JP4275452B2 - 遊技機 - Google Patents

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JP4275452B2
JP4275452B2 JP2003125908A JP2003125908A JP4275452B2 JP 4275452 B2 JP4275452 B2 JP 4275452B2 JP 2003125908 A JP2003125908 A JP 2003125908A JP 2003125908 A JP2003125908 A JP 2003125908A JP 4275452 B2 JP4275452 B2 JP 4275452B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関するものである。
【0002】
スロットマシン等の遊技機の本体は、前面に開口部を有する筐体(以下キャビネットと称す)と、この開口部を覆うように、メインドアに対して開閉可能に取り付けられるメインドアとで構成されている。
【0003】
遊技機のキャビネットの内部には、図柄が描かれている複数のリールから構成されるリールユニットや、遊技全般の制御を行う主制御基板、遊技の結果に応じて遊技者にメダルを払い出すホッパ、電源ボックス等の遊技装置が収納されている。一方、メインドアには、リールの回転を開始させるスタートレバーやリールの回転を停止させるリール停止ボタン等が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−72313号公報
【0005】
また、上述した遊技機は、遊技場の島設備に設置されるものである(図29参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の遊技機は木製キャビネットを使用するが、木材は、加工が容易な反面、劣化、破損等も生じやすい。また、遊技機を遊技場の島設備に固定するために、木製キャビネットにねじ、釘等を打ち付ける場合が多い。このため、木製キャビネットは、リユース(再使用)を行うためには適切なものではなかった。
【0007】
また、流行性の高いスロットマシン等の遊技機は、新台の入替が頻繁に行われるため、リユースを行わないこととなると、新台の入替の度に多くの遊技機が廃棄処分となる場合がある。
【0008】
遊技機の廃棄処分方法は埋立て処分か焼却処分が殆どである。しかし、埋立処分や焼却処分では何ら環境問題の改善に寄与しない。例えば、焼却処分をすると、プラスチックや接着剤等の塩素系材料の燃焼により、有害物が発生する場合があり、環境問題を悪化させてしまうことになる。
【0009】
更に、資源の枯渇が叫ばれている現在、材料のリサイクル(再資源利用)が望まれる。ところが、従来の木製キャビネットには、上述した如く、通風孔の形成や強度確保等の観点から、金属部材やプラスチック部材等が取り付けられている。このため、各材料ごとに分解する必要があり、リサイクル(再資源利用)を行うことは容易ではない。
【0010】
そこで、これらの問題を解決するために、遊技機のキャビネットの材料を合成木材板ではなく、鋼板とし、鋼板製のキャビネットを製造することを試みた。これにより、キャビネットのリユース(再使用)ばかりでなく、廃棄処分時にキャビネットを融解させて、もう一度金属材料として利用する、リサイクルシステムを確立することができる。
【0011】
ところで、上述した如く、遊技機は、遊技場の島設備にはめこまれるように設置されるものである(図29参照)。
【0012】
このキャビネット100と島設備との間に隙間が設けられると、遊技に使用するコインが入り込んでしまう可能性が生じる。
【0013】
このような場合に、遊技者が、隙間に入り込んだコインを回収しようとしても、遊技機は島設備にねじ等の締結具により固定されているため、コインを回収することはほぼ不可能である。遊技を行うために必要なコインが回収できないこととなると、その分遊技回数が減ることとなる。このことは、遊技者を落胆させ、遊技者の遊技への興趣を低下させてしまうおそれがある。
【0014】
本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、リサイクル及びリユースに好適であると共に、実用性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0016】
(1) 筐体と、前記筐体を開閉可能にする扉体と、を備えた遊技機であって、前記筐体は、鋼板により形成されており、前記筐体の左側面と右側面には、凹状の絞り部が形成され、前記絞り部は、当該絞り部によって仕切り形成される形状が、前記扉体方向に下降する細長スロープを備える形状であることを特徴とする遊技機。
【0017】
(1)の発明によれば、キャビネットを鋼板により形成するので、リユース及びリサイクルに好適である。
【0018】
また、遊技機は、キャビネットの左側面と右側面に凹状の絞り部を有することにより、鋼板の板厚を薄く形成しながらも、曲げに強い構造を確保することができる。また、板厚を薄くすることができることから、鋼板で形成されるキャビネットの軽量化を図ることもできる。
【0019】
更に、絞り部は、当該絞り部によって仕切り形成される形状が、前記扉体方向に下降する細長スロープを備えるので、島設備との間にコインが入り込んだとしても、凹状の絞り部に受け止められ、スロープ部に沿って遊技者側である前面方向に誘導されることとなる。
【0020】
これにより、遊技者を落胆させることがなく、遊技者の遊技への興趣を持続させうる遊技機を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態の一例について図面に基づいて説明する。
【0022】
尚、以下において説明する実施形態においては、本発明をスロットマシンに適用して説明する。
【0023】
本発明に係る遊技機のキャビネットの概観図を図1に示す。また、図1に示すキャビネットの概略的な分解図を図2に示す。更に、キャビネットを構成する各部材の構造を図3〜図26に示す。
【0024】
[キャビネット100の構成]
図1は、本発明に係る遊技機(後述する図27の符合10参照。以下、図27の説明まで符合10を略す。)のキャビネット100の概観図である。
【0025】
図1に示す如く、キャビネット100は、前面が開放されている箱型の形状となっている。
【0026】
また、キャビネット100の内部には、後述する如く、回動可能に配置されたリールユニットや、遊技機を電気的に制御する主制御基板(後述する図5の符合56参照。以下、図5の説明まで符合56を略す。)や、コインの貯留、払出を行うホッパ等、各種の機器が収容される。
【0027】
そして、後述する如く、キャビネット100の内部に収容された各種の機器が露呈されないように、メインドア(後述する図27の符合16参照。以下、図27の説明まで符合16を略す。)で前面を覆うこととなる。また、後述する如く、メインドアは、キャビネット100に開閉可能なよう、キャビネット100の正面から見た左側とヒンジ部材により連結されており、そのヒンジ部材により連結された部分を中心として回動自在となっている。
【0028】
本実施形態におけるキャビネット100は、請求項中の筐体に相当するものの一例である。
【0029】
図1に示すキャビネット100は、横幅が約500.0mm、底面部の奥行きが約300.0mm、上面部の奥行きが約200.0mm、そして高さが約800.0mm程度の大きさを有している。尚、このキャビネット100の大きさは業界の規格の範囲で定められているものである。
【0030】
また、キャビネット100は、板金加工に適した金属材料を使用する鋼板で形成されている。このキャビネット100に使用される鋼板は、例えば、熱間圧延鋼板(例えばSPHC等)、冷間圧延鋼板(例えばSPCC等)、溶融亜鉛めっき鋼板(例えばSGCC等)、電気亜鉛めっき鋼板(例えばSECC等)、アルミニウムめっき鋼板(例えばSAC等)、ステンレス鋼板(例えばSUS等)等の薄型の板金加工が可能な金属板が好ましく、これらが用途によって使い分けられる。尚、本実施形態におけるキャビネット100は、例えばSECC等の電気亜鉛めっき鋼板で形成されることとするが、本発明はこれに限らず、キャビネット100は、上述した如く、薄型の板金加工が可能な金属板で形成されるものであればよい。
【0031】
更に、キャビネット100は、上述した鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度にして製造する。
【0032】
更にまた、鋼板の板厚を1.0mm程度にして製造されたキャビネット100は、必要箇所の強度を向上させるために、例えば、絞り加工や曲げ加工等が施されている。
【0033】
このように、キャビネット100を鋼板で製造することにより、木材と木材以外の材料とから製造されていた従来の木製キャビネットでは容易でなかった廃棄処分時の分別作業が容易になる。つまり、廃棄処分に当たって、キャビネット100に収容されている主制御基板やリールユニット等の各種の機器を取り外した後、基本的にはキャビネット100ごと溶融し、あらためて新規なキャビネット100の原材料として、また、他の各種金属製品の原材料としてリサイクル(再資源利用)が可能となる。更に、鋼板で製造されたキャビネットは、木材キャビネットよりも腐食等による劣化の度合が少ないため、リユース(再使用)に適した遊技機を提供することも可能となる。
【0034】
また、薄型の鋼板でキャビネット100を製造することにより、厚型の鋼板でキャビネット100を製造する場合よりも、キャビネット100自体の軽量化を図ることができる。また、製造に使用する金属材料も少なくすむので、キャビネット100の製造コストを減少させることができる。
【0035】
更に、キャビネット100は、絞り加工や曲げ加工等により必要箇所の強度を向上させる形状にして製造するので、板厚を薄くしたままでも必要な強度を確保することができる。また、板厚を薄くすることにより、キャビネット100の軽量化を図ることができる。更に、例えば、キャビネット100に強度を向上させるための補強板等の溶接等を行う場合よりも、キャビネット100の加工工程を省略できる。
【0036】
更にまた、キャビネット100は、鋼板を使用して製造されるため、キャビネット100にアースを設けることにより、キャビネット100は電気的なシールド性能を有することが可能となる。このため、キャビネット100内部に備えられる主制御基板、リールユニット等の電気部品の電気トラブルを防止することができる。
【0037】
図2は、キャビネット100の概略的な分解図を示すものである。図2には、キャビネット100を構成する各種の部材が示されている。
【0038】
キャビネット100は、メインシャーシ102と、このメインシャーシ102に組み付けられる各種の部材とから構成されている。
【0039】
メインシャーシ102の右側には、右サイドパネル200が組み付けられる。また、この右サイドパネル200の所定の位置には、右サイドパネル200を補強するための右サイドパネル補強部210が組み付けられる。さらに、この右サイドパネル補強部210の所定の位置には、メインドアをキャビネット100に対してロックするための被ロック部220、及び、メインドアをロック状態となるように案内するためのドアガイドレールブラケット290が組み付けられる。
【0040】
また、メインシャーシ102の左側には、左サイドパネル230が組み付けられる。また、この左サイドパネル230の所定の位置には、左サイドパネル230を補強するための左サイドパネル補強部240が組み付けられる。尚、図示しないが、この左サイドパネル補強部240には、メインドアをキャビネット100に対して開閉可能に連結するためのヒンジ部材が取り付けられることとなる。
【0041】
更に、メインシャーシ102の背面部の中央には、ミドルベース250が組み付けられる。このミドルベース250は、リールユニットをキャビネット100内部に収納するためのものである。また、メインシャーシ102の背面部の右下方には、ノイズフィルタホルダ280が組み付けられる。このノイズフィルタホルダ280は、補助収納庫に収納されたコインが一杯になったか否かを検知する補助収納庫スイッチを保持するためのものである。
【0042】
更にまた、メインシャーシ102の上面部には、メインシャーシ102の上面部を補強するための上面補強部260が組み付けられる。また、この上面補強部260には、サッシ270が組み付けられる。このサッシ270は、メインドアと接触する部分を補強するためのものである。また、サッシ270は、メインドアがキャビネット100に対してロックされたときに、メインドアとキャビネット100との間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0043】
更にまた、メインシャーシ102の底面部には、ホッパレールブラケット190が組み付けられる。このホッパレールブラケット190は、コインの貯留、払出を行うホッパ(後述する図28の符号58参照。以下、図28の説明まで符号58を略す。)をキャビネット100内部に収納するためのものである。また、メインシャーシ102の底面部には、サッシ270が組み付けられる。このサッシ270は、メインドアと接触する部分を補強するためのものである。また、サッシ270は、メインドアがキャビネット100に対してロックされたときに、メインドアとキャビネット100との間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0044】
更にまた、メインシャーシ102の背面部には、コイン自動補給用の補給口として形成された打ち抜き孔を覆うための補給口蓋170が組み付けられる。また、メインシャーシ102の底面部には、コイン自動補給用の放出口として形成された打ち抜き孔を覆うための放出口蓋180が組み付けられる。
【0045】
以下、上述したキャビネット100を構成する各種部材について、図3〜図26に基づいて説明する。
【0046】
[メインシャーシ102の説明]
図3は、キャビネット100を構成するメインシャーシ102を斜視図にて示したものである。図3に示すメインシャーシ102は、背面方向からの斜視図であり、矢印A方向を、メインドアが取り付けられる前面方向として図示されている。
【0047】
また、図4は、図3に示したメインシャーシ102の上面図、背面図、及び底面図である。
【0048】
図3に示す如く、メインシャーシ102は、側面視略コ字形状を有している。また、図3、図4に示す如く、メインシャーシ102は、上面部110、背面部130、及び底面部150とから構成されている。
【0049】
また、メインシャーシ102は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図3に示す如き断面視コ字状となる形状に形成したものである。メインシャーシ102の上面部110、背面部130、及び底面部150は一体として形成されているものである。
【0050】
更に、メインシャーシ102は、例えば、横幅が約500.0mm、底面部の奥行きが約300.0mm、上面部の奥行きが約200.0mm、そして高さが約800.0mm程度の大きさに形成されたものである。
【0051】
尚、本実施形態におけるメインシャーシ102は、曲げ加工やプレス加工等により形成されたものであることとしたが、本発明はこれに限らず、例えば鋳造等の他の公知の方法により形成されることとしてもよい。
【0052】
尚、本実施形態における遊技機10のメインシャーシ102は、メインシャーシ102の上面部110、背面部130、及び底面部150は一体として形成されていることとしたが、本発明はこれに限らず、上面部110、背面部130、底面部150を別個に形成し、これを溶接等により組み付けて製造することとしてもよい。
【0053】
[メインシャーシ102の上面部110の説明]
メインシャーシ102の上面部110は、略長方形状に形成され、例えば、横幅が約500.0mm、縦幅が約200.0mm程度の大きさを有する。
【0054】
この上面部110には、図3及び図4に示す如く、鋼板に絞り加工を施すことにより絞り加工部112が形成されている。絞り加工部112は、凹部と凸部が交互に配列されるような形状として形成されている。また、絞り加工部112の凹部の深さは、例えば約2.0mm程度に形成されている。
