JP4275721B1 - 粒状物の付着物脱離方法及び粒状物付着物脱離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明は、過熱水蒸気を用い、粒状物に付着した付着物を脱離する方法を化学的処理と組み合わせて改善することを課題とする。
【解決手段】粒状物に付着した重金属イオン物質もしくは陰イオン物質等の脱離方法として、前記粒状物に過熱水蒸気を当てる過熱水蒸気ステップに加え、前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは後に、前記粒状物に冷却液を兼ねる酸性溶液又はアルカリ溶液を接触させる溶液処理・冷却ステップや最初の前記過熱水蒸気ステップの前に前記粒状物を酸性溶液またはアルカリ溶液に浸漬する浸漬ステップを設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、砂、土、粒状の吸着剤などの粒状物に付着した付着物を脱離するための方法および装置に関する。なお、本願において「付着」とはファンデルワールス力により物理的に粒状物表面(表面中に形成されるの穴の内面を含む)に付着している場合と共有結合などにより化学的に粒状物表面に結合して付着している場合の両方が含まれる。また、「脱離」とはいわゆる脱離反応を意味するものではなく、単に粒状物から付着物が離れることを意味する。
従来、吸着剤により有害物質を吸着させた後、吸着剤から有害物質を脱離することが行われる。例えば、重金属イオン物質を取り込んだイオン交換樹脂から重金属イオン物質を脱離する場合は、当該イオン交換樹脂を多量の高濃度の酸またはアルカリ溶液中に浸漬し、化学的に重金属イオンをイオン交換樹脂から分離させる方法がある。
また、有機物質が吸着した多孔質吸着剤である活性炭から有機物質を脱離する場合には、高温の過熱水蒸気に数十分さらすことで、有機物質を気化分解する方法がある。
イオン交換樹脂から重金属イオン物質を除去する場合、大量の高濃度アルカリ溶液を大量に使用するため、大型の施設が必要であり、また大量の廃液が発生する。さらに、処理に数時間を要し、脱離後のイオン交換樹脂を再生するために大量の水で水洗する必要がある等種々の欠点がある。
また、活性炭から有機物質を脱離する場合は大量の反応溶液を要することはないが、処理にエネルギーと時間がかかるという問題がある。例えば、300℃の過熱水蒸気を用いて有機物質を分解する場合は、60分以上の時間をかける必要がある。この試験結果を図7に示す。図7に示すのは、有機物質を吸着した活性炭100gを300℃の過熱水蒸気に反応させた場合における、時間ごとの有機物質の分解率を示したものである。また、500℃の過熱水蒸気を用いる場合は、30分から40分の時間を掛ける必要がある。この試験結果を図8に示す。図8に示すのは有機物質を吸着した活性炭100gを500℃の過熱水蒸気に反応させた場合における、時間ごとの有機物質の分解率を示したものである。また、この方法は長時間高温に晒すために酸素があると活性炭が酸化により劣化するためほぼ無酸素状態にする必要が在り、処理後の活性炭の発火や酸化を防ぐために温度が低下するまで待つ時間も必要である。
この両者は、化学反応を主とする脱離方法と過熱水蒸気を用いた脱離方法であるが、一丁一旦がある。ところで、過熱水蒸気を用いる方法は高温の水蒸気による作用と、急激な水蒸気の凝結作用を用いて付着物を脱離するもので、害が少なく活性炭に限られず、種々の粒状物に対する付着物の脱離に利用でき応用範囲が広く望ましい方法である。
一方で、上述したように活性炭などから有機物質を脱離するには、時間とエネルギーがかかるといった問題があり、また、粒状物に付着している物質が経時変化に伴い粒状物の凹凸状の表面や細孔内部で固化してしまうと、結合した付着物を過熱水蒸気の作用だけの効果では剥離させることは容易ではない。
以上のような観点に立ち、本願発明は、過熱水蒸気を用い、粒状物に付着した付着物を脱離する方法を化学的処理と組み合わせて改善することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、粒状物に付着した重金属イオン物質、陰イオン物質もしくは有機物質の脱離方法であり、前記粒状物に過熱水蒸気を当てる過熱水蒸気ステップと、前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは直後の水蒸気雰囲気下において、前記粒状物に冷却液を兼ねる酸性溶液又はアルカリ溶液を接触させる溶液処理・冷却ステップとを含む。なお、重金属物質とは重金属(イオンを含む)及び重金属化合物を意味し、例えばニッケルの場合はニッケルイオンやその化合物などが例示され、陰イオン物質とは陰イオン、単原子の陰イオンを構成する原子のみからなる分子、陰イオンを含む化合物を意味し、例えばフッ素イオンおよびその化合物などが例示される。
請求項2に記載の発明は、前記粒状物の付着物脱離方法において、前記溶液処理・冷却ステップは、前記過熱水蒸気ステップの後に粒状物に溶液を接触させるものであって、前記過熱水蒸気ステップと前記溶液処理・冷却ステップを行う処理を1回以上交互に繰り返すものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記溶液・冷却ステップを行った後、過熱水蒸気ステップの前に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行うものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記過熱水蒸気ステップは、過熱水蒸気が連続的に対流している雰囲気内に前記粒状物を置くことでなされ、 前記溶液処理・冷却ステップは、前記雰囲気内において所定温度以下の酸性溶液又はアルカリ溶液を一定時間ごとに前記粒状物に接触させることにより行われるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記溶液処理・冷却ステップの後に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行うものである。
請求項6に記載の発明は、前記粒状物の付着物脱離方法において、さらに、1以上の前記溶液処理・冷却ステップの後に、前記粒状物を水で洗浄する水洗ステップを含むものである。
請求項7に記載の発明は、請求項3又は5に記載の粒状物の付着物脱離方法において、さらに、1以上の前記溶液処理・冷却ステップの後に、前記粒状物を水で洗浄する水洗ステップを含むものであって、1以上の前記溶液処理・冷却ステップと、前記水洗ステップとの間に、前記乾燥ステップを含むものである。
請求項8に記載の発明は、前記粒状物の付着物脱離方法において、最初の前記過熱水蒸気ステップの前に前記粒状物を酸性溶液またはアルカリ溶液に浸漬する浸漬ステップを含むものである。
請求項9に記載の発明は、請求項3又は5に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記溶液処理・冷却ステップに代えて、前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは後に、冷却液を兼ねる水を前記粒状物に接触させる水洗・冷却ステップを有するものである。

