JP4276418B2 - アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 - Google Patents
アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4276418B2 JP4276418B2 JP2002314236A JP2002314236A JP4276418B2 JP 4276418 B2 JP4276418 B2 JP 4276418B2 JP 2002314236 A JP2002314236 A JP 2002314236A JP 2002314236 A JP2002314236 A JP 2002314236A JP 4276418 B2 JP4276418 B2 JP 4276418B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bark
- alkali
- alkaline
- composition
- microorganisms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ微生物に関連する支持体及びアルカリ組成物及び産業利用技術に関する。すなわち、アルカリ微生物の支持体としてバーク(木材樹皮、以下「バーク」と言う)を原料とするアルカリバーク製造技術、及び、アルカリ組成物として、Na+イオンを含む材料製造技術に関し、更にはアルカリ組成物の利用技術分野に及ぶ。したがって、本発明の属する技術分野としてアルカリ微生物坦持資材、アルカリ微生物利用分野・土壌改良用資材、ヒト・畜産糞尿処理用資材、食品系廃棄物リサイクル用資材、腐熟用資材として使用する方法に及び、産業廃棄物として排出される焼却灰・炭化物の利用技術に関する。更には、循環型社会構築に係るアルカリ微生物によるリサイクル技術分野に及ぶ。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材の製材工程から排出されるバークは、堆積醗酵処理を経てバーク堆肥として上市されている(バークの堆肥化方法については例えば特許文献1を参照。)。しかしながら、その利用方法についてはバーク素材の特性を充分に活用するに至らず、結果として単なる土質改良材料若しくは肥料として扱われているにすぎない。更には、バーク堆肥のpHについての統一品質基準としては、6.5〜7.5の範囲として利用・使用に供されるにすぎない。したがって、従来のpH基準から外れる領域での特性評価は為されていない。特にpH7.5を越えるアルカリバークについてのアルカリ微生物坦持性能と保存性については評価検討が為されていない。当然に適するアルカリ組成物の開発とそれらの利用開発も為されていない。更には、従来のバーク堆肥は乾燥すると濡れ性が急激に悪化し水分坦持量が減少する為、水分規準として、65wt%±10%の範囲に調整され出荷される。したがって、運搬・取扱いにおいて水分重量は大きな負担となっている。
【0003】
一方、農業資材として石灰、草木灰、炭化物等の使用は経験的には一部行われているが、これらのアルカリ資材は圃場の酸性化対策若しくは含まれるミネラル成分の肥料成分としての土壌還元を経験的概念として捉えているに過ぎない。このようなアルカリ環境下における、好気性(耐酸素・耐活性酸素種)を有する土壌微生物相、更には貧栄養下で耐アルカリ性(好アルカリ性)を有するアルカリ微生物相の有効性については経験的に知られているが、積極的な利用を促すに足る技術開発は未だ為されていない。当然に管理手法も見出されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−265287号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アルカリ微生物の利用開発を推進することを目的として、アルカリ微生物の保存性に優れ且つ安価安定に量産し得るアルカリ微生物坦持体の提供とアルカリ組成物の提供を課題とし、適する支持体の選択、及び、Na+イオンを含むアルカリ組成物を安全性の高い産業廃棄物から選択し提供することを課題とする。
【0007】
したがって本発明の第1の目的は、アルカリ微生物支持体としてバーク堆肥を選択し、Na+イオンを含むバーク堆肥にアルカリ微生物を選択坦持させることが可能な坦持体を提供することである。
【0008】
第2の目的は、アルカリ微生物の生存・保存を可能とするNa+イオンを含むアルカリ組成物を安全性の高い産業廃棄物材料から選択し汎用性の高いアルカリ組成物を提供することである。すなわち、粉体として使用利便性を有する焼却灰と炭化物により構成するアルカリ組成物を提供することである。このことにより、焼却灰若しくは炭化物の微生物資材用途を可能とする。
【0009】
第3の目的は、Na+イオンを含むバーク堆肥と上記アルカリ組成物を組み合わせて、安価・安定・量産可能性を有する好ましいアルカリバークを提供することである。
【0010】
第4の目的は、アルカリバークに坦持するアルカリ微生物の保存性と坦持水分を減少させ軽量化を高めたアルカリバークを提供することである。このことにより、アルカリ微生物資材の利用促進が汎用レベルで実現するものである。
