以下では、図面を参照して、本発明の実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
図1は、第1の実施形態である電子内視鏡装置全体のブロック図である。また、図2は、被写体像の表示を示した図である。
電子内視鏡装置は、スコープ10とプロセッサ20およびテレビ用モニタ(表示装置)50から構成されており、プロセッサ20にはテレビ用モニタ50が接続されている。スコープ10は、プロセッサ20に着脱自在に接続可能であり、手術や検査などを行う場合、プロセッサ20に接続されて人体の臓器内へ挿入される。なお、電子内視鏡装置全体の動作は、プロセッサ20内のシステムコントロール回路34に設けられたCPU(中央演算処理装置)36により制御されている。
ハロゲンランプなどの光源29から放射された光は、絞り30および集光レンズ31を介してライトガイド13の入射端13aに入射する。ライトガイド13は、光源29から放射された光をスコープ10の接続端から先端(遠位端)へ導くためのファイババンドル(光束)である。ライトガイド13の入射端13aに入射した光は、ライトガイド13の出射端13bから出射し、配光レンズ14を介してスコープ10の遠位端から出射する。これにより、観察部位Sに光が照射される。なお、スコープ10の接続端は、スコープ10のプロセッサ20との接続側を示す。
観察部位Sに光が照射されると、観察部位Sにより反射された光がスコープ10内の対物レンズ11を通る。これによって、被写体像がCCD(撮像素子)12に結像される。被写体像が結像されるCCD12の受光面には、光電変換素子であってCCD12の画素となるフォトダイオード(図示せず)が配列されている。本実施形態では、撮像方式として単板式が適用されており、フォトダイオードの上には、後述する1チップの補色カラーフィルタが配列されている。被写体像がCCD12の受光面に結像されると、光電変換により、補色カラーフィルタを通過する色に応じたアナログの画像信号(電荷)が画素毎に発生する。
図1においてスコープ10内に設けられたCCD12は、約120万の画素数を有するCCDであり、いわゆるメガピクセルCCDである。EEPROM15には、スコープ10の特性(CCD12の画素数など)に関連するデータがあらかじめ記憶されており、電子スコープ10がプロセッサ20に接続されると、電子スコープ10の特性に関するデータが、システムコントロール回路34へ送られる。
被写体像を動画像としてモニタ50に表示する通常表示状態では、CCD12において発生する画像信号は、以下に述べるように処理される。なお、本実施形態では、カラーテレビジョン方式としてNTSC方式が適用されており、モニタ50の解像度はNTSC方式に従う。
CCDドライバ16は、CCD12を駆動するための回路であり、CCDドライバ16から出力される駆動信号は、画像変換回路17を介してCCD12へ送られる。後述するように、CCD12がメガピクセルCCDである場合、CCD12の約120万画素のうち約30万画素に発生する画像信号のみが、CCD12から読み出される。すなわち、CCD12における電荷転送用の転送路(図示せず)に対する駆動信号が適宜画素を間引くように制御されることにより、約30万画素から構成される1フレーム分の被写体像に応じた画像信号が、画像変換回路17へ送られる。画像変換回路17では、システムコントロール回路34から送られてくる制御信号に従って、駆動信号がCCD12へ出力される。
約30万画素で構成される被写体像に応じた画像信号は、CCD12から読み出されて画像変換回路17に入力された後、プロセッサ20内のCCDプロセス回路21に送られる。本実施形態ではNTSC方式を適用しているため、CCD12において発生した画像信号は、1フレーム毎に1/30秒間隔で読み出される。
CCDプロセス回路21では、CCD12から読み出された画像信号に対してノイズ除去などの処理が施される。さらに、1フレーム分まとまって読み出された画像信号は、3原色である赤色、青色、緑色の各色に応じた画像信号に変換され、各色毎にそれぞれ分離される。各色に応じた画像信号は、A/D変換回路22へ送られると、アナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタル化された画像信号は、画像メモリ23において一時的に格納される。
画像メモリ23に格納されたデジタルの画像信号は、画像メモリ23から読み出され、D/A変換器25に送られる。D/A変換器25では、デジタルの画像信号が、アナログ信号に変換されてビデオプロセス回路26へ送られる。ビデオプロセス回路26では、アナログの画像信号が、NTSC(コンポジットビデオ)信号、Y/C分離信号、あるいはアナログのRGBコンポーネント信号などのビデオ信号(映像信号)に変換される。
CRTC(CRT Controller)24では、患者の名前などの文字情報やポインタなどの指示マークをモニタ50に表示するため、文字情報やポインタに応じたキャラクタ信号が出力される。そして、ビデオプロセス回路26では、画像メモリ23から出力される画像信号にキャラクタ信号がインターポーズされる。システムコントロール回路34では、キャラクタ信号を発生させるための制御信号がCRTC24へ出力されており、また、文字情報や指示マークが所定の位置に表示されるように、キャラクタ信号の出力タイミングが調整される。