請求項10に記載の発明は、粒状物に付着した有機物質の脱離方法であって、前記粒状物を酸性溶液又はアルカリ溶液に浸漬する浸漬ステップと、前記浸漬ステップの後に、前記粒状物に過熱水蒸気を当てる過熱水蒸気ステップと、前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは直後の水蒸気雰囲気下において、冷却液を兼ねる水、酸性溶液又はアルカリ溶液を前記粒状物に接触させる溶液処理・冷却ステップとを含むものである。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記水洗・冷却ステップは前記過熱水蒸気ステップの後に、粒状物に水を接触させるものであって、前記過熱水蒸気ステップと前記水洗・冷却ステップを行う処理を1回以上交互に繰り返すものである。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記水洗・冷却ステップを行った後、過熱水蒸気ステップの前に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行うものである。
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記過熱水蒸気ステップは、過熱水蒸気が連続的に対流している雰囲気内に前記粒状物を置くことでなされ、前記水洗・冷却ステップは、前記雰囲気内において水を一定時間ごとに接触させることにより行われるものである。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記水洗・冷却ステップの後に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行うものである。

請求項15に記載の発明は、前記粒状物の付着物脱離方法において、前記過熱水蒸気ステップは、ほぼ無酸素状態で行われるものである。
請求項16に記載の発明は、前記粒状物の付着物脱離方法において、前記過熱水蒸気ステップは、前記粒状物を当該粒状物が通ることができない多数の穴が設けられた容器に封入し、過熱水蒸気が充満した密閉空間内で前記容器を回転させることにより行われるものである。
請求項17に記載の発明は、請求1、4、5、12、13に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記溶液処理・冷却ステップは、過熱水蒸気が充満した密閉空間内で回転する容器内に封入された前記粒状物に、前記容器の上方から溶液を散布することにより行われるものである。
請求項18に記載の発明は、請求項16又は17に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記容器内には攪拌羽根が設けられるものである。
請求項19に記載の発明は、請求項17に記載の粒状物の付着物脱離方法において、前記容器は当該容器内を貫く水平な回動軸に対して回転するものであって、前記容器の下方に前記溶液を貯める貯留槽が設けられ、前記容器の下方の少なくとも一部が当該貯留槽内に存するものであって、前記溶液処理・冷却ステップは、前記容器内の粒状物が前記貯留槽内の溶液に浸漬することによっても行われるものである。
上記構成により本発明は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、重金属イオン物質、陰イオン物質、耐熱性のある有機化合物に関しては過熱水蒸気ステップで、粒状物に付着した重金属イオン物質、陰イオン物質、有機化合物を剥離させる。すなわち、過熱水蒸気が低温の粒状物と触れると、気体である過熱水蒸気が液体に戻る凝結現象を起すが、この凝結量は飽和水蒸気に比べ十数倍以上となり、この急激な凝結により物体表面に付着している物質が剥離する。しかし、過熱水蒸気は高温であるために、そのままだと粒状物表面は加熱されて凝結が起こらなくなる。そこで、溶液処理・冷却ステップにより、粒状物表面を冷却しながら剥離した重金属イオン物質、陰イオン物質、を洗い流すことで、これらの付着物が再び付着することを防ぎ、脱離させることができる。また、耐熱性のない有機化合物に関しては、過熱水蒸気ステップで気化分解し脱離させることができる。
請求項2に記載の発明は、過熱水蒸気ステップの後に、溶液処理・冷却ステップと過熱水蒸気ステップの組み合わせを繰り返すことで、まず、溶液処理・冷却ステップで凝結後温度が上がった粒状物を冷却し、剥離した付着物を洗うとともに、粒状物にまだ残っている付着物を剥離しやすくし、この状態で再び過熱水蒸気ステップにより水蒸気の凝結作用を加えることで、脱離できていない残りの付着物を剥離させることができ、これを繰り返すことで、より確実に粒状物から付着物を脱離することができる。
請求項3に記載の発明は、空気を粒状物に当てて乾燥させることで、過熱水蒸気ステップにおける凝結による付着物の剥離をより効果的に行わせることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明と同様に、過熱水蒸気への接触と、溶液による処理及び冷却を交互に繰り返すことで付着物の脱離を促進するとともに、過熱水蒸気ステップを常態とし、溶液処理・冷却ステップを一定時間ごとに行うことで過熱水蒸気ステップにおいて過熱水蒸気の停止と導入を切り替える必要がなくなり、本方法を簡素にすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3と同様に、空気を粒状物に当てて乾燥させることで、過熱水蒸気による凝結が効果的に行われ、付着物をより多く脱離させることができる。
請求項6に記載の発明は、溶液処理・冷却ステップの後に水洗ステップを付加することにより、粒状物が溶液により溶けるようなものである場合に、水洗ステップで溶液が洗い流されるので、粒状物の溶解量を少なくすることができる。
請求項7に記載の発明は、粒状物が溶液により溶けるようなものである場合に、水洗後さらに乾燥させることで、粒状物の溶解量を効果的に減少させることができる。
請求項8に記載の発明は、最初の過熱水蒸気ステップの前に、処理する粒状物を酸性溶液もしくはアルカリ性溶液に浸漬することで、粒状物の付着物をより剥離しやすい状態にすることができ、より短時間で付着物の脱離を行うことができる。
請求項9に記載の発明は、乾燥ステップを加えることで、凝結による剥離効果を高めることで、溶液を用いることなく付着物を剥離することができ、より安全に処理を行うことができる。
請求項10に記載の発明は、耐熱性のない有機物に関しては、浸漬ステップで付着物に付着した有機物を分解しやすい状態にしておき、この後で粒状物に過熱水蒸気ステップにより過熱水蒸気を当てることで、比較的短時間で耐熱性のない有機物質を過熱水蒸気により気化分解し脱離させることができる。さらに、耐熱性のある有機物に関しては、浸漬ステップで剥離しやすい状態としておき、この後で粒状物に過熱水蒸気を当て水洗水を接触させることで凝結作用により耐熱性の有機物をはく離させて、水、酸性溶液又はアルカリ溶液により洗い流すことで、耐熱性のある有機物を脱離することができる。このように、耐熱性を持つ有機物および耐熱性のない有機物が共存して粒状物に付着している場合でも、過熱水蒸気と水洗水により、はく離および気化分解することで粒状物から脱離させることができる。
請求項11に記載の発明は、過熱水蒸気ステップの後に、水洗・冷却ステップと過熱水蒸気ステップの組み合わせを繰り返すことで、まず、水洗・冷却ステップで凝結後温度が上がった粒状物から剥離した付着物を洗い流すとともに、粒状物を冷却し、この状態で再び過熱水蒸気ステップにより水蒸気の凝結作用と気化分解作用を加えることで、脱離できていない残りの付着物を剥離し、気化分解させることができ、これを繰り返すことで、より確実に粒状物から付着物を脱離させることができる。