【0011】
第5の目的は、アルカリ微生物を培養、接種してバーク堆肥にアルカリ微生物のみが増殖するように厳格な管理を不要とし、最終的にアルカリ微生物のみが選択坦持させてその他の微生物群は死滅させることにより、量産可能で微生物管理を簡便に済ませることが可能なアルカリ微生物を担持したアルカリバークの生産方法を提供することである。
【0012】
第6の目的は、上記のアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法において、アルカリ組成物の最適添加時期を提案することで、バークのpH管理及びバーク堆積場所からの排水pH管理を不要とし、並びに微生物汚染を簡易に防止することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、旧来より経験的に行われてきた糞尿のアルカリ消毒、高pH領域での家きん糞尿醗酵処理、土壌のアルカリ散布処理、炭化物若しくはバーク堆肥による経験的土壌改良効果、焼却灰(灰分であり、主として酸化物である。以下同じ)による経験的土壌改良効果と金属酸化物の光触媒機能、酸素若しくは活性酸素種による消毒効果に着目し、鋭意研究を重ねた結果、共通的に存在するアルカリ微生物の関与に着目し、安価・安定・量産可能で更には保存性に優れるアルカリ微生物坦持体としてアルカリバークを完成するに至った。
【0014】
更には、アルカリ組成物として安価安定供給可能な産業廃棄物から選択し、用途開発について鋭意研究を重ねた結果、従来別個に取り扱われていた焼却灰と炭化物を組み合わせることにより、アルカリバーク製造に適するのみならず、アルカリバーク製造用以外での産業利用性を見出すに至り、更には従来困難とされていたバーク堆肥水分について、濡れ性を悪化させることなく、現行規準の最下限である55重量%以下とすることに成功し本発明を完成した。このことにより、アルカリ微生物の汎用レベルでの利用・活用を実現するものである。
【0015】
本発明に係るアルカリバークは、pH(水素イオン指数)が7.5より大きくなるように、アルカリ組成物をバーク堆肥に配合したことを特徴とする。
【0016】
次に本発明に係るアルカリ組成物は、バーク堆肥に配合してアルカリバークのpHを7.5よりも大きくなるように調整するために調製されたアルカリ組成物であって、Na+イオンを含有する焼却灰(酸化物)及びNa+イオンを含有する炭化物を主成分とし、前記焼却灰は製紙スラッジ焼却灰、家きん・家畜糞尿焼却灰から選択される組成物であり、前記炭化物は製紙スラッジ炭化物、木材炭化物、籾殻炭化物から選択される組成物であることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るアルカリバークは、pHが7.5より大きくなるように、請求項2記載のアルカリ組成物をバーク堆肥に配合したことを特徴とする。
【0018】
請求項1又は3に記載のアルカリバークは、含有水分量が該アルカリバーク有姿重量(湿重量)に対して55重量%未満であり且つ該アルカリバーク有姿重量1gあたりの高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)がそれぞれ102個以上であるように高温性細菌及び耐熱性菌(高温性)を坦持したものであることが好ましい。
【0019】
本発明に係るアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法は、バークを堆積して、種々の微生物相により前記バークを醗酵させて合成醗酵物、分解醗酵物、微生物酵素等の副生成物を蓄積しながら前記バークを堆肥化し、前記堆肥化したバークに該バークのpHが7.5より大きくなるようにアルカリ組成物を配合することにより、前記堆肥化したバーク中に担持され、かつ、加熱処理条件が沸騰水中10分間で生菌している耐熱性(高温性)微生物群のうちpH7.5を越えて増殖生存可能であり、更には好気性若しくは通性を有するアルカリ微生物のみを選択して増殖を促すことを特徴とする。ここで、前記アルカリ微生物は、前記バークに自然環境から持ち込まれた微生物群から選択され増殖したものであることが好ましい。
【0020】
本発明に係るアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法では、前記アルカリ組成物の配合時期は、前記バークのC/N(炭素/窒素)比が20〜40で該バークのpHが5.5〜7.5となったバーク堆肥化完成後であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態及び実施例を通して発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されない。
【0022】
アルカリ微生物の有効性は広く知られている。しかしながら、アルカリ微生物の存在も多岐に及ぶことから、本発明では、pH7.5を越えて増殖生存可能であり、更には、好気性若しくは通性を有する微生物群をアルカリ微生物と呼称する。これらに含まれる菌体として、バチルス属菌体を代表例として例示することができる。当然に本発明は、これら菌体により制限を受けるものではない。