ビデオプロセス回路26で生成されるビデオ信号は、NTSC方式に従って順次モニタ50へ出力される。これにより、被写体像(通常表示被写体像)が、動画像としてモニタ50の画面の画像領域NAに表示される(図2参照)。このとき表示される被写体像は、NTSC方式として使用可能な画素数である約41万画素のうちの約30万画素が使用されている。なお、以下では、モニタのカラーテレビジョン方式に従うCCD12の使用可能な約41万の画素を有効画素数といい、NTSC方式であれば、約41万画素である。
システムコントロール回路34には、CPU36、ROM37およびRAM38が設けられており、スコープ10内のEEPROM15から読み出されたデータは、一時的にRAM38へ格納される。通常表示において被写体像が表示される画像領域NAは、接続されるスコープ10内のCCD12の画素数に従っており、スコープ10が接続されると、画像領域NAに対応したデータが、位置メモリ35に格納される。
キーボード51(入力装置)では、オペレータによって患者情報などのデータが入力される。通常表示状態では、図2に示すように、モニタ50においてポインタPが必要に応じて表示され、ポインタPが指示する画面上での場所(指示位置)を変更するためにポインタPを移動させる操作がキーボード51上で行われる。
キーボード51上に設けられた移動キー51Eが操作されると、操作された移動キー51Eに応じた信号が、システムコントロール回路34へ送られる。キーボード51から送られてくる信号は、ポインタPを移動させる位置の情報をもっており、このポインタPの位置情報に基づき、オペレータが意図する位置にポインタPが表示されるように、制御信号がシステムコントロール回路34からCRTC24へ送られる。これにより、ポインタPは、操作された移動キー51Eに従った方向へ移動する。ただし、ポインタPは、画面上において、上下左右方向に移動する。ファンクションキー51Fは、通常表示状態と拡大表示状態を切り替えるためのキーであり、ポインタPが所定の位置に表示された状態でファンクションキー51Fが操作されると、ポインタPが指していた被写体像の一部を拡大した被写体像(拡大表示被写体像)がモニタ50の画像領域MAにおいて表示される(図2参照)。このとき、CCD12では、画像変換回路17からの駆動信号に基づいて、拡大表示状態において表示される被写体像を構成する画素に発生する画像信号のみが読み出される。キーボード51のファンクションキー51Fが再び押されると、通常表示状態に切り替わり、通常表示の被写体像がモニタ50に表示される。
なお、キーボード51の操作によるポインタPの位置の移動に関しては、従来知られているように、被写体像が表示されている画像領域NA内に常に収まるように(枠から外れないように)ポインタPが移動する。そのため、システムコントロール回路34では、位置メモリ35に格納されている接続されたスコープ10に応じた画像領域NAのデータとキーボード51から送られてくるポインタPの移動に関する信号に基づいて、ポインタPが移動する。
タイミングジェネレータ28では、CCDドライバ16、CCDプロセス回路21、A/D変換回路22、画像メモリ23、CRTC24、D/A変換器25、ビデオプロセス回路26に対して、クロックパルスや同期信号などが出力される。これにより、各回路における画像信号の入出力タイミングが調整される。
また、CCDプロセス回路21では、CCD12から読み出される画像信号から輝度信号が生成され、A/D変換器22を介してシステムコントロール回路34へ送られる。システムコントロール回路34では、送られてきた輝度信号に基づいて、絞り30を制御するための制御信号が絞り制御回路33へ送られる。そして、モータ32を駆動するための駆動信号が絞り制御回路33からモータ32へ送られると、モータ32が回転し、モータの回転に連動して絞り30が開閉する。絞り30は、観察部位Sに照射される光量が適正になるように開閉する。
図3は、CCD12における画素配列の一部を模式的に示した図である。図3を用いて、通常表示における被写体像をモニタ50に表示するための間引き処理について説明する。ただし、CCD12の画素数は約120万画素とし、画素数を1/4である約30万画素にする間引き処理を示す。
補色カラーフィルタCCは、シアンCy、マゼンタMg、イエローYeおよびグリーンGの4色のフィルタ要素から構成されるモザイクフィルタであり、各色がそれぞれ要素となる画素ブロックBが繰り返し配列されることによって構成される。補色フィルタCCの配列は、CCD12上に画素配列、すなわちフォトダイオードの配列に対応している。なお、本実施形態では、電荷転送方式としてインタライン転送方式が適用されており、CCD12の垂直方向には、垂直転送部(図示せず)がフォトダイオードの各列の間に設けられ、また、フォトダイオード配列の下部には、垂直転送部に転送された電荷が転送される水平転送部(図示せず)が設けられている。また、図3では、補色カラーフィルタCCの配列が画素配列の上に設けられている状態が示されている。
約120万画素の中から約30万画素を間引くことから、隣接する4つの同色のフィルタ要素の位置にある4つの画素の中から1つの画素だけを選び出し、その画素に蓄積される電荷のみを垂直転送路へ転送する。選ばれなかった残りの3つの画素に関しては、蓄積される電荷を転送しない。このような4つの画素の中から1つの画素を抽出する処理を補色フィルタCCの要素毎に対してくり返し実行する。
図3に示す画素配列の各画素をPjiと示し、間引き処理によって選び出される各画素をP’jiとすると、画素P’jiは、次に示す4つの式(1)〜(4))のいずれかの式によって求められる。ただし、添字j(0〜7)は、画素Pji、P’jiの垂直方向の位置を示し、添字i(0〜7)は、画素Pji、P’jiの水平方向の位置を示す。
