JP4277151B2 - 全地球測位システムの受信装置及び復調処理制御方法 - Google Patents

全地球測位システムの受信装置及び復調処理制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は全地球測位システムの受信装置及び復調処理制御方法に関し、例えば移動体の位置測定を行うGPS(Global Positioning System) の受信装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、GPSにおいては地球上を周回する複数個のGPS衛星からそれぞれ送信される衛星信号をGPS受信装置によって受信し、当該受信した衛星信号を解析することにより、当該GPS受信装置と各GPS衛星との距離をそれぞれ取得し、これらを基に移動体の現在位置を算出するようになされている。
【0003】
このGPS衛星から送信される衛星信号は、各GPS衛星毎に異なる種類の符号系列でなるPN(Pseudo noise)コードすなわち疑似雑音符号によってスペクトラム拡散された信号である。
【0004】
従ってGPS受信装置は、複数種類のGPS衛星毎にそれぞれ応じた局部PNコードを発生し得るようになされており、発生した局部PNコードの位相を衛星信号のPNコードの位相に合わせることにより同期獲得し、衛星信号に対してトラッキングをかけることにより同期補足した後、スペクトラム逆拡散処理を施すことによりGPS衛星からの航法メッセージ(測位計算のための軌道情報等)を復調する。
【0005】
実際上、図4に示すようにGPS受信装置1は、受信可能な圏内に存在する複数の第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5から送信される衛星信号S1〜S4をGPSアンテナ6及び受信回路7を介して受信し、衛星信号S1を第1復調器8に、衛星信号S2を第2復調器9に、衛星信号S3を第3復調器10に、衛星信号S4を第4復調器11にそれぞれ供給する。
【0006】
第1復調器8〜第4復調器11は、衛星信号S1〜S4に対してそれぞれ同期獲得及び同期補足した後、スペクトラム逆拡散処理を施すことにより衛星信号S1〜S4を復調し、その復調結果データS5〜S8を後段の回路(図示せず)に出力すると共に、制御回路12に送出する。
【0007】
制御回路12は、第1復調器8〜第4復調器11から供給された復調結果データS5〜S8を基に、第1復調器8〜第4復調器11の復調状態を推測し、当該復調状態に応じた復調制御信号S11〜S14を第1復調器8〜第4復調器11に供給することにより、当該第1復調器8〜第4復調器11おける復調状態を制御するようになされている。
【0008】
このようにGPS受信装置1は、第1復調器8〜第4復調器11で第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5からの衛星信号S1〜S4をそれぞれ並列的に復調することにより、複数のGPS衛星との距離を算出し、これらの距離関係を基に現在位置を測位するようになされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成のGPS受信装置1においては、第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5からの衛星信号S1〜S4に対してそれぞれ同期獲得を行うために、受信可能な圏内に存在するGPS衛星の数かそれ以上の数の復調器(第1復調器8〜第4復調器11)を有しており、このため回路構成が大型化するという問題があった。
【0010】
またGPS受信装置1は、図2(B)に示すように第1復調器8〜第4復調器11を同時に並列的に動作させているので消費電力が増大してしまうという問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、小型で電力消費の少ない全地球測位システムの受信装置及び復調処理制御方法を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、全地球測位システムにおける複数の衛星からそれぞれ送信される複数の衛星信号を受信し、当該受信した複数の衛星信号に対して復調処理を行い、衛星信号と同期した通信システムの基地局からの送信信号に基づいて当該送信信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを検出し、当該先頭タイミングに基づいて生成されたシステムタイム信号に基づいて、認識手段により、複数の衛星信号のうち最初に到達する最初の衛星信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを大まかに認識し、当該先頭タイミングを中心とした前後所定数チップ分のサーチ幅の範囲内で、擬似雑音符号と最初の衛星信号との相関値を算出することにより同期獲得を行い、最初の衛星信号に対する復調タイミングを得、複数の衛星信号のうち2番目以降の衛星信号に対する同期獲得を行い、2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを得、最初の衛星信号に対する復調タイミング、2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを用いて復調処理を時分割制御するようにする。
