JP4275915B2 - 蓄熱方法,蓄熱槽用供給部材及び氷蓄熱システムの運転方法 - Google Patents

蓄熱方法,蓄熱槽用供給部材及び氷蓄熱システムの運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,蓄熱方法,いわゆるダイナミック型氷蓄熱システムに使用するのに適した蓄熱槽用供給部材,及び当該氷蓄熱システムの運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
氷蓄熱システムは高密度に熱を蓄えられるものの,例えば冷熱負荷需要によっては,冬期に氷蓄熱システムの設備を休止する場合がある。かかる場合,冷水蓄熱や,さらには温水蓄熱の蓄熱設備として利用できれば,設備自体を有効に活用することができる。
【0003】
この点に関して,例えば特許第3300714号公報には,ダイナミック型氷蓄熱システムの蓄熱槽に対して,蓄氷運転時には蓄熱槽の水面下に設置されたディストリビュータを通じて氷・水スラリーを蓄熱槽に供給し,一方温水蓄熱時には,前記ディストリビュータを通じて温水を水面近傍から水中に供給するようにして,ダイナミック型氷蓄熱システムの蓄熱槽を有効に利用することが提案されている。
【0004】
そしてかかる先行技術において開示されているディストリビュータは,供給口の先端にドーナツ状の円板を取り付け,さらに該円板の上方に同外形の円板を取り付けた構造であり,しかもこれを水面下に配置しているため,蓄氷運転の際にも氷・水スラリー状態のシャーベット状の氷を両円板の間から水中に放出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらそのように水面下に位置する両円板の間から氷・水スラリー状態のシャーベット状の氷を水中に放出しているのでは,吐出した氷で両円板間の放出口が閉塞する恐れがあり,また水中で分離した氷部分が浮遊し,その後次第に蓄氷する過程において圧密度合いに限界があり,その結果蓄わえる潜熱の量にも限界があり,さらなる改善が待たれるところであった。
【0006】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,同一配管を通じて,蓄氷時には蓄熱槽内にシャーベット状の氷を供給し,かつ蓄熱槽を顕熱蓄熱槽として使用する場合に顕熱用水を供給することができ,しかも放出した氷で放出口が閉塞せず,また蓄氷時には蓄熱槽内に圧密度の高い蓄氷を可能とする蓄熱方法,蓄熱槽用供給部材,並びに該蓄熱槽用供給部材を使用した氷蓄熱システムの運転方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,請求項1によれば,シャーベット状の氷を生成し,当該シャーベット状の氷を配管を通じて蓄熱槽内に供給する蓄熱方法において,垂直に配置される筒型の本体と,前記本体の頂上部に形成されて前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部と,前記本体の側面に形成されて前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部と,を有する蓄熱槽用供給部材を前記配管に取り付け,氷蓄熱運転時には,第1の開口部からシャーベット状の氷を吐出し,顕熱蓄熱時には,前記配管を通じて供給される温水が第2の開口部から槽内に吐出するように,第2の開口部の通過抵抗と,前記シャーベット状の氷の配管内の流速,並びに前記顕熱用水の配管内の流速を設定することを特徴とする,蓄熱方法が提供される。
【0009】
本発明にかかる蓄熱槽用供給部材は,第1の開口部を蓄熱槽内の液面上に,かつ第2の開口部を液面下に位置して使用され,蓄氷時など,氷蓄熱時にはシャーベット状の氷を,冷温水蓄熱時には顕熱用の冷水や温水配管を通じて供給される
【0011】
氷蓄熱運転時には,第1の開口部からシャーベット状の氷を吐出し,顕熱蓄熱時には,前記配管を通じて供給される温水が第2の開口部から槽内に吐出するように,第2の開口部の通過抵抗と,前記シャーベット状の氷の配管内の流速,並びに前記顕熱用水の配管内の流速を設定することで,氷蓄熱運転時には,シャーベット状の氷は第1の開口部から噴出して,蓄熱槽内に放出される。この場合,空気中に放出され,液面上に堆積していくので,高密度の蓄氷を実現することが可能である。また第1の開口部が閉塞する可能性は従来より大幅に低減している。
【0012】
一方温水蓄熱時においては流量を少なくして配管内に温水を供給することで,本体側面の第2の開口部から温水が蓄熱槽内の水面下に流れ出る。したがって,温水の密度差を利用した温度成層蓄熱を実施することが可能である。
【0013】
