間伝送線路電極、前記入出力端子間伝送線路電極と接続して前記第1、第2の共振器電極とそれぞれコンデンサを形成するフィルタ用コンデンサ電極、一端が前記共通端子電極に接続され前記第3の共振器電極とコンデンサを形成するとともにインダクタ成分を有する第1の入出力結合コンデンサ電極、前記出力電極に接続されて 前記第4の共振器電極とコンデンサを形成する第2の入出力結合コンデンサ電極、前記第3、第4の共振器電極との間にコンデンサを形成する段間結合コンデンサ電極、一端が前記入出力端子間伝送線路電極と接続した第1の伝送線路電極、および、一端が前記第1の入出力コンデンサと接続した第2の伝送線路電極を有する第2の誘電体層とを備え、
    前記第1、第2の共振器電極と、前記入出力端子間伝送線路電極と、前記フィルタ用コンデンサ電極とから2段片側有極型バンドパスフィルタを構成し、
    前記第3、第4の共振器電極と、第1、第2の入出力結合コンデンサ電極と、前記段間結合コンデンサ電極とから2段ノッチフィルタを構成する共用器を用いた移動体通信機器であって、
    前記共用器は、一端が前記共通端子電極に接続されて前記第1の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記入出力端子間伝送線路電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第1のコンデンサ電極、および、一端が前記共通端子電極に接続されて前記第2の伝送線路電極とコンデンサを形成するとともにこのコンデンサと前記第1の入出力コンデンサ電極のインダクタ成分とによる並列回路を構成した第2のコンデンサ電極を有する第3の誘電体層をさらに備えたことを特徴とする移動体通信機器。
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