これにより、通信システムの基地局からの送信信号と同期したシステムタイム信号に基づいて複数の衛星信号のうち最初に到達する最初の衛星信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを短時間のうちに大まかに認識し得、その先頭タイミングを中心とした前後所定数チップ分のサーチ幅の範囲内で擬似雑音符号と最初の衛星信号との相関値を算出して同期獲得することにより最初の衛星信号に対する復調タイミングを得、その後、複数の衛星信号のうち2番目以降の衛星信号に対する同期獲得を行うことにより2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを得、最初の衛星信号に対する復調タイミング、2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを用いて復調処理を時分割制御することができるので、複数の衛星信号に対する同期獲得及び復調処理までに要する時間を短縮化し、各衛星にそれぞれ対応した復調手段を設けることなく、効率良く複数の衛星信号に対する復調処理を実行することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0014】
図4との対応部分に同一符号を付して示す図1において、20は全体として本発明における全地球測位システムの受信装置としてのGPS受信装置を示し、大きく分けて例えば4種類の第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5から送信される衛星信号S1〜S4を受信するためのGPS受信部21と、IS95規格に対応したDS(Direct Sequence :直接拡散) 方式によるCDMA(Code Division Multiple Access) セルラーシステムの基地局から送信されるスペクトラム拡散信号S22を受信するためのCDMA受信部22とによって構成されている。
【0015】
CDMA受信部22は、CDMAアンテナ23及び受信回路24を介して受信したスペクトラム拡散信号S22を相関回路25に入力する。相関回路25は、シフトレジスタ及び乗算器によって構成され、PNコード発生回路26から供給される局部PNコードC11とスペクトラム拡散信号S22とを乗算することにより相関値S23を算出し、これを制御回路27に送出する。
【0016】
制御回路27は、相関値S23が所定の閾値を越えていない低レベルのとき、スペクトラム拡散信号S22のPNコードとPNコード発生回路26で発生した局部PNコードC11とが同期していないと判定し、PNコード発生回路26に対して位相制御信号CTL11を供給することにより局部PNコードC11の位相をオフセット制御する。
【0017】
PNコード発生回路26は、位相制御信号CTL11に基づいて局部PNコードC11の位相をオフセットし、その結果得られる位相オフセットされた局部PNコードC11を相関回路25に送出すると共に、局部PNコードC11の位相状態を示す位相結果情報S24を制御回路27に送り返す。
【0018】
従って制御回路27は、相関回路25からの相関値S23に基づいて同期獲得できていないと判断した場合、位相結果情報S24に応じて位相制御信号CTL11を生成し、これをPNコード発生回路26に送出することにより、当該PNコード発生回路26による局部PNコードC11の位相を順次オフセットして出力させるようになされている。
【0019】
また制御回路27は、相関値S23が所定の閾値を越えた高レベルのとき、スペクトラム拡散信号S22のPNコードとPNコード発生回路26で発生した局部PNコードC11とが同期していると判定して同期補足を行う。
【0020】
このとき制御回路27は、同期獲得したことを位相制御信号CTL11によってPNコード発生回路26に通知すると共に、データ復調時におけるスペクトラム拡散信号S22のPNコードの周期の先頭タイミングを示す復調制御信号S25を生成し、これを相関回路25に対して送出する。
【0021】
相関回路25は、シフトレジスタ及び乗算器に加えて内部に復調器(図示せず)を有しており、当該復調器で復調制御信号S25に基づいてスペクトラム拡散信号S22をスペクトラム逆拡散処理することにより、基地局から送られてくる送信データを復調するようになされている。
【0022】
