JP4274592B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光軸方向に高さを有する3次元物体の観察画像を生成するための画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、解像度にすぐれ、且つ明るさの大きな画像を光学的に取込むためには、開口の大きな光学素子を用いた結像光学系が必要である。ところが、レンズに代表される結像用光学素子は、開口が大きくなると焦点深度が浅くなることから、このような焦点深度が浅いままで、顕微鏡における検査観察において、例えば半導体ウェハのパターン、凹凸のある生物標本、LCDパネル検査など、光軸方向に高さを有する3次元物体の観察を行なうと、観察画像にぼけ画像が混在して解像度が著しく劣化するため、かかる観察画像に基づいた検査過程に支障をきたす虞があった。
【0003】
そこで従来、このような3次元物体の画像を一括して観察可能にするため、焦点深度を拡大することが考えられ、このような焦点深度を拡大する方法として、合焦位置の異なる観察画像を加え合わせ、得られた画像に適当な画像処理を行なうことにより、解像度や明るさを損なうことなく焦点深度の深い画像を再生するようにしたものがある。
【0004】
つまり、このような考えに基づくものとして、特開平8−317273号公報に開示されるように、標本の合焦面合わせを行なうようにステージを駆動しながら、テレビカメラにより標本画像を撮像し、このテレビカメラで得られた標本画像をメモリに記憶し、さらに記憶画像に対する加算タイミングで標本画像と記憶画像を加算し、この加算画像を回復処理することで、合焦位置の異なる複数の画像を加算した焦点深度の深い画像を得るようにしたもの、あるいは、特開平8−294035号公報に開示されるように、合焦時のコントラストが高く輝度変化の激しい部分についてはコントラスト情報に基づく焦点位置検出を行ない、残った部分については、輝度処理に基づく焦点位置検出を行ない、これらより得られた画像を合成して最終合焦画像を得るようにしたものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のものは、いずれも合焦位置の異なる複数の画像を取込むのに、試料ステージまたは顕微鏡の光学系部分を機械的に動かすようにしているため、これらを精度よく駆動するための構成の複雑な機械的駆動機構が必要となり、装置の大型化とともに、価格的にも高価になってしまう。また、これらステージまたは顕微鏡の光学系部分を直接動かすことは、観察対象を振動させる振動源にもなる。このことは、観察対象に対してマニピュレータやピンセットによる作業を可能にした作業用顕微鏡などの場合、観察対象が振動により移動してマニピュレータやピンセットに誤って触れてしまい、作業をやり直ししなければならなくなるなど、作業上の効率低下を招く虞もあった。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、振動の発生源を無くすことができると共に、装置構成の簡易化を図りながら、3次元物体の正確で鮮明な観察画像を得ることが可能な画像処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複屈折結晶による二重焦点光学系と、この二重焦点光学系の焦点位置を機械振動を発することなく切換える焦点位置切換手段と、上記二重焦点光学系で得られる画像をそれぞれ撮像する単一の撮像手段と、上記焦点位置切換手段により切換えられる二重焦点光学系のそれぞれの焦点位置の画像を上記撮像手段から取込んで各別に記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された異なる焦点位置の画像の各画素の輝度を所定のしきい値との関係から比較選択して画像を再合成する画像処理手段と、この画像処理手段により再合成された画像を表示する表示手段とを具備し、上記焦点位置切換手段は、二重焦点光学系の複屈折結晶の光学軸に平行な直線偏光が透過される偏光板と、この偏光板を透過する光の偏光方向を制御信号に応じて回転させる液晶素子を有する偏光フィルタからなることを特徴とする。
【0010】
