JP4276694B1 - ウォーキング用ストック - Google Patents

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Abstract

【課題】スキー用ストックから派生したグリップではなく、ストラップを無くして簡便で操作性と安全性に優れたウォーキング用ストックのグリップ構造を提供すること。
【解決手段】ウォーキング用ストックのグリップ3における長手方向の中途部において、ストックの軸に実質的に直交する方向の両側へ翼状に隆起された形態に一対の翼状突起部1、1が設けられ、その翼状突起部1、1の両方又は一方の先端部分に抜け止め2の膨らみが設けられたことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、操作性と安全性の向上を図ったウォーキング用ストックのグリップ構造及びそれを用いたウォーキング用ストックに関する。
従来のウォーキング用ストックにあっては、先ず、一般的なスキー用ストックと同様にループ型のストラップを備えるものがある。そのストックでは、ポール部材に固定されたグリップの上端部に、ループ型のストラップが取り付けられている(特許文献1及び3参照)。これによれば、手首をストラップのループの中に通すことで、ストックが使用者の手から離脱することを防止できる。なお、このようなストックによれば、手首をストラップに通しているため、そのストックを瞬時に離すことは難しいことになる。
また、他のウォーキング用ストックとしては、掌や手首に嵌められる手袋等にストラップが固定されており、そのストラップをグリップの上端部に着脱可能に装着できる構造を備えるものがある(特許文献2参照)。このストックにおけるストラップは、使用者の掌や手首の側に固定・拘束されており、「拘束型のストラップ」ということができる。なお、この形態のストックにあっても、そのストックを瞬時に離すことは難しいことになる。
さらに、ループ型のストラップを有するグリップにおいて、グリップの握りを補助する付属構造として、グリップの表面から突出し、グリップを握持する2本の指同士で挟み込む紐状の挟み込み体と、この挟み込み体に設けられた係止体とから成り、該係止体と前記グリップとで前記挟み込み体を挟み込んだ2本の指を保持し得るように構成されたものが開示されている(特許文献3参照)。なお、このグリップを有するストックにおいては、グリップから使用者の手が離れることを防止するもので、そのストックを瞬時に離すことが可能になることを目的とするものではない。
特表2008−529566号公報(第1頁) 特開平11−241208号公報(第1頁) 特開2004−81821号公報(要約、第1図)
ストックを使用するウォーキングでは、ストックの傾斜角を大きくして後方に強く押すほど推進力を得られる。このため、手首をループ型のストラップに通し、そのストラップと共にグリップを握るタイプのストックの場合、ストックを後方に押す際には小指側の力を緩めて親指と人差し指など掌の上部のみでグリップを握る必要性がある。つまり、ループ型のストラップでは、掌の小指側が開き、グリップが離れ易く押す力が十分に伝わりにくい。これによれば、推進力が減衰する上に、グリップが掌から離脱しかねず、操作を困難にすることがある。
これに対して、手首や掌に巻きつける拘束型のストラップを装着したストックでは、グリップを握る力を緩めても掌の中からグリップが離れず、押す力の伝達が可能で推進力も確保できる。しかしながら、ストックの先端が路面上の溝などに不意に固定されたとき、ストラップとグリップの連結が解除されず、ストックが離れないため、怪我や事故になる危険性がある。この点は、ループ型のストラップを備えるストックにも共通する課題である。
また、ウォーキング用ストックを持ってランニングするときは、腕の振りが速く、ストックを押す時間も短いためグリップは握ったままとなることが多い。その際に、テニスラケットやゴルフクラブのグリップなどは小指側で自然に握って人差し指側を自由にすることで操作性を高めることができる。これに対して、拘束型のストラップが装着された場合には、自由度が制限され、グリップへの接続点がある親指側から小指までの掌全体がグリップに固定される状態となる。このため、ストックの操作は手首や肘での調整に依存することになり、疲労が蓄積しやすい。
さらに、その拘束型のストラップについては、その脱着の煩雑感が、ストックを使用するウォーキングを始める際の関門となっている。