【0055】
このように、鋼板に、絞り加工部を形成することにより、絞り加工部を形成しない平面板状とする場合よりも、強度を向上させることができ、上面部110に荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形が生じることを防止することができる。即ち、キャビネット100には、その強度を向上させる形状が形成されているので、その形状が形成されていないものより、頑丈な遊技機を提供することができる。
【0056】
また、図4に示す如く、上面部110には、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔A1〜A4、A18、A19が形成されている。
【0057】
この打ち抜き孔A1〜A4、A18、A19は、上面部110の内壁に所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0058】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0059】
[メインシャーシ102の背面部130の説明]
図3及び図4に示す、メインシャーシ102の背面部130は、縦長の略長方形状に形成され、例えば、横幅が約500.0mm、縦幅が約800.0mm程度の大きさを有する。
【0060】
図3及び図4に示す如く、背面部130の略中央には、段付部131が形成されている。背面部130は、この段付部131を中央部として、上部、下部の3つの部分に分けることができる。また、段付部131は、上部及び下部から例えば約7.0mm程度台形状に隆起するように形成されている。
【0061】
このように、段付部を形成することにより、段付部を形成しない平面板状に形成する場合よりも、曲げ強度を向上させることができ、荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形に抗することができる。
【0062】
[通風孔部132の説明]
背面部130の上部には、通風孔部132が形成されている。
【0063】
この通風孔部132は、例えば、縦9つ×横5列の計45の通風孔が格子状に配列するように形成され、縦幅が約150.0mm程度、横幅が約300.0mm程度の大きさを有する。
【0064】
このように、通風孔部132を形成することにより、キャビネット100内部での主制御基板56等の電子機器から生じる熱による昇温空気を、キャビネット100外に排気させるので、キャビネット100内部の温度を外気温度に近づけることが可能となる。
【0065】
また、通風孔部132は、略よろい戸状に形成されている。
【0066】
図5は、上述した通風孔部132を縦断面し、要部を拡大した拡大断面図である。
【0067】
図5に示す如く、通風孔部132は、通風孔の各々によろい板133が形成されている。このよろい板133は、背面部130からキャビネット100の内部方向に下方に向かって一定の傾斜を有するように形成されている。即ち、通風孔部132は、通常のよろい戸状(よろい板が外部方向に下方に向かって一定の傾斜を有するように形成されている)とは異なる逆よろい戸状に形成されている。そのため、このような逆よろい戸状を有する通風孔部132は、通風孔が上方に向かって開放した形状を有する。
【0068】
図5に示す如く、キャビネット100内部の通風孔部132に近接する位置には、主制御基板56が取り付けられる。
【0069】
このように、主制御基板56と通風孔部132との位置関係を図5に示す如き位置関係とすると、主制御基板56が発生する熱が直ちに通風孔部132を介してキャビネット100外部に放熱される。これにより、熱によって主制御基板56に異常が生じ、遊技機に誤動作が生じないようにすることができる。
【0070】
また、通風孔部132を、上述した如く、通風孔が上方に向かって開放した逆よろい戸状に形成することにより、主制御基板56から発生する熱を、熱せられた空気は上昇するという性質を利用して、効率よくキャビネット100の外部に放熱することが可能となる。
【0071】
更に、通風孔部132を逆よろい戸状に形成するため、従来のように単に孔部を形成する場合と異なり、針金等の異物が挿入され主制御基板56に対して行われる不正を防止することもできる。
【0072】
尚、本実施形態における通風孔部132は、上述した如く、よろい板133がキャビネット100内部に向かって下方に傾斜する逆よろい戸状に形成されることとしたが、本発明はこれに限らず、よろい板133がキャビネット100外部に向かって下方に傾斜する通常のよろい戸状に形成することとしてもよい。この場合には、塵、埃等がキャビネット100内部に侵入することを防止することができる。このため、塵、埃等により主制御基板56に異常が生じ、遊技機に誤動作が生じる可能性を低下させることができる。
【0073】
尚、本実施形態における通風孔部132は、上述した図5に示す如く、逆よろい戸状に形成することとしたが、本発明はこれに限らず、他の形状として形成されるものであってもよい。一例として、図30に示す如き形状として構成されるものであってもよい。
【0074】
図30は、本実施形態における遊技機10が有する通風孔部132の変形例を示すものである。図30は、図5と同様、通風孔部132を縦断面し、要部を拡大した拡大断面図を示すものである。
【0075】
図30に示す如く、通風孔部132は、通風孔の各々によろい板133が形成されている。このよろい板133は、背面部130からキャビネット100の外部方向へ上方に向かって一定の傾斜を有するように形成されている。このような形状としてよろい板133を形成したとしても、通風孔部132は、通風孔が上方に向かって開放した形状となる。
【0076】
したがって、通風孔部132を図30に示す如き形状としても、図5に示す如き形状とした場合と同様の効果を得ることが期待できる。
【0077】
尚、本実施形態における通風孔部132は、キャビネット100の背面部130に形成することとしたが、本発明はこれに限らず、キャビネット100の外周であれば、如何なる場所に形成することとしてもよい。例えば、キャビネット100の上面部、両側面部に形成されることとしてもよい。また、この際、キャビネット100の内部に備えられる主制御基板56は、通風孔部132に近接する位置に取り付けることが好ましい。
【0078】
また、本実施形態における通風孔部132は、例えば、縦幅が約150.0mm程度、横幅が約300.0mm程度の大きさを有することとしたが、本発明はこれに限らず、通風孔部132の大きさは上記数値に限定されるものではなく、放熱可能であれば、如何なる大きさに形成されるものであってもよい。
【0079】
更に、本実施形態における通風孔部132は、縦が9列×横が5列の計45の格子状の孔部から構成されていることとしたが、本発明はこれに限らず、孔部の形状、数は如何なるものであってもよい。また、孔部の数は、一又は複数であってもよい。
【0080】
尚、上述した如く、通風孔部132は、メインシャーシ102の背面部130に形成されるものであるが、メインシャーシ102の背面部130に凹状の絞り加工部を形成し、この絞り加工部内に通風孔部132を形成することとしてもよい。これにより、背面部130の強度を向上させることができるとともに、背面部130から下げた位置に通風孔部132が形成されるので、塵、埃等がキャビネット100内部に侵入することを防止するのに好適な場合がある。また、通風孔部132を通常のよろい戸状に形成する場合のように、よろい板133をキャビネット100の外部方向へ向かって下方に傾斜させる場合であっても、よろい板133が背面部130から突出しないこととなる。このため、例えば、キャビネット100の運搬、島設備への設置等の際に、突出したよろい板133が接触してしまうことでの通風孔部132の破損等を防止することもできる。
【0081】
ここで、図3、図4に示すメインシャーシ102の背面部130の説明に戻す。
【0082】
[補給口134の説明]
図3及び図4に示す如く、メインシャーシ102の背面部130の中央部に形成された段付部131の下方には、補給口134が形成されている。
【0083】
補給口134は、背面部130に形成された略正方形状の打ち抜き孔であり、例えば横幅が約90.0mm程度、縦幅が約90.0mm程度の大きさを有する。この補給口134は、キャビネット100の内部に備えられるホッパに対して自動補給装置によりコインを補給するためのものである。
【0084】
ここで、遊技場で行われる遊技機のコイン補給の態様について説明する。遊技機には、キャビネット100内部にコインの貯留、払出を行うホッパが備えられている。ホッパは、遊技を行うためにコイン投入口(後述する図27の符合31参照。以下、図27の説明まで符合31を略す。)から投入されたコインの貯留を行い、行われた遊技の結果に応じて、貯留したコインの払出をコイン受皿に行う。このホッパに貯留されたコインがなくなると、コインの払出が行われなくなるため、遊技場では、ホッパに対して必要に応じてコインの補給が行われている。
【0085】
このコインの補給には、大別すると二つの場合がある。一つは、手作業によりコインの補給が行われる場合である。この場合は、遊技場の従業員により、遊技機のメインドアが開放され、遊技者側からホッパに対して直接コインが補給される。
【0086】
もうひとつは、自動補給装置によりコインが自動補給される場合である。この場合は、遊技機が設置されている島設備内部に設けられた自動補給装置により、コインが自動補給される。この自動補給装置は、島設備の内部でコインを循環させ、島設備に設置された各遊技機に対して遊技機の背面側からコインの補給を行うものである。自動でコインの補給が行われるため、手作業で補給作業を行っていた従業員への作業負担を軽減することができる。また、加えて、補給の際にメインドアを開放する必要がないため、遊技の中断による遊技者の遊技への興趣の低下や、遊技機内部を露呈することによるセキュリティ面の不安も解消することができるという利点がある。
【0087】
上述した、本実施形態における補給口134は、この自動補給装置により補給を行うための自動補給用のものである。
【0088】
補給口134は、島設備の内部に設けられた自動補給装置からコインをホッパに導くための略正方形状の打ち抜き孔である。自動補給装置により島設備の内部を循環するコインはこの補給口134を介してホッパに補給されることとなる。
【0089】
背面部130には、図4に示す如く、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔A5〜A10が形成されている。また、背面部130には、例えば直径約9.0mm程度の小径の打ち抜き孔A11、A20、A21が形成されている。
【0090】
これらの打ち抜き孔A5〜A10、A11、A20、A21は、背面部130の内壁に所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0091】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具としては、リベットの他、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビス等が使用されることとしてもよい。
【0092】
[メインシャーシ102の底面部150の説明]
メインシャーシ102を構成する底面部150は、略長方形状に形成され、例えば横幅が約500.0mm程度、奥行きが約300.0mm程度の大きさを有する。
【0093】
この底面部150には、図4に示す如く、絞り加工部152が形成されている。絞り加工部152は、凹部と凸部が交互に配列されるような形状として形成されている。また、絞り加工部152の凹部の深さは、例えば約2.0mm程度に形成されている。
【0094】
このように、鋼板に絞り加工部152を形成することにより、絞り加工部152を形成しない平面板状とする場合よりも、曲げ強度を向上させることができ、底面部150に荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形に抗することができる。
【0095】
また、この底面部150には、背面側から見て左側に、放出口154が形成されている。
【0096】
放出口154は、略楕円状の打ち抜き孔であり、例えば横幅が約150.0mm程度、縦幅が約60.0mm程度の大きさを有する。
【0097】
放出口154は、上述した補給口134と同様、島設備内部の自動補給装置にコインを回収するための自動補給用のものである。この放出口154は、キャビネット100内部に備えられたホッパに貯留しきれなくなったコインをキャビネット100の外部に放出するためのものである。
【0098】
ホッパは、メインドアに設けられたコイン投入口から投入されたコインや、上述した如く、自動補給装置により補給口134から補給されたコインを貯留するものである。そして、コインの投入量、補給量よりも払出量が少ない状態が続き、ホッパに貯留されたコインが一杯になると、ホッパに貯留しきれなくなったコインがホッパの右側から補給口134に向かって落下する。そして、放出口154からキャビネット100外部に放出されたコインは、自動補給装置に回収されることとなる。
【0099】
また、底面部150には、図4に示す如く、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔A12〜A15が形成されている。また、底面部150には、例えば直径約9.0mm程度の小径の打ち抜き孔A16が形成されている。更に、底面部150には、例えば直径約13.0mm程度の小径の打ち抜き孔A17が形成されている。
【0100】
これらの打ち抜き孔A12〜A15、A16、A17は、底面部150の内壁に所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0101】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具としては、リベットの他、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビス等が使用されることとしてもよい。
【0102】
以上、キャビネット100を構成するメインシャーシ102についての説明を終了する。
【0103】
尚、本実施形態におけるメインシャーシ102の形状、板厚、大きさ等については、上述した如き形状、数値を例示して説明したが、本発明はこれに限らず、上記形状、数値に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜設計変更可能である。また、メインシャーシ102に形成された通風孔部132、補給口134、放出口154、及び各種の打ち抜き孔等の形状、板厚、大きさ等についても、上述した如き形状、数値を例示して説明したが、本発明はこれに限らず、上記形状、数値に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜設計変更可能である。
【0104】
次いで、以下、上述の如く、キャビネット100を構成し、メインシャーシ102に組み付けられる各種の部材について説明する。
【0105】
[サイドパネル200、230の説明]
まず、図3及び図4に示すメインシャーシ102の左右両側に組み付けられる右サイドパネル200及び左サイドパネル230、右サイドパネル200に組み付けられる右サイドパネル補強部210、左サイドパネル230に組み付けられる左サイドパネル補強部240、右サイドパネル補強部210に組み付けられる被ロック部220について以下説明を行う。
【0106】
最初に、上述したメインシャーシ102の右側に組み付けられる右サイドパネル200、及び、メインシャーシ102の左側に組み付けられる左サイドパネル230について、図6〜図9に基づいて説明する。
【0107】
本実施形態における右サイドパネル200は、請求項中の右側面に相当するものの一例である。
【0108】
また、本実施形態における左サイドパネル230は、請求項中の左側面に相当するものの一例である。
【0109】