【0023】
木材の構成要素として幹材(心材、邊材)とバーク(樹皮)に大別される。アルカリ性を示す灰成分の含有量は、バークに多く含まれ幹材に対し約9倍前後含まれるとする報告例もある。更に樹種別では、広葉樹のバーク灰分は、針葉樹の樹皮灰分の約2倍前後含まれるとする報告例がある。これらバーク灰分はカルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、鉄、シリカ及びナトリウムを構成成分として含み、Na+イオンの存在を必要とするアルカリ微生物の支持体として適することを示唆する。
【0024】
次に、バークを原材料とするバーク堆肥の製造工程について説明する。バークは製材工場よりドラムバーカー等により剥皮され、広葉樹バークでは1.5年〜2年以上、針葉樹バークでは3年以上の期間、堆積醗酵処理を行なうことを標準とし、粒径を揃え使用される。堆肥化の過程は複雑な微生物相による醗酵形態を経ることにより、併せて、合成醗酵物、分解醗酵物、微生物酵素等を蓄積しながら熟してゆく。
【0025】
このように長期間に及ぶ堆積醗酵期間中、バークの堆肥化は好気性条件を維持する中で、高温性・耐熱性微生物の持続的増殖を実現し、堆積後1年経過時点より、柔らかく粉砕し易い形態となる。その後、切返し等により更に好気的に醗酵し、内部温度は55℃以上を維持し、最終完成評価指標として、C/N(炭素/窒素)比が20〜40の状態をバーク堆肥とする。この状態でのpHは5.5〜7.5の範囲であり、関与する微生物群には、耐熱性(高温性)微生物群が含まれる。これらの微生物群はバークに附着若しくは堆積場所の環境から持ちこまれ、適応する高温条件下で増殖し堆積する。
【0026】
このようなバークの堆肥化は、その醗酵に際し悪臭を発生せず、むしろ周囲環境を爽やかな状態若しくは清浄な状態に改善しながら醗酵が進んで行くところに特徴があり土壌菌坦持性能に優れる特徴がある。このことは、バーク堆肥が量産対応型微生物支持体であり且つ坦持体であることを示唆するものであり、更にはバーク灰分としてNa+イオンを含むことにより、水酸イオンを含むアルカリ組成物を配合しアルカリ環境とすることにより、アルカリ微生物の生息と増殖を可能とする微生物支持体として重要な要素を構成する。
【0027】
バーク堆肥に、アルカリ組成物を配合することにより、アルカリ微生物の選択と増殖を促すことができる。この方法は、アルカリ微生物資材製造方法として有効な手段となる。バーク堆肥完成前若しくは堆積直後にアルカリ組成物を添加する方法も有効であるが、堆積醗酵中のバークそのもののpH管理及びバーク堆積場所からの排水pH管理を要する。長期間の堆積期間中、これらの管理が行なえる場合については採用できる。当然に、本発明はアルカリ組成物の配合時期により制限を受けるものではなく、好ましい方法として、バーク堆肥完成後に配合し包装することである。このことにより、目標とするpHに設定することができ、更には微生物汚染を簡易に防止することが可能となる。
【0028】
アルカリ組成物として、すなわち、水酸イオンの供給材料として、アルカリ金属類若しくはアルカリ土金属類の酸化物・水酸化物・化合物・塩類等を例示することができる。すなわち、アルカリ金属類としてはリチウム・ナトリウム・カリウムであり、アルカリ土類金属類としてマグネシウム・カルシウムを例示することができる。更に、これらアルカリ性を示す物質を含む天然鉱物資源を利用することができる。例えば、石灰、タルク、珪藻土、白土、活性白土を例示することができる。更に、窒素を含みアルカリ性を示す化合物若しくは肥料を使用することができる。活性炭、木炭、竹炭に代表される炭化物を使用することもできる。
【0029】
一方、産業廃棄物である焼却灰又は炭化物もアルカリ性を示す場合が多い。焼却灰と炭化物を区分するに際し、本発明では炭成分の含有量を基準とする。すなわち、炭成分が乾物重量あたり5重量%以上含まれる場合炭化物と規定し、5重量%未満については焼却灰と規定する。本発明では、Na+イオンを含むことを特徴とする焼却灰及び炭化物をアルカリ微生物に対するアルカリ供給資材として使用することにより、アルカリ微生物処理用のアルカリ組成物とする。
【0030】
焼却灰若しくは炭化物の土壌改良効果、脱臭効果等については広く知られている。これらの効果は、含まれる有機物若しくは無機物の焼成処理方法による特性であり、酸素供給方法と焼成温度によるものである。
【0031】
焼却灰については、その製造段階において充分な酸素供給の元で金属酸化物・非金属酸化物、若しくはそれらの塩および5%未満の炭成分により構成される。積極的な酸素供給のもとでの焼却処理により金属酸化物・非金属酸化物等が生成され、更に焼成温度の影響により物理的・化学的に変化する。すなわち、焼却灰は炭化物にみられる多孔性は失われ、表面活性も様々な形態の配合体となり、水酸イオン供給アルカリ資材となる。併せて、光触媒効果等の効果を有する酸化物を生成する。1例として2酸化チタンを挙げることができる。
【0032】
炭化物は、化学的にも安定した炭成分と多孔性を特徴とし、吸着効果にも優れアルカリ微生物の生息場所としても知られている。本発明では、アルカリ微生物に着目し、焼却灰と炭化物を配合して使用することにより、アルカリ微生物資材として適するアルカリ組成物を構成する。
