JP4273371B2 - プリンタヘッド駆動装置及びプリンタヘッド駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子により吐出液を吐出することで印刷を行うプリンタヘッド駆動装置及びプリンタヘッド駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙に画像や文字を印刷する装置として、ノズルからインクを吐出して印刷を行ういわゆるインクジェットプリンタ装置が知られている。このインクジェットプリンタ装置は、ノズルからインクを紙もしくはフィルム等に吐出させることで印刷を行ういわゆるオンデマンド型のプリンタ装置である。
【0003】
図14は従来のプリンタ装置におけるインクを吐出するための駆動源を示す構成図であり、図14を参照してプリンタ装置1について説明する。
図14のプリンタ装置1は基準電圧生成部2、制御部3、D/A変換部4、演算部5、駆動電圧増幅部6、複数の圧電素子7(1相〜n相)等を有している。基準電圧生成部2は、各圧電素子7を駆動させるためのパルス波形からなる基準電圧Vを生成するものである。
【0004】
制御部3は外部から送られるデジタル信号からなる印刷データPDをD/A変換部4に送る機能を有しており、D/A変換部4は送られた印刷データPDをアナログ信号からなる印刷データAPDに変換するものである。
演算部5は、基準電圧Vのパルス波高を印刷データAPDによって変調して、駆動電圧MVを生成するものである。駆動電圧増幅部6は、送られる駆動電圧MVを増幅して、各圧電素子7に印加するものである。
【0005】
次に図15を参照してプリンタ装置1の動作例について説明する。
まず、基準電圧生成部2から基準電圧Vが演算部5に送られるとともに、制御部3からD/A変換部4を介してアナログ信号からなるAPDが演算部5に送られる。そして、演算部5により基準電圧Vが印刷データAPDで変調された駆動電圧MVが生成される。
その後、駆動電圧MVは駆動電圧増幅部6によって増幅された後、各圧電素子7に印加される。すると、各圧電素子7が駆動電圧MVの大きさに従って変位して、図示しないノズルから変調されたインクが吐出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、従来のプリンタ装置1において、吐出するインクの量を変調して印刷を行うためには、デジタル信号からなる印刷データPDをアナログ信号からなる印刷データAPDに変換するD/A変換部4が必要となる。このため、プリンタ装置1の回路構成が複雑になるとともに、D/A変換部4を動作させるための電力が必要となってしまう。また、D/A変換部4を用いた場合、分解能を2倍にしようとすると、D/A変換部4の回路構成は4倍の規模になってしまい、コストがかかってしまうという問題がある。
【0007】
さらに、インクを吐出するノズルの数、すなわち、駆動する圧電素子7の数を増やす場合、D/A変換部4から演算部5へ印刷データAPDを送るための電送線の本数もふやさなくてはならず、コスト及びメカニカルストレスが増大してしまうという問題がある。
従って、ノズルから吐出するインクの量を変調させて印刷するプリンタ装置1においては、D/A変換部4を使わずに変調することが望まれている。
【0008】
そこで本発明は上記課題を解消し、簡便な回路構成で複数のノズルから吐出するインクの量を変調することができるプリンタヘッド駆動装置及びプリンタヘッド駆動方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、印刷データに基づいて複数の圧電素子を変調駆動させることで、複数のノズルからそれぞれ吐出液を吐出させるプリンタヘッド駆動装置において、複数の前記圧電素子におけるそれぞれの変位量をパルス幅の大きさに変調するとともに、複数の前記圧電素子の前記印刷データを時分割して1つの前記印刷データを出力する制御部と、前記制御部から出力された前記印刷データのタイミングと同期して、所定の大きさの駆動電流を出力する定電流源と、前記定電流源から送られる前記駆動電流の電荷を蓄積して変調データを生成するため、複数の前記圧電素子ごとに配置されている複数の変調電圧生成部と、前記定電流源と複数の前記変調電圧生成部の間にそれぞれ配置されていて、前記定電流源から前記変調電圧生成部への前記駆動電流の供給を制御するための複数の駆動スイッチと、複数の前記変調電圧生成部に蓄積された電荷をそれぞれ一時的に記憶する複数の変調データ記憶部と、複数の前記変調データ記憶部から送られてくる前記変調データに基づいてそれぞれ基準電圧を変調して、複数の前記圧電素子をそれぞれ駆動するための駆動電圧を生成するための波形変調部とを有するプリンタヘッド駆動装置、により達成される。