図6は、右サイドパネル200の概観を示す斜視図である。また、図7は、図6に示す右サイドパネル200の矢印A方向からの側面図、及び、B−B方向に切断した断面図である。また、図6、図7において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0110】
また、図8は、左サイドパネル230の概観を示す斜視図である。また、図9は、図8に示す左サイドパネル230の矢印A方向からの側面図、及び、B−B方向に切断した断面図である。また、図8、図9において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0111】
右サイドパネル200及び左サイドパネル230は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により図6〜図9に示す如き形状に形成したものである。
【0112】
図7(A)、図9(A)に示す如く、右サイドパネル200のパネル本体201及び左サイドパネル230のパネル本体231は、略台形状に形成され、例えば上辺が約200.0mm程度、下辺が約290.0mm程度、高さが約800.0mm程度の大きさを有する。
【0113】
即ち、右サイドパネル200及び左サイドパネル230は、メインシャーシ102の左右両側に組み付けられることとなるため、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の上辺は、上述した図3及び図4に示すメインシャーシ102の上面部110の縦幅の長さと概同じ長さとなっている。また、下辺は、上述した図3及び図4に示すメインシャーシ102の底面部150の縦幅の長さと概同じ長さとなっている。更に、高さは、上述した図3及び図4に示すメインシャーシ102の高さと概同じ長さとなっている。
【0114】
図6、図7に示す如く、右サイドパネル200は、台形状に形成されるパネル本体201と、このパネル本体201の上端からパネル本体201に対して略直角に折り曲げ成形された上部フランジ206と、パネル本体201の背端からパネル本体201に対して略直角に折り曲げ成形された背部フランジ207と、パネル本体201の下端からパネル本体201に対して略直角に折り曲げ成形された下部フランジ208と、で形成されている。また、パネル本体201には、3つの絞り加工部、上段絞り加工部202、中段絞り加工部203、下段絞り加工部204が形成されている。
【0115】
また、図6、図7に示す如く、右サイドパネル200には例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔B1〜B7が形成されている。打ち抜き孔B1、B2は、右サイドパネル200のパネル本体201に形成されている。また、打ち抜き孔B3は、右サイドパネル200の上部フランジ206に形成されている。更に、打ち抜き孔B4、B5は、右サイドパネル200の背部フランジ207に形成されている。更にまた、打ち抜き孔B6は、右サイドパネル200の下部フランジ208に形成されている。更にまた、打ち抜き孔B7は、右サイドパネル200の中段絞り加工部203に形成されている。
【0116】
更に、右サイドパネル200には例えば直径5.0mm程度の雌ねじ部B8〜B10が形成されている。この雌ねじ部B8〜B10は、ナットがパネル本体201に溶接されて形成されたものである。このようにナットを溶接することで、雌ねじ部を形成するだけの厚さがない薄板であっても、雌ねじ部を形成することができる。
【0117】
雌ねじ部B8は、右サイドパネル200の上段絞り加工部202に形成されている。また、雌ねじ部B9は、右サイドパネル200の中段絞り加工部203に形成されている。更に、雌ねじ部B10は、右サイドパネル200のパネル本体201の下方に形成されている。
【0118】
また、中段絞り加工部203には、メインシャーシ102に各種部材の組み付けが終了し完成したキャビネット100を持ち運ぶための取手孔205が形成されている。
【0119】
一方、この右サイドパネル200と同様に、左サイドパネル230は、図8、図9に示す如く、台形状に形成されるパネル本体231と、このパネル本体231の上端からパネル本体231に対して略直角に折り曲げ成形された上部フランジ236と、パネル本体231の背端からパネル本体231に対して略直角に折り曲げ成形された背部フランジ237と、パネル本体231の下端からパネル本体231に対して略直角に折り曲げ成形された下部フランジ238と、で形成されている。また、パネル本体231には、3つの絞り加工部、上段絞り加工部232、中段絞り加工部233、下段絞り加工部234が形成されている。
【0120】
また、左サイドパネル230には例えば直径4.0mm程度の小径の打ち抜き孔C1〜C8が形成されている。打ち抜き孔C1、C2は、左サイドパネル230のパネル本体231に形成されている。また、打ち抜き孔C3は、左サイドパネル230の上部フランジ236に形成されている。更に、打ち抜き孔C4、C5は、左サイドパネル230の背部フランジ237に形成されている。更にまた、打ち抜き孔C6は、左サイドパネル230の下部フランジ238に形成されている。更にまた、打ち抜き孔C7は、左サイドパネル230の中段絞り加工部233に形成されている。更にまた、打ち抜き孔C8は、左サイドパネル230の下段絞り加工部234に形成されている。
【0121】
更に、左サイドパネル230には例えば直径約5.0mm程度の雌ねじ部C9、C10が形成されている。この雌ねじ部C9、C10は、ナットがパネル本体231に溶接されて形成されたものである。このようにナットを溶接することで、雌ねじ部を形成するだけの厚さがない薄板であっても、雌ねじ部を形成することができる。
【0122】
雌ねじ部C9は、左サイドパネル230の中段絞り加工部233に形成されている。また、雌ねじ部C10は、左サイドパネル230の下段絞り加工部234に形成されている。
【0123】
また、中段絞り加工部233には、メインシャーシ102に各種部材の組み付けが終了し完成したキャビネット100を持ち運ぶための取手孔235が形成されている。
【0124】
上述した右サイドパネル200の所定の位置に形成された打ち抜き孔B1〜B7、及び、左サイドパネル230の所定の位置に形成された打ち抜き孔C1〜C8は、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の内壁に所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0125】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具としては、リベットの他、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビス等が使用されることとしてもよい。
【0126】
[絞り加工部202〜204及び232〜234の説明]
また、上述した如く、右サイドパネル200のパネル本体201には、3つの絞り加工部、上段絞り加工部202、中段絞り加工部203、下段絞り加工部204が形成されている。一方、左サイドパネル230のパネル本体231には、3つの絞り加工部である、上段絞り加工部232、中段絞り加工部233、下段絞り加工部234が形成されている。
【0127】
本実施形態における右サイドパネル200の上段絞り加工部202、中段絞り加工部203、下段絞り加工部204は、請求項中の凹状の絞り部に相当するものの一例である。また、本実施形態における左サイドパネル230の上段絞り加工部232、中段絞り加工部233、下段絞り加工部234は、請求項中の凹状の絞り部に相当するものの一例である。
【0128】
右サイドパネル200及び左サイドパネル230の各々に形成された3つの絞り加工部は、図7(B)、図9(B)に示す如く、各々が内側に向かって陥没した略長方形状の凹部として形成されている。また、各々の絞り加工部の深さは、例えば約5.0mm程度に形成されている。
【0129】
このように、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の各々に絞り加工部を形成することにより、鋼板の板厚を薄く形成しながらも、曲げに強い構造を確保することができる。また、板厚を薄くすることができることから、鋼板で成形されるキャビネット100の軽量化を図ることもできる。
【0130】
つまり、絞り加工部が形成されることにより、鋼板の断面二次モーメントが増加すると、剛性が高くなり、曲げ、たわみ、ねじれに強くなる。このため、強度の確保のために必要以上に鋼板を厚くする必要がなくなる。即ち、鋼板に曲げ加工や絞り加工を適宜施すことにより右サイドパネル200及び左サイドパネル230の軽量化、つまりは、キャビネット100の軽量化を図ることができる。また、金属材料の使用量を抑えることができるため、材料コストの低下を図ることも期待できる。
【0131】
尚、本実施形態においては、右サイドパネル200及び左サイドパネル230に絞り加工を施すことにより、鋼板の板厚を薄く形成しながらも、曲げに強い構造を確保することとしたが、本発明は絞り加工に限らず、例えば曲げ加工等の鋼板の板厚を薄く形成しながら曲げに強い構造を確保することができる加工を施すものであればよい。
【0132】
[絞り加工部に締結具用の受入孔(雌ねじ部、打ち抜き孔)B、Cを設ける]
また、上述した如く、右サイドパネル200の上段絞り加工部202及び中段絞り加工部203は、キャビネット100内部方向に陥没した略長方形状の凹部として形成されている。そして、上段絞り加工部202には、雌ねじ部B8が、凹部の底面にナットを溶接することにより形成されている。また、同様に、中段絞り加工部203には、雌ねじ部B9が、凹部の底面にナットを溶接することにより形成されている。さらに、この中段絞り加工部203の凹部の底面には、所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるための打ち抜き孔B7が形成されている。
【0133】
一方、左サイドパネル230の中段絞り加工部233及び下段絞り加工部234は、キャビネット100内部方向に陥没した略長方形状の凹部として形成されている。そして、中段絞り加工部233には、雌ねじ部C9が、凹部の底面にナットを溶接することにより形成されている。また、この中段絞り加工部233の凹部の底面には、所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるための打ち抜き孔C7が形成されている。同様に、下段絞り加工部234には、雌ねじ部C10が、凹部の底面にナットを溶接することにより形成されている。また、この下段絞り加工部234の凹部の底面には、所定の部材をリベット等の締結具で組み付けるための打ち抜き孔C8が形成されている。
【0134】
そして、上述した如く、右サイドパネル200の雌ねじ部B8、B9に対してキャビネット100内部側から雄ねじをねじ止めし、右サイドパネル200とキャビネット100内部に備えられる部材とを固定することとなる。また、左サイドパネル230の雌ねじ部C9、C10に対してキャビネット100内部側から雄ねじをねじ止めし、左サイドパネル230とキャビネット100内部に備えられる部材とを固定することとなる。
【0135】
また、右サイドパネル200の打ち抜き孔B7にリベット等の締結具を接合し、右サイドパネル200とキャビネット100内部に備えられる部材とを固定することとなる。また、左サイドパネル230の打ち抜き孔C7、C8にリベット等の締結具を接合し、左サイドパネル230とキャビネット100内部に備えられる部材とを固定することとなる。
【0136】
右サイドパネル200及び左サイドパネル230とキャビネット100内部に備えられる部材とを固定した状態を示す説明図を図31に示す。
【0137】
また、図31(A)は、雌ねじ部B8、B9、C9、C10に対して右サイドパネル200又は左サイドパネル230の内側から雄ねじをねじ止めした状態を示す。また、図31(B)は、打ち抜き孔B7、C7、C8に対してリベットを接合した状態を示す。更に、図31(C)は、雌ねじ部B8、B9、C9、C10に対して右サイドパネル200又は左サイドパネル230の外側から雄ねじをねじ止めした状態を示す。
【0138】
本実施形態では、右サイドパネル200及び左サイドパネル230は板厚が約1.0mm程度の鋼板で形成されているため、これに所定の部材をねじ止めにより固定する場合には、裏側からナットを溶接して雌ねじ部を形成する。
【0139】
しかし、ナットをパネル表面に溶接するため、ナットは表面から突出してしまうこととなる。特に、キャビネット100の外部側にナットを溶接する必要がある場合には、ナットが外部に突出してしまう。
【0140】
そこで、図31(A)に示す如く、右サイドパネル200及び左サイドパネル230に形成された絞り加工部の底面にナットを溶接すると、溶接したナットは右サイドパネル200の外側に突出するが、絞り加工部内で固定される。つまり、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の表面までは突出しない位置で固定される。
【0141】
一方、図31(B)に示す如く、絞り加工部に形成された打ち抜き孔B7、C7、C8に対して、リベットにより接合を行う場合には、接合されたリベットの頭部は、絞り加工部内で固定される。つまり、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の表面までは突出しない位置で固定される。使用するリベットは、絞り加工部の深さよりも、頭部の高さが短いものであればよい。
【0142】
また、図31(A)に示す如く、絞り加工部に形成された雌ねじ部B8、B9、C9、C10に対して、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の外側から雄ねじをねじ止めする場合は、ねじ止めされた雄ねじの頭部は、絞り加工部内で固定される。つまり、右サイドパネル200及び左サイドパネル230の表面までは突出しない位置で固定される。使用する雄ねじは、絞り加工部の深さよりも、頭部の高さが短いものであればよい。
【0143】
このように、絞り加工部に雌ねじ部若しくは打ち抜き孔を形成することにより、左右のサイドパネルとこの左右のサイドパネルに組み付ける各種部材とを固定するための雄ねじやリベット等の締結具は、絞り加工部内で固定され、左右のサイドパネルの表面から突出させないようにすることができる。
【0144】
従来の木製キャビネットでは、合成木材板と他の部材を固定する雄ねじ等の締結具をキャビネット表面に突出させないように、固定する部分にへこみをつける座刳り加工がなされていた。しかし、鋼板に強度を向上させる絞り加工部を設け、かつ、この絞り加工部に締結具で固定する雌ねじ部又は打ち抜き部を形成することにより、従来の木製キャビネットで行われていたような合成木材板の座刳り加工が不要となる。また、強度の向上と部材の固定を行う締結具を突出させないための加工を一の工程で行うため、キャビネット100の製造工程を少なくすることにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0145】
[絞り加工部202〜204及び232〜234に角度をつける]
図6〜図9に示す如く、右サイドパネル200及び左サイドパネル230に形成された絞り加工部は、メインドア方向である前方に向かって一定の角度を有する下り傾斜となるように形成されている。つまり、この絞り加工部の下端(略長状の絞り加工部の下辺部)は、幅が約0.5mm程度の細長スロープ状になっている。
【0146】
遊技機のキャビネット100は、遊技場の島設備にはめこまれるように設置されるものである(図29参照、後述)。
【0147】
そして、このキャビネット100の両サイドパネルと島設備との間に隙間が設けられると、遊技に使用するコインが入り込んでしまう可能性が生じる。
【0148】
このような場合に、遊技者が、隙間に入り込んだコインを回収しようとしても、遊技機は島設備にねじ等の締結具により固定されているため、コインを回収することはほぼ不可能である。遊技を行うために必要なコインが回収できないこととなると、その分遊技回数が減ることとなる。このことは、遊技者を落胆させ、遊技者の遊技への興趣を低下させてしまうおそれがあった。