【0033】
産業廃棄物の処理方法として焼却処理若しくは炭化処理は広く行われている。製紙スラッジ焼却灰、貝殻焼却灰、家きん・家畜糞尿焼却灰、木材炭化物、籾殻炭化物は安定供給可能でありNa+イオン及び水酸イオンの供給材料として好ましい選択となる。これら焼却灰は、原材料によりほぼ一定のpH値を示すことから、穏和なアルカリ組成物として、取扱い作業性にも優れることを特徴とする。
【0034】
特に好ましくは、焼却灰として製紙スラッジ焼却灰を配合し、残余を炭化物配合により構成するアルカリ組成物である。製紙スラッジ焼却灰については、安価安定的に多量に供給可能であり、そもそも安全性の高い原材料のみを使用する製紙工場から発生する製紙汚泥を焼却処理した製紙スラッジ焼却灰は、安定したpH値と取扱い上の安全性が高いと同時に、焼成温度を変化させることによりさまざまな物理的・化学的形態と為し得ることからも、Na+イオン及び水酸イオンの供給材料として適する。
【0035】
前述のアルカリ組成物をバーク堆肥に添加配合し、pH7.5を越える範囲とするアルカリバークとすることができる。更には、糞尿醗酵処理用アルカリ資材として若しくは圃場散布用アルカリ資材等として使用することができる。
【0036】
アルカリ微生物の存在はバチルス属菌体および酵母を含め広く見出されている。好気条件において合成醗酵を成立させる菌体は、腐熟資材を土壌改良材料および肥料に適する成分を合成する。例えばアミノ酸合成物等は著名である。
【0037】
一方、有効土壌菌として選別され上市されている菌体として、バチルス属菌体は有害性情報の無い範囲において、その有効性も広く知られている。更にバチルス属菌体はオゾン等の活性酸素種に対し比較的抵抗性を有する菌体であり、活性酸素種による消毒・殺菌メカニズムとの組合せは土壌改良手段としても有効である。
【0038】
従来のバーク堆肥は、含有水分を65重量%±10重量%に調整され使用に供されている。これは、バークの吸水性維持を図ることを目的として、乾燥による濡れ性悪化を防止する為である。このバーク堆肥にアルカリ組成物を配合しアルカリバークとすることにより、濡れ性の維持を図りながら含有水分量を低下させることができる。このことにより、腐敗・酸敗を防止し保存性に優れたアルカリバークを提供するとともに、軽量化を図る手段となる。したがって、上限含有水分量としては、現行バーク堆肥の慣行基準である55重量%未満とする。このことにより、本発明では、現行バーク堆肥と比較し、濡れ性を維持しつつも軽量化を図れること、及び、保存性に優れるという特徴を更に付与することができる。
【0039】
アルカリバークの主要用途として、家きん家畜糞尿の醗酵堆肥化用微生物資材を挙げることができ、短期間での醗酵と消臭効果を発現する。このような堆肥化工程での効果発現は、アルカリバークから供給されるアルカリ成分とアルカリ微生物による。このような堆肥化工程では、アルカリpHの測定管理は容易であるが、菌種確認と特定菌体の同定作業を、通常作業として組み入れることは難しく、汎用性のある手法が求められている。
【0040】
一方、食品製造関連では、腐敗原因菌として、高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)の確認は通常的に行なわれ分析方法も比較的基準化され簡易簡便である。家きん家畜醗酵処理では、積極的に腐熟を進めることを目的とすることに差異はあるものの、堆肥化処理の評価方法として合理的である。更には、他の堆肥物若しくは堆肥化工程管理・完成堆肥の使用時点での評価としても有効である。当然にこの概念は、共通的に他の醗酵処理にも適用しうるものである。したがって、このことより、高温性細菌及び耐熱性菌(高温性)評価とアルカリpH評価を組み合わせることにより、醗酵堆肥の品質安定に寄与するものであり、堆肥化物の用途拡大と伴う循環型社会構築に大きく寄与するものとなる。
【0041】
菌体の存在は、現在の概念とすれば、1個以上が検出される場合、存在すると評価する。しかしながら、経験的な通常の概念では、102個以上の検出をもって、陽性(存在する)と評価する。この評価概念は、確実性を担保するものであり、当然に妥当性がある。特に、芽胞子形成微生物評価としては有効である。したがって、土壌菌坦持アルカリバークの微生物坦持数として、有姿重量(湿重量)1g当り、102個以上とする。
【0042】
アルカリ微生物を含む土壌菌は自然環境からも供給される。しかしながら、発現する菌種相は、環境条件により様々な形態を示す。したがって、人為的アルカリ微生物の接種も有効な手段となる。一方、菌体を意図的に接種するに際しては、当然に、有害性に関する情報を持たない菌体を接種しればならない。更に、醗酵処理を経由させることで、有害菌体を加熱殺菌することが必要であり耐熱性・高温性を有することが好ましく、更には、常在菌であることが好ましい。したがって、Bacillis属から選定することは有効な方法であり、更には、アルカリpHの設定基準とする概念を示唆するものであり、以下に例示する。
【0043】
