JP4276197B2 - 車両用衝突検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用衝突検出装置に関し、特にバンパへの歩行者の衝突を良好に検出可能な装置に関する。
下記の特許文献1、2は、たとえば車両の前面などに光ファイバーを張り巡らせ、車両の衝突荷重による光ファイバーの伝送光量の減少を検出する光漏洩性の光ファイバーセンサを用いた光ファイバ式車両用衝突検出装置を提案している。また、特許文献1は、外部からの衝突荷重を光ファイバーの所定の局部に集中させて光ファイバーの局部的曲げ量を増大させるために、光ファイバーセンサが内部に突部が形成された円筒状の衝突荷重伝達部材を有すること、光ファイバーをゴムなどの弾性体により被覆することも開示している。
特開平05−116592号公報 特開平07−190732号公報
上記従来の光ファイバー式車両用衝突検出装置を車両のバンパリーンフォースとフロントバンパーとの間に配置すると、フロントバンパー各部へのたとえば歩行者などの衝突を高速検出するのに有利である。光ファイバーセンサは、衝突荷重により変形する光ファイバーを有して衝突荷重に応じて光伝送量が変化する光ファイバー部と、この光ファイバーと光を授受する送受光回路とを少なくとも有する。
この光ファイバーセンサの衝突荷重検出感度を向上するには、光ファイバーセンサに入力する衝突荷重に対して光ファイバーセンサの光ファイバー部がその許容変形率範囲で効率よく変形する必要がある。このために、光ファイバー部はバンパリーンフォースの前面にてバンパリーンフォースにより機械的に支持することにより、前方からの衝突荷重により光ファイバー部全体が後退しないようにするのが好適である。
また、フロントバンパーが高さ方向にかなりの幅を持ち、かつ、変形容易性をもつことなどを考慮すると、フロントバンパーへの衝突荷重を光ファイバーセンサに集中するための荷重伝達板をフロントバンパーと光ファイバーセンサとの間に介設し、これによりフロントバンパーに入力した衝突荷重を荷重伝達板に集めてから光ファイバー部を変形させつつバンパリーンフォースに伝達するのが好適である。これにより、フロントバンパーに入力される衝突荷重を光ファイバー部に加えることができる。
しかしながら、本発明者らの実験によれば、フロントバンパーとバンパリーンフォースとの間に光ファイバーセンサを介設した場合、前方からの衝突荷重の大きさが等しくても、フロントバンパーの左右方向における衝突荷重の入力位置により光ファイバーセンサの出力感度がばらつくという問題があることがわかった。
これは、衝突荷重に対するフロントバンパーを含む車両の剛性が左右方向各部において異なるため、衝突荷重の左右方向入力位置が異なると光ファイバーの変形度合いが異なるためであることがわかった。特に、実験によれば、光ファイバーセンサの出力感度は、フロントバンパーの中央と左右両端部において低く、それらの間の領域において高いことがわかった。
このような光ファイバーセンサの左右方向入力位置による出力感度のばらつきは、衝突体特に歩行者の判別に悪影響をもたらすため、光ファイバー式車両用衝突検出装置の実用化のためにその解決が要望される。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、車両左右方向におけるセンサー感度のばらつきの低減を実現した光ファイバー式車両用衝突検出装置を提供することをその目的としている。
上記問題を解決するこの発明の光ファイバー式車両用衝突検出装置は、車両のバンパリーンフォースとフロントバンパーとの間に位置して左右に延設される光ファイバーと、前記光ファイバーへの光の導入及び前記光ファイバーからの光の検出を行う送受光回路とを有する光ファイバーセンサと、衝突時の前記光ファイバーの変形による前記光ファイバーセンサの出力信号の変化に基づいて衝突荷重に関する情報を抽出する衝突検出回路とを備える光ファイバー式車両用衝突検出装置において、
前記フロントバンパーから前記光ファイバーを経由して前記バンパリーンフォースに衝突荷重を伝達する荷重伝達経路に配置される衝突感度補償部材を有し、前記衝突感度補償部材は、前記荷重伝達経路が前記光ファイバーセンサに与える衝突荷重の車両幅方向のばらつきに起因する前記光ファイバーセンサの衝突検出感度のばらつき(換言すると、光ファイバーの延在方向における衝突検出感度の変化特性)を減少させる形状又は力学的性質を有することを特徴としている。