請求項12に記載の発明は、空気を粒状物に当てて乾燥させることで、過熱水蒸気ステップにおける凝結による付着物の剥離をより効果的に行わせることができる。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の発明と同様に、過熱水蒸気への接触と水洗・冷却を交互に繰り返すことで、より確実に付着物を脱離させることができるとともに、過熱水蒸気ステップを常態とし、溶液処理・冷却ステップを一定時間ごとに行うことで過熱水蒸気ステップにおいて過熱水蒸気の停止と導入を切り替える必要がなくなり、方法を簡素にすることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項12と同様に、空気を粒状物に当てて乾燥させることで、過熱水蒸気による凝結が効果的に行われ、付着物をより多く脱離させることができる。
請求項15に記載の発明は、過熱水蒸気ステップを無酸素状態で行うことにより、処理をする粒状物が酸化により機能が低下する等の問題がある場合に、処理時の粒状物の酸化を抑えることができる。
請求項16に記載の発明は、過熱水蒸気ステップを粒状物を穴の開いた容器に入れてこれを過熱水蒸気が充満した密閉空間で回転させることで行うことで、粒状物が容器内で攪拌されて、万遍なく過熱水蒸気を粒状物に作用させることができる。
請求項17に記載の発明は、溶液処理・冷却ステップを粒状物が入った回転する容器の上方から溶液を散布することに行うことで、やはり、万遍なく溶液を粒状物に接触させることができる。
請求項18に記載の発明は、容器内に攪拌羽根を設けることで、さらに、粒状物の攪拌が促進されるので、より均等に粒状物に対して過熱水蒸気や溶液等の作用を及ぼすことができる。
請求項19に記載の発明は、水平な回転軸に対して回転する粒状物を入れた容器の下に溶液を貯める貯留槽をおき、容器が貯留槽の溶液に漬かりながら回転するようにすることで、散布と浸漬の両方によりより確実に粒状物に溶液を接触させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1に実施形態に係る粒状物付着物脱離装置Xの構成を模式的に表す図を示す。粒状物付着物脱離装置Xは、脱離処理をする粒状物保持容器10、粒状物保持容器10を密閉状態にする密閉炉20、密閉炉20内に過熱水蒸気を導入する蒸気導入部30、密閉炉20内の粒状物保持容器10に液体を散布し、空気を噴射する液体・気体散布部40、同様に、粒状物保持容器10に液体を散布する液体散布部50、液体・気体散布部40および液体散布部50から散布される溶液を貯める貯留槽60、貯留槽60に貯まった液体を回収する廃液回収部70、ヒーター部80とから構成される。図2に、ヒーター部80内部を示す一部破断拡大斜視図を示し、図3に図2のA−A断面図を示す。
粒状物保持容器10を構成する容器本体11は網を円筒形に形成して開口部を円板により封止した籠体により形成される。網目の大きさは処理対象となる粒状物が通ることができない大きさに設定される。円板の一方には粒状物を出し入れするための蓋体11aが設けられている。また、容器本体11内部には図3に示すような断面形状をもつ板体から形成される撹拌羽根11bが内部に向かって4枚設けられている。さらに、前記各円板の中心には、円筒形の中心軸を通る回転軸12が固定されている。そして、後述する貯留槽60の両端には、粒状物保持容器10の回転軸12を回動可能に保持する上方に半円状の切り欠きが形成された板体からなる軸支体13a、13bが固定されている。回転軸12の後端側はカプラー14aを介して、密閉炉20外部に設けられるモーター14の回転軸に固定されており、モーター14により粒状物保持容器10は回転軸12を中心に回動するようになっている。
密閉炉20は、一方の開口が閉じられた円筒体であり、前方を後述する密閉蓋80aにより閉じられることで、外部に通じる管体からの通気以外は密閉状態となるように形成されている。
蒸気導入部30は、過熱蒸気発生装置32、蒸気噴出管31、蒸気流出管33、蒸気回収管34とから構成される。過熱蒸気発生装置32は水を貯めるタンクを有し、この水を高周波を用いて過熱水蒸気として蒸気流出管33から外部へ流出するものである。蒸気噴出管31は後述する貯留槽60の両脇上方に2本設けられ、前記粒状物保持容器10に沿って延びる先端が封止された、側方に複数の蒸気が噴出する開口が設けられ管体からなるものであり、後端に接続される蒸気流出管33から導入される過熱水蒸気を開口から密閉炉20内に噴出する。蒸気流出管33は二本の蒸気噴出管32に接続できるように先端が二股に分かれた管体である。蒸気回収管34は密閉炉20の上部に設けられる通気筒34aを有し、ここから過熱水蒸気発生装置32へと水蒸気を回収する。回収された水蒸気は再び過熱水蒸気発生装置32により加熱され過熱水蒸気となる。なお、密閉炉20内に過熱水蒸気が充満すると、元からあった空気中の酸素比率が減少するとともに、蒸気回収管34から排出された酸素は高圧状態で水に溶けるので、密閉炉20内はほぼ無酸素状態となる。
液体・気体散布部40は、散布ヘッド41、タンク42、ポンプ43、流通管44、電磁三方弁45、エアーコンプレッサー46とから構成される。散布ヘッド41は、前記粒状物保持容器の上方側に沿って設けられる、先端が閉じられた管体から構成され、側面の前記粒状物保持容器に面した位置に複数の溶液および空気が噴出する開口が設けられている。タンク42は散布する液体を貯留する一般的なタンクである。エアーコンプレッサー46は高圧の空気を送り出す一般的なエアーコンプレッサーから構成される。流通管44はタンク42およびエアーコンプレッサー46から散布ヘッド41へ液体や気体を送るための管体であり、途中にタンク42に直結するポンプ43が設けられ、さらに、ポンプ42の下流側の位置に三方電磁弁45が設けられている。三方電磁弁45の流通管44の流路上にない導入口には、エアーコンプレッサー46が接続されている。
即ち、三方電磁弁45を制御することにより、散布ヘッド41から液体を散布させるか空気を噴射させるか切り替えることができ、さらに、ポンプ43を制御することで液体の噴射と停止が制御でき、エアーコンプレッサー46を制御することにより、空気の噴射と停止を制御できるようになっている。
液体散布部50は液体・気体散布部40と同様の構成であり、液体散布ヘッド51、タンク52、ポンプ53、液体流通管54とから構成されるが、液体流通管54に三方電磁弁を介してエアーコンプレッサーが接続されていない点が異なる。なお、図1では液体散布ヘッド41と液体散布ヘッド51はずれて描いているが、これは便宜的な表現であり実際は図3に示すように平行に配置される。
貯留槽60は、前記粒状物保持容器10の容器本体11の長さよりもやや長く、容器本体11の幅よりもやや幅がある、上方が開放した直方体状の箱体である。貯留槽60の両端には、粒状物保持容器10の回転軸12を回動可能に保持する軸支体13a、13bが固定されている。貯留槽60の底面には密閉炉20の外部に通じる後述するドレン管73が設けられ、また、貯留槽60の側面の一定高さの位置には、側方から下方に曲がり密閉炉20の外部に通じる後述するオーバーフロー管71に通じている。なお、軸支体13a、13bに粒状物保持容器10が保持された状態で粒状物保持容器10の容器本体11下端はオーバーフロー管71の位置と底面とのほぼ中間位置に位置するように設定されている。