【0149】
また、本実施形態におけるキャビネット100では、左右のサイドパネルに絞り加工部を形成したため、絞り加工部内に入り込み、溜められる場合がある。しかし、単に絞り加工部内に溜められたとしても、遊技者がコインを回収することはほぼ不可能であることに変わりはない。
【0150】
そこで、上述した如く、絞り加工部を、メインドア側である前方に向かって一定の角度を有する下り傾斜となるように形成することにより、絞り加工部内に溜められたコインが、傾斜に沿って遊技者側である前方に移動することが可能となる。
【0151】
絞り加工部に受け止められたコインが傾斜に沿って前方に移動する状態を示す説明図を図32に示す。図32では、右サイドパネル200を例としている。
【0152】
図32に示す如く、キャビネット100の右サイドパネル200と島設備1との間に設けられた隙間にコインが入り込んでしまった場合であっても、コインが絞り加工部(202〜204)に受け止められることとなり、かつ、受け止められたコインがスロープ部300の傾斜に沿って前方に滑り落ちることとなる。そして、遊技者は前方に滑り落ちたコインを回収することが可能となる。また、これは、左サイドパネル230についても同様である。
【0153】
本実施形態におけるスロープ部300は、請求項中のスロープ部に相当するものの一例である。
【0154】
このように、従来は回収することがほぼ不可能であるコインを回収する機会を生じさせることができる。これにより、遊技者を落胆させることが少なく、遊技者の遊技への興趣を持続させうる遊技機を提供することができる。
【0155】
尚、本実施形態における絞り加工部は、コインが前方に移動可能な角度を有するように傾斜させるものであれば、如何なる形状に形成するものであってもよい。
【0156】
[サイドパネル200、230の組み付け]
以上のように形成された右サイドパネル200及び左サイドパネル230の組み付けについて説明する。
【0157】
まず、右サイドパネル200の組み付けについて図2、図4、図6に基づいて説明する。右サイドパネル200は、メインシャーシ102の右側に組み付けられる(図2参照)。
【0158】
右サイドパネル200の上部フランジ206に形成された打ち抜き孔B3(図6参照)を、メインシャーシ102の上面部110に形成された打ち抜き孔A1(図4参照)と合致させる。
【0159】
また、右サイドパネル200の背部フランジ207に形成された打ち抜き孔B4、B5(図6参照)を、メインシャーシ102の背面部130に形成された打ち抜き孔A5、A6(図4参照)と合致させる(B4とA5、B5とA6)。
【0160】
更に、右サイドパネル200の下部フランジ208に形成された打ち抜き孔B6(図6参照)を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A12(図4参照)と合致させる。このように、メインシャーシ102に対して右サイドパネル200の位置決めが行われる。
【0161】
そして、右サイドパネル200とメインシャーシ102の打ち抜き孔同士を合致させた状態で、リベット等の締結具を接合する。これにより、右サイドパネル200は、メインシャーシ102の右側に組み付けられる。
【0162】
次に、左サイドパネル230の組み付けについて図2、図4、図8に基づいて説明する。左サイドパネル230は、メインシャーシ102の左側に組み付けられる(図2参照)。
【0163】
左サイドパネル230の上部フランジ236に形成された打ち抜き孔C3(図8参照)を、メインシャーシ102の上面部110に形成された打ち抜き孔A3(図4参照)と合致させる。
【0164】
また、左サイドパネル230の背部フランジ237に形成された打ち抜き孔C4、C5(図8参照)を、メインシャーシ102の背面部130に形成された打ち抜き孔A7、A8(図4参照)と合致させる(C4とA7、C5とA8)。
【0165】
更に、左サイドパネル230の下部フランジ238に形成された打ち抜き孔C6(図8参照)を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A15(図4参照)と合致させる。このように、メインシャーシ102に対して左サイドパネル230の位置決めが行われる。
【0166】
そして、左サイドパネル230とメインシャーシ102の打ち抜き孔同士を合致させた状態で、リベット等の締結具を接合する。これにより、左サイドパネル230は、メインシャーシ102の左側に組み付けられる。
【0167】
[補強部210、240の説明]
次に、上述した右サイドパネル200に組み付けられる右サイドパネル補強部(以下、単に右補強部と称す)210について、図10、図11に基づいて説明する。
【0168】
また、上述した左サイドパネル230の内側に組み付けられる左サイドパネル補強部(以下、単に左補強部と称す)240について、図12及び図13に基づいて説明する。
【0169】
図10は、右補強部210の概観を示す斜視図である。また、図11は、図10に示す右補強部210の矢印A方向からの側面図、及び、B−B方向、C−C方向に断面した断面図である。また、図10、図11において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0170】
図12は、左補強部240の概観を示す斜視図である。また、図13は、図12に示す左補強部240の矢印A方向からの側面図、及び、B−B方向、C−C方向に断面した断面図である。また、図12、図13において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0171】
右補強部210及び左補強部240は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により図10〜図13に示す如き形状に成形したものである。
【0172】
図10〜図13に示す右補強部210及び左補強部240は、例えば上辺の幅が約140.0mm程度、下辺の幅が約90.0mm程度、高さが約800.0mm程度の大きさに形成されている。右補強部210、左補強部240は、右サイドパネル200、左サイドパネル230の内壁に各々組み付けられることとなる。このため、右補強部210及び左補強部240の高さは、上述した図6〜図9に示した右サイドパネル200及び左サイドパネル230の高さと略同じ高さとなっている。
【0173】
図10、図11に示す如く、右補強部210は、右補強部本体211と、右補強部本体211の前後両端部に設けられ、上述した右サイドパネル200の内壁に接し、右サイドパネル200を支持する二つの支持部、前方支持部212及び後方支持部213と、右補強部本体211の上端から右補強部本体211に対して略直角に折り曲げ成形された上部フランジ214と、右補強部本体211の下端から右補強部本体211に対して略直角に折り曲げ成形された下部フランジ215と、で形成されている。
【0174】
また、上述した前方支持部212の前方端部には、突出片216が形成されている。この突出片216は、メインドアがキャビネット100に対して閉状態となった場合に、メインドアとキャビネット100との間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0175】
また、図11(A)に示す如く、右補強部210の右補強部本体211には、例えば直径約5.0mm程度の雌ねじ部D1〜D4が形成されている。これらの雌ねじ部D1〜D4のうち、雌ねじ部D1、D3は、ナットが右補強部本体211のキャビネット100側に溶接されて形成されている。この雌ねじ部D1、D2は、右補強部210に後述する被ロック部220を組み付けるためのものである。また、雌ねじ部D2、D4は、ナットが右補強部本体211の右サイドパネル200側に溶接されて形成されている。この雌ねじ部D2、D4は、右補強部210に後述するドアガイドレールブラケット290を組み付けるためのものである。
【0176】
更に、右補強部210の前方支持部212には、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔D5、D6が形成されている。これらの打ち抜き孔D5、D6は、右補強部210を右サイドパネル200の内壁にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0177】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具としては、リベットの他、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビス等が使用されることとしてもよい。
【0178】
更にまた、右補強部本体211には、上述した雌ねじ部D1の近傍には、上部差込孔217が形成されている。更に、雌ねじ部D3の近傍には、下部差込孔218が形成されている。この上部差込孔217及び下部差込孔218は、後述する被ロック部220を右補強部210に組み付ける際に、被ロック部220の上部被係止片221、下部被係止片222を差し込むためのものである。
【0179】
一方、図12、図13に示す如く、左補強部240は、左補強部本体241と、左補強部本体241の前後両端部に形成され、上述した左サイドパネル230の内壁に接し、左サイドパネル230を支持する二つの支持部である、前方支持部242及び後方支持部243と、左補強部本体241の上端から左補強部本体241に対して略直角に折り曲げ成形された上部フランジ244と、左補強部本体241の下端から左補強部本体241に対して略直角に折り曲げ成形された下部フランジ245と、で形成されている。
【0180】
また、上述した前方支持部242の前方端部には、突出片246が形成されている。この突出片246は、メインドアがキャビネット100に対して閉状態となった場合に、メインドアとキャビネット100との間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0181】
また、図13(A)に示す如く、左補強部240の左補強部本体241には、例えば直径約5.0mm程度の雌ねじ部E1〜E8が形成されている。この雌ねじ部E1〜E8は、ナットが左補強部本体241に溶接されて形成されたものである。これらの雌ねじ部E1〜E8の全部又は一部を使用して、メインドアをキャビネット100に対して開閉可能に取り付けるためのヒンジ部材を固定する。更に、左補強部240の左補強部本体241には、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔E9が形成されている。また、左補強部240の前方支持部242には、例えば直径約4.0mm程度の小径の打ち抜き孔E10、E11が形成されている。これらの打ち抜き孔E10、E11は、左補強部240を左サイドパネル230の内壁にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0182】
図11(B)、(C)及び図13(B)、(C)に示す如く、右補強部210及び左補強部240は、断面の形状が、折り曲げ回数が多い形状となっている。
【0183】
このように、鋼板に曲げ加工を施し、折り曲げ回数が多い形状とすることにより、鋼板の断面二次モーメントが増加すると、剛性が高くなり、曲げ、たわみ、ねじれに強くなる。このため、右サイドパネル200及び左サイドパネル230を補強するのに一層好適となる。また、強度の確保のために必要以上に鋼板を厚くする必要がなくなる。即ち、鋼板に曲げ加工を適宜施すことにより右補強部210及び左補強部240の軽量化、つまりは、キャビネット100の軽量化を図ることができる。また、金属材料の使用量を抑えることができるため、材料コストの低下を図ることも期待できる。
【0184】
更にまた、図11(B)、(C)に示す如く、右補強部210には、上述した如き曲げ加工が施されて、前方支持部212と、右補強部本体211と、後方支持部213とに囲まれた凹状の空間が形成されている。この凹状の空間の奥行きは、例えば約13.0mm程度である。
【0185】
同様に、図13(B)、(C)に示す如く、左補強部240には、上述した如き曲げ加工が施されて、前方支持部242と、左補強部本体241と、後方支持部243とに囲まれた凹状の空間が形成されている。この凹状の空間の奥行きは、例えば約13.0mm程度である。
【0186】
つまり、右補強部本体211及び左補強部本体241に雌ねじ部を形成する場合には、凹状の空間の奥行きの分だけ厚型のナットを溶接することができる。厚型のナットを溶接することにより雌ねじ部を形成すると、長い雄ねじを使用することができ、右補強部本体211及び左補強部本体241に組み付けられる部材を固定する安定性を向上させることができる。
【0187】
[補強部210、240の組み付け]
以上のように形成された右補強部210及び左補強部240の組み付けについて説明する。
【0188】
まず、右補強部210の組み付けについて図2、図6、図11に基づいて説明する。右補強部210は、右サイドパネル200の内側前方に組み付けられる(図2参照)。
【0189】
右補強部210の前方支持部212に形成された打ち抜き孔D5、D6(図11参照)を、右サイドパネル200のパネル本体201に形成された打ち抜き孔B1、B2(図6参照)と合致させる(D5とB1、D6とB2)。このように、右サイドパネル200に対して右補強部210の位置決めが行われる。
【0190】
そして、右補強部210と右サイドパネル200の打ち抜き孔同士を合致させた状態で、リベット等の締結具を接合する。これにより、右補強部210は、右サイドパネル200の内側前方に組み付けられる。
【0191】
次に、左補強部240の組み付けについて図2、図8、図13に基づいて説明する。左補強部240は、左サイドパネル230の内側前方に組み付けられる(図2参照)。
【0192】
左補強部240の前方支持部242に形成された打ち抜き孔E10、E11(図13参照)を、左サイドパネル230のパネル本体231に形成された打ち抜き孔C1、C2(図8参照)と合致させる。このように、左サイドパネル230に対して左補強部240の位置決めが行われる(E10とC1、E11とC2)。
【0193】
そして、左補強部240と左サイドパネル230の打ち抜き孔同士を合致させた状態で、リベット等の締結具を接合する。これにより、左補強部240は、左サイドパネル230の内側前方に組み付けられる。
【0194】
このように、サイドパネルの前方領域に、補強部を組み付けることにより、サイドパネルを薄型の鋼板で形成しても、必要な強度を確保することができる。サイドパネルの外部から荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形に抗することができる。
【0195】
また、補強部をサイドパネルの前方領域のみに組み付けることにより、重量のあるメインドアの自重や、重量のあるメインドアの開閉により荷重がかかりやすい部分のみの強度を向上させることができる。これにより、他の荷重が比較的かからない部分については板厚を薄くしたままにすることで、キャビネットの軽量化を図ることができる。
【0196】
更に、上述した図11(B)、(C)及び図13(B)、(C)に示す如く、右補強部210及び左補強部240は、曲げ加工により凹状の空間が形成される構造となっている。このような構造とした右補強部210及び左補強部240を右サイドパネル200及び左サイドパネル230に各々組み付けると、この空間が外側から加えられた荷重を分散させるため、右サイドパネル200及び左サイドパネル230を補強するのに一層好適となる。
【0197】
また、この形成された空間に厚型のナットを溶接して雌ねじ部を形成することにより、長い雄ねじを使用することができ、組み付ける部材の安定性を向上させることができる。例えば、後述する如く、キャビネット100とメインドアとを連結させるヒンジ部材を取り付けることとすると、重量のあるメインドアの取り付け安定性を向上させることができる。
【0198】
[被ロック部220の説明]
次に、上述した右補強部210に組み付けられる被ロック部220について、図14及び図15に基づいて説明する。
【0199】