すなわち、この発明では、上記荷重伝達経路における車両左右方向(幅方向とも言う)各部の荷重伝達特性のばらつきにより、光ファイバーセンサの感度(出力信号の大きさ/衝突荷重)が幅方向でばらつくのを、上記荷重伝達経路の荷重伝達特性と逆方向のばらつきをもつ衝突感度補償部材により補償するため、高精度の衝突荷重検出を実現することができる。
光ファイバーは、好適にはバンパリーンフォースの直前に配置されることが好適である。光ファイバーは、適当な弾性部材で被覆されることが好適である。光ファイバーとフロントバンパーとの間にフロントバンパーから光ファイバーへの衝突荷重の集中を行うための荷重伝達板を配置することが好適である。
衝突感度補償部材は、上記荷重伝達経路を構成する既存の各部材に特別の形状又は力学的性質を追加することにより、構成することができる。この既存の各部材とは、たとえばバンパアブソーバや荷重伝達板が挙げられる。
この特別の形状とは、たとえば、荷重伝達板が光ファイバーに与えるべき衝突荷重の一部を直接にバンパリーンフォースに迂回させる構造、バンパアブソーバが荷重伝達板に与えるべき衝突荷重を直接にバンパリーンフォースに与える構造などが考えられる。当然、これらの構造は、車両の左右方向各部において必要な割合の衝突荷重が光ファイバーに加えられるように調整されるべきである。
すなわち、この発明では、上記荷重伝達経路における車両左右方向(幅方向とも言う)各部の荷重伝達特性のばらつきにより、光ファイバーセンサの衝突荷重検出感度(出力信号の大きさ/衝突荷重)が幅方向でばらつくのを、上記荷重伝達経路の荷重伝達特性と逆の特性をもつ衝突感度補償部材により補償するため、高精度の衝突荷重検出を実現することができる。
なお、ここで言う車両左右方向の衝突荷重とは、フロントバンパーの車両左右方向各部において車両の前後方向に加えられる衝突荷重とすることができる。また、フロントバンパーの前面に略直角に入力する衝突荷重とみなしてもよい。
また、この発明では、前記衝突感度補償部材は、左右方向所定ピッチで後方へ突出して衝突荷重を前記光ファイバーの左右方向所定部位へ局部的に集中して伝達する多数の応力集中突起を有するとともに前記光ファイバーの前側に近接しつつ左右方向に延設される応力局部集中部材からなり、前記多数の応力集中突起は、前記衝突荷重の車両幅方向のばらつきによる前記光ファイバーセンサの前記衝突検出感度のばらつきを減少させる形状を有する。このようにすれば、この種の衝突荷重検出用の光ファイバーセンサにおいて採用される応力局部集中部材自体が衝突感度補償部材を兼ねるために部品点数の増大や工程、材料費の増大を防止することができる。応力局部集中部材は、上記した荷重伝達板と光ファイバーとの間に配置することができる他、上記したフロントバンパーのバンパアブソーバから光ファイバーへの衝突荷重の集中を行う荷重伝達板と一体に形成することができる。
さらに、この発明では、前記衝突検出感度が低い前記光ファイバーの部分に近接する前記応力集中突起は、前記衝突検出感度が高い前記光ファイバーの部分に近接する前記応力集中突起に比べて前記応力集中突起の前後方向突出長(山高さ)が大きくされる。このようにすれば、簡素な構造にて応力局部集中部材の車両左右(幅)方向における光ファイバーセンサの感度特性の調整が可能となる。
なお、応力集中突起の山高さを変更する代わりに、応力集中突起の光ファイバーに面するその頂上部の曲率半径を変更するなど、応力集中突起のその延在方向と直角方向における断面形状を変更して光ファイバーセンサの感度を調節してもよい。その他、上記断面形状の変更と山高さの変更とを同時に行って光ファイバーセンサの感度調整を行ってもよい。
以下、この発明を歩行者検出のために用いた実施態様を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、その技術思想を実現する公知構成要素の組み合わせも含むのは当然である。この発明の光ファイバー式車両用衝突検出装置を用いた車両用保護装置の例を以下に説明する。
(実施例1)