【0010】
請求項1の構成によれば、制御部が各圧電素子のそれぞれの変位量をパルス幅の大きさとして変調するとともに、同時に駆動する圧電素子に対応した印刷データが順次並べられている印刷データを生成する。そして、その印刷データと同期するタイミングで定電流源が作動して印刷データを所定の大きさの駆動電流として出力する。そして、各圧電素子に対応して配置されている駆動スイッチがON/OFFすることで、各圧電素子ごとに対応した印刷データを変調電圧生成部に蓄積させる。その変調電圧部に蓄積された印刷データと基準電圧に基づいて駆動電圧を生成し、各圧電素子を駆動させる。
これにより、印刷データをアナログ変換するためのD/A変換部を必要としないため、簡単な回路構成となる。
【0011】
上記目的は、請求項4の発明によれば、印刷データに基づいて、複数の圧電素子を変調駆動させて、複数のノズルからそれぞれ吐出液を吐出させるプリンタヘッド駆動方法において、複数の前記圧電素子におけるそれぞれの変位量をパルス幅の大きさに変調するとともに、複数の前記圧電素子の前記印刷データを時分割して1つの前記印刷データを生成して、前記印刷データのタイミングと同期させた所定の大きさの駆動電流を生成して、前記駆動電流の電荷を前記各圧電素子ごとにそれぞれ蓄積して複数の変調データを生成して、複数の前記変調データに基づいて基準電圧を変調し、前記各圧電素子ごとにそれぞれ駆動電圧を生成して、前記駆動電圧により複数の前記圧電素子をそれぞれ駆動させるプリンタヘッド駆動方法により、達成される。
【0012】
請求項4の構成によれば、各圧電素子のそれぞれの変位量がパルス幅の大きさとして変調されるとともに、駆動する圧電素子に対応した印刷データが順次並べられて生成される。そして、その印刷データと同期するタイミングで定電流が出力され、各圧電素子ごとに対応した印刷データを蓄積させる。蓄積された印刷データと基準電圧に基づいて駆動電圧を生成し、各圧電素子を駆動させる。
これにより、印刷データをアナログ変換するためのD/A変換部を必要としないため、簡単な回路構成となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0014】
図1は、プリンタ装置の好ましい実施の形態を示す構成図であり、図1を参照してプリンタ装置100について説明する。
図1のプリンタ装置100は、インクジェットプリンタ装置であって、対象物送り機構110、プリンタヘッド移動部120、プリンタヘッド130等を有している。
対象物送り機構110は、対象物保持部111、モータ112、ベルト113等から構成されている。対象物保持部111は、たとえば円筒状に形成されていて、外周面上に印刷対象物である紙Wを保持するものである。対象物保持部111はモータ112とベルト113を介して機械的に接続されている。モータ112が駆動すると、対象物保持部111は矢印R方向に回転し、紙Wを矢印R方向に送る。
【0015】
対象物保持部111の外周面側にはプリンタヘッド移動部120及びプリンタヘッド130が配置されている。プリンタヘッド移動部120は、ヘッド保持部121、モータ122、ガイド123等から構成されていて、ヘッド保持部121はガイド123に保持されており、ヘッド保持部121の上にはプリンタヘッド130が配置されている。ヘッド保持部121は、モータ122の駆動によりガイド123に沿って矢印M方向に移動する。
【0016】
図2は本発明のプリンタヘッドの好ましい実施の形態を示す構成図であり、図2を参照してプリンタヘッド130について説明する。
図2のプリンタヘッド130は、インク収容部131、導管132、ノズル133、振動板135、圧電素子(ピエゾ素子)136等を有している。インク収容部131には、たとえばシアン、マゼンタもしくはイエローのいずれかの色からなるインク原液(吐出液)134が収容されていて、導管(インク供給路)132を介してノズル133と接続されている。
【0017】