pH中性細菌の代表例としてバチルス・サブチリス(Bacillus subtillis)を例示することができる。生存pHは8.0を限度とするが、納豆菌の類縁菌として、又は土壌有用微生物として多くの知見が得られ、古くより大豆の醗酵保存用微生物資材としての知見を有効に活用しうる有効な手段である。例えば、臭気発生抑制効果であり保存性である。したがって、該菌体に着目する場合、pHは、7.5を越え8.0以下を基準とする。本発明は当然に、該菌体に関する知見の追加による制限を受けるものではなく、以下の例示についても同様である。
【0044】
pH9以上の環境下で生息するアルカリ微生物として、バチルス・アルカロフイラス(Bacillus alcalophilus)を例示することができる。したがって、該菌体に着目する場合、pHは、9.0〜10.0を基準とする。
【0045】
Na+イオンの存在で、pH中性細菌としても生存可能な中間的なアルカリ微生物として、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)を例示することができる。該菌体は、大きなコロニーを作り、ミミズのように土壌中を移動する。したがって、耕す効果は確実に持つ菌種として知られており、更にはコウジ菌の溶菌作用も見出されている。したがって、該菌体に着目する場合、pHは、7.5を超え10.0以下を基準とする。
【0046】
このように、Na+イオン共存下でアルカリpHを調整することにより、アルカリ微生物相を調整することができる。更には、自然環境から持ちこまれるアルカリ微生物をアルカリ微生物相として選択することもできる。バーク堆肥はそもそもNa+イオンを含み、pH5.5〜7.5の自然状態で、自然環境に存在する土壌菌、特に高温性細菌及び耐熱性菌(高温性)を該有姿重量1gあたり107〜109個坦持させることができる。この状態でpH7.5を越える領域に変化させることにより、アルカリ微生物を選択的に坦持させることが出来る。その場合、耐アルカリ性を有する高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)は、1/100〜1/1000に減少する。
【0047】
したがって、アルカリバークの高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)として、有姿重量1gあたり102個以上を確保出来ない場合、若しくは、人為的にアルカリ微生物を坦持させる場合、目的とする微生物を液体培養により増殖を図り、バーク堆肥若しくはアルカリバークに散布する方法を採用することが出来る。実施例1にバチルス・サークランス(Bacillus circulans)を使用する方法とアルカリ組成物の使用例及びアルカリバークの製造方法を例示し、該アルカリバークに坦持する高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)を表1に示す。
【表1】
【0048】
Na+イオンを含む製紙スラッジ焼却灰・家きん糞尿焼却灰および製紙スラッジ炭化物・木材炭化物・籾殻炭化物のpH測定を実施例2により行ない、測定結果を表2に示す。一般に焼却灰のpHは炭化物より高いアルカリ性を示す。更に、製紙スラッジ焼却灰及び籾殻炭はアルカリ組成物として、安価・安定に供給可能な資材であるが、製紙スラッジ焼却灰は大量供給可能資材として優れる。
【表2】
【0049】
家きん糞尿醗酵処理に際し、実施例3に示すように、アルカリ組成物等醗酵補助資材を使用しない従来の醗酵鶏糞のpHは、凡そ8.0〜9.0の範囲に留まるものであり、鶏糞特有の臭気発生は免れ得ない。従来、この臭気発生を抑制するに塩酸・硫酸・有機酸等により中和若しくは弱酸性とする。しかしながら、本発明によるアルカリ組成物を生糞尿に添加配合しアルカリ発酵処理を行ない、醗酵鶏糞のpHを10.0±0.5となるようにした場合、鶏糞特有の臭気発生はほとんど感じられない状況となる。一方、実施例3に示すように、バーク堆肥単独使用若しくは焼却灰単独使用若しくは炭化物単独使用によっては、本発明であるアルカリ組成物(焼却灰+炭化物)を使用した実施例3記載の無臭醗酵鶏糞は得られない結果となる。
【0050】
【実施例】
(実施例1)
バチルス・サークランス(Bacillus circulans)((工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)商品名 駿河菌)を、培養液に1/5000重量部となるように添加し、37℃×24時間培養を行ない、水道水にて100倍希釈し、散布液とした。広葉樹バーク1.5年堆肥化処理品50トンを、5mの高さに積み上げ、1週間経過後、切返しを行ない、その時点で散布液を1/5000重量割合となるように散布し、切返しを行ない、同じ高さに積み上げた。その後、積み上げ中央部深さ1m前後の品温を65℃前後に保つよう切返しおよび散水を行ない約6月経過時点で土壌菌坦持バーク堆肥を得た。この時のバーク堆肥は、水分65重量%、C/N比35、pH7.2、高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)は表1に記載する実施例1−1に示すように、有姿重量1gあたり夫々107個であった。