P’ji=Pji (j<2,i<2) ・・・(1)
P’ji=Pj+2,i (j≧2,i<2) ・・・(2)
P’ji=Pj,i+2 (j<2,i≧2) ・・・(3)
P’ji=Pj+2,i+2 (j≧2,i≧2) ・・・(4)
例えば、隣接する4つの同色フィルタ要素であるシアンCy11、Cy12、Cy21、Cy22の位置にある画素P00、P02、P20、P22の中から、シアンCy11に応じた画素P00が(1)式により画素P’00として抽出される。同じように、隣接する4つのフィルタ要素であるイエローY33、Ye34、Ye43、Ye44の位置にある画素P54、P56、P74、P76の中から、イエローYe33に応じた画素P54が(4)式により画素P’32として抽出される。
このような間引き処理を、CCD12に形成される、すなわち約120万の全画素数で構成される被写体像(全画素被写体像)に対して施すことにより、1/4の画素数となる約30万画素で構成されるとともに、解像度が変換された被写体像が形成される。CCD12における画素配列において、水平方向の画素数をM、垂直方向の画素数をNとし、解像度が変換された被写体像において、水平方向の画素数をm、垂直方向の画素数をnとすると、m=M/2、n=N/2となる。
なお、図3では、メガピクセルCCDとしてCCD12の画素数を約120万画素とし、間引き処理後の被写体像を構成する画素数を約30万画素としているが、様々な画素数のメガピクセルCCDを有する電子スコープ10に対しても有効画素数以下の画素数で画像を構成することが可能である。CCD12の画素数がUであり、通常表示における被写体像を構成する画素数をDとした場合、全画素で構成される画像をD/U倍の縮小率となる画像に変換すればよい。このとき、(1)〜(4)式は、縮小率および補色カラーフィルタのフィルタ要素の配列によって変わる。なお、任意の整数倍および有理数倍の間引き処理は、従来公知である。
図4は、本実施形態における拡大表示処理を示した図である。図4を用いて、拡大表示処理について説明する。ここでは、モニタ50に表示されるポインタPが指示する位置を画面上の座標で表しており、水平方向の座標をX、垂直方向の座標をYとする。なお、通常、ポインタPの矢印先端が指示する座標が、ポインタPの位置座標であり、システムコントロール回路34では、移動キー51Eから送られてくるポインタPの移動させる位置情報に従ってポインタPの指示する位置を検出する。
通常表示において、被写体像は画像領域NAに表示されており、被写体像の注目部位にポインタPが移動される。ポインタPの指示する位置が座標(X0、Y0)である時にオペレータがファンクションキー51Fを操作すると、以下に示すような処理が施される。
まず、ポインタPによって指示される座標(X0、Y0)に基づき、約30万画素で構成される通常表示の被写体像の中で、ポインタPの示した場所に対応する画素P’Cが求められる。
ところで、間引き処理によって形成される通常表示の被写体像は、CCD12の約120万の全画素数からなる画像形成領域(画像領域)に形成される被写体像(全画素被写体像)に基づく。また、図3に示したように、間引き処理では、CCD12の画素配列の中のいずれかの画素Pjiが、そのまま解像度の変換された通常表示の被写体像を構成する画素P’jiとなる。したがって、(1)〜(4)式のいずれかの式により、CCD12の画素配列において、画素P’Cに対応する画素PC(指示画素)が求められる。ここでは、図4に示すように、CCD12の画素が配列された領域、すなわち、被写体像が形成される領域を画像形成領域TIとし、画像形成領域TIにおける画素PCの座標を(K、H)と表す。
画面上においてポインタPの指示した位置を中心として通常表示における被写体像の一部を拡大表示するため、画素PCを中心として部分領域PIを定める。ただし、部分領域PIは、画像形成領域TIの中の一部領域である。そして、この部分領域PI内に位置するすべての画素によって構成される像を拡大表示の被写体像(拡大表示被写体像)とする。
本実施形態では、モニタ50の画面において、通常表示状態における領域NAと拡大表示における領域MAのサイズは等しい。すなわち、拡大表示の被写体像の画素数は、通常表示の被写体像の画素数と同じ約30万画素で構成される。したがって、拡大表示の被写体像を形成するため、画素PCを中心として約30万の画素によって構成される部分領域PIが定められる。このときの部分領域PI内の画素数は、水平方向にm(=M/2)個、垂直方向にn(=N/2)個となる。
そして、上述したように、部分領域PI内にある画素に発生する画像信号がCCD12から読み出されることにより、拡大表示の被写体像がモニタ50の領域MAに表示される。なお、本実施形態における拡大率は、4倍である。
図5は、画像形成領域TIにおける画素Pcの位置を示した図である。図5を用いて、画素Pcの位置について説明する。
上述したように、部分領域PIには、画素PCを中心として、水平方向にm個、垂直方向にn個の画素がある。すなわち、水平方向に関しては、指定画素PCから負の方向(左方向)および正の方向(右方向)にそれぞれm/2個の画素があることが、また、垂直方向に関しては、画素PCから負の方向(上方向)および正の方向(下方向)にそれぞれn/2個の画素があることが必要である。したがって、CCD12の画像形成領域TIの中で、画素PCの位置が画像形成領域TIの外周付近である場合、m×n個の画素数(所定画素数)で拡大表示の被写体像を構成することができない。