廃液回収部70は、オーバーフロー管71、ドレン管73、電磁弁72、74、第一廃液タンク75、第二廃液タンク76、電磁三方弁77より構成される。オーバーフロー管71は前述したように貯留槽60の一定高さの側面に連結されており、貯留槽60から一定高さを超えた液体が流れるようになっている。電磁弁72はオーバーフロー管71に設けられるがオーバーフロー管71に貯留槽60からの液体を通すために通常は開放している。ドレン管73は、前述したように貯留槽60の底に連結しており、貯留槽60に貯まった液体を抜き取る際に使用する。ドレン管73には電磁弁74が設けられており、電磁弁74は通常は閉じられており、貯留槽60の液体を抜き取る場合に電磁弁74を開放するようになっている。第一廃液タンク75および第二廃液タンク76は一般的なタンクである。電磁三方弁77は、オーバーフロー管71及びドレン管73から流れてくる液体を第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに導くかを切り替えるものであり、第一廃液タンク75に連結する連結管75a及び第二廃液タンク76に連結する連結管76aに接続されている。
ヒーター80は、密閉炉20を取り囲む円筒状の保温部を有するバンドヒーターであって密閉炉20内部を加熱する。具体的には、ヒーター80は密閉炉20内の図示しない温度計の温度をフィードバックし、密閉炉20内部の温度を一定の高温状態に維持するようになっている。ヒーター80の先端側は密閉蓋80aにより密閉状態で閉じることができるようになっている。この密閉蓋80aは密閉炉20の先端開口も同時に封止する。
なお、粒状物保持容器11を回転させるモーター14、過熱蒸気発生装置32、液体・気体散布部40、50のポンプ43、53、廃液回収部70の電磁弁72、74、電磁三方弁77、ヒーター80は図示しない制御手段によりプログラム制御されるようになっている。
次に、以上のような構成を有する粒状物付着物脱離装置Xを用いた粒状物の付着物脱離方法について説明する。ここでは、粒状物としてアルミナを主成分とする多孔質無機吸着体の粒体(以下、「吸着剤粒」という)にニッケルが付着したものからニッケルを脱離する場合を例示する。ここでは重金属であるニッケルを脱離するので、液体・気体散布部40のタンク42には希薄酸性溶液が入れられ、また、もう一方の液体散布部50のタンク52には水が入れられる。なお、フッ素等の陰イオンを脱離する場合は液体・気体散布部40のタンク42には希薄アルカリ溶液が入れられる。
まず、密閉蓋80aを開けて、粒状物保持容器11を取り出し、内部にニッケルを吸着した吸着剤粒を封入する。その後、密閉炉20内部に粒状物保持容器11をセットし、密閉蓋80aを閉じる。この状態で、モーター14を駆動して粒状物保持容器11を回転させ、さらに、過熱蒸気発生装置32を稼働し、過熱蒸気を密閉炉内に導入する(過熱水蒸気ステップ)。この際、過熱蒸気は蒸気噴出管31により粒状物保持容器11内に向かって下方両側から均等に吹き付けられる。
また、密閉炉20内はヒーター80により所定の温度に維持されるので過熱水蒸気の温度が低下することはない。また、過熱水蒸気は蒸気回収管34から外部に排出され再び過熱蒸気発生装置32を介して再び加熱されて密閉炉20内に戻る。
このように密閉炉内に過熱水蒸気が導入されることにより、吸着剤粒表明や細孔内部では過熱水蒸気の急激な凝結作用が起こり、細孔内に水が充満し吸着しているニッケルが細孔上部に浮き上がる。なお、過熱水蒸気は密閉炉20内に充満しており、吸着剤粒は回転する粒状物保持容器11内で攪拌羽根11bにより撹拌されながら回転しているので、ほとんどの吸着剤粒に凝結作用が及ぶ。しかし、このままの状態であると吸着剤粒表面の温度がすぐに100度を超え凝結作用が起こらなくなり、逆に、凝結した水が再び蒸気となって浮き上がったニッケルが再び細孔内に戻ってしまう。そこで、吸着剤粒が100度に近づくまえに液体・気体散布部40により希薄酸性溶液を粒状物保持容器11上から散布する(溶液処理・冷却ステップ)。希薄酸性溶液は常温であるので吸着剤粒を冷却することができるとともに、酸性溶液の働きにより細孔近傍に浮かび上がったニッケルを洗い流すことができ、さらに、一度の凝結作用では剥離しなかったニッケルを溶解作用により剥離しやすくさせることができる。希薄酸性溶液の散布量は吸着剤粒の表面および細孔内部全体を溶解させながら冷却する量、例えば、吸着剤粒の投入量に対し約1/10〜同量程度の量とする。なお、吸着剤粒は撹拌されながら回転しているので、希薄酸性溶液をほぼ均等に接触させることができる。そして、この希薄酸性溶液の散布を定期的に繰り返すことで、冷却と凝結を何度でも繰り返すことができる。なお、希薄酸性溶液の散布時には過熱水蒸気の発生を停止してもよい。
また、さらに凝結による剥離効果を高めるために、希薄酸性溶液の散布後に吸着剤粒表面の細孔内を乾燥させる工程を加えることができる。即ち、一定時間希薄酸性溶液散布した後に、液体・気体散布部40の電磁三方弁45を切り替えて、エアーコンプレッサー46が散布ヘッド41に連通するようにして、エアーコンプレッサーを作動させることにより、散布ヘッド41から常温・高圧の空気流を、吸着剤粒に一定時間当てる。これにより、吸着剤粒表面および細孔内の希薄酸性溶液等の水分が吹き飛ばされ、同時に、吸着剤粒表面および細孔内の温度を冷やすことができる。この工程により、吸着剤粒がより乾いた状態となるので、凝結作用よる剥離を効果的に起すことができる。
また、散布された希薄酸性溶液は吸着剤粒や粒状物保持容器11に接触したのち、貯留槽20内に貯まっていくことになる。貯留槽20に貯まった希薄酸性溶液が一定量貯まると、粒状物保持容器が貯留層20内の希薄酸性溶液に浸かることになり、これにより粒状物保持容器10内の吸着剤粒の一部が貯留槽内の希薄酸性溶液を通ることになり、これにより、吸着剤粒に付着した凝結作用により浮き上がったニッケルが洗い流され、また、剥離していないニッケルを剥離しやすくさせることができる。即ち、上方からの溶液の散布と貯留槽20による浸漬とにより、二重に希薄酸性溶液と吸着剤粒とが接触する仕組みとなっているため、使用する希薄酸性溶液量を少なくすることができる。また、貯留槽20に希薄酸性溶液が多く溜まり、オーバーフロー管71の開口部に達すると、この部分を越える希薄酸性溶液は、オーバーフロー管71を通って、電磁三方弁77により導かれる第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに溜まっていくことになる。
このように、過熱水蒸気雰囲気内で、定期的に希薄酸性溶液の散布を行い脱離処理が完了する。その後、電磁弁74を開いてドレン管73から貯留槽20に溜まった廃液を電磁三方弁77により導かれる第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに回収し、粒状物保持容器10を密閉炉20から出して、処理後の吸着剤粒を回収して作業は完了する。