ところでPNコード発生回路26は、同期獲得したことを制御回路27からの位相制御信号CTL11によって認識すると、同期獲得したタイミングすなわちスペクトラム拡散信号S22のPNコードにおける周期の先頭タイミングを示すコードタイミング信号S26をカウンタ構成でなるシステムタイム回路28に供給する。
【0023】
システムタイム回路28は、制御回路27からのシステムタイム制御信号S27に応じてPNコード発生回路26から供給されたコードタイミング信号S26に同期したタイミングでカウンタをリセットすることによりシステムタイム信号S28を生成し、これをGPS受信部21の制御回路31に送出する。
【0024】
ここで、CDMAセルラーシステムの基地局は第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5のいずれかにより送信される衛星信号を受信し、当該衛星信号を解析することにより求めたGPS時刻を基にスペクトラム拡散信号S10を生成する際の基準となるCDMA時刻を設定しているので、GPS時刻とCDMA時刻とは所定タイミング毎に同期した状態である。
【0025】
GPS受信部21の制御回路31は、CPU(Centaral Processing Unit)でなり、システムタイム信号S28を入力することにより、当該システムタイム信号S28に基づいて例えば第1GPS衛星2から送信されて最初に到達する衛星信号S1のPNコードにおける周期の先頭タイミングを大まかに認識し得るようになされている。
【0026】
またGPS受信部21の制御回路31は、復調器32に対して復調制御信号S31で第1GPS衛星2に対応した局部PNコードを与える。ここで復調器32は、内部に相関回路(図示せず)を有し、相関回路を介して衛星信号S1のPNコードにおける周期の先頭タイミングを中心とした前後数チップ(もしくは数十チップ)分のサーチ幅の範囲内で相関値を算出することにより、短時間で同期獲得を行って衛星信号S1を復調することができる。
【0027】
この結果、復調器32は実際に同期獲得したときの同期獲得タイミングを得、これを同期獲得タイミング信号S32としてタイミングカウント回路33に送出する。タイミングカウント回路33は、第1GPS衛星2の衛星信号S1を同期獲得したときのチップ単位の復調タイミングでカウンタ値を例えば「0」にセットして内部メモリに記憶する。
【0028】
この後GPS受信部21の制御回路31は、復調器32に対して復調制御信号S31で第2GPS衛星3、第3GPS衛星4及び第4GPS衛星5にそれぞれ対応した局部PNコードを順次与え、当該復調器32を介して同期獲得を行ったときの同期獲得タイミングを順次得、これらを同期獲得タイミング信号S32としてそれぞれタイミングカウント回路33に送出する。
【0029】
タイミングカウント回路33は、復調器32から第2GPS衛星3〜第4GPS衛星5の衛星信号S2〜S4を同期獲得したときのチップ単位の同期獲得タイミングをそれぞれカウンタ値としてカウントし、衛星信号S1に対するカウンタ値「0」との時間的な差分値を復調タイミングとして内部メモリにそれぞれ記憶し、これらの復調タイミングを衛星信号S2〜S4の同期獲得に用いることにより、次回から第2GPS衛星3〜第4GPS衛星5の衛星信号S2〜S4に対して短時間で同期獲得を行い得るようになされている。
【0030】
ところで復調器32は、衛星信号S1を復調することにより第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5に共通な絶対時刻情報を復調結果データS33として制御回路31に送出する。
【0031】
制御回路31は、タイミングカウント回路33から常時1[msec]単位の基準タイミング信号S35が供給されており、当該基準タイミング信号S35及び復調結果データS33の絶対時刻情報に基づいて、次の衛星信号S2に復調処理を切り換えるために予め設定された1[msec]単位の切換タイミングを切換制御信号S34としてタイミングカウント回路33に出力する。
【0032】
このとき同時に制御回路31は、復調制御信号S31で次に第2GPS衛星3から到達する衛星信号S2に対応した局部PNコードと、復調処理の切換命令とを復調器32に出力する。
【0033】
タイミングカウント回路33は、制御回路31から切換制御信号S34が供給されると、衛星信号S2に対する復調タイミングを内部メモリから読み出し、当該復調タイミングに対応したチップ単位の時分割切換タイミング信号S36を復調器32に対して出力する。
【0034】
これにより復調器32は、例えば第2GPS衛星3に対応した局部PNコードを用いて衛星信号S2の同期獲得を行い、復調結果を得る。
【0035】
ここで図2(A)に示すように、衛星信号S1〜S4は50[bps] の伝送速度で送信されており、それぞれ衛星信号S1〜S4における各PNコード(1周期は1[msec])の20倍の20[msec]で繰り返し同一内容の1ビットが送信されている。