(全体構成)
この車両用保護装置を図1の模式透過平面図に示す。1はフロントバンパー、2は光ファイバー式の歩行者衝突センサ(本発明で言う光ファイバー式車両用衝突検出装置)、3は歩行者保護用制御装置、4はピラーエアバッグ展開装置、5は歩行者保護用のピラーエアバッグ、6は車体である。歩行者保護用制御装置3、ピラーエアバッグ展開装置4及びピラーエアバッグは、衝突時にボンネット上に倒れ込む歩行者の特に頭部を保護するためのエアバッグ型の歩行者保護装置を構成している。なお、図1において、歩行者衝突センサ2は模式図示されている。
(歩行者衝突センサ2の構成)
歩行者衝突センサ2の構成を図2〜図4を参照して説明する。図2はその模式分解斜視図、図3はその模式平面図、図4はそのブロック回路図である。歩行者衝突センサ2は、荷重伝達板20と、ファイバー部21と、回路部22とにより構成されており、荷重伝達板20及びファイバー部21は、フロントバンパー1とバンパリーンフォース7との間に位置してバンパリーンフォース7の前端面に沿って左右方向に延設されている。更に詳しく説明すると、フロントバンパー1は、バンパーカバー11とその後方のバンパアブソーバ12とにより構成されており、車体前面に配置されている。バンパリーンフォース7は一対のサイドメンバー8の前端に固定されている。
歩行者衝突センサ2は、図4に示すように、ファイバー部21と、送光回路24と、受光回路25と、受光回路25が出力する信号を増幅した後、デジタル信号に変換する信号処理回路26と、上記デジタル信号を所定の歩行者判別ルーチンで処理することにより歩行者衝突を判定するマイコンからなる判定回路27とからなる。判定回路27は、歩行者衝突を判定した場合にそれを歩行者保護用制御装置3に報知し、歩行者保護用制御装置3は、この報知に基づいてピラーエアバッグ展開装置4にピラーエアバッグ5の展開を命令する。
この実施例では、回路部22は、上記した送光回路24、受光回路25、信号処理回路26及び判定回路27を内蔵して車両前部の左端部に配置されている。ファイバー部21と送光回路24と受光回路25とはいわゆるファイバーセンサ23を構成している。
ファイバー部21は、回路部22から突出した後、バンパリーンフォース7の前端面に沿いつつバンパリーンフォース7の左端部から右端部まで延設された後、下側へ180度湾曲されてバンパリーンフォース7の前端面に沿いつつ右端部から左端部まで延設され、その後、回路部22に戻ってくるUターン形状を有している。ファイバー部21は、内部に光ファイバーを有しているが、その構造については後述するものとする。
送光回路24からファイバー部21内の光ファイバーに導入された光は、光ファイバー内を伝送されて受光回路25にて光電変換されて、検出信号電圧となる。この検出信号電圧は信号処理回路26により所定の大きさに増幅された後、デジタル信号に変換されて判定回路27に送信され、判定回路27により歩行者衝突の有無が判定される。
(ファイバー部21の構成)
この実施例で用いるファイバー部21の構成を図5を参照して説明する。図5(a)はその水平断面図であり、図5(b)はその垂直断面図である。
ファイバー部21は、左右に延設される光ファイバー211と、この光ファイバー211の後方に隣接して垂直かつ左右に延在する応力集中板212と、これら光ファイバー211及び応力集中板212とが埋設される垂直断面が長方形のシリコン樹脂体213とからなる。なお、光ファイバー211は、被覆用のゴム筒214を有している。
(応力集中板212の構成)
応力集中板212は、薄い長尺金属板を打ち抜くことにより梯子状に形成されており、多数の縦桟部(山部とも言う)215を有している。各縦桟部215は、光ファイバー211のゴム筒214の外周面に接しつつ垂直方向に延在している。シリコン樹脂体213の前面2131は荷重伝達板20の後面に接しており、シリコン樹脂体213の後面2132はバンパリーンフォース7の前端面に接している。なお、上記の代わりに、シリコン樹脂体213の面2131がバンパリーンフォース7の前端面に接し、シリコン樹脂体213の面2132が荷重伝達板20の後面に接するようにしてもよい。その他、応力集中板212と同様の第2応力集中板を光ファイバー211を挟んで応力集中板212と反対側に設けてもよい。この場合には、応力集中板212の縦桟部215と第2の応力集中板の縦桟部とは左右方向にずれていることが好ましい。その他、応力集中板212を硬質樹脂を成形して形成してもよい。
