JP4273866B2 - ステアリングコラム機構 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のステアリングコラムシャフトに適度の摩擦を付加するために、ステアリングコラムチューブとステアリングコラムシャフトとの間に介在されるステアリングコラム摩擦付加部材(フリクションブッシュ)を具備したステアリングコラム機構に関する。
自動車のステアリングコラムシャフト(以下、コラムシャフトという)は、通常、ボールベアリングからなる転がり軸受を介してステアリングコラムチューブ(以下、コラムチューブという)に回転自在に支持されている。
ところで、コラムシャフトは、ステアリングホイールの回転操作(ハンドル操作)を車軸に伝える一方、車軸の変位をステアリングホイールに伝達するものであるから、上記のような転がり軸受による低摩擦抵抗でもってコラムチューブに回転自在に支持されていると、抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を提供できるのであるが、高速走行中に路面の起伏等に基づく車軸の横ぶれ(振動)をそのままステアリングホイールに伝達してしまい却って操舵感を低下させる虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を維持できる上に、高速走行中におけるステアリングホイールの座りを改善できて高速走行中の操縦安定性(操舵感)を向上させることができるステアリングコラム摩擦付加部材(以下、摩擦付加部材という)を具備したステアリングコラム機構を提供することにある。
本発明のステアリングコラム機構は、ステアリングコラムチューブと、このステアリングコラムチューブ内に挿着されたステアリングコラムシャフトと、このステアリングコラムシャフトをステアリングコラムチューブに回転自在に支持すべく、ステアリングコラムシャフトとステアリングコラムチューブとの間に介在された転がり軸受と、ステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転においてステアリングコラムシャフトに摩擦抵抗を付加すべく、ステアリングコラムチューブとステアリングコラムシャフトとの間に介在されたステアリングコラム摩擦付加部材とを具備しており、ステアリングコラム摩擦付加部材は、円筒状本体と、この円筒状本体の内周面に設けられていると共に軸心周りの方向において互いに離間した複数の摺動摩擦面と、円筒状本体の一方の端面から軸方向に円筒状本体の他方の端面の手前まで伸びて円筒状本体に設けられた一方のスリットと、円筒状本体の他方の端面から軸方向に円筒状本体の一方の端面の手前まで伸びて円筒状本体に設けられた他方のスリットと、円筒状本体の外周面に設けられた少なくとも一つの溝と、この溝に円筒状本体の外周面から突出すると共に円筒状本体を縮径させるように嵌装された弾性リングとを具備しており、弾性リングは、その外周面で締め代をもってステアリングコラムチューブの内周面に嵌装されており、円筒状本体は、その外周面とステアリングコラムチューブの内周面との間にクリアランスをもってステアリングコラムチューブの内周面に配されていると共に摺動摩擦面を介してステアリングコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けて当該ステアリングコラムシャフトの外周面に装着されており、弾性リングは、ステアリングコラムチューブの内周面の径よりも大きい外径と溝の底面の径よりも小さい内径とを有しており、ステアリングコラムシャフトの外周面が摩擦接触してステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転において当該ステアリングコラムシャフトの外周面が摺動する摺動摩擦面は、ステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転においてステアリングコラムシャフトに摩擦抵抗を付加するようになっている。
本発明のステアリングコラム機構によれば、摩擦付加部材において、コラムチューブの内周面に円筒状本体が、円筒状本体の内周面にコラムシャフトが夫々挿入されると、円筒状本体の外周面から突出する弾性リングはコラムチューブの内周面に対して締め代をもって弾性変形してその外周面側で圧縮応力を受け、円筒状本体の両端面に対して交互に開口端を有したスリットにより拡径及び縮径自在となっている円筒状本体はその内部に挿通されたコラムシャフトの外周面に対して複数の摺動摩擦面を介して締め代をもって締め付け、この円筒状本体の締め代により弾性リングは弾性変形してその内周面側で引張り応力を受けることになるので、これら弾性リングの圧縮応力及び引張り応力による弾性リングの潰し代(撓み量)に基づくコラムシャフトの外周面に対する複数の摺動摩擦面を介する円筒状本体の締め付けでもってコラムシャフトには適宜の摩擦抵抗が付加される結果、コラムシャフトに対する転がり軸受による回転自在な支持による抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を維持できる上に、高速走行中におけるステアリングホイールの座りを改善できて高速走行中の操縦安定性(操舵感)を向上させることができ、しかも、弾性リングの潰し代(撓み量)を調整することによりコラムシャフトに最適な摩擦抵抗を付加できる。
弾性リングとしては、断面円形状の所謂Oリングであってよいが、その他の断面X字形状、断面U字形状又は断面台形状のリング等であってもよく、弾性リングを形成する弾性材料としては、天然ゴム、合成ゴム、弾性を有する熱可塑性合成樹脂、例えばポリエステルエラストマーのいずれであってもよい。
本発明においては好ましくはその第二の態様の摩擦付加部材のように、円筒状本体には一方及び他方のスリットの夫々が複数個設けられており、各スリットは一対の摺動摩擦面の間を通って軸方向に伸びており、一方及び他方のスリットは軸心周りの方向において交互に配されている。
各摺動摩擦面は、本発明の第三の態様の摩擦付加部材のように、円筒状本体の両端面から軸方向において所定距離だけ離れた位置間で円筒状本体の内周面に設けられていてもよく、また、複数の摺動摩擦面は、本発明の第四の態様の摩擦付加部材のように、軸心周りの方向において等間隔に配されているとよい。
また本発明においては、その第五の態様の摩擦付加部材のように、各摺動摩擦面は軸心周りの方向における当該各摺動摩擦面の中央部でコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けるようになっていてもよく、また、その第六の態様の摩擦付加部材のように、平坦面又は円弧状の突面若しくは凹面であってもよく、各摺動摩擦面が平坦面である場合には、本発明の第七の態様の摩擦付加部材のように、径方向において互いに対面すると共に互いに平行な摺動摩擦面間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さくてもよく、各摺動摩擦面が円弧状の突面である場合には、本発明の第八の態様の摩擦付加部材のように、径方向において互いに対面する摺動摩擦面の頂部間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さくてもよく、そして、各摺動摩擦面が円弧状の凹面である場合には、本発明の第九の態様の摩擦付加部材のように、径方向において互いに対面する摺動摩擦面の底部間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さくてもよく、溝は、本発明の第十の態様の摩擦付加部材のように、摺動摩擦面の軸方向の中央部に対応する位置に配されていてもよい。
本発明の摩擦付加部材において、複数の摺動摩擦面と円筒状本体とは、好ましくはその第十一の態様の摩擦付加部材のように、合成樹脂から一体成形されたものである。
複数の摺動摩擦面と円筒状本体とを形成する合成樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂及び四ふっ化エチレン樹脂などの熱可塑性合成樹脂を好ましい例として挙げることができる。
本発明のステアリングコラム機構は、弾性リングをその外周面で締め代をもってコラムチューブの内周面に嵌装し、摺動摩擦面でコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けて円筒状本体をコラムシャフトの外周面に装着し、コラムチューブに対するコラムシャフトの回転においてコラムシャフトに摩擦抵抗を付加すべく、コラムチューブとコラムシャフトとの間に上記のいずれかの態様における摩擦付加部材を介在させたものである。
本発明によるステアリングコラム機構は、上記の通り、コラムチューブと、このコラムチューブ内に挿着されたコラムシャフトと、このコラムシャフトをコラムチューブに回転自在に支持すべく、コラムシャフトとコラムチューブとの間に介在された転がり軸受と、コラムチューブに対するコラムシャフトの回転においてコラムシャフトに摩擦抵抗を付加すべく、コラムチューブとコラムシャフトとの間に介在された上記のいずれかの態様における摩擦付加部材とを具備しており、ここで、弾性リングはその外周面で締め代をもってコラムチューブの内周面に嵌装されており、円筒状本体はその外周面とコラムチューブの内周面との間にクリアランスをもってコラムチューブの内周面に配されていると共に摺動摩擦面を介してコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けて当該コラムシャフトの外周面に装着されている。
斯かる本発明によるステアリングコラム機構によれば、上記の摩擦付加部材を具備しているために、上述の通り、転がり軸受による抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を維持できる上に、摩擦付加部材により高速走行中におけるステアリングホイールの座りを改善できて高速走行中の操縦安定性(操舵感)を向上させることができる。
本発明のステアリングコラム機構においては、上記の通り、外径がコラムチューブの内周面の径よりも大きく、内径が溝の底面の径よりも小さい弾性リングを用いている。
更に本発明によるステアリングコラム機構は、摩擦付加部材の円筒状本体の外周面に装着された金属製の環状部材を更に具備しており、ここで、環状部材はその外周面でコラムチューブの内周面に嵌装されており、摩擦付加部材は円筒状本体の外周面に突起を更に具備していてもよく、この場合、環状部材は摩擦付加部材の突起が嵌合する凹所又は孔を具備していると共に当該凹所又は孔が摩擦付加部材の突起に嵌合して摩擦付加部材の円筒状本体の外周面に装着されているとよい。
本発明によるステアリングコラム機構では、上記のような金属製の環状部材を用いないで、樹脂製の環状部材を用いてもよく、また斯かる環状部材を用いないで、摩擦付加部材を直接にコラムチューブの内周面に装着するようにしてもよく、要は、摩擦付加部材自体がコラムチューブに対して回転しないようにすればよい。
本発明によれば、抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を維持できる上に、高速走行中におけるステアリングホイールの座りを改善できて高速走行中の操縦安定性を向上させることができる摩擦付加部材を具備したステアリングコラム機構を提供することができる。
以下、図を参照して本発明及びその好ましい実施例を説明する。なお、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
図1から図5において、本例の摩擦付加部材1は、円筒状本体2と、円筒状本体2の内周面3に設けられた複数、本例では六つの摺動摩擦面としての平坦面4と、円筒状本体2の一方の端面5から軸方向Aに一対の平坦面4の間を通って円筒状本体2の他方の端面6の手前まで伸びて円筒状本体2に設けられた三つのスリット7と、円筒状本体2の他方の端面6から軸方向Aに一対の平坦面4の間を通って円筒状本体2の一方の端面5の手前まで伸びて円筒状本体2に設けられた三つのスリット8と、円筒状本体2の外周面9に設けられている少なくとも一つ、本例では一つの溝10と、溝10に円筒状本体2の外周面9から突出すると共に円筒状本体2を縮径させるように嵌装された弾性リング11とを具備している。
円筒状本体2及び平坦面4は、合成樹脂、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性合成樹脂、好ましくは摺動性(滑り性)に優れたものから一体成形されている。
円筒状本体2は、端面5及び6を有すると共に内面に円筒面24を有する円筒状部15と、円筒状部15の外周面14に一体的に設けられていると共に溝10を規定する環状の二つの突起16及び17と、円筒状部15の外周面14に一体的に設けられていると共に軸心X周りにおいて等間隔、即ち120°の角度間隔に配されている三つの突起18とを具備しており、外周面14と共に円筒状本体2の外周面9を構成する突起16及び17の外周面19の径R1は、互いに等しい一方、コラムチューブ20(図6参照)の円筒状の内周面21の径R2より小さい。
六つの平坦面4は、軸心X周りにおいて等間隔、即ち60°の角度間隔に配されており、円筒状本体2の内周面3は、平坦面4に加えて、円筒状本体2の一方の端面5から平坦面4の軸方向Aの一端22まで伸びると共に徐々に縮径したテーパ面23と、円筒状本体2の他方の端面6から突起17の位置に対応する位置まで伸びた円筒面24と、円筒面24の軸方向Aの一端25から平坦面4の軸方向Aの他端26まで伸びると共に徐々に縮径したテーパ面27とを具備しており、こうして、各平坦面4は円筒状本体2の両端面5及び6から軸方向Aにおいて所定距離だけ離れた位置間で円筒状本体2の内周面3に設けられており、径方向において互いに対面すると共に互いに平行な平坦面4間の距離Lは、端面5及び6における円筒状本体2の円筒面24の内径rよりも小さい。
端面5側において開口する各スリット7は、軸心X周りにおいて互いに等間隔、即ち120°の角度間隔に配されていると共に軸方向Aにおいてテーパ面27を超えて端面6の近傍まで伸びており、端面6側において開口すると共に軸心X周りにおいてスリット7間に配された各スリット8は、軸心X周りにおいて互いに等間隔、即ち120°の角度間隔に配されていると共に軸方向Aにおいて平坦面4の軸方向Aの一端22を超えて端面5の近傍まで伸びており、斯かるスリット7及び8は、軸心X周りにおいて互いに等間隔、即ち60°の角度間隔であって軸心X周りにおいて交互に配されている。
溝10は、平坦面4の軸方向Aの中央部に対応する位置に配されていると共に弾性リング11の内周面側が接触する底面28で規定されている。
スリット7及び8の夫々は、一個でもよいが、本例のように構成されていると、円筒状本体2の縮径を均等に且つ容易に得ることができるので好ましい。
Oリングからなる弾性リング11は、コラムチューブ20の円筒状の内周面21に嵌装されていない一方、溝10に装着されている状態で、コラムチューブ20の円筒状の内周面21の径R2よりも大きい外径を有し、コラムチューブ20の内周面21に嵌装されていない上に、溝10にも装着されていない状態で、溝10の底面28の径R3よりも小さい内径を有しており、而して、円筒状本体2の突起16及び17における外周面19から突出すると共に円筒状本体2を若干縮径させるように溝10に嵌装されており、平坦面4は軸心X周りの方向のその中央部でコラムシャフト30(図6参照)を弾性リング11の弾性力をもって締め付けてコラムシャフト30の外周面45に摩擦接触するようになっている。
本例のステアリングコラム機構31は、図6に示すように、コラムチューブ20と、コラムチューブ20内に挿着されたコラムシャフト30と、コラムシャフト30をコラムチューブ20に軸心X周りにおいて回転自在に支持すべく、コラムシャフト30とコラムチューブ20との間に介在されたボールベアリングからなる転がり軸受35と、コラムチューブ20に対するコラムシャフト30の軸心X周りの回転においてコラムシャフト30に摩擦抵抗を付加すべく、コラムチューブ20とコラムシャフト30との間に介在された上述の摩擦付加部材1と、摩擦付加部材1の円筒状本体2の外周面14に装着された金属製の環状部材36とを具備している。
コラムシャフト30は、その一端のねじ部41側でステアリングホイール(図示せず)側に連結されていると共にその他端42側で車軸側に連結されており、環状部材36は、図1から図5にも詳細に示すように、摩擦付加部材1の突起18が嵌合する凹所又は孔、本例では三つの孔43を具備していると共に当該孔43が摩擦付加部材1の突起18に嵌合して摩擦付加部材1の円筒状本体2の外周面14に装着されており、これにより、環状部材36に対する円筒状本体2の軸心X周りの回転が禁止されており、また、環状部材36は、その外周面44でコラムチューブ20の内周面21に高摩擦抵抗をもって嵌装されており、これにより、コラムチューブ20に対する環状部材36の軸心X周りの回転が禁止されている。
弾性リング11は、その外周面で締め代をもってコラムチューブ20の内周面21に嵌装されており、円筒状本体2は、突起16及び17の外周面19とコラムチューブ20の内周面21との間に十分なクリアランスをもってコラムチューブ20の内周面21に配されていると共に平坦面4を介してコラムシャフト30を弾性リング11の弾性力をもって締め付けてコラムシャフト30の外周面45に装着されている。
弾性リング11をその外周面で締め代をもってコラムチューブ20の内周面21に嵌装し、平坦面4の軸心X周りの方向の中央部でコラムシャフト30を弾性リング11の弾性力をもって締め付けて円筒状本体2をコラムシャフト30の外周面45に嵌装して、コラムシャフト30の外周面45への平坦面4の接触によりコラムチューブ20に対するコラムシャフト30の軸心X周りの回転においてコラムシャフト30に摩擦抵抗を付加すべく、コラムチューブ20とコラムシャフト30との間に介在される摩擦付加部材1では、円筒状本体2の外周面9の溝10に弾性リング11を嵌装することにより、円筒状本体2は、弾性リング11の弾性圧縮力により縮径される。この状態で円筒状本体2の内周面3にコラムシャフト30が挿入されると、円筒状本体2は弾性リング11の弾性圧縮力に抗してスリット7及び8により拡径すると共にコラムシャフト30は弾性リング11の弾性圧縮力をもって平坦面4により締め付けられることになる。
而して、円筒状本体2の外周面19から突出する弾性リング11はコラムチューブ20の内周面21に対して締め代をもって弾性変形してその外周面側で圧縮応力を受け、円筒状本体2の両端面5及び6に対して交互に開口端を有したスリット7及び8により拡径及び縮径自在となっている円筒状本体2はその内部に挿通されたコラムシャフト30の外周面45に対して複数の平坦面4を介して締め代をもって締め付け、円筒状本体2の締め代により弾性リング11は弾性変形してその内周面側で引張り応力を受けることになるので、これら弾性リング11の圧縮応力及び引張り応力による弾性リング11の潰し代(撓み量)に基づくコラムシャフト30の外周面45に対する複数の平坦面4を介する円筒状本体2の締め付けでもってコラムシャフト30には適宜の摩擦抵抗が付加される結果、コラムシャフト30に対する転がり軸受35による軸心X周りでの回転自在な支持による抵抗感のない極めて滑らかであるハンドル操作性を維持できる上に、高速走行中におけるステアリングホイールの座りを改善できて高速走行中の操縦安定性を向上させることができ、しかも、弾性リング11の潰し代(撓み量)を調整することによりコラムシャフト30に最適な摩擦抵抗を付加できる。
上記の摩擦付加部材1では、摺動摩擦面を平坦面4で構成したが、これに代えて、摺動摩擦面を図7に示すように円弧状の突面4で又は図8に示すように円弧状の凹面4で構成してもよく、この場合も、径方向において互いに対面する突面4の頂部間又は凹面4の底部間の距離Lを各端面5及び6における円筒状本体2の円筒面24の内径rよりも小さくするとよく、また、凹面4の曲率半径をコラムシャフト30の外周面45の曲率半径と実質的に同じにするか又はそれよりも大きくしてもよく、更には、突面4及び凹面4は、正確な円弧でなくてもよく円弧状として楕円状等であってもよい。
本発明の好ましい例の図2に示すI−I線矢視断面説明図である。 図1に示す例の左側面説明図である。 図1に示す例の右側面説明図である。 図1に示すIV−IV線矢視断面説明図である。 図1に示す例の外観説明図である。 図1に示す例を用いたステアリングコラム機構の一例の断面説明図である。 本発明の好ましい他の例の左側面説明図である。 本発明の好ましい更に他の例の左側面説明図である。
符号の説明
1 摩擦付加部材
2 円筒状本体
3 内周面
4 平坦面
5、6 端面
7、8 スリット
9 外周面
10 溝
11 弾性リング

Claims (12)

  1. ステアリングコラムチューブと、このステアリングコラムチューブ内に挿着されたステアリングコラムシャフトと、このステアリングコラムシャフトをステアリングコラムチューブに回転自在に支持すべく、ステアリングコラムシャフトとステアリングコラムチューブとの間に介在された転がり軸受と、ステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転においてステアリングコラムシャフトに摩擦抵抗を付加すべく、ステアリングコラムチューブとステアリングコラムシャフトとの間に介在されたステアリングコラム摩擦付加部材とを具備しており、ステアリングコラム摩擦付加部材は、円筒状本体と、この円筒状本体の内周面に設けられていると共に軸心周りの方向において互いに離間した複数の摺動摩擦面と、円筒状本体の一方の端面から軸方向に円筒状本体の他方の端面の手前まで伸びて円筒状本体に設けられた一方のスリットと、円筒状本体の他方の端面から軸方向に円筒状本体の一方の端面の手前まで伸びて円筒状本体に設けられた他方