また、たとえば導管132の下側には圧電素子136が振動板135を介して配置されている。圧電素子136は、後述する駆動電圧Vの供給によってそれぞれ矢印A方向に変位して、インク収容部131に対して圧力を加えノズル133からインク134を吐出させるものである。ノズル133は、インク収容部132に収容されているインク134を吐出して、紙等に印刷を行うものである。なお、ノズル133はプリンタヘッド130に複数個(1相〜n相)形成されていて、そのノズル133(1相〜n相)に対応して圧電素子136も複数個(1相〜n相)配置されている。
【0018】
図3は、本発明のプリンタヘッド駆動装置200の好ましい実施の形態を示す構成図であり、図3を参照してプリンタヘッド駆動装置200について説明する。
図3のプリンタヘッド駆動装置200は、制御部210、定電流源220、駆動スイッチコントロール部230、圧電素子駆動部240等を有している。
制御部210は、印刷データPDを定電流源220に送る機能を有しているとともに、スタート信号SR及びクロック信号CKを駆動スイッチコントロール部230に送る機能を有している。ここで、印刷データPDは、後述するように、各ノズル133(1相〜n相)すべての印刷データを時間軸に変調して、クロック信号に同期させた信号として生成されている。
【0019】
定電流源220は、送られた印刷データPDを一定の大きさを有する駆動電流Iに変換して、圧電素子駆動部240に供給するものである。従って、駆動電流Iが出力されるタイミングは、印刷データPDがハイレベルになるタイミングと同期している。
駆動スイッチコントロール部230は、後述する駆動スイッチS1〜SnのON/OFFを制御するものであり、制御部210から送られるスタート信号SR及びクロック信号CKに基づいて動作する。
【0020】
圧電素子駆動部240は、複数の圧電素子136(i=1相〜n相)についてそれぞれ設けられている。圧電素子駆動部240は、変調データ記憶部であるバッファ241、波形変調部242、波形増幅部243、駆動スイッチSi(i=1相〜n相)、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)等を有している。駆動スイッチSiはON/OFFすることによって駆動電流Iの供給を制御するものであって、駆動スイッチコントロール部230によって制御されている。変調電圧生成コンデンサCiは、駆動スイッチSiがそれぞれON状態の時に送られた駆動電流Iの電荷を蓄積して変調データLi(i=1相〜n相)を生成するものである。
【0021】
バッファ241は、変調電圧生成コンデンサCiに蓄積された変調データLiをそれぞれ所定の期間記憶する機能を有している。バッファ241は高インピーダンスになっていて、変調電圧生成コンデンサCiに蓄積された蓄積電荷Vaを後述する波形変調部242に逃がさないようになっている。なお、波形変調部242の入力インピーダンスが変調電圧生成コンデンサCiの静電容量よりも十分低い場合にはバッファ241は省略してもかまわない。
【0022】
波形変調部242は、バッファ241から送られる変調データLi(i=1相〜n相)に基づいて基準波形生成部250から送られる基準電圧Vをそれぞれ変調する機能を有している。
波形増幅部243は、波形変調部242から送られる駆動波形MVi(i=1相〜n相)をそれぞれたとえば約10倍に増幅するとともに、駆動電流Iを約20(mA)になるように電流増幅をするものである。そして、この駆動電圧MVi(i=1相〜n相)によって圧電素子136(1相〜n相)がそれぞれ駆動する。
各圧電素子駆動部240には放電抵抗260及び切り換えスイッチSHが並列接続されている。放電抵抗260は、各変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積された電荷Vaを放電するためのものである。
【0023】
図4は図3のプリンタヘッド駆動装置200における駆動スイッチSi(i=1相〜n相)の構造を示す図であり図4を参照して駆動スイッチSiについて説明する。
駆動スイッチSiは、NMOS(N−channel Metal−oxide Semiconductor)で構成される双方向スイッチであり、ゲート電位に駆動スイッチコントロール部230からコントロール信号CSi(i=1相〜n相)が入力される。コントロール信号CSiがハイレベルの場合にはON状態となり駆動電流Iが流れ、コントロール信号CSi(i=1相〜n相)がローレベルの場合にはOFF状態となり駆動電流Iが流れない。
また、変調電圧生成コンデンサCiに蓄積電荷Vaを蓄積するとき、ソースからドレインに向かって駆動電流Iが流れ、変調電圧生成コンデンサCiに蓄積されている蓄積電荷Vaを放電するとき、ドレインからソースに向かって放電される。