このような構成とした結果、機械的な動作を伴わずに焦点位置を切換えることができ、2つの合焦位置の画像を機械的振動を発生させることなく取込むことができることに加えて、焦点位置切換手段として複雑な機械的駆動機構を用いることなく、二重焦点光学系の焦点位置を切換えることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記画像処理手段は、予め異なる大きさのしきい値が設定され、これらのしきい値に対し各焦点位置の画像の対応する画素の輝度を比較すると共に、この比較結果に基づいて、いずれか一方の画素を選択し画像を再合成することを特徴とする。
【0012】
このような構成とした結果、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、取込まれた2つの画像の各画素の輝度をしきい値と比較選択し、それぞれの画像のぼけ部分を低減させて画像を再合成するため、従来の顕微鏡の分解能、作動距離を維持したまま2倍の高さの3次元物体の鮮明な観察画像を得ることができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記二重焦点光学系の対物レンズと上記撮像手段との間に配置され、上記焦点位置切換手段により切換えられる二重焦点光学系のそれぞれの焦点位置の画像の結像倍率が等しくなるように透過光の偏光方向に応じて該対物レンズと撮像手段との間の空気換算長を調節する単一の結像倍率調節手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0014】
このような構成とした結果、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、二重焦点光学系の2つの焦点による像の結像倍率が等しくなるため、それぞれの像による画像を再合成したときの画像上の長さが不一致となってしまうことがなく、3次元物体の正確で鮮明な観察画像を得ることができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記結像倍率調節手段は、上記対物レンズの光学軸と直交または平行な光学軸を有する複屈折結晶による平行平板からなることを特徴とする。
このような構成とした結果、上記請求項3記載の発明の作用に加えて、上記結像倍率調節手段を簡易な構成で実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置を図面に従って説明する。
図1は画像処理装置全体の概略構成を示している。同図において1は顕微鏡であり、この顕微鏡1は、複屈折結晶である水晶を硝材として用いた二重焦点光学系2と、この二重焦点光学系2の焦点位置を切換えるための偏光板3、液晶素子4により構成される偏光フィルタ5と、この偏光フィルタ5を駆動する液晶駆動回路6を有し、さらに二重焦点光学系2により結像される像を撮像する撮像手段7を有している。
【0017】
ここで、二重焦点光学系2は、焦点OA(下側の焦点),OB(上側の焦点)のそれぞれの焦点深度DA,DBが連続するように設計されたものである。つまり、このような複屈折結晶を硝材とするレンズは、菊田久男・岩田耕一「複屈折レンズの光線追跡」、光技術コンタクト、Vol.31.No5、p247〜259(1993)に記載されているように、複屈折結晶の光学軸に対する入射光線の偏光方向の違いにより2つの位置で焦点を結ぶようになっていて、このとき、それぞれの光線を常光線、異常光線と呼び、レンズの形状を図2に示すようにすると、常光線での焦点距離fo 及び異常光線での焦点距離fe は、
fo =r1 ・r2 /((no −1)(r1 −r2 )) …(1)
fe =r1 ・r2 /((ne −1)(r1 −r2 )) …(2)
(但し、r1 ,r2 :レンズの曲率半径、
no :常光線に対する屈折率、
ne :異常光線に対する屈折率。)
で与えられるようになり、これにより、これら焦点距離fo ,fe を適当に設計することで、焦点OA,OBのそれぞれの焦点深度DA,DBが連続するように設計することが可能になる。
【0018】
なお、二重焦点光学系2に使用する複屈折結晶としては、水晶に限らず、方解石など、複屈折結晶であるならば制限がないものとする。
また、偏光フィルタ5は、偏光板3を複屈折結晶の光学軸C(図2参照)に対し平行な方向に配置していて、常時、偏光板3を透過する光が二重焦点光学系2の複屈折結晶の光学軸に平行な直線偏光になるように設定され、液晶駆動回路6により液晶素子4を駆動して液晶の配向を切換えることにより、偏光板3を通った光の偏光方向が90°回転されるようにしている。この場合の液晶駆動回路6による液晶駆動は、後述するコントローラ9の指示により行なわれる。