【0036】
従ってGPS受信装置20は、図2(C)に示すように20[msec]の間に繰り返し送信されている例えば1ビットのデータ(A1)を1[msec]分だけ復調すれば復調結果を得られるので、復調器32で衛星信号S1〜S4に対する復調処理を1[msec]分ずつ時分割で行うようになされている。
【0037】
これによりGPS受信装置20は、第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5にそれぞれ対応した数又はそれ以上の復調器を必要とせず、復調器32により20[msec]のうち1[msec]分ずつ衛星信号S1〜S4を時分割復調処理するだけで済むため、回路構成を簡素化し得ると共に消費電力を一段と低減し得るようになされている。
【0038】
ところでGPS受信装置20においては、実際上、衛星信号S1〜衛星信号S4の到達時刻の時間差がチップ単位のオフセット(すなわち時間的なずれ)として発生している。
【0039】
これによりGPS受信装置20は、衛星信号S1の復調処理から衛星信号S2の復調処理に切り換えるときや、衛星信号S2の復調処理から衛星信号S3の復調処理に切り換えるときに、図2(C)に示すようにデータ(A1)を復調するタイミングと、データ(A2)を復調するタイミングと、データ(A3)を復調するタイミングとの間隔を1[msec]毎に設定したとしても、チップ単位のずれが生じることになる。
【0040】
従ってGPS受信装置20の制御回路31は、タイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した衛星信号S2〜S4それぞれに対する復調タイミングに応じて、復調処理を切り換えるときのチップ単位のオフセットを最も少なくなるように制御している。
【0041】
すなわちGPS受信装置20の制御回路31は、最も近くに存在する第1GPS衛星2から次第に遠くに存在する第4GPS衛星5の順番で復調処理を時分割制御するようになされており、これにより衛星信号S1〜S4の復調処理を切り換えるタイミングの時間的間隔を極力1[msec]近くに短くし得、20[msec]の中で復調処理を効率良く実行することが可能となる。
【0042】
次に、GPS受信装置20における復調処理の切換制御処理手順について説明する。GPS受信装置20の制御回路31は、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1に移る。
【0043】
ステップSP1において制御回路31は、CDMA受信部22から供給されたシステムタイム信号S28を基に第1GPS衛星2の衛星信号S1の同期獲得を行った後、衛星信号S2〜S4の同期獲得を順次行って同期獲得タイミングを得、これを復調タイミングとしてタイミングカウント回路33の内部メモリに記憶し、次のステップSP2に移る。
【0044】
ステップSP2において制御回路31は、タイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した衛星信号S1〜S4に対する復調タイミングに基づいて、第1GPS衛星2の衛星信号S1を同期獲得して復調結果の絶対時刻情報を得、次のステップSP3に移る。
【0045】
ステップSP3において制御回路31は、絶対時刻情報及びタイミングカウント回路33から供給される1[msec]単位の基準タイミング信号S35に基づいて、予め設定しておいた復調処理の切換タイミングになったか否かを判定する。
【0046】
ここで否定結果が得られると、このことは予め設定しておいた復調処理の切換タイミングになっていないことを表しており、このとき制御回路31はステップSP3に戻って復調処理の切換タイミングになるまで待ち続ける。
【0047】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことは予め設定しておいた復調処理の切換タイミングになったことを表しており、このとき制御回路31は次のステップSP4に移る。
【0048】
ステップSP4において制御回路31は、復調処理の切換タイミングである切換制御信号S34をタイミングカウント回路33に出力すると共に、次に復調制御信号S31で第2GPS衛星3から到達する衛星信号S2に対応した局部PNコードと、復調処理の切換命令とを復調器32に出力し、次のステップSP5に移る。
【0049】
ステップSP5において制御回路31は、タイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した復調タイミングに基づいて、当該タイミングカウント回路33から時分割切換タイミング信号S36を復調器32に供給して復調処理を切り換え、ステップSP3に戻って再度上述の処理を繰り返す。
【0050】