例えば、図5で示すように、指定画素PC(K、H)の位置が、座標(m/2,n/2)の位置よりも原点(0、0)に近い場合、斜線で示す領域がCCD12の画像形成領域TI外に出てしまい、m×n個の画素で拡大表示の被写体像を構成することができない。
そのため、本実施形態では、拡大処理を実行する場合、後述するように、CCD12の画像形成領域TIを9つの領域に分け、それぞれの領域に従って、拡大表示被写体像の部分領域PIを定める。
図6は、システムコントロール回路34内のCPU36によって実行される内視鏡装置全体の動作を示すフローチャートである。
ステップ101では、電源がON状態になることによって、絞り30や光源29などに関する設定値がそれぞれ初期値に設定される。ステップ102では、スコープ10に関連する処理が施される。ステップ103では、例えば、日付の表示処理などが施される。このような内視鏡装置全体の動作は、電源がOFFになるまで繰り返し行われ、ステップ102〜103における各ステップでは、サブルーチンが実行される。
図7は、図6のステップ102のサブルーチンを示した図である。
ステップ201では、スコープ10の交換がなされたか否かが判定される。すなわち、今まで接続されていたスコープ10が取り外されて別のスコープ10が新たにプロセッサ20に接続されたか否かを判別する。新たにスコープ10がプロセッサ20に接続されたと判断されると、ステップ202に進む。新たにスコープ10がプロセッサ20に接続されてはいないと判断されると、このサブルーチンは終了し、ステップ102に戻る。なお、図6のステップ101が実行された後始めてステップ201に進む場合(電源がON状態になってからはじめてステップ201に進む場合)、ステップ202に進む。ステップ202では、プロセッサ20に接続されたスコープ10のEEPROM15から読み出されたCCD12の画素数に関するデータに基づいて、CCD12の画素数が有効画素数より多いか否かが判定される。
ステップ202において、CCD12の画素数が有効画素数よりも多いと判断された場合、ステップ203に進み、間引き処理が施される。すなわち、約30万画素によって構成される通常表示の被写体像に応じた画像信号がCCD12から読み出される。そして、ステップ204では、画像信号に基づいて生成されたビデオ信号がビデオプロセス回路26からモニタ50へ出力され、これにより、通常表示の被写体像がモニタ50に表示される。ステップ204が実行されると、サブルーチンは終了する。
一方、ステップ202においてCCD12の画素数が有効画素数よりも多くないと判断された場合、ステップ205に進む。ステップ205では、CCD12の画素数が有効画素数以下であるため、CCD12の全画素数で構成される被写体像に応じた画像信号がCCD12から読み出される。ステップ206では、有効画素数以下であるCCD12の全画素で構成される被写体像に応じたビデオ信号がモニタ50に出力され、これにより、通常表示における被写体像がモニタ50に表示される。
図8は、拡大表示処理を示した割り込みルーチンである。また、図9は、撮像素子12における画像形成領域TIを示した図である。キーボード51のファンクションキー51Fが操作されると、割り込み処理が開始される。
ステップ301では、キーボード51のファンクションキー51Fに対する操作が、通常表示から拡大表示へ切り替える操作であるか否かが判定される。
ステップ301において、通常表示から拡大表示へ切り替える操作であると判断されると、ステップ302へ進む。ステップ302では、プロセッサ20に接続されているスコープ10内のCCD12の画素数が、有効画素数以上であるか否かが判定される。
ステップ302において、撮像素子12の画素数が有効画素数以上であると判断されると、ステップ303へ進む。ステップ303では、ポインタPのモニタ50の画面上における指示位置の座標(X0、Y0)が検出される。そして、図4に示したように、その指示位置の座標(X0、Y0)に基づいて、画像形成領域TIにおいて対応する画素PC(K、H)が求められる。
ステップ304では、画素PC (K、H)のうち、i方向の座標Kについて、次式が満たされるか否か判断される。ただし、mは、拡大表示被写体像および通常表示被写体像を構成する水平方向の画素数である。
0≦K<m/2 ・・・・・・(5)
図9に示すように、CCD12の画像形成領域TIを9つの領域UA1〜UA8およびCAに分ける。画素PCが領域CA内に位置する場合には、そのまま指定画素PC を中心としてm×n個の画素からなる部分領域PIを定める。一方、指定画素PC がそれ以外の領域UA1〜UA8に位置する場合、指示画素PC は領域CAの周上にある修正画素P’Cに変換され、この修正画素P’C を中心として、m×n個の画素からなる部分領域PIを定める。(5)式では、画素PC が、領域UA1、UA2、UA3内に位置しているか否かが判定される。
ステップ304において、(5)式が満たされる、すなわち、画素PC が領域UA1、UA2、UA3のいずれかの領域内に位置すると判断されると、ステップ305に移る。ステップ305では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて、次式が満たされるか否かが判定される。
0≦H<n/2 ・・・・・・(6)
すなわち、画素PCが、領域UA1内に位置しているか否かが判定される。