本発明で言う応力局部集中部材かつ衝突感度補償部材をなす応力集中板212を図6を参照して更に詳しく説明する。図6はこの応力集中板212の斜視図である。
この実施例では、応力集中板212の各縦桟部(山部とも言う)215の間のピッチPは、車両左右方向中央からの左右方向距離を入力変数とする所定の関数値となっている。この関数値の詳細については、後述するものとする。ただし、各縦桟部(山部とも言う)215の水平断面形状は一定であり、このため各縦桟部(山部とも言う)215の山高さは互いに等しい。
(荷重伝達板の構成)
荷重伝達板20は、この実施例では樹脂成形により形成されて図3に示すようにバンパアブソーバ12とファイバー部21との間に介設され、垂直方向かつ車両左右方向へ延設されている。荷重伝達板20は、実質的にはバンパリーンフォース7の前端面に少しの距離を隔てて隣接しているため、バンパリーンフォース7に機械的に好適に支持されることができる。たとえば、荷重伝達板20のたとえば左右方向両端部をバンパリーンフォース7の両端部に直接又は弾性体を介して固定すればよい。もちろん、荷重伝達板20の機械的支持は上記に限定されるものではなく、バンパリーンフォース7に対して荷重伝達板20を前後方向進退自在とするガイド機構をバンパリーンフォース7と荷重伝達板20との間に介設してもよい。また、フロントバンパーにより荷重伝達板20を支持してもよい。
(動作)
歩行者衝突センサ2の検出動作を以下に説明する。ファイバー部21に前後方向に衝突荷重が加えられると、シリコン樹脂体213及びゴム筒214は弾性変形容易であるために、衝突荷重は応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215の部位にて光ファイバー211に局部的に加えられる。このため光ファイバー211は、この部位にて衝突荷重に正相関を有して曲げられ、曲げ量に応じて光ファイバー211の伝送光量が減少する。したがって、送光回路24から一定光量の光を光ファイバー211の一端から入射した場合、光ファイバー211の他端から受光回路25に入射する光量は衝突荷重に相関を有する値となり、受光回路25の出力信号は衝突荷重に連動して変化することになる。受光回路25の出力信号は、信号処理回路26により所定の大きさに増幅されデジタル信号に変換された後、判定回路27にて歩行者判定が行われ、歩行者衝突と判定した場合に歩行者保護用制御装置3は、ピラーエアバッグ展開装置4にピラーエアバッグ5の展開を命令する。
(歩行者衝突センサ2の感度特性)
次に、車両左右方向(幅方向)における歩行者衝突センサ2の感度特性を図7を参照して説明する。
図7において、P0は車両左右方向の中央位置、P1は、サイドメンバー8の位置、P2はバンパリーンフォース7の左右両端部における曲率半径が最小となる位置、P3はサイドメンバー8の左端及び右端を示す。
フロントバンパーに等しい衝突荷重を後方へ向けて加えた場合の歩行者衝突センサ2の出力信号の大きさを図7に示す。図7からわかるように、たとえ衝突荷重が等しくても、衝突荷重が加えられる車両左右方向における位置が変化すると、歩行者衝突センサ2の出力は大きく変化することがわかる。これは、バンパリーンフォース7の曲率半径が最小となる位置、すなわち、左右方向に平坦なバンパリーンフォース7の中央部と、斜め後方へ延在するバンパリーンフォース7の両端部との境界部分では、元々光ファイバーが他の部位よりも相対的に大きく変形していることと、この部位ではバンパーカバー11と荷重伝達板20との間のバンパアブソーバ12が薄いことが影響していると考えられる。バンパリーンフォース7の左端及び右端でもバンパアブソーバ12は薄くなるが、この部位では前後方向への衝突荷重に対してバンパーカバー11、バンパリーンフォース7、荷重伝達板20、ファイバー部21がすべて斜め後方に延在するため、衝突荷重による光ファイバーの変形が少なくなることが考えられる。その他、サイドメンバー8の近傍ではバンパリーンフォース7の撓みが少なく、サイドメンバー8から離れた位置ではバンパリーンフォース7の撓みが大きいため、このバンパリーンフォース7の撓みの影響も考えられる。いずれにせよ、このような車両左右方向における感度ばらつきは歩行者判別精度を低下させてしまう。