図14は、被ロック部220の概観を示す斜視図である。また、図15は、図14に示す被ロック部220の正面図、側面図、及び上面図である。図14に示す被ロック部220の正面図(図14の矢印A方向)を図15(A)に示す。また、図14に示す被ロック部220の側面図(図14の矢印B方向)を図15(B)に示す。更に、図14に示す被ロック部220の上面図(図14の矢印C方向)を図15(C)に示す。また、図14、図15において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0200】
被ロック部220は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.6mm程度に形成される。そして、この板厚が1.6mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により図14、図15に示す如き形状に形成するものである。
【0201】
被ロック部220は、例えば、縦幅が約480.0mm程度の大きさに形成する。そして、被ロック部220の上部被係止片221及び下部被係止片222は、例えば、横幅が約15.0mm程度、縦幅が約25.0mm程度の大きさに形成する。
【0202】
図14に示す如く、被ロック部220は、上部被係止片221と、下部被係止片222と、上部被係止片221に対して略直角に折り曲げ成形された上部取付片223と、下部被係止片222に対して略直角に折り曲げ成形された下部取付片225と、上部取付片223と下部取付片225とを結ぶ支持部226と、上部取付片223及び下部取付片225と平行するように支持部226の中央付近に成形された中部取付片224と、から形成されている。
【0203】
図15(B)に示す如く、被ロック部220には、小径の打ち抜き孔F1〜F3が形成されている。打ち抜き孔F1は、上部取付片223に形成されている。また、打ち抜き孔F2は、中部取付片224に形成されている。更に、打ち抜き孔F3は、下部取付片225に形成されている。
【0204】
また、打ち抜き孔F1、F3は、例えば直径約5.0mm程度の小径の打ち抜き孔である。この打ち抜き孔F1、F3は、被ロック部220を右補強部210に組み付けるためのねじ通し孔として形成されている。
【0205】
上述した被ロック部220の上部被係止片221及び下部被係止片222は、メインドアに備えられたロック機構を構成する上部係止片及び下部係止片(後述する図28の符号65及び66参照。以下、図28の説明まで符号65及び66を略す。)と係合するためのものである。そして、係合することにより、メインドアがキャビネット100に対してロックされることとなる。
【0206】
[被ロック部220の組み付け]
以上のように形成された被ロック部220の組み付けについて図2、図11、図15に基づいて説明する。
【0207】
被ロック部220は、右補強部210の外側に組み付けられる(図2参照)。
【0208】
被ロック部220の上部被係止片221(図15参照)を、右補強部210に形成された上部差込孔217(図11参照)に右補強部210の外側から差し込む。
【0209】
また、被ロック部220の下部被係止片222(図15参照)を、右補強部210に形成された下部差込孔218(図11参照)に右補強部210の外側から差し込む。
【0210】
右補強部210の外側から差し込まれた上部被係止片221及び下部被係止片222は、右補強部210の内側に突出する。
【0211】
次に、被ロック部220の上部取付片223に形成された打ち抜き孔F1(図15参照)を、右補強部210の右補強部本体211に形成された雌ねじ部D1(図11参照)と合致させる。
【0212】
また、被ロック部220の下部取付片225に形成された打ち抜き孔F3(図15参照)を、右補強部210の右補強部本体211に形成された雌ねじ部D3(図11参照)と合致させる。このように、右補強部210に対して被ロック部220の位置決めが行われる。
【0213】
そして、被ロック部220の打ち抜き孔F1、F3と右補強部210の雌ねじ部D1、D3とを合致させた状態で、各々に雄ねじをねじ止めする。これにより、被ロック部220は、右補強部210の外側に組み付けられる。詳しくは、被ロック部220は、右補強部210の外側に形成された凹状の空間の内部に収納されるように、右補強部210の右補強部本体211に組み付けられる。
【0214】
このように、被ロック部220を右補強部210に組み付けることにより、被ロック部220の上部被係止片221、下部被係止片222と、メインドアに備えられたロック機構を構成する上部係止片、下部係止片とを係合させることができ、メインドアをキャビネット100に対してロックさせることが可能となる。
【0215】
遊技場では、エラー解除、コインの補給等のため、遊技機のメインドアの開閉は度々行われる。このため、メインドアの係止片と接触する被係止片の消耗度は高い。
【0216】
そこで、被係止片が形成される被ロック部220を、キャビネット100を構成する他の部材とは独立した単体で製造することにより、被ロック部220が疲労又は破損した場合には、この部分のみを交換すればよいこととなる。このため、部品交換によるリユース(再使用)可能なキャビネット100を備えた遊技機を提供することができる。
【0217】
また、被ロック部220をねじ止めにより固定する場合には、被ロック部220の取り外しが容易となり、交換作業を容易に行うことができる。
【0218】
尚、本実施形態における被ロック部220は、図14、図15に示す如く、上部被係止片221、下部被係止片222を一体として形成するものであるが、本発明はこれに限らず、図33に示す如く、上部被係止片221、下部被係止片222を各々別体として構成するものであってもよい。
【0219】
これにより、上下二つの被係止片のうち一つの被係止片のみが疲労、破損等した場合には、破損した一つの係止片のみを交換すればよいこととなる。このため、リユース(再使用)に適したキャビネットを備えた遊技機を提供することが可能となる。また、金属材料の使用量を抑えることができるため、材料コストの低下を図ることも期待できる。
【0220】
尚、本実施形態における被ロック部220は、右補強部210にねじ止めにより固定されることとしたが、本発明はこれに限らず、リベット接合、溶接等により固定されることとしてもよい。
【0221】
[ミドルベース250の説明]
次に、メインシャーシ102に組み付けられるミドルベース250について説明する。図16は、ミドルベース250の概観を示す斜視図である。
【0222】
このミドルベース250は、後述する3つのリールからなるリールユニットをキャビネット100内部に収納するためのものである。
【0223】
ミドルベース250は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.2mm程度に形成される。そして、この板厚が1.2mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図16に示す如き形状に形成したものである。
【0224】
更に、ミドルベース250は、例えば、横幅が約460.0mm程度、縦幅が約185.0mm程度の大きさに形成されたものである。
【0225】
図16に示す如く、ミドルベース250には、打ち抜き孔G1〜G4が形成されている。
【0226】
この打ち抜き孔G1〜G4は、ミドルベース250をメインシャーシ102、右サイドパネル200、左サイドパネル230にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0227】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0228】
また、ミドルベース250には、雌ねじ部G5が形成されている。雌ねじ部G5は、ナットが左補強部本体241に溶接されて形成されたものである。この雌ねじ部G5は、後述する補給口蓋170を固定するためのものである。
【0229】
以上のように形成されたミドルベース250の組み付けについて図2、図4、図7、図9、図16に基づいて説明する。
【0230】
ミドルベース250は、メインシャーシ102の背面部130の略中央に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0231】
ミドルベース250に形成された打ち抜き孔G2、G3(図16参照)を、メインシャーシ102の背面部130に形成された打ち抜き孔A9、A10(図4参照)と各々合致させる(G2とA9、G3とA10)。
【0232】
また、ミドルベース250に形成された打ち抜き孔G1(図16参照)を、メインシャーシ102の右側に組み付けられた右サイドパネル200の中絞り加工部203に形成された打ち抜き孔B7(図7参照)と合致させる。
【0233】
更に、ミドルベース250に形成された打ち抜き孔G4を、メインシャーシ102の左側に組み付けられた左サイドパネル230の中絞り加工部233に形成された打ち抜き孔C7(図9参照)と合致させる。
【0234】
このように、メインシャーシ102と、メインシャーシ102に組み付けられた、右サイドパネル200と、左サイドパネル230とに対して、ミドルベース250の位置決めが行われる。
【0235】
そして、上述した如く、打ち抜き孔同士を合致させた状態で、各々にリベット等の締結具を接合する。これにより、ミドルベース250は、メインシャーシ102の背面部130に内側から組み付けられる。
【0236】
これにより、3つのリールからなるリールユニットをキャビネット100に収容することができるようになる。
【0237】
また、ミドルベース250は、左右のサイドパネルに対して、サイドパネルの絞り加工部に形成された打ち抜き孔にリベット等の締結具を接合して固定されることとなる。この状態は、上述した図31に示すような状態となる。よって、リベットの頭部が絞り加工部内に収納されることとなる。
【0238】
尚、ミドルベース250に形成された雌ねじ部G5は、後述するが、補給口蓋170を、補給口蓋170に形成された打ち抜き孔H1と合致させ、雄ねじを螺合することによりメインシャーシ102に対して螺設するためのものである。
【0239】
[補給口蓋170の説明]
次に、メインシャーシ102の背面部130に形成された補給口134を塞ぐ補給口蓋170について、図17、図18に基づいて説明する。
【0240】
図17は、補給口蓋170の概観を示す斜視図である。
【0241】
また、図18は、図17に示す補給口蓋170の正面図、側面図及び上面図である。補給口蓋170の正面図を図18(A)に示す。また、補給口蓋170の左側面図を図18(B)に示す。更に、補給口蓋170の上面図を図18(C)に示す。また、図17、図18において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0242】
図17、図18に示す如く、補給口蓋170は、蓋本体172と、蓋本体172の上方端部から蓋本体172に対して略直角に折り曲げ形成された取付片174と、蓋本体172の下方端部から蓋本体172に対して取付片174とは反対の方向に略直角に折り曲げられ、更にそこから蓋本体172と略平行となるように略直角に折り曲げ形成されたストッパ176と、で形成されている。
【0243】
補給口蓋170は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図17、図18に示す如き形状に形成したものである。
【0244】
図18(A)に示す如く、補給口蓋170の蓋本体172は、略正方形状に形成されている。また、蓋本体172は、補給口134を塞ぐため、各辺が補給口134よりも例えば約10.0mm程度大きくなるように形成されている。
【0245】
また、図18(C)に示す如く、取付片174の略中央には、楕円形状の打ち抜き孔H1が形成されている。この打ち抜き孔H1は、補給口蓋170をメインシャーシ102に組み付けるためのねじ通し孔として形成されている。
【0246】
[補給口蓋170の組み付け]
以上のように形成された補給口蓋170の組み付けについて図2、図4、図16、図18に基づいて説明する。
【0247】
補給口蓋170は、メインシャーシ102の背面部130に形成された補給口134を塞ぐように内側から組み付けられる(図2参照)。
【0248】
補給口蓋170のストッパ176(図18参照)をメインシャーシ102の補給口134(図4参照)の下端部に係合させる。
【0249】
そして、係合状態を維持させたまま、補給口蓋170の取付片174に形成された打ち抜き孔H1(図18参照)と、ミドルベース250に形成された雌ねじ部G5(図16参照)とを合致させる。このように、メインシャーシ102に対して補給口蓋170の位置決めが行われる。
【0250】
そして、補給口蓋170の打ち抜き孔H1とミドルベース250の雌ねじ部G5とを合致させた状態で雄ねじをねじ止めする。これにより、補給口蓋170は、メインシャーシ102に組み付けられる。
【0251】
このように、メインシャーシ102に形成された補給口134を塞ぐことが可能となる。また、補給口蓋170はねじ止めされるため、補給口蓋170を補給口134に対して着脱可能に組み付けることが可能となる。このため、自動補給装置を設置している遊技場では補給口蓋170を外し、設置していない遊技場では補給口蓋170を組み付けるというようにコインの補給形態に応じて使い分けることができるようになる。よって、自動補給装置を設置している遊技場と設置していない遊技場との間でキャビネット100を使い回すことができるようになり、リユース(再使用)可能なキャビネット100を備えた遊技機を提供することができる。
【0252】
また、補給口蓋170をメインシャーシと同じ金属で製造することにより、纏めて溶解できることになるので、リサイクルにも好適である。
【0253】
尚、本実施形態における補給口蓋170は、上述した如く、ねじ止めにより着脱可能に組み付けられることとしたが、本発明はこれに限らず、補給口134の開閉が可能なものであれば、如何なる構造を有するものであってよい。
【0254】
例えば、補給口134の近傍に一対のレール部を形成し、補給口134を塞ぐ蓋体を上下方向又は左右方向にスライドさせることにより開閉可能なように構成することとしてもよい。また、蓋体の上下左右何れかの一辺にヒンジ部材を取り付け、補給口134の近傍に軸着することにより開閉可能に構成することとしてもよい。
【0255】
[放出口蓋180の説明]
次に、メインシャーシ102の底面部150に形成された放出口154を塞ぐ放出口蓋180について、図19、図20に基づいて説明する。
【0256】
図19は、放出口蓋180の概観を示す斜視図である。
【0257】
また、図20は、図19に示す放出口蓋180の上面図、断面図及び正面図である。放出口蓋180の上面図を図20(A)に示す。また、放出口蓋180をB−B方向に切断した断面図を図20(B)に示す。更に、放出口蓋180の正面図を図20(C)に示す。また、図19、図20において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0258】
図19、図20に示す如く、放出口蓋180は、蓋本体181と、蓋本体181の後方端部から蓋本体181に対して略直角に折り曲げ成形された取付片184と、蓋本体181の前方端部から蓋本体181に対して取付片184とは反対の方向に略直角に折り曲げられ、更にそこから蓋本体181と略平行となるように略直角に折り曲げ形成された二つのストッパ186と、で形成されている。
【0259】
放出口蓋180は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図19、図20に示す如き形状に形成したものである。
【0260】
図20(A)に示す如く、放出口蓋180の蓋本体181は、略長方形状に形成されている。また、この蓋本体181は、例えば横幅が約170.0mm程度、縦幅が約100.0mm程度の大きさに形成されている。
【0261】