ステップ305において、(6)式が満たされていると判断されると、ステップ307に移る。画素PCがこのままの位置であれば画素数m×n個で部分領域PIを定めることが出来ないため、ステップ307では、画素Pcが、(m/2、n/2)の位置の画素Pm/2,n/2に変換される。ステップ307が実行されると、ステップ321へ進む。
一方、ステップ305において、(6)式が満たされていないと判断されると、ステップ306に移る。ステップ306では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて、次式が満たされるか否かが判定される。
n/2≦H≦N−n/2 ・・・・・・・(7)
すなわち、画素PCが領域UA2内に位置するか否かが判定される。
ステップ306において、(7)式が満たされると判断されると、ステップ308に移る。画素PCがこのままの位置であれば画素数m×n個で部分領域PIを定めることが出来ないため、ステップ308では、画素PCが、(m/2、H)の位置にある画素Pm/2,H へ変換される。すなわち、画素PCは、領域UA2と領域CAの境界線上にある画素に変換される。一方、ステップ306において、(7)式が満たされていない、すなわち、画素PCが領域UA3内に位置すると判断されると、ステップ309に移る。画素PCがこのままの位置であれば画素数m×n個で部分領域PIを定めることが出来ないため、ステップ309では、画素PCが(m/2、N−n/2)の位置にある画素Pm/2,N-n/2 へ変換される。ステップ308、ステップ309が実行されると、それぞれステップ321へ進む。
一方、ステップ304において、(7)式を満たさない、すなわち、画素PCが領域UA1、UA2、UA3のいずれにも位置していないと判断されると、ステップ310へ進む。ステップ310では、画素PC(K、H)のうち、i方向の座標Kについて(8)式が満たされるか否かが判定される。
m/2≦K≦M−m/2 ・・・・・・(8)
すなわち、画素PCが、領域UA4、UA5およびCAのいずれかに位置しているか否かが判定される。
ステップ310において、(8)式が満たされると判断されると、ステップ311へ移る。ステップ311では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて(9)式が満たされるか否かが判定される。
0≦H≦n/2 ・・・・・・・(9)
すなわち、画素PC が、領域UA4内に位置するか否かが判定される。(9)式が満たされると判断されると、ステップ313へ移る。画素PCがこのままの位置であれば画素数m×n個で部分領域PIを定めることが出来ないため、ステップ313では、画素PCが、(K、n/2)の位置にある画素PK、n/2へ変換される。すなわち、画素PCが領域CAと領域UA4との境界線上にある画素に変換される。ステップ313が実行されると、ステップ321へ移る。一方、ステップ311において(9)式が満たされないと判断されると、ステップ312へ進む。
ステップ312では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて(10)式が満たされるか否かが判定される。
n/2≦H≦N−n/2 ・・・・・・・・(10)
すなわち、画素PCが、領域CA内に位置するか否かが判定される。
ステップ312において、(10)式が満たされると判断されると、ステップ314へ移る。ステップ314では、画素PCが変換されることなく、そのまま画素PC(K、H)が拡大表示被写体像の中心に定められる。一方、ステップ312において、(10)式が満たされないと判断される、すなわち、画素PCが領域UA5内に位置すると判断されると、ステップ315へ進む。画素PCがこのままの位置であれば画素数m×n個で部分領域PIを定めることが出来ないため、ステップ315では、画素PCが、(K、N−n/2)の位置にある画素PK,N-n/2へ変換される。すなわち、画素PCが領域CAと領域UA5との境界線上にある画素に変換される。ステップ314、315が実行されると、それぞれステップ321へ進む。
一方、ステップ310において、(10)式が満たされない、すなわち画素PCが領域UA6、UA7、UA8のいずれかの領域に位置すると判断されると、ステップ316へ移る。ステップ316では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて(11)式が満たされるか否かが判定される。
0≦H≦n/2 ・・・・・・・・・(11)
すなわち、画素PCが、領域UA6内に位置するか否かが判定される。ステップ316において、(11)式が満たされると判断されると、ステップ318へ移る。ステップ318では、画素PCが(M−m/2,n/2)の位置にある画素PM-m/2,n/2へ変換される。ステップ318が実行されると、ステップ321へ進む。一方、ステップ316において、(11)式が満たされないと判断されると、ステップ317へ進む。
ステップ317では、画素PC(K、H)のうち、j方向の座標Hについて(12)式が満たされるか否かが判定される。
n/2≦H≦N−n/2 ・・・・・・・(12)
すなわち、画PCが、領域UA7に位置するか否かが判定される。