このバーク堆肥有姿重量50重量部に対し、水分25重量%の製紙スラッジを50重量%、及び、乾燥モミガラ炭化物を50重量%配合したアルカリ組成物を50重量部配合しアルカリバークを製造した。該アルカリバークは、水分37.5重量%、pH10.0であり、高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)は、製造後30日経過時点で同表に記載する実施例1−2に示すように105個であった。このアルカリバークは同表に記載する実施例1−3に示すように、アルカリバーク製造後、約2月経過後の高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)の減少はほとんど見られず、良好な保存性を維持した。
【0051】
(実施例2)
産業廃棄物である製紙スラッジ焼却灰、貝殻焼却灰、家きん糞尿焼却灰、製紙スラッジ炭化物、木材炭化物、籾殻炭化物のpHを測定し表2に記載する比較例2−1〜比較例2−5に示す。実施例1に記載するアルカリ組成物及び保存日数60日経過アルカリバークのpH測定結果を、表2に記載する実施例2−1及び実施例2−2に示す。
【0052】
(参考例1)
パルプ製造〜紙製造一貫工場の製紙スラッジ焼却灰A、古紙再生〜紙製造一環工場の製紙スラッジ焼却灰B、の灰化物(酸化物)について蛍光X線分析を行ない、測定結果を表3に記載する参考例1−1、参考例1−2に示す。何れの製紙スラッジ焼却灰についても、Na+イオンの存在下でカルシウム乃至は珪酸分を含むことを特徴とし、更にはマグネシウムも含み、農業用資材向けの素材に適する。
【表3】
【0053】
(実施例3)
養鶏羽数3万羽から排泄される糞尿の平均含有水分は72重量%であった。この生糞尿をそのままの形態で自然醗酵60日処理を行なった結果を表4に記載する比較例3−1に示す。更に、表1に記載する比較例1−1に示すバーク堆肥を単独に配合した場合、表2に記載する比較例2−1に示す製紙スラッジ焼却灰を単独に配合した場合、表2に記載する比較例2−5に示す籾殻炭化物を、それぞれ、この生糞尿有姿重量に対し、1/10有姿重量部配合し、醗酵処理を行った結果を、表4に記載する比較例3−2〜比較例3−4に示す。実施例1に記載するアルカリ組成物若しくはアルカリバークを1/10有姿重量部配合し、同様に醗酵処理を行った結果を表4に記載する実施例3−1及び3−2に示す。臭気発生状況を比較検討した結果、本発明によるアルカリバークが最も優れる。但し、本発明による焼却灰及び炭化物により構成するアルカリ組成物についても、それぞれ単独使用の場合と比較し格段に臭気発生は抑制されている。この状況を表4に整理記載した。
【表4】
【0054】
【発明の効果】
本発明により、バーク堆肥を選択し、Na+イオンを含むバーク堆肥とすることで、アルカリ微生物支持体としてアルカリ微生物を選択坦持させることが可能な坦持体を提供することができた。
【0055】
本発明により、本発明に係るアルカリバークの他、アルカリ微生物の生存・保存を可能とするNa+イオンを含むアルカリ組成物を安全性の高い産業廃棄物材料をもちいて、提供することができた。このアルカリ組成物は、産業廃棄物材料を用いたにもかかわらず汎用性が高いものである。これにより焼却灰若しくは炭化物の微生物資材用途を可能とする。
【0056】
本発明により、Na+イオンを含むバーク堆肥と上記アルカリ組成物を組み合わせて、安価・安定・量産可能性を有する好ましいアルカリバークを提供することができた。
【0057】
本発明により、アルカリバークに坦持するアルカリ微生物の保存性と坦持水分を減少させ軽量化を高めたアルカリバークを提供することができ、アルカリ微生物資材の利用促進が汎用レベルで実現するものである。
【0058】
本発明のアルカリ微生物を担持したアルカリバークの生産方法により、アルカリ微生物を培養、接種してバーク堆肥にアルカリ微生物のみが増殖するように厳格な管理を不要とすることができた。すなわち最終的にアルカリ微生物のみが選択坦持させてその他の微生物群は死滅させることにより、量産可能で微生物管理を簡便に済ませることが可能であった。
【0059】
この生産方法では、さらにバークのpH管理及びバーク堆積場所からの排水pH管理を不要とし、並びに微生物汚染を簡易に防止することができる。
【0060】
本発明は、バーク堆肥に生息する、高温性・耐熱性微生物に着目することにより、従来より醗酵処理用として見出されてきた有効微生物、特に土壌菌の合理的坦持方法と併せ、本発明により、簡易に且つ安価安定供給を保証しうる。このことにより、堆肥化に際し困難とされていた家きん糞尿の消臭型醗酵を実現する。このことは、前述のとおり、用途を拡大し、家きん糞尿醗酵処理資材として、多くの醗酵分野への利用を可能とする。
Claims (7)
- pH(水素イオン指数)が7.5より大きくなるように、アルカリ組成物をバーク(樹皮)堆肥に配合したことを特徴とするアルカリバーク。
- バーク堆肥に配合してアルカリバークのpHを7.5よりも大きくなるように調整するために調製されたアルカリ組成物であって、Na+イオンを含有する焼却灰(酸化物)及びNa+イオンを含有する炭化物を主成分とし、前記焼却灰は製紙スラッジ焼却灰、家きん・家畜糞尿焼却灰から選択される組成物であり、前記炭化物は製紙スラッジ炭化物、木材炭化物、籾殻炭化物から選択される組成物であることを特徴とするアルカリ組成物。