【0024】
図5は図3のプリンタヘッド駆動装置200における駆動スイッチコントロール部230の構造を示す構成図であり、図5を参照して駆動スイッチコントロール部230について説明する。
図5の駆動スイッチコントロール部230は、複数のDフリップフロップD−FFi(i=0〜n+1)及び複数のOR素子ORi(i=1〜n)からなっている。各DフリップフロップDーFFi(i=0〜n+1)はそれぞれ入力されたスタート信号SRをクロック信号CKの1周期分記憶してから出力する機能を有している。また、各DフリップフロップD−FFi(i=1〜n)の出力側にはそれぞれOR素子ORiの入力端子が接続されていて、各D−フリップフロップD−FFiからスタート信号SRが出力されると、ハイレベルのコントロール信号CSiをそれぞれ出力する。
【0025】
また、OR素子ORiには、それぞれスタート信号SRが直接入力されるようになっていて、スタート信号SRが入力されると出力がハイレベルとなり、図3の駆動スイッチSi(i=1相〜n相)がON状態となる。なお、OR素子ORiに直接もしくはDフリップフロップD−FFiからスタート信号SRが入力されない場合には、OR素子ORiはローレベルのコントロール信号CSi(i=1〜n)を出力する。さらに、DフリップフロップD−FF(n+1)からはラッチ信号LSが出力される。
【0026】
次に、図6は図3のプリンタヘッド駆動装置200における波形変調部242の一例を示す構成図であり、図6を参照して波形変調部242について説明する。
図6(A)の波形変調部242は、基準電圧Vrefと変調データLiの最小の電圧値を駆動電圧MVとして出力するいわゆる最小値回路であって、オペアンプ242a、ダイオード242b等を有している。オペアンプ242aは基準電圧Vrefと変調データLiの差分を出力するものであり、オペアンプ242aの+側に変調データLiが入力され、−側に基準電圧Vrefが入力される。
【0027】
ダイオード242bは、プラス端子側がオペアンプ242aの出力端子側に接続されており、マイナス端子側が基準波形生成部250と接続されている。ここで、変調データLiよりも基準電圧Vrefが小さい場合(Li>Vref)、駆動電圧MVとして基準電圧Vrefを出力する。一方、変調データLiよりも基準電圧Vrefが大きい場合(Li<Vref)、基準電圧Vrefから差分電圧(Li−Vref)を減算した電圧が駆動電圧MVとして出力される。従って、変調データLi、基準電圧Vref及び駆動電圧MViは図6(B)に示すようになる。
【0028】
図7は図3のプリンタヘッド駆動装置200において出力される各種信号のタイムチャート図であり、図1乃至図7を参照して本発明のプリンタヘッド駆動方法の好ましい実施の形態について説明する。
まず、図3の制御部210からスタート信号SR及びクロック信号CKが駆動スイッチコントロール部230に送られる。このスタート信号SR及びクロック信号CKは図7(A)及び図7(C)のようになる。
すると、図7(D)に示すように、コントロール信号CS1〜CSn及びCShがすべてハイレベルとなり、切り換えスイッチSH及び駆動スイッチSi(i=1相〜n相)がすべてON状態になる。これにより、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)にそれぞれ蓄積されている蓄積電荷Vaが放電抵抗260によって放電される。
【0029】
一方、図7(B)に示すように、クロック信号CKと同期するタイミングで制御部210から印刷データPDが定電流源220に対して送られる。ここで、印刷データPDは、圧電素子136(i=1相〜n相)をそれぞれ駆動するためのパルス波形(印刷データ)が時分割されて1つの印刷データPDとして連続して形成されている。印刷データPDは、各圧電素子136(1相〜n相)を変調駆動させるために、パルス幅X1〜Xnが印刷濃度に対応した変化して形成されている。従って、クロック信号CKの周期Aに対するパルス幅X1〜Xnの比率(Xi/A)で変調駆動すべき圧電素子136(i=1相〜n相)の変位量が決定する。
【0030】