ステップ317において(12)式が満たされると判断されると、ステップ319へ移る。ステップ319では、画素PCが(M−m/2、H)の位置にある画素PM-m/2,Hへ変換される。すなわち、画素PCが領域CAと領域UA7との境界線上にある画素に変換される。一方、ステップ317において、(12)式が満たされない、すなわち画素PCが領域UA8内に位置すると判断されると、ステップ320へ進む。ステップ320では、画素PCが(M−m/2、N−n/2)の位置にある画素PM-m/2,N-n/2へ変換される。ステップ319、320が実行されると、それぞれステップ321へ進む。
ステップ321では、ステップ314において定められた画素PC、およびステップ307〜309、313、315、318〜320において求められた変換画素の位置を中心とした部分領域PI内にある画素に発生する画像信号が、CCD12から読み出される。そして、読み出された画像信号に基づいて、拡大表示の被写体像がモニタ50に表示される。ステップ321が実行されると、このルーチンは終了する。
一方、ステップ302において、CCD12の画素数が有効画素数以上ではないと判断されると、ステップ322へ進む。ステップ322では、CCD12の全画素に応じた画像信号が読み出され、画像メモリ23において補間処理が施される。これにより、補間処理の施された拡大表示の被写体像がモニタ50に表示される。ステップ322が実行されると、このルーチンは終了する。
ステップ301において、通常表示から拡大表示へ切り替える操作でなく、拡大表示から通常表示へ切り替える操作であると判断された場合、ステップ323に進み、通常表示の被写体像がモニタ50に表示される。ステップ323が実行されると、このルーチンは終了する。
図10は、ステップ323のサブルーチンである。
ステップ351〜355の実行は、図7のステップ202〜206の実行と同じである。すなわち、撮像素子12の画素数が有効画素数以上であるか否かが判断され、有効画素数以上の画素数であれば間引き処理が施され、解像度の変換された被写体像がモニタ50に表示される。一方、有効画素数以下の画素数であれば、そのまま全画素に応じた画像信号が撮像素子12から読み出され、解像度変換されることなく被写体像がモニタ50に表示される。
このように第1の実施形態によれば、通常表示状態においては、有効画素数以下の画素数(約30万画素)で構成される被写体像がモニタ50に表示され、拡大表示状態においては、CCD12の画像形成領域TIの中の部分領域PI内にある画素によって構成される被写体像がモニタ50に表示される。拡大表示処理において補間処理をする必要がないため、通常表示の被写体像の患部を拡大して観察する場合、解像度が低下することなく患部が拡大された映像が表示され、これにより、患部の状態を正確に診断することができる。また、CCD12がメガピクセルである場合、通常表示状態においても、モニタ50の有効画素数に近い画素数で被写体像をモニタ50に表示することができる。
スコープ10内のCCD12の画素数が有効画素数以下である場合、通常表示状態では、解像度を変換せずにCCD12の全画素によって構成される被写体像がモニタ50に表示される。これにより、CCD12の画素数が少ない場合には、従来と同じように通常表示、拡大表示の映像が映し出され、通常表示において解像度が著しく低下した被写体像が表示されることがない。すなわち、メガピクセルCCDを有するスコープとともに、従来の画素数が少ないスコープにも対応している。
画像変換回路17がスコープ10内に設けられているため、従来のプロセッサの回路構成をほとんど変更しないでこのスコープに対応したプロセッサ20を製造することが可能である。
本実施形態では、通常表示において、約30万画素で構成される被写体像を表示するが、有効画素数以下の画素数であれば、これ以外の画素数、例えば、有効画素数と略等しい約41万画素で被写体像を構成してもよい。同じように、拡大表示においても、約30万の画素数で被写体像を構成することに限定されず、有効画素数以下の画素数で被写体像を構成すればよい。
通常表示においては、全画素によって構成される被写体像に対する間引き処理により、解像度が変換された被写体像を形成しているが、それ以外の処理によって解像度変換の被写体像を形成してもよい。この場合、(1)〜(4)式に代わる解像度変換の被写体像とCCD12に形成される被写体像との画素の関係式が定められる。
第1の実施形態では、通常表示および拡大表示において被写体像を構成する画素に発生する画像信号のみ、CCD12から画像変換回路17へ出力される構成であるが、CCD12の全画素の画像信号を読み出し、画像変換回路17において被写体像を構成する画素に応じた画像信号だけをプロセッサ20へ送る構成にしてもよい。あるいは、プロセッサ20内、例えば、画像メモリ23とD/A変換器25との間に画像変換回路17を設けてもよい。
次に、図11を用いて、第2の実施形態である電子内視鏡装置およびそのシステムについて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、オペレータがモニタ50の画面に配置されたタッチパネルを操作することによって、拡大表示処理が実行される。その他については、第1の実施形態と同じであり、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
モニタ50の画面上には、無色透明のマトリクス状の電極を配設したタッチパネルTPが配置されており、観察部位Sの画像は、タッチパネルTPを通して観察される。タッチパネルTPは、画面上の位置情報をプロセッサ20へ送る装置であり、オペレータがタッチパネルTPを指で触れると、指によって触れられた場所に応じた画面上の位置に関する信号が、インターフェイス(図示せず)を介してシステムコントロール回路34へ入力される。そして、プロセッサでは、指によって触れられた場所に応じた画面上の位置(指示位置)が検出される。ただし、ここでは、指示された画面上の場所を検出する方式として、赤外線方式が適用されている。