なお、過熱水蒸気の最適温度は、条件により変わるが、一般に過熱水蒸気が気体から液体になる凝結量はその温度は高ければ凝結速度も早くなり過熱水蒸気体積も増えることから、温度が低い一定温度の物体に触れると凝結量も増えていくことが推察されるため凝結量は結果的に多くなり、希薄な酸性溶液をさらに薄めすぎるため、溶解作用を弱めてしまう現象が起き、また、温度が高いと100度以下に冷却しにくくなるという状況も生じる。本実施形態において30gの吸着剤粒において過熱水蒸気温度を変化させる実験をした場合の実験結果を図4に示す。図4は過熱水蒸気の温度とニッケルの脱離率を表すデータである。この実験結果から、本実施形態においては400℃の過熱水蒸気温度が最も脱離率が高いことがわかった。600℃、800℃と過熱水蒸気の温度が高い場合は、凝結量が多くなることから酸性溶液の溶解作用を弱める働き等が生じたものと推察され、エネルギーコストを考えても低い過熱水蒸気温度の方が有利のため最小限の過熱水蒸気温度は400℃が最適であると考えられる。
また、希薄酸性溶液の散布間隔は吸着剤粒の処理量や、希薄酸性溶液の散布量や温度、過熱水蒸気の温度などにより変わることとなるが、過熱水蒸気温度400度、吸着剤粒30g、希薄酸性溶液の温度を常温で、一回の散布量を15ml、サイクル回数4回とした場合、実験結果から1分間隔が最適であることがわかった。図5に実験結果を表すグラフを示す。このグラフから1分間隔で希薄酸性溶液を散布するのがよいことがわかる。このような結果になるのは、1分以上をすぎると吸着剤粒の表面または細孔内部温度が飽和水蒸気温度100℃に達し、0.5分以内の場合は、凝結による剥離が十分に起こらないことが原因であると考えられる。
これらのデータが示すように、このような条件設定によって希薄酸シャワーを4回繰り返すと5回分の過熱水蒸気の凝結作用(最初の過熱水蒸気照射を開始したときも起こるため5回)が起こることで、4回分の酸の溶解作用および冷却作用とが複合して多孔質吸着剤の細孔内部に吸着した重金属物質ニッケルを約65%以上脱離することができた。
この方法は過熱水蒸気によるガス脱離であり、散布する希薄酸性溶液は多孔質体表面にかける程度の量のため非常に少ない量ですみ、さらに水分は炉内で殆ど蒸発するため廃液として発生する量はきわめて少なく、通常のイオン交換樹脂等に吸着した重金属物質を脱離する方法に比べ、30〜50分の1以下の廃液量ですむ。
また、吸着した重金属物質であるニッケルは貯留層内で高温で煮詰められて水分が蒸発する結果、高濃度のスラリー(ニッケル濃厚液)として廃液タンクに回収できる。即ち、水分含有量の少ない高濃度のニッケル濃縮液として回収できるため、水分蒸発工程時間が大幅に短縮できるフィルタープレス処理等を施せば、水分を蒸発させるため加熱工程の時間を短くでき、低コストでニッケルスラッジを容易に作り出せ、ニッケルの資源回収としての有効利用も実現でき低コストで廃棄物が殆どでないクローズド型の脱離処理が達成できる。
また、本実施形態に係る重金属物質を脱離する方法は、1分間程度の数分単位で複数回の少ない繰り返し処理を用いて脱離できるため脱離所要時間は5分〜10分間となる。従って、1つの小さな粒状物付着物脱離装置Xの1時間稼動で6回分、24時間なら24×6=144回分脱離できる。例えば、1回分がわずか3kgの粒状物でも1日単位でみると3kg×144回=432Kgが脱離でき、小さな装置でも大量の粒状物から重金属物質を脱離することができる、ランニングコストも非常に安価となる。
このように粒状物付着物脱離装置Xは、小さな炉でも処理時間が短いために、サイクル数を増やすことで大量の粒状物および多孔質体を脱離できる。したがって、密閉炉20が小さくてすむことにより少ないエネルギーで高温まであげることができ、また、過熱水蒸気容積も小さくできるためそのエネルギー使用量は非常に低くなりエネルギー効率が高くなるというメリットが生じる。つまり、一度温度が上がれば、小さい容積の炉のため温度を維持するエネルギー量は小さく、過熱水蒸気が注入されていることによっても温度が維持されるため、必要とするエネルギー量は少なくてすむ。
さらに、粒状物付着物脱離装置Xは、全体を小さくできるので設置面積が小さくコンパクトであり、さらに一つの過熱水蒸気発生源装置から過熱水蒸気を複数分岐させることで、複数の密閉炉20に過熱水蒸気を同時に供給できることも可能であるため、複数の粒状物保持容器10に対する処理を一つの過熱水蒸気発生装置32で行え、処理量を増加させる場合でも製造コストを抑えることができ、過熱水蒸気発生装置32を一つで済ませることで、粒状物の処理量の増加に対するランニングのエネルギーコストの増加量を小さくすることができる。
なお、ここではニッケルを吸着したアルミナを主成分とする多孔質吸着体を例に挙げたが、重金属イオン物質や陰イオン物質が付着した吸着剤や砂などの粒状物にも、ほぼ同様の処理を行うことで、付着物を脱離することができる。なお、散布する溶液は、処理する粒状物を構成している材料の主成分又は付着している重金属物質または陰イオン物質の主成分が酸で溶解するのかアルカリで溶解するのかまたは酸アルカリ両方とも溶解するのかを見極めたうえで選択することになる。溶解特性が両性の場合、例えばアルミや鉛の場合は酸でもアルカリでも溶解するためどちらを選択してもかまわない。
また、散布する希薄酸性溶液もしくは希薄アルカリ溶液の繰り返し回数を削減する場合、もしくは、付着している物質の結合力が強い固化状態等の場合には、処理する粒状物を過熱水蒸気にさらす前に、散布する溶液に近似するpH値の酸性もしくはアルカリ性の溶液に数分間浸漬するとよい(浸漬ステップ)。実際に、固化した重金属が付着した吸着剤に対して、希薄な酸性溶液例えば塩酸濃度が数%のHCIに数分間以上浸してから過熱水蒸気雰囲気中で希薄な塩酸溶液の酸シャワーを組み合わせることで脱離することができた。これは事前に酸の溶解作用による重金属物質の結合力を切り離すことで、重金属物質が結合状態から付着状態に変化した後、過熱水蒸気が対流している雰囲気中に投入することで、過熱水蒸気の凝結作用により、結合力が弱くなった重金属物質を洗い流すように剥離させることができるためであると考えられる。また、付着物の結合力がそれほど強くない場合は、結合力がさらに弱くなるので、希薄酸性溶液もしくは希薄アルカリ溶液を散布する回数を減らしても、脱離できる付着物の量を維持でき、処理時間を短縮することができる。
ところで散布する希薄酸性溶液もしくは希薄アルカリ溶液によって粒状物が溶解する場合、特に粒状物が吸着剤であって、これを再生する場合には、吸着剤の細孔がダメージを受ける場合がある。しかし、過熱水蒸気の凝結作用は水蒸気の液化作用であるため、粒状物に付着する酸やアルカリによる溶融効果の進行を希釈し抑える働きも同時に有しているため、上述のダメージは緩和される。さらに、このダメージを緩和するため、希薄酸性溶液もしくは希薄アルカリ溶液の散布サイクルに、水の散布を加えることができる(水洗ステップ)。このように水を散布することで酸性もしくはアルカリ性溶液は希釈され、溶解による粒状物である吸着剤のダメージを抑制することができる。なお、水は、液体散布部50より散布すればよい。そして、さらに散水後に、液体・気体散布部40より室温状態の高圧の空気を噴出させて吸着剤表面を乾燥させるようにしてもよい。これにより、吸着剤表面および細孔内の温度を低い状態に維持したまま溶液を乾燥させることで、凝結効果を高めるとともに、酸もしくはアルカリ性溶液によるダメージを抑制し、散布サイクル数に比例した凝結効果を得ることができる。
(実施形態2)
次に実施形態2に係る粒状物の付着物脱離方法について説明する。本実施形態は付着物として耐熱性をもつ有機物質および耐熱性のない一般的な有機物質が共存する場合の脱離処理である。本実施形態においても、実施形態1で用いた粒状物付着物脱離装置Xを用いる。ここでは、粒状物として活性炭粒を用いる。なお、液体・気体散布部40のタンク42には水が入れられるものとする。