(感度補償の説明)
次に、この実施例の特徴をなす感度補償方法を図8を参照して以下に説明する。図8は、応力集中板212の左右方向感度特性を示す図である。
この実施例では、図6に示す応力集中板212の各縦桟部(山部とも言う)215間のピッチは、P2の位置で最小とされ、左右方向中央並びに左端及び右端で大きく設定されている。図6に示す応力集中板212を通じて光ファイバー211に衝突荷重を与える場合、図6で説明した互いに隣接する二つの縦桟部(山部とも言う)215間のピッチが狭いと、これら二つの縦桟部(山部とも言う)215が光ファイバー211を局部的に曲げようとする作用が互いに打ち消し合って小さくなり、一定の衝突荷重に対する出力感度が低下する。逆に、互いに隣接する二つの縦桟部(山部とも言う)215間のピッチが広いと、これら二つの縦桟部(山部とも言う)215間の上記打ち消し合う効果が減少するため、一定の衝突荷重に対する出力感度の低下は減少する。結局、応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215のピッチ変更により、図7に示す衝突荷重検出感度の左右方向ばらつきを補償することができる。補償後の光ファイバーセンサの出力感度を図8に合成感度特性として図示する。
つまり、この実施例によれば、応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215のピッチ調整という簡単な方法により、フロントバンパーからバンパリーンフォース7に至る衝突荷重伝達経路の衝突荷重伝達特性の左右方向におけるばらつきを極めて簡単に補償できる。
(実施例2)
他の実施例を図9を参照して説明する。図9は、図6に示す縦桟部(山部とも言う)215a、215bの縦断面図である。ただし、縦桟部(山部とも言う)215aは図8のP3の位置における縦桟部(山部とも言う)215であり、縦桟部(山部とも言う)215bはP0の位置における縦桟部(山部とも言う)215である。
この実施例では、縦桟部(山部とも言う)215aの山高さは最大値h1と最も高く、縦桟部(山部とも言う)215bの山高さは最小値h2と最も低く設定されている。すなわち、図6に示す応力集中板212を通じて光ファイバー211に衝突荷重を与える場合、図6で説明した縦桟部(山部とも言う)215の山高さが低いと縦桟部(山部とも言う)215が光ファイバー211を局部的に曲げようとする作用が小さくなり、一定の衝突荷重に対する出力感度が低下する。逆に、縦桟部(山部とも言う)215の山高さが高いと縦桟部(山部とも言う)215が光ファイバー211を曲げようとする作用が大きくなり、一定の衝突荷重に対する出力感度が向上する。
結局、応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215の山高さの変更により、図7に示す衝突荷重検出感度の左右方向ばらつきを補償することができる。補償後の光ファイバーセンサの出力感度を図8に合成感度特性として図示する。
つまり、この実施例によれば、応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215の山高さ調整という簡単な方法により、フロントバンパーからバンパリーンフォース7に至る衝突荷重伝達経路の衝突荷重伝達特性の左右方向におけるばらつきを極めて簡単に補償できる。
(変形態様)
上記実施例では、縦桟部(山部とも言う)215のピッチ又は山高さ(前後方向長)を調整することにより、光ファイバーセンサの出力感度調整を行ったが、その他、縦桟部(山部とも言う)215の光ファイバー211に面する側の表面の形状特にその曲率半径を調整しても同様の効果を奏することができる。すなわち、図6に示す応力集中板212を通じて光ファイバー211に衝突荷重を与える場合、図6で説明した縦桟部(山部とも言う)215の表面の傾斜が大きいとそれにゴム筒を通じて接する光ファイバー211は強く変形され、一定の衝突荷重に対する出力感度が増大する。逆に、縦桟部(山部とも言う)215の表面の傾斜が小さいとそれにゴム筒を通じて接する光ファイバー211は相対的に弱く変形され、一定の衝突荷重に対する出力感度が低下する。結局、応力集中板212の縦桟部(山部とも言う)215の表面の湾曲形状の変更により、図7に示す衝突荷重検出感度の左右方向ばらつきを補償することができる。