【0019】
なお、偏光板3の偏光方向は、複屈折結晶の光学軸Cに対し平行な方向に配置する例を述べたが、この偏光方向は、光学軸Cに垂直な方向でも構わない。また、偏光板3の偏光方向を回転させる手段は、液晶に限らず、電気的に偏光方向を変えられるものならば、特に限定しない。
【0020】
一方、撮像手段7には、切換スイッチ8を接続している。この切換スイッチ8は、コントローラ9からの切換信号により上述した液晶駆動回路6による液晶駆動と同期して出力先を切換えるようにしている。
【0021】
そして、この切換スイッチ8の出力先には、第1のフレームメモリ10と第2のフレームメモリ11を接続している。これら第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11は、焦点位置の異なる2つの画像を各別に記憶するものである。
【0022】
これら第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11には、輝度比較回路12を接続している。この輝度比較回路12は、これら第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11に記憶された焦点位置の異なる2つの画像の各画素の輝度を比較選択するもので、予め、コントローラ9によってしきい値L1 ,L2 (L1 <L2 )を設定されていて、これらのしきい値L1 ,L2 に対し各焦点位置の画像の対応する画素の輝度を比較すると共に、この比較結果に基づいていずれか一方の画素を選択し画像の再合成を行なうようにしている。
【0023】
そして、輝度比較回路12には、第3のフレームメモリ13を接続し、この第3のフレームメモリ13に表示手段14を介してモニタ15を接続している。
第3のフレームメモリ13は、輝度比較回路12での再合成により画像データを記憶するようにしている。表示手段14は、第3のフレームメモリ13に記憶された画像データを表示信号に変換するもので、この表示信号に基づいた画像をモニタ15に表示するようになっている。
【0024】
次に以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
まず、試料として図示しない3次元物体を顕微鏡1の図示しない試料ステージ上に載置するとともに、試料が二重焦点光学系2の焦点深度DA,DBの範囲に位置するように試料ステージの高さを調整する。
【0025】
この状態で、試料の観察画像は、偏光フィルタ5及び二重焦点光学系2を通って撮像手段7の撮像面に結像され撮像される。この場合、二重焦点光学系2前面に配置される偏光フィルタ5の液晶素子4は、コントローラ9の指示により液晶駆動回路6によって繰り返し駆動され、液晶の配向を切換えられるので、偏光板3を透過する光の偏光方向も切換えられるようになり、これに伴い二重焦点光学系2の焦点位置は、焦点位置OA(下側の焦点),OB(上側の焦点)の間で切換えられる。
【0026】
また、この二重焦点光学系2の焦点位置の切換えと同期してコントローラ9より切換信号が切換スイッチ8に送られる。これにより、撮像手段7により、焦点位置OA焦点深度DA内の試料の観察画像と焦点位置OB焦点深度DB内の試料の観察画像が交互に撮像される。
【0027】
同時に、切換スイッチ8の切換動作に応じて第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11に送出され、焦点位置OA焦点深度DA内の試料の鮮明な画像が第1のフレームメモリ10に、焦点位置OB焦点深度DB内の試料の鮮明な画像が第2のフレームメモリ11にそれぞれ記憶される。
【0028】
次に、これら第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11に記憶された画像は、輝度比較回路12に送られ、比較され選択される。この場合、輝度比較回路12には、コントローラ9によってしきい値L1 、L2 を設定されている。この場合、輝度比較回路12は、図3(a)に示すように第1のフレームメモリ10に記憶されたある画素の輝度をA、同図(b)に示すように第2のフレームメモリ11に記憶された対応する画素の輝度をBとすると、同図(c)に示すように、これらの輝度A,Bを比較するとともに、これらのいずれか一方を選択することで画像を再合成する。