- pHが7.5より大きくなるように、請求項2記載のアルカリ組成物をバーク堆肥に配合したことを特徴とするアルカリバーク。
- 請求項1又は3に記載のアルカリバークは、含有水分量が該アルカリバーク有姿重量(湿重量)に対して55重量%未満であり且つ該アルカリバーク有姿重量1gあたりの高温性細菌数及び耐熱性菌数(高温性)がそれぞれ102個以上であるように高温性細菌及び耐熱性菌(高温性)を坦持したものであることを特徴とする請求項1又は3記載のアルカリバーク。
- バークを堆積して、種々の微生物相により前記バークを醗酵させて合成醗酵物、分解醗酵物、微生物酵素等の副生成物を蓄積しながら前記バークを堆肥化し、前記堆肥化したバークに該バークのpHが7.5より大きくなるようにアルカリ組成物を配合することにより、前記堆肥化したバーク中に担持され、かつ、加熱処理条件が沸騰水中10分間で生菌している耐熱性(高温性)微生物群のうちpH7.5を越えて増殖生存可能であり、更には好気性若しくは通性を有するアルカリ微生物のみを選択して増殖を促すことを特徴とするアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法。
- 前記アルカリ組成物の配合時期は、前記バークのC/N(炭素/窒素)比が20〜40で該バークのpHが5.5〜7.5となったバーク堆肥化完成後であることを特徴とする請求項5記載のアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法。
- 前記アルカリ微生物は、前記バークに自然環境から持ち込まれた微生物群から選択され増殖したものであることを特徴とする請求項5記載のアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002314236A JP4276418B2 (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002314236A JP4276418B2 (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004149336A JP2004149336A (ja) | 2004-05-27 |
JP4276418B2 true JP4276418B2 (ja) | 2009-06-10 |
Family
ID=32458600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002314236A Expired - Fee Related JP4276418B2 (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4276418B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009183819A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Tama Tlo Ltd | 糞尿処理材及び該糞尿処理材を備える糞尿処理装置 |
JP2013188172A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Showa Chemical Industry Co Ltd | 育苗マット |
JP2018164416A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 株式会社ヤマイチライス | 稲作農法 |
-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314236A patent/JP4276418B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004149336A (ja) | 2004-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5819442B2 (ja) | 難分解性廃水の生物学的処理方法および廃水処理剤 | |
Taiwo et al. | Influence of composting techniques on microbial succession, temperature and pH in a composting municipal solid waste | |
CN109402015B (zh) | 一株热噬淀粉芽孢杆菌及其应用 | |
CN103896646B (zh) | 一种微生物有机肥的制备方法 | |
US20120252100A1 (en) | Mixed Strain Culture For The Disposal Of Food Waste, And Food Waste Disposal Method Using Same | |