のスリットと、円筒状本体の外周面に設けられた少なくとも一つの溝と、この溝に円筒状本体の外周面から突出すると共に円筒状本体を縮径させるように嵌装された弾性リングとを具備しており、弾性リングは、その外周面で締め代をもってステアリングコラムチューブの内周面に嵌装されており、円筒状本体は、その外周面とステアリングコラムチューブの内周面との間にクリアランスをもってステアリングコラムチューブの内周面に配されていると共に摺動摩擦面を介してステアリングコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けて当該ステアリングコラムシャフトの外周面に装着されており、弾性リングは、ステアリングコラムチューブの内周面の径よりも大きい外径と溝の底面の径よりも小さい内径とを有しており、ステアリングコラムシャフトの外周面が摩擦接触してステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転において当該ステアリングコラムシャフトの外周面が摺動する摺動摩擦面は、ステアリングコラムチューブに対するステアリングコラムシャフトの回転においてステアリングコラムシャフトに摩擦抵抗を付加するようになっているステアリングコラム機構。
  2. 円筒状本体には一方及び他方のスリットの夫々が複数個設けられており、各スリットは一対の摺動摩擦面の間を通って軸方向に伸びており、一方及び他方のスリットは軸心周りの方向において交互に配されている請求項1に記載のステアリングコラム機構。
  3. 各摺動摩擦面は円筒状本体の両端面から軸方向において所定距離だけ離れた位置間で円筒状本体の内周面に設けられている請求項1又は2に記載のステアリングコラム機構。
  4. 複数の摺動摩擦面は軸心周りの方向において等間隔に配されている請求項1から3のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  5. 各摺動摩擦面は軸心周りの方向における当該各摺動摩擦面の中央部でステアリングコラムシャフトを弾性リングの弾性力をもって締め付けるようになっている請求項1から4のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  6. 各摺動摩擦面は平坦面又は円弧状の突面若しくは凹面である請求項1から5のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  7. 各摺動摩擦面は平坦面であり、径方向において互いに対面すると共に互いに平行な摺動摩擦面間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  8. 各摺動摩擦面は円弧状の突面であり、径方向において互いに対面する摺動摩擦面の頂部間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  9. 各摺動摩擦面は円弧状の凹面であり、径方向において互いに対面する摺動摩擦面の底部間の距離は各端面における円筒状本体の内径よりも小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  10. 溝は摺動摩擦面の軸方向の中央部に対応する位置に配されている請求項1から9のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  11. 複数の摺動摩擦面と円筒状本体とは合成樹脂から一体成形されたものである請求項1から10のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
  12. ステアリングコラム摩擦付加部材の円筒状本体の外周面に装着された金属製の環状部材を更に具備しており、環状部材はその外周面でステアリングコラムチューブの内周面に嵌装されおり、ステアリングコラム摩擦付加部材は円筒状本体の外周面に突起を更に具備しており、環状部材は、ステアリングコラム摩擦付加部材の突起が嵌合する凹所又は孔を具備していると共に当該凹所又は孔がステアリングコラム摩擦付加部材の突起に嵌合してステアリングコラム摩擦付加部材の円筒状本体の外周面に装着されている請求項1から11のいずれか一項に記載のステアリングコラム機構。
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