しかも以上の作用の実現にあたっては,人為的な弁の切換操作などが不要である。
【0014】
また本発明によれば,蓄熱槽内にシャーベット状の氷を供給するための供給部材であって,前記シャーベット状の氷を蓄熱槽内に供給する配管に取り付けられ,垂直に配置される筒型の本体と,前記本体の頂上部に形成されて,前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部と,前記本体の側面に形成されて,前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部とを有し,前記第2の開口部は複数のスリット又は小径の孔からなることを特徴とする,蓄熱槽用供給部材が提供される。
【0015】
かかる構成の蓄熱槽用供給部材も,先の蓄熱槽用供給部材と同様,第1の開口部を蓄熱槽内の液面上に,かつ第2の開口部を液面下に位置しており,蓄氷時にはシャーベット状の氷を,冷温水蓄熱時には顕熱用の冷水や温水配管を通じて供給する。このときシャーベット状の氷の供給時には,流速を例えば1m/s以上とすることにより,第2の開口部を通過する際の圧力損失が,上方の第1の開口部への流路,すなわち水頭圧より大きくなり,シャーベット状の氷は第1の開口部から優先的に噴出して,蓄熱槽内に放出される。一方,冷水や温水を供給する場合には,その1/10の流速,例えば0.1m/s以下とすることにより,第2の開口部のみから蓄熱槽内の水面下に顕熱用水を流れ出させることができ,しかも温度成層を乱さない。
同じ蓄熱槽を用いる場合,氷・水スラリーと温水では密度の差があり,これも合わせて考慮して流量を変える。そのため既述したように,氷蓄熱の場合の流量が温水蓄熱の約10倍程度のときには,氷・水スラリーの流速は温水の流速の10倍程度となる。但し,パンチング板,その他の抵抗部材の選択によって,流速を5倍以上としてもよい。
【0016】
これらの蓄熱槽用供給部材において,本体における第2の開口部の下側周囲に,水平板を設けたり,またさらに本体における第2の開口部の上側周囲に,また別の水平板を設ければ,第2の開口部から温水などが流れ出て行く際に,均一に拡散して好適な温度成層を実現することが可能になる。
【0017】
また本発明によれば,蓄熱槽内の水を取水してシャーベット状の氷を生成し,当該シャーベット状の氷を配管を通じて蓄熱槽内に供給するように構成された氷蓄熱システムにおいて,前記配管に対して請求項〜4のいずれかに記載の蓄熱槽用供給部材が取り付けられ,シャーベット状の氷を供給する際には,前記蓄熱槽用供給部材における前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部からシャーベット状の氷を吐出させ,前記蓄熱槽を顕熱蓄熱槽として利用する場合には,前記配管を通じて前記蓄熱槽用供給部材における前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部から顕熱用水を槽内に供給することを特徴とする,氷蓄熱システムの運転方法が提供される。
【0018】
かかる運転方法により,同一の蓄熱槽用供給部材から氷蓄熱時にはシャーベット状の氷を蓄熱槽内に供給して高密度の蓄氷が可能になり,顕熱蓄熱時には温水などを供給して温度成層の良好な蓄熱が行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に,本発明の好ましい実施の形態を図面に基いて説明する。図2は,本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材1を使用した,ダイナミック型の氷蓄熱システムSの全体の構成を示しており,蓄熱槽11の底部には,取水部12が設置されている。この取水部12はパンタングメタルやメッシュで外形が囲まれており,その中に取水管13の取水口(図示せず)が開口している。
【0020】
取水管13を通じてポンプ14によって取水された水は,冷凍機,例えばダブルハンドルターボ冷凍機15に送られ,凝縮側にて加熱可能である。そして加熱され温水となった水は蓄熱槽11内に通ずる供給管16にて蓄熱槽11に供給することが可能になっている。なお取水管13のポンプ14の上流側には,バルブV1が設けられ,供給管16の途中にもバルブV2が設けられている。
【0021】
前記バルブV1の上流側には,分岐取水管21の一端部が接続され,その他端部は,過冷却器22に接続されている。分岐取水管21には,バルブV3,その下流側にポンプ23が設けられている。過冷却器22は,例えばシェルアンドチューブ型を有し,ブライン冷凍機24との間でブラインが循環し,分岐取水管21から過冷却器22に供給された水を,0℃以下の過冷却状態にして,過冷却解除器25に吐出する構成を有している。すなわち,蓄熱槽11から熱媒となる水を取水する取水管は水加熱器(図示せず)と水冷却器(図示せず)に接続され,両熱源機器への通水が切り換えられるようになっている。またバルブV1とバルブV2は温水製造時には開放,氷・水スラリー生成時には閉鎖され,バルブV3は,前記2つのバルブとは逆の動作をする。
【0022】
過冷却解除器25において過冷却状態が解除され生成される,氷・水スラリーのいわゆるシャーベット状の氷は,過冷却解除器25の下部に接続された移送管26から,バルブV2の下流側にて供給管16へと移送される。供給管16は,蓄熱槽11内において槽の底部を横切る本管16aから分岐して立ち上げ管16bが垂直に(図示の例では間隔をおいて2本)配管され,その先端に本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材1が取り付けられている。
なお図示はしないが,蓄熱槽11中の熱媒(温水や氷・水スラリー)は,空調機や,一次側と二次側を区画する熱交換器などの空調負荷,その他の冷却・加熱負荷に送られ,温度調整に供された後,返送される。この時の熱媒の取水口は,例えば蓄熱槽11の底部に設けられる。
【0023】
本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材1は,図3,図4にその詳細を示したように,筒状の本体31の頂上部に第1の開口部32が形成され,本体31の側面全周に第2の開口部となる小孔33が多数形成されている。本体31における小孔33が形成されている領域を,パンチングメタルなどの多孔板で形成すれば,製作が容易である。
【0024】
そして蓄熱槽用供給部材1における最上段に位置する小孔33から第1の開口部までの高さhと,小孔33の大きさ,数は,小孔33を流れ出る際の通過抵抗が,高さhの水頭圧以上となるように,各々設定されている。すなわち小孔33を流れ出る際の水位差(水頭圧)が,高さhの水頭圧以上となるように,各々設定されている。
【0025】
本体32における最下段に位置する小孔33の下側外周には,環状の第1の円板34が同心状に取り付けられており,本体32における最上段に位置する小孔33の上側外周には,環状の第2の円板35が同心状に取り付けられている。そしてかかる構成を有する蓄熱槽用供給部材1は,図2に示したように,第1の開口部32が,蓄熱槽11内の水面より突出し,かつ第2の開口部を構成している小孔33の中で,最上段に位置する小孔33が水面下に位置するように,供給管16の先端に取り付けられ,配置されている。
【0026】
氷蓄熱システムSは,以上の構成を有しており,まず潜熱を利用する氷蓄熱時の運転について説明すると,図2に示したように,バルブV1,V2を閉鎖し,バルブV3を開放して,過冷却器22,ブライン冷凍機24を稼働させる。そうすると過冷却解除器25において生成されたシャーベット状の氷が,供給管16を通じて蓄熱槽用供給部材1の第1の開口部32から垂直に噴出される。このときの供給管16内を流れる氷・水スラリーの搬送速度は,既述したように,1m/s以上としてもよく,また後述の発明者らの実験に基づいた提案例のように,0.8m/s以上,すなわち温水の搬送速度の6倍以上の速度(空塔速度,換言すれば供給管16の軸方向の流速)としてもよい。そのため過冷却解除器25の設置高さ,より詳述すれば,略筒状の過冷却解除器25内における水面の高さが,第1の開口部32よりもある程度高く,例えば1000mm程度高くなるように設定しておく。もちろんかかる設定は,例えば500mm〜2000mmの範囲で設定してもよい。
【0027】
ここで第2の開口部を構成している小孔33での圧力損失は,高さhの水頭圧よりも大きく設定してあるので,シャーベット状の氷は,小孔33よりも第1の開口部32から優先的に噴出する。したがって,シャーベット状の氷は,第1の開口部32から垂直に噴出され,噴水のように周囲に均等に放出され,水面上に堆積していく。そしてその後もこのような蓄氷運転を続けていくことで,蓄熱槽11内の氷は,堆積していく氷の自重と,落下の際の圧力とによって高度に圧密されたものとなっていく。しかも噴水のようにして大気中で周囲に放出しているので,第1の開口部32が閉塞することはない。
【0028】
一方,顕熱蓄熱時,例えば温水蓄熱時には,次のように運転される。まず図5に示したように,分岐取水管21のバルブV3を閉鎖し,取水管13のバルブV1,供給管16のバルブV3を開放する。これによって蓄熱槽11とダブルハンドルターボ冷凍機15との間で循環系が構成される。そして取水管13からの蓄熱槽11内の水は,ダブルハンドルターボ冷凍機15の稼動によって加熱されて温水となり,供給管16を通じて蓄熱槽用供給部材1に供給される。このときの供給管16を流れる温水の流速は,例えば0.1m/s以下としてもよく,また後述の発明者らの実験に基づく提案例のように,0.15m/s以下,つまり別な指標でいえば,氷・水スラリーの1/6以下の流速としてもよい。
【0029】
かかる流速によって蓄熱槽用供給部材1に供給された温水は,前記した高さhの水頭圧以下であり,本体31の頂上部にある第1の開口部まで到達することなく,より下方に位置する第2の開口部を構成している小孔33から,水中の水平方向に吐出される。このとき小孔33の最下段の小孔33の下側周囲には,第1の円板34が設けられているので,小孔33から吐出された温水は,該第1の円板に沿って整流され,ゆっくりとした速度で本体の周囲に均一に流れ出て行く。したがって蓄熱槽11内の温度成層を乱すことはない。特に本実施の形態では,第2の開口部を構成する小孔33群の中で最上段に位置する小孔33の上側にも,第2の円板35が設けられているので,そのような整流効果はさらに向上している。
【0030】
図3に示した蓄熱槽用供給部材1を採用した場合,発明者らの実験結果にによれば,小孔33の径やピッチをも考慮すると,例えば各部の設定は次のものを提案することができる。蓄熱槽用供給部材1の1基あたりの運転条件について,氷・水スラリーについての供給水量を104m/h,温水についての供給水量を15.6m/hとした場合,
第1の開口部32の径:150mm
小孔33の穴径:3mm
小孔33のピッチ:6mm
開口率:0.100835
高さh:110mm
第1の円板34と第2の円板35との間の間隔:50mm
のものが提案できる。
かかる場合,氷・水スラリーの本体31内を流れる流速は,0.817803m/sで,一方温水のときの流速は,0.12267m/sとして,所期の目的を達成することができた。
【0031】
以上のように,本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材1を使用すれば,ダイナミック型の氷蓄熱システムSにおいて,蓄熱槽11を氷の潜熱を利用した氷蓄熱時はもちろんのこと,水の顕熱を利用する温水蓄熱のときもそのまま利用できる。しかも人為的な弁の開閉操作などをすることなく,第1の開口部32から噴出させて水面上にこれを堆積させて高密度で蓄氷させることができ,また一方,水面下に位置している多数の小孔33から水平方向に温水を吐出させて良好な温度成層の蓄熱を実現することが可能である。
【0032】
しかもシャーベット状の氷は槽内の水面上に突出している第1の開口部32から噴水のように噴出させているから,噴出した氷によって開口部が閉塞するおそれはないものである。
【0033】
前記実施の形態で用いた蓄熱槽用供給部材1においては,本体31の側面全周に第2の開口部となる小孔33を多数形成した構成としていたが,当該小孔33が形成されている側面の外周で,かつ第1の円板34と第2の円板35との間に,さらにパンチングメタル等によって構成された筒状の部材を例えば,二重,三重と配置してもよい。これによって温水吐出の際の整流効果がさらに向上する。
【0034】
なお前記実施の形態で用いた蓄熱槽用供給部材1の本体31は,円筒形状のものを使用したが,これに限らず例えば図6に示した本体41のように角筒形状のものであっても良い。この場合,小孔33から吐出される温水を周囲に均一に拡散させる整流板42も,同図に示したような方形のものであってもよい。
【0035】
さらにまた図7に示した蓄熱槽用供給部材51は,本体52を上側部52a,下側部52bに分割させた形状とし,上側部52aの下端と,下側部52bの上端を外周から覆う径大の筒状部材53を,上側部52aの下端と下側部52bの上端との間に配置した構成を有している。そして筒状部材53と本体52の間の空隙54が第2の開口部を構成している。なお筒状部材53は,適宜の支持部材55で上側部52a,下側部52bと接続されている。かかる構成の蓄熱槽用供給部材51を用いても,人為的な弁切り替え操作なしに,シャーベット状の氷を上側部52aの頂上部に形成されている第1の開口部32から噴出させ,また一方空隙54から温水を吐出させることができる。
【0036】
また図8に示した蓄熱槽用供給部材61のように,本体62を,筒状の外側本体62aと内側本体62bの二重構造とし,両者間に適宜の支持部材63を渡した構成としてもよい。かかる場合には,外側本体62aの頂上部の開口が第1の開口部32を構成し,外側本体62aと内側本体62bとの間の空隙dが,本体62側面の第2の開口部を構成する。
その他,例えば上記した本体52を上側部52a,下側部52bに分割させた形状とし,両者間に隙間を空け,上側部52aの下端と下側部52bの上端部との間に,接続と抵抗を兼ねた適宜の柱部材を適宜間隔の下で,例えば環状に配置したような構成としてもよい。この場合には,当該柱部材相互間の空隙が,第2の開口部を構成することになる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば,同一の配管を通じて,蓄氷時には蓄熱槽内にシャーベット状の氷を供給し,かつ蓄熱槽を顕熱蓄熱槽として使用する場合に顕熱用水を供給することができ,しかも放出した氷で放出口が閉塞せず,また蓄氷時には蓄熱槽内に圧密度の高い蓄氷が可能になる。そのうえ人為的な弁の操作が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイナミック型氷蓄熱システムと温度成層型の温水蓄熱との水量比等の比較を示す図表である。
【図2】 本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材を使用した氷蓄熱システムの構成の概略を示し,蓄氷時の説明図である。
【図3】本実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材の斜視図である。
【図4】図3の蓄熱槽用供給部材の側面断面図である。
【図5】図2の氷蓄熱システムにおいて温水蓄熱時の説明図である。
【図6】各筒型の本体を有する他の実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材の斜視図である。
【図7】分割型の本体を有する他の実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材の斜視図である。
【図8】二重筒型の本体を有する他の実施の形態にかかる蓄熱槽用供給部材の斜視図である。
【符号の説明】
S 氷蓄熱システム
1 蓄熱槽用供給部材
11 蓄熱槽
16 供給管
31 本体
32 第1の開口部
33 小孔
34 第1の円板
35 第2の円板

Claims (5)

  1. シャーベット状の氷を生成し,当該シャーベット状の氷を配管を通じて蓄熱槽内に供給する蓄熱方法において,
    垂直に配置される筒型の本体と,前記本体の頂上部に形成されて前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部と,前記本体の側面に形成されて前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部と,を有する蓄熱槽用供給部材を前記配管に取り付け,
    氷蓄熱運転時には,第1の開口部からシャーベット状の氷を吐出し,顕熱蓄熱時には,前記配管を通じて供給される温水が第2の開口部から槽内に吐出するように,第2の開口部の通過抵抗と,前記シャーベット状の氷の配管内の流速,並びに前記顕熱用水の配管内の流速を設定することを特徴とする,蓄熱方法。
  2. 蓄熱槽内にシャーベット状の氷を供給するための供給部材であって,
    前記シャーベット状の氷を蓄熱槽内に供給する配管に取り付けられて,垂直に配置される筒型の本体と,
    前記本体の頂上部に形成されて,前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部と,前記本体の側面に形成されて,前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部とを有し,
    前記第2の開口部は複数のスリット又は小径の孔からなることを特徴とする,蓄熱槽用供給部材。
  3. 前記本体における第2の開口部の下側周囲に,水平板が設けられていることを特徴とする,請求項に記載の蓄熱槽用供給部材。
  4. 前記本体における第2の開口部の上側周囲に,水平板が設けられていることを特徴とする,請求項に記載の蓄熱槽用供給部材。
  5. 蓄熱槽内の水を取水してシャーベット状の氷を生成し,当該シャーベット状の氷を配管を通じて蓄熱槽内に供給するように構成された氷蓄熱システムにおいて,
    前記配管に対して請求項〜4のいずれかに記載の蓄熱槽用供給部材が取り付けられ,
    シャーベット状の氷を供給する際には,前記蓄熱槽用供給部材における前記蓄熱槽内の液面上に突出する第1の開口部からシャーベット状の氷を吐出させ,
    前記蓄熱槽を顕熱蓄熱槽として利用する場合には,前記配管を通じて前記蓄熱槽用供給部材における前記蓄熱槽内の液面下に位置する第2の開口部から顕熱用水を槽内に供給することを特徴とする,氷蓄熱システムの運転方法。
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