JP5753804B2 (ja) | 液肥の製造方法、堆肥の製造方法及び不耕起栽培方法 | |
Nozhevnikova et al. | Composition of a microbial community at different stages of composting and the prospects for compost production from municipal organic waste | |
CN107245462B (zh) | 一种耐高温除臭保氮发酵有机肥菌剂及其制备方法 | |
El Hayany et al. | Fate of pathogenic microorganisms during lagooning sludge composting and exploration of bacteriophages as indicator of hygienization | |
Mupondi et al. | Effects of a precomposting step on the vermicomposting of dairy manure-waste paper mixtures | |
Wang et al. | Role of microbes and microbial dynamics during composting | |
JP3378412B2 (ja) | 有機質肥料の製造方法 | |
KR20190081204A (ko) | 도축부산물인 동물혈액을 이용한 유기질 비료의 제조 방법 | |
JP4276418B2 (ja) | アルカリバーク、アルカリ組成物及びアルカリ微生物担持アルカリバークの生産方法 | |
CN105779357A (zh) | 一种除臭有机堆肥发酵菌剂及其应用 | |
JP4875809B2 (ja) | 汚泥発酵肥料 | |
JP4852205B2 (ja) | 家きん糞尿発酵処理方法 | |
JPH0632708A (ja) | 微生物資材及びその製造方法 | |
Adebayo et al. | Composting of food and yard wastes by locally isolated fungal strains | |
Prakash et al. | Dynamics of Microorganisms during vermi-stabilization of organic substrates and enhances performance of plant growth promoting rhizobacteria on black gram | |
WO2005051868A1 (en) | Procedure for composting of communal waste water sludge | |
Sudharsan Varma et al. | Stability and microbial community analysis during rotary drum composting of vegetable waste | |
Patil et al. | Development and assessment of microbial consortium for composting of organic waste | |
JPH11130573A (ja) | 堆肥化促進剤組成物 | |
KR101181306B1 (ko) | 축산 폐기물의 퇴비 제조용 균주 바실러스 써린지엔시스 hsb1001 및 이의 용도 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20050106 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050712 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070820 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20070827 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070828 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080811 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081211 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20090202 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090303 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090306 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4276418 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |