JP4273676B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の燃料噴射弁における、噴射率の適正化、噴霧の微粒化および噴射圧の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第5694903号公報に、高圧燃料供給源から燃料噴射弁(インジェクタ)へ高圧燃料を供給し、燃料圧によりニードルのリフト量を変化させて噴射率の特性(パターン)を可変にする蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁が提案されている。これは、電磁ソレノイドへの通電電流と2個のバネによりパイロットバルブステムのリフト距離を制御して制御室の燃料圧を変化させ、この制御室の燃料圧によりニードルのリフト量を階段状に制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この燃料噴射弁では、ニードルのリフト量は、制御室の圧力変化と、該ニードルに付与されるバネ荷重と、ニードルに加わる燃料圧との均衡で決定される。制御室の圧力は、温度変化による電磁ソレノイドの吸引力の変化および燃料の粘性変化により、不安定になり易い。このため、パイロットバルブステムのリフト量のように正確な階段状の制御は困難であり、ニードルのリフト特性が変化して噴射率が不安定になる。
【0004】
このため、従来の燃料噴射弁では、噴射率を全運転条件において適正に実現するとともに、噴霧角度や噴霧の到達距離などの噴霧状態の適正な可変制御が困難である。また、低噴射率のときに噴霧が悪化しないように噴射孔面積を絞り込んでいるため、高噴射率のときに高い噴射圧が要求され、装置が大型化し、重量の増加、ポンプ駆動トルクおよび燃料噴射弁駆動電圧の増大で機関の燃料消費が増大する問題がある。
【0005】
この発明の目的は、機関の広範囲な運転条件に応じて安定した噴射率が得られるとともに、噴霧の微粒化、噴霧角度や噴霧の到達距離など適正な噴霧を噴射でき、NOX 、黒煙、HCの排出が低減するとともに燃費の向上と出力の増大が可能な燃料噴射弁の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の燃料噴射弁は、高圧燃料が供給されるとともに複数の噴孔が設けられたノズルボディと、該ノズルボディ内にリフト自在に設けられ、リフト量の増減により前記複数の噴孔を選択的に開閉するニードルと、該ニードルを開弁方向に付勢する燃料圧付与手段、前記ニードルを開弁方向に付勢する電気制御式アクチュエータ、および前記ニードルを閉弁方向に付勢する複数のバネと、機関の運転条件に応じて前記電気制御式アクチュエータへの通電を制御し、前記複数の噴孔を開閉させる制御手段とからなる。
【0007】
【発明の作用効果】
請求項1に記載の発明では、ニードルのリフト量の増減によって開閉制御できる複数の噴孔を備えたノズル部を有し、ニードルのリフト量は、ニードルの受圧面積、電気制御式アクチュエータへの通電量およびニードルに配設した複数のバネで増減される。この構成では、電気制御式アクチュエータへの通電量の増減でニードルのリフト量を直接的に制御している。このため、構造が簡単にできるとともに正確にニードルのリフト量を制御できる。この結果、噴射率制御と噴霧制御を適正に実施でき、全運転領域で所定の噴霧を形成し、エミッションが少なく、静粛で高性能な内燃機関が得られる。
【0008】
また、ニードルは、電気制御式アクチュエータによって駆動される駆動部材とボールジョイントで連結されている。このため、ニードルと駆動部材との寸法精度を別々に設定でき、製造および組み付けが容易にできる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、ニードルに設けた燃料圧付与手段は、閉弁時は、開弁方向の受圧面積が閉弁方向の受圧面積より小さく、開弁時は、開弁方向の受圧面積と閉弁方向の受圧面積とが同等であり、開弁後は受圧面積が変化しないことを特徴とする。これにより、ニードルのリフト量の二段制御が簡単にできる。
請求項3に記載の発明では、ニードルは、電気制御式アクチュエータによって駆動される駆動部材とボールジョイントで連結されている。このため、ニードルと駆動部材との寸法精度を別々に設定でき、製造および組み付けが容易にできる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、電気制御式アクチュエータは、電磁吸引力とバネ力との組み合わせ、圧電素子または磁歪素子と、これらに印加する電力、電圧、あるいは磁場を増減する制御手段とからなることを特徴とする。これにより、ニードルのリフト量の増減が正確に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる燃料噴射弁1を示し、軸孔21が貫通して設けられた弁ボディ2と、該弁ボディ2の図示下端に取り付けられたノズル3とを備えている。軸孔21には、ロッド4が遊嵌して挿通され、軸孔21の下端に径大の第2バネ室22が形成されている。弁ボディ2の図示上端には、円筒形の凹所23が設けられるとともに、電磁アクチュエータ5が取り付けられている。
【0012】
弁ボディ2の上部には、軸孔21に傾斜して交差する高圧燃料供給路11、および燃料コネクタ12の締結座24が設けられている。燃料コネクタ12内には、フィルタ13が嵌め込まれた燃料通路14が設けられており、燃料通路14はコモンレールなど高圧燃料源Cに連通している。
【0013】
ノズル3は、弁ボディ2の下端に同軸的に配されたノズルボディ31を備えている。ノズルボディ31は、リテーニングナット32により弁ボディ2の下端部の外周に螺合により締結されている。ノズルボディ31は、上端面33が弁ボディ2の下端面に当接して配され、内径、外径ともに径大の基部34と、該基部34から下方に延長され、内径、外径ともに径小のノズル部35とからなる。ノズル部35の下部は、リテーニングナット32から下方に突き出している。ノズルボディ31内には、ニードル6が軸方向に摺動(リフト)自在に嵌め込まれている。
【0014】
図2に示す如く、ノズル部35の先端(下端)には、内側にテーパー状のシート面36が設けられ、該シート面36の下方には、径小円筒状のサック部37が設けられている。シート面36の下部には、第1噴孔38が開けられ、サック部37の中間には第2噴孔39が開けられている。第1噴孔38と第2噴孔39とは、それぞれ所定の傾斜で上下2段に形成された噴孔群からなり、請求項1に記載の複数の噴孔を形成している。
【0015】
ニードル6は、ノズルボディ31の径大の基部34に摺動自在に嵌め込まれた径大のガイド部61、該ガイド部61から下方に延長されノズル部35内に遊嵌された脚長部62を有する。ガイド部61は、センター保持を行うとともに、燃料通路を確保するための平面6aが形成され、脚長部62の外周隙間に設けた燃料通路6bに連通している。脚長部62の下端には、逆円錐台形のシート部63が形成され、該シート部63の下端にはサックピン部64が設けられている。サックピン部64の下半には、図2の(ロ)に示す円筒面を3つの平面で切欠いた3面カット65が形成され、センター保持がなされるとともに燃料通路が設けられている。なお、3面カット65は、4面カット、5面カットなど3面カット以外であってもよく、平面によるカット以外に、断面が略円弧の円弧カット、断面が略U字形のUカットまたは断面が略V字形のVカットであってもよい。
【0016】
図1に示すニードル6の閉弁位置では、シート部63はシート面36に圧接しており、図2に示す右半のニードル6の第1リフト位置では、シート部63はシート面36から離れて第1噴孔38が開口し、図2に示す左半のニードル6の第2リフト位置では、サックピン部64がサック部37より上方に出て3面カット65がサック部37内に留まることにより、第1噴孔38および第2噴孔39の両方が開口している。
【0017】
ニードル6のガイド部61からは、上方に連結ピン66が同軸的に延設され、連結ピン66の上端にはボール67が設けられている。図3に示す如く、ロッド4の下端には、半球型部4a、逆円錐面部4b、筒面部4c、および円錐面部4dからなる凹所41が形成され、凹所41にはすり割り42が設けられている。ボール67は、凹所41に嵌め込まれて、頂点6cおよび下側球面6dが半球型部4aおよび逆円錐面部4bに略点接触および略線接触してボールジョイント68を構成している。
【0018】
ロッド4とニードル6とがボールジョイント68により連結していることによって、ロッド4と軸孔21とのセンター出し、ニードル6とノズルボディ31のセンター出しとが、微小な誤差を許容して別々に行える。このため、それぞれの部品の加工および組み付けの精度管理が容易になるとともに、摺動部の片摩耗を補い、ロッド4およびニードル6の作動を長期間にわたって補償する。なお、すり割り42は、ボールジョイント68の組み付け作業を容易にする作用を有する。