【0029】
輝度比較回路12での比較選択の方法をさらに詳しく述べると、以下の3通りの条件がある。
(1)A,B両方の輝度がしきい値L1 より小さい時は、合焦している画素の輝度と焦点の合っていない画素の輝度を比較すると、焦点の合っていない方の画素は注目している画素周辺の輝度の高いぼけ像のもれが加算されるため輝度が高くなる。そこで、A,Bを比較したときに、輝度の低い方の画素を選択する。
【0030】
(2)AまたはBの少なくともどちらか一方がL1 とL2 の間にあるときは、その部分の画素の輝度がある程度高い場合を表しているのであり、注目している画素以外のぼけ像のもれの影響は少ない。一般に焦点の合っている画素と焦点の合っていない画素を比較すると、焦点が合っている画素のほうが輝度が高いので、A,Bを比較したときに、輝度の高い方の画素を選択する。
【0031】
(3)A,Bのどちらか一方がL2 を越えている場合、その画素の部分の反射率が高いことを示しており、観察している試料の形状によっては、焦点の合っている画素と焦点の合っていない画素を比較すると、合っていない画素のほうが輝度が高くなる場合がある。この場合は、A,Bを比較したときに、輝度の低い方の画素を選択する。
【0032】
以上の3つの条件で比較を行なうが、(1)(3)のA,Bの輝度と画像のぼけの状態がこの条件に当てはまらない場合がある。このような場合は、最終的に得られる画像にぼけ像が乗り不鮮明な部分が出てくる。このときは、L1 ,L2 を調整することにより、L1 ,L2 による領域を設定し直す。これには、観察者が画像観察を行ないながらコントローラ9によりL1 、L2 の設定を行なうようになる。つまり、(1)の条件に合わない場合、すなわちA,Bのどちらかの輝度が著しく高いが、焦点の合っている画像と合っていない画像を比較すると合っている画像のほうが輝度が高くならない場合は、L2 の値を大きくするように調整すれば、誤ったA,Bの選択を回避することができる。また、(3)の条件に合わない場合、すなわちA,Bのどちらかの輝度が著しく低く、焦点の合っている画素と合っていない画素を比較すると、合っていない画素のほうが輝度が高くならない場合は、L1 の値を小さくすれば、誤ったA,Bの選択を回避することができる。これらのしきい値L1 ,L2 の設定は、観察を行なったときの不自然な画像の分布面積から観察者が容易に適正な値を決めることができる。
【0033】
図4はこのような条件に基づいた具体的な比較フローを説明するもので、まず、ステップ401で輝度AとBを比較し、B>Aならば、ステップ402で輝度Bとしきい値L1 を比較する。そして、B<L1 ならば、ステップ403に進み、輝度Aの画素を選択する。これをルート1とする。
【0034】
また、ステップ402でB>L1 を判断したならば、ステップ404で輝度Bの画素を選択し、次いで、ステップ405で輝度Bとしきい値L2 を比較する。そして、B<L2 ならば、ステップ406に進み、輝度Bの画素を選択する。これをルート2とする。
【0035】
また、ステップステップ405で、B>L2 を判断したならば、ステップ407に進み、輝度Aの画素を選択する。これをルート3とする。
一方、上記ステップ401でB<Aを判断した場合は、ステップ408で輝度Aとしきい値L1 を比較する。そして、A<L1 ならば、ステップ409に進み、輝度Bの画素を選択する。これをルート4とする。
【0036】
また、上記ステップ408でA>L1 を判断したならば、ステップ410で輝度Aの画素を選択し、次いで、ステップ411で輝度Aとしきい値L2 を比較する。そして、A<L2 ならば、ステップ412に進み、輝度Aの画素を選択する。これをルート5とする。
【0037】
また、上記ステップ411で、A>L2 を判断したならば、ステップ413にに進み、輝度Bの画素を選択する。これをルート6とする。
これにより、輝度A,Bとしきい値L1 ,L2 の関係と、選択される結果の関係は図5に示すようになる。この場合、ルート1〜6についてしきい値L1 ,L2 に対する輝度A,Bの関係が図示されていて、このうち丸で囲んである方が選択結果である。
【0038】