その後、定電流源220は駆動電流Iを複数の圧電素子駆動部240に送る。このとき、駆動電流Iは駆動スイッチSi(i=1相〜n相)がON状態になっている圧電素子駆動部240に流れる。すなわち、図7(D)に示すように、駆動スイッチコントロール部230によって駆動スイッチCSi(i=1相〜n相)は、クロック信号CKと同期して周期Aで1相からn相まで順次ON状態となっていく。一方、駆動電流Iもクロック信号CKに同期して時分割された1相からn相までのパルス波形からなっている。従って、各相に対応した駆動電流Iがそれぞれ各相の圧電素子駆動部240に供給されることとなる。
【0031】
すると、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)には、送られた駆動電流Iに比例した蓄積電荷Vaが生じる。すなわち、パルス幅X1〜Xnに応じた大きさの電荷が変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積される。このとき、バッファ241は高インピーダンスで形成されているため、変調電圧生成コンデンサCに蓄積されている電荷を波形変調部242に逃がすことがない。
そして、図7(B)のすべての圧電素子136(1相〜n相)に対する印刷データPDが送られたとき(周期T)、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積された電荷がそれぞれバッファ241を経て波形変調部242で変調され、駆動電圧MVi(i=1相〜n相)が生成される。その後、駆動電圧MVは波形増幅部243で増幅されて、各圧電素子136(1相〜n相)に印加される。すると、図8に示すように、駆動電圧MVi(i=1相〜n相)が圧電素子136(i=1相〜n相)に対して一斉に供給される。
【0032】
これにより、圧電素子136(i=1相〜n相)を変調駆動させて、ノズル133(i=1相〜n相)から吐出するインクの量を変調して濃度調整を行うプリンタ装置100において、印刷データPDに基づいて駆動電圧MVを変調する際に、A/D変換部を設ける必要がなくなるため、簡単な回路構成で、安価にかつ低消費電力で回路を実現することができる。
【0033】
図9は本発明のプリンタヘッド駆動装置の第2の実施の形態を示す構成図であり、図9を参照してプリンタヘッド駆動装置300について説明する。なお、図9のプリンタヘッド装置300において図3のプリンタ駆動装置200と同一の構造を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
図9のプリンタヘッド駆動装置300が図3のプリンタヘッド駆動装置200と異なる点は、変調データ記憶部がサンプルホールド回路341からなっている点である。図9において、サンプルホールド回路341は駆動スイッチコントロール部230からラッチ信号LSが送られると、波形変調部242に印刷データPDを送る機能を有している。
【0034】
具体的には、図10に示すようにサンプルホールド回路341は、第1演算増幅部341a、第2演算増幅部341b、サンプリングスイッチ341c等を有している。第1演算増幅部341aと第2演算増幅部341bの間にはサンプリングスイッチ341cが配置されている。そして、このサンプリングスイッチ341cはラッチ信号LSによって制御されていて、ラッチ信号LSがハイレベルになると、サンプリングスイッチ341cがON状態となり、変調データLiが出力される。
【0035】
図11は図9のプリンタヘッド駆動装置300における変調電圧生成コンデンサCiの周辺部位を示す構成図、図12は図11のプリンタヘッド駆動装置300において出力される各種信号のタイムチャート図であり、図9乃至図11を参照してプリンタヘッド駆動装置300の動作例について説明する。
まず、図9の制御部210からスタート信号SR及びクロック信号CKが駆動スイッチコントロール部230に送られる。このスタート信号SR及びクロック信号CKは図12(A)及び図12(C)のようになる。
【0036】
すると、図7(D)に示すように、コントロール信号CS1〜CSn及びCShがすべてハイレベルとなり、切り換えスイッチSH及び駆動スイッチSi(i=1相〜n相)がすべてON状態になる。これにより、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)にそれぞれ蓄積されている蓄積電荷Vaが放電抵抗260によって放電される。図12(I)に示すように、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積されている蓄積電荷VaはVa=Vao×exp(−t/RCi)の関数で減少する。ここで、Vaoは定数、Rは放電抵抗260の抵抗値であって、R×Ciが周期Aに比べて十分小さい値になるように設定しておくと、切り換えスイッチCSWがON状態のときに蓄積電荷Vaがすべて放電される。なお、その間ラッチ信号LSはローレベルのままなので、図12(J)に示すように、サンプルホールド回路341から出力される変調データLiは従前の状態を保持する。