【0019】
第2バネ室22には、ロッド4(ニードル6)を閉弁方向に付勢するバネ付勢手段7の第2スプリング71と、第2スプリング71の下端を係止する円環板状の座金72とが収容されている。座金72内は、連結ピン66が挿通しており、ニードル6の閉弁位置では、座金72とガイド部61との間には、h1 の大きさの隙間(ニードルリフト量)が設けられている。図2に示す右半のニードル6の第1リフト位置では、ガイド部61は座金72に係合し、ニードル6が第1リフト位置を越えてリフトすると第2スプリング71が圧縮される。
【0020】
ロッド4の上端には、軸孔21に摺接する径大のガイド部46が同軸的に設けられ、ガイド部46の上は径小の首部47、径大の頭部48および径中の頂部49となっている。頭部48および頂部49には、燃料通路を確保するための平面4eが設けられている。ガイド部46には、燃料通路を確保するための平面4fが設けられ、燃料潤滑を確保するための潤滑溝4gが周設されている。
【0021】
電磁アクチュエータ5は、弁ボディ2の上端部に設けた凹所23の外周に螺合された袋ナット51により締結されている。図4に示す如く、凹所23内にはニードル6の最大リフト量を規制する係止板8が設置され、係止板8と凹所23の底との間には係止板8の位置を調整するシム81が介装されている。係止板8には、略ダルマ型の穴82が開けられ、ロッド4の頭部48を挿通して首部47への取り付けが可能になっている。
【0022】
凹所23内には、係止板8の上面を押させるように磁性体リング52が嵌め込まれており、磁性体リング52と凹所23との嵌合面にはOリング53が介装されている。係止板8の下面とガイド部46の上面との間の隙間(ニードルリフト量)の大きさは、h1 +h2 に設定され、h1 +h2 はニードル6の最大リフト量となっている。
【0023】
磁性体リング52の内側には中心穴54を有するアーマチャ55が上下動可能に嵌め込まれている。袋ナット51の天井と磁性体リング52との間には下面の中心に円筒状の第1 バネ室56が設けられたコア57が嵌め込まれている。コア57の外周には電磁コイル58が設置されるとともに、電磁コイル58の内周にはシール筒59が設けられている。
【0024】
アーマチャ55内にはロッド4の頂部49が差し込まれ、アーマチャ55の下面は頭部48に係合している。第1バネ室56には、ロッド4を介してニードル6を閉弁方向(図示下方)に付勢するバネ付勢手段7の第1スプリング74が収容されている。第1スプリング74は、頂部49を下方に付勢し、これにより、ニードル6の閉弁位置では、シート部63はシート面36に圧接している。
【0025】
つぎに作用を説明する。図5の(イ)は電磁コイル58に印加される駆動電流を示し、図5の(ロ)は、電磁コイル58に発生する吸引力を示す。図5の(ハ)は、ニードル5のリフト量を示し、図5の(ニ)はニードル5が受ける閉弁方向のバネ荷重を示す。
【0026】
高圧燃料源Cから所定の高圧燃料が、燃料コネクタ12を経て軸孔21に供給され、ノズルボディ31内に至る。第1 バネ室56にも、燃料圧が供給されている。制御手段ECU(エンジンコントロールユニット)から機関の運転条件に応じて、電磁コイル58に駆動電流が供給される。
【0027】
電磁コイル58は、アーマチャ55を第1スプリング74のバネ荷重FS1に抗して上方(開弁方向)に付勢する吸引力FC1を生じる。吸引力FC1が所定値より大きく、かつバネ荷重FS1と、シート部63の受圧面に作用する燃料圧の合計より小さいときニードル6はリフト量h1 の位置で停止する。このとき、シート部63がシート面36を離れ、第1噴孔38が開口して燃料が噴射される。
【0028】
ニードル6のリフト量はつぎのような付勢力Fの釣り合いによって決定される。
1)ニードル6のリフト量hがh1 より小さい時(h<h1 )
[閉弁時h=0]
閉弁力Fc1は、シート部63に働く燃料圧Fctと第1スプリング74の初期設定荷重Fs1との和である。
Fc1=Fct+Fs1=Pc ×As +Fs1 (1)
Pc は燃料圧、As はシート部63の受圧面積
F=−Fc1=−Pc ×As −Fs1
【0029】
[開弁条件]
電磁コイル58に通電され発生する吸引力Fmがニードル6に作用して
F=Fm−Pc ×As −Fs1 (2)
式(2)のFが正になると開弁する。
【0030】
[開弁時0<h<h1 ]
第1スプリング74のバネ荷重が加わり、バネ力Fs はバネ定数をk1 とすると
Fs =Fs1+k1 ×hとなる。燃料圧はニードル6の上下に等しく負荷されるために均衡している。閉弁力は、
Fc1=Fs =Fs1+k1 ×h
開弁力は吸引力Fmである。
ニードル6に加わる力Fは、
F=Fm−Fc1=Fm−Fs1−k1 ×h (3)
式(3)のFが正になるとニードル6は更に上昇する。
【0031】
2)ニードル6のリフト量がh=h1 となるとき。
閉弁力は第1スプリング74のFs1+k1 ×h1 と、第2スプリング71の初期設定荷重Fs2の合力で、吸引力Fmが、
Fs1+k1 ×h1 <Fm<Fs1+k1 ×h1 +Fs2 (4)
であるとき、ニードル6は、第1リフト量h1 で停止する。
【0032】
3)ニードル6のリフト量hが第1リフト量h1 以上のとき。
バネ力Fs は、第2スプリング71の初期設定荷重Fs2の収縮分が加わり、第2スプリング71のバネ定数をk2 とすると
Fs =k1 ×h+Fs1+k2 (h−h1 )+Fs2 となる。
閉弁力Fcl=Fs =k1 ×h+Fs1+k2 (h−h1 )+Fs2
F=Fm−Fcl=Fm−{k1 ×h+Fs1+k2 (h−h1 )+Fs2}(5)
である。式(5)で、F≧0であればニードル6は最大リフト量h1 +h2 を維持する。
【0033】
電磁コイル58に通電されると、アーマチャ55が上方に吸引されて、ロッド4を引っ張り、ニードル6が上方に変位して開弁する。これは、式(2)のニードル6に加わる力F≧0が成立したときであり、第1リフト量h1 まで上昇する。
【0034】
この第1リフト量h1 から第2スプリング71の初期設定荷重Fs2が負荷されるために、ニードル6は第1リフト量h1 で停止する。図5のニードルリフト線図の(A)または(C)の(a)の状態である。式(4)が成立している間は、ニードル6は第1リフト量h1 で停止している。
【0035】
さらに、電磁コイル58に高い電流が流れると吸引力が増大し式(5)のF≧0が成立してニードル6はリフトを開始し、第2リフト量h2 だけ上昇し係止板8で係止されて最大リフト量h1 +h2 で停止する。これは図5の(B)あるいは(C)の(b)の状態である。
【0036】
駆動パルス時間が経過すると電磁コイル58への通電が停止し、ニードル6は閉弁方向に移動を開始する。第2リフト量h2 だけ降下したところで、第2スプリング71のバネ荷重の負荷がなくなり、第1スプリング74の初期設定荷重Fs1のみとなる。このため、ニードル6に加わる閉弁力は減少してシート部63はシート面36に速度を落として着座する。このため、衝撃と騒音とが低減される。
【0037】
このように、電磁コイル58の電流量で制御される吸引力と、ニードル6のシートの受圧面積による燃料圧、および第1スプリング74、第2スプリング71のバネ荷重により、ニードル6を段階的に開閉制御する。
【0038】
開弁時は、第1リフト量h1 だけ、あるいは最大リフト量h1 +h2 まで、さらには、第1リフト量h1 での期間を長くし、第2リフト量h2 へとつなぐという段階的なリフト特性を得ることも可能である。さらに、閉弁時の第1リフト量h1 の期間をなくすか短く設定して、燃焼初期の燃料噴射量を減少させて窒素酸化物、燃焼騒音を低下させることもできる。さらに、噴射終わりの燃料噴射率の終了を短時間で行うことで黒煙の発生を防止できる。
【0039】
つぎに、図示した実施例の作用効果を説明する。ニードル6のリフト量がh1 のとき、図2に示す如く、シート部63とシート面36とは隙間が存在する。このとき第1噴孔38だけが開口し低い噴射率で、かつ噴孔径を小さく設定することで低い圧力で微粒化された燃料噴霧が実現される。
【0040】
機関運転条件の低中負荷域で、この第1噴孔38だけの噴霧で燃焼させると、低噴射率ゆえに予混合燃焼が低減し、窒素酸化物と騒音とを低減できる。さらに、微粒化されていることで空気との混合が促進され黒煙の低減と熱効率の向上とが実現できる。
【0041】
また、ニードル6のリフト量が、h1 +h2 のときには、第2噴孔39まで開口しており、第1噴孔38からの噴射と合わせて高噴射率が可能になり、微粒化された燃料噴射が可能になる。高負荷高速域の運転条件では、この噴霧は拡散燃焼を促進するために短い噴射期間の要求に合致し出力の向上が達成できる。
【0042】