このような輝度比較回路12での比較選択は、第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11に記憶された画像の対応する全ての画素について行なわれ、この結果として、再合成された画像が第3のフレームメモリ13に記憶され、さらに、この第3のフレームメモリ13に記憶された画像は、表示手段14で表示信号に変換されモニタ15に表示されるようになる。
【0039】
この結果、例えば図6に示すように高い面Xと低い面Yを有する試料21について、図示矢印方向から観察を行なったとすると、第1のフレームメモリ10には二重焦点光学系2の焦点位置OA焦点深度DA内の観察画像として図7(a)に示すように低い面Yに焦点の合った画像が取込まれ(この場合、同図の破線で示す高い面Xは、ぼけ画像となる。)、また、第2のフレームメモリ11には二重焦点光学系2の焦点位置OB焦点深度DB内の観察画像として同図(b)に示すように高い面Xに焦点の合った画像が取込まれる(この場合、同図の破線で示す低い面Yは、ぼけ画像となる。)。
【0040】
そして、これら第1のフレームメモリ10及び第2のフレームメモリ11の画像が輝度比較回路12で比較選択されることにより、第3のフレームメモリ13には同図(c)に示すように高い面Xと低い面Yともに焦点の合った画像が取込まれ、これがモニタ15に表示されることになる。
【0041】
したがって、このようにすれば、複屈折結晶である水晶を硝材として用いた二重焦点光学系2の焦点位置を、液晶素子4による液晶の配向の切換えにより、偏光板3を透過される光の偏光方向を90°回転させることで切換えるようにしたので、機械的な動作を伴わずに焦点位置を切換えることができ、2つの合焦位置の画像を機械的振動を発生させることなく取込むことができ、これにより、このときの振動により観察対象が移動してマニピュレータやピンセットに触れるなどして作業をやり直しするような不都合がなくなり、かかる観察作業の効率低下を回避できる。
【0042】
また、二重焦点光学系2の焦点位置の切換えを偏光板3と液晶素子4からなる偏光フィルタ5を用いることで、かかる焦点位置切換手段として複雑な機械的駆動機構を必要とすることなく、二重焦点光学系の焦点位置の切換えを行なうことができるようになり、その分装置構成の簡単化を実現できると共に、価格的にも安価にできる。
【0043】
さらに輝度比較回路12では、焦点位置の異なる2つの画像の各画素の輝度をしきい値と比較選択し、それぞれの画像のぼけ部分を低減させて画像を再合成することにより、従来の顕微鏡の分解能、作動距離を維持したまま2倍の高さの3次元物体の鮮明な観察画像を得られる。
【0044】
なお、上述した実施の形態では、複屈折結晶を用いた二重焦点光学系と偏光板及び液晶素子により構成される偏光フィルタを用いる構成としたが、例えば、特開昭60−50510号公報に開示される液晶レンズに置き換えても、同様な効果が期待できる。
【0045】
(第2の実施の形態)
以下本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置を図面に従って説明する。図8は画像処理装置全体の概略構成を示しており、基本的な構成及び動作は上記図1に示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0046】
しかして、二重焦点光学系2と撮像手段7の間に複屈折結晶、例えば方解石による平行平板31を配置する。この平行平板31は、方解石の光軸が二重焦点光学系2の観察光軸と直交するように配置されるもので、使用する複屈折結晶は方解石に限らず、他のものであってもよい。
【0047】
次に上記のように構成した本実施の形態の特に観察光学系の動作について図9乃至図11を用いて説明する。図10は本実施の形態の光学系部分であり、図11は説明のために図10から方解石の平行平板31を取り除いた時の結像関係を示す図である。なお、図11では偏光板3及び液晶素子4は省略している。
【0048】
説明を容易にするために、撮像手段7としてCCDカメラを用い、モニタ15上に表示出力する際に試料を50倍で観察できる、ビデオ倍率60倍のビデオ顕微鏡について考えるものとする。このとき、光学系に要求される倍率は−0.83倍程度とする。
【0049】
複屈折結晶を硝材とするレンズは、上記第1の実施の形態で説明した如く複屈折結晶の光学軸に対する入射光線の偏光方向の違いにより2つの位置で焦点を結ぶようになっており、レンズの形状を上記図2に示すようにすると、常光線での焦点距離fo 及び異常光線での焦点距離fe は、上記式(1)及び(2)で表わすことができる。