また、図19、図20に示す如く、蓋本体181の中央には、楕円形状の絞り加工部182が形成されている。この絞り加工部182は、上述したメインシャーシ102の底面部150に形成された放出口154と略同様の形状となっている。また、絞り加工部182は、放出口154と嵌合するために、縦幅及び横幅が放出口154よりも2.0mm程度小さくなるように形成されている。例えば、横幅が約150.0mm程度、縦幅が約60.0mm程度の大きさに形成されている。更に、絞り加工部182の深さは、例えば約1.0mm程度となっている。
【0262】
また、図20(C)に示す如く、取付片184には、楕円形状の打ち抜き孔I1が形成されている。この打ち抜き孔I1は、放出口蓋180をメインシャーシ102に組み付けるためのねじ通し孔として形成されている。
【0263】
[放出口蓋180の組み付け]
以上のように形成された放出口蓋180の組み付けについて図2、図4、図7、図20に基づいて説明する。
【0264】
放出口蓋180は、メインシャーシ102の底面部150に形成された放出口154を塞ぐように内側から組み付けられる(図2参照)。
【0265】
放出口蓋180のストッパ186(図20参照)をメインシャーシ102の放出口154に形成された二つの差込孔156(図4参照)に係合させる。
【0266】
また、放出口蓋180に形成された絞り加工部182(図20参照)をメインシャーシ102の放出口154(図4参照)に嵌合させる。
【0267】
更に、放出口蓋180の取付片184に形成された打ち抜き孔I1(図20参照)と、メインシャーシ102の右側に組み付けられた右サイドパネル200の下方に形成された雌ねじ部B10(図7参照)とを合致させる。このように、メインシャーシ102に対して放出口蓋180の位置決めが行われる。
【0268】
そして、放出口蓋180の打ち抜き孔I1と右サイドパネル200の雌ねじ部B10とを合致させた状態で雄ねじをねじ止めする。これにより、放出口蓋180は、メインシャーシ102に組み付けられる。
【0269】
このように、メインシャーシ102に形成された放出口154を塞ぐことが可能となる。また、放出口蓋180はねじ止めされるため、放出口蓋180を放出口154に対して着脱可能に組み付けることが可能となる。このため、自動補給装置を設置している遊技場では放出口蓋180を外し、設置していない遊技場では放出口蓋180を組み付けるというようにコインの補給形態に応じて使い分けることができるようになる。よって、自動補給装置を設置している遊技場と設置していない遊技場との間でキャビネット100を使い回すことができるようになり、リユース(再使用)可能なキャビネット100を備えた遊技機を提供することができる。
【0270】
また、放出口蓋180をメインシャーシと同じ金属で製造することにより、纏めて溶解できることになるので、リサイクルにも好適である。
【0271】
更に、放出口蓋180のストッパ186を差込孔156へ係合させ、絞り加工部182を放出口154へ嵌合させることにより、放出口蓋180のメインシャーシ102に対する取り付け安定性を向上させることができる。
【0272】
尚、本実施形態における放出口蓋180は、上述した如く、ねじ止めにより着脱可能に組み付けられることとしたが、本発明はこれに限らず、放出口154の開閉が可能なものであれば、如何なる構造を有するものであってよい。
【0273】
例えば、放出口154の近傍に一対のレール部を形成し、放出口154を塞ぐ蓋体を上下方向又は左右方向にスライドさせることにより開閉可能なように構成することとしてもよい。また、蓋体の上下左右何れかの一辺にヒンジ部材を取り付け、放出口154の近傍に軸着することにより開閉可能に構成することとしてもよい。
【0274】
[ホッパレールブラケット190の説明]
次に、メインシャーシ102の底面部150に組み付けられ、ホッパを保持するホッパレールブラケット190について、図21及び図22に基づいて説明する。
【0275】
図21は、ホッパレールブラケット190の概観を示す斜視図である。
【0276】
また、図22は、図21に示すホッパレールブラケット190の上面図、正面図及び側面図である。ホッパレールブラケット190の上面図を図22(A)に示す。また、ホッパレールブラケット190の正面図を図22(B)に示す。更に、ホッパレールブラケット190の右側面図を図22(C)に示す。また、図21、図22において、同一箇所には同一の符号を付するものとする。
【0277】
ホッパレールブラケット190は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.2mm程度に形成される。そして、この板厚が1.2mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図21、図22に示す如き形状に形成したものである。
【0278】
図22(A)に示す如く、ホッパレールブラケット190は、例えば横幅が約192.0mm程度、縦幅が約217.0mm程度の大きさに形成されている。
【0279】
図21、図22に示す如く、ホッパレールブラケット190は、中央に前後方向に延在する凸部として形成された中央保持部191と、この中央保持部191の左右両側に位置し、前後方向に延在する凹部として形成された第一取付部192及び第二取付部193と、第一取付部192の左側に位置し、中央保持部191と同じ高さをもって略水平に前後方向に延在するレール形状として形成された第一レール部194と、第二取付部193の右側に位置し、中央保持部191と同じ高さをもって略水平に前後方向に延在するレール形状として形成された第二レール部195と、中央保持部191の後端部に位置し、中央保持部191に対して略直角に折り曲げ形成された取付片196と、で形成されている。
【0280】
上述した中央保持部191は、ホッパを下方から保持するものであり、コインが貯留され重量が大きくなるホッパを保持するために必要な面積を有するように形成されている。また、中央保持部191には、中央部に開口部が形成されている。中央保持部191に開口部を形成することにより、ホッパレールブラケット190の軽量化を図ることが可能となる。
【0281】
また、第一レール部194及び第二レール部195は、上述した中央保持部191とともにホッパを補助的に保持するものである。また、第一レール部194及び第二レール部195は、ホッパを前後方向に引き出し可能とするために形成されている。
【0282】
更に、図22(B)に示す如く、ホッパレールブラケット190は、第一取付部192及び第二取付部193よりも、ホッパを保持する、中央保持部191、第一レール部194及び第二レール部195の高さが高くなるような、いわゆる底上げ構造で形成されている。つまり、ホッパレールブラケット190が組み付けられるメインシャーシ102の底面部150の内壁から所定の高さを確保しつつ、ホッパを保持する構造で形成されている。
【0283】
本実施形態では、例えば、中央保持部191、第一レール部194及び第二レール部195は、第一取付部192及び第二取付部193から約12.0mm程度高くなるように形成されている。
【0284】
また、ホッパレールブラケット190には、小径の打ち抜き孔J1〜J3が形成されている。打ち抜き孔J1は、第一取付部192の略中央に形成されている。また、打ち抜き孔J2は、第二取付部193の略中央に形成されている。更に、打ち抜き孔J3は、取付片196の略中央に形成されている。これらの打ち抜き孔J1〜J3は、ホッパレールブラケット190をメインシャーシ102の底面部150にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0285】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0286】
また、ホッパレールブラケット190の中央保持部191には、雌ねじ部J4〜J6が形成されている。この雌ねじ部J4〜J6は、ナットを中央保持部191の裏面側から溶接することにより形成されている。
【0287】
雌ねじ部J4は、引き出し可能に保持されているホッパを前方で係止するストッパ(図示せず)を取り付けるためのものである。また、このストッパは変位することにより係止状態の解除が行われ、ホッパを前方に引き出すことができる。また、雌ねじ部J5、J6は、ホッパに対して駆動させるための電圧を供給するプラグを取り付けるためのものである。
【0288】
[ホッパレールブラケット190の組み付け]
以上のように形成されたホッパレールブラケット190の組み付けについて図2、図4、図22に基づいて説明する。
【0289】
ホッパレールブラケット190は、メインシャーシ102の底面部150に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0290】
ホッパレールブラケット190の第一取付部192に形成された打ち抜き孔J1(図22参照)を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A17(図4参照)と合致させる。
【0291】
また、ホッパレールブラケット190の第二取付部193に形成された打ち抜き孔J2(図22参照)を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A16(図4参照)と合致させる。
【0292】
さらに、ホッパレールブラケット190の取付片196に形成された打ち抜き孔J3を、メインシャーシ102の背面部130に形成された打ち抜き孔A11(図4参照)と合致させる。このように、メインシャーシ102に対してホッパレールブラケット190の位置決めが行われる。
【0293】
そして、上述した如く、ホッパレールブラケット190の各打ち抜き孔とメインシャーシ102の各打ち抜き孔とを合致させた状態でリベット等の締結具を接合する。これにより、ホッパレールブラケット190は、メインシャーシ102の底面部150に組み付けられる。
【0294】
このように組み付けられたホッパレールブラケット190は、第一取付部192及び第二取付部193よりも、ホッパを保持する、中央保持部191、第一レール部194及び第二レール部195の高さが高くなるような、いわゆる底上げ構造で形成されている。つまり、ホッパレールブラケット190が組み付けられるメインシャーシ102の底面部150の内壁から所定の高さ(約12.0mm)を確保しつつ、ホッパを保持する構造となっているので、従来からの木製キャビネットを有する遊技機に使用されているホッパ及びメインドアをそのまま流用することが可能となる。
【0295】
即ち、従来の板厚が約15.0mm程度の木製キャビネットに使用されていたメインドア、ホッパ及びホッパ保持部材を、本実施形態における、板厚が約1.0mm程度の薄型の鋼板で形成されるキャビネットにそのまま使用した場合には、ホッパに形成されているコインを排出するための第一排出口(後述する図28の符号60参照。以下、図28の説明まで符号60を略す。)と、メインドアの裏側に形成され、ホッパから排出されたコインを受け取る第二排出口(後述する図28の符号62参照。以下、図28の説明まで符号62を略す。)との間に、板厚の差によるズレが生じることとなり、従来のホッパ及びメインドアを使用することができなくなる。
【0296】
そこで、本実施形態におけるホッパレールブラケット190のように、板厚の差を補う所定の高さ(約12.0mm)を確保しつつ、ホッパを保持する構造にしたホッパ保持部材を用いることにより、上述したホッパの第一排出口とメインドアの第二排出口との間に生じるズレをなくすことができる。つまり、ホッパの第一排出口とメインドアの第二排出口とを合致させることができる。このため、従来の木製キャビネットで使用されているメインドア及びホッパを薄型の鋼板で形成されたキャビネットにそのまま適用することができるようになる。また、鋼板キャビネット用のメインドア及びホッパを新たに製造する必要性がなくなり、製造コストを削減することが可能となる。更にまた、従来の木製キャビネットを備えた遊技機のメインドアをそのまま使用することができるため、木製キャビネットから鋼板キャビネットへの入れ替えを容易に行うことができる。
【0297】
また、例えば、曲げ加工により、板厚を薄くしたまま、高さを持たせるような形状として形成しているので、単に板厚を厚くすることにより高さを持たせる場合と比較して、ホッパレールブラケット190の軽量化を図ることができる。
【0298】
尚、本実施形態における遊技機では、ホッパレールブラケット190を、例えば、図22(B)に示す如く形成し、メインシャーシ102の底面部150の内壁から所定の高さを確保しつつ、ホッパを保持するような構造としたが、本発明はこれに限らず、所定の高さを確保しつつ、ホッパを保持するものであれば、如何なる形状を有するものであってもよい。また、保持する高さの調節が可能なように構成することとしてもよい。
【0299】
[上面補強部260の説明]
次に、メインシャーシ102の上面部110に組み付けられる上面補強部260について図23に基づいて説明する。
【0300】
図23は、上面補強部260の概観を示す斜視図である。
【0301】
上面補強部260は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm程度に形成される。そして、この板厚が1.0mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図23に示す如き形状に形成したものである。
【0302】
上面補強部260は、例えば横幅が約438.0mm程度、縦幅が約141.0mm程度の大きさに形成されている。
【0303】
上面補強部260には前後方向に凹部と凸部が交互に形成されている。このように、鋼板に曲げ加工を施し、折り曲げ回数が多い形状とすることにより、鋼板の断面二次モーメントが増加すると、剛性が高くなり、曲げ、たわみ、ねじれに強くなる。
【0304】
また、前端部には、かえし部261が形成されている。このため、キャビネット100に対してメインドアがロックされたときにキャビネット100とメインドアとの間に生じる隙間を塞ぎ、針金等の異物が挿入されることなどによる不正行為の防止が図られる。
【0305】
更に、左右端部には、下方に向かって略直角に折り曲げ形成された支持部262が形成されている。この支持部262の折曲げ角には三角錐状の絞り加工部263が形成されている。このように、支持部262の折曲げ角に絞り加工部263を形成することにより、支持部262を単に折り曲げ形成する場合よりも、曲げ強度を向上させることができ、荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形に抗することができる。
【0306】
図23に示す如く、この上面補強部260には、打ち抜き孔K1〜K4が形成されている。これらの打ち抜き孔K1〜K4は、上面補強部260をメインシャーシ102の上面部110にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0307】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0308】
[上面補強部260の組み付け]
以上のように形成された上面補強部260の組み付けについて図2、図4、図23に基づいて説明する。
【0309】
上面補強部260は、メインシャーシ102の上面部110に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0310】
上面補強部260に形成された打ち抜き孔K1、K2(図23参照)と、メインシャーシ102の上面部110に形成された打ち抜き孔A2、A3(図4参照)とを各々合致させる(K1とA2、K2とA3)。
【0311】
また、上面補強部260の中央部に形成された打ち抜き孔K3、K4(図23参照)と、メインシャーシ102の上面部110に形成された打ち抜き孔A18、A19(図4参照)とを各々合致させる(K3とA18、K4とA19)。このように、メインシャーシ102に対して、上面補強部260の位置決めが行われる。
【0312】
そして、上面補強部260とメインシャーシ102の上面部110の打ち抜き孔同士を合致させた状態で、リベット等の締結具により接合を行う。この際、メインシャーシ102の上面部110への組み付けは、後述するサッシ270(図24参照)とともに行われる。これにより、上面補強部260は、メインシャーシ102の上面部110に内側から組み付けられることとなる。