さらに、微粒化と短時間噴射を実現するために従来は小噴孔径と非常に高い噴射圧力を必要とするが、この発明では噴孔数を実質2倍以上にできることで小噴孔径で、かつ噴射圧を低減できるという利点があり、高噴射圧を発生させる駆動トルクが低減でき燃料消費を軽減する。
【0043】
[効果]
この発明では、ニードル6のリフト量を安定して2段階に制御でき、リフト量の変化により噴孔数を切り換えている。このため、適正に微粒化した噴霧を維持しながら噴射率を変化させることができる。これにより、排気の浄化と出力の向上および燃料消費の低減が実現する。さらに、低噴射圧を実現できるので、噴射系の不要な圧力上昇を少なくでき、機械効率を向上させ、ノズルの信頼性を改善できる。
【0044】
また、閉弁開始には、第1スプリング74の荷重と、第2スプリング71の荷重で閉弁速度を大きくでき、第1リフト量h1 以下では、第1スプリング74の小さい初期設定荷重により、着座直前のニードル6の閉弁速度を低減し、閉弁衝撃をやわらげて、信頼性を向上させる。さらに、第1リフト量だけの噴射時期で済む低中負荷時には、ノズルの噴射率が低く押さえられるために、微小噴射量を安定して制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射弁の断面図である。
【図2】ノズル先端部の拡大断面図である。
【図3】ニードルジョイント部の拡大断面図である。
【図4】ロッド上部の拡大断面図である。
【図5】作動説明のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁
2 弁ボディ
3 ノズル
4 ロッド(駆動部材)
5 電磁アクチュエータ(電気制御式アクチュエータ)
6 ニードル
7 バネ付勢手段
31 ノズルボディ
38 第1噴孔(複数の噴孔)
39 第2噴孔(複数の噴孔)
68 ボールジョイント
71 第2スプリング(複数のバネ)
74 第1スプリング(複数のバネ)
C 高圧燃料源
ECU 制御手段
Claims (4)
- 高圧燃料が供給されるとともに複数の噴孔が設けられたノズルボディと、
該ノズルボディ内にリフト自在に設けられ、リフト量の増減により前記複数の噴孔を選択的に開閉するニードルと、
該ニードルを開弁方向に付勢する燃料圧付与手段、前記ニードルを開弁方向に付勢する電気制御式アクチュエータ、および前記ニードルを閉弁方向に付勢する複数のバネと、
機関の運転条件に応じて前記電気制御式アクチュエータへの通電を制御し、前記複数の噴孔を開閉させる制御手段とからなり、
前記ニードルの上端にボールが設けられ、
前記電気制御式アクチュエータの駆動部材の下端には、半球型部、前記半球型部の下方に接続する逆円錐面部、前記逆円錐面部の下方に接続する筒面部、および前記筒面部の下方に接続する円錐面部からなる凹所が形成され、
前記ボールが前記凹所に嵌め込まれて、前記ボールの頂点および下側球面が前記半球型部および前記逆円錐面部に接触して構成されるボールジョイントにより、前記ニードルが、前記電気制御式アクチュエータの駆動部材と連結されていることを特徴とする燃料噴射弁。 - 高圧燃料が供給されるとともに複数の噴孔が設けられたノズルボディと、
該ノズルボディ内にリフト自在に設けられ、リフト量の増減により前記複数の噴孔を選択的に開閉するニードルと、
該ニードルを開弁方向に付勢する燃料圧付与手段、前記ニードルを開弁方向に付勢する電気制御式アクチュエータ、および前記ニードルを閉弁方向に付勢する複数のバネと、
機関の運転条件に応じて前記電気制御式アクチュエータへの通電を制御し、前記複数の噴孔を開閉させる制御手段とからなり、
前記ニードルに設けた前記燃料圧付与手段は、
閉弁時は、開弁方向の受圧面積が閉弁方向の受圧面積より小さく、
開弁時は、開弁方向の受圧面積と閉弁方向の受圧面積とが同等であり、
前記開弁後は受圧面積が変化しないことを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項2に記載の燃料噴射弁において、前記ニードルは、前記電気制御式アクチュエータの駆動部材と、ボールジョイントで連結されていることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射弁において、前記電気制御式アクチュエータは、電磁吸引力とバネ力との組み合わせ、圧電素子または磁歪素子と、これらに印加する電力、電圧、あるいは磁場を増減する制御手段とからなることを特徴とする燃料噴射弁。
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