位置メモリ35には、第1の実施形態と同じように、スコープ10内のCCD12の画素数に従った被写体像の表示領域がデータとして格納されており、オペレータによって指示された画面上の位置がその表示領域(図2の領域NA)内にあるか判断される。表示領域内にある場合、第1の実施形態と同じように、拡大表示処理が施される。一方、表示領域以外の部分をオペレータが指で指示した場合、拡大表示処理は実行されない。拡大表示の被写体像がモニタ50に表示されている状態でタッチパネルTP上の所定の場所がオペレータによって触れられると、拡大表示から通常表示へ切り替わる。
このように第2の実施形態によれば、タッチパネルTPが操作されることにより、通常表示の被写体像は、拡大表示の被写体像へ切り替えられる。
図12を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と異なり、スコープに設けられた操作ボタンを操作することにより、モニタ上のポインタの位置を移動させる。その他の構成に関しては、第1の実施形態と同じである。
スコープ10には、プッシュボタンである第1指示マークプッシュボタン18A、第2指示マークプッシュボタン18B、第3指示マークプッシュボタン18Cが設けられている。第1〜第3指示マークプッシュボタン18A〜18Cは、モニタ50の画面上でのポインタPの位置を移動させるための位置情報入力装置であり、画面上においてポインタPを上下左右方向へ移動させる。オペレータによって第1〜第3指示マークプッシュボタン18A〜18Cが操作されると、ポインタPの移動する位置に関する情報が、システムコントロール回路34へ送られる。
システムコントロール回路34では、モニタ50上のポインタPの位置を変更するため、第1〜第3指示マークプッシュボタン18A〜18Cから送られてくる信号に基づいて制御信号がCRTC24へ送られる。CRTC24では、送られてきた制御信号に基づいて、ポインタPに応じたキャラクタ信号の出力タイミングが調整される。
図13は、スコープ10の一部を示した図である。
図13に示すように、スコープ10のプロセッサ側には、オペレータが操作する様々な操作器具を備えた操作部10Mが設けられており、オペレータは、処置をする時には、スコープ10の先端部(図示せず)を湾曲させるためのレバーLEを右手で操作する。操作部10Mには、凸型であって「くの字」型の形状である端部10Kが形成されている。処置等をするためオペレータがスコープ10を保持している間、端部10Kの両側に相対するように位置する2つの表面部分のうち、第1の表面10R1は上方向を向き、他方の第2の表面10R2は下方向を向いている。
第1指示マークプッシュボタン18Aは、端部10Kにおいて、第2の表面10R2上に設けられており、オペレータの親指で操作できるように配置されている。一方、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cは、オペレータの人差指、中指で操作できるように、第1の表面10R1に配置されている。第1指示マークプッシュボタン18Aは、端部10Kにおいて、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cと向かい合うように配置されており、オペレータは、左手の親指で第1指示マークプッシュボタンを押しながら第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cを左手の人差指、中指で操作することが可能である。
図14は、第1〜第3指示マークプッシュボタン18A〜18Cに対するポインタの表示位置移動処理を示した割り込みルーチンである。
第1指示マークプッシュボタン18Aは、ポインタPが表示されていない状態からポインタPを表示する状態へ切り替えるためのスイッチを兼用しており、ポインタPがモニタ50に表示されない状態で第1指示マークボタン18Aが操作されると、この割り込みルーチンは開始される。
ステップ401では、ポインタPが画面に表示されるように、システムコントロール回路34からCRTC24へ制御信号が送られる。そして、ステップ402では、第1、第2指示マークプッシュボタン18A、18Bがオペレータによって同時に操作されたか否かが判定される。ただし、本実施形態では、ポインタPを右方向へ1座標分移動させる場合、第1、第2指示マークプッシュボタン18A、18Bが同時に押下される。
ステップ402において、第1、第2指示マークプッシュボタン18A、18Bが同時に操作されたと判断されると、ステップ403に移る。ステップ403では、通常表示において、ポインタPが、現在、領域MA(図2参照)内に位置するか否かが判定される。ポインタPが領域MA内に位置する、すなわち領域MAの右側の境界線上に位置せず、一座標分ポインタPを右側へ移動可能であると判断されると、ステップ404に移り、ポインタPが1座標分だけ右方向へ移動される。一方、ステップ403においてポインタPが領域MAの右側の境界線上に位置していると判断されると、領域MA内にポインタPを表示するため、ポインタPの移動は実行されず、ステップ402へ戻る。