(変形態様)
この発明の一つの着眼点は、フロントバンパー1、バンパリーンフォース7、ファイバー部21などの形状により、歩行者衝突センサ2の出力感度が衝突荷重作用位置に依存して変化することを見いだした点にあり、応力集中板212ではなく、何らか追加の衝突感度補償部材を追加してもよいことは当然である。また、たとえばバンパアブソーバ12やフロントバンパー1の弾性を車両左右方向にて調整することにより同様の効果を奏してもよい。
(変形態様)
上記実施例では、フロントバンパー側に衝突検出機構を設けたが、上記実施例のフロントバンパーをバックバンパーに置換すれば、車両の後方に設けて追突検出に用いることができることは明白である。
実施例1の装置を用いた車両の模式透過平面図である。 図1に示す歩行者衝突センサの模式分解斜視図である。 図2の歩行者衝突センサの模式平面図である。 図2の歩行者衝突センサのブロック回路図である。 光ファイバーセンサのファイバー部の構成を示す説明図であり、(a)はその水平断面図であり、(b)はその垂直断面図である。 応力集中板の模式斜視図である。 応力集中板の縦桟部の形状及びピッチを一定とした場合の出力感度の左右方向ばらつきを示す図である。 応力集中板の縦桟部の形状又はピッチを変更した場合の出力感度の左右方向ばらつきの調整を示す図である。 実施例2における応力集中板の縦桟部の高さを変更する状態を示す図である。
符号の説明
1 フロントバンパー
2 歩行者衝突センサ
3 歩行者保護用制御装置
4 ピラーエアバッグ展開装置
5 ピラーエアバッグ
7 バンパリーンフォース
8 サイドメンバー
11 バンパーカバー
12 バンパアブソーバ
20 荷重伝達板
21 ファイバー部
22 回路部
23 ファイバーセンサ
24 送光回路
25 受光回路
26 信号処理回路
27 判定回路(衝突検出回路)
211 光ファイバー
212 応力集中板(応力局部集中部材、衝突感度補償部材)
213 シリコン樹脂体
2131 前面
2132 後面
214 ゴム筒
215 縦桟部(応力集中突起)

Claims (1)

  1. 車両のバンパリーンフォースとフロントバンパーとの間に位置して左右に延設される光ファイバーと、前記光ファイバーへの光の導入及び前記光ファイバーからの光の検出を行う送受光回路とを有する光ファイバーセンサと、
    衝突時の前記光ファイバーの変形による前記光ファイバーセンサの出力信号の変化に基づいて衝突荷重に関する情報を抽出する衝突検出回路と、
    を備える光ファイバー式車両用衝突検出装置において、
    前記フロントバンパーから前記光ファイバーを経由して前記バンパリーンフォースに衝突荷重を伝達する荷重伝達経路に配置される衝突感度補償部材を有し、
    前記衝突感度補償部材は、
    前記荷重伝達経路が前記光ファイバーセンサに与える衝突荷重の車両幅方向のばらつきに起因する前記光ファイバーセンサの衝突検出感度のばらつきを減少させる形状又は力学的性質を有するものであって、左右方向所定ピッチで後方へ突出して衝突荷重を前記光ファイバーの左右方向所定部位に局部的に集中して伝達する多数の応力集中突起を有するとともに前記光ファイバーの前側に近接しつつ左右方向に延設される応力局部集中部材からなり、
    前記多数の応力集中突起は、前記衝突荷重の車両幅方向のばらつきによる前記光ファイバーセンサの衝突検出感度のばらつきを減少させる形状を有するものであり、
    前記衝突検出感度が低い前記光ファイバーの部分に近接する前記応力集中突起は、前記衝突検出感度が高い前記光ファイバーの部分に近接する前記応力集中突起に比べて前記応力集中突起の前後方向突出長が大きいことを特徴とする光ファイバー式車両用衝突検出装置。
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