【0037】
一方、図12(B)に示すように、クロック信号CKと同期するタイミングで印刷データPDが制御部210から定電流源220に対して送られる。ここで、印刷データPDは、圧電素子136(i=1相〜n相)をそれぞれ駆動するためのパルス波形X1〜Xnが時分割して連続して形成されていて、そのパルス幅X1〜Xnによって各圧電素子136の変位量が制御される。
【0038】
その後、定電流源220は駆動電流Iを複数の圧電素子駆動部240に送る。このとき、駆動電流Iは駆動スイッチSi(i=1相〜n相)がON状態になっている圧電素子駆動部240に流れる。すなわち、駆動スイッチコントロール部230によって駆動スイッチCSi(i=1相〜n相)は、図12(E)〜(G)に示すように、1相からn相までクロック信号CKの周期Aで順次ON状態となっていく。一方、駆動電流Iもまた1相からn相までのパルス幅X1〜Xnに基づいた駆動電流Iが順次送られる。従って、各相に対応した駆動電流Iがそれぞれ各相の圧電素子駆動部240に供給されることとなる。
【0039】
すると、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)には、送られた駆動電流Iに比例した電位が生じる。すなわち、パルス幅X1〜Xnに応じた大きさの電荷が変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積される。このとき、変調電圧生成コンデンサCi(i=1相〜n相)に蓄積される蓄積電荷Vaは図12(I)に示すように、Va=I×Xi/Ciで蓄積される(Xiはパルス幅)。
【0040】
その後、図12(H)に示すように、ラッチ信号LSがハイレベルになると、図10に示すサンプリングスイッチ341cがON状態となり、蓄積電荷Vaが変調データLkとして取り込まれる。そしてラッチ信号LSがローレベルになっても、その値が保持される。その後、変調データLkに基づいて基準電圧Vrefが波形変調部242で変調され、駆動電圧MViが生成される。その後、駆動電圧MVは波形増幅部243で増幅されて、各圧電素子136(1相〜n相)に印加される。すると、図13に示すように、駆動電圧MVi(i=1相〜n相)が圧電素子136(i=1相〜n相)に対して一斉に供給される。
【0041】
このように、変調データ記憶部としてサンプルホールド回路341を用いることで、ラッチ信号LSがONになっても出力する変調データの値を保持し続けるので、図13に示すように、駆動電圧MVi(i=1相〜n相)を各圧電素子136に印加しているときでも、次の駆動電圧MVi(i=1相〜n相)を生成することができる。
【0042】
上記実施の形態によれば、1つのプリンタヘッド130に複数の圧電素子136(1相〜n相)を用いるプリンタ装置100において、簡易な回路構成にて各ノズル133ごとに吐出するインクの量を変調することができる。すなわち、図3及び図10において、プリンタ装置100、300はD/A変換部を使わずに簡単な回路構成なので、安価にかつ低消費電力で圧電素子136の変調駆動を実現することができる。
【0043】
また、D/A変換部を使った場合、分解能を2倍にすると4倍の回路規模になるが、図3と図10のプリンタ装置100、300においては回路の変更なしに高分解能化に対応することができる。
さらに、プリンタヘッド130におけるノズル133(i=1相〜n相)を増やした場合であっても、変調データを転送する線が極端に削減することができるため、配線に要するコスト及びメカニカルストレスが低減できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な回路構成で複数のノズルから吐出するインクの量を変調することができるプリンタヘッド駆動装置及びプリンタヘッド駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリンタヘッド駆動装置の好ましい実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明のプリンタヘッド駆動装置におけるプリンタヘッドを示す構成図。