【0050】
硝材に屈折率no :1.544、ne :1.553の水晶を用いて、−r1 =r2 =66.851[mm]の二重焦点光学系2の焦点距離を計算すると、fo =61.44[mm]、fe =60.44[mm]となる。一般にレンズの結像関係は図9に示すように記号を定めると、結像倍率をβとして
z=−f/β、z′=−β・f′
となる。
【0051】
二重焦点光学系2の光学軸に平行な偏光をもつ光線を光線A、垂直な偏光をもつ光線を光線Bとし、それぞれの結像関係を図11に示すように定めると、
zA=−fo /β、zA′=−β・fo ′、 …(3)
zB=−fe /β、zB′=−β・fe ′ …(4)
となる。
【0052】
したがって、光線A、光線Bによる結像倍率が−0.83となるようにするためには、zA,zA′,zB,zB′はzA=−74.02[mm]、zA′=51.00[mm]、zB=−72.82[mm]、zB′=50.17[mm]とすればよい。このとき光線Aと光線Bの物点位置は2.2[mm]離れ、焦点深度を拡大することができる反面、結像面が1.83[mm]離れることとなる。
【0053】
次に図10に示すように方解石の平行平板31が二重焦点光学系2と撮像手段7の間に配置されている状態について考える。平行平板31は、その光学軸が光線Aの偏光方向に対しては直交するように、そして光線Bの偏光方向に対しては平行になるように配置される。
【0054】
そのため、平行平板31は光線Aに対しては異常光線として屈折率1.486の媒質として、光線Bに対しては常光線として屈折率1.658の媒質としてふるまう。このとき、結像位置の空気換算長は図11に示すように平行平板31がない結像位置と等しくならなければならない。
【0055】
光線A,Bの結像位置が等しくなるためには、二重焦点光学系2と撮像手段7の間隔をz′、その光線A,Bに対する空気換算長をzA″,zB″、平行平板31の厚さをd、常光線に対する屈折率をno ′、異常光線に対する屈折率をne ′とすると、以下の式が成り立つ。すなわち、
zA″=z′−d+(d/ne ′) …(5)
zB″=z′−d+(d/no ′) …(6)
上記図11で示したように光線A,Bの結像倍率を−0.83とするためには、光線A,Bに対する二重焦点光学系2と撮像手段7の間の空気換算長がそれぞれ
zA″=zA′+fo ′=112.44[mm] …(7)
zB″=zB′+fe ′=110.61[mm] …(8)
である必要がある。
【0056】
したがって、これらから二重焦点光学系2と撮像手段7の間隔z′と平行平板31の厚さdを求めると、z′=121.0[mm]、d=26.2[mm]となり、z′とdを設計によって求めることができることがわかる。
【0057】
このため、二重焦点光学系2と撮像手段7の間隔z′を121.0[mm]とし、そこへ厚さ26.2[mm]の平行平板31を挿入すると、二重焦点光学系2と撮像手段7の換算長は光線Aについては112.44[mm]、光線Bについては110.61[mm]となる。このことから、光線Aと光線Bは物体上で2.2[mm]離れた位置の像が共に結合倍率−0.83で撮像手段7の素子上に結像され、倍率の等しい像を取り込むことができるものとなる。
【0058】
なお、液晶素子4により切換えられながら撮像手段7により撮像した画像の処理については上記第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
このように、2つの合焦位置で得る像の結像倍率を等しくすることができるので、その2つの画像を取込んで合成した場合でも、得られる再合成画像上の各部位の長さが全て正確に一致するため、3次元物体のきわめて正確で鮮明な観察画像を得ることができる。
なお、本発明は上記第1及び第2の実施の形態に限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0060】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、機械的な動作を伴わずに焦点位置を切換えることができ、2つの合焦位置の画像を機械的振動を発生させることなく取込むことができることに加えて、焦点位置切換手段として複雑な機械的駆動機構を用いることなく、二重焦点光学系の焦点位置を切換えることができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、取込まれた2つの画像の各画素の輝度をしきい値と比較選択し、それぞれの画像のぼけ部分を低減させて画像を再合成するため、従来の顕微鏡の分解能、作動距離を維持したまま2倍の高さの3次元物体の鮮明な観察画像を得ることができる。