まず、最初に耐熱性と非耐熱性の有機物質が混在して細孔内部全体に飽和状態で結合した飽和活性炭粒を希薄な酸性溶液中に一定時間浸漬する(浸漬ステップ)。これにより、有機物質と活性炭との結合部分を事前に溶解させる。なお、活性炭は酸に溶解することがないため細孔内部が溶解されることはなく、活性炭の吸着能力や比表面積等の状態が劣化することはない。尚、浸漬する溶液は結合している有機物質の溶解特性によってはアルカリ溶液を用いることができる。
次に、浸漬処理した活性炭粒を実施形態1と同様に粒状物保持容器11に入れて、密閉炉20内にセットし、この状態で、モーター14を駆動して粒状物保持容器11を回転させる。その後、過熱蒸気発生装置32を稼働し、過熱蒸気を密閉炉20内に導入する(過熱水蒸気ステップ)。密閉炉20内はヒーター80により一定の高温に維持され、過熱水蒸気は密閉炉内20を通るように循環する。なお、ここでは後述するように過熱水蒸気の温度を300℃としている。
このように密閉炉内に過熱水蒸気が導入されることにより、活性炭粒表面や細孔内部では過熱水蒸気の急激な凝結作用が起こり、浸漬処理により結合力が弱くなった有機物質は、凝結作用により剥離し、耐熱性のない有機化合物の一部は高温の過熱水蒸気により気化分解する。一方、耐熱性のある有機化合物は、凝結作用により細孔上部へと浮き上る。なお、実施形態1と同様に過熱水蒸気は密閉炉20内に充満しており、活性炭粒は回転する粒状物保持容器11内で攪拌羽根11bにより撹拌されながら回転しているので、ほとんどの活性炭粒に凝結作用が及ぶ。このような過熱水蒸気雰囲気の中で、さらに液体・気体散布部40を通じて水を散布することで、細孔上部に浮き上った有機化合物を洗い流す。また、水の散布により活性炭は冷却される。その後、散水を停止すると、冷却された活性炭に対して凝結作用が起こり、耐熱性のない有機化合物の気化分解と耐熱性のある有機化合物の剥離上昇が起こる。その後、散水を間欠的に繰り返すことで、過熱水蒸気の作用と、水洗及び冷却を交互に行う。この際、最後の工程では散水を一定時間以上、止めた状態とすることで、活性炭粒の温度を200度程度まで上昇させ、耐熱性のない有機化合物をすべて気化分解させる。なお、水の散布時には過熱水蒸気の発生を停止するようにしてもよい。
さらに、水の散布後に、液体・気体散布部40の電磁三方弁45を切り替えて、エアーコンプレッサー46と散布ヘッド41を連通するようにし、散布ヘッド41から常温・高圧の空気流を、活性炭粒に一定時間当てるようにしてもよい。これにより、活性炭粒表面および細孔内の水分を吹き飛ばされ、同時に、吸着在の温度を冷やすことができる。この工程により、活性炭粒が室温に近い状態を維持しながら、より乾いた状態となるので、凝結作用よる剥離をより効果的に起すことができる。
最後に、液体・気体散布部40を通じて水を散布することで活性炭粒を冷却して(水洗ステップ)、脱離処理が完了する。脱離処理が完了したら、電磁弁74を開いてドレン管73から貯留槽20に溜まった廃液を電磁三方弁77により導かれる第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに回収し、粒状物保持容器10を密閉炉20から出して、処理後の吸着剤粒を回収して作業は完了する。
このように、過熱水蒸気により耐熱性のない有機化合物を気化分解させ、耐熱性のある有機化合物を過熱水蒸気の凝結作用により剥離し、水洗することで脱離させることにより、耐熱性のない有機化合物と耐熱性のある有機化合物が混在していても、双方を脱離させることができる。これを、過熱水蒸気のみで行おうとする場合、例えば、ビスアリールフルオレン化合物またはポリフェニレンサルファイド等の200℃以上の温度でも熱分解しにくい耐熱性の有機物質が含まれている場合、気化分解のためには300℃以上、理想的には400℃以上の高温を要し、活性炭内部の温度を300℃〜400℃にするには、400℃〜500℃以上の高温の過熱水蒸気が必要となる。これは、電気エネルギー等を余計に消費することとなり、無駄が多い。一方、このような耐熱性の有機化合物に対して、気化分解しない比較的低い温度の過熱水蒸気凝結作用により剥離した後に水を散布する水洗処理を行わない場合、凝結した水は直ぐに気化するので剥離した耐熱性の有機化合物は再び細孔内に戻ってしまい、脱離させることができなくなってしまう。
なお、過熱水蒸気の温度は過熱水蒸気発生装置で調整ができ、ここでは過熱水蒸気の温度を約300℃としている。この場合の最適な処理時間を図6の実験データにより示す。この図は、活性炭量100gで過熱水蒸気温度を300℃にした場合の、処理時間と耐熱性のない有機化合物の分解率との関係を示すグラフである。この実験結果から過熱水蒸気300℃の場合、5分以上の処理時間で80%以上の有機物質の脱離ができることがわかる。これは図7に示す、従来の過熱水蒸気のみによる有機物質の気化分解率と同等以上効果であり、前述したように従来の方法では300℃の過熱水蒸気で60分以上の処理時間がかかることから、大幅な時間短縮が実現できた。また、有機物質の気化分解後に水を散布することで、約200℃以上になった活性炭粒を無酸素状態の炉内で、瞬間的に100℃未満に冷却してから取り出すため大気と触れても燃え上がるような酸化現象が生じず、活性炭粒を損なうことなく短時間で取出すことができる。この水による冷却は短時間ですむのでためこの取り出すための所要冷却時間は約1分未満で足り、トータルの処理時間は1回あたり約10分からときわめて短い時間となる。
なお、最後の冷却処理の前に繰り返しおこなわれる散水において、水を散布することに替えて、浸漬した際の酸又はアルカリ溶液を散布するようにしてもよい。
(実施形態3)
実施形態3に係る粒状物の付着物脱離方法も付着物が有機物質である場合の脱離処理であるが、実施形態2と異なり、最初の希薄酸性溶液による浸漬処理は行わない。本実施形態においても、実施形態1で用いた粒状物付着物脱離装置Xを用いる。ここでは、やはり粒状物として有機物質が吸着した活性炭粒を用いる。なお、液体・気体散布部40のタンク42には希薄酸性溶液が入れられ、液体散布部50のタンク52には水が入れられるものとする。
最初に、有機物質が細孔内部全体に飽和状態で結合した飽和活性炭粒を実施形態1と同様に粒状物保持容器11に入れて、密閉炉20内にセットし、この状態で、モーター14を駆動して粒状物保持容器11を回転させる。その後、過熱蒸気発生装置32を稼働し、過熱蒸気を密閉炉20内に導入する(過熱水蒸気ステップ)。密閉炉20内はヒーター80により一定の高温に維持され、過熱水蒸気は密閉炉内20を通るように循環する。
このように密閉炉内に過熱水蒸気が導入されることにより、活性炭粒表面や細孔内部では過熱水蒸気の急激な凝結作用が起こり、有機物質の一部は、凝結作用により剥離したり、高温の過熱水蒸気により気化分解する。しかし、このままの状態であると粒状物表面の温度がすぐに100度を超え凝結作用が起こらなくなる。そこで、粒状物が100度に近づくまえに液体・気体散布部40により希薄酸性溶液を粒状物保持容器11上から散布する(溶液処理・冷却ステップ)。希薄酸性溶液は常温であるので粒状物を冷却することができるとともに、酸性溶液の働きにより、一度の凝結作用では気化分解しなかった有機物質を溶解作用により気化分解しやすくさせることができる。なお、粒状物は撹拌されながら回転しているので、希薄酸性溶液をほぼ均等に接触させることができる。そして、この希薄酸性溶液の散布を定期的に繰り返すことで、冷却と凝結を何度でも繰り返すことができる。なお、散布する溶液は、脱離させる有機物質の溶解特性によりアルカリ溶液を用いることもある。また、溶液の散布時には過熱水蒸気の発生を停止してもよい。
さらに、実施形態1と同様に溶液の散布直後に、液体・気体散布部40から空気を噴射するようにして、活性炭粒を乾燥する処理を加えてもよい。
また、散布された希薄酸性溶液は粒状物や粒状物保持容器11に接触したのち、貯留槽20内に貯まっていくことになる。貯留槽20に貯まった希薄酸性溶液が一定量貯まると、粒状物保持容器が貯留層20内の希薄酸性溶液に浸かることになり、これにより粒状物保持容器10内の粒状物の一部が貯留槽内の希薄酸性溶液を通ることになり、これにより、やはり、剥離していない有機物質を気化分解しやすくさせることができる。このように上方からの溶液の散布と貯留槽20による浸漬とにより、二重に希薄酸性溶液と粒状物とが接触する仕組みとなっているため、使用する希薄酸性溶液量を少なくすることができる。
このように希薄酸性溶液で冷却と溶解を繰り返しながら複数回凝結作用が活性炭粒に起こるとほとんどの有機物質を気化分解することができる。有機物質の脱離が完了したら、最後に冷却のために液体散布部50を通じて水を散布することで活性炭粒を冷却して(水洗ステップ)、粒状物保持容器10を密閉炉20から出して、処理後の吸着剤粒を回収し、電磁弁74を開いてドレン管73から貯留槽20に溜まった廃液を電磁三方弁77により導かれる第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに回収して作業は完了する。なお、本実施形態では過熱水蒸気温度を300℃とし、希薄酸性溶液を5分間隔で2回散布し、さらに5分後に水を散布することで、約12分で1回の脱離処理を実現することができた。
この方法の場合は同一工程のサイクル的処理のため結合力の強い有機性物質や完全に結合し長い時間の経過で、活性炭等に固化する程度に固まった有機性物質の分解に有効である。また、事前の希薄酸性溶液による浸漬処理を行わないため廃液量を大幅に削減したい場合にも有効である。
(実施形態4)
本実施形態は、アルミナを主成分とする多孔質吸着体の粒状物から窒素化合物を脱離するものである。本実施形態においても、実施形態1で用いた粒状物付着物脱離装置Xを用いる。また、粒状物は実施形態1と同様にアルミナを主成分とする吸着剤粒を用い、付着物として硝酸性窒素(NO-N)が付着している場合を例示する。なお、吸着剤粒はアルミナを90%以上含み、残りの主な成分として二酸化ケイ素、酸化ナトリウムからなる。また、液体・気体散布部40のタンク42には水が入れられるものとする。
まず、最初に硝酸性窒素を吸着した吸着剤粒をpH10以上のアルカリ溶液に20分程度浸漬する(浸漬ステップ)。ここでは、アルカリ溶液としてpH10以上の水酸化ナトリウム溶液を用いる。この時、活性アルミナの溶出に伴い、吸着剤粒の細孔内部に吸着していた硝酸性窒素も溶けて硝酸イオンNO3 として溶出してくる。
次に、浸漬処理した吸着剤粒を実施形態1と同様に粒状物保持容器11に入れて、密閉炉20内にセットし、この状態で、モーター14を駆動して粒状物保持容器11を回転させる。その後、過熱蒸気発生装置32を稼働し、過熱蒸気を密閉炉20内に導入する(過熱水蒸気ステップ)。密閉炉20内はヒーター80により一定の高温に維持され、過熱水蒸気は密閉炉内20を通るように循環する。ここでは、過熱蒸気の温度は400℃に設定される。
このように密閉炉内に過熱水蒸気が導入され15分以上経過すると、過熱水蒸気の作用により硝酸イオンが分解し、窒素酸化物としてガス化する。ガス化した窒素酸化物は一般的なアンモニア接触還元法による脱窒触媒を利用することで最終的に窒素ガスとして大気中に放出することができる。
次式にその最終的な反応を示す。
4NOx+4NH+O→4N2↑+6H
このように脱離した窒素酸化物は窒素N2と水H2Oに分解される。すなわち、窒素酸化物を窒素として大気中に戻すことができる。
最後に、液体・気体散布部40を通じて水を散布することで吸着剤粒を冷却し(水洗ステップ)、脱離処理は完了する。その後、その後、電磁弁74を開いてドレン管73から貯留槽20に溜まった廃液を電磁三方弁77により導かれる第一廃液タンク75と第二廃液タンク76のいずれかに回収し、粒状物保持容器10を密閉炉20から出して、処理後の吸着剤粒を回収して作業は完了する。
なお、アルカリ溶液に浸漬する時間は長いほど窒素化合物は溶出するが吸着剤粒も溶けるので過熱水蒸気による昇温分解が十分なされる限度において短い方がよい。この観点から、下記に示す方法で硝酸性窒素の脱離分解実験を行った。
まず、硝酸性窒素濃度が1%以上含まれる1Lの液に、吸着剤粒120gを1時間以上浸して硝酸性窒素を吸着させる。この硝酸性窒素を吸着した吸着剤粒を20gずつに分け、一つをブランク用として残し、残りはそれぞれ浸漬処理時間および過熱水蒸気の反応時間を変えて硝酸性窒素がどの程度脱離分解するかを比べた。結果を下記の表1に示す。

ここで過熱水蒸気と反応させて取り出した吸着剤粒を酸で完全溶融させてこの吸着剤粒に残存する硝酸性窒素濃度(X)とし、浸漬処理後のアルカリ溶液中の硝酸性窒素濃度を(A)とする。
実験結果に示すように浸漬処理をしていない状態で400℃以上の過熱水蒸気が対流している炉内に20分および60分以上投入してもその吸着剤粒中に含有する硝酸性窒素は初期値の100に近い90以上の割合で残留していた、すなわち脱離率としては10%未満の値であった。これは、硝酸性窒素は殆どガスに分解されておらず、単なる過熱水蒸気をこの硝酸性窒素が結合した吸着剤粒に60分以上の長時間を反応させても脱離することはできないことがわかる。
次に、この浸漬処理の時間を比べると水酸化ナトリウムの濃度が10%の場合において、浸漬時間が10分間程度では400℃の過熱水蒸気を60分間と長時間反応させてもその脱離率は33%程度と小さな値である。一方、浸漬時間が20分間の場合は、400℃の過熱水蒸気をわずか15分間程度反応させただけでも約90%以上の脱離率があり、吸着剤粒中の硝酸性窒素は7.2%とほとんど残存しないことが見出された。なお、過熱水蒸気との反応時間を2倍の30分間としても脱離率の大幅な向上は見られないため、処理工程の効率化を考えると15分程度の反応時間で十分実用的に問題ないと考えられる。
これは、pH10以上の水酸化ナトリウム溶液中に硝酸性窒素を吸着した吸着剤粒を20分間程度の時間で浸すことで、吸着剤粒の細孔を構成している主成分であるアルミ成分の溶解が始まり細孔内部では内面のアルミ膜が一皮むけるような状態になっていると考えられ、この剥離したアルミ膜と結合している硝酸性窒素がアルミ膜の剥離とともに脱離するものであると推察される。この状態になった後すぐに400℃以上の過熱水蒸気を約15分間以上反応させると、細孔内部で剥離した硝酸性窒素は水酸基の働きと過熱水蒸気の高温蒸気の加熱により細孔内部の温度が上昇するにつれて窒素酸化物等のガスと水に昇温分解していくと考えられる。
なお、ここでは窒素化合物として硝酸性窒素を例示したが、他の窒素化合物についても、同様の方法により、窒素酸化物としてガス分解することで脱離することが可能である。
尚、この窒素酸化物はアンモニア接触還元法の触媒利用で最終的に窒素ガスまで分解し大気中に放出することができる。
