JP4275943B2

JP4275943B2 - 食物貯蔵多層ラップ

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Publication number: JP4275943B2
Application number: JP2002544227A
Authority: JP
Inventors: オブライエン・マイケル・ジョン; パロッタ・ショーン・クリストファー; トゥーサン・ジョン・ウイリアム
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 2000-11-22
Filing date: 2001-11-20
Publication date: 2009-06-10
Anticipated expiration: 2021-11-20
Also published as: AU2002225655B2; EP1351817A1; CA2427247A1; WO2002042069A1; EP1574325A2; KR20030055317A; CA2427247C; AU2565502A; EP1574325A3; ZA200302967B; KR100559309B1; NZ525332A; JP2004513811A

Description

【０００１】
（発明の分野）
本発明は、使用時点で目標表面に配置可能な活性物質を有する積層体に関する。この積層体は、食物貯蔵ラップとして使用可能である。
【０００２】
（発明の背景）
様々な品物の格納及び保護、特に食品のような腐敗しやすい物質の保存における使用には、シート状の素材が既知である。そのような素材は、品物を個々に包むために、及び／又はやや閉じられた容器のふたを形成するために用いることができる。特に、食物貯蔵ラップは、ボウル、残り物の皿を覆うために使用されると共に、冷蔵又はそうでなければ貯蔵されることが所望される食品を完全に封入するためにも使用される。
【０００３】
今日一般に使用されるそのような素材の一つの種類は、ロールの形状で一般的に供給される、薄く適合可能なウェブに形成された高分子組成物の素材を含む。そのような素材の一般的な例は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ）、及びポリエチレン（ＰＥ）シート素材である。これらの素材は、品物に及び／又はそれ自体に付着するように、その品物の周囲で折り畳まれる又は包まれてもよいように、素材が形成される高分子物質、及び／又は可塑剤、粘着付与剤などのような添加剤の特性のために、少なくとも一つの表面上で付着性質を表す。そのような素材の付着性質によって、完全に閉じられた容器構造体を提供するために、やや閉じられた硬い、やや硬い、又は可撓性容器と組み合わせて使用することもできる。多くのそのような素材の障壁特性、特に、酸素、湿気／水蒸気、及び臭気障壁特性は、食品のような腐敗しやすい品物、及び／又は環境状態へ継続して露出されることでより迅速に酸化、脱水、もしくはそうでなければ劣化する品物に所望の保存特質を提供する。
【０００４】
これらの素材は、ディスペンサーカートン又は装置において連続するロールの形状で供給されるある許容レベルを達成した一方、分配操作を開始するために、巻いたウェブのその時点での末端部分を捜し出して分離するという問題にしばしば遭遇する。この問題と取り組むために、巻いたウェブのその時点での末端部を特定及び／又は分離する多くの方法が開発されてきており（タブ、色、末端把持ディスペンサー機構など）、様々な成功のレベルを達成した。巻いたウェブの末端部を取り扱う問題にかかわらず、それ自体に付着する素材の傾向は、ウェブを広げるのに必要な分配力も増加させ、分配された部分を接線方向に分離し、過剰な場合には、広げるための分配力が過剰になる「ロールブロッキング」として既知の現象を起こし得る。ロールブロッキングは、ロール方向においてウェブの長手方向の裂けを起こし得る過剰な分配力も引き起こし、巻いたウェブのより狭い、不規則に裂けた部分をユーザが分配するという結果になる。更に、ユーザは、素材が早まって（すなわち、所望の結合表面に接触する前に）それ自体に付着して、付着している部分を手で離す、及び／又はその素材を捨てて新しい部分を選ぶ、のいずれかを必要とする状況に頻繁に遭遇する。
【０００５】
この問題を克服するための一つの試みは、当該技術分野においてカバーストリップとして既知であるリリースストリップを、ウェブの接着剤でコーティングした面に加えることによる。使用時点で、リリースストリップは、除去されて捨てられる。しかし、リリースストリップの使用は、最終製品にコストと複雑さを加える。
【０００６】
リリースストリップの使用を除去する試みが、使い捨ておむつ用テープ状ひもに関する当該技術分野において見出される。そのようなテープ状ひもは小さく、おむつ交換に協力しないことがある赤ちゃんに便利に使用するために、それらが確実に適切な位置にあるように製造中に処理されなければばならない。これらの試みは、次の米国特許、すなわち、１９７６年７月６日にミルナモー（Milnamow）に対して発行された米国特許第３，９６７，６２４号、１９７４年１２月１０日にコザック（Kozak）に対して発行された米国特許第３，８５３，１２９号、１９７８年１月１０日にニーズ（Nees）に対して発行された米国特許第４，０６７，３３７号、１９７７年１２月２０日にトリッチ（Tritsch）に対して発行された米国特許第４，０６３，５５９号、１９７７年３月８日にトリッチ（Tritsch）に対して発行された米国特許第４，０１０，７５３号、及び１９７４年１２月１０日にコザック（Kozak）に対して発行された米国特許第３，８５３，１２９号により説明されている。関連する試みが、感圧接着剤物品を教示している、１９９８年４月７日にシュネバーガー（Schneberger）らに対して発行された米国特許第５，７３６，４７０号に見られる。
【０００７】
食物貯蔵ラップが遭遇することがある他の問題は、最初から又は容器もしくはラップされる品物の取り扱い期間後のいずれかに折り畳まれた場所で、素材が充分な密閉を形成しないことである。そのような素材が、素材自体の障壁特性と少なくとも同程度の障壁特性を有する密閉を形成できない場合、密閉が容器化に関して最大の弱点となるので、使用中に貯蔵ラップとしてのそのような素材の最大の可能性は実現されない。従って、ユーザには、ゴムバンド、テープなどのような追加の固定機能を用いることを企てるものもある。素材がそれ自体又は目標表面と接触するところの素材のしわは、素材とその反対側の表面との間の領域に小さい溝を残し、そのため腐敗しやすい品物の保存に所望される密閉の質に達成しない原因となり得る。ユーザには、所望の品物を二重又は三重にラップすることにより密閉の質の欠点に取り組む試みを行って、長さの増加した曲がりくねった迷路のような密閉経路を形成しようとするものがある。
【０００８】
改善された貯蔵ラップ素材が、１９９６年１１月８日にハミルトンら（Hamilton）の名前で出願され、譲渡された米国特許出願第０８／７４５，３４０号（Ｐ＆Ｇ整理番号５９２２Ｒ２）に見られ、これを参考として引用し本明細書に組み込む。その上、更なる試みが、１９９４年９月６日にサンダース（Sanders）に対して発行された米国特許第５，３３４，６９３号及び１９９９年９月７日にグローガー（Groeger）に対して発行された第５，９４８，４９３号によって説明されている。
【０００９】
しかし、当該技術分野における前記の試みは一般に、用いられる活性物質として接着剤を有する単一層構造体に関するものである。ユーザは複数層構造体を所望することがある。二つ以上の層の選択的に活性化可能な積層体を準備することは、異なる素材を層の各々に用いることができるという利益を提供する。例えば、積層体は、異なる色、透明度、強度及びコストのものであってもよい。この構造体は、本明細書で次に開示及び請求される本発明で提供される。
【００１０】
食物貯蔵ラップが遭遇することがある他の問題は、最初から又は容器もしくはラップされる品物の取り扱い期間後のいずれかに、気密密閉を形成するために、素材がそれ自体及び／又は所望の目標表面に充分接着しないことである。そのような素材が、素材自体の障壁特性と少なくとも同程度の障壁特性を有する密閉を形成できない場合、密閉が容器化に関して最大の弱点となるので、使用中に貯蔵ラップとしてのそのような素材の最大の可能性は実現されない。従って、ユーザには、ゴムバンド、テープなどのような追加の固定機能を用いるものがある。素材がそれ自体又は目標表面に付着するところの素材のしわは、素材とその反対側の表面との間の領域に小さい溝を残し、それが腐敗しやすい品物の保存に所望される密閉の質に達成しない原因となり得る。ユーザには、所望の品物を二重又は三重にラップすることにより密閉の質の欠点に取り組む試みを行って、長さの増加した曲がりくねった迷路のような密閉経路を形成しようとするものがある。
【００１１】
また、素材が、それ自体及び他の表面に「付着する」、すなわち、接着剤固着よりも素材への誘引又は親和性を表すので、補足的な表面への親和性は、化学的組成、導電性、表面エネルギー、表面仕上げなどのような素材特質に大きく依存する。故に、そのような素材は、使用の容易さ及び腐敗しやすい品物の保存のために適切な密閉を形成する能力の両方において、改善の余地を残している。多くの場合、そのような素材の付着特性を提供するために利用される可塑剤、粘着付与剤及び他の付着添加剤は、臭気のように所望されない属性を完成したウェブに導入、及び／又は環境問題を起こすこともある。
【００１２】
今日一般的に使用されている素材の他の種類は、個々のシート又はロールの形状で一般的に供給される様々な組成物の、薄く適合可能なウェブを含む。そのような素材の一般的な例は、アルミ箔、コーティングした（ワックス塗布など）紙などを包含する。これらの素材は、いずれの表面上でも接着又は付着性質を表さず、その代わり、それらが品物の周囲で折り畳まれる又はラップされ、その折り畳まれた又はラップされた形状を保持することができるように、それらが形成される素材のデッドフォールド特質に依存している。これらの素材がその折り畳まれた又は折り目をつけた形状を維持する能力によって、完全に閉じられた容器構造体を提供するために、やや閉じられた硬い、やや硬い、又は可撓性容器と組み合わせる使用もできる。多くのそのような素材の障壁特性、特に酸素、湿気／水蒸気及び臭気障壁特性は、食品のような腐敗しやすい品物及び／又は環境状態へ継続して露出されることでより迅速に酸化、もしくはそうでなければ劣化する品物に所望の保存特質を提供する。
【００１３】
１９９２年８月２５日にカルホーン（Calhoun）らに対して発行された米国特許第５，１４１，７９０号は、粒子の塊を保護する凹みを有する支持ウェブを有する感圧接着テープを開示している。マギッド（Magid）らに対して発行された米国特許第４，０６１，８２０号は、気泡を有するフォームを開示している。フォームは、フォーム表面で連続気泡の空洞に圧縮されるので、感圧接着剤が連続気泡に適用され得る。フォームが放出される時、気泡は閉じて接着剤を隠す。フォームが押圧される時、フォームを目標表面に貼り付けるために、気泡は感圧接着剤を表面に移動させる。
【００１４】
ウッド（Wood）らに対して発行された米国特許第４，９５９，２６５号は、感圧接着剤の層を超えて突き出る鈍く尖った茎部を有する、接着剤でコーティングした基材を開示している。サンダ−ス（Sanders）に対して発行された米国特許第５，３４４，６９３号は、表面が共に押圧されるまで、接着剤でコーティングした表面と他の表面との間に間隔をあけるために、接着剤でコーティングした表面から外側に伸びる複数の相互連結しない間隔設定手段を有する基材を開示している。サンダース（Sanders）の間隔設定手段は、変形不可能である。サンダース（Sanders）は、先行技術が、対象の表面に力が加えられる変形可能な間隔設定手段を開示しているが、彼のスペーサーは変形不可能であるので、基材がロール状に保管される時、間隔設定は維持されることを指摘している。スペーサー部材は、各スペーサーの寸法の８０倍以下の間隔があけられている。ローリツェンらに対して発行された米国特許第５，４５３，２９６号は、ユーザの下着に取り付けるための凹んだ接着剤の模様を有する生理用ナプキンを作製する方法を説明している。
【００１５】
１９７０年６月２日にトン（Tonn）らに対して発行された米国特許第３，５１５，２７０号は、感圧接着剤でコーティングした密閉可能基材を教示している。この基材は感圧接着剤でコーティングされ、それに固着される収縮可能保護シートを有する。保護シートはスリットを有する。保護シートに熱を加えることにより、シートの一部分がスリットから収縮して、接着剤を露出する。この処置は、追加の工程、すなわち、所望の収縮を引き起こすのに充分な量ではあるが、損傷を与えるほど大きくない熱を加える工程が行われねばならないという欠点を提供する。更に、接着剤が露出されるシート用素材の選択は、熱収縮可能素材、すなわち、熱を加えると収縮によって反応する素材に限定される。
【００１６】
１９９９年７月２０日にマグワイア（McGuire）らの名前で出願され、譲渡された米国特許出願第０９／３５８，１３６号（Ｐ＆Ｇ整理番号７６２３Ｒ）、及び１９９９年４月９日にマグワイアらの名前で出願され、譲渡された米国特許出願第０９／２８９，２２２号（Ｐ＆Ｇ整理番号７４９４）、並びに１９９８年５月２２日にハミルトン（Hamilton）らの名前で公開され、譲渡された特許出願第ＷＯ９８／２１４１０号（Ｐ＆Ｇ整理番号５９２２Ｒ２）を参考として引用し本明細書に組み込む。１９９８年１１月２６日にフェレシュテコー（Fereshtehkhou）らの名前で公開され、参考として引用し本明細書に組み込む、ＰＣＴ国際公開公報ＷＯ９８／５２４５８は、スクリム材料を有する洗浄性シートを開示している。
【００１７】
ハミルトンら（Hamilton）に対して発行され、譲渡された米国特許第５，６６２，７５８号は、不注意な接着を防ぐ感圧接着剤を有する可撓性フィルムを開示している。ハミルトン（Hamilton）らに対して発行され、譲渡された米国特許第５，８７１，６０７号は、物質を含有するための空間を有する三次元構造体を有する物質供給システムを開示している。マグワイア（McGuire）らに対して発行され、譲渡された米国特許第５，９６５，２３５号は、重ね合わされた層のネスティングに抵抗するシート素材を開示している。これは、素材の中空の凸部内に配置された物質との不注意な接触を最小化する利益を提供する。上記の三つの譲渡された米国特許を参考として引用し本明細書に組み込む。
【００１８】
（発明の概要）
本発明は、面対面の関係で接合される二つ以上の層の積層体を含む。各層は、本質的に連続する網状組織を含む。これらの層の間に活性物質が配置される。これらの層の少なくとも一つの層は、活性物質に透過性である。この積層体に力を加えると、透過層を通して活性物質が露出することがある。露出すると、活性物質は目標表面に接触する又は影響を及ぼすことがある。
【００１９】
一実施形態では、積層体は第一層を準備することにより作製されてもよい。この第一層の上に活性物質が配置される。その後、複数のノズルから第二層が押出し加工されて、本質的に連続する網状組織を形成する。この本質的に連続する網状組織が、活性物質に被さる第二層を形成する。この積層体に力を加えると、活性物質が第二層を通して露出することがある。
【００２０】
この積層体は、食物貯蔵ラップとして使用可能であるために充分な可撓性、寸法、及び米国連邦医薬品局の認可を有することができる。その場合、活性物質は、接着剤を含んでもよい。
【００２１】
（詳細な説明）
図１〜図２を参照すると、本発明は、二つ以上の層１２、１４及び中間活性物質１６の積層体１０を含む。いかなる数の複数の層が本発明により用いられてもよい一方、以下に説明される特定の実施形態は、第一層１２及び第二層１４を含むことが理解されるべきである。第一層１２と第二層１４の各層は、第一面と、反対側の第二面とを含む。第一層１２と第二層１４は、面対面の関係で接合される。この配置では、第一層１２の第一面は、第二層１４の第一面に向いて接触しており、逆もまた同様である。第一層１２と第二層１４の第二面は外側に向いている。
【００２２】
積層体１０と、層１２、１４の各々は、ＸＹ平面と、それと直交するＺ方向を画定する。積層体１０は、縦方向に作製されてもよいと共に、それに直交する横方向を有してもよい。
【００２３】
本明細書で定義される時、活性物質１６とは、積層体１０に適用される又は積層体１０と一体的であり、第一層１２もしくは第二層１４のいずれかの基質から個々に、又は両方の層１２、１４を合わせたものからは得られない機能的な利益を提供する物質である。あるいは、示された活性物質１６は、積層体１０の特性に影響を及ぼす、層１２、１４から厳密には得られない利益をもたらす、又は層１２、１４が適用されるもしくは接触して配置されることができる目標表面に影響を及ぼす物質として考えられてもよい。本発明は、本明細書において以下に単一の活性物質１６のみを含むと説明されているが、複数の活性物質１６が本発明に従って使用されてもよいことを当業者ならば認めるであろう。
【００２４】
活性物質１６は、第一層１２の第一表面、第二層１４の第一表面、又はそれらの両方の上に配置されてもよく、そうでなければ結合されてもよい。更に、活性物質１６は、第一層及び／又は第二層１２、１４のいずれかの第二表面の上に配置されてもよく、そうでなければ結合されてもよい。勿論、第一の活性物質１６が、第一層及び／又は第二層１２、１４のいずれかの第一面に結合されてもよく、また任意選択的に、同一の及び／又は異なる活性物質１６が、第一層及び／又は第二層１２、１４のいずれかの第二面と結合されてもよいことを当業者ならば認めるであろう。
【００２５】
第一層
第一層１２は、本質的に連続する網状組織を含んでもよい。定義されたように、本質的に連続する網状組織は、Ｘ方向とＹ方向の両方で、又は縦方向と横方向で積層体１０の縁部まで伸びるいかなる幾何学的配置をも包含する。本質的に連続する網状組織は、図１に示されるような漁網タイプの模様に似てもよい。本質的に連続する網状組織はまた、中空でない不透過層１２、１４、及び別個の孔を有する層１２、１４を包含する。第一層１２は一定の坪量と密度であることが好ましいが、必要ではない。
【００２６】
第一層１２は、好ましくは変形可能であるので、第二層１４に関してＺ方向に動く。そのような動きは、積層体１０に加えられたＺ方向の圧縮力又は剪断力に対応する。そのような動きは好ましくは、第一層１２が、第二層１４を通って目標表面まで活性物質を供給することを可能にする。
【００２７】
第一層１２が通気可能であることが所望される場合、好ましくは第一層は、一つの実施で１０％以下、別の実施で１５％以下、及び２０％以下の開口領域を有する。積層体１０の期待される最終用途が、包帯として、又は蒸気の移動が適切である別の用途である場合、通気可能な第一層１２が望ましいことがある。
【００２８】
食物ラップの場合に発生するような密閉する目的のために、又はユーザが酸素との接触を防ぐことを望む他の物質の保存のために、積層体１０を使用することが所望される場合、中空でない又は不透過性の第一層１２が用いられてもよい。
【００２９】
選択された変形可能素材の特性は、多孔性、非多孔性、微小多孔性、気体又は液体透過性、不透過性、親水性、疎水性、吸湿性、親油性、疎油性、高臨界表面張力、低臨界表面張力、表面事前非平坦化、弾力的な生産可能性、塑造的な生産可能性、導電性及び非導電性であることの組み合わせ、又は程度を包含し得るが、これらに制限されない。層１２、１４を通る移行、及びそれらの透過性又は不透性は、それらの上に配置された活性物質１６に関するそのような特性を指すということを理解するべきである。
【００３０】
第一層１２は、箔ポリマーシート、布、織布又は不織布、紙、セルロース繊維シート、共押出し、積層体及びそれらの組み合わせを包含してもよい。適切な第一層１２は、ポリマー・フィルムから作製することができる。特に適切な第一層１２は、０．０１３ｍｍの厚さを有するＨＤＰＥのようなポリオレフィン・フィルムから作製することができる。
【００３１】
第二層
第二層１４は有孔すなわち、貫通する穴を有するべきである。穴は第二層１４全体にわたるので、第一層１２の第一面上に、第二層１４の第一面上に、又はそうでなければ第一層１２と第二層１４との間に配置された活性物質１６は、押出し加工されてもよく、そうでなければ穴を通って移動させてもよい。穴を通る押出し加工又は移動は、活性物質１６を第二層１４の第二表面に移動させる。この位置で活性物質１６は、目標表面に接触して作用してもよい。
【００３２】
第二層１４と第一層１２は、そこに加えられる圧縮又は剪断力に対応してＺ方向に変形可能であってもよい。層１２、１４の変形は、積層体１０内の中間の位置から各層１２、１４の外向きに配向した面の一つまで、一つ以上の活性物質１６の移動を可能にする。層１２、１４の変形は弾力的であってもよく、活性物質１６が目標表面に到達するのを可能にするまで続いてもよい。あるいは、変形は塑性体であってもよいので、加えられた力が解除される時、層１２、１４は厚さを回復しない。うまく行くことが見出された一実施形態では、加えられた圧縮力が取り除かれる時、第二層１４は厚さを充分に回復せず、変形を比較的永久的に塑性体にする。
【００３３】
第二層１４は、意図された使用中に、意図された使用に都合よく手で加えられ得る力で、Ｚ方向において変形可能であるべきである。力は、剪断力又は圧縮力であってもよい。好ましくは、積層体１０は、７０．３ｋｇ／ｍ²以下の圧縮力を加えると目標表面に接着する。
【００３４】
第一層１２と第二層１４は各々、第一の厚さと第二の厚さを有する。同様に、活性物質１６は、第三の厚さを有する。活性物質の厚さは、変形前及び後でさえも第二層１４の厚さより小さくてもよくそれでも第二層１４を通る活性物質１６の移行を有する。
【００３５】
第二層１４は、第一の実施で０．０８〜０．４ｍｍ、及び第二の実施で０．０８〜０．２ｍｍの範囲の厚さを有してもよい。厚さは、あまり大きすぎて活性物質１６が目標表面に接触する、又はそうでなければ影響を及ぼすのを防いではいけない。厚さは一般に、第二層１４の製造者によって呼び厚さとして特定される。
【００３６】
製造者は、リガメントの開口領域及び／又はストランド直径／厚さも特定してもよい（リガメントの横断面が円形でない場合）。これらのパラメーターとリガメントのピッチのいずれかがわかっていれば、当業者ならば他方を容易に計算できるであろう。第二層１４は、一つの実施では４０〜９５％、別の実施では５０〜６５％、別の実施では５０〜５５％の範囲の開口領域を有してもよい。第二層１４の開口領域は、圧縮力又は剪断力が積層体１０に加えられた後も維持されるべきである。力を加えた後も開口領域を維持することにより、活性物質１６は目標表面に接触、又はそうでなければ影響を及ぼすことができる。開口領域は、当該技術分野において周知であるような標準画像解析技術を使用して測定することができる。
【００３７】
一般に、開口領域と第二層１４の厚さとの間には、直接比例する関係があってもよい。厚さが増すと、変形後に活性物質１６が目標表面に接触、又はそうでなければ影響を及ぼすための充分な開口領域を維持するために、開口領域も同様に増すべきである。しかし、活性物質１６の必要な厚さと、第二層１４の開口領域との間には、反比例の関係がある。活性物質１６の厚さが増すと、活性物質１６が目標表面に接触、又はそうでなければ影響を及ぼすために、より少ない開口領域を必要とすることができる。
【００３８】
第二層１４に適切な素材は、トンプソン（Thompson）に対して発行され、譲渡された米国特許第３，９２９，１３５号、及びレーデル（Radel）らに対して発行され、譲渡された米国特許第４，３４２，３１４号に説明されるような孔あき成形フィルムを包含し、これらの両方を参考として引用し本明細書に組み込む。第二層１４はまた、スクリムを含んでもよい。スクリムが第二層１４に選択される場合、スクリムは、好ましくは得られる積層体１０に強度を付与する。しかし、都合のよい寸法のものを容易に分配できるように、積層体１０は裂くことが困難である程強すぎるべきではない。適切なスクリムは、アプライド・アトランティック・エクストルージョン社（Applied Atlantic Extrusion Co.）（マサチューセッツ州セーラム）、アプライド・エクストルージョン・テクノロジーズ（Applied Extrusion Technologies）（デラウエア州ミドルタウン）から入手可能であり、デルネット（Delnet）ＴＫ１６−３５Ｐの名称で販売され、またコンウェブ（Conweb）（ミネソタ州ミネアポリス）からＲＯ３６５０−０２４の名称で販売されている。そのような層１４は一般に、ロール形状で供給されるか、又は箱にフェストゥーン（festoon）されてもよい。
【００３９】
図３を参照すると、第二層１４は第一層１２と活性物質１６の上に押出し加工されてもよい。押出品は、複数のノズル２０を通して供給される。活性物質１６がその上に配置される第一層１２は、正しい位置に保持されるノズル２０に関して移動する。あるいは、第一層１２と活性物質１６は、正しい位置に保持されると、ノズル２０が動く。いずれの実施形態でも、動きは、縦方向と呼ぶことができる第一の方向２２に発生する。
【００４０】
第二層１４は、ポリエチレン又はポリプロピレンのような熱可塑性ポリマーを含んでもよい。一つ以上のノズル２０が、第二層１４を形成する押出品２６の形状の物質を押出し加工することができる一方、第一層１２と活性物質１６は、ノズルに関して移動する。適切なノズルは、ＩＴＷダイナテック（イリノイ州グレンビュー）からユニフォーム・ファイバー・デポジション・オメガ（Uniform Fiber Deposition Omega）ノズル２０として得ることができる。所望のいかなる数のノズル２０を使用してもよく、ノズル２０は、第二層１４の所望の幅と開口領域を提供するように配置される。
【００４１】
押出品２６は、ビーズの形状である。押出品２６は、第二の方向２４に揺れる。第二の方向２４は一般に、第一の方向に垂直であり、横方向と呼ばれることができる。振動は、当該技術分野において周知であるようにノズル２０により、又は第二の方向２４に発生する、ノズル２０と第一層１２との間の相対運動により得ることができる。更に他の実施形態では、複数のノズル２０が第二の方向２４にずれていてもよい。ずれているノズル２０が、二つ以上の列で配置されてもよい。ノズル２０の列は、押出品２６のビーズを断続的に押出し加工する。そのような断続的な押出し加工は、第二層１４をもたらす、振動するビーズの模様を提供する。押出品２６のビーズが断続的に適用され、活性物質１６が接着剤の連続層を含む場合、積層体１０が目標表面に適用される時、連続する密閉を有利に形成することができる。
【００４２】
ノズル２０は振動して、シヌソイド又はオメガ模様でビーズを押出し加工する。隣接するビーズは、位相が約１８０°異なってもよい。ビーズは、シヌソイドもしくはオメガ模様の頂部又は最高点と最低点で隣接するビーズと接触している。これらの箇所でのみ隣接するビーズに接触することにより、本質的に連続する網状組織を含む漁網模様が得られる。あるいは、押出品２６の隣接するビーズは重なり合い、交差して、本質的に連続する網状組織を形成してもよい。そのような本質的に連続する網状組織は、比較的広い開口領域を有してもよい。
【００４３】
予言的に、特に押出品２６の隣接するビーズが接触又は交差しない場合、９０％を超える開口領域が実現可能である。直線、曲線状及び／又は平行である押出品２６のビーズが、所望どおりに、第二層１４に使用されてもよい。予言的な実施形態では、押出品２６のビーズが断続的に適用されてもよい。この処置が別個の第二層１４を提供し、従って食物容器の開口部を覆うために積層体１０が使用される時、継続する密閉を提供する。
【００４４】
ビーズは硬化されて、第二層１４を形成する。第二層１４は厚さを有する。そのような厚さは、層１２、１４の間に配置される、又は閉じ込められる活性物質１６の厚さより大きくてもよい。
【００４５】
直線のグリッドを形成する第二層１４が上で説明及び描写されるが、本発明はそれに制限されないことが認められるべきである。例えば、片側又は両側で互い違いにグリッドに配置される穴の配置を有する第二層１４を用いてもよい。また、第二層１４の穴は規則的な反復模様で発生する必要はない。穴は、不規則な向きであってもよい。所望するなら、広い開口領域で別個の孔のある、又は透明の不織布を第二層１４として用いてもよい。
【００４６】
得られる積層体１０は、食物容器、丸いボウル、又は他の曲線状の物体の不規則な形状の周囲のような目標表面に適合できるべきである。また、活性物質１６に接着剤が使用される場合、得られる積層体１０は、表面に密閉可能でなければならない。
【００４７】
活性物質
適切な活性物質１６は、殺ウイルス剤と殺バクテリア剤を包含する抗菌剤、洗浄剤、香料、吸着剤及び特に接着剤を含む。活性物質１６に接着剤が選択される場合、それは感圧接着剤であるのが好ましい。感圧接着剤は、水性の、水媒介の、溶媒基剤の、又はホットメルトの接着剤のいずれかであってもよい。接着剤は、通常の使用で積層体１０を目標表面に保持するのに適切な力を有するべきではあるが、積層体１０を目標表面から剥がすのに過度の労力を供給しなければならない程強い力であるべきではない。更に、接着剤はいかなる残留物も残すべきではない。得られる積層体１０が食物容器内の腐敗しやすい品物を密閉又は食品と直接接触するために使用される場合、接着剤は、食物用適用に関して米国連邦医薬品局で認可されるべきである。
【００４８】
変形可能層１２、１４と組み合わせて用いられる活性物質１６は、積層体１０の三次元構造体内のその保護された配向から分配され、目標表面に適用されることを可能にする、一定の物理的特性を表してもよい。そのような分配は現実には、部分的に、又は実質的にもしくは全体的に完全であってもよい。例えば、積層体１０が不正開封防止機能付き密閉として使用される場合、残留物が目標表面上に残ってもよい。積層体１０が薬物を皮膚へ分配するために使用される場合、活性物質１６が目標表面に豊富に移行するのが好ましい。
【００４９】
あるいは、活性物質１６は、目標表面との接触へと配置される間、層１２、１４と結合したままであるように選択されてもよい。シート素材と結合したままであることが意図される活性物質１６の一例は、ホットメルト接着剤の層である。素材用途の必要性に適するいかなる接着剤も使用可能である。接着剤は、再締着可能、剥離可能、再密閉可能、永久的又は別の状態であってもよい。同一積層体１０を何度も使用することが予期される場合、再密閉可能接着剤が好ましい。
【００５０】
活性物質１６は、積層体１６の位置から過度に移動することなく、保管及び輸送に耐える充分な粘度を有するべきである。接着剤は、１２０℃で７５０〜３０００センチポアズの粘度を有し、積層体１０が食物容器を密閉するために使用される場合は、１８０°の引き剥がし力、１００〜３００ｇ／ｃｍの剥離力を提供するべきである。１５０〜２００ｇ／ｃｍの引き剥がし力が適切であることがわかった。勿論、本発明の積層体１０がその所望の機能を行うために、引き剥がし力の量は必要に応じて増加又は減少させてもよいことを当業者ならば認めるであろう。適切な感圧接着剤は、ＬＸ７１１０．０２、ＨＸ−２６３０−０８及びＨＸ５６３０−０３の表記でＡＴＯフィンドレ−社（The ATO Findley Company）（ウィスコンシン州ワーワトサ（Wauwatosa））から入手可能である。更に他の適切な接着剤は、ＨＬ１７１１Ｘ、ＨＬ１７１１ＸＺＰ、ＨＬ−２１１５Ｘ及びＮＷ１００７ＸＺＰの表記でＨＢフラー社（The HB Fuller Company）（ミネソタ州バドネハイツ（Vadnais Heights））から入手可能である。食物貯蔵容器に残留物を残さない前記のものから選択される接着剤は、特別の有用性を有する。
【００５１】
接着剤は目標表面上、特に、木、プラスチック、セラミック、ガラス、紙、金属及び台所で使用される他の一般的な素材などの食物貯蔵容器に残留物を残すべきではない。目標表面は、積層体１０の別の部分であってもよいことを、当業者は認めるであろう。
【００５２】
所望するならば、第一層１２は、コロナ放電で処理されてもよい。そのような処理は、目標表面に移行する残留物の量を低減することができる。コロナ処理は、第一層１２の表面エネルギーを増加させ、目標表面に対して、第一層１２への活性物質１６の優先的な接着を促進する。第一層１２は、３４〜５０ダイン／ｃｍ以上の表面エネルギーを有してもよい。活性物質１６は、目標表面上の残留物の沈着を最小化するのに充分な密着を有するべきである。
【００５３】
上記のように、接着剤の量は、目標表面への適用のために、第二層１４の穴を通って押出し加工するのを可能にするのに充分な量であるべきである。更に、透過性の第一層１２が選択される場合、接着剤の量は、第一層１２の穴を通過する押出し加工を可能にし、活性物質１６が第一層１２の第二表面に到達し得るのに充分であることが望ましいこともある。本明細書で説明される実施形態に関して、接着剤は、第一の実施で１〜６ｇ／ｍ²、第二の実施で２〜４ｇ／ｍ²、及び第三の実施で３ｇ／ｍ²のレベルで適用されてもよい。接着剤は、熱硬化性であることができ、紫外線を使用して硬化しても、電子ビームエネルギーで、又は当該技術分野において既知の他のいかなる手段によって硬化してもよい。
【００５４】
所望するならば、第二活性物質１６が、積層体１０に加えられてもよい。第二活性物質１６は、第一活性物質１６の特性を補足、補完、もしくは補強してもよく、又は全く異なる機能を行ってもよい。第二活性物質１６は、第一活性物質１６と異なる特性を提供してもよい。第二活性物質１６は、接着剤を阻止するための粒子物質を含んで、活性物質１６により提供される接着剤の量を低減してもよい。あるいは、第二活性物質１６は、カプセルに包まれた接着剤を含んでもよい。接着剤のカプセルは、目標表面に加えられた圧力で破裂する。カプセルの破裂はその後、目標表面への積層体１０の追加的な接着を提供する。故に、第二活性物質１６は、第一活性物質１６により提供される接着剤の量を増加させる又は減少させるのいずれかであってもよい。
【００５５】
活性化で積層体１０から解放されることが意図される活性物質１６の分配を容易にするために重要であると考えられる活性物質１６の特性は、目標表面に対する活性物質１６の相対的な親和性対変形可能層１２、１４に対する活性物質の相対的な親和性を包含する。活性物質１６は、それ程ではないにせよ、積層体１０及び／又は活性物質１６自体の別の部分よりも目標表面に優先的に接着するべきであると、現在は考えられている。前記とは異なり、活性物質１６は、それ自体及び／又は積層体１０よりも、目標表面に対してより少ない親和性を有する。
【００５６】
解放されることが意図される活性物質１６は、シート素材内の保護された位置からの解放を可能にする粘度と流出特質を本来有することができるか、又は解放と分散を可能にする粘度の変更を必要としてもよい。粘度の変更は、選択された活性化のモードに応じて粘度の変更を行う活性物質１６の選択により得ることができる。例えば、圧縮力のような機械的活性化について、「ずり減粘」（擬塑性又は揺変性）活性物質１６と一般的に呼ばれる活性物質１６を用いることが望ましいと共に好ましいことがある。そのような活性物質１６の例は、ポリマー溶液、歯磨き及びボディークリームのような数多くのジェル及びペースト、ペンキ、ゲル化した木材着色剤などを包含する。他の物質は、一定の閾値の剪断応力（降伏応力）に到達した又は越えた後にのみ、ずり減粘物質として作用する。そのような物質は一般にビンガム可塑物質と呼ばれ、そのような作用を表す活性物質１６の一般的な一例は、ケチャップとして既知の調味料のタイプである。
【００５７】
目標表面に対する活性物質１６の接着性又は親和性に影響を及ぼすと考えられる要因のいくつかには、静電荷又は電荷；水素結合、共有結合、イオン結合、部分的イオン結合（部分的二極引力）、ファンデルワールス力、浸透力などによる化学結合；毛管圧（吸引）；吸収；吸収；真空／吸引などが挙げられる。他の重要な要因は、目標表面上の活性物質１６の接触角度によって反映されるような、目標表面上への活性物質１６の湿潤性が挙げられる。
【００５８】
目標表面上への活性物質１６の広がり又は分散を容易にするために、変形可能活性物質１６の上で局地化した配向の場合、局地化した分配模様に留まる活性物質１６の傾向を特に防止するために、目標表面上で湿潤であるように仕立てられた活性物質１６を用いることが、現在好ましい。目標表面上への活性物質１６の分散又は分配を助けることができる他の要因には、ずり減粘作用、及び活性化の後ではあるが変形可能素材を目標表面から除去する前に横方向の機械的な動きを付与するために複合シート素材のユーザにより提供される機械的拡大作用を表す活性物質１６の使用が挙げられる。そのような横方向の機械的な動きは、ずり減粘活性物質１６の場合のような活性物質１６との追加的な相互作用も提供することができ、泡立ち、フォーム生成、洗浄／摩擦作用などのような追加的な利益を提供することができる。
【００５９】
上記で検討したように、本発明の原理に従う使用のために多種多様な活性物質１６を選択することができる。説明的な目的のための代表的な活性物質１６には、石鹸及び洗剤のような洗浄剤、ローションのような皮膚軟化剤、軟膏、抗炎症クリームなどのような薬剤、並びに制汗剤、防臭剤、徐放性医薬品、経皮的医薬品、局所効果医薬品、保湿剤、化粧品、芳香剤などを包含する健康及びビューティーケア製品が挙げられる。そのようなシート素材のより多様化した他の用途には、潤滑剤、着色剤、オイル及びワックスのような防護剤、接着剤、防腐剤などのような自動車及び家庭製品用アプリケータ、並びに調味料（マスタード、ケチャップなど）のような食物向きの用途が挙げられる。
【００６０】
不注意な接触から保護されているだけでなく、最初は互いから分離（シート素材の同一面又は反対の面で）されている複数の活性物質１６が使用されてもよく、複数の活性物質１６は活性化過程中又はその後の分配及び／又は分散操作中に混合されてもよい。そのような処置は、互いに及び／又は目標表面に追加的な機能性を提供するために、互いに有利に相互反応する（例えば、共分配エポキシ類、触媒反応など）活性物質１６に特に有用であり得る。異なるレベルの接着剤粘着を有する感圧接着剤のような、目標表面に対して異なる程度の親和性を有する同様の活性物質１６が使用されてもよい。
【００６１】
活性物質１６選択への説明的な一つの方法は、特性が異なる（共通の特性の程度が異なる又は異なる特性を表す）、及び／又は活性化の複数の連続する段階で変形する凸部の組成物が異なる複数の活性物質１６を提供することである。例えば、活性化の第一レベルで変形し、より二次元的になるように設計された凸部及び／又は第二層１４は、第一活性物質１６を含有しても（又はそれに囲まれても）よいのに対し、活性化の第二レベルで変形し、より二次元的になるように設計された凸部及び／又は第三層（図示せず）は、第二活性物質１６などを含有しても（又は、それに囲まれても）よい。そのような素材の一例は、変形するための凸部及び／又は第二層１４の中又は周囲のわずかに粘着性のある感圧接着剤、及び活性化の後半の段階で変形するように設計された、凸部と層１２、１４の中又は周囲のより強い感圧接着剤を包含するシート素材である。故に、そのような素材は、次の活性化段階でのより強い（及びおそらくより永久的な）接着力の活性化の前に、適切な配置のためにシート素材を目標表面に剥離可能に固定する小さい初期接着力を提供することができる。
【００６２】
複数の活性物質１６が本発明と共に使用されるために選択される場合、平行に、すなわち同時に、又は連続して、すなわち順次に目標表面に適用及び／又は作用してもよい。複数の活性物質１６が目標表面に同時に適用又は作用する場合、各々は、異なる模様で層１２、１４の一つの層の内側表面に適用されてもよい。この配置は、活性化により同時移行を可能にする。
【００６３】
本明細書で説明される積層体１０は、食物貯蔵ラップとしての使用に特に適切である。この最終用途に適合するために、積層体１０は、当該技術分野において既知であるように芯巻きで無限の長さであってもよい。あるいは、積層体１０は、必要に応じて、個々に分配された又は複数の別個のシートを含んでもよい。いずれの形式においても、積層体は、一つの実施で少なくとも１５ｃｍ、別の実施で少なくとも２０ｃｍ、別の実施で少なくとも２５ｃｍ、及び更に別の実施で少なくとも３０ｃｍの幅を有するべきである。積層体が切断されて積み重ねの形式で分配される場合、長さは幅に比例してもよいので、２：１未満の縦横比（いずれかの配向で）が維持される。上記の縦横比は、芯巻き製品における切断と切断の間の長さを適切に選択することによって得られてもよい。積層体１０は、食物と直接接触するために衛生的であり、米国連邦医薬局に認可されるべきである。また、積層体１０は、冷蔵から周囲空気まで、またある実施では冷凍からレンジ加熱までを少なくとも含む温度範囲に適応し得るべきである。
【００６４】
方法
活性物質１６は、第一層１２の第一表面全体にわたって均一に転写することにより、模様状に転写することにより、第一表面全体にスプレーすることにより、模様状にスプレーすることにより、ノズルからの押出し加工により、第一層１２との共押出しにより、第一層１２の第一表面に適用することができ、それらのすべてが当該技術分野において周知である。所望する場合、活性物質１６は、同様の技術を用いて第二層１４の第一表面に追加的に又は代わりに適用されてもよい。接着剤が第二層１４の第一表面にスプレーされる場合、第二層１４の穴を形成する側壁のＺ方向の厚さも、おそらく活性物質１６を含有又はそれでコーティングもされていることを当業者ならば認めるであろう。第二層１４の穴の側壁に配置されたそのような活性物質１６は、Ｚ方向に加えられた圧力に応じて、目標表面への活性物質１６の迅速な適用を助ける。
【００６５】
第一及び第二層１４は、当業者に周知の技術を使って巻き戻しスタンドから取られてもよいが、ここでは繰り返さない。積層体１０は、層１２、１４の接合を確実にするために軽い圧力でニップを通過させてもよい。４００〜６００ｇ／リニアセンチメートルの圧力が、この目的のために適切であることが見出された。所望する場合、層１２、１４は、当該技術分野において周知であるようなエンボス加工により共に接合されてもよい。
【００６６】
一つの代替実施形態では、第一層１２は伸長性があってもよい。第二層１４は、活性物質１６を露出しない低坪量領域を含んでもよい。張力で積層体１０を伸長させると、第二層１４の低坪量領域は破裂する。低坪量領域の破裂は、目標表面への適用のために活性物質１６を露出させる。低坪量領域の代わりに、第二層１４は、第一層１２より伸長性が少ないだけである複数の領域を含んでもよい。これらの領域の破裂は、活性物質を露出させる。この実施形態は、使用時点まで活性物資１６が隠されて保護されるという利点を提供する。
【００６７】
別の代替実施形態では、層１２、１４の両方共、液体不透性である。しかし、層１２、１４の少なくとも一つの層は、適用された力に応じて蒸気透過性である。この実施形態は、メンソール又はアロマテラピーに使用されることがあるように、蒸気のような活性物質１６の放出を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図１】部分的に破断して示した、本発明による代表的な積層体の断片平面図である。
【図２】図１の線２〜２に沿って取った垂直な断面図である。
【図３】本発明の一つの実施形態を作製するための装置と方法の概略の斜視図である。

Claims

ＸＹ平面及び前記ＸＹ平面に直交するＺ方向を画定する食物貯蔵ラップ積層体であって、前記食物貯蔵ラップ積層体が、面対面の関係で接合される第一層及び第二層を含み、前記第一層及び前記第二層の各々が、第一面及び前記第一面と反対側の第二面を有し、前記第一層の前記第一面及び前記第二層の第一面が、他方の層の前記第一面に内向きに配向し、
前記第一層が、連続する網状組織を含み、
前記第二層が、連続する網状組織を含み、
前記第一層の前記第一面及び前記第二層の前記第一面の少なくとも一つの面が、前記少なくとも一つの面の上に配置される活性物質を有し、
前記第一層及び前記第二層の少なくとも一つの層が、前記活性物質の移行に透過性であり、ここで前記活性物質が、適用圧縮力に応じて目標表面に接触する、食物貯蔵ラップ積層体。
前記第一層が、第一の厚さを有し、前記第二層が、第二の厚さを有すると共に前記活性物質の移行に透過性であり、前記活性物質が、第三の厚さを有し、前記第二の厚さが、前記第三の厚さより大きい、請求項１に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記積層体への張力の適用後にのみ前記活性物質が、前記第二層を貫通して露出する、請求項２に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記第一層が、前記活性物質の移行に不透過性である、請求項２に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記第一層が、ポリマー・フィルムを含む、請求項４に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記ポリマー・フィルムが、孔なしポリオレフィン・フィルムを含む、請求項５に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記第二層が、少なくとも５０％の開口領域を有する、請求項４に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
前記第二層が、スクリム材料を含む、請求項７に記載の食物貯蔵ラップ積層体。
請求項１に記載の食物貯蔵ラップ積層体を作成する方法であって、前記方法が、
前記第一面及び前記第一面の反対側にある前記第二面を有して孔なしである前記第一層を準備する工程と、
前記第一層の前記第一面上に活性物質を配置する工程と、
流動性物質を押出し加工するための複数のノズルを準備する工程と、
前記第一層及び前記複数のノズルの少なくとも一方を他方に関して第一の方向に移動させる工程と、
熱可塑性物質の複数の流動性ビーズを前記複数のノズルから前記第一層の前記第一面上に押出し加工することによって前記活性物質を前記第一層と前記複数のビーズとの間に配置する工程と、
前記複数のビーズを第二の方向に振動させ、前記第二の方向が前記第一の方向に垂直であり、それによって前記複数のビーズが模様付き前記第二層を形成する工程と、
前記連続する網状組織が前記第一層の前記第一面から伸びる厚さを有するように前記複数のビーズを硬化させる工程と、
を含む方法。
前記複数の流動性ビーズを前記第一層上に押出し加工する前記工程が、前記流動性ビーズを断続的に押出し加工する工程を含む、請求項９に記載の方法。
前記活性物質を前記第一層上に配置する前記工程が、前記活性物質の連続する層を前記第一層上に配置する工程を含む、請求項１０に記載の方法。