【0313】
上面補強部260をメインシャーシ102の上面部110に組み付けることにより、キャビネット100の上面部110の強度の向上を図ることができる。
【0314】
また、メインドアを閉じる際に、前方から加えられる荷重に抗することができる。
【0315】
[サッシ270の説明]
次に、上述した上面補強部260とともにメインシャーシ102の上面部110及びメインシャーシ102の底面部150に組み付けられるサッシ270について図24に基づいて説明する。
【0316】
図24は、サッシ270の概観を示す斜視図である。
【0317】
サッシ270は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.2mm程度に形成される。そして、この板厚が1.2mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図24に示す如き形状に形成したものである。
【0318】
サッシ270は、例えば横幅が約460.0mm程度、縦幅が約22.0mm程度の大きさに形成されている。
【0319】
図24に示す如く、このサッシ270には、打ち抜き孔L1、L2が形成されている。これらの打ち抜き孔L1、L2は、サッシ270を上述した上面補強部260とともにメインシャーシ102の上面部110及びメインシャーシ102の底面部150にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0320】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0321】
[サッシ270の組み付け]
以上のように形成されたサッシ270の組み付けについて図2、図4、図23、図24に基づいて説明する。
【0322】
サッシ270は、メインシャーシ102の上面部110に組み付けられる上面補強部260に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0323】
サッシ270に形成された打ち抜き孔L1、L2(図24参照)を、上面補強部260に形成された打ち抜き孔K1、K2(図23参照)と各々合致させる(L1とK2、L2とK1)。このように、上面補強部260に対して、サッシ270の位置決めが行われる。
【0324】
そして、サッシ270と上面補強部260の打ち抜き孔同士を合致させた状態で各々にリベット等の締結具を接合する。このように、サッシ270は、上面補強部260に内側から組み付けられる。
【0325】
また、サッシ270を底面部150に組み付ける場合には、打ち抜き孔L1、L2を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A13、A14(図4参照)と各々合致させる。
【0326】
また、サッシ270は、メインシャーシ102の底面部150に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0327】
サッシ270に形成された打ち抜き孔L1、L2(図24参照)を、メインシャーシ102の底面部150に形成された打ち抜き孔A13、A14(図4参照)と各々合致させる(L1とA14、L2とA13)。このように、メインシャーシ102の底面部150に対して、サッシ270の位置決めが行われる。
【0328】
そして、サッシ270とメインシャーシ102の底面部150の打ち抜き孔同士を合致させた状態で各々にリベット等の締結具を接合する。このように、サッシ270は、メインシャーシ102の底面部150に内側から組み付けられる。
【0329】
サッシ270をメインシャーシ102の上面部110及び底面部150に螺設することにより、重量のあるメインドアの開閉が行われ、負担がかかる部分の補強を行い、強度の向上を図ることができる。
【0330】
また、メインドアがキャビネット100に対してロックされたときに、メインドアとキャビネット100の間に形成される僅かな隙間を塞ぐことができる。このため、針金等の異物が挿入されることによるキャビネット100内部に収納されている各機器への不正を防止することができる。
【0331】
[ノイズフィルタホルダ280の説明]
次に、メインシャーシ102の背面部130に組み付けられるノイズフィルタホルダ280について図25に基づいて説明する。
【0332】
図25は、ノイズフィルタホルダ280の概観を示す斜視図である。
【0333】
図25に示すノイズフィルタホルダ280は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.2mm程度に形成される。そして、この板厚が1.2mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図25に示す如き形状に形成したものである。
【0334】
ノイズフィルタホルダ280は、例えば横幅が約87.0mm程度、縦幅が約103.0mm程度の大きさに形成されている。
【0335】
また、図25に示す如く、ノイズフィルタホルダ280の下方には、前方に突出するようにコイン補助収納庫用アース281が形成されている。
【0336】
また、図25に示す如く、ノイズフィルタホルダ280には、打ち抜き孔M1〜M4が形成されている。打ち抜き孔M1、M2は、ノイズフィルタホルダ280をメインシャーシ102の背面部130にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0337】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0338】
更に、打ち抜き孔M3、M4は、ノイズフィルタホルダ280にコイン補助収納庫スイッチ、ノイズフィルタ基板をリベット等の締結具で取り付けるためのものである。
【0339】
コイン補助収納庫スイッチは、コイン補助収納庫に収納されたコインが満杯になっているかを検知するためのスイッチである。また、コイン補助収納庫は、ホッパに貯留されたコインが満杯となり、ホッパから溢れたコインを収納するための箱体である(図28の符号69参照、後述)。このコイン補助収納庫には、上述したコイン補助収納庫スイッチを挿入するためのスイッチ用挿入口が形成されている。また、このコイン補助収納庫には、このスイッチ用挿入口の下方に位置するように、コイン補助収納庫用アースを挿入するためのアース用挿入口が形成されている。更に、コイン補助収納庫用アース281は、コイン補助収納庫に収納されたコインの接地用端子である。また、コイン同士の接触により発生した静電気の放出を行うためのものである。
【0340】
[ノイズフィルタホルダ280の組み付け]
以上のように形成されたノイズフィルタホルダ280の組み付けについて図2、図4、図25に基づいて説明する。
【0341】
ノイズフィルタホルダ280は、メインシャーシ102の背面部130の右下方に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0342】
ノイズフィルタホルダ280に形成された打ち抜き孔M1、M2(図25参照)を、上述したメインシャーシ102の背面部130の右下方に形成された打ち抜き孔A20、A21(図4参照)と各々合致させる(M1とA20、M2とA21)。このように、メインシャーシ102の背面部130に対して、ノイズフィルタホルダ280の位置決めが行われる。
【0343】
そして、ノイズフィルタホルダ280とメインシャーシ102の背面部130の打ち抜き孔同士を合致させた状態で各々にリベット等の締結具を接合する。このように、ノイズフィルタホルダ280は、メインシャーシ102の背面部130の右下方に組み付けられる。
【0344】
このように、ノイズフィルタホルダ280をメインシャーシ102の背面部130に組み付けることにより、ノイズフィルタをキャビネット100内部に組み付けることが可能となる。
【0345】
ここで、ノイズフィルタ基板について説明する。自動補給装置を設置する遊技場では、遊技機のキャビネット100の内部に備えられたホッパに貯留されたコインが一杯になると、貯留不可能となったコインは、ホッパから自動補給用の放出口154(図4参照)にこぼれ落ちる。そして、こぼれ落ちたコインは、自動補給装置により回収されることとなる。
【0346】
一方、自動補給装置を設置しない遊技場では、自動的に回収されることがないため、予備貯留ケースを自動補給用の放出口154の位置に設置し、ここにホッパから溢れたコインを貯めておくこととなっている。遊技場の従業員は、メインドアを開放し、この予備貯留ケースを回収することにより、コインの回収を手作業により行っている。
【0347】
ノイズフィルタ基板は、自動補給装置を設置しない遊技場において、予備貯留ケースに溜まったコインが一杯になったことを正確に検知するためのものである。コイン補助収納庫スイッチは、二本の棒状のセンサを有しており、これが予備貯留ケースの側面に形成されたノイズフィルタ用の孔からケース内部に挿入される。ホッパから予備貯留ケースに溢れ出したコインが貯められ、貯められたコインが所定の高さになると、予備貯留ケース内に挿入されたセンサに接触する。このように、所定の高さに取り付けられたセンサに予備貯留ケースに貯められたコインが接触することにより一杯になったことが検知されることとなる。このコイン補助収納庫スイッチの誤動作を防止するのがノイズフィルタ基板である。
【0348】
ノイズフィルタホルダ280は、上述したノイズフィルタを保持するためのものであり、これをメインシャーシ102に組み付けることにより、自動補給用の補給口134及び放出口154を塞ぐための補給口蓋170及び放出口蓋180と同様、自動補給装置の有無に関わらず、遊技場間でリユース(再使用)可能なキャビネット100を有する遊技機を提供することが可能となる。
【0349】
[ドアガイドレールブラケット290の説明]
次に、上述した右補強部210に組み付けられるドアガイドレールブラケット290について図26に基づいて説明する。
【0350】
図26は、ドアガイドレールブラケット290の概観を示す斜視図である。
【0351】
ドアガイドレールブラケット290は、鋼板の板厚を0.8mm〜3.0mm、好ましくは1.6mm程度に形成される。そして、この板厚が1.6mm程度の鋼板を曲げ加工やプレス加工等により、図26に示す如き形状に形成したものである。
【0352】
ドアガイドレールブラケット290に形成された折曲げ角には三角錐状の絞り加工部291が形成されている。このように、折曲げ角に絞り加工部291を形成することにより、曲げ強度を向上させることができ、荷重が加えられても、曲げ、歪み等の変形に抗することができる。このため、重量のあるメインドアをより安定的に支持することが可能となる。
【0353】
図26に示す如く、ドアガイドレールブラケット290には、打ち抜き孔N1、N2が形成されている。これらの打ち抜き孔N1、N2は、ドアガイドレールブラケット290を右補強部210にリベット等の締結具で組み付けるためのものである。
【0354】
尚、上述した小径の打ち抜き孔に使用される締結具は、リベットの他、例えば、十字穴付なべ小ねじ、六角ボルト、六角穴付ボルト、化粧ビスなどが使用されることとしてもよい。
【0355】
[ドアガイドレールブラケット290の組み付け]
以上のように形成されたドアガイドレールブラケット290の組み付けについて図2、図11、図25に基づいて説明する。
【0356】
ドアガイドレールブラケット290は、メインシャーシ102の右側に組み付けられたサイドパネル200を補強する右補強部210に内側から組み付けられる(図2参照)。
【0357】
ドアガイドレールブラケット290に形成された打ち抜き孔N1、N2(図26参照)を、右補強部210の右補強部本体211に形成された雌ねじ部D2、D4(図11参照)と合致させる(NIとD4、N2とD2)。このように、右補強部210に対して、ドアガイドレールブラケット290の位置決めが行われる。
【0358】
そして、ドアガイドレールブラケット290の打ち抜き孔と右補強部210の雌ねじ部を合致させた状態で各々に雄ねじをねじ止めする。これにより、ドアガイドレールブラケット290は、右補強部210の内側に組み付けられる。
【0359】
これにより、メインドアに備えられた、位置決め部材(例えばタイヤ)を受け止め、このドアガイドレールブラケット290に沿って移動させることにより、メインドアのキャビネット100に対する開閉の案内が行われる。そして、これにより、メインドアのキャビネット100に対する開閉の補助が行われる。
【0360】
以上をもって、図3〜図26に示す各種部材の組み付けの説明を終了する。
【0361】
尚、本実施形態における右補強部210及び左補強部240は、曲げ加工やプレス加工等により形成されたものであることとしたが、本発明はこれに限らず、例えば鋳造等の他の公知の方法により形成されることとしてもよい。
【0362】
また、本実施形態における右補強部210及び左補強部240の形状、板厚、大きさ等については、上述した如き形状、数値を例示して説明したが、本発明はこれに限らず、上記形状、数値に限定されることなく、適宜設計変更可能である。
【0363】
更に、本実施形態における右補強部210及び左補強部240に形成された打ち抜き孔、雌ねじ部等の形状、板厚、大きさ等については、上述した如き形状、数値を例示して説明したが、本発明はこれに限らず、上記形状、数値に限定されることなく、適宜設計変更可能である。
【0364】
更に、本実施形態における右補強部210及び左補強部240では、図11、図13に示す如く、例えばリベット用の打ち抜き孔又は雌ねじ部を形成し、リベット接合とねじ止めとを使い分けることとしているが、本発明はこれに限らず、例えば、リベット接合又はねじ止めのいずれか一方だけを使うこととしてもよい。さらには、右補強部210及び左補強部240と他の部材とを組み付けて固定することができるものであれば、例えば板金加工の巻き返しによる接合等、如何なる方法を使うものであってもよい。
【0365】
次に、上述した如く組み付けが完了したキャビネット100を使用する遊技機10について図27〜図29に基づいて説明する。
【0366】
[遊技機10の構成]
最初に、遊技機10の全体的な構成について説明する。
【0367】
本発明の一実施形態である遊技機10の概観を示す斜視図を図27に示す。
【0368】
遊技機10は、図27に示す如く、キャビネット100と、メインドア16と、を備えている。また、遊技機10は、遊技場の所定の場所に設けられた島設備に固設される。
【0369】
遊技機10を構成するキャビネット100は、後述するメインドア16と対向する面が開放されている箱体となっている。また、キャビネット100の内部には、後述する如く、回動可能に配置された3個のリール26L、26C、26Rや、遊技機10を電気的に制御するための主制御基板56や、コインの貯留、払出を行うホッパ58等が設けられている。
【0370】
また、メインドア16は、キャビネット100の内部が外側に露呈しないように、キャビネット100の前面を覆うこととなる。メインドア16は、キャビネット100を開閉可能なように、正面から見て左側でキャビネット100とヒンジ部材により連結されており、そのヒンジ部材により連結された部分を中心として回動自在となっている。
【0371】
また、メインドア16は、正面から見て右側で、キャビネット100に対して施錠及び解錠が行われるものである。詳しくは、図28を用いて後述する。
【0372】
以下、メインドア16が備える各種の装置について説明する。
【0373】
遊技機10を構成するメインドア16の中央には、縦長矩形の表示窓14L、14C、14Rが設けられている。表示窓14L、14C、14Rには、入賞ラインとして水平方向にセンターラインLine1、トップラインLine2A及びボトムラインLine2B、斜め方向にクロスダウンラインLine3A及びクロスアップラインLine3Bが設けられている。
【0374】
これらの入賞ラインは、後述の1−BETボタン20、2−BETボタン22、最大−BETボタン24を押圧操作することにより、又は、コイン投入口31にコインが投入されることにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」と称する)は、後述するBETランプ18の点灯で表示される。