実施形態に係る粒状物付着物脱離装置Xの構成を模式的に表す図である。 粒状物付着物脱離装置のヒーター部内部を示す一部破断拡大斜視図である。 図2のA−A断面図である。 実施形態1において過熱水蒸気温度を変化させた場合の脱離率の変化を示す図である。 実施形態1において、希薄性溶液の散布サイクルを変化させたときの脱離率の変化を示す図である。 実施形態2において、過熱水蒸気の反応時間と分解率の変化を示す図でる。 従来の方法による、過熱水蒸気温度300℃における反応時間と活性炭から有機物質を脱離する脱離率との関係を示す図である。 従来の方法による、過熱水蒸気温度500℃における反応時間と活性炭から有機物質を脱離する脱離率との関係を示す図である。
符号の説明
X 粒状物付着物脱離装置
10 粒状物保持容器
11 容器本体
11b 攪拌羽根
12 回転軸
13a、13b 軸支体
14 モーター
20 密閉炉
30 蒸気導入部
31 蒸気噴出管
32 過熱蒸気発生装置
40 液体・気体散布部
50 液体散布部
41、51 液体散布ヘッド
45 三方電磁弁
46 エアーコンプレッサー
60 貯留槽
70 廃液回収部
80 ヒーター部

Claims (19)

  1. 粒状物に付着した重金属イオン物質、陰イオン物質もしくは有機物質の脱離方法であって、
    前記粒状物に過熱水蒸気を当てる過熱水蒸気ステップと、
    前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは直後の水蒸気雰囲気下において、前記粒状物に冷却液を兼ねる酸性溶液又はアルカリ溶液を接触させる溶液処理・冷却ステップと
    を含む粒状物の付着物脱離方法。
  2. 前記溶液処理・冷却ステップは、前記過熱水蒸気ステップの後に粒状物に溶液を接触させるものであって、前記過熱水蒸気ステップと前記溶液処理・冷却ステップを行う処理を1回以上交互に繰り返す請求項1に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  3. 前記溶液・冷却ステップを行った後、過熱水蒸気ステップの前に、空気を前記粒状物に
    当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行う、請求項2に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  4. 前記過熱水蒸気ステップは、過熱水蒸気が連続的に対流している雰囲気内に前記粒状物を置くことでなされ、前記溶液処理・冷却ステップは、前記雰囲気内において所定温度以下の酸性溶液又はアルカリ溶液を一定時間ごとに前記粒状物に接触させることにより行われる請求項1に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  5. 前記溶液処理・冷却ステップの後に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行う、請求項4に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  6. 1以上の前記溶液処理・冷却ステップの後に、前記粒状物を水で洗浄する水洗ステップを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  7. 1以上の前記溶液処理・冷却ステップの後に、前記粒状物を水で洗浄する水洗ステップを含むものであって、1以上の前記溶液処理・冷却ステップと、前記水洗ステップとの間に、前記乾燥ステップを含むものである請求項3又は5に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  8. 最初の前記過熱水蒸気ステップの前に前記粒状物を酸性溶液またはアルカリ溶液に浸漬する浸漬ステップを含む請求項1から6のいずれか1項に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  9. 前記溶液処理・冷却ステップに代えて、前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは後に、冷却液を兼ねる水を前記粒状物に接触させる水洗・冷却ステップを有する請求項3又は5に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  10. 粒状物に付着した有機物質の脱離方法であって、前記粒状物を酸性溶液又はアルカリ溶液に浸漬する浸漬ステップと、
    前記浸漬ステップの後に、前記粒状物に過熱水蒸気を当てる過熱水蒸気ステップと、
    前記過熱水蒸気ステップの途中もしくは直後の水蒸気雰囲気下において、冷却液を兼ねる水を前記粒状物に接触させる水洗・冷却ステップと
    を含む粒状物の付着物脱離方法。
  11. 前記水洗・冷却ステップは前記過熱水蒸気ステップの後に、粒状物に水を接触させるものであって、前記過熱水蒸気ステップと前記水洗・冷却ステップを行う処理を1回以上交互に繰り返す請求項10に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  12. 前記水洗・冷却ステップを行った後、過熱水蒸気ステップの前に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行う請求項11に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  13. 前記過熱水蒸気ステップは、過熱水蒸気が連続的に対流している雰囲気内に前記粒状物を置くことでなされ、
    前記水洗・冷却ステップは、前記雰囲気内において水を一定時間ごとに接触させることにより行われる
    請求項10に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  14. 前記水洗・冷却ステップの後に、空気を前記粒状物に当てて前記粒状物を乾燥させる乾燥ステップを行う請求項13に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  15. 前記過熱水蒸気ステップは、ほぼ無酸素状態で行われる請求項1〜14に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  16. 前記過熱水蒸気ステップは、前記粒状物を当該粒状物が通ることができない多数の穴が設けられた容器に封入し、過熱水蒸気が充満した密閉空間内で前記容器を回転させることにより行われる請求項1〜15に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  17. 前記溶液処理・冷却ステップは、過熱水蒸気が充満した密閉空間内で回転する容器内に封入された前記粒状物に、前記容器の上方から溶液を散布することにより行われる請求項1、4、5、12、13に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  18. 前記容器内には攪拌羽根が設けられる請求項16又は17に記載の粒状物の付着物脱離方法。
  19. 前記粒状物の付着物脱離方法において、前記容器は当該容器内を貫く水平な回動軸に対して回転するものであって、
    前記容器の下方に前記溶液を貯める貯留槽が設けられ、前記容器の下方の少なくとも一部が当該貯留槽内に存するものであって、前記溶液処理・冷却ステップは、前記容器内の粒状物が前記貯留槽内の溶液に浸漬することによっても行われる請求項17に記載の粒状物の付着物脱離方法。
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