この発明は、以上のような従来の問題点を解決し、スキー用ストックから派生したグリップではなく、ストラップを無くして簡便で操作性と安全性に優れたウォーキング用ストックのグリップ構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係るウォーキング用ストックのグリップ構造の一形態によれば、ウォーキング用ストックのグリップにおける長手方向の中途部において、ストックの軸に実質的に直交する方向の両側へ翼状に隆起された形態に一対の翼状突起部が設けられ、該翼状突起部の両方又は一方の先端部分に抜け止めの膨らみが設けられたことを特徴とする。
また、本発明に係るウォーキング用ストックのグリップ構造の一形態によれば、断面を楕円等として歩く進行方向に対して握る方向性が設定された形状のグリップであって、内側の翼状突起部が歩く進行方向に対して斜め後方に突出した形態に設けられ、外側の翼状突起部が歩く進行方向に対して斜め前方に突出した形態に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係るウォーキング用ストックの一形態によれば、前記のウォーキング用ストックのグリップ構造を備えることを特徴とする。
本発明に係るウォーキング用ストックによれば、例えば図5に示すように、親指を内側の翼状突起部の上側に置き、人差し指と中指の2本の指で外側の翼状突起部を挟んで保持し、グリップを軽く握るだけで、そのグリップは常に掌の中に保持されて推進力の伝達ができる。また、指を開放するだけで、掌からグリップが離脱できるため、安全性を適切に確保できる。
また、このグリップ構造では、ストラップが無く、掌を握り直すだけでその握り位置を適切に変更できる。このため、ストックを突く位置を歩く速さや地形に合わせて変えるときなど、その使用条件に応じて適切に対応できる。
例えば、坂道では、外側の翼状突起部を中指と薬指で挟んで保持し、グリップを掌全体で握りストックを安定させると、階段の手すりのように下り坂では体のバランスをとり、上り坂では登坂力を得られる。
また、特に図6に示すように、外側の翼状突起部を薬指と小指で保持して中指と共にグリップを握ることで、親指と人差し指が自然に開放される。これにより、グリップを強く握っても、ストックの無いときと同様の腕の振りで、先行する下肢の着地衝撃を緩和できる位置に、ストックを自然に突くことができる。このため、運動強度の高いランニングに適し、ウォーキング途中の膝の痛みの緩和にも有効となる。
さらに、このストックではストラップ脱着の煩雑さがなく、全身運動で運動効率の高いストックを使用するウォーキングを始めるための最適な運動用具となる。
以下、本発明に係るウォーキング用ストックのグリップ構造の形態例を図1〜11に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るウォーキング用ストックのグリップ構造の形態例を示す平面図であり、図2は図1の形態例の側面図である。図3は本発明に係るウォーキング用ストックのグリップ構造の他の形態例を示す平面図であり、図4は図3の形態例の側面図である。図5は両方の翼状突起部に抜け止めの有るグリップを握った状態を示す斜視図である。図6は内側の翼状突起部に抜け止めの無いグリップを握った状態を示す斜視図である。図7は両方に翼状突起部の有るグリップを左手で握った時の進行方向に対する方向性を示す平面図である。図8は両方の翼状突起部に抜け止めの有るグリップの方向性を示す平面図である。図9は一方の翼状突起部に抜け止めの有るグリップの方向性を示す平面図である。また、図10は一方の翼状突起部に抜け止めの有る他のグリップの方向性を示す平面図である。
本発明によれば、ウォーキング用ストックのグリップ3における長手方向の中途部において、ストックの軸に実質的に直交する方向の両側へ翼状に隆起された形態に一対の翼状突起部1、1が設けられ、その翼状突起部1、1の両方又は一方の先端部分に抜け止め2の膨らみが設けられている。
例えば、図1及び2に示すように、先端部分に抜け止め2としての膨らみがある翼状突起部1を、グリップ3の親指側と人差し指側の相対する2箇所に設ける。
図1及び2に示す形態例では翼状突起部1、1の両方の先端に抜け止め2があるが、図3及び4に示す形態例のように、親指側は抜け止めの無い隆起形状の翼状突起部4にすることもできる。
図6に示すように、グリップ3の長さは、一対の翼状突起部1、4の突起位置から上部は成人の指の太さの2本程度、その下部は掌程度を標準とするが、これに限定されるものではなく使用者の手に好適にフィットするように適宜設定すればよい。
また、図7に示すように左手を例にすると、指で翼状突起部1、1を保持してグリップ3を握ると、歩く進行方向5に対してそれぞれの翼状突起部が、親指側は斜め後方へ、人差し指側は斜め前方へ向くように自然と保持される。つまり、内側の翼状突起部1が歩く進行方向に対して斜め後方に突出した形態に設けられ、外側の翼状突起部1が歩く進行方向に対して斜め前方に突出した形態に設けられていることになる。