ステップ402において、第1、第2指示マークプッシュボタン18A、18Bが同時に操作されてはいないと判断された場合、ステップ405に移る。ステップ405では、第1、第3指示マークプッシュボタン18A、18Cが同時に操作されたか否かが判定される。ただし、本実施形態では、ポインタPを左方向へ1座標分移動させる場合、第1、第3指示マークプッシュボタン18A、18Cが同時に押下される。
ステップ405において、第1、第3指示マークプッシュボタン18A、18Cが同時に操作されたと判断されると、ステップ406に移る。ステップ406では、ポインタPが、現在、領域MA内に位置するか否かが判定される。ポインタPが領域MA内に位置する、すなわち領域MAの左側の境界線上に位置せず、一座標分ポインタPを左側へ移動可能であると判断されると、ステップ407に移り、ポインタP1座標分だけ左方向へ移動される。一方、ステップ406においてポインタPが領域MAの左側の境界線上に位置していると判断されると、領域MA内にポインタPを表示するため、ポインタPの移動は実行されず、ステップ402へ戻る。
一方、ステップ405において第1、第3指示マークプッシュボタン18A、18Cが同時に操作されてはいないと判断された場合、ステップ408に移る。ステップ408では、第2指示マークプッシュボタン18Bが操作されたか否かが判定される。ただし、第2指示マークプッシュボタン18Bの操作は、ポインタPを1座標分だけ下方向へ移動させるための操作である。
ステップ408において、第2指示マークプッシュボタン18Bが操作されたと判断されると、ステップ409に移る。ステップ409では、ポインタPが、現在、領域MA内に位置するか否かが判定される。ポインタPが領域MA内に位置する、すなわち領域MAの下側の境界線上に位置せず、一座標分ポインタPを下側へ移動可能であると判断されると、ステップ410に移り、ポインタPが1座標分だけ下方向へ移動される。一方、ステップ409においてポインタPが領域MAの下側の境界線上に位置していると判断されると、領域MA内にポインタPを表示するため、ポインタPの移動は実行されず、ステップ402へ戻る。
一方、ステップ408において、第2指示マークプッシュボタン18Bが操作されていないと判断されると、ステップ411に移る。ステップ411では、第3指示マークプッシュボタン18Cが操作されたか否かが判定される。第3指示マークプッシュボタン18Cの操作は、ポインタPを1座標分だけ上方向へ移動させるための操作である。
ステップ411において、第3指示マークプッシュボタン18Cが操作されたと判断されると、ステップ412へ移る。ステップ412では、ポインタPが、現在、領域MA内に位置するか否かが判定される。ポインタPが領域MA内に位置する、すなわち領域MAの上側の境界線上に位置せず、一座標分ポインタPを上側へ移動可能であると判断されると、ステップ413に移り、ポインタPが1座標分だけ上へ移動される。一方、ポインタPが領域MAの上側の境界線上に位置していると判断されると、領域MA内にポインタPを表示するため、ポインタPの移動は実行されず、ステップ402へ戻る。
一方、ステップ411において、第3指示マークプッシュボタン18Cが操作されていないと判断されると、ステップ414に移る。ステップ414では、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cが同時に操作されたか否かが判定される。ただし、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cの同時操作は、拡大表示処理を実行するための操作である。
ステップ414において、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cが同時に操作されたと判断されると、ステップ415に移り、ポインタPの位置がシステムコントロール回路34において求められる。そして、ステップ416では、拡大表示処理によって拡大表示の被写体像を表示するため、ポインタPが画面から消去される。ステップ416が実行されると、このルーチンは終了する。一方、ステップ414において、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cが同時に操作されてはいないと判断されると、ステップ402に戻る。
このように第3の実施形態によれば、第1、第2、第3指示マークプッシュボタン18A、18B、18Cの操作により、通常表示において、ポインタPが領域MA内において移動される。第1〜第3指示マークプッシュボタン18A〜18Cがスコープ10の端部10Kに設けられているため、オペレータは、スコープ10を保持したまま、ポインタPを所望する位置へ移動させることができる。
拡大表示処理を実行する場合には、第2、第3指示マークプッシュボタン18B、18Cを同時に押せばよいことから、オペレータは、スコープ10を保持した状態で通常表示から拡大表示へ切り替えることができる。
プッシュボタンの配置は、図13に示した以外の配置であってもよく、また、プッシュボタンの数は、3つに限定されない。端部10Kの形状は複数のプッシュボタンを配置できればよく、また、オペレータがスコープ10を保持した状態でボタン操作できるように、複数のボタンが端部10Kに配置されていればよい。
本実施形態では、ポインタPを移動させるための位置入力装置としてプッシュボタンを適用しているが、それ以外の位置入力装置、例えば、ジョイスティックやトラックボールをスコープ10の端部10Kに設けてもよい。