【0375】
キャビネット100の内部には、各々の外周面に図柄列が描かれた3つのリール26L、26C、26Rが横一列に並列している。そして、3つのリール26L、26C、26Rの各々が回転及び静止することによって、図柄の変動表示及び停止表示可能なように設けられている。各リールの外周面に描かれた図柄は表示窓14L、14C、14Rを透して遊技者が観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば、80回転/分)で回転する。
【0376】
また、3つのリール26L、26C、26Rは、表示窓14L、14C、14Rにおいて、リール26L、26C、26Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動するように回転駆動される。
【0377】
そして、この回転が停止されたとき、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、コインが払い出されるか否かが判定されると共に、払出枚数が決定されることとなる。
【0378】
表示窓14Lの左側には、1−BETランプ、2−BETランプ及び最大BET(3−BET)ランプからなるBETランプ18が設けられている。BETランプ18は、1回の遊技を行うためにベットされたコインの数(以下「BET数」と称する)に基づいて点灯する。本実施の形態において、1回の遊技は、3つのリール26L、26C、26Rが全て停止したときに、又はコインの払出が行われる場合には、その払出が行われたときに終了する。尚、この払出とは、実際にコインが払い出されるものと、クレジット数が増加するものとを問わない。
【0379】
表示窓14L、14C、14Rの下方には水平面の台座部28が形成されている。また、その台座部28と表示窓14L、14C、14Rとの間には、LCDとして構成される表示装置30が設けられている。この表示装置30の表示画面には、遊技に関する演出や広告等の様々な画像が表示される。
【0380】
表示装置30の右側にはコイン投入口31が設けられている。コイン投入口31より投入されたコインは、コインガイド59を経てホッパ58に流れ落ちる。また、表示装置30の左下位置には、1−BETボタン20、2−BETボタン22、及び最大BETボタン24が設けられている。
【0381】
遊技者により、1−BETボタン20の押圧操作が行われると、クレジットされているコインのうちの1枚がベットされる。また、遊技者により、2−BETボタン22の押圧操作が行われると、クレジットされているコインのうちの2枚がベットされる。更に、遊技者により、最大BETボタン24の押圧操作が行われると、1回の遊技にベットすることが可能な最大枚数、例えば3枚のコインがベットされる。
【0382】
また、表示装置30の左上位置には、十字ボタン45、○ボタン46、×ボタン47が設けられている。
【0383】
遊技者により、十字ボタン45、○ボタン46、×ボタン47の押圧操作が行われると、表示装置30における遊技に関する種々の情報の報知、演出等を行うための表示画面の切替及び入力を行うことができる。
【0384】
台座部28の前面部の左寄りには、1回又は複数回の遊技の結果、遊技者が獲得したコインをクレジットするか払出を行うかを、押圧操作で切り替える貯留コイン精算ボタン36が設けられている。遊技者により、貯留コイン精算ボタン36の押圧操作が行われると、正面下部のコイン払出口38からコインが払い出され、払い出されたコインはコイン受皿40に溜められる。
【0385】
貯留コイン精算ボタン36の右側には、レバー形状を有するスタートレバー32が、所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。遊技者により、スタートレバー32の押圧操作が行われると、3つのリール26L、26C、26Rを回転させ、表示窓14L、14C、14R内で図柄の変動表示を開始させる。
【0386】
メインドア16の下方の左右には、スピーカ42L、42Rが設けられている。また、スピーカ42L、42Rは、遊技の状況に応じて音声を発生させる。
【0387】
台座部28の前面部中央で、表示装置30の下方位置には、3つのリール26L、26C、26Rの回転をそれぞれ停止させるための3つの停止ボタン34L、34C、34Rが設けられている。例えば、停止ボタン34L、停止ボタン34C、停止ボタン34Rの順で停止操作がなされた場合には、停止ボタン34Lが操作されることにより、リール26Lが停止表示され、停止ボタン34Cが操作されることにより、リール26Cが停止表示され、停止ボタン34Rが操作されることにより、リール26Rが停止表示されることとなる。
【0388】
また、メインドア16の上方には、3つのリール26L、26C、26Rとは、形状もその意味合いも異なる帯リール71、いわゆる「4thリール」が設けられている。この帯リール71は、遊技の状況に応じて回動可能に設けられている。
【0389】
尚、以上、本実施形態における遊技機10の概観構成について説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。よって、上述した表示装置、各種のボタン等、の各種装置については適宜設計変更可能である。
【0390】
[遊技機10 開放時の構成]
遊技機10のメインドア16を左側に開放した図を図28に示す。
【0391】
以下、キャビネット100の内部に備えられる各種装置の構成、メインドア16の裏側に備えられる各種装置の構成の概略について説明する。
【0392】
キャビネット100の内部の上方には、遊技機10を電気的に制御するための制御部を有する主制御基板56が備えられている。
【0393】
また、キャビネット100の内部であって、主制御基板56の下方には、上述した如く、各々の外周面に図柄列が描かれた3つのリール26L、26C、26Rが横一列に並列している。そして、各々のリール26L、26C、26Rが回転及び静止することによって、図柄の変動表示及び停止表示可能なように設けられている。また、各リール26L、26C、26Rの図柄は表示窓14L、14C、14Rを透して遊技者が観察できるようになっている。
【0394】
更に、キャビネット100の内部であって、3つのリール26L、26C、26Rの下方には、コインの貯留、払出を行うホッパ58が備えられている。
【0395】
ホッパ58の下部には第一排出口60が設けられており、ホッパ58内に貯留されていたコインは、この第一排出口60から排出される。
【0396】
また、メインドア16の裏側には、この第一排出口60から排出されたコインを受け容れる第二排出口62が設けられている。
【0397】
第一排出口60から排出されたコインは、第二排出口62に受け容れられ、シュート64を通過して、メインドア16の正面側に設けられたコイン払出口38(図27参照)より払い出され、コイン受皿40に貯められる。
【0398】
メインドア16の裏側の右端部には、メインドアロック装置を構成する上下二つの係止片65、66が設けられている。また、メインドア16の正面右側には、メインドアロック装置を構成する鍵穴67が設けられている。そして、鍵穴67と上下2つの係止片65、66との間には、例えば、押圧板、動力伝達板、引張コイルばね(何れも図示せず)等といった各種連結部材が介在して鍵穴67から二つの係止片65、66の動作に至るリンク機構を形成している。二つの係止片65、66は、上述した連結部材からなるリンク機構により上下方向に回転変位するものである。
【0399】
また、キャビネット100の右側面の内壁前方には、上述した二つの係止片65、66に対応するように、上下二つの被係止片221、222が設けられている。
【0400】
ここで、メインドア16の開閉について記載する。メインドア16がキャビネット100に対して閉状態となるように回転されると、二つの係止片65、66は、二つの被係止片221、222に当接し、この二つの被係止片221、222に接触しながら下方に変位する。そして、メインドア16がキャビネット100に対して完全に閉状態となると、下方に変位していた二つの係止片65、66は、図示されていない引張コイルばねの付勢力により上方に変位し、二つの被係止片221、222に係合する。これにより、メインドア16がキャビネット100に対してロックされることとなる。
【0401】
また、メインドア16がロックされた状態で、鍵穴67に所定の鍵体が挿入され、回動操作された場合には、その後方に設けられた各種連結部材からなるリンク機構により二つの係止片65、66が下方に変位する。そして、係止片65、66が下方に変位すると、二つの被係止片221、222との係合状態が解除され、メインドア16の前方への回転が可能となり、メインドア16が開放可能な状態となる。
【0402】
図29は、遊技機10が遊技場の島設備1に設置されている状態を示すものである。遊技機10は、島設備1にはめ込まれるようにして設置されている。
【0403】
尚、上述した実施形態においては、本発明に係る遊技機10に好適な実施形態として、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明するが、本発明はこれに限らず、パチンコ等の弾球遊技機、他の回動式遊技機、例えばポーカゲーム等のメダル遊技機、その他の遊技機にも適用することが可能である。当然、遊技媒体もコインのみに限定されず、メダル、遊技球、トークン等の遊技媒体であってもよい。
【0404】
本発明の遊技機10は、キャビネット100と、キャビネット100を開閉可能にするメインドア16と、を備え、キャビネット100は、鋼板により形成されており、キャビネット100の左サイドパネル230と右サイドパネル200には、凹状の絞り部が形成され、当該絞り部は、当該絞り部によって仕切り形成される形状が、メインドア16方向に下降する細長スロープを備える形状であることを特徴とするものである。
【0405】
本発明によれば、強度確保のために設けられた絞り加工部にコインが入り込んだとしても、そのコインが傾斜に沿って前方に滑り落ちる。そして、遊技者は前方に滑り落ちたコインを回収することが可能となる。
【0406】
これにより、遊技者を落胆させることがなく、遊技者の遊技への興趣を持続させうる遊技機を提供することができる。
【0407】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。即ち、本発明は、筐体と、前記筐体を開閉可能にする扉体と、を備えた遊技機であって、前記筐体は、鋼板により形成されており、前記筐体の左側面と右側面には、凹状の絞り部が形成され、前記絞り部は、当該絞り部によって仕切り形成される形状が、前記扉体方向に下降する細長スロープを備える形状である点に特徴があるが、凹状の絞り部、細長スロープ等の具体的構成などは、適宜設計変更可能である。
【0408】
尚、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0409】
【発明の効果】
本発明によれば、キャビネットを鋼板により形成するので、リユース及びリサイクルに好適である。強度確保のために設けられた絞り加工部にコインが入り込んだとしても、そのコインが傾斜に沿って前方に滑り落ちる。そして、遊技者は前方に滑り落ちたコインを回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるキャビネット100の概観を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態であるキャビネット100の概略的な分解図である。
【図3】 本発明の一実施形態であるキャビネット100を構成するメインシャーシ102の概観を示す斜視図である。
【図4】 本発明の一実施形態であるキャビネット100を構成するメインシャーシ102の上面図、背面図、及び底面図である。
【図5】 本発明の一実施形態である通風孔部132の構成を示す説明図である。
【図6】 本発明の一実施形態である右サイドパネル200の概観を示す斜視図である。
【図7】 本発明の一実施形態である右サイドパネル200の側面図及び断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態である左サイドパネル230の概観を示す斜視図である。
【図9】 本発明の一実施形態である左サイドパネル230の側面図及び断面図である。
【図10】 本発明の一実施形態である右補強部210の概観を示す斜視図である。
【図11】 本発明の一実施形態である右補強部210の側面図と断面図である。
【図12】 本発明の一実施形態である左補強部240の概観を示す斜視図である。
【図13】 本発明の一実施形態である左補強部240の側面図と断面図である。
【図14】 本発明の一実施形態である被ロック部220の概観を示す斜視図である。
【図15】 本発明の一実施形態である被ロック部220の正面図、側面図、及び上面図である。
【図16】 本発明の一実施形態であるミドルベース250の概観を示す斜視図である。
【図17】 本発明の一実施形態である補給口蓋170の概観を示す斜視図である。
【図18】 本発明の一実施形態である補給口蓋170の正面図、側面図及び上面図である。
【図19】 本発明の一実施形態である放出口蓋180の概観を示す斜視図である。
【図20】 本発明の一実施形態である放出口蓋180の上面図、正面図及び断面図である。
【図21】 本発明の一実施形態であるホッパレールブラケット190の概観を示す斜視図である。
【図22】 本発明の一実施形態であるホッパレールブラケット190の上面図、側面図及び正面図である。
【図23】 本発明の一実施形態である上面補強部260の概観を示す斜視図である。
【図24】 本発明の一実施形態であるサッシ270の概観を示す斜視図である。
【図25】 本発明の一実施形態であるノイズフィルタホルダ280の概観を示す斜視図である。
【図26】 本発明の一実施形態であるドアガイドレールブラケット290の概観を示す斜視図である。
【図27】 本発明の一実施形態である遊技機10の概観を示す斜視図である。
【図28】 本発明の一実施形態である遊技機10のメインドア16開放時の状態を示す正面図である。
【図29】 本発明の一実施形態である遊技機10が島設備1に設置されている状態を示す正面図及び側面図である。
【図30】 本発明の一実施形態である通風孔部132の構成を示す説明図である。
【図31】 本発明の一実施形態である絞り加工部の概略断面図である。
【図32】 本発明の一実施形態である絞り加工部に嵌ったコインが傾斜に沿って移動する状態を示す説明図である。
【図33】 本発明の一実施形態である被ロック部220の一変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 遊技機
16 メインドア
58 ホッパ
100 キャビネット
102 メインシャーシ
170 補給口蓋
180 放出口蓋
190 ホッパレールブラケット
200 右サイドパネル
210 右補強部
220 被ロック部
230 左サイドパネル
240 左補強部
250 ミドルベース
260 上面補強部
270 サッシ
280 ノイズフィルタホルダ
290 ドアガイドレールブラケット

Claims (1)

  1. 筐体と、前記筐体の前面に開閉可能に設けられた扉体と、を備えた遊技機であって、
    前記筐体は、鋼板により形成された、メインシャーシ、右サイドパネル及び左サイドパネルを備え、
    前記筐体の右サイドパネル及び左サイドパネルの各々には、絞り加工により各々が内側に向かって陥没した略長方形状の凹部を複数設け、さらに、前記各サイドパネルの内側には、曲げ加工により凹状の空間が形成された補強部が組み付けられ、
    前記略長方形状の凹部は、前記略長方形の一辺と平行な方向であるサイドパネルの長手方向に沿って並置して配置され、
    前記筐体を遊技場の島設備に設置した際に、前記略長方形形状の凹部は、扉体側の一部が、前記島設備から露出するように配置されると共に、前記略長方形形状の凹部の下面が、前記扉体方向に向かって下降する細長スロープを備える形状であることを特徴とする遊技機。
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