【図3】本発明のプリンタヘッド駆動装置の好ましい実施の形態の構成図。
【図4】本発明のプリンタヘッド駆動装置における駆動スイッチの構成を示す図。
【図5】本発明のプリンタヘッド駆動装置における駆動スイッチコントロール部を示す構成図。
【図6】本発明のプリンタヘッド駆動装置における波形変調部の構成を示す図。
【図7】本発明のプリンタヘッド駆動装置において生成される諸電圧の波形を示す波形図。
【図8】本発明のプリンタヘッド駆動装置におけて各圧電素子に出力される駆動電圧を示す波形図。
【図9】本発明のプリンタヘッド駆動装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図10】図9のプリンタヘッド駆動装置におけるサンプルホールド回路を示す構成図。
【図11】図9のプリンタヘッド駆動装置における変調電圧生成コンデンサの周辺部位を示す構成図。
【図12】図9のプリンタヘッド駆動装置において生成される諸電圧の波形を示す波形図。
【図13】図9のプリンタヘッド駆動装置におけて各圧電素子に出力される駆動電圧を示す波形図。
【図14】従来のプリンタヘッド駆動装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
100・・・プリンタ装置、130・・・プリンタヘッド、131、231a、231b・・・インク収容部(吐出液収容部)、133・・・ノズル、136・・・圧電素子、200、300・・・プリンタヘッド駆動装置、210・・・制御部、220・・・定電流源、230・・・駆動スイッチコントロール部、240・・・圧電素子駆動部、241・・・変調データ記憶部、242・・・波形変調部、D・・・印刷間隔、M・・・印刷方向(移動方向)、PD・・・印刷データ、Ci・・・変調電圧生成コンデンサ(変調電圧生成コンデンサ)、I・・・駆動電流、X1〜Xn・・・パルス幅、Li・・・変調データ、MV・・・駆動電圧、CSi・・・コントロール信号
Claims (4)
- 印刷データに基づいて複数の圧電素子を変調駆動させることで、複数のノズルからそれぞれ吐出液を吐出させるプリンタヘッド駆動装置において、
複数の前記圧電素子におけるそれぞれの変位量をパルス幅の大きさに変調するとともに、複数の前記圧電素子の前記印刷データを時分割して1つの前記印刷データを出力する制御部と、
前記制御部から出力された前記印刷データのタイミングと同期して、所定の大きさの駆動電流を出力する定電流源と、
前記定電流源から送られる前記駆動電流の電荷を蓄積して変調データを生成するため、複数の前記圧電素子ごとに配置されている複数の変調電圧生成部と、
前記定電流源と複数の前記変調電圧生成部の間にそれぞれ配置されていて、前記定電流源から前記変調電圧生成部への前記駆動電流の供給を制御するための複数の駆動スイッチと、
複数の前記変調電圧生成部に蓄積された電荷をそれぞれ一時的に記憶する複数の変調データ記憶部と、
複数の前記変調データ記憶部から送られてくる前記変調データに基づいてそれぞれ基準電圧を変調して、複数の前記圧電素子をそれぞれ駆動するための駆動電圧を生成するための波形変調部と
を有することを特徴とするプリンタヘッド駆動装置。 - 複数の前記駆動スイッチは、時分割された前記駆動電流のうち、前記各圧電素子に対応した前記駆動電流が送られてくるタイミングでそれぞれON状態となる請求項1に記載のプリンタヘッド駆動装置。
- 前記変調データ記憶部は、サンプルホールド回路からなっている請求項1に記載のプリンタヘッド駆動装置。
- 印刷データに基づいて、複数の圧電素子を変調駆動させて、複数のノズルからそれぞれ吐出液を吐出させるプリンタヘッド駆動方法において、
複数の前記圧電素子におけるそれぞれの変位量をパルス幅の大きさに変調するとともに、複数の前記圧電素子の前記印刷データを時分割して1つの前記印刷データを生成して、
前記印刷データのタイミングと同期させた所定の大きさの駆動電流を生成して、
前記駆動電流の電荷を前記各圧電素子ごとにそれぞれ蓄積して複数の変調データを生成して、
複数の前記変調データに基づいて基準電圧を変調し、前記各圧電素子ごとにそれぞれ駆動電圧を生成して、
前記駆動電圧により複数の前記圧電素子をそれぞれ駆動させる
ことを特徴とするプリンタヘッド駆動方法。
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