以上の構成において、GPS受信装置20は第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5の衛星信号S1〜S4を受信手段としてのGPSアンテナ6及び受信回路7によって受信し、制御手段としての制御回路31の制御により、予めタイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した衛星信号S1〜S4の復調タイミングに基づいて、復調手段としての復調器32で20[msec]のうち1[msec]分ずつ衛星信号S1〜S4を時分割復調処理するようにしたことにより、回路構成を簡素化して一段と小型化し得ると共に、時分割復調処理によって消費電力を一段と低減することができる。
【0051】
またGPS受信装置20は、タイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した衛星信号S1〜S4の復調タイミングに応じて、最も近くに存在する第1GPS衛星2から次第に遠くに存在する第4GPS衛星5の順番で復調処理を時分割制御することにより、衛星信号S1〜S4の復調処理を順次切り換えるときの時間的間隔を極力短くして、20[msec]の中で復調処理を効率良く実行することができる。
【0052】
以上の構成によれば、GPS受信装置20は予めタイミングカウント回路33の内部メモリに記憶した衛星信号S1〜S4の復調タイミングに基づいて、20[msec]のうち1[msec]分ずつ衛星信号S1〜S4を時分割復調処理することにより、回路構成を簡素化して一段と小型化し得ると共に、時分割復調処理によって消費電力を一段と低減することができる。
【0053】
なお上述の実施の形態においては、4種類の第1GPS衛星2〜第4GPS衛星5からの衛星信号S1〜S4を受信し、当該衛星信号S1〜S4の復調処理を復調器32だけで時分割で行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、6種類又は8種類のGPS衛星からの衛星信号の復調処理を復調器32だけで時分割で行ったり、もしくは復調器32を複数設けることにより8種類、12種類のGPS衛星からの衛星信号の復調処理をそれぞれ時分割で行うようにしても良い。この場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
また上述の実施の形態においては、GPS受信装置20に搭載されたCDMA受信部22により検出されたシステムタイム信号S28に基づいて第1GPS衛星2から受信した衛星信号S1のPNコードにおける周期の先頭タイミングを大まかに認識し、短時間で同期獲得を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDMA受信部22からシステムタイム信号S28の供給を受けることなく、第1GPS衛星2から受信した衛星信号S1を同期獲得するようにしても良い。この場合、同期獲得に時間を要する可能性が高いがCDMA受信部22を必要としないことにより、回路構成を簡素化することができる。
【0055】
さらに上述の実施の形態においては、衛星信号S1〜S4を1[msec]分ずつ時分割復調処理するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2[msec]分ずつ、又は3[msec]分ずつ時分割復調処理するようにしても良く、さらに衛星信号S1を1[msec]分だけ復調処理し、衛星信号S2を2[msec]分だけ復調処理し、衛星信号S3を4[msec]分だけ復調処理し、衛星信号S4を6[msec]分だけ復調処理する等のように復調処理時間を任意に可変するようにしても良い。
【0056】
このようにGPS受信装置20は、復調処理時間を任意に可変することにより、衛星信号S1〜S4それぞれの復調結果の正確性を高めて誤り率を低減させることができ、かくして受信特性の向上を図ることができる。
【0057】
さらに上述の実施の形態においては、GPS受信装置20にCDMA受信部22を搭載するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDMA方式の携帯電話機にGPS受信部21を搭載するようにしても良い。
【0058】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、通信システムの基地局からの送信信号と同期したシステムタイム信号に基づいて複数の衛星信号のうち最初に到達する最初の衛星信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを短時間のうちに大まかに認識し得、その先頭タイミングを中心とした前後所定数チップ分のサーチ幅の範囲内で擬似雑音符号と最初の衛星信号との相関値を算出して同期獲得することにより最初の衛星信号に対する復調タイミングを得、その後、複数の衛星信号のうち2番目以降の衛星信号に対する同期獲得を行うことにより2