【0062】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、二重焦点光学系の2つの焦点による像の結像倍率が等しくなるため、それぞれの像による画像を再合成したときの画像上の長さが不一致となってしまうことがなく、3次元物体の正確で鮮明な観察画像を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、上記結像倍率調節手段を簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る概略構成を示す図。
【図2】同実施の形態に係る二重焦点光学系を説明するための図。
【図3】同実施の形態に係る輝度比較回路の動作を説明するための図。
【図4】同実施の形態に係る輝度比較回路の動作を説明するフローチャート。
【図5】同実施の形態に係る輝度比較回路の動作を説明するための図。
【図6】同実施の形態に係る具体的観察試料を示す図。
【図7】同実施の形態に係る具体的観察試料の観察画像例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る概略構成を示す図。
【図9】同実施の形態に係る観察光学系の動作を説明する図。
【図10】同実施の形態に係る観察光学系の動作を説明する図。
【図11】同実施の形態に係る観察光学系の動作を説明する図。
【符号の説明】
1…顕微鏡
2…二重焦点光学系
3…偏光板
4…液晶素子
5…偏光フィルタ
6…液晶駆動回路
7…撮像手段
8…切換スイッチ
9…コントローラ
10…第1のフレームメモリ
11…第2のフレームメモリ
12…輝度比較回路
13…第3のフレームメモリ
14…表示手段
15…モニタ
21…試料
31…平行平板

Claims (4)

  1. 複屈折結晶による二重焦点光学系と、
    この二重焦点光学系の焦点位置を機械振動を発することなく切換える焦点位置切換手段と、
    上記二重焦点光学系で得られる画像をそれぞれ撮像する単一の撮像手段と、
    上記焦点位置切換手段により切換えられる二重焦点光学系のそれぞれの焦点位置の画像を上記撮像手段から取込んで各別に記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶された異なる焦点位置の画像の各画素の輝度を所定のしきい値との関係から比較選択して画像を再合成する画像処理手段と、
    この画像処理手段により再合成された画像を表示する表示手段と
    を具備し
    上記焦点位置切換手段は、二重焦点光学系の複屈折結晶の光学軸に平行な直線偏光が透過される偏光板と、この偏光板を透過する光の偏光方向を制御信号に応じて回転させる液晶素子を有する偏光フィルタからなる
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記画像処理手段は、予め異なる大きさのしきい値が設定され、これらのしきい値に対し各焦点位置の画像の対応する画素の輝度を比較すると共に、この比較結果に基づいて、いずれか一方の画素を選択し画像を再合成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 上記二重焦点光学系の対物レンズと上記撮像手段との間に配置され、上記焦点位置切換手段により切換えられる二重焦点光学系のそれぞれの焦点位置の画像の結像倍率が等しくなるように透過光の偏光方向に応じて該対物レンズと撮像手段との間の空気換算長を調節する単一の結像倍率調節手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 上記結像倍率調節手段は、上記対物レンズの光学軸と直交または平行な光学軸を有する複屈折結晶による平行平板からなることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
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