そして、掌からストックに伝達される推進力が親指側は翼状突起部1の前部の伝達点6から、人差し指側は翼状突起部1の後部の伝達点7からとなり、ストックの操作を安定させる。そのため、図8〜10に示すように、断面を楕円などとして歩く進行方向を設定した形状のグリップでは、翼状突起部をその進行方向に対して斜め方向に設け、グリップを握ると自然に伝達点が適正になるようにすればよい。
翼状突起部1の形状は、例えば、グリップ面に推進力の伝達点として15mm程度の厚みと20mm程度の幅で隆起を始め、中央部の厚みを5mm程度に薄めながら先端部は15mm径程度の膨らみを抜け止め2として設けるとよい。
これによれば、翼状突起部1、4の付け根部が、グリップ3の側面から厚く隆起して次第に薄くなるように突起した形状になっていると共に、指がフィットし易い凹曲面状(図2参照)に形成されている。このような翼状突起部1、4の付け根部によれば、適切な剛性のある形態になっており、押す力がグリップ3を解してポールに伝わり易い構造になっている。また、翼状突起部1の中央部を薄くして抜け止め2の部分を適切な厚さにすることで、常時は掌から離脱しないで緊急時には瞬時に掌から離すことのできる形態になっている。これによれば、指同士の間を開いた際又は急激に大きな力が作用した場合などに、抜け止め2が好適に抜け、ストックの装着性と安全性を向上できる。
グリップ3の材質は、翼状突起部1、4に柔軟性或いは皮膚損傷を生じない性質と引張強度等の所要の強度が必要であるため、例えば、ゴム、シリコン、軟質プラスチックである可塑性エラストマーなどを適宜選択的に使用すればよい。
また、グリップ3は、翼状突起部1、4を含め、その表面が汗や降雨時に対応して滑り止めの処理がなされた形態であることが好ましい。
後付けとして既存のグリップなどへ翼状突起部を設ける際には、接着又は紐やロープさらにバンドや金具などで結束又は固定が必要となる。このため、親指側の翼状突起部は抜け止めの無い隆起形状として、その内部に結束部や固定用のビスやボルトなどの頭部が内包されるようにするとよい。
自作又は単品注文製作などのグリップの製作例として、図11のように20mm幅程度のテニスラケットや自転車のハンドルに使用されているようなグリップテープなどで15mm径程度の隆起部及び抜け止め用部材(自作円柱部材8)を作成し、15cm程度の長さの前記テープでストックの構成部材であるポールに張り、最後に適切なグリップの長さに前記テープを巻きつけて仕上げる方法などがある。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明の両方の突起に抜け止めの有るグリップの平面図である。 本発明の両方の突起に抜け止めの有るグリップの側面図である。 本発明の一方の突起に抜け止めの無いグリップの平面図である。 本発明の一方の突起に抜け止めの無いグリップの側面図である。 本発明の両方の突起に抜け止めの有るグリップを握った時の斜視図である。 本発明の一方の突起に抜け止めの無いグリップを握った時の斜視図である。 本発明の両方に突起の有るグリップを左手で握った時の進行方向に対する方向性を示す平面図である。 両方の突起に抜け止めの有るグリップの方向性を示す平面図である。 一方の突起に抜け止めの有るグリップの方向性を示す平面図である。 一方の突起に抜け止めの有る他のグリップの方向性を示す平面図である。 本発明の突起のあるグリップの自作用参考斜視図である。
符号の説明
1 翼状突起部
2 抜け止め
3 グリップ
4 抜け止めの無い翼状突起部
5 進行方向矢印
6 親指側の力の伝達点矢印
7 人差し指側の力の伝達点矢印
8 自作円柱部材

Claims (1)

  1. 歩く進行方向に対して手で握られるグリップの方向性が設定されているウォーキング用ストックにおいて、
    前記グリップの長手方向の中途部に、ストックの軸に実質的に直交する方向の両側へ翼状に隆起された形態になるように一対の翼状突起部が設けられ、該翼状突起部の両方又は一方の先端部分に抜け止めの膨らみが設けられ、前記グリップを握る手の親指側の前記翼状突起部が歩く進行方向に対して斜め後方に突出した形態に設けられ、前記グリップを握る手の人指し指側の前記翼状突起部が歩く進行方向に対して斜め前方に突出した形態に設けられていることを特徴とするウォーキング用ストック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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