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを得、最初の衛星信号に対する復調タイミング、2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを用いて復調処理を時分割制御することができるので、複数の衛星信号に対する同期獲得及び復調処理までに要する時間を短縮化し、各衛星にそれぞれ対応した復調手段を設けることなく、効率良く複数の衛星信号に対する復調処理を実行することができ、かくして小型で効率良く短時間のうちに復調処理可能な全地球測位システムの受信装置及び復調処理制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるGPS受信装置の構成を示すブロツク図である。
【図2】復調タイミングを示すタイミングチャートである。
【図3】復調処理の切換制御処理手順を示すフローチャートである。
【図4】従来のGPS受信装置の構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1、20……GPS受信装置、2……第1GPS衛星、3……第2GPS衛星、4……第3GPS衛星、5……第4GPS衛星、6……GPSアンテナ、7……受信回路、21……GPS受信部、22……CDMA受信部、31……制御回路、32……復調器、33……タイミングカウント回路。

Claims (3)

  1. 全地球測位システムにおける複数の衛星からそれぞれ送信される複数の衛星信号を受信する受信手段と、
    上記受信手段によって受信された上記複数の衛星信号に対して復調処理を行う復調手段と、
    上記衛星信号と同期した通信システムの基地局からの送信信号に基づいて当該送信信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを検出し、当該先頭タイミングに基づいて生成されたシステムタイム信号に基づいて上記複数の衛星信号のうち最初に到達する最初の衛星信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを大まかに認識する認識手段と、
    上記先頭タイミングを中心とした前後所定数チップ分のサーチ幅の範囲内で、上記擬似雑音符号と上記最初の衛星信号との相関値を算出することにより同期獲得を行い、上記最初の衛星信号に対する復調タイミングを得、上記複数の衛星信号のうち2番目以降の衛星信号に対する上記同期獲得を行い、上記2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを得る復調タイミング取得手段と、
    上記最初の衛星信号に対する復調タイミング、上記2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを用いて上記復調処理を時分割制御する制御手段と
    を具える全地球測位システムの受信装置。
  2. 上記復調タイミング取得手段は、上記最初の衛星信号に対する復調タイミング、上記2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを内部メモリに記憶し、これを用いて次回からの同期獲得を行う
    請求項1に記載の全地球測位システムの受信装置。
  3. 全地球測位システムにおける複数の衛星からそれぞれ送信される複数の衛星信号を受信手段により受信する受信ステップと、
    上記受信ステップで受信された上記複数の衛星信号に対して復調手段により復調処理を行う復調ステップと、
    上記衛星信号と同期した通信システムの基地局からの送信信号に基づいて当該送信信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを検出し、当該先頭タイミングに基づいて生成されたシステムタイム信号に基づいて、認識手段により、上記複数の衛星信号のうち最初に到達する最初の衛星信号の擬似雑音符号における周期の先頭タイミングを大まかに認識する認識ステップと、
    上記先頭タイミングを中心とした前後所定数チップ分のサーチ幅の範囲内で、復調タイミング取得手段により、上記擬似雑音符号と上記最初の衛星信号との相関値を算出することにより同期獲得を行い、上記最初の衛星信号に対する復調タイミングを得、上記複数の衛星信号のうち2番目以降の衛星信号に対する上記同期獲得を行い、上記2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを得る復調タイミング取得ステップと、
    上記最初の衛星信号に対する復調タイミング、上記2番目以降の衛星信号に対する復調タイミングを用いて、制御手段により上記復調処理を時分割制御する制御ステップと